JP2011074777A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素センサの出力の反転周期に影響を及ぼす運転状態のみを検知し、酸素センサの出力の反転周期に影響を及ぼさない運転状態を誤検知よることによる劣化診断頻度低下の改善を図り、酸素センサの劣化診断成立性と劣化診断の精度の向上の両立を図り得る内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】この発明による内燃機関の制御装置は、内燃機関の所定の負荷パラメータが所定の基準値に対して大小関係が反転するまでの区間に於ける前記所定の負荷パラメータと前記所定の基準値との偏差の積算値の演算に基づいて、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態を検知する反転周期影響運転状態検知手段を備えたことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関の制御装置、特に、空燃比制御に使用される酸素センサの劣化診断を行うようにした内燃機関の制御装置に関するものである。
周知のように、内燃機関の空燃比制御に用いられる酸素センサは、排気ガス浄化用として内燃機関の排気系を構成する排気管内に設けられた三元触媒の上流側でその排気管内に設置され、排気管内に流れる内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検出する。この酸素センサは、一般的にジルコニア素子の内外両面に多孔質の白金電極をコーティングした構造を備えており、排気ガス中の酸素濃度により空燃比が理論空燃比に対してリッチあるか、リーンであるかを検出し、その検出に基づく信号を電子制御装置(以下、ECUと称する)に伝達する。ECUは、酸素センサから伝達された信号に基づいて比例・積分制御等によりフィードバック制御を行い、空気と燃料とから成る混合気の空燃比が理論空燃比と一致するように制御する。
前述の空燃比制御に用いられる酸素センサは、排気管内に於いて排気ガス中に直接曝されているため、多孔質の白金電極の表面に排気ガス中の燃焼塵等が付着してその白金電極の表面が燃焼塵等により覆われたり、或いは排気ガスによる高温の影響を受ける等により、酸素センサ自体の機能が劣化し酸素濃度の変化に対する応答性が悪化する。
通常、内燃機関の吸入空気量が一定の場合、酸素センサから発生される出力信号は、空燃比制御によりほぼ一定の反転周期によりリッチ側からリーン側、若しくは、リーン側からリッチ側への反転を繰り返すが、酸素センサの機能の劣化が進んだ場合には、酸素濃度の変化に対する応答性が悪化することにより酸素センサの出力信号の反転周期が大きくなり、空燃比を理論空燃比に一致させるように制御することが困難となり、炭化水素や一酸化炭素及び窒素酸化物等の大気汚染物質を増加させる結果となる。
そこで、このような酸素センサの劣化を診断する手段として、酸素センサの出力信号の反転周期や所定期間の反転回数を計測し、この計測値を予め酸素センサの劣化品(故障品)により評価した結果等から設定した判定値と比較することにより、酸素センサが正常であるか若しくは劣化しているかの判定を行うようにした酸素センサ劣化診断装置が一般に提示されている。
しかしながら、周知のように、酸素センサの出力の反転周期は、例えば、燃料噴射量や吸入空気量の変化に強く依存し、例えば、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼすような内燃機関の運転状態、特に、燃料噴射量や吸入空気量が一定の変化量で周期的に増減を繰り返す運転状態に於いて、燃料噴射量や吸入空気量の増減に同期するように酸素センサの出力信号の反転周期が変化する。
従って、前述の酸素センサ劣化診断装置の場合、内燃機関の運転状態によっては、正常な酸素センサであるにもかかわらず酸素センサの出力信号の反転周期が故障判定値よりも大きい反転周期となることにより、判定対象の正常な酸素センサを劣化していると誤診断してしまう可能性がある。
そこで、従来、このように酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼすような運転状態では、酸素センサの劣化診断を禁止する必要があることから、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼすような内燃機関の運転状態を検知して劣化診断を禁止し、酸素
センサの劣化診断の精度を向上させるようにした酸素センサ劣化診断装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された従来の酸素センサ劣化診断装置は、所定周期での負荷パラメータの偏差、例えば、500[msec]周期での吸気管圧力の偏差を用いて、その偏差の最大、最小ピークを検出する毎にその偏差が所定の範囲内であれば繰り返しカウンタをカウントアップし、このカウントアップが所定回数、例えば3回、継続したときに加減速が繰り返されたと判断して、酸素センサの劣化診断を中止するようにしている。
特開2005−273636号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来の酸素センサ劣化診断装置は、所定周期で
の負荷パラメータの変化量を指標として内燃機関の運転状態を検知するようにしているので、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼさない運転状態を、反転周期に影響を及ぼす運転状態であると高頻度で誤検知して酸素センサの劣化診断を禁止してしまうため、酸素センサの劣化診断の頻度が低下し劣化診断成立性が確保できないという課題があった。
この発明は、従来の酸素センサ劣化診断装置に於ける前述のような課題を解決するためになされたもので、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態を高精度に検知し、酸素センサの出力の反転周期に影響を及ぼさない運転状態を誤検知よることによる劣化診断頻度低下の改善を図り、酸素センサの劣化診断成立性と劣化診断の精度の向上の両立を図り得る内燃機関の制御装置を提供することを目的とするものである。
この発明による内燃機関の制御装置は、
