JP6213628B2 - サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ - Google Patents

サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ Download PDF

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本発明は、主に、ハードディスクドライブ(HDD)に用いられ、データが記憶されるディスクに対してデータの書き込み、および、読み取りを行う磁気ヘッドスライダが実装されるサスペンション用基板に関するものである。
近年、インターネットの普及等によりパーソナルコンピュータの情報処理量の増大や情報処理速度の高速化が要求されてきており、それに伴って、パーソナルコンピュータに組み込まれているハードディスクドライブ(HDD)も大容量化や情報伝達速度の高速化が必要となってきている。
一般に、ハードディスクドライブ(HDD)は、データが記憶されるディスクに対してデータの書き込み、および読み取りを行う磁気ヘッドスライダが実装されるサスペンション用基板を備えている。
このサスペンション用基板は、一般に、バネ性を有する金属支持基板と、前記金属支持基板の上に形成された絶縁層と、前記絶縁層の上に形成された配線と、を有している。
ここで、上記の各配線の幾つか(例えば、書込配線や読込配線)においては、差動伝送により電気信号の伝送が行われ、一対の配線間には、分布定数回路としての差動伝送路の特性インピーダンスである差動インピーダンスが存在する。この差動インピーダンスは、磁気ヘッドやプリアンプの低インピーダンス化に伴い、インピーダンスマッチングの観点から、低インピーダンス化することが要求されている。
この差動インピーダンスを低減することが可能な配線構造として、第1の電気信号を伝送する配線と、前記第1の電気信号とは逆位相となる第2の電気信号を伝送する配線からなる一対の差動配線を、2以上の配線に分岐させ、第1の電気信号を伝送する配線と、前記第1の電気信号とは逆位相となる第2の電気信号を伝送する配線を、それぞれ平面的に交互配列させた配線構造(インターリーブ配線構造)が提案されている(例えば、特許文献1)。
上述のようなインターリーブ配線構造をサスペンション用基板に形成する方法として、例えば、図11(a)に示すように、金属支持基板111Aの上に形成された第1の絶縁層112の上に、互いに電気的に接続された複数の第1信号配線(例えば113a、113c)と、前記第1信号配線とは電気的に独立し、互いに電気的に接続された複数の第2信号配線(例えば113b、113d)とを、を平面的に交互配列し、これらの配線(113a、113b、113c、113d)の上に第2の絶縁層114を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
なお、前記第1信号配線と前記第2信号配線は一対の差動配線を構成し、前記第1信号配線に伝送される電気信号(第1の電気信号)と前記第2信号配線に伝送される電気信号(第2の電気信号)とは互いに逆位相の関係になる。
ただし、図11(a)に示す構成では、配線113a、113b、113c、113dと、その下の金属支持基板111Aとが、誘導もしくは容量性結合を形成してしまうため、配線113a、113b、113c、113dに電気信号(特に高周波信号)が伝送されると、導電性の低い金属支持基板111Aにも電流が発生して、伝送ロスが大きくなるという問題がある。
そのため、図11(b)に示すように、平面視において配線113a、113b、113c、113dと重なる部分の金属支持基板を除去して開口部117を設け、上記の誘導もしくは容量性結合を低減させる方法も提案されている(例えば、特許文献3)。
図12は、図11(a)または(b)に示すサスペンション用基板のインターリーブ配線の回路構成を示す説明図である。
図12に示すように、インターリーブ配線構造130は、接続端子131aと接続端子131cを電気的に接続する第1信号配線、および、接続端子131bと接続端子131dを電気的に接続する第2信号配線で構成される一対の差動配線からなり、前記第1信号配線は、分岐点132aで配線113aと配線113cに分岐し、同様に、前記第2信号配線は、分岐点132bで配線113bと配線113dに分岐し、分岐した各配線は互いに逆位相の電気信号が伝送される配線が隣になるように、図面の左端から113a、113b、113c、113dの順で並列配設されている。
そして、同位相の電気信号が伝送される配線113a、113cは、それぞれ、前記第2の絶縁層114に設けた接続ビア133a、133bを経由して接続線134aで電気的に接続されており、同様に、配線113b、113dは、接続ビア133c、133dを経由して接続線134bで電気的に接続されている。
特開平10−124837号公報 特開2010−114366号公報 特開2011−76645号公報
上述のような構成を有するサスペンション基板において、さらなる低インピーダンス化に対応するためには、例えば、インターリーブ配線構造を構成する配線の本数を増やす方法や、インターリーブ配線構造を構成する配線の厚みを大きくする方法が挙げられる。
しかしながら、平面的に配線本数を増やす方法では、配線群が占める領域が大きくなることから好ましくない。例えば、配線群が占める領域が大きくなると、上述の伝送ロスを抑制するために配線群の下に設ける金属支持基板の開口部も大きくなることから、物理的強度の点でも問題が生じる。
一方、配線の厚みを大きくする方法では、配線間のスペース幅に対して配線の厚みが大きくなり、アスペクト比の高い加工が必要になることから、製造上困難性が増すという問題がある。
ここで、上記のインターリーブ配線構造においては、例えば図11(a)または(b)に示す例のように、互いに逆位相となる配線の側面を対向させることで、配線間の容量性結合を形成している。それゆえ、低インピーダンス化には、例えば、上記のように配線の厚みを大きくすること、すなわち、配線の対向する面の面積を大きくすることが効果的になる。
そこで、例えば図13に示すように、第2の絶縁層214を介して互いに逆位相となる配線213aと配線213bを積層し、各配線の上下面(上層の配線の底面と下層の配線の上面)を対向させて容量性結合を形成し、差動インピーダンスを低減する方法も考えられる。
このような方法であれば、配線の側面で容量性結合を形成する場合よりも、対向する面の面積を大きくすること(すなわち、配線幅を大きくすること)も、対向する面の距離を小さくすること(すなわち、配線間の絶縁層の厚みを小さくすること)も、技術的に容易である。
しかしながら、上記のように互いに逆位相となる電気信号が伝送される配線を、絶縁層を介して積層した構成では、サスペンション基板の全体の厚みを小さくするために配線間の絶縁層を薄膜にすると、上下の逆位相の配線の相互作用により高周波特性が劣化してしまうという問題(より詳しくは、伝送特性の帯域幅が狭くなってしまうという問題)が生じることが判明した。
これに対し、本発明者は、例えば図14(a)に示すように、第1の絶縁層312の上に、インターリーブ配線構造を構成する第1の配線群の各配線(313a、313b、313c、313d)を形成し、前記第1の配線群の上にインターリーブ配線構造を構成する第2の配線群の各配線(315a、315b、315c、315d)を第2の絶縁層314を介して積層し、前記第1の配線群の各配線の上には、それぞれ同位相の電気信号が伝送される前記第2の配線群の各配線を配することで、上記課題を解決できることを見出した。
しかしながら、新たな課題として、例えば図14(b)に示すように、前記第2の配線群の各配線の配設位置が、前記第1の配線群の各配線の位置に対して位置ずれを生じた場合には、互いに逆位相となる電気信号が伝送される配線同士が近づいてしまうため、前記帯域幅が狭くなってしまうという問題が生じることが判明した。
上記について、図14および図15を用いてより詳しく説明する。なお、図15(a)は、図14(a)に示す各配線の重なり状態を説明する概略平面図であり、図15(b)は、図12(b)に示す各配線の重なり状態を説明する概略平面図である。
