JP6127400B2 - サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ - Google Patents
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このサスペンション用基板は、一般に、バネ性を有する金属支持基板と、前記金属支持基板の上に形成された絶縁層と、前記絶縁層の上に形成された配線と、を有している。
なお、前記第1信号配線と前記第2信号配線は一対の差動配線を構成し、前記第1信号配線に伝送される電気信号(第1の電気信号)と前記第2信号配線に伝送される電気信号(第2の電気信号)とは互いに逆位相の関係になる。
そのため、図9(b)に示すように、平面視において配線113a、113b、113c、113dと重なる部分の金属支持基板を除去して開口部115を設け、上記の誘導もしくは容量性結合を低減させる方法も提案されている(例えば、特許文献3)。
図10に示すように、インターリーブ配線構造130は、接続端子131aと接続端子131cを電気的に接続する第1信号配線、および、接続端子131bと接続端子131dを電気的に接続する第2信号配線で構成される一対の差動配線からなり、前記第1信号配線は、分岐点132aで配線113aと配線113cに分岐し、同様に、前記第2信号配線は、分岐点132bで配線113bと配線113dに分岐し、分岐した各配線は互いに逆位相の電気信号が伝送される配線が隣になるように、図面の左端から113a、113b、113c、113dの順で並列配設されている。
そして、同位相の電気信号が伝送される配線113a、113cは、それぞれ、前記第2の絶縁層114に設けた接続ビア133a、133bを経由して接続線134aで電気的に接続されており、同様に、配線113b、113dは、接続ビア133c、133dを経由して接続線134bで電気的に接続されている。
しかしながら、平面的に配線本数を増やす方法では、配線群が占める領域が大きくなることから好ましくない。例えば、配線群が占める領域が大きくなると、上述の伝送ロスを抑制するために配線群の下に設ける金属支持基板の開口部も大きくなることから、物理的強度の点でも問題が生じる。
一方、配線の厚みを大きくする方法では、配線間のスペース幅に対して配線の厚みが大きくなり、アスペクト比の高い加工が必要になることから、製造上困難性が増すという問題がある。
そこで、例えば図11に示すように、第2の絶縁層216を介して互いに逆位相となる配線213aと配線213bを積層し、各配線の上下面(上層の配線の底面と下層の配線の上面)を対向させて容量性結合を形成し、差動インピーダンスを低減する方法も考えられる。
しかしながら、上記のように互いに逆位相となる電気信号が伝送される配線を、絶縁層を介して積層した構成では、サスペンション基板の全体の厚みを小さくするために配線間の絶縁層を薄膜にすると、上下の逆位相の配線の相互作用により高周波特性が劣化してしまうという問題(より詳しくは、伝送特性の帯域幅が狭くなってしまうという問題)が生じることが判明した。
そして、本発明のサスペンション用基板を用いることで、低インピーダンスでありながら、高周波信号の帯域幅が広く、信頼性の高いサスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブを得ることができる。
まず、本発明に係るサスペンション用基板の平面構成について説明する。
図1は、本発明に係るサスペンション用基板の一例を示す概略平面図である。
図1に示すように、本実施形態のサスペンション用基板1は、先端部分に磁気ヘッドスライダを実装するためのタング部2を有し、テール側端部に外部の読取回路または書込回路と接続するための接続端子部3を有し、タング部2と接続端子部3との間に、前記磁気ヘッドと書込回路とを電気的に接続するための書込配線を含む配線群4と、前記磁気ヘッドと読取回路とを電気的に接続する読取配線を含む配線群5を有するものである。
図2は、本発明に係るサスペンション用基板の構成例を示す断面図であり、図1における領域RのA−A断面図である。ここで、図2(a)は、インターリーブ配線構造を構成する第1の配線群および第2の配線群が、各々4本の配線で構成されている例を示し、図2(b)は、前記第1の配線群および前記第2の配線群が、各々6本の配線で構成されている例を示す。
すなわち、第2の配線群を形成することによって、インターリーブ配線構造を構成する配線の本数は2倍に増加されるが、配線群が占める領域は増大化せず、第1の配線群のみが形成されている場合と同程度にできる。
それゆえ、サスペンション基板の厚みを小さくするために両配線群の間の第1の絶縁層12を薄膜にしても、上下の各配線の相互作用により高周波特性が劣化してしまうという問題(より詳しくは、伝送特性の帯域幅が狭くなってしまうという問題)を抑制することができる。