内燃機関の排気系に設けられ前記内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検出してその酸素濃度に対応する出力信号を発生する酸素センサと、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記酸素センサから発生された前記出力信号と前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態とに基づいて前記内燃機関に供給する混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段と、前記酸素センサから発生された前記出力信号の反転周期を計測する反転周期計測手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が所定の運転状態にあるとき前記反転周期計測手段により計測された前記反転周期と予め設定された劣化判定基準周期とを比較して前記酸素センサの劣化判定を行う酸素センサ劣化診断手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が前記酸素センサから発生された前記出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあることを検知する反転周期影響運転状態検知手段とを備えた内燃機関の制御装置であって、
前記反転周期影響運転状態検知手段は、前記内燃機関の所定の負荷パラメータが所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間に於ける前記所定の負荷パラメータと前記所定の反転基準値との偏差の積算値の演算に基づいて前記反転周期影響運転状態を検知する構成を備え、
前記反転周期影響運転状態検知手段が前記反転周期影響運転状態を検知したとき、その検知結果を前記酸素センサ劣化診断手段による前記酸素センサの劣化判定に反映させることを特徴とするものである。
又、この発明による内燃機関の制御装置は、
内燃機関の排気系に設けられ前記内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検出してその酸素濃度に対応する出力信号を発生する酸素センサと、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記酸素センサから発生された前記出力信号と前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態とに基づいて前記内燃機関に供給する混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段と、前記酸素センサから発生された前記出力信号の反転周期を計測する反転周期計測手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が所定の運転状態にあるとき前記反転周期計測手段により計測された前記反転周期と予め設定された劣化判定基準周期とを比較して前記酸素センサの劣化判定を行う酸素センサ劣化診断手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が前記酸素センサから発生された前記出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあるとき前記酸素センサ劣化診断手段による前記酸素センサの劣化判定を禁止する劣化診断禁止手段とを備え、
前記劣化診断禁止手段は、
前記内燃機関の所定の負荷パラメータを算出する負荷パラメータ算出手段と、
所定の反転基準値を算出する基準値算出手段と、
前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間に於ける前記所定の負荷パラメータと前記所定の反転基準値との偏差の積算値を算出する積算値算出手段と、
前記積算値の算出に要する積算時間を算出する積算時間算出手段と、
前記積算時間算出手段により算出された前記積算値と前記積算時間算出手段により算出された前記積算時間とに基づいて、前記反転周期影響運転状態を検知する反転周期影響運転状態検知手段と、
前記反転周期影響運転状態検知手段により前記反転周期影響運転状態が検知されたとき、前記判定周期計測手段による前記反転周期の計測を禁止する反転周期計測禁止手段と、を備えたことを特徴とするものである。
更に、この発明による内燃機関の制御装置は、
内燃機関の排気系に設けられ前記内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検出してその酸素濃度に対応する出力信号を発生する酸素センサと、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記酸素センサから発生された前記出力信号と前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態とに基づいて前記内燃機関に供給する混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段と、前記酸素センサから発生された前記出力信号の反転周期を計測する反転周期計測手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が所定の運転状態にあるとき前記反転周期計測手段により計測された前記反転周期と予め設定された劣化判定基準周期とを比較して前記酸素センサの劣化判定を行う酸素センサ劣化診断手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が前記酸素センサから発生された前記出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあるとき前記酸素センサ劣化診断手段による前記酸素センサの劣化判定を無効とする劣化判定無効化手段とを備え、
前記劣化判定無効化手段は、
前記内燃機関の所定の負荷パラメータを算出する負荷パラメータ算出手段と、
所定の反転基準値を算出する基準値算出手段と、
前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間に於ける前記所定の負荷パラメータと前記所定の反転基準値との偏差の積算値を算出する積算値算出手段と、
前記積算値の算出に要する積算時間を算出する積算時間算出手段と、
前記積算時間算出手段により算出された前記積算値と前記積算時間算出手段により算出された前記積算時間とに基づいて、前記反転周期影響運転状態を検知する反転周期影響運転状態検知手段と、