例えば、図14(a)および図15(a)に示すように、前記第2の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線(例えば315a)と前記第2信号配線(例えば315b)の各中心線(例えば図15(a)に示すC315aとC315b)の間の距離(P302)が、前記第1の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線(例えば313a)と前記第2信号配線(例えば313b)の各中心線との間の距離(P301)と等しく、かつ、前記第2の配線群において互いに対向する前記第1信号配線(例えば315a)の側面と前記第2信号配線(例えば315b)の側面との間の距離(S302)が、前記第1の配線群において互いに対向する前記第1信号配線(例えば313a)の側面と前記第2信号配線(例えば313b)の側面との間の距離(S301)と等しくなるように設計されている積層配線構造において、図14(b)および図15(b)に示すように、前記第2の配線群の各配線の配設位置が前記第1の配線群の各配線の位置に対して各配線の幅方向(図面上右方向)に位置ずれ(ずれ量OS301)を生じた場合、例えば、前記第2の配線群の配線315aは前記第1の配線群の配線313bに近づくことになる。
より具体的には、例えば、図14(a)および図15(a)に示すように、前記第2の配線群の配線315aと前記第1の配線群の配線313bの平面方向(第2の絶縁層314の面方向)の間隔(水平方向の距離)は、位置ずれが無い場合にはS301(若しくはS302)であるが、図14(b)および図15(b)に示すように、前記位置ずれ(ずれ量OS301)を生じた場合には、前記第2の配線群の配線315aと前記第1の配線群の配線313bの平面方向(第2の絶縁層314の面方向)の間隔(水平方向の距離)は、上記のS301(若しくはS302)よりも小さい値であるZ312になる。なお、Z312は、S301(若しくはS302)からOS301を差し引いた値に相当する。
そして、前記第2の配線群の配線315aと前記第1の配線群の配線313bとは、互いに逆位相となる電気信号が伝送される配線であるため、前記帯域幅が狭くなってしまうという問題が生じることになる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、配線領域が増大化することを抑制しながら差動インピーダンスを低減することができ、かつ、高周波信号の帯域幅を安定に保持することが可能なサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブを提供することを目的とする。
本発明者は、種々研究した結果、サスペンション用基板の構成を、金属支持基板上に形成した第1の絶縁層の上にインターリーブ配線構造を構成する第1の配線群を形成し、前記第1の配線群の上にインターリーブ配線構造を構成する第2の配線群を第2の絶縁層を介して積層し、前記第1の配線群の各配線の上には、同位相の電気信号が伝送される前記第2の配線群の各配線を配し、前記第2の配線群の各配線の側面間の距離を前記第1の配線群の各配線の側面間の距離よりも大きくした構成にすることで、上記課題を解決できることを見出して本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、金属支持基板と、前記金属支持基板の上に形成された第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層の上に形成された第1の配線群と、前記第1の配線群および前記第1の絶縁層の上に形成された第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層の上に形成された第2の配線群と、前記第2の配線群および前記第2の絶縁層の上に形成された第3の絶縁層と、を有するサスペンション用基板であって、前記第1の配線群および前記第2の配線群は、互いに電気的に接続された複数の第1信号配線と、前記第1信号配線とは電気的に独立し、互いに電気的に接続された複数の第2信号配線とを、平面的に交互配列させてそれぞれ有し、前記第1の配線群の前記第1信号配線と前記第2の配線群の前記第1信号配線とが前記第2の絶縁層を介して対向し、前記第1の配線群の前記第2信号配線と前記第2の配線群の前記第2信号配線とが前記第2の絶縁層を介して対向するように、前記第1の配線群と前記第2の配線群が配置されており、前記第1の配線群を構成する各配線の隙間が前記第2の絶縁層で埋められており、前記第2の配線群を構成する各配線の隙間が前記第3の絶縁層で埋められており、前記第2の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線と前記第2信号配線の各中心線の間の距離は、前記第1の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線と前記第2信号配線の各中心線の間の距離と等しく、前記第2の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離は、前記第1の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離よりも大きく、かつ、前記第2の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線と前記第2信号配線の各中心線の間の距離よりも小さいことを特徴とするサスペンション用基板である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記第2の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離と、前記第1の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離との差の1/2の値が、前記第2の絶縁層を介して対向する前記第2の配線群の前記第1信号配線と前記第1の配線群の前記第1信号配線の各中心線の前記第2の絶縁層の面方向の距離と同じ値か、または、前記第2の配線群の前記第1信号配線と前記第1の配線群の前記第1信号配線の各中心線の前記第2の絶縁層の面方向の距離よりも大きい値であることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記第2の配線群における前記第1信号配線および前記第2信号配線の厚みが、前記第1の配線群における前記第1信号配線および前記第2信号配線の厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサスペンション用基板である。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記金属支持基板には、平面視において前記第1の配線群と重なる位置に、前記第1の配線群が占める領域の幅よりも大きな開口幅を有する開口部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のサスペンション用基板である。
また、本発明の請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のサスペンション用基板と、ロードビームとを含むことを特徴とするサスペンションである。
また、本発明の請求項6に係る発明は、請求項5に記載のサスペンションと、前記サスペンションに実装された磁気ヘッドスライダとを有することを特徴とするヘッド付サスペンションである。
また、本発明の請求項7に係る発明は、請求項6に記載のヘッド付サスペンションを含むことを特徴とするハードディスクドライブである。
本発明のサスペンション用基板においては、配線領域が増大化することを抑制しながら差動インピーダンスを低減することができ、かつ、高周波信号の帯域幅を安定に保持することが可能である。
そして、本発明のサスペンション用基板を用いることで、低インピーダンスでありながら高周波信号の帯域幅が安定した、信頼性の高いサスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブを得ることができる。