本発明に係るサスペンション用基板においては、上述のように、前記第1の絶縁層のうち、前記金属支持基板の開口部から露出する領域において、前記金属支持基板とは反対側の面の上に第1の配線群が形成され、前記金属支持基板側の面の上に第2の配線群が形成されているため、金属支持基板の一方の面に絶縁層を介した2層の積層配線群を有する構成のサスペンション用基板に比べて厚みを小さくすることができる。
このような構成を有していれば、厚み方向において、前記第2の配線群を構成する各配線が前記金属支持基板の前記第1の絶縁層とは反対側の面よりも突出することはなく、本実施形態のサスペンション用基板は、絶縁層を介して第1の配線群と第2の配線群を積層する構成を有しながらも、前記第1の配線群のみが形成されている場合と同等の小さな厚みにすることができるからである。
なお、上記の「前記第1の配線群が占める領域の幅」とは、前記第1の配線群の長手方向に垂直な方向の長さであって、例えば、図2(a)においては、図面上配線13aの左端から配線13dの右端までの長さを指す。
例えば、図2(a)に示す形態において、開口部15は、図面上配線13aの左端から配線13dの右端までの長さに、間隔LS10aおよび間隔LS10bの長さを加えた開口幅を有している。
上記の間隔LS10aおよび間隔LS10bは、それぞれ独立であり、第1の配線群および第2の配線群の各配線における高周波信号の伝送ロスが大きくなることを抑制することができる距離であれば良く、例えば、10μm以上であることが好ましい。
例えば、前記第1の配線群を平面的に2つ配置した形態(配線総数は8本)においては、金属支持基板に設ける開口部の幅も、高周波信号の伝送ロスが大きくなることを抑制するために、前記第1の配線群を平面的に2つ配置した形態の配線群(配線総数は8本)が占める領域の幅よりも大きくする必要がある。
一方、本実施形態においては、上述のように、前記第1の配線群の下に第1の絶縁層12を介して前記第2の配線群が対向するように形成されているため、金属支持基板11に設ける開口部17は、前記第1の配線群が占める領域の幅よりも大きな開口幅を有していればよく、この開口幅を、前記第1の配線群を平面的に2つ配置した形態の配線群(配線総数は8本)が占める領域の幅よりも小さな開口幅とすることで、前記第1の配線群を平面的に2つ配置した形態(配線総数は8本)よりもサスペンション用基板の物理的強度を高めることができるからである。
例えば、上記の図11に示したような積層配線構成を、金属支持基板の一方の面の上に有するようなサスペンション用基板においては、絶縁層等の収縮によって反りが発生しやすいという問題がある。
これに対し、本発明においては、前記第1の絶縁層のうち、前記金属支持基板の開口部から露出する領域において、前記金属支持基板とは反対側の面の上に第1の配線群が形成され、前記金属支持基板側の面の上に第2の配線群が形成された構成を有しているため、前記第1の配線群と前記第2の配線群は前記第1の絶縁層を介して上下対称に形成されており、サスペンション用基板に反りが発生することを抑制することが可能である。
第1の配線群を構成する各配線を、第2の絶縁層16で被覆することにより、各配線の腐食等による劣化を防止することができるからである。また、第1の配線群を構成する各配線間の隙間を第2の絶縁層16で埋めることにより、各配線間の容量性結合の容量をより大きくできるからである。
第2の配線群を構成する各配線を、第3の絶縁層17で被覆することにより、各配線の腐食等による劣化を防止することができるからである。また、第2の配線群を構成する各配線間の隙間を第3の絶縁層17で埋めることにより、各配線間の容量性結合の容量をより大きくできるからである。
このような構成であれば、厚み方向において、前記第3の絶縁層が前記金属支持基板の前記第1の絶縁層とは反対側の面よりも突出することはなく、本実施形態のサスペンション用基板は、前記第3の絶縁層を有しながらも、前記第3の絶縁層が形成されていない場合と同等の小さな厚みにすることができるからである。
上記のような形態であれば、第1の絶縁層の両面に絶縁層が形成されることになるため、前記第2の絶縁層および前記第3の絶縁層の寸法(幅および厚さ)を適宜選択することで、上記の配線保護や容量性結合の効果に加えて、サスペンション用基板に反りが発生することを抑制する効果も奏するからである。
そして、各配線の配置関係については、前記第1の配線群の前記第1信号配線(例えば、23a、23c、23e)と前記第2の配線群の前記第1信号配線(例えば、24a、24c、24e)とが第1の絶縁層12を介して対向し、前記第1の配線群の前記第2信号配線(例えば、23b、23d、23f)と前記第2の配線群の前記第2信号配線(例えば、24b、24d、24f)とが第1の絶縁層12を介して対向するように配置する。