前記反転周期影響運転状態検知手段により前記反転周期影響運転状態が検知されたとき、前記酸素センサ劣化診断手段による前記酸素センサの劣化判定を無効とする判定無効化手段と、
を備えたことを特徴とするものである。
又、この発明による内燃機関の制御装置は、
内燃機関の排気系に設けられ前記内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検出してその酸素濃度に対応する出力信号を発生する酸素センサと、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記酸素センサから発生された前記出力信号と前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態とに基づいて前記内燃機関に供給する混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段と、前記酸素センサから発生された前記出力信号の反転周期を計測する反転周期計測手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が所定の運転状態にあるとき前記反転周期計測手段により計測された前記反転周期と予め設定された劣化判定基準周期とを比較して前記酸素センサの劣化判定を行う酸素センサ劣化診断手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が前記酸素センサから発生された前記出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあるとき前記酸素センサ劣化診断装置に酸素センサ正常と判定させる反転周期影響運転時判定手段とを備え、
前記反転周期影響運転時判定手段は、
前記内燃機関の所定の負荷パラメータを算出する負荷パラメータ算出手段と、
所定の反転基準値を算出する基準値算出手段と、
前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間に於ける前記所定の負荷パラメータと前記所定の反転基準値との偏差の積算値を算出する積算値算出手段と、
前記積算値の算出に要する積算時間を算出する積算時間算出手段と、
前記積算時間算出手段により算出された前記積算値と前記積算時間算出手段により算出された前記積算時間とに基づいて、前記反転周期影響運転状態を検知する反転周期影響運転状態検知手段と、
前記反転周期影響運転状態検知手段により前記反転周期影響運転状態が検知されたとき、前記劣化判定基準周期の値を、前記酸素センサが劣化したと判定されない値に変更する劣化判定基準周期変更手段と、
を備えたことを特徴とするものである。
この発明に於いて、前記内燃機関の所定の負荷パラメータとしては、吸気管圧力、吸入空気量、充填効率、スロットル開度等、内燃機関の負荷変化に影響を与えるパラメータのうち何れかが用いられる。又、この発明に於いて、所定の反転基準値は、望ましくは前記所定の負荷パラメータのなまし値が用いられる。又、この発明に於いて、反転周期計測手段は、所定時間に於ける酸素センサの出力信号の反転回数を計測する場合を含み、酸素センサ劣化診断手段は、運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が所定の運転状態にあるとき前記反転周期計測手段により計測された前記反転回数と、予め設定された劣化判定基準回数とを比較して前記酸素センサの劣化判定を行う場合を含む。
この発明による内燃機関の制御装置によれば、反転周期影響運転状態検知手段は、内燃機関の所定の負荷パラメータが所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間に於ける前記所定の負荷パラメータと前記所定の反転基準値との偏差の積算値の演算に基づいて反転周期影響運転状態を検知する構成を備え、前記反転周期影響運転状態検知手段が前記反転周期影響運転状態を検知したとき、その検知結果を前記酸素センサ劣化診断手段による前記酸素センサの劣化判定に反映させるように構成されているので、酸素センサの出力の反転周期に影響を及ぼす運転状態を高
精度に検知し、酸素センサの出力の反転周期に影響を及ぼさない運転状態を酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態であると誤検知することによる劣化診断頻度低下の改善を図り、酸素センサの劣化診断成立性と劣化診断の精度の向上の両立を図り得る内燃機関の制御装置を提供することができる。
又、この発明による内燃機関の制御装置によれば、運転状態検出手段により検出された内燃機関の運転状態が酸素センサから発生された出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあるとき酸素センサ劣化診断手段による酸素センサの劣化判定を禁止する劣化診断禁止手段とを備え、前記劣化診断禁止手段は、前記内燃機関の所定の負荷パラメータを算出する負荷パラメータ算出手段と、所定の反転基準値を算出する基準値算出手段と、前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間に於ける前記所定の負荷パラメータと前記所定の反転基準値との偏差の積算値を算出する積算値算出手段と、前記積算値の算出に要する積算時間を算出する積算時間算出手段と、前記積算時間算出手段により算出された前記積算値と前記積算時間算出手段により算出された前記積算時間とに基づいて前記反転周期影響運転状態を検知する反転周期影響運転状態検知手段と、前記反転周期影響運転状態検知手段により前記反転周期影響運転状態が検知されたとき、前記判定周期計測手段による前記反転周期の計測を禁止する反転周期計測禁止手段とを備えているので、酸素センサの出力の反転周期に影響を及ぼす運転状態を高精度に検知すると共に、その検知時に反転周期の計測を禁止することにより、酸素センサの出力の反転周期に影響を及ぼさない運転状態を酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態であると誤検知することによる劣化診断頻度低下の改善を図り、酸素センサの劣化診断成立性と劣化診断の精度の向上の両立を図り得る内燃機関の制御装置を提供することができる。
