JP2011074790A - トロコイドポンプの組み付け構造 - Google Patents

トロコイドポンプの組み付け構造 Download PDF

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Abstract

【課題】乗員に伝わる騒音を低減することができるトロコイドポンプの組み付け構造を提供する。
【解決手段】カバー部材5を支持部材に組み付けた時、噛み合い部16又は締め切り部17のいずれかの隙間が大きくなる方向にずれるのを許容するように、カバー部材5と支持部材とを位置決めする位置決めピン又はピン穴18aについて、噛み合い部16と締め切り部17とを結ぶ直線Y方向における剛性を設定して、噛み合い部16又は締め切り部17の隙間が小さくなる方向にずれるのを防止する。
【選択図】図4

Description

本発明は、カバー部材に支持されたアウタロータと、駆動軸に固定されたインナロータとを備えたトロコイドポンプに関し、特に、前記カバー部材を、前記駆動軸を支持する支持部材に組み付ける場合の組み付け構造に関する。
自動車等の車両において、各種の油圧制御や潤滑油の供給のために、油圧を発生させるオイルポンプを備えている。
このようなオイルポンプとして、カバー部材のケーシング部に回転可能に配置されたアウタロータと、該アウタロータ内に回転可能に配置され、駆動軸に固定されたインナロータとを有し、前記アウタロータの内歯とインナロータの外歯とで移動油室を形成し、吸入孔から吸入したオイルを圧縮加圧して吐出孔から吐出するよう構成されたトロコイドポンプがある。
この種のトロコイドポンプでは、前記カバー部材と前記駆動軸を支持する支持部材との組み付け精度の如何によっては、例えば、前記アウタロータと前記インナロータとの噛み合い部における噛み合い隙間が小さくなり、前記アウタロータと前記インナロータとの噛み合いに起因した噛み合い音が大きくなるという問題がある。逆に、前記アウタロータと前記インナロータとの締め切り部における締め切り隙間が小さくなり、吐出油圧の脈動に起因した脈動音が大きくなるという問題がある。
前記問題点の解決方法として、例えば、特許文献1には、インナロータの外歯頂部とアウタロータの内歯頂部との間に形成されるクリアランスが、零以上になるように前記アウタロータの中心を設定し、該アウタロータを支持するカバー部材を、前記インナロータが固定されたクランク軸を支持するエンジンのシリンダブロックに組み付けるようにしたトロコイドポンプの組み付け構造が開示されている。この構造では、前記インナロータの外歯と前記アウタロータの内歯とが干渉するのを回避することができ、ポンプ音の発生を低減することができる。
特開平1−249971号公報
ところで、前記トロコイドポンプを備えた車両では、車種によってそのエンジンや車体の剛性ひいては共振周波数が異なるため、噛み合い音が乗員に伝わり易い車両と脈動音が乗員に伝わり易い車両とが存在する。そのため、例えば、噛み合い音が乗員に伝わり易い車両の場合に、前記カバー部材と支持部材(シリンダブロック)との組み付けにおいて、前記噛み合い隙間が小さくなる方向へポンプの組み付けのずれが発生すると、乗員に聞こえる騒音がさらに大きくなるという問題がある。
本発明は、前記従来の状況に鑑みてなされたもので、乗員に聞こえる騒音を低減することができるトロコイドポンプの組み付け構造を提供することを課題としている。