本発明に係るサスペンション用基板の一例を示す概略平面図である。 図1における領域RのA−A断面図である。 図2に示す各配線の重なり状態を説明する概略平面図である。 第1の配線群と第2の配線群の位置ずれ状態の一例を示す説明図である。 図4に示す各配線の重なり状態を説明する概略平面図である。 本発明に係るサスペンション用基板のインターリーブ配線の回路構成の一例を示す説明図である。 本発明に係るサスペンション用基板の製造方法の一例を示す模式的工程図である。 本発明に係るサスペンションの一例を示す概略平面図である。 本発明に係るヘッド付サスペンションの一例を示す概略平面図である。 本発明に係るハードディスクドライブの一例を示す概略斜視図である。 従来のサスペンション用基板の構成例を示す概略断面図である。 図11に示すサスペンション用基板のインターリーブ配線の回路構成を示す説明図である。 一対の差動配線を積層した構成例を示す概略断面図である。 インターリーブ配線を積層した構成例を示す概略断面図である。 図14に示す各配線の重なり状態を説明する概略平面図である。 実施例1におけるサスペンション用基板の構成を説明する概略断面図である。 比較例1におけるサスペンション用基板の構成を説明する概略断面図である。
以下、本発明のサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブについて詳細に説明する。
[サスペンション用基板]
まず、本発明のサスペンション用基板の平面構成について説明する。
図1は、本発明に係るサスペンション用基板の一例を示す概略平面図である。
図1に示すように、本発明に係るサスペンション用基板1は、先端部分に磁気ヘッドスライダを実装するためのタング部2を有し、テール側端部に外部の読取回路または書込回路と接続するための接続端子部3を有し、タング部2と接続端子部3との間に、前記磁気ヘッドと書込回路とを電気的に接続するための書込配線を含む配線群4と、前記磁気ヘッドと読取回路とを電気的に接続する読取配線を含む配線群5を有するものである。
ここで、書込配線を含む配線群4と読取配線を含む配線群5は、相互の電気的な影響を極力避けるため、および、サスペンション用基板の力学的平衡を保つため、各々、サスペンション用基板の長手方向の両外縁に沿うように配設されている。
なお、図1における書込配線を含む配線群4と読取配線を含む配線群5の配置関係は、一例であって、他の配置関係であっても構わない。例えば、図1における書込配線を含む配線群4の位置に、読取配線を含む配線群5が配設され、読取配線を含む配線群5の位置に、書込配線を含む配線群4が配設されていても良い。
次に、本発明に係るサスペンション用基板の積層配線構成について説明する。
図2は、本発明に係るサスペンション用基板の構成例を示す概略断面図であり、図1における領域RのA−A断面図である。また、図3は、図2に示す各配線の重なり状態を説明する概略平面図である。ここで、図2(a)は、インターリーブ配線構造を構成する第1の配線群および第2の配線群が、各々4本の配線で構成されている例を示し、図2(b)は、前記第1の配線群および前記第2の配線群が、各々6本の配線で構成されている例を示す。また、図3(a)は、図2(a)に示す各配線の重なり状態を説明する概略平面図であり、図3(b)は、図2(b)に示す各配線の重なり状態を説明する概略平面図である。
本発明に係るサスペンション用基板は、金属支持基板と、前記金属支持基板の上に形成された第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層の上に形成された第1の配線群と、前記第1の配線群および前記第1の絶縁層の上に形成された第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層の上に形成された第2の配線群と、を有するサスペンション用基板であって、前記第1の配線群および前記第2の配線群は、互いに電気的に接続された複数の第1信号配線と、前記第1信号配線とは電気的に独立し、互いに電気的に接続された複数の第2信号配線とを、平面的に交互配列させてそれぞれ有し、前記第1の配線群の前記第1信号配線と前記第2の配線群の前記第1信号配線とが前記第2の絶縁層を介して対向し、前記第1の配線群の前記第2信号配線と前記第2の配線群の前記第2信号配線とが前記第2の絶縁層を介して対向するように、前記第1の配線群と前記第2の配線群が配置されており、前記第2の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線と前記第2信号配線の各中心線の間の距離は、前記第1の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線と前記第2信号配線の各中心線の間の距離と等しく、前記第2の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離は、前記第1の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離よりも大きく、かつ、前記第2の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線と前記第2信号配線の各中心線の間の距離よりも小さいことを特徴とするものである。
例えば、図2(a)に示すように、本発明のサスペンション用基板10は、金属支持基板11と、前記金属支持基板11の上に形成された第1の絶縁層12と、前記第1の絶縁層12の上に形成された第1の配線群(配線13a、13b、13c、13d)と、前記第1の配線群および前記第1の絶縁層12の上に形成された第2の絶縁層14と、前記第2の絶縁層14の上に形成された第2の配線群(配線15a、15b、15c、15d)と、を有している。
ここで、前記第1の配線群は、互いに電気的に接続された複数の第1信号配線(例えば、13a、13c)と、前記第1信号配線とは電気的に独立し、互いに電気的に接続された複数の第2信号配線(例えば、13b、13d)とを、平面的に交互配列させて有しており、同様に、前記第2の配線群は、互いに電気的に接続された複数の第1信号配線(例えば、15a、15c)と、前記第1信号配線とは電気的に独立し、互いに電気的に接続された複数の第2信号配線(例えば、15b、15d)とを、平面的に交互配列させて有している。
そして、前記第1の配線群の前記第1信号配線(例えば、13a、13c)と前記第2の配線群の前記第1信号配線(例えば、15a、15c)とが前記第2の絶縁層14を介して対向し、前記第1の配線群の前記第2信号配線(例えば、13b、13d)と前記第2の配線群の前記第2信号配線(例えば、15b、15d)とが前記第2の絶縁層を介して対向するように、前記第1の配線群と前記第2の配線群が配置されている。
すなわち、前記第1の配線群および前記第2の配線群は、それぞれ上述のインターリーブ配線構造を構成しており、前記第1の配線群の各配線(13a、13b、13c、13d)と、前記第2の配線群の各配線(15a、15b、15c、15d)との配置関係は、同位相の電気信号が伝送される配線同士が第2の絶縁層14を介して対向するようになっている。
さらに本発明においては、図2(a)および図3(a)に示すように、前記第2の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線(例えば15a)と前記第2信号配線(例えば15b)の各中心線(例えば図3(a)に示すC15aとC15b)の間の距離(P2)は、前記第1の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線(例えば13a)と前記第2信号配線(例えば13b)の各中心線との間の距離(P1)と等しく、前記第2の配線群において互いに対向する前記第1信号配線(例えば15a)の側面と前記第2信号配線(例えば15b)の側面との間の距離(S2)は、前記第1の配線群において互いに対向する前記第1信号配線(例えば13a)の側面と前記第2信号配線(例えば13b)の側面との間の距離(S1)よりも大きく、かつ、前記第2の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線(例えば15a)と前記第2信号配線(例えば15b)の各中心線の間の距離(P2)よりも小さくなるように形成されている。
このような構成を有しているため、本発明に係るサスペンション用基板は、配線領域が増大化することを抑制しながら差動インピーダンスを低減することができ、かつ、高周波信号の帯域幅を安定に保持することができる。
より詳しく説明すると、まず、本発明においては、第2の配線群は第1の配線群の上に積層されているため、平面視において両配線群の占める領域は、第1の配線群のみが形成されている場合と同じである。すなわち、第2の配線群を形成することによって、インターリーブ配線構造を構成する配線の本数は2倍に増加されるが、配線群が占める領域は増大化せず、第1の配線群のみが形成されている場合と同じにできる。