更に、この発明による内燃機関の制御装置によれば、運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が酸素センサから発生された出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあるとき酸素センサ劣化診断手段による前記酸素センサの劣化判定を無効とする劣化判定無効化手段とを備え、前記劣化判定無効化手段は、前記内燃機関の所定の負荷パラメータを算出する負荷パラメータ算出手段と、所定の反転基準値を算出する基準値算出手段と、前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間に於ける前記所定の負荷パラメータと前記所定の反転基準値との偏差の積算値を算出する積算値算出手段と、前記積算値の算出に要する積算時間を算出する積算時間算出手段と、前記積算時間算出手段により算出された前記積算値と前記積算時間算出手段により算出された前記積算時間とに基づいて、前記反転周期影響運転状態を検知する反転周期影響運転状態検知手段と、前記反転周期影響運転状態検知手段により前記反転周期影響運転状態が検知されたとき、前記酸素センサ劣化診断手段による前記酸素センサの劣化判定を無効とする判定無効化手段とを備えているので、酸素センサの出力の反転周期に影響を及ぼす運転状態を高精度に検知すると共に、その検知時に酸素センサ劣化診断手段による酸素センサの劣化判定を無効とすることにより、酸素センサの出力の反転周期に影響を及ぼさない運転状態を酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態であると誤検知することによる劣化診断頻度低下の改善を図り、酸素センサの劣化診断成立性と劣化診断の精度の向上の両立を図り得る内燃機関の制御装置を提供することができる。
又、この発明による内燃機関の制御装置によれば、運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が酸素センサから発生された出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあるとき前記酸素センサ劣化診断装置に酸素センサ正常と判定させる反転周期影響運転時判定手段とを備え、前記反転周期影響運転時判定手段は、前記内燃機関の所定の負荷パラメータを算出する負荷パラメータ算出手段と、所定の反転基準値を算出する基準値算出手段と、前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対し
て大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間に於ける前記所定の負荷パラメータと前記所定の反転基準値との偏差の積算値を算出する積算値算出手段と、前記積算値の算出に要する積算時間を算出する積算時間算出手段と、前記積算時間算出手段により算出された前記積算値と前記積算時間算出手段により算出された前記積算時間とに基づいて、前記反転周期影響運転状態を検知する反転周期影響運転状態検知手段と、前記反転周期影響運転状態検知手段により前記反転周期影響運転状態が検知されたとき、前記劣化判定基準周期の値を、前記酸素センサが劣化したと判定されない値に変更する劣化判定基準周期変更手段とを備えているので、酸素センサの出力の反転周期に影響を及ぼす運転状態を高精度に検知すると共に、その検知時に、酸素センサ劣化診断手段により酸素センサが劣化していると判定されないので、酸素センサの出力の反転周期に影響を及ぼさない運転状態を酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態であると誤検知することによる劣化診断頻度低下の改善を図り、酸素センサの劣化診断成立性と劣化診断の精度の向上の両立を図り得る内燃機関の制御装置を提供することができる。
この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の構成を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける劣化診断禁止手段の構成を示すブロック図である。 内燃機関の運転状態と酸素センサの出力電圧との関係を説明する説明図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける酸素センサ劣化診断動作を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける劣化診断禁止手段の動作を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける劣化診断禁止手段に用いる、ΔPM積算値の所定範囲とΔPM積算時間の所定範囲の設定方法を説明する説明図である。
この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける劣化診断禁止手段の繰り返し判定の動作を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける劣化診断禁止手段の積算値相似判定の動作を説明するフローチャートである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける劣化診断禁止手段の動作を説明するタイムチャート(その1)である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける劣化診断禁止手段の動作を説明するタイムチャート(その2)である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の効果を説明するためのタイムチャート(その1)である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の効果を説明ためのタイムチャート(その2)である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の効果を説明するためのタイムチャート(その3)である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置を図に基づいて説明する。図1は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の構成を示す構成図である。 図1に於いて、自動車等の車両に搭載される内燃機関1は、吸気管2からインテークマニホールド部7を介して供給された空気と燃料との混合気を、燃焼室(図示せず)内に於い