図4は、図2(b)に示すサスペンション用基板20のインターリーブ配線の回路構成を示す説明図である。なお、図4において、図面上、左側に位置する交互配列の配線群が第1の配線群を示し、右側に位置する交互配列の配線群が第2の配線群を示す。
図4に示すように、サスペンション用基板20におけるインターリーブ配線構造30は、接続端子31aと接続端子31cを電気的に接続する第1信号配線、および、接続端子31bと接続端子31dを電気的に接続する第2信号配線で構成される一対の差動配線からなる。
例えば、図4に示すように、接続端子31aからの電気信号(第1の電気信号)は、第1の配線群に伝送されるだけでなく、層間接続ビア35a内の層間接続線36aを経由して、第2の配線群にも伝送される。そして、第2の配線群に伝送された接続端子31aからの電気信号(第1の電気信号)は、層間接続ビア35c内の層間接続線36cを経由して、接続端子31cに伝送される。
同様に、接続端子31bからの電気信号(第2の電気信号)も、第1の配線群に伝送されるだけでなく、層間接続ビア35b内の層間接続線36bを経由して、第2の配線群にも伝送される。そして、第2の配線群に伝送された接続端子31bからの電気信号(第2の電気信号)は、層間接続ビア35d内の層間接続線36dを経由して、接続端子31dに伝送される。
図4に示すように、第1の配線群(図面上左側の配線群)において、前記第1信号配線は、分岐点32aで配線23a、23c、23eに分岐し、同様に、前記第2信号配線は、分岐点32bで配線23b、23d、23fに分岐し、分岐した各配線は互いに逆位相の電気信号が伝送される配線が隣になるように、図面の左端から23a、23b、23c、23d、23e、23fの順で並列配設されている。
そして、同位相の電気信号が伝送される配線23a、23c、23eは、それぞれ、接続ビア33a、33b、33cを経由して接続線34aで接続されており、同様に、配線23b、23d、23fは、接続ビア33d、33e、33fを経由して接続線34bで接続されている。
そして、同位相の電気信号が伝送される配線24a、24c、24eは、それぞれ、接続ビア33g、33h、33iを経由して接続線34cで接続されており、同様に、配線24b、24d、24fは、接続ビア33j、33k、33lを経由して接続線34dで接続されている。
金属支持基板の材料としては、サスペンション用基板の支持体として機能し、所望のばね性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、例えばステンレス鋼を挙げることができる。
金属支持基板の厚さは、例えば、10μm〜30μmの範囲内、中でも15μm〜25μmの範囲内であることが好ましい。
第1の絶縁層の材料としては、所望の絶縁性や誘電率を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリイミド等を挙げることができる。また、第1の絶縁層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。第1の絶縁層の厚さは、例えば、5μm〜30μmの範囲内である。
配線の材料としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば銅(Cu)等を挙げることができる。各配線は、露出する場合、その表面にニッケル(Ni)、金(Au)による保護めっき層が形成されていても良い。
腐食等による劣化を防止するため、第1の配線群を構成する各配線は、第2の絶縁層で覆われていることが好ましい。また、第1の配線群を構成する各配線の隙間を第2の絶縁層で埋めることにより、各配線間の容量性結合の容量をより大きくすることもできる。また、同様に、第2の配線群を構成する各配線は、第3の絶縁層で覆われていることが好ましい。
第2の絶縁層および第3の絶縁層の材料としては、例えばポリイミド等を挙げることができる。また、第2の絶縁層および第3の絶縁層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。
第2の絶縁層の厚さは、例えば、第1の配線群を構成する各配線の上で4μm〜30μmの範囲内である。
同様に、第3の絶縁層の厚さは、例えば、第2の配線群を構成する各配線の上で4μm〜30μmの範囲内である。
次に、本発明のサスペンション用基板の製造方法について説明する。なお、煩雑となるのを避けるため、ここでは、前記第1の配線群および前記第2の配線群を構成する配線の本数を各々6本とする場合について説明する。なお、本発明のサスペンション用基板の製造方法は、上述した構成を有するサスペンション用基板を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。
