JPH01249971A - トロコイドポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はトロコイドポンプに係り、特に車両の内燃機
関や自動変速機等の油ポンプとして使用されるトロコイ
ドポンプに関する。

〔従来の技術〕

油ポンプにおいては、２個の歯車の噛合によって油を圧
送する歯車ポンプや、内ロータと外ロータとを有するト
ロコイドポンプ等がある。

このトロコイドポンプは、トロコイド曲線によって形成
された内ロータの内歯と外ロータの外歯とを噛合し、夫
々軸心を異ならしめてポンプハウジングの収容部内に組
込み、また、内ロータの内歯の数ガ外ロータの外歯の数
よりも１個少なく構成され、内ロータを回転することに
より外ロータが内ロータと同一方向に回転し、内ロータ
の内歯と外ロータの外歯とによって形成される空間が容
積変化をしてポンプ作用を行い、流体を吸入ボートから
吸入して吐出ポート側に吐出するものであり、同容量の
他種油ポンプの比し、小形で構造も簡単であり、また噛
合音も小さいので、車両の潤滑油用ポンプや自動変速機
用油ポンプ等として広範囲に利用されている。

このようなトロコイドポンプの構造としては、例えば特
公昭４７−３３８４３号公報に開示されている。この公
報に記載のものは、トロコイドポンプからなる油圧ポン
プとモータとの組合わせた差動装置を有し、形状をコン
パクトにしたり、出力軸間隔を任意に拡げたりし、また
、油圧回路の途中を絞ることにより差動制限を容易に行
うことができると同時に、油圧回路を一旦デフ外に取出
してコントロールパルプを付加することによりデフ、デ
フロックの切換及びデフロック状態での駆動断絶を容易
に行うものである。

また、第７．８図に示す如く、トロコイドポンプ１２に
おいて、内ロータ１８の中心ｉと外ロータ２０の中心Ｏ
との中心間距離を離心量Ｅとすると、各座標は、内ロー
タ１８の中心ｉと外ロータ２０を収容するポンプハウジ
ングの収容部（ポケット）２４の中心Ｐとによって決定
される。そして、実際、多肉、外ロータ１８．２０が回
転するには、離心量Ｅの他に、内ロータ１８の内歯１８
ａの頂部１８ｂと外ロータ２０の外歯２０ａの頂部２０
ｂとが対峙して位置した状態において、頂部１８ａと頂
部２０ａ間の間隙である頂部間距離Ｔと、外ロータ２０
の外周面２０ｃと収容部２４の内周面２４ｃとの間の円
周間距離Ｂが所定に必要である。

即ち、頂部間距離Ｔは、内ロータ１８を外ロータ２０に
対し、第７．８図の内歯１８の頂部１８ａと外歯２０の
頂部２０ａとを対峙させて位置した状態において上下二
方向に押付けた時の隙間として、頂部間距離Ｔとして最
大頂部間距離Ｔ　ｍ　ａＸと最小頂部間距離Ｔｍ１ｎ（
この場合Ｔｍ１ｎ−〇）とが存在するものである。更に
、収容部２４の内径ＤＰと外ロータ２０の外径ＤＯとの
差をＣとすると、離心量Ｅは、頂部間距離Ｔ＝　（Ｔｍ
ａｘ＋Ｔｍ１ｎ）ｘＱ、５及び円周間距離Ｂ＝０゜５Ｘ
Ｃの距離を設定した時の多肉、外ロータ１８．２０の中
心間距離と定義されている（第７．８図参照）。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところが、内ロータ１８の中心ｉが不動であるので、外
ロータ２０は各距離に制限された範囲内で離心量Ｅを変
えて移動し、駆動トルクの反力、吐出圧、閉込圧（ある
いは各部の公差等）の釣合によりある位置で安定、若し
くは振動する。