て燃焼させ、その燃焼エネルギーによりクランク軸(図示せず)を回転させる。
吸気管2には、その最上流側に設置されたエアークリーナ3と、エアークリーナ3の下流側に設置され吸気量としての吸入空気量を調整するスロットル弁4と、スロットル弁4の開度を検出しその検出したスロットル開度THに相当するスロットル開度信号THSを出力するスロットルセンサ5と、吸気管2の内部の圧力である吸気管圧力を検出しその検出した吸気管圧力PMに相当する吸気管圧力信号PMSを出力する圧力センサ6とが設けられている。インテークマニホールド部7には、燃料を噴射する燃料噴射装置としてのインジェクタ8が設けられている。尚、吸気管2とインテークマニホールド7は、内燃機関1の吸気系を構成する。
内燃機関1の燃焼室内から排出された排気ガスは、内燃機関1の排気系を構成する排気
管9から大気中に放出される。排気管9には、排気ガスを浄化する三元触媒10と、この三元触媒10の上流側で排気管9に設置された酸素センサ11が設けられている。酸素センサ11は、排気ガス中の酸素濃度を検出し、その検出した酸素濃度に対応する出力信号V1Sを出力する。ここでは、出力信号V1Sは電圧信号により構成されている。
内燃機関1には、内燃機関1のクランク軸の回転速度及び回転角度(以下、クランク角と称する)を検出し、その検出した回転速度NEに相当する回転速度信号NESを出力するクランク角センサ12と、内燃機関1の冷却水温度を検出しその検出した冷却水温度TWに相当する冷却水温度信号WTsを出力する温度センサ13とが設けられている。
クランク角センサ12から出力された回転速度信号NESと、吸気管圧力センサ6から出力された吸気管圧力信号PMSと、スロットルセンサ5から出力されたスロットル開度信号THSと、水温センサ13から出力された冷却水温度信号WTSと、酸素センサ11から出力された出力信号V1Sとは、夫々内燃機関1の運転状態を示す信号であり、EC
U14に入力される。ECU14は、これらの入力された信号に基づき、インジェクタ8等を駆動し、内燃機関1を制御する。
ECU14は、運転状態検出手段14aと、空燃比制御手段14bと、劣化診断禁止手段14cと、反転周期計測手段14dと、反転周期積算手段14eと、反転周期平均値演算手段14fと、酸素センサ劣化診断手段14gと、警告ランプ点灯手段14hとを備えている。これらの手段は、ECU14が備える機能の内、酸素センサ劣化診断に関する夫々の機能に対応するものであり、これらの手段の相互関連は、酸素センサ劣化診断に関する機能のフローに対応している。
運転状態検出手段14aは、スロットルセンサ5から出力されたスロットル開度信号THSと、吸気管圧力センサ6から出力された吸気管圧力信号PMSと、クランク角センサ12から出力された回転速度信号NESと、水温センサ13から出力された冷却水温度信号WTSとを入力とし、これらの信号に基づいて内燃機関1の運転状態を検出する。
空燃比制御手段14bは、酸素センサ11から出力された出力信号V1Sを入力とし、後述するようにインジェクター8を操作して空燃比が理論空燃比となるようフィードバック制御を行う。
反転周期計測手段14dは、酸素センサ11から出力された出力信号V1Sを入力とし、運転状態検出手段14aにより検出された内燃機関1の運転状態が後述する所定の運転状態であった場合に、フィードバック制御された酸素センサ11の出力電圧信号V1Sの反転周期を計測する。反転周期積算手段14eは、反転周期計測手段14dが計測した反転周期を積算して反転周期積算値を得る。
劣化診断禁止手段14cは、運転状態検出手段14aにより検出された内燃機関1の運転状態が、酸素センサ11の出力信号V1Sの反転周期に影響を及ぼすような運転状態であるか否かを判断し、内燃機関1がその反転周期に影響を及ぼす運転状態であると判断した場合に、反転周期計測手段14dに対して、前述の反転周期の計測を禁止するように動作する。尚、劣化診断禁止手段14cの詳細については後述する。
反転周期平均値演算手段14fは、反転周期計測手段14dが酸素センサ11の出力信号V1Sの反転周期をモニタしている期間中に於ける反転周期の平均値を演算する。酸素センサ劣化診断手段14gは、反転周期平均値演算手段14fにより演算された酸素センサ11の出力信号V1Sの反転周期平均値が予め設定された故障判定閾値よりも大きければ、酸素センサ11が劣化していると診断し、警告ランプ点灯手段14hを駆動して警告ランプ15を点灯させる等の警報を発する。
次に劣化診断禁止手段14cの詳細について説明する。図2は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける劣化診断禁止手段の構成を示すブロック図である。図2に於いて、劣化診断禁止手段14cは、負荷パラメータ算出手段09aと、基準値算出手段09bと、積算値算出手段09cと、積算時間算出手段09dと、反転確認手段0
9eと、反転周期影響運転状態検知手段09fと、反転周期計測禁止手段09iとを備える。これらの手段は、劣化診断禁止手段14cに於ける夫々の機能に対応するものであり
、これらの手段の相互関連は、劣化診断禁止手段に於ける機能のフローに対応している。
負荷パラメータ算出手段09aは、前述の運転状態検出手段14aにより検出された内
燃機関1の運転状態から、負荷パラメータを算出する。基準値算出手段09bは、運転状態検出手段14aにより検出された内燃機関1の運転状態から、反転基準値を算出する。
積算値算出手段09cは、負荷パラメータ算出手段09aにより算出された負荷パラメータと基準値算出手段09bにより算出された反転基準値との偏差を積算する。積算時間算出手段09dは、積算値算出手段09cによる偏差の積算時間を算出するもので、後述するように積算時間カウンタにより構成されている。反転確認手段09eは、負荷パラメータと反転基準値との大小関係の反転を監視しその反転を確認する。
反転周期影響運転状態検知手段09fは、繰り返し判定手段09gと積算値相似判定手段09hとを備えており、反転確認手段09eが負荷パラメータと反転基準値の大小関係の反転を確認したときに、積算値算出手段09cにより算出された積算値と積算時間算出手段09dにより積算された積算時間とに基づいて、内燃機関1が酸素センサ11の出力信号V1Sの反転周期に影響を及ぼす運転状態にあるか否かの判定を行う。この反転周期影響運転状態検知手段09fによる判定動作の詳細ついては後述する。