請求項1の発明は、内歯を有し、カバー部材に形成されたケーシング部に回転可能に配置されたアウタロータと、前記内歯と噛み合う外歯を有し、前記アウタロータ内に回転可能に配置され、かつ該アウタロータの回転軸と偏心させて配置された駆動軸に固定されたインナロータとを備えたトロコイドポンプの、前記カバー部材を前記駆動軸を支持する支持部材に組み付けることにより、前記アウタロータと前記インナロータとの噛み合い部及び締め切り部の隙間を所定値とする組み付け構造において、前記カバー部材を前記支持部材に組み付けた時、前記噛み合い部又は前記締め切り部のいずれかの前記隙間が大きくなる方向にずれるのを許容するように、前記カバー部材と支持部材とを位置決めする位置決めピン又はピン穴の前記噛み合い部と前記締め切り部とを結ぶ直線方向における剛性が設定されていることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、前記カバー部材を前記支持部材に組み付けた時、前記噛み合い部又は前記締め切り部のいずれかの前記隙間が大きくなる方向にずれるのを許容するように、位置決めピン又はピン穴の前記噛み合い部と前記締め切り部とを結ぶ直線方向における、剛性を設定したので、車種毎の特性に合わせて、噛み合い音又は脈動音を低減することができ、乗員に伝わる騒音を低減できる。
例えば、車両の構造上噛み合い音が乗員に伝わり易い車両の場合、前記噛み合い部の隙間が大きくなる方向に前記カバー部材ひいてはアウタロータが支持部材ひいてはインナロータに対してずれるのを許容するように、前記位置決めピン又はピン穴の剛性が設定されるので、仮に前記カバー部材のピン穴のピッチと支持部材のピン穴のピッチとに寸法誤差があっても、カバー部材が支持部材に対して噛み合い部の隙間が小さくなる方向にずれるのを防止でき、噛み合い音の発生を抑制でき、乗員に伝わる騒音を低減できる。
本発明の実施例1によるトロコイドポンプを備えたエンジンの一部断面正面図である。 クランク軸の図1左端部の拡大断面図である。 トロコイドポンプのケーシングカバーが装着された状態のチェーンカバーの合面側から見た図である。 前記ケーシングカバーを取り外した状態のチェーンカバーの合面側から見た図である。 シリンダブロックのチェーンカバー取り付け合面側から見た図である。 シリンダブロックのピン穴のピッチと、チェーンカバーのピン穴のピッチとの寸法誤差が許容範囲内にある場合の位置決めピンとピッチ穴との位置関係を示す摸式図である。 シリンダブロックのピン穴のピッチより、チェーンカバーのピン穴のピッチが大きい場合の位置決めピンとピン穴との位置関係を示す摸式図である。 シリンダブロックのピン穴のピッチが、チェーンカバーのピン穴のピッチより大きい場合の位置決めピンとピン穴との位置関係を示す摸式図である。 前記チェーンカバーが上方にずれるのを許容するようにチェーンカバーのピン穴の剛性を設定する場合の上側を示す摸式図である。 図9のX-X線断面図である。 前記チェーンカバーが下方にずれるのを許容するようにチェーンカバーのピン穴の剛性を設定する場合の1例を示す摸式図である。 図11のXII-XII線断面図である。 前記チェーンカバーが下方にずれるのを許容するように位置決めピンの剛性を設定する場合の1例を示す摸式図である。 図13のXIV-XIV線断面図である。 前記チェーンカバーが下方にずれるのを許容するように位置決めピンの剛性を設定する場合の1例を示す摸式図である。 図15のXVI-XVI線断面図である。
図1ないし図16は、本発明の実施例1によるトロコイドポンプの組み付け構造を説明するための図である。
図において、1は水冷式4サイクル並列4気筒タイプのエンジンである。該エンジン1は、シリンダブロック2の、上合面2aにシリンダヘッド3を、下合面2bにオイルパン4をそれぞれ接合し、前記シリンダヘッド3の上合面3aにヘッドカバー30を装着してなる外観を呈している。
前記シリンダブロック2に形成されたシリンダボア2c内にはピストン6が摺動自在に挿入配置されている。該ピストン6はコンロッド6aを介してクランク軸7のクランクピン7aに連接されている。また、前記シリンダヘッド3とヘッドカバー30との合面間にはカム軸31が前記クランク軸7と平行に配置されている。