そして、両配線群の下に金属支持基板の開口部を設ける場合も、同様に、開口部の大きさは第1の配線群のみが形成されている場合と同じにできることから、サスペンション用基板の物理的強度を保持することができる。
次に、差動インピーダンスについて説明する。本発明においては、第2の配線群を形成することによって、インターリーブ配線構造を構成する配線の本数は、第1の配線群のみが形成されている場合に比べて2倍(配線総数は8本)に増加されている。それゆえ、本発明においては、前記第1の配線群と前記第2の配線群を平面的に配置した形態と同じ程度に、差動インピーダンスを低減することができる。
次に、帯域幅について説明する。上述のように、本発明における前記第1の配線群の各配線(13a、13b、13c、13d)と、前記第2の配線群の各配線(15a、15b、15c、15d)との配置関係は、同位相の電気信号が伝送される配線同士が第2の絶縁層14を介して対向するようになっている。
それゆえ、前記第2の配線群の各配線の位置が前記第1の配線群の各配線の位置に対して設計どおりに配設されている場合、すなわち、前記第2の配線群の各配線の中心線の位置が前記第1の配線群の各配線の中心線の位置と一致するように配設されている場合には、サスペンション基板の全体の厚みを小さくするために両配線群の間の第2の絶縁層14を薄膜にしても、上下の各配線の相互作用により高周波特性が劣化してしまうという問題(より詳しくは、伝送特性の帯域幅が狭くなってしまうという問題)は生じない。
さらに、本発明においては、前記第2の配線群の各配線の配設位置が前記第1の配線群の各配線の位置に対して位置ずれを生じる場合であっても、前記第2の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離(S2)は、前記第1の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離(S1)よりも大きく、かつ、前記第2の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線と前記第2信号配線の各中心線の間の距離(P2)よりも小さくなるように形成されているため、前記第1の配線群の前記第1信号配線と前記第2の配線群の前記第2信号配線との距離、および前記第1の配線群の前記第2信号配線と前記第2配線群の第1信号配線の距離に対して位置ずれの影響が小さくなり、前記帯域幅が狭くなってしまうことを抑制することができる。
上記について、図面を用いてより詳しく説明する。
図4(a)は、本発明に係るサスペンション用基板において、前記第2の配線群の各配線(15a、15b、15c、15d)が、図2(a)に示した距離(P2、S2)を保ちながら、その配設位置が前記第1の配線群の各配線(13a、13b、13c、13d)の位置に対して各配線の幅方向(図面上右方向)に位置ずれ(ずれ量OS)を生じている場合を示す概略断面図である。また、図5(a)は、図4(a)に示す各配線の重なり状態を説明する概略平面図である。
なお、上記のような第1の配線群と第2の配線群の位置ずれは、第2の配線群を形成する際の位置合わせ精度が不足することによって生じるものである。
一方、図4(b)は、前記第2の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線(例えば415a)と前記第2信号配線(例えば415b)の各中心線の間の距離(P402)が、前記第1の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線(例えば413a)と前記第2信号配線(例えば413b)の各中心線の間の距離(P401)と等しく、かつ、前記第2の配線群において互いに対向する前記第1信号配線(例えば415a)の側面と前記第2信号配線(例えば415b)の側面との間の距離(S402)が、前記第1の配線群において互いに対向する前記第1信号配線(例えば413a)の側面と前記第2信号配線(例えば413b)の側面との間の距離(S401)と等しい構成を有するサスペンション用基板400bにおいて、前記第2の配線群の各配線(415a、415b、415c、415d)が距離(P402、S402)を保ちながら、その配設位置が前記第1の配線群の各配線(413a、413b、413c、413d)の位置に対して各配線の幅方向(図面上右方向)に位置ずれ(ずれ量OS)を生じている場合を示す概略断面図である。なお、図4(b)に示す距離(P401)は図4(a)に示す距離(P1)と等しく、図4(b)に示す距離(S401)は図4(a)に示す距離(S1)と等しい。
また、図5(b)は、図4(b)に示す各配線の重なり状態を説明する概略平面図である。
図4(a)および(b)に示すように、前記第2の配線群が前記第1の配線群に対して各配線の幅方向に同じ量(ずれ量OS)の位置ずれを生じている場合、図4(b)に示すサスペンション用基板400bにおいては、第2の配線群の各配線は、互いに逆位相となる電気信号が伝送される第1の配線群の各配線に対して近接してしまうが、図4(a)に示す本発明に係るサスペンション用基板10bにおいては、前記第2の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離(S2)が、図4(b)に示すサスペンション用基板400bにおける前記第2の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離(S402)よりも大きいため、前記第2の配線群の各配線は、互いに逆位相となる電気信号が伝送される第1の配線群の各配線に対して離れた位置に留まることができる。
より具体的には、例えば、図5(a)に示すように、本発明に係るサスペンション用基板10bの前記第2の配線群の配線15aと前記第1の配線群の配線13bの平面方向(第2の絶縁層14の面方向)の間隔(水平方向の距離Z12)は、図5(b)に示すように、サスペンション用基板400bの前記第2の配線群の配線415aと前記第1の配線群の配線413bの平面方向(第2の絶縁層414の面方向)の間隔(水平方向の距離Z412)よりも大きい値になる。
なお、前記配線15aと前記配線13bは、互いに逆位相となる電気信号が伝送される配線であり、前記配線415aと前記配線413bも、互いに逆位相となる電気信号が伝送される配線である。
それゆえ、図4(a)に示す本発明に係るサスペンション用基板10bは、上記のような位置ずれが生じても、図4(b)に示すサスペンション用基板400bに比べて前記帯域幅を安定に保持することができる。
ここで、上記のような第1の配線群と第2の配線群の位置ずれは、第2の配線群を形成する際の位置合わせ精度が不足することによって生じるものである。
それゆえ、本発明においては、前記第2の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離(例えば、図4(a)に示すS2)と前記第1の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離(例えば、図4(a)に示すS1)との差の1/2の値が、前記第2の絶縁層を介して対向する前記第2の配線群の前記第1信号配線と前記第1の配線群の前記第1信号配線の各中心線の前記第2の絶縁層の面方向の距離(すなわち、各配線の幅方向の位置ずれ量)と同じ値か、または、前記第2の配線群の前記第1信号配線と前記第1の配線群の前記第1信号配線の各中心線の前記第2の絶縁層の面方向の距離よりも大きい値であることが好ましい。
前記第2の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離(例えば、図4(a)に示すS2)が上記のような大きさであれば、例え、前記第2の配線群の配設位置が前記第1の配線群の位置に対して各配線の幅方向に位置ずれを生じていても、前記第2の配線群の各配線は、前記第2の絶縁層を介して対向する前記第1の配線群の各配線(すなわち、同位相の電気信号が伝送される配線)の幅内に収まっており、前記第1の配線群の逆位相の電気信号が伝送される配線からの影響を受け難いからである。