本実施形態に係るサスペンション用基板20、20aを製造するには、まず、図5(a)に示すように、金属支持基板材11Aの上に、第1の絶縁層12、導電層13Aが順次積層された積層体を準備し、ドライフィルムレジストを用いたフォト製版およびエッチング等の従前公知の方法により、導電層13Aを加工して第1の配線群を構成する配線23a、23b、23c、23d、23e、23fを形成する(図5(b))。
次に、前記金属支持基板材11Aをエッチングして、前記第1の配線群の下に開口部15を有する金属支持基板11を形成する(図5(c))。
次に、ドライフィルムレジストを用いたフォト製版および電解めっき法等の従前公知の方法により、開口部15において露出する前記第1の絶縁層12の面の上に、第2の配線群を構成する配線24a、24b、24c、24d、24e、24fを形成し、本発明に係るサスペンション用基板20を得る(図5(d))。
さらに、前記第1の配線群を被覆するように第2の絶縁層16を形成し、前記第2の配線群を被覆するように第3の絶縁層17を形成して、本発明に係るサスペンション用基板20aを得る(図5(f))。
ここで、前記層間接続ビア35a、35b、35c、35dは、それぞれ前記層間接続線36a、36b、36c、36dと一体となってビアを形成していても良い。
次に、本発明のサスペンションについて説明する。本発明のサスペンションは、上述した本発明に係るサスペンション用基板と、ロードビームとを含むことを特徴とするものである。
次に、本発明のヘッド付サスペンションについて説明する。本発明のヘッド付サスペンションは、上述した本発明に係るサスペンションと、該サスペンションに実装された磁気ヘッドスライダとを有するものである。
次に、本発明のハードディスクドライブについて説明する。本発明のハードディスクドライブは、上述した本発明に係るヘッド付サスペンションを含むことを特徴とするものである。
図8に示されるハードディスクドライブ70は、ケース71と、このケース71に回転自在に取り付けられ、データが記憶されるディスク72と、このディスク72を回転させるスピンドルモータ73と、ディスク72に所望のフライングハイトを保って近接するように設けられ、ディスク72に対してデータの書き込みおよび読み込みを行うスライダを含むヘッド付サスペンション60とを有している。このうちヘッド付サスペンション60は、ケース71に対して移動自在に取り付けられ、ケース71にはヘッド付サスペンション60のスライダをディスク72上に沿って移動させるボイスコイルモータ74が取り付けられている。また、ヘッド付サスペンション60は、ボイスコイルモータ74にアーム75を介して取り付けられている。
なお、実施例1、2および比較例1、2のいずれにおいても、各絶縁層には比誘電率3.0のポリイミドを用い、第1の絶縁層の厚さは10μmとした。また、各配線の材料にはいずれも銅を用いた。
結果は以下の通りである。
図12に示す構成の本発明に係るサスペンション用基板10において、目標とする差動インピーダンスを30Ωとしてシミュレーションした結果、以下の条件において得られた配線長40mmにおける−3dB帯域幅は9.0GHzであった。なお、得られた差動インピーダンスの値は31.1Ωであった。
<シミュレーション条件>
第1の配線群(配線13a〜13d、4本):
いずれも厚み5μm、幅(W1)23μm、各配線間の幅(S1)17μm
第2の配線群(配線14a〜14d、4本):
いずれも厚み5μm、幅(W1)23μm、各配線間の幅(S1)17μm
第2の絶縁層16:配線上の厚み(D11)5μm
第3の絶縁層17:配線上の厚み(D12)5μm
金属支持基板11の開口端部と第1の配線群との間隔:
間隔LS10a、LS10bいずれも35μm
図13に示す構成の従来のサスペンション用基板120において、目標とする差動インピーダンスを30Ωとしてシミュレーションした結果、以下の条件において得られた配線長40mmにおける−3dB帯域幅は7.7GHzであった。なお、得られた差動インピーダンスの値は31.8Ωであった。
<シミュレーション条件>
配線113a〜113d(4本):
いずれも厚み10μm、幅(W2)28μm、各配線間の幅(S2)12μm
第2の絶縁層116:配線上の厚み(D2)5μm
金属支持基板111の開口端部と配線群との間隔:
間隔LS120a、LS120bいずれも35μm
図14に示す構成の本発明に係るサスペンション用基板20において、目標とする差動インピーダンスを20Ωとしてシミュレーションした結果、以下の条件において得られた配線長40mmにおける−3dB帯域幅は7.0GHzであった。なお、得られた差動インピーダンスの値は19.2Ωであった。