反転周期計測禁止手段09iは、反転周期影響運転状態検知手段09fにより反転周期に影響を及ぼす運転状態であると判断された場合に、前述の反転周期計測手段14dによる反転周期の計測を禁止する処置を行なう。
ここで、酸素センサ11の出力信号V1Sの反転周期に影響を及ぼす内燃機関1の運転状態について説明する。図3は、内燃機関の運転状態と酸素センサの出力信号との関係を説明する説明図であり、(a)はスロットル開度の時間的変化を示す波形図、(b)は吸入空気量の時間的変化を示す波形図、(c)は燃料噴射量の時間的変化を示す波形図、(d)は酸素センサの出力電圧の時間的変化を示す波形図を夫々示している。
図3に於いて、時刻T701から時刻T702までの期間では内燃機関の運転条件が一定であり、(a)、(b)、(c)に夫々示すように、スロットル開度、吸入空気量、燃
料噴射量は一定である。この期間では、酸素センサの出力信号の反転周期Tsは、内燃機関の運転状態に何ら影響を及ぼされることはない。
一方、時刻T702から時刻T703までの期間では内燃機関の運転条件が一定変化量での周期的な過減速を繰り返す状態にあり、(a)に示すスロットル開度が一定変化量で周期的に変化を繰り返し、従がって(b)に示す吸入空気量、(c)に示す燃料噴射量も一定変化量で周期的に変化を繰り返しており、内燃機関が酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態にある。その結果、時刻T702から時刻T703までの期間の酸素センサの出力信号の反転周期Trは、時刻T701から時刻T702までの期間の酸素センサの出力信号の反転周期Tsより大きくなる。
このように周期的に変化するような内燃機関の運転状態に於いては、その運転状態の周期的変化に同期して酸素センサの出力信号の反転周期も変化することになり、酸素センサの出力信号の反転周期がTsである本来正常な酸素センサであるにも関わらず、反転周期が変化してTrに近い値を示すようになり、酸素センサが劣化しているとの誤判定することになる。この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置は、以下述べるようにこのような誤判定を防止することができる。
次に、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作について説明する。図4は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける酸素センサ劣化診断動作を説明するフローチャートである。図4に示すフローチャートのメインルーチンの処理は、所定の周期ΔTa(この発明の実施の形態1では10[msec])毎に繰り返し実行されるものである。又、酸素センサ11に対する劣化診断処理は、空燃比のフィードバック制御中に於ける酸素センサ11の出力信号V1Sの反転周期を計測することにより行われる。
尚、このフローチャートの処理に入る以前に、内燃機関1の始動後に、酸素センサ11の劣化診断に用いるパラメータであるモニタ条件継続時間タイマや反転周期積算値等、関連する定数を初期化しておく。更に、同時に、前回のドライビングサイクルでの酸素センサ11の診断完了履歴もリセットし、診断未完了状態としておく。ここで、ドライビングサイクルとは、エンジン始動からエンジン停止までの期間をいう。
図4に於いて、先ず、ステップS201では、今回のドライビングサイクルに於いて酸素センサ11の劣化診断が完了したか否かを確認する。その結果、未だ酸素センサ11の劣化診断が完了していない場合(No)はステップS202へ進むが、既に酸素センサ11の正常若しくは劣化判定がなされており劣化診断が完了している場合(Yes)は何もせずに処理を終了する。
ステップS202では、内燃機関1の運転状態を示す運転状態パラメータとして、クラ
ンク角センサ12からの内燃機関1の回転速度信号NESと、吸気管圧力センサ6からの
吸気管圧力信号PMSと、水温センサ13からの冷却水温信号WTSとを検出すると共に、空燃比フィードバック制御実行の有無、及び酸素センサ11の活性状況等を検出し、内燃機関1の運転状態を検出する。
次に、ステップS203では、ステップS202にて検出した運転状態パラメータを用いて、現在の内燃機関1の運転状態が酸素センサ11の出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態であるか否かを検知して劣化診断禁止条件の判定を行う。尚、このステップS203での動作の詳細については後述する。
ステップS204では、ステップS202にて検出した運転状態パラメータに基づいて
、酸素センサ劣化診断のためのモニタ条件成立の有無について判定する。この判定は、検出した回転速度信号NESに基づく内燃機関1の回転速度NEが所定の範囲内にあるか否か、検出した吸気管圧力信号PMSに基づく吸気管圧力PMが所定の範囲内にあるか否か、又、検出した冷却水温信号WTSに基づく冷却水音WTが所定値以上であるか否か等を判定することにより行なわれる。ステップS204に於ける判定の結果、酸素センサ劣化診断のためのモニタ条件が成立していれば(Yes)、ステップS205へ進み、不成立の場合(No)は、ステップS210へ進む。
モニタ条件継続時間タイマは、ステップS204でのモニタ条件成立判定(Yes)により初期値(この発明の実施の形態1では、10[sec])からのカウントダウンが開始される。
ステップS205に進むと、劣化診断禁止条件成立の有無について判定し、ステップS203に於いて劣化診断禁止条件成立と判定されていれば(Yes)、ステップS210へ進み、劣化診断禁止条件不成立と判定されていれば(No)、ステップS206へ進む。
尚、ステップS204又はステップS205からステップS210に進むと、モニタ条件継続時間タイマの初期化(初期値10[sec]の設定)を行い、次にステップS211に進んで反転周期積算値のリセット(「0」に初期化)を行い、処理を終了する。
ステップS205に於ける判定の結果、劣化診断禁止条件不成立であれば(No)、ステップS206に進み、モニタ条件継続時間タイマの現カウント値から図4の処理ルーチンの所定の処理周期ΔTa(10[msec])を減算し、ステップS207に進む。ステップS207では、酸素センサ11からの出力信号V1Sの反転周期の計測を行なう。このステップS207に於ける反転周期の計測は、酸素センサ11の出力信号V1Sがリッチ側からリーン側、或いは、リーン側からリッチ側へ反転した前回の反転タイミングから今回の反転タイミングまでの経過時間を計測することにより行なわれる。