本発明に係るサスペンション用基板において、前記第2の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離と前記第1の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離との差の1/2の値が、前記第2の絶縁層を介して対向する前記第2の配線群の前記第1信号配線と前記第1の配線群の前記第1信号配線の各中心線の前記第2の絶縁層の面方向の距離と同じ値か、または、前記第2の配線群の前記第1信号配線と前記第1の配線群の前記第1信号配線の各中心線の前記第2の絶縁層の面方向の距離よりも大きい値となるようにするには、例えば、図2(a)に示す前記第2の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離(S2)と前記第1の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離(S1)の差(S2−S1)の1/2の値が、上記の第2の配線群を形成する際の位置合わせにおける最大位置ずれ量と同じ値になるように設計すれば良い。実際に生じる位置ずれ量は、上記の最大位置ずれ量以下の範囲だからである。
また、本発明においては、前記第2の配線群における前記第1信号配線および前記第2信号配線の厚みを、前記第1の配線群における前記第1信号配線および前記第2信号配線の厚みよりも大きくした形態とすることも好ましい。
上記のような構成を有していれば、前記第2の配線群において互いに対向する各配線側面の面積を大きくすることができ、前記第2の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離(図2(a)に示すS2)を大きくすることによって生じる差動インピーダンスの増大化を抑制することができるからである。
なお、前記第2の配線群および前記第2の絶縁層14の上には、第3の絶縁層16が形成されていても良い。第2の配線群を構成する各配線15a、15b、15c、15dを、第3の絶縁層16で被覆することにより、腐食等による配線の劣化を防止することができるからである。また、第2の配線群を構成する各配線間の隙間を第3の絶縁層16で埋めることにより、各配線間の容量性結合の容量をより大きくできるからである。
また、本発明においては、例えば図2(a)に示すように、前記金属支持基板11には、平面視において前記第1の配線群と重なる位置に、前記第1の配線群が占める領域の幅よりも大きな開口幅を有する開口部17が形成されていることが好ましい。
上述のように、第1の配線群を構成する各配線13a、13b、13c、13dとその下の金属支持基板11が誘導もしくは容量性結合を形成することによって、高周波信号の伝送ロスが大きくなることを抑制するためである。
なお、上記の「前記第1の配線群が占める領域の幅」とは、前記第1の配線群の長手方向に垂直な方向の長さであって、例えば、図2(a)においては、図面上配線13aの左端から配線13dの右端までの長さを指す。
また、前記開口部17の開口幅は、前記第1の配線群と前記第2の配線群を平面的に配置した形態の配線群(配線総数は8本)が占める領域の幅よりも小さな開口幅とすることが好ましい。
例えば、前記第1の配線群と前記第2の配線群を平面的に配置した形態(配線総数は8本)においては、金属支持基板に設ける開口部の幅も、高周波信号の伝送ロスが大きくなることを抑制するために、前記第1の配線群と前記第2の配線群を平面的に配置した形態の配線群(配線総数は8本)が占める領域の幅よりも大きくする必要がある。
一方、本発明においては、上述のように、前記第1の配線群の上に第2の絶縁層14を介して前記第2の配線群が積層されているため、金属支持基板11に設ける開口部17は、前記第1の配線群が占める領域の幅よりも大きな開口幅を有していればよく、この開口幅を、前記第1の配線群と前記第2の配線群を平面的に配置した形態の配線群(配線総数は8本)が占める領域の幅よりも小さな開口幅とすることで、前記第1の配線群と前記第2の配線群を平面的に配置した形態(配線総数は8本)よりもサスペンション用基板の物理的強度を高めることができるからである。
なお、煩雑となるのを避けるため図示はしていないが、配線15a、15b、15c、15dと第2の絶縁層14の間には、前記配線を電解めっき形成するためのシード層が、設けられていても良い。また、同様に、配線13a、13b、13c、13dと第1の絶縁層12の間には、前記配線を電解めっき形成するためのシード層が、設けられていても良い。
また、本発明において、前記第1の配線群を構成する配線の本数、および、前記第2の配線群を構成する配線の本数は、各4本に限らず4本より多い本数であっても良い。ただし、各配線群を構成する各配線の厚さ方向の配置関係は、同位相の電気信号が伝送される配線同士が、前記第2の絶縁層を介して対向するように配置する。
例えば、前記第1の配線群および前記第2の配線群を構成する配線の本数を、各々6本とする場合は、図2(b)に示すように、第1の絶縁層12の上に6本の配線(23a、23b、23c、23d、23e、23f)を有する第1の配線群を形成し、前記第1の配線群および前記第1の絶縁層12の上に第2の絶縁層14を形成し、前記第2の絶縁層14の上に6本の配線(25a、25b、25c、25d、25e、25f)を有する第2の配線群を形成する。
そして、各配線の配置関係については、前記第1の配線群の前記第1信号配線(例えば、23a、23c、23e)と前記第2の配線群の前記第1信号配線(例えば、25a、25c、25e)とが第2の絶縁層14を介して対向し、前記第1の配線群の前記第2信号配線(例えば、23b、23d、23f)と前記第2の配線群の前記第2信号配線(例えば、25b、25d、25f)とが第2の絶縁層14を介して対向するように配置する。
さらに、本実施形態においても、前記第2の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線(例えば25a)と前記第2信号配線(例えば25b)の各中心線(例えば図3(b)に示すC25aとC25b)の間の距離(P12)は、前記第1の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線(例えば23a)と前記第2信号配線(例えば23b)の各中心線の間の距離(P11)と等しく、前記第2の配線群において互いに対向する前記第1信号配線(例えば25a)の側面と前記第2信号配線(例えば25b)の側面との間の距離(S12)は、前記第1の配線群において互いに対向する前記第1信号配線(例えば23a)の側面と前記第2信号配線(例えば23b)の側面との間の距離(S11)よりも大きく、かつ、前記第2の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線(例えば25a)と前記第2信号配線(例えば25b)の各中心線の間の距離(P12)よりも小さくなるように形成する。
次に、本発明に係るサスペンション用基板のインターリーブ配線の回路構成について説明する。なお、煩雑となるのを避けるため、ここでは、前記第1の配線群および前記第2の配線群を構成する配線の本数を各々6本とする場合の回路構成についてのみ説明する。
図6は、図2(b)に示すサスペンション用基板20のインターリーブ配線の回路構成を示す説明図である。なお図6において、図面上、左側に位置する交互配列の配線群が第1の配線群を示し、右側に位置する交互配列の配線群が第2の配線群を示す。
図6に示すように、サスペンション用基板20におけるインターリーブ配線構造30は、接続端子31aと接続端子31cを電気的に接続する第1信号配線、および、接続端子31bと接続端子31dを電気的に接続する第2信号配線で構成される一対の差動配線からなる。
ここで、従来のインターリーブ配線構造は単層構造であったのに対し、本発明においては積層構造であるため、各差動配線は、まず、層間接続ビアを経由して上層および下層の配線群(すなわち、第1および第2の配線群)に分岐される。
例えば、図6に示すように、接続端子31aからの電気信号(第1の電気信号)は、第1の配線群に伝送されるだけでなく、層間接続ビア35a内の層間接続線36aを経由して、第2の配線群にも伝送される。そして、第2の配線群に伝送された接続端子31aからの電気信号(第1の電気信号)は、層間接続ビア35c内の層間接続線36cを経由して、接続端子31cに伝送される。
同様に、接続端子31bからの電気信号(第2の電気信号)も、第1の配線群に伝送されるだけでなく、層間接続ビア35b内の層間接続線36bを経由して、第2の配線群にも伝送される。そして、第2の配線群に伝送された接続端子31bからの電気信号(第2の電気信号)は、層間接続ビア35d内の層間接続線36dを経由して、接続端子31dに伝送される。
次に、上層および下層の配線群(すなわち、第1および第2の配線群)の回路構成について説明する。