前記クランク軸7は、前記シリンダブロック2の下部に形成されたクランクケース部(支持部材)2d内に配置されており、クランク軸受7bを介して回転自在に支持されている。前記クランク軸7の図1左端部に形成されたクランクスプロケット7cと前記カム軸31の図1左端部に形成されたカムスプロケット31aとには、タイミングチェーン32が巻回されている。これにより、前記クランク軸7の回転が前記カム軸31に伝達される。
前記タイミングチェーン32は、前記シリンダブロック2とシリンダヘッド3との接合体の図1左端部に配置されており、該接合体の左端の合面2eに着脱可能に装着されたチェーンカバー(カバー部材)5により覆われている。なお、前記チェーンカバー5の合面5aと前記接合体の合面2eとの間には弾性部材からなるシール部材51が介在されている。また、5cは前記チェーンカバー5を前記シリンダブロック2に固定するためのボルト穴である。
そして、前記チェーンカバー5内にトロコイドポンプ8が配設されている。該トロコイドポンプ8は、前記チェーンカバー5の下部に形成されたケーシング部9と、該ケーシング部9のロータ室9a内に回転軸O廻りに回転可能に配置されたアウタロータ10と、該アウタロータ10内に回転軸P廻りに回転可能に配置されたインナロータ11とを有する。
前記ケーシング部9内には、前記ロータ室9aの、一側に位置するようにオイル吸入孔9b及びオイル吸入通路9cが形成され、他側に位置するようにオイル吐出孔9d及びオイル吐出通路9eが形成されている。また、前記ケーシング部9のカバー合面5bにはケーシングカバー12がボルト12aにより着脱可能に装着されている。
前記アウタロータ10はリング状をなし、複数枚(本実施例では6枚)の内歯10aを有する。前記インナロータ11はリング状をなし、前記内歯10aに噛合し、かつ該内歯10aより1枚少ない枚数(本実施例では5枚)の外歯11aを有する。前記インナロータ11は、前記クランク軸7に嵌合され、該クランク軸7により回転駆動される。また、前記アウタロータ10は、これの回転軸Oを前記クランク軸7の回転軸Pに対してY軸方向に偏心させた状態で前記ロータ室9a内に組み付けられている。なお、本実施例では、Y軸は鉛直線と一致している。
前記アウタロータ10の内歯10aと、インナロータ11の外歯11aと、前記ロータ室9a及びケーシングカバー12とで複数の空隙部14が形成されている。この空隙部14は、前記アウタロータ10とインナロータ11のそれぞれの回転軸O,Pを通る前記Y軸の左側に位置し、前記インナロータ11の回転に伴ってその容積が徐々に大きくなる吸入空隙部14aと、Y軸の右側に位置し、その容積が徐々に小さくなる吐出空隙部14bとからなる。
前記吸入空隙部14aは、前記吸入通路9cを介して前記吸入孔9bに連通している。また、前記吐出空隙部14bは、前記吐出通路9eを介して前記吐出孔9dに連通している。
本実施例1では、前記インナロータ11の外歯11aの頂部11a′と前記アウタロータ10の内歯10aの頂部10a′とが前記Y軸上で対向する部分を締め切り部17と称し、前記外歯11aの底部11a′′と前記内歯10aの頂部10a′とが前記Y軸上で対向する部分を噛み合い部16と称する。そして前記締め切り部17の隙間はt1に設定され、前記噛み合い部16の隙間はt2に設定されている。
前記インナロータ11が前記クランク軸7により前記回転軸P回りに矢印15方向(反時計回り)に回転駆動されると、前記アウタロータ10は前記回転軸O回りに従動回転する。このとき、オイルは前記吸入孔9bから前記吸入通路9cを介して前記吸入空隙部14aに吸入され、前記吐出空隙部14b内のオイルが前記吐出通路9e及び吐出孔9dを介して外部へ吐出される。
