JP2011076645A - サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブ - Google Patents
サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブ Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 インターリーブ配線構成のサスペンション用基板において、強誘電体材料であるチタン酸バリウムを含有させたポリイミド樹脂等からなる比誘電率の高い誘電体を交互配置された差動配線間に充填することにより、上記課題を解決する。
【選択図】 図1
Description
まず、本発明のサスペンション用基板について説明する。
図1は、本発明のサスペンション用基板の一例を示す概略平面図である。図1に示されるサスペンション用基板10は、先端部分に磁気ヘッドスライダを実装するためのジンバル部11と、末端部分に読取回路または書込回路と接続するための接続部12とを有し、ジンバル部11と接続部12との間に、前記磁気ヘッドと読取回路とを電気的に接続する読取配線13と、前記磁気ヘッドと書込回路とを電気的に接続するための書込配線14を有するものである。
ここで、読取配線13と書込配線14は、相互の電気的な影響を極力避けるため、およびサスペンション用基板の力学的平衡を保つため、各々、サスペンション用基板の外周に沿うように配設されている。
配線3a、3bの材料としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば銅(Cu)等を挙げることができる。なお、純銅に準ずる電気特性を有する材料を配線材料として用いても良い。
本発明においては、配線3a、3bの材料が、互いに同じであっても良く、異なっていても良いが、互いに同じであることが好ましい。配線3a、3bの設計、製造が容易になるからである。
なお、配線3a、3bは、その表面にニッケル(Ni)、金(Au)による保護めっき層が形成されていても良い。
例えば、図2に示すように、第1の電気信号を伝送する配線3aの配線数と第2の電気信号を伝送する配線3bの配線数が同じ数であれば、各配線の線幅は同じであることが好ましい。インターリーブ配線の設計が容易になるからである。
例えば、図5に示すように、配線3aが2本、配線3bが1本で構成される場合には、配線3bの線幅は配線3aの線幅の2倍の線幅であることが好ましい。対称的な構成の方が、インターリーブ配線の設計が容易になるからである。
次に、本発明における誘電体について説明する。例えば、図2に示すように、本発明における誘電体4は、配線3aと配線3bの間の空間を埋めるように形成される。これにより差動配線間の電気容量的な結合性がより高まることから、交互配置された差動配線の差動インピーダンスをさらに低減することができる。
この場合、チタン酸バリウム等の含有量を制御することにより樹脂の比誘電率を所望の範囲に制御することが可能であり、例えば、比誘電率が3.0のポリイミド樹脂に比誘電率が1200のチタン酸バリウムを適量含有させることで比誘電率を5以上に高めることができる。
誘電体の幅は、配線間の距離と同じであることが好ましく、例えば10μm〜100μmの範囲内である。
次に、本発明に用いられるカバー層について説明する。電気信号の減衰や配線の劣化を抑制するため、配線3a、3bはカバー層で覆われていることが好ましい。ただし、サスペンション用基板の反りの発生を抑制するために、カバー層は必要な部位にのみ形成されていることが好ましい。
カバー層5の厚さは、例えば3μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
次に、本発明における絶縁層について説明する。例えば図2に示すように、本発明における絶縁層2は、一方の面上に配線3a、3bを有し、他方の面上に金属基板1を有するものである。絶縁層2の材料としては、所望の絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリイミド等を挙げることができる。また、絶縁層2の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。また、絶縁層2の厚さは、例えば5μm〜30μmの範囲内、中でも10μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。
次に、本発明における金属基板について説明する。図2に示すように、本発明における金属基板1は、配線3a、3b側とは反対側の絶縁層2の面上に形成されるものである。高周波信号を伝送する際の伝送損失を防止するため、配線3a、3bが形成される箇所の絶縁層2の反対側の面の金属基板1は除去されていることが好ましい。
次に、本発明のサスペンション用基板の製造方法について説明する。本発明のサスペンション用基板の製造方法は、上述した構成を有するサスペンション用基板を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。以下、本発明のサスペンション用基板の製造方法の一例について、一対の配線の形成を中心に、図6を用いて説明する。