図6に示すように、第1の配線群(図面上左側の配線群)において、前記第1信号配線は、分岐点32aで配線23a、23c、23eに分岐し、同様に、前記第2信号配線は、分岐点32bで配線23b、23d、23fに分岐し、分岐した各配線は互いに逆位相の電気信号が伝送される配線が隣になるように、図面の左端から23a、23b、23c、23d、23e、23fの順で並列配設されている。
そして、同位相の電気信号が伝送される配線23a、23c、23eは、それぞれ、接続ビア33a、33b、33cを経由して接続線34aで接続されており、同様に、配線23b、23d、23fは、接続ビア33d、33e、33fを経由して接続線34bで接続されている。
本実施形態において、例えば、前記接続ビア33a、33b、33c、および、接続ビア33d、33e、33fは、前記第1の絶縁層12に形成され、前記接続線34aおよび接続線34bは、金属支持基板11の開口部17に形成される構成とすることができる。なお、上記の構成は例示であって、電気的に同等に接続されていれば、特に限定されるものではない。
次に、第2の配線群(図面上右側の配線群)について説明すると、前記第1信号配線は、分岐点32cで配線25a、25c、25eに分岐し、同様に、前記第2信号配線は、分岐点32dで配線25b、25d、25fに分岐し、分岐した各配線は互いに逆位相の電気信号が伝送される配線が隣になるように、図面の左端から25a、25b、25c、25d、25e、25fの順で並列配設されている。
そして、同位相の電気信号が伝送される配線25a、25c、25eは、それぞれ、接続ビア33g、33h、33iを経由して接続線34cで接続されており、同様に、配線25b、25d、25fは、接続ビア33j、33k、33lを経由して接続線34dで接続されている。
本実施形態において、例えば、前記接続ビア33g、33h、33i、および、接続ビア33j、33k、33lは、前記第3の絶縁層16に形成され、前記接続線34cおよび接続線34dは、前記第3の絶縁層16の上に形成される構成とすることができる。なお、上記の構成は例示であって、電気的に同等に接続されていれば、特に限定されるものではない。
次に、本発明のサスペンション用基板を構成する各部材について説明する。
[金属支持基板]
金属支持基板11の材料としては、サスペンション用基板の支持体として機能し、所望のばね性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、例えばステンレス鋼を挙げることができる。
金属支持基板11の厚さは、例えば、10μm〜30μmの範囲内、中でも15μm〜25μmの範囲内であることが好ましい。
[第1の絶縁層]
第1の絶縁層12は、金属支持基板11の表面上に形成されるものであり、第1の絶縁層12の上に形成される第1の配線群の各配線と金属支持基板11とを電気的に絶縁するものである。
第1の絶縁層12の材料としては、所望の絶縁性や誘電率を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリイミド等を挙げることができる。また、第1の絶縁層12の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。第1の絶縁層12の厚さは、例えば、5μm〜30μmの範囲内である。
[配線]
配線の材料としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば銅(Cu)等を挙げることができる。各配線は、露出する場合、その表面にニッケル(Ni)、金(Au)による保護めっき層が形成されていても良い。
配線の厚さとしては、例えば、3μm〜18μmの範囲内、中でも4μm〜15μmの範囲内であることが好ましい。配線の厚さが小さすぎると、充分な低インピーダンス化を図ることができない可能性があり、配線の厚さが大きすぎると、サスペンション用基板の剛性が高くなり過ぎる可能性があるからである。
配線の線幅としては、例えば、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。配線の線幅が小さすぎると、所望の導電性を得ることができない可能性があり、配線の線幅が大きすぎると、サスペンション用基板の充分な高密度化を図ることができない可能性があるからである。
また同一平面での配線間の距離は、例えば10μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。この距離が小さすぎると、高い加工精度を要求し、コストアップ等を招くことになるため好ましくなく、一方、この距離が大きすぎると、サスペンション用基板の充分な高密度化を図ることができない可能性があるからである。
[第2の絶縁層]
第2の絶縁層14は、第1の配線群および第1の絶縁層12の上に形成されるものであり、第1の配線群を構成する各配線と第2の配線群を構成する各配線とを電気的に絶縁するものである。また、第1の配線群を構成する各配線の隙間を第2の絶縁層14で埋めることにより、各配線間の容量性結合の容量をより大きくすることもできる。
第2の絶縁層14の材料としては、所望の絶縁性や誘電率を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリイミド等を挙げることができる。また、第2の絶縁層14の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。
第2の絶縁層14の厚さは、例えば、第1の配線群を構成する各配線と第2の配線群を構成する各配線との間で4μm〜30μmの範囲内である。
[第3の絶縁層]
腐食等による劣化を防止するため、第2の配線群を構成する各配線は、第3の絶縁層16で覆われていることが好ましい。また、第2の配線群を構成する各配線の隙間を第3の絶縁層16で埋めることにより、各配線間の容量性結合の容量をより大きくすることもできる。
第3の絶縁層16の材料としては、例えばポリイミド等を挙げることができる。また、第3の絶縁層16の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。
第3の絶縁層16の厚さは、例えば、第2の配線群を構成する各配線の上で4μm〜30μmの範囲内である。
[サスペンション用基板の製造方法]
次に、本発明のサスペンション用基板の製造方法について説明する。なお、煩雑となるのを避けるため、ここでは、前記第1の配線群および前記第2の配線群を構成する配線の本数を各々6本とする場合について説明する。なお、本発明のサスペンション用基板の製造方法は、上述した構成を有するサスペンション用基板を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。
図7は、本発明に係るサスペンション用基板の製造方法の一例を示す模式的工程図である。
本発明に係るサスペンション用基板20を製造するには、例えば、図7(a)に示すように、金属支持基板材11Aの上に、第1の絶縁層12、導電層13Aが順次積層された積層体を準備し、ドライフィルムレジストを用いたフォト製版およびエッチング等の従前公知の方法により、導電層13Aを加工して第1の配線群を構成する配線23a、23b、23c、23d、23e、23fを形成する(図7(b))。
次に、前記第1の配線群および前記第1の絶縁層12の上に、第2の絶縁層14を形成し(図7(c))、ドライフィルムレジストを用いたフォト製版および電解めっき法等の従前公知の方法により、前記第2の絶縁層14の上に、第2の配線群を構成する配線25a、25b、25c、25d、25e、25fを形成する(図7(d))。
次いで、前記第2の配線群および前記第2の絶縁層14の上に第3の絶縁層16を形成し(図7(e))、最後に、前記金属支持基板材11Aをエッチングして、前記第1の配線群の下に開口部17を有する金属支持基板11を形成し、本発明に係るサスペンション用基板20を得る(図7(f))。
なお、煩雑となるのを避けるため図示はしないが、本発明においては、例えば、上記の図6に示した層間接続ビア35a、35b、35c、35d、および層間接続線36a、36b、36c、36dを、第2の絶縁層14に形成することができる。
ここで、前記層間接続ビア35a、35b、35c、35dは、それぞれ前記層間接続線36a、36b、36c、36dと一体となってビアを形成していても良い。