前記締め切り部17,噛み合い部16の隙間t1,t2は、チェーンカバー5を前記シリンダブロック2に所定の精度で組み付けることにより実現される。具体的には、前記チェーンカバー5に形成されたピン穴18a,18aと、前記シリンダブロック2に形成されたピン穴18b,18bとの前記Y軸方向の位置精度を所定精度内とする。そして前記シリンダブロック2側のピン穴18b,18bに位置決めピン18,18の一端側部分を嵌合させた後、前記チェーンカバー5を、これのピン穴18a,18aに前記位置決めピン18,18の他端側部分を嵌合させつつ該チェーンカバー5の合面5aを前記接合体の合面2eに当接させ、ボルト(不図示)で締め付け固定する。これにより前記隙間t1,t2が確保される。
しかしながら、前記位置精度を厳密に確保するのは困難であり、現実には、前記隙間t1,t2の何れかが小さくなる方向に誤差が生じる場合がある。本実施例1が対象とするトロコイドポンプでは、前記締め切り部17の隙間t1が小さくなると脈動音が大きくなり、また、前記噛み合い部16の隙間t2が小さくなると噛み合い音が大きくなる傾向がある。
一方、車種によっては、そのエンジンや車体の剛性の如何によって、前記噛み合い音が乗員に伝わり易い場合と、前記脈動音が乗員に伝わり易い場合とがある。仮に噛み合い音が乗員に伝わり易い車種において、前記位置精度の誤差が、前記隙間t2が小さくなる方向に生じた場合、乗員に伝わる騒音がさらに大きくなることとなる。
そこで本実施例1では、前記チェーンカバー5を前記シリンダブロック2に組み付けた時、前記噛み合い部16の隙間t2又は前記締め切り部17の隙間t1の何れかが大きくなる方向にずれるのを許容するように、前記チェーンカバー5と前記シリンダブロック2とを位置決めする前記位置決めピン18又は前記ピン穴18aの前記噛み合い部16と前記締め切り部17とを結ぶY軸方向における剛性が設定されている。
本実施例1では、車体の構造上前記噛み合い部16からの噛み合い音が乗員に伝わり易いと仮定して、前記チェーンカバー5、ひいては前記アウタロータ10が前記噛み合い部16の隙間t2が大きくなる方向に、具体的には図4のY軸方向上方にずれるのを許容し、結果的に前記噛み合い部16の隙間t2が小さくなるのを防止する場合を説明する。
ここで、前記チェーンカバー5がY軸方向上方にずれるのを許容する具体的構成について説明する。
本実施例1では、図9,図10に示すように、チェーンカバー5のピン穴18a,18aの前記Y軸方向下縁部に凹部18cが形成されており、そのため該ピン穴18aのY軸方向上縁部に比べて下縁部の剛性が低くなっている。その結果、チェーンカバー5のピン穴18aとシリンダブロック2のピン穴18bとがY軸方向にずれている場合には、前記チェーンカバー5をシリンダブロック2に位置決めピン18を介在させてボルト締め固定するに伴って、前記チェーンカバー5のピン穴18aの下縁部が変形又は圧壊し、その分、チェーンカバー5はY軸方向上方にずれることとなる。その結果、チェーンカバー5に装着されたアウタロータ10も上方にずれるため、前記噛み合い部16の隙間t2が大きくなるとともに、前記締め切り部17の隙間t1が小さくなる。
ここで、図6は、シリンダブロック2のピン穴18b,18bのY軸方向のピッチP2とチェーンカバー5のピン穴18a,18aのY軸方向のピッチP1との寸法誤差が許容範囲内にある場合の位置関係を示す。また図7は、前記シリンダブロック2側のピッチP2よりチェーンカバー5側のピッチP1が大きい場合の位置関係を示す。さらにまた図8は、前記シリンダブロック2側のピッチP2よりチェーンカバー5側のP1が小さい場合の位置関係を示す。なお、前記ピッチP1とピッチP2との寸法誤差は、最大で0.1〜0.2mm程度と考えられる。