しかし、この状態においては、内ロータ１８の内歯１８
ａと外ロータ２０の外歯２０ａとが干渉（トロコイド干
渉）し、内ロータ１８の内歯１８−ａと外ロータ２０の
外歯２０ａとの噛合いが不規則となり、ポンプ音（つま
り、ガラ音、うなり音等）が生ずる。即ち、上述の第７
図において、Ｔｍ１ｎ＝Ｑであるので、０．５×円周間
距離Ｂ〉０．５×最大頂部間距離Ｔｍａｘであれば、外
ロータ２０の中心Ｏの移動（離心量Ｅの変化）により、
第７．８図において頂部間距離Ｔ（Ｔｍａｘ）はＴ＝Ｏ
となり内歯１８ａと外歯２０ａとによりトロコイド干渉
が発生し、噛合が不規則となってポンプ音が惹起する不
都合を招いた。

〔発明の目的〕

そこでこの発明の目的は、上述の不都合を除去し、内ロ
ータの内歯頂部と外ロータの外歯頂部間の頂部間距離を
零以上に確保すべく外ロータの中心を設定することによ
り、外ロータの変動によるポンプ音の発生を効果的に低
減させ得るトロコイドポンプを実現するにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するためにこの発明は、トロコイド曲線
によって形成された内ロータの内歯と外ロータの外歯と
を噛合し前記内ロータと外ロータとを偏心状態にポンプ
ハウジング収容部内に組込んで構成したトロコイドポン
プにおいて、前記内ロータの回転に伴う前記外ロータの
回転により前記内ロータの内歯頂部と前記外ロータの外
歯頂部とが対峙して位置した状態において前記内歯頂部
と前記外歯頂部間に形成される頂部間距離を零以上に確
保すべく前記外ロータの中心を設定したことを特徴とす
る。

〔作用〕 この発明の構成によれば、外ロータの中心は頂部間距離
を零以上に確保すべく設定されているので、外ロータが
変動しても内ロータの内歯と外ロータの外歯とが干渉す
るのを回避させ、そして内歯を外歯との噛合を規則的に
行わせ、この結果ポンプ音の発生を低減させる。

〔実施例〕

以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的
に説明する。

第１〜３図は、この発明の第１実施例を示すものである
０図において、２は内燃機関、４はシリンダヘッド、６
はシリンダブロック、８はオイルパンである。シリンダ
ブロック６に装着されたクランク軸ｌＯには、例えば内
燃機関２の潤滑油等を圧送する油ポンプとしてトロコイ
ドポンプ１２が取付けられている。このトロコイドポン
プ１２は、オイルパン８内の潤滑油を油ストレーナ１４
を経て吸入し、そして潤滑油の圧力を高くしてオイルフ
ィルタ１６側に圧送し、内燃機関２各部に潤滑油を供給
するものである。

前記トロコイドポンプ１２は、以下の如く構成される。

即ち、第２図に示す如く、トロコイド曲線によって形成
された内歯１８ａを有する内ロータ１８と外歯２０ａを
有する外ロータ２０とが偏心した状態、つまり互いの中
心を異ならしめた状態でポンプハウジング２２の収容部
（ポケット）２４内に組込まれ、−側からポンプガスケ
ット２８を取着して構成されている。

この第１実施例においては、第３図に示す如く、前記内
ロータ１８の内歯１８ａは５個形成され、また前記外ロ
ータ２０の外歯２０ａは６個形成されている。前記内ロ
ータ１８は、クランク軸１０に固定されている。更に、
前記ポンプハウジング２２には、リリーフ弁３０が装着
されている。