また、同様に図示はしないが、本発明においては、例えば、上記の図6に示した接続ビア33a、33b、33c、および、接続ビア33d、33e、33fを第1の絶縁層12に形成し、接続線34aおよび接続線34bを金属支持基板11の開口部17に形成することができる。
また、同様に、例えば、上記の図6に示した接続ビア33g、33h、33i、および、接続ビア33j、33k、33lを第3の絶縁層16に形成し、接続線34cおよび接続線34dを前記第3の絶縁層16の上に形成することができる。
[サスペンション]
次に、本発明のサスペンションについて説明する。本発明のサスペンションは、上述したサスペンション用基板と、ロードビームとを含むことを特徴とするものである。
図8は、本発明に係るサスペンションの一例を示す概略平面図である。図8に示されるサスペンション50は、上述したサスペンション用基板1と、サスペンション用基板1の裏面側(金属支持基板11側)に備え付けられたロードビーム51、及びベースプレート(図示せず)とを有するものである。ロードビーム、及びベースプレートは、一般的なサスペンションに用いられるロードビーム、ベースプレートと同様のものを用いることができる。
本発明においては、上述したサスペンション用基板を用いることで、低インピーダンスでありながら高周波信号の帯域幅が安定に保持されている信頼性の高いサスペンションとすることができる。
[ヘッド付サスペンション]
次に、本発明のヘッド付サスペンションについて説明する。本発明のヘッド付サスペンションは、上述したサスペンションと、該サスペンションに実装された磁気ヘッドスライダとを有するものである。
図9は、本発明に係るヘッド付サスペンションの一例を示す概略平面図である。図9に示されるヘッド付サスペンション60は、上述したサスペンション50と、サスペンション50のタング部2に実装された磁気ヘッドスライダ61とを有するものである。
なお、サスペンション50については、上述した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、磁気ヘッドスライダ61は、一般的なヘッド付サスペンションに用いられる磁気ヘッドスライダと同様のものを用いることができる。
本発明によれば、上述したサスペンション用基板を用いることで、低インピーダンスでありながら高周波信号の帯域幅が安定に保持されている信頼性の高いヘッド付サスペンションとすることができる。
[ハードディスクドライブ]
次に、本発明のハードディスクドライブについて説明する。本発明のハードディスクドライブは、上述したヘッド付サスペンションを含むことを特徴とするものである。
図10は、本発明に係るハードディスクドライブの一例を示す概略斜視図である。
図10に示されるハードディスクドライブ70は、ケース71と、このケース71に回転自在に取り付けられ、データが記憶されるディスク72と、このディスク72を回転させるスピンドルモータ73と、ディスク72に所望のフライングハイトを保って近接するように設けられ、ディスク72に対してデータの書き込みおよび読み込みを行うスライダを含むヘッド付サスペンション60とを有している。このうちヘッド付サスペンション60は、ケース71に対して移動自在に取り付けられ、ケース71にはヘッド付サスペンション60のスライダをディスク72上に沿って移動させるボイスコイルモータ74が取り付けられている。また、ヘッド付サスペンション60は、ボイスコイルモータ74にアーム75を介して取り付けられている。
なお、ヘッド付サスペンションについては、上述した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、その他の部材についても、一般的なハードディスクドライブに用いられる部材と同様のものを用いることができる。
本発明によれば、上述したヘッド付サスペンションを用いることで、より高機能化され、信頼性の高いハードディスクドライブとすることができる。
以上、本発明に係るサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブについて説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
図16(a)に示すように、第2の配線群(配線25a〜25f)において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離(S12)が、第1の配線群(配線23a〜23f)において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離(S11)よりも大きい本発明に係るサスペンション用基板20aと、図17(a)に示すように、第2の配線群(配線525a〜525f)において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離(S22)が、第1の配線群(配線523a〜523f)において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離(S21)と等しいサスペンション用基板500aについて、目標とする差動インピーダンスを20Ωに設定し、配線領域がほぼ同じになる条件で、第2の配線群が第1の配線群に対して位置ずれが無い場合(図16(a)、図17(a))と、5μmの位置ずれを生じた場合(図16(b)、図17(b))における配線長40mmにおける−3dB帯域幅をシミュレーションにより算出した。
なお、実施例1および比較例1のいずれにおいても、各絶縁層には比誘電率3.0のポリイミドを用い、第1の絶縁層の厚さは10μmとした。また、各配線の材料には、いずれも銅を用いた。
結果は以下の通りである。
(実施例1)
図16(a)に示す構成の本発明に係るサスペンション用基板20a(位置ずれ量0μm)と、図16(b)に示す構成の本発明に係るサスペンション用基板20b(位置ずれ量5μm)について、それぞれ差動インピーダンスと−3dB帯域幅を算出した。
なお、図16(b)に示すサスペンション用基板20bは、図16(a)に示すサスペンション用基板20aにおける第2の配線群の各配線(25a、25b、25c、25d、25e、25f)が、互いの距離を保ちながら、その配設位置が第1の配線群の各配線(23a、23b、23c、23d、23e、23f)の配設位置に対して各配線の幅方向(図面上右方向)に位置ずれ(ずれ量OS11=5μm)を生じた状態に等しいものである。
<シミュレーション条件>
第1の配線群(配線23a〜23f):
いずれも厚み5μm、幅(W11)28μm、各配線間の距離(S11)12μm
第2の配線群(配線25a〜25f):
いずれも厚み5μm、幅(W12)18μm、各配線間の距離(S12)22μm
第2の絶縁層14:配線上の厚み(D11)5μm
第3の絶縁層16:配線上の厚み(D12)5μm
金属支持基板11の開口端部と第1の配線群との間隔:
間隔(LS1a)、間隔(LS1b)いずれも25μm
<シミュレーション結果>
位置ずれ量0μm:差動インピーダンス19.8Ω、帯域幅6.2GHz
位置ずれ量5μm:差動インピーダンス19.3Ω、帯域幅6.2GHz
(比較例1)
図17(a)に示す構成のサスペンション用基板500a(位置ずれ量0μm)と、図17(b)に示す構成のサスペンション用基板500b(位置ずれ量5μm)について、それぞれ差動インピーダンスと−3dB帯域幅を算出した。
なお、図17(b)に示すサスペンション用基板500bは、図17(a)に示すサスペンション用基板500aにおける第2の配線群の各配線(525a、525b、525c、525d、525e、525f)が、互いの距離を保ちながら、その配設位置が第1の配線群の各配線(523a、523b、523c、523d、523e、523f)の配設位置に対して各配線の幅方向(図面上右方向)に位置ずれ(ずれ量OS12=5μm)を生じた状態に等しいものである。
<シミュレーション条件>
第1の配線群(配線523a〜523f):
いずれも厚み5μm、幅(W21)25μm、各配線間の距離(S21)15μm
第2の配線群(配線525a〜525f):
いずれも厚み5μm、幅(W22)25μm、各配線間の距離(S22)15μm
第2の絶縁層514:配線上の厚み(D21)5μm
第3の絶縁層516:配線上の厚み(D22)5μm
金属支持基板11の開口端部と第1の配線群との間隔:
間隔(LS2a)、間隔(LS2b)いずれも25μm
<シミュレーション結果>
位置ずれ量0μm:差動インピーダンス19.7Ω、帯域幅7.2GHz
位置ずれ量5μm:差動インピーダンス18.2Ω、帯域幅5.9GHz