図6〜図8において、各図(a)はチェーンカバー装着前の状態を、各図(b)はチェーンカバー装着後の状態を示す。また各図において、実線はチェーンカバー5のピン穴18aを、破線はシリンダブロック2のピン穴18b及びこのピン穴18bに嵌合された位置決めピン18を示している。また18cはピン穴18aのY軸方向下縁部に形成された上述の凹部を表しており、従ってピン穴18aのY軸方向下縁部は上縁部に比較して剛性が低く設定されている。
まず、図7(a)に示すように、前記シリンダブロック2側のピッチP2よりチェーンカバー5側のピッチP1が2×D2だけ大きいため、ピン穴18aとピン穴18bひいては位置決めピン18がY軸方向にD2だけずれている場合は、図7(b)に示すように、チェーンカバー5はシリンダブロック2に対してY軸方向上方に前記D2だけずれた状態で、つまり前記ピッチP1とP2の差(2×D2)を吸収した状態でボルト締め固定される。
即ち、チェーンカバー5のピン穴18aを位置決めピン18に嵌合させる際に、図7の右側に位置するピン穴18aについては、位置決めピン18はピン穴18aの剛性の高い上縁部に強く接することとなるので、右側のピン穴18aの縁部が変形又は圧壊することはない。一方、図7の左側のピン穴18aについては、位置決めピン18はピン穴18aの剛性を低く設定した下縁部に強く接することとなる。この状態でボルトを締め付けると、前記左側のピン穴18aの下縁部が、前記ピッチP1とP2との差(2×D2)の分だけ変形又は圧壊し、つまりピッチの差を吸収した状態でチェーンカバー5がシリンダブロック2に固定される。
次に、図8(a)に示すように、前記シリンダブロック2側のピッチP2よりチェーンカバー5側のピッチP1が2×D3だけ小さいため、ピン穴18aとピン穴18bひいては位置決めピン18がY軸方向に寸法D3だけずれている場合は、図8(b)に示すように、チェーンカバー5はシリンダブロック2に対してY軸方向上方に前記ずれD3だけずれた状態で、つまりずれD3を吸収した状態でボルト締め固定される。
即ち、チェーンカバー5のピン穴18aを位置決めピン18に嵌合させる際に、図8の左側に位置するピン穴18aについては、位置決めピン18はピン穴18aの剛性の高い上縁部に強く接することとなるので、左側のピン穴18aの縁部が変形又は圧壊することはない。一方、図8の右側のピン穴18aについては、位置決めピン18はピン穴18aの剛性を低く設定した下縁部に強く接することとなる。この状態でボルトを締め付けると、前記下縁部が、前記ピッチP1とP2との差(2×D3)の分だけ変形又は圧壊し、つまりピッチの差を吸収した状態でチェーンカバー5がシリンダブロック2に締め付け固定される。
このように、本実施例では、噛み合い音が乗員に伝わり易いという傾向を持つ車種の場合に、チェーンカバー5側のピン穴18a,18aのピッチP1とシリンダブロック2側のピン穴18b,18bのピッチP2とに寸法誤差がある場合には、前記チェーンカバー5が前記Y軸の上方へずれて固定されるのを許容するように、前記チェーンカバー5のピン穴18aのY軸方向の剛性を設定した。
そのため前記チェーンカバー5を前記シリンダブロック2にボルト締め固定すると、前記チェーンカバー5は前記ピッチの差を吸収するように上方にずれて前記シリンダブロック2に固定される。これにより、チェーンカバー5に支持されたアウタロータ10も上方にずれることとなり、前記締め切り部17の隙間t1が小さくなるとともに、前記噛み合い部16の隙間t2が大きくなるので、つまり噛み合い部16の隙間t2が小さくなるのを防止でき、噛み合い音を抑制でき、その結果、騒音が乗員に伝わるのを抑制できる。