次に、本発明のサスペンションについて説明する。本発明のサスペンションは、上述したサスペンション用基板を含むことを特徴とするものである。
次に、本発明のヘッド付サスペンションについて説明する。本発明のヘッド付サスペンションは、上述したサスペンションと、該サスペンションに実装された磁気ヘッドスライダとを有するものである。
次に、本発明のハードディスクドライブについて説明する。本発明のハードディスクドライブは、上述したヘッド付サスペンションを含むことを特徴とするものである。
(実施例1)
上述で説明した製造方法に従って、図2に示すような構成の本発明に係るサスペンション用基板を得た。ここで、金属基板1Aには厚さ20μmのステンレススティールを用い、絶縁層2には厚さ10μm、比誘電率3.0のポリイミドを用い、導電層3には厚さ12μmの銅を用いた。
配線3a、3bの線幅は共に45μmとし、配線3a、3b間の距離は15μmとした。また、金属基板1の端部と配線3a、3bの端部との水平方向の距離は、共に40μmとした。
誘電体4には、チタン酸バリウムの含有により比誘電率を5.0に制御したポリイミドを用い、厚さを配線3a、3bと同じ12μmとなるように形成した。カバー層5には比誘電率3.0のポリイミドを用い、絶縁層2からの厚さが17μmになるように形成した。
得られたサスペンション用基板における差動インピーダンスを計算した結果、差動インピーダンスは28Ωであった。
誘電体4およびカバー層5を形成しないこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のサスペンション用基板を得た。得られたサスペンション用基板における差動インピーダンスを計算した結果、差動インピーダンスは31.5Ωであった。
2・・・絶縁層
3・・・導電層
3a・・・配線(第1の電気信号を伝送する配線)
3b・・・配線(第2の電気信号を伝送する配線)
4・・・誘電体
5・・・カバー層
6・・・レジストパターン
10、10´・・・サスペンション用基板
11・・・ジンバル部
12・・・接続部
13・・・読取配線
14・・・書込配線
15・・・磁気ヘッドスライダ実装領域
20・・・インターリーブ配線
21・・・ジャンパー線
22・・・接続端子
30・・・ロードビーム
40・・・サスペンション
41・・・磁気ヘッドスライダ
50・・・ヘッド付サスペンション
60・・・ハードディスクドライブ
61・・・ディスク
62・・・スピンドルモータ
63・・・アーム
64・・・ボイスコイルモータ
65・・・ケース
Claims (9)
- 磁気記録媒体に対して情報を読取または書込する磁気ヘッドを搭載する磁気ヘッドスライダが実装されるジンバル部と、前記磁気ヘッドと読取回路とを電気的に接続する読取配線と、前記磁気ヘッドと書込回路とを電気的に接続する書込配線とを有するサスペンション用基板において、
前記読取配線および前記書込配線は、第1の電気信号を伝送する少なくとも1つの伝送線路と、前記第1の電気信号とは逆位相となる第2の電気信号を伝送する少なくとも1つの伝送線路からなる差動配線であって、
前記伝送線路の少なくとも1つは環状に閉じた線路になっており、
前記差動配線は、前記サスペンション用基板上の少なくとも一部で、3つ以上の配線が交互配置された構成をしており、
前記差動配線の間には、空間を埋めるように誘電体が形成されていることを特徴とするサスペンション用基板。 - 前記誘電体が、前記差動配線を被覆保護するために設けられるカバー層の下に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
- 前記誘電体が、前記差動配線を被覆保護するために設けられるカバー層の上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
- 前記誘電体が、前記差動配線を被覆保護するために設けられるカバー層と同一の材料であることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
- 前記誘電体が、比誘電率5以上の樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のサスペンション用基板。
- 前記誘電体が、チタン酸バリウムを含有させたポリイミド樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のサスペンション用基板。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のサスペンション用基板を含むことを特徴とするサスペンション。
- 請求項7に記載のサスペンションと、前記サスペンションに実装された磁気ヘッドスライダとを有することを特徴とするヘッド付サスペンション。
- 請求項8に記載のヘッド付サスペンションを含むことを特徴とするハードディスクドライブ。
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