上記の結果について、説明する。
比較例1に示すように、第2の配線群(配線525a〜525f)において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離(S22)が、第1の配線群(配線523a〜523f)において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離(S21)と等しいサスペンション用基板においては、位置ずれ量が0μm(すなわち、位置ずれ無し)の場合には、帯域幅の値は7.2GHzであったが、位置ずれ量が5μmの場合には、帯域幅の値は5.9GHzまで狭くなってしまった。また、差動インピーダンスの値も19.7Ωから18.2Ωと、目標とする差動インピーダンスの値(20Ω)から離れる方向に変動していた。
一方、実施例1に示すように、本発明に係るサスペンション用基板においては、位置ずれ量が0μm(すなわち、位置ずれ無し)の場合と位置ずれ量が5μmの場合で、帯域幅の値はいずれも6.2GHzとなり、高周波信号の帯域幅を安定に保持するという目的において、比較例1に優る結果であった。また、差動インピーダンスの値の変動も19.8Ωから19.3Ωの範囲であり、目標とする差動インピーダンスの値(20Ω)に対して安定した結果であった。
1、10、20、20a、20b・・・サスペンション用基板
2・・・タング部
3・・・接続端子部
4、5・・・配線群
11・・・金属支持基板
11A・・・金属支持基板材
12・・・第1の絶縁層
13A・・・導電層
13a、13b、13c、13d・・・配線
14・・・第2の絶縁層
15a、15b、15c、15d・・・配線
16・・・第3の絶縁層
17・・・開口部
23a、23b、23c、23d、23e、23f・・・配線
25a、25b、25c、25d、25e、25f・・・配線
30・・・インターリーブ配線構造
31a、31b、31c、31d・・・接続端子
32a、32b、32c、32d・・・分岐点
33a、33b、33c、33d、33e、33f・・・接続ビア
33g、33h、33i、33j、33k、33l・・・接続ビア
34a、34b、34c、34d・・・接続線
35a、35b、35c、35d・・・層間接続ビア
36a、36b、36c、36d・・・層間接続線
50・・・サスペンション
51・・・ロードビーム
60・・・ヘッド付サスペンション
61・・・磁気ヘッドスライダ
70・・・ハードディスクドライブ
71・・・ケース
72・・・ディスク
73・・・スピンドルモータ
74・・・ボイスコイルモータ
75・・・アーム
110、120・・・サスペンション用基板
111、111A・・・金属支持基板
112・・・第1の絶縁層
113a、113b、113c、113d・・・配線
114・・・第2の絶縁層
117・・・開口部
130・・・インターリーブ配線構造
131a、131b、131c、131d・・・接続端子
132a、132b・・・分岐点
133a、133b、133c、133d・・・接続ビア
134a、134b・・・接続線
200・・・積層配線構造
212・・・第1の絶縁層
213a、213b・・・配線
214・・・第2の絶縁層
216・・・第3の絶縁層
300・・・積層配線構造
312・・・第1の絶縁層
313a、313b、313c、313d・・・配線
314・・・第2の絶縁層
315a、315b、315c、315d・・・配線
316・・・第3の絶縁層
400b・・・サスペンション用基板
411・・・金属支持基板
412・・・第1の絶縁層
413a、413b、413c、413d・・・配線
414・・・第2の絶縁層
415a、415b、415c、415d・・・配線
416・・・第3の絶縁層
423a、423b、423c、423d、423e、423f・・・配線
425a、425b、425c、425d、425e、425f・・・配線
500a、500b・・・サスペンション用基板
511・・・金属支持基板
512・・・第1の絶縁層
513a、513b、513c、513d・・・配線
514・・・第2の絶縁層
515a、515b、515c、515d・・・配線
516・・・第3の絶縁層
523a、523b、523c、523d、523e、523f・・・配線
525a、525b、525c、525d、525e、525f・・・配線

Claims (7)

  1. 金属支持基板と、
    前記金属支持基板の上に形成された第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層の上に形成された第1の配線群と、
    前記第1の配線群および前記第1の絶縁層の上に形成された第2の絶縁層と、
    前記第2の絶縁層の上に形成された第2の配線群と、
    前記第2の配線群および前記第2の絶縁層の上に形成された第3の絶縁層と、
    を有するサスペンション用基板であって、
    前記第1の配線群および前記第2の配線群は、互いに電気的に接続された複数の第1信号配線と、前記第1信号配線とは電気的に独立し、互いに電気的に接続された複数の第2信号配線とを、平面的に交互配列させてそれぞれ有し、
    前記第1の配線群の前記第1信号配線と前記第2の配線群の前記第1信号配線とが前記第2の絶縁層を介して対向し、前記第1の配線群の前記第2信号配線と前記第2の配線群の前記第2信号配線とが前記第2の絶縁層を介して対向するように、前記第1の配線群と前記第2の配線群が配置されており、
    前記第1の配線群を構成する各配線の隙間が前記第2の絶縁層で埋められており、
    前記第2の配線群を構成する各配線の隙間が前記第3の絶縁層で埋められており、
    前記第2の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線と前記第2信号配線の各中心線の間の距離は、前記第1の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線と前記第2信号配線の各中心線の間の距離と等しく、
    前記第2の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離は、前記第1の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離よりも大きく、かつ、前記第2の配線群において互いに隣り合う前記第1信号配線と前記第2信号配線の各中心線の間の距離よりも小さいことを特徴とするサスペンション用基板。
  2. 前記第2の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離と、前記第1の配線群において互いに対向する前記第1信号配線の側面と前記第2信号配線の側面との間の距離との差の1/2の値が、
    前記第2の絶縁層を介して対向する前記第2の配線群の前記第1信号配線と前記第1の配線群の前記第1信号配線の各中心線の前記第2の絶縁層の面方向の距離と同じ値か、
    または、前記第2の配線群の前記第1信号配線と前記第1の配線群の前記第1信号配線の各中心線の前記第2の絶縁層の面方向の距離よりも大きい値であることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  3. 前記第2の配線群における前記第1信号配線および前記第2信号配線の厚みが、前記第1の配線群における前記第1信号配線および前記第2信号配線の厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサスペンション用基板。
  4. 前記金属支持基板には、平面視において前記第1の配線群と重なる位置に、前記第1の配線群が占める領域の幅よりも大きな開口幅を有する開口部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のサスペンション用基板。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のサスペンション用基板と、ロードビームとを含むことを特徴とするサスペンション。
  6. 請求項5に記載のサスペンションと、前記サスペンションに実装された磁気ヘッドスライダとを有することを特徴とするヘッド付サスペンション。
  7. 請求項6に記載のヘッド付サスペンションを含むことを特徴とするハードディスクドライブ。
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