ここで、図6(a)に示すように、ピン穴18a,18aのピッチP1とピン穴18b,18bのピッチP2の寸法誤差が許容範囲内にある場合は、チェーンカバー5はシリンダブロック2に対してY軸方向にずれることはない。しかしチェーンカバー5を、木製ハンマーで叩きながら位置決めピン18をピン穴18aに嵌合させつつシリンダブロック2に装着する際に、その装着方向が何らかの事情で斜めになり、前記ピン穴18aとピン穴18bが寸法D1だけY軸方向にずれた場合には、図6(b)に示すように、前記チェーンカバー5のピン穴18aの凹部18cが形成された下縁部が前記ずれの分だけ変形又は圧壊し、その分チェーンカバー5の装着位置が上方にずれることとなる。
そのためチェーンカバー5に装着されたアウタロータ10も上方にずれるので、前記噛み合い部16の隙間t2が大きくなるとともに前記締め切り部17の隙間t1が小さくなる。その結果、脈動音が大きくなるものの、本実施例の対象車種はその構造上、脈動音は噛み合い音に比べて乗員に伝わり難いので、それほど問題にはならない。
なお、その車体構造上、脈動音が伝わり易いという傾向を持つ車種では、前記チェーンカバー5が前記Y軸方向下方にずれて固定されるのを許容するように、前記チェーンカバー5のピン穴18aの上部縁部に凹部18dを形成し、該ピン穴18aの剛性を上縁部が下縁部より弱くなるように設定すれば良い(図11及び図12参照)。
この状態で、前記チェーンカバー5を前記シリンダブロック2にボルト締め固定すると、前記ピン穴のピッチの差に応じて、前記チェーンカバー5のピン穴18aの上縁部が変形又は圧壊し、チェーンカバー5はY軸方向下方にずれて固定される。これにより前記噛み合い部16の隙間t2が小さくなるとともに締め切り部17の隙間t1が大きくなり、つまり締め切り部17の隙間t1が小さくなるのを防止でき、脈動音を抑制することができる。
なお、前記実施例では、チェーンカバー5側のピン穴18aに剛性低下部を設けた場合を説明したが、この剛性低下部はシリンダブロック2側のピン穴18bに形成してもよい。
また剛性低下部は、ピン穴に設ける場合に限らず、位置決めピンに設けてもよい。例えば、前記位置決めピン18の上部18eもしくは下部18fを切り欠いて剛性低下部を設定してもよい(図13及び図14参照)。さらにまた、前記ピン穴18aに、一部を切り欠いたリング18gを介挿して剛性低下部を設定してもよい(図15及び図16参照)。
さらに、本実施例では、エンジン1のクランク軸7にインナロータが配設されている場合における組み付け構造を説明したが、本発明は、インナロータが他の駆動軸に配設されている場合でも利用し得るものである。
2 支持部材(シリンダブロック)
5 カバー部材(チェーンカバー)
7 駆動軸(クランク軸)
8 トロコイドポンプ
9 ケーシング部
10 アウタロータ
10a 内歯
11 インナロータ
11a 外歯
16 噛み合い部
17 締め切り部
18 位置決めピン
18a,18b ピン穴
O アウタロータ回転軸
P インナロータ回転軸
t1 締め切り部の隙間
t2 噛み合い部の隙間

Claims (1)

  1. 内歯を有し、カバー部材に形成されたケーシング部に回転可能に配置されたアウタロータと、前記内歯と噛み合う外歯を有し、前記アウタロータ内に回転可能に配置され、かつ該アウタロータの回転軸と偏心させて配置された駆動軸に固定されたインナロータとを備えたトロコイドポンプの、前記カバー部材を前記駆動軸を支持する支持部材に組み付けることにより、前記アウタロータと前記インナロータとの噛み合い部及び締め切り部の隙間を所定値とする組み付け構造において、
    前記カバー部材を前記支持部材に組み付けた時、前記噛み合い部又は前記締め切り部のいずれかの前記隙間が大きくなる方向にずれるのを許容するように、前記カバー部材と支持部材とを位置決めする位置決めピン又はピン穴の前記噛み合い部と前記締め切り部とを結ぶ直線方向における剛性が設定されている
    ことを特徴とするトロコイドポンプの組み付け構造。
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