また、この第１実施例においては、内ロータ１８の回転
に伴う外ロータ２０の回転により内ロータ１８の内歯１
８ａの頂部１８ｂと外ロータ２０の外歯２０の頂部２０
ｂとが対峙して位置した状態において、内歯１８ａの頂
部１８ｂと外歯２０ａの頂部２Ｏｂ間の頂部間距離であ
る第１頂部間距離Ｔｌを零以上に確保すべく、第３図の
上方向において、内歯１８ａの頂部１８ｂと外歯２０ａ
の頂部２０ｂとが対峙して位置した状態において、内歯
１８ａの頂部１８ｂと外歯２０ａの頂部２０ｂ間の最大
頂部間距離Ｔｍａｘが、外ロータ２０の外周面２０Ｃと
収容部２４の内周面２４０間の最大円周間距離Ｂよりも
大きくなるように設定して、つまりＴｍａｘ＞３３の関
係を有せしめ、前記内ロータ１８の中心ｉと外ロータ２
０の中心０と収容部２４の中心Ｐとを配設する。また、
この第１実施例における最大頂部間距離Ｔｍａｘは、第
３図の上方において内歯１８ａの頂部１８ｂと外歯２０
ａの頂部２０ｂ間の第１頂部間距離ＴＩと、第３図の下
方において外歯１０ａの頂部２０ｂと内歯１８ａ、１８
ａ間の谷間の底部１８ｄの第２頂部間距離Ｔ２との和か
らなる。

これにより、内ロータ１８と外ロータ２０とが回転する
と、この内ロータ１８及び外ロータ２０の回転方向に拡
縮しつつ移動する内歯１８ａと外歯１８ｂ間の空間３２
にポンププレート２８に形成された吸入ボート３４から
潤滑油を吸入し、そして空間３２の容積の減少により潤
滑油を圧縮し、この潤滑油をポンププレート２８に形成
された吐出ボート３６から吐出させ、ポンプ作用を行わ
せる構成である。

次に、この第１実施例の作用を説明する。

クランク軸１０の駆動によってトロコイドポンプ１２の
内ロータ１８が回転し、この内ロータ１８の回転によっ
てこの内ロータ１８の内歯１８ａが外ロータ２０の外歯
２０ａ、２０ａ間の谷間に入り込んで空間３２の容積が
変化し、外ロータ２０も内ロータ１８と同一方向に回転
し、空間３２の容積の変化によって吸入ボート３４側か
らの低圧の潤滑油が吐出ボート３６側に高圧となって吐
出される。

このとき、第３図に示す如く上下方向において内歯１８
ａの頂部１８ｂと外歯２０ａの頂部２０ｂとが対峙して
位置した状態において、内歯１８ａの頂部１８ｂと外歯
２０ａの頂部２０ｂ間の最大頂部間距離Ｔｍａ　ｘ　（
Ｔｍａ　ｘ＝ＴＩ　＋Ｔ２）が、外ロータ２０の外周面
２０Ｃと収容部２４の内周面２４Ｃ間の最大円周間距離
Ｂよりも大きくなるように設定されているので、内ロー
タ１８の回転に伴う外ロータ２０の回転により内ロータ
１８の内歯１８ａの頂部１８ｂと外ロータ２ｏの外歯２
０ａの頂部２０ｂとが接近した際に、内歯１８ａの頂部
１８ｂと外歯２０ａの頂部２Ｏｂ間の第１頂部間距離Ｔ
Ｉを零以上に確保することができる。

この結果、外ロータ２０が変動しても内歯１８ａと外歯
２０ａとが干渉するのを回避させ、そして内歯１８ａと
外歯２０ａとの噛合を規則的に行わせ、これによりポン
プ音の発生を極力低減、例えば３ｄＢ位の騒音を低減さ
せることができる。

また、この第１実施例によれば、内ロータ１８と外ロー
タ２０とその他ポンプ周辺部品の公差の管理値が明確に
なり、静粛性の向上を図り、また安定した性能のトロコ
イドポンプを構成することが可能となる。