<シミュレーション条件>
第1の配線群(配線23a〜23f、6本):
いずれも厚み5μm、幅(W3)23μm、各配線間の幅(S3)17μm
第2の配線群(配線24a〜24f、6本):
いずれも厚み5μm、幅(W3)23μm、各配線間の幅(S3)17μm
第2の絶縁層16:配線上の厚み(D31)5μm
第3の絶縁層17:配線上の厚み(D32)5μm
金属支持基板111の開口端部と配線群との間隔:
間隔LS20a、LS20bいずれも35μm
図15に示す構成の従来のサスペンション用基板140において、目標とする差動インピーダンスを20Ωとしてシミュレーションした結果、以下の条件において得られた配線長40mmにおける−3dB帯域幅は5.9GHzであった。なお、得られた差動インピーダンスの値は19.7Ωであった。
<シミュレーション条件>
配線123a〜123f(6本):
いずれも厚み10μm、幅(W4)28μm、各配線間の幅(S4)12μm
第2の絶縁層116:配線上の厚み(D4)5μm
金属支持基板111の開口端部と配線群との間隔:
間隔LS140a、LS140bいずれも35μm
まず、要求される差動インピーダンスが30Ωの場合は、従来の4本の配線からなるインターリーブ配線構造を第1絶縁層の片側のみに有する構成(単層配線構成)でも達成可能であった。
しかしながら、比較例1に示すように、各配線間の幅(S2)が12μmであるのに対し配線の厚みは10μmと実施例1の2倍になり、アスペクト比の高い加工が必要になることから製造には困難性を伴い、得られる帯域幅も7.7GHzと実施例1より劣る結果になった。
一方、本発明のように、第1の絶縁層の両面にそれぞれインターリーブ配線構造を有し、上層(第1の配線群)の各第1信号配線と下層(第2の配線群)の各第1信号配線とがそれぞれ第1の絶縁層を介して対向し、上層(第1の配線群)の第2信号配線と下層(第2の配線群)の第2信号配線とがそれぞれ第1の絶縁層を介して対向するように配置された構成であれば、実施例1に示すように、配線領域が比較例1とほぼ同じであっても、各配線間の幅(S1)が17μmであるのに対し配線の厚みは5μmと比較例1の1/2で済むため、製造上の困難性の問題を解消できる。さらに、得られる帯域幅も9.0GHzと広い値を保持でき、比較例1に優る結果であった。
また、厚みについても、比較例1では第1の絶縁層112の厚み(10μm)、配線(例えば113a)の厚み(10μm)、および第2の絶縁層116の配線上の厚みD2(5μm)の合計が25μmになるのに対し、実施例1では第1の絶縁層12の厚み(10μm)、配線(例えば13a)の厚み(5μm)、および第2の絶縁層16の配線上の厚みD11(5μm)の合計が20μmとなり、実施例1のサスペンション用基板10は比較例1のサスペンション用基板120よりも厚みを小さくすることができた。
しかしながら、比較例2に示すように、各配線間の幅(S4)が12μmであるのに対し配線の厚みは10μmと実施例2の2倍の値になり、アスペクト比の高い加工が必要になることから製造には困難性を伴い、得られる帯域幅も5.9GHzと実施例2より劣る結果になった。
一方、本発明のように、第1の絶縁層の両面にそれぞれインターリーブ配線構造を有し、上層(第1の配線群)の各第1信号配線と下層(第2の配線群)の各第1信号配線とがそれぞれ第1の絶縁層を介して対向し、上層(第1の配線群)の第2信号配線と下層(第2の配線群)の第2信号配線とがそれぞれ第1の絶縁層を介して対向するように配置された構成であれば、実施例2に示すように、配線領域が比較例2とほぼ同じであっても、各配線間の幅(S3)が17μmであるのに対し配線の厚みは5μmと比較例1の1/2で済むため、製造上の困難性の問題を解消できる。さらに、得られる帯域幅も7.0GHzと広い値を保持でき、比較例2に優る結果であった。
また、厚みについても、比較例2では第1の絶縁層112の厚み(10μm)、配線(例えば123a)の厚み(10μm)、および第2の絶縁層116の配線上の厚みD4(5μm)の合計が25μmになるのに対し、実施例2では第1の絶縁層12の厚み(10μm)、配線(例えば23a)の厚み(5μm)、および第2の絶縁層16の配線上の厚みD31(5μm)の合計が20μmとなり、実施例2のサスペンション用基板20は比較例2のサスペンション用基板140よりも厚みを小さくすることができた。
2・・・タング部
3・・・接続端子部
4、5・・・配線群
11・・・金属支持基板
11A・・・金属支持基板材
12・・・第1の絶縁層
13A・・・導電層
13a、13b、13c、13d・・・配線
14a、14b、14c、14d・・・配線
15・・・開口部
16・・・第2の絶縁層