尚、モニタ条件継続時間タイマは、図4の処理ルーチンがステップS204によるモニタ条件成立の判定(Yes)で、且つステップS205による劣化診断禁止条件不成立の判定(No)が繰り返される毎に10[msec]づつ減算されるが、その減算の期間中にステップS204でのモニタ条件不成立の判定(No)、又は、ステップS205での劣化診断禁止条件成立の判定(Yes)となれば、ステップS210にて10[sec]に再度初期化され「10」となる。
ステップS207からステップS208へ進むと、ステップS207にて計測した反転周期の積算処理を行う。ステップS208での反転周期の積算処理は、酸素センサ11の出力信号V1Sの反転タイミングに於いて、これまでの反転周期の積算値に今回の反転周期を加算することにより行なわれる。又、ここでは積算回数を記憶しており、反転周期の積算値がリセットされるタイミングで同様にリセットされる。
次に、ステップS209では、モニタ条件継続時間タイマの値が「0」であるか否かを判定する。その判定の結果、モニタ条件継続時間タイマの値が「0」であるとき(Yes)、つまり、酸素センサ11の劣化診断の指標となる酸素センサ11の出力信号V1Sの反転周期の平均値を算出する期間(例えば10[sec])中、モニタ条件の成立が継続していたときは、ステップS212へ進む。一方、モニタ条件継続時間タイマの値が「0」でないとき(No)、つまり、酸素センサ11の出力電圧V1Sの反転周期の平均値を算出する期間、モニタ条件の成立が継続していないときは、処理を終了する。
ステップS209での判定の結果、モニタ条件継続時間タイマの値が「0」である(Yes)と判定されてステップS212へ進むと、前述のステップS208にて演算した反転周期の積算値と積算回数から反転周期平均値を算出する。そしてステップS213に進み、ステップS212にて演算した反転周期平均値と、予め劣化酸素センサを用いた評価に基づいて設定した故障判定値とを比較し、反転周期平均値が故障判定値未満であるか否かを判定する。
ステップS213での判定の結果、反転周期平均値が故障判定値未満であれば(Yes)、ステップS214に進み、酸素センサ11が正常であると判定し、酸素センサ11の劣化診断を完了する。一方、ステップS213での判定の結果、反転周期平均値が故障判定値以上であれば(No)、ステップS215に進み、酸素センサ11が劣化(故障)していると判定し、酸素センサの劣化診断を完了する。
次に、 図4のステップS203に於ける劣化診断禁止条件の成立判定の動作を詳細に
説明する。図5は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける劣化診断禁止手段の動作を説明するフローチャートである。図5に示すフローチャートのルーチンの処理は、所定の周期ΔTa、例えば10[msec]毎に繰り返し実行されるものである。又、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置では、酸素センサ11の出力信号V1Sの反転周期に影響を及ぼす運転状態の検知に用いる負荷パラメータとして、吸気管圧力信号PMSに基づく吸気管圧力意PMを用い、反転基準値として吸気管圧力PMのなまし値PMFを用いた場合について説明する。
図5に於いて、先ず、ステップS301では、吸気管圧力PMから次式(1)により吸気管圧力PMのなまし値PMFを算出する。

PMF=PM×(1−k)+PMF(n−1)×k・・・・式(1)

但し、PMは図4のステップS202にて検出した今回の処理ルーチンに於ける吸気管圧力、PMF(n−1)はステップS301より算出した前回の処理ルーチンに於ける吸気管圧力PMのなまし値、kはなまし係数で、例えば[0.98]を設定している。
次にステップS302では、吸気管圧力PMと反転基準値である吸気管圧力PMのなまし値PMFとの大小関係が反転したか否か、即ち、吸気管圧力PMの反転タイミングであるか否かを判定する。ここで、吸気管圧力PMと判定基準値である吸気管圧力PMのなまし値PMFとの大小関係の反転の判定は、下記の(1)、(2)の2つ条件のうち何れかが成立したときに反転したと判定する。

(1) PM(n−1)−PMF(n−1)≧0、且つ、PM−PMF<0

(2) PM(n−1)−PMF(n−1)<0、且つ、PM−PMF≧0

但し、PM(n−1)、PMF(n−1)は前回の処理ルーチンでの吸気管圧力と吸気管圧力なまし値であり、PMとPMFは今回の処理ルーチンでの吸気管圧力と吸気管圧力なまし値である。
ステップS302に於ける判定の結果、吸気管圧力PMと吸気管圧力のなまし値PMFとの大小関係が反転したタイミングでない、即ちPM反転タイミングではない、と判定された場合(No)は、ステップS312に進む。ステップS312では、吸気管圧力PMと吸気管圧力PMのなまし値PMFとの偏差ΔPMの演算とその偏差ΔPMの積算とを行い、ステップS313に進んで、ΔPM積算時間カウンタに処理周期ΔTaの加算を行い
、処理を終了する。ステップS313での処理は、ΔPM積算時間演算に相当する。
ステップS312に於ける、吸気管圧力PMと吸気管圧力PMのなまし値PMFとの偏差ΔPMの演算とその偏差ΔPMの積算、及び、ステップS313に於ける、ΔPM積算時間カウンタの加算は、夫々次式(2)、(3)、(4)により行なわれる。

ΔPM=|PM−PMF|・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(2)

ΔPM積算値ΣΔPM=ΣΔPM(n−1)+ΔPM・・・・・・・・・・式(3)

ΔPM積算時間カウンタ=ΔPM積算時間カウンタ(n−1)+ΔTa・・・式(4)

但し、ΣΔPM(n−1)は、前回の処理ルーチンでのΔPM積算値、ΔPM積算時間カウンタ(n−1)は、前回の処理ルーチンでのΔPM積算時間である。
一方、ステップS302での判定の結果、吸気管圧力PMと吸気管圧力のなまし値PMFとの大小関係が反転したタイミングである、即ちPM反転タイミングである、と判定された場合(Yes)は、ステップS303に進み、反転タイミング時のΔPM積算値DPMSに、前回の処理ルーチンでのΔPM積算値ΣΔPM(n−1)を代入する。尚、ΔPM積算値DPMSは反転タイミング毎に記憶して残しておく。