第４図は、この発明の第２実施例を示すものである。以
下の実施例においては、上述の第１実施例と同一機能を
果す箇所には同一符号を付して説明する。

この第２実施例の特徴とするところは、前記最大頂部間
距離Ｔｍａｘと前記最大円周間距離Ｂとが、Ｔ　ｒｎ　
ａ　ｘ≦Ｂの関係にある場合に、内ロータ１８の回転に
伴う外ロータ２０の回転により内ロータ１８の内歯１８
の頂部１８ｂと外ロータの外歯２０ａの頂部２０ｂとが
対峙して位置した状態において、内歯１８ａの頂部１８
ｂと外歯２０ａの頂部２０ｂ間の第１頂部間距離Ｔ１を
零以上に確保すべく、内ロータ１８の中心ｉと外ロータ
２０の中心０間の離心量をＥとし、また、内ロータ１８
の中心ｉと収容部２４の中心Ｐ間の離心量をＥｌとし、
更に、第４図の上方において外ロータ２０の外周面２０
Ｃと収容部２４の内周面２４０間の第１円周間距離Ｂ１
と下方における外ロータ２０の外周面２０Ｃと収容部２
４の内周面２４０間の第２円周間距離Ｂ２との和を最大
円周間距離Ｂとすると、 Ｅ＞Ｅｌ＞Ｂ＋０．５　　（Ｂ＋Ｔｍａｘ）の関係が成
り立つように、内ロータ１８の中心ｉと外ロータ２０の
中心と収容部２４の中心Ｐとを設定する。

この第２実施例の構成によれば、従来においてＴｍａｘ
＜Ｂの関係の場合には噛合いの干渉を生じていたが、内
ロータ１８の中心ｉと外ロータ２０の中心Ｏと収容部２
４の中心Ｐとを適正な関係で設置するだけで、トロコイ
ド干渉の発生を防止し、ポンプ音の発生を効果的に低減
し得る。

第５図は、この発明の第３実施例を示すものである。

この第３実施例の特徴とするところは、以下の点にある
。即ち、最大頂部間距離Ｔｍａｘと最大円周間距離Ｂと
が、’ｒｍａｘ＞Ｈの関係にある場合に、内ロータ１８
の回転に伴う外ロータ２０の回転により内ロータ１８の
内歯１８ａの頂部１８ｂと外ロータ２０の外歯２０ａの
頂部２０ｂとが対峙して位置した状態において、内歯１
８ａの頂部１８ｂと外歯２０ａの頂部２０ｂ間の第１頂
部間距離Ｔ１を零以上ｌ確保すべく、第１頂部間距離Ｔ
Ｉが小さくなるように、第５図の上方から収容部２４内
と吐出側通路３８とを連通ずる第１連通路４０を設け、
この第１連通路４０からの吐出圧を外ロータ２０の外周
面２ＯＣ上の適正な面域へ導き外ロータ２０を圧力Ｆで
押圧移動させる構成である。なお、符号４２は吸入側通
路である。

この第３実施例の構成によれば、上述の第１実施例と同
効を得るとともに、’［”ｍａｘ＞Ｂの関係がある場合
でも、第１頂部間距離Ｔ１を容易に且つ安定して確保す
ることが可能となり、しかもポンプ効率を約２０％向上
させることができる。

第６図は、この発明の第４実施例を示すものである。

この第４実施例の特徴とするところは、以下の点にある
。即ち、前記最大頂部開路ｉ１Ｔｍａｘと最大円周間距
離Ｂとが、Ｔｍａｘ≦Ｂの関係がある場合に、内ロータ
１８の回転に伴う外ロータ２０の回転により内ロータ１
８の内歯１８ａ頂部１８ｂと外ロータ２０の外歯２０ａ
の頂部２０ｂとが対峙して位１した状態において、内歯
１８ａの頂部１８ｂと外歯１０ａの頂部２Ｏｂ間の第１
頂部間距１ｉｉＩＴ１を零以上に確保すべく、第１頂部
間距離Ｔ１が大きくなるように、第６図の下方向から収
容部２４内と吐出側通路３８とを連通ずる第２連通路４
４を設け、この第２連通路４４からの吐出圧を外ロータ
２０の外周面２０Ｃ上の適正な面域に導き、外ロータ２
０を圧力Ｆで押圧移動させる構成である。