17・・・第3の絶縁層
23a、23b、23c、23d、23e、23f・・・配線
24a、24b、24c、24d、24e、24f・・・配線
30・・・インターリーブ配線構造
31a、31b、31c、31d・・・接続端子
32a、32b、32c、32d・・・分岐点
33a、33b、33c、33d、33e、33f・・・接続ビア
33g、33h、33i、33j、33k、33l・・・接続ビア
34a、34b、34c、34d・・・接続線
35a、35b、35c、35d・・・層間接続ビア
36a、36b、36c、36d・・・層間接続線
50・・・サスペンション
51・・・ロードビーム
60・・・ヘッド付サスペンション
61・・・磁気ヘッドスライダ
70・・・ハードディスクドライブ
71・・・ケース
72・・・ディスク
73・・・スピンドルモータ
74・・・ボイスコイルモータ
75・・・アーム
110、120、140・・・サスペンション用基板
111、111A・・・金属支持基板
112・・・第1の絶縁層
113a、113b、113c、113d・・・配線
115・・・開口部
116・・・第2の絶縁層
130・・・インターリーブ配線構造
131a、131b、131c、131d・・・接続端子
132a、132b・・・分岐点
133a、133b、133c、133d・・・接続ビア
134a、134b・・・接続線
200・・・積層配線構造
212・・・第1の絶縁層
213a、213b・・・配線
216・・・第2の絶縁層
217・・・第3の絶縁層
Claims (8)
- 金属支持基板と、
前記金属支持基板の一方の面の上に形成された第1の絶縁層と、
を有するサスペンション用基板であって、
前記第1の絶縁層のうち、前記金属支持基板の開口部から露出する領域において、
前記金属支持基板とは反対側の面の上に第1の配線群が形成され、
前記金属支持基板側の面の上に第2の配線群が形成され、
前記第2の配線群は前記金属支持基板の前記開口部内に設けられており、
前記第1の配線群および前記第2の配線群は、互いに電気的に接続された複数の第1信号配線と、前記第1信号配線とは電気的に独立し、互いに電気的に接続された複数の第2信号配線とを、平面的に交互配列させてそれぞれ有し、
前記第1信号配線と前記第2信号配線は一対の差動配線を構成し、前記第1信号配線に伝送される第1の電気信号と前記第2信号配線に伝送される第2の電気信号とは互いに逆位相の関係にあり、
前記第1の配線群の前記第1信号配線と前記第2の配線群の前記第1信号配線とが前記第1の絶縁層を介して対向し、前記第1の配線群の前記第2信号配線と前記第2の配線群の前記第2信号配線とが前記第1の絶縁層を介して対向するように配置して、
前記第1の配線群と前記第2の配線群における同位相の電気信号が伝送される配線同士が、前記第1の絶縁層を介して対向するように配置されていることを特徴とするサスペンション用基板。 - 前記第2の配線群を構成する各配線の前記第1の絶縁層とは反対側の面の厚さ方向の位置が、前記金属支持基板の前記第1の絶縁層側の面の厚さ方向の位置と、前記金属支持基板の前記第1の絶縁層とは反対側の面の厚さ方向の位置との間にあることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
- 前記第1の配線群側の前記第1の絶縁層の面の上、および、前記第1の配線群の各配線の上に、前記第1の配線群の各配線を覆うように第2の絶縁層が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサスペンション用基板。
- 前記第2の配線群側の前記第1の絶縁層の面の上、および、前記第2の配線群の各配線の上に、前記第2の配線群の各配線を覆うように第3の絶縁層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のサスペンション用基板。
- 前記第3の絶縁層の前記第1の絶縁層とは反対側の面の厚さ方向の位置が、前記金属支持基板の前記第1の絶縁層側の面の厚さ方向の位置と、前記金属支持基板の前記第1の絶縁層とは反対側の面の厚さ方向の位置との間にあることを特徴とする請求項4に記載のサスペンション用基板。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のサスペンション用基板と、ロードビームとを含むことを特徴とするサスペンション。
- 請求項6に記載のサスペンションと、前記サスペンションに実装された磁気ヘッドスライダとを有することを特徴とするヘッド付サスペンション。
- 請求項7に記載のヘッド付サスペンションを含むことを特徴とするハードディスクドライブ。
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