この第４実施例の構成によれば、上述の第１実施例と同
効を得るとともに、Ｔｍａｘ≦Ｂの関係がある場合にで
も、第１頂部間距離ＴＩを容易に且つ安定して確保する
ことが可能となる。

なお、この発明は上述実施例に限定されず、種々応用改
変が可能であることは勿論である。

例えば、第１．２実施例においては幾何学的方法で内ロ
ータと外ロータと収容部との各位置関係及び各隙間関係
を設定、また、第３．４実施例においては力学的方法で
内ロータと外ロータと収容部との各位置関係及び各隙間
関係を設定したが、これ等実施例を組合わせて使用する
ことが可能である０例示すれば、第１実施例のものと第
３実施例のものを組合わせたり、゛あるいは第２実施例
のものと第４実施例のものを組合わせて使用しても、何
ら不都合を生ずることなく、本発明の効果を得るもので
ある。

また、トロコイドポンプを内燃機関の潤滑油の油ポンプ
として利用したが、トロコイドポンプを自動変速機の油
圧ポンプや他の産業機械の油圧機器に利用し得ることは
勿論である。

〔発明の効果〕

以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれば、
内ロータの内歯頂部と外ロータの外歯頂部間の頂部間距
離を零以上に確保すべく外ロータの中心を設定したこと
により、外ロータが変動しても、内ロータの内歯と外ロ
ータの外歯とが干渉するのを回避させ、そして内歯と外
歯との噛合を規則的に行わせ、この結果、ポンプ音の発
生を低減し得る。

また、この発明によれば、各ロータとその他ポンプ周辺
部品の公差の管理値が明確になり、静粛性の向上を図り
、また、安定した性能のトロコイドポンプを構成するこ
とが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図はこの発明の第１実施例を示し、第１図は内
燃機関の斜視図、第２図はトロコイドポンプの組立て状
態の斜視図、第３図は内ロータと外ロータと収容部との
各位置関係を説明するトロコイドポンプの概略図である
。 第４図はこの発明の第２実施例を示し、内ロータと外ロ
ータと収容部との各位置関係を説明するトロコイドポン
プの概略図である。 第５図はこの発明の第３実施例を示し、内ロータと外ロ
ータと収容部との各位置関係を説明するトロコイドポン
プの概略図である。 第６図はこの発明の第４実施例を示し、内ロータと外ロ
ータと収容部との各位置関係を説明するトロコイドポン
プの概略図である。 第７．８図は従来のトロコイドポンプにおける内ロータ
と外ロータと収容部との各位置関係を説明する概略図で
ある。 図において、２は内燃機関、１０はクランク軸、１２は
トロコイドポンプ、１８は内ロータ、１８ａは内歯、１
８ｂは頂部、１８ｄは底部、２０は外ロータ、２０ａは
外歯、２０ｂは頂部、２０Ｃは外周面、２２はポンプハ
ウジング、２４は収容部、２４Ｃは外周面、２８はポン
ププレート、３２は空間、３４は吸入ポート、そして３
６は吐出ボートである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、トロコイド曲線によって形成された内ロータの内歯
   と外ロータの外歯とを噛合し前記内ロータと外ロータと
   を偏心状態にポンプハウジング収容部内に組込んで構成
   したトロコイドポンプにおいて、前記内ロータの回転に
   伴う前記外ロータの回転により前記内ロータの内歯頂部
   と前記外ロータの外歯頂部とが対峙して位置した状態に
   おいて前記内歯頂部と前記外歯頂部間に形成される頂部
   間距離を零以上に確保すべく前記外ロータの中心を設定
   したことを特徴とするトロコイドポンプ。