次にステップS304に進み、酸素センサ劣化診断のモニタ条件が成立しているか否かの判定を行い、そのモニタ条件が成立している場合(Yes)はステップS305に進む。ステップS304に於ける酸素センサ劣化診断のモニタ条件が成立しているか否かの判定は、前述の図4のステップS202にて検出した運転状態パラメータに基づいて、前述のとおり酸素センサ劣化診断のためのモニタ条件成立の可否について判定する。
ステップS304での判定の結果、酸素センサ劣化診断のモニタ条件不成立のとき(No)は、ステップS309に進んで繰り返しカウンタをリセットし、次にステップS310に於いて劣化診断禁止条件不成立と判定する。尚、繰り返しカウンタについては後述する。
一方、ステップS304での判定の結果、酸素センサ劣化診断のモニタ条件成立のとき(Yes)は、ステップS305に進み、吸気管圧力PMと吸気管圧力PMのなまし値PMFとの偏差ΔPMの積算値DPMSと、ΔPM積算時間カウンタ値とから、繰り返し判定の成立判断を行なう。この繰り返し判定は、後述する第1の判定手段による判定に相当する。次にステップS306に進んで、ΔPM積算値相似判定の成立判断を行う。このΔPM積算値相似判定は、後述する第2の判定手段による判定に相当する。
尚、ステップS305による繰り返し判定の成立判定の詳細、及びステップS306によるΔPM積算値相似判定の成立判定の詳細については、夫々図7及び図8に基づいて夫々後述する。
次に、ステップS307に於いて、ステップS305での繰り返し判定、若しくはステップS306でのΔPM積算値相似判定、の何れかが成立しているか否かを確認し、その何れかが成立していると確認したとき(Yes)は、ステップS308に進んで劣化診断禁止条件が成立していると判定する。一方、ステップS307に於いて繰り返し判定及びΔPM積算値相似判定の何れも不成立であると確認したときは、ステップS310に進んで劣化診断禁止条件が不成立であると判定する。
ステップS308、又はステップS310に於ける劣化診断禁止条件についての判定後は、ステップS311にてΔPM積算値ΣΔPMとΔPM積算時間カウンタをリセットして劣化診断禁止条件判定処理を終了する。
ここで、前述のステップS305による繰り返し判定に用いる所定範囲としての第1の所定積算値範囲と第1の所定時間範囲、及びステップS306によるΔPM積算値相似判定に用いる所定範囲としての第2の所定積算値範囲と第2の所定時間範囲、の夫々の設定方法について説明する。この第1の所定積算値範囲と第1の所定時間範囲、及び第2の所定積算値範囲と第2の所定時間範囲は、酸素センサ11の出力信号V1Sの反転周期に影響を与える運転状態である一定の負荷変化量で周期的な加減速が行われる運転状態に於いて、実際に酸素センサ11の出力信号V1Sの反転周期が大きくなる運転条件に於けるΔPM積算値DPMSと、ΔPM積算時間カウンタによるΔPM積算時間ΣΔPMのとり得る範囲として設定する。
図6は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける劣化診断禁止手段に用いる、ΔPM積算値の所定範囲としての第1の所定積算値範囲と第2の所定積算値範囲、及びΔPM積算時間の所定範囲としての第1の所定時間範囲と第2の所定時間範囲の設定方法を説明する説明図である。
図6に於いて、先ず、(a)に示すように、内燃機関の回転数をNE1及び加減速による吸気管の圧力変動の中心となる吸気管圧力をPM1に夫々固定した計測条件A1、内燃機関の回転数をNE2及び加減速による吸気管の圧力変動の中心となる吸気管圧力をPM2に夫々固定した計測条件A2、内燃機関の回転数をNE3及び加減速による吸気管の圧力変動の中心となる吸気管圧力をPM3に夫々固定した計測条件A3毎に、加減速の吸気管圧力変化量と加減速周期とを変更したときの酸素センサの出力信号の反転周期を計測する。
尚、計測条件をA1、A2、A3の3通りとしたのは説明のための例示であって、実際には、酸素センサ劣化診断のモニタ領域内を網羅するように、内燃機関の回転数及び加減速による吸気管の圧力変動の中心となる吸気管圧力を夫々異なる値に設定した多数の計測条件が設定される(但し、以下の説明では、計測条件A1、A2、A3として説明する)。そしてこれらの計測条件A1、A2、A3について、加減速の吸気管圧力変化量と加減速周期とを変更したときの酸素センサの出力電圧の反転周期を夫々計測する。
次に、夫々の計測条件A1、A2、A3による酸素センサの出力信号の反転周期の計測結果により、酸素センサの出力信号の反転周期が大きくなり酸素センサの劣化を誤診断する可能性がある領域を抽出する。例えば、計測条件A1による計測結果では、その領域としてX1及びX2を抽出している。
次に、夫々の計測条件A1、A2、A3による計測結果から抽出した前述の領域X1、X2内に於ける運転状態でのΔPM積算値とΔPM積算時間を、図6の(b)に示すようにプロットする。尚、図6の(b)に於いて、縦軸はΔPM積算時間、横軸はΔPM積算値を示す。
図6の(b)に示すプロットの結果から、ΔPM積算時間が短い(≒加減速周期が短い)領域については、繰り返し判定条件に於ける第1の所定時間範囲T1と、第1の所定積算値範囲R1とを夫々設定する。又、ΔPM積算時間が長い(≒加減速周期が長い)領域については、ΔPM積算値相似判定条件に於ける第2の所定時間範囲T2と、第2の所定積算値範囲R2とを夫々設定する。
次に、図5のステップS305にて実施される前述の第1の判定手段による判定としての繰り返し判定の詳細について説明する。図7は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける劣化診断禁止手段の繰り返し判定の動作を説明するフローチャートである。図7に示すフローチャートに於ける各ステップの実行手段は、第1の判定手段を構成する。
図7に於いて、先ず、ステップS401ではΔPM積算値DPMSが前述のようにして設定された第1の所定積算値範囲R1内にあるか否かを判定する。ステップS401での判定の結果、ΔPM積算値DPMSが第1の所定積算値範囲R1内にあれば(Yes)、ステップS402に於いてΔPM積算時間カウンタのカウント値が前述のようにして設定された第1の所定時間範囲T1内にあるか否かを判定する。ステップS402での判定の結果、ΔPM積算時間カウンタのカウント値が第1の所定時間範囲T1内にあれば(Yes)、ステップS403に於いて繰り返しカウンタを「1」だけカウントアップする。
一方、ステップS401での判定の結果、ΔPM積算値DPMSが前述のようにして設定して第1の所定積算値範囲R1内になければ(No)、ステップS407に於いて繰り返しカウンタをリセットする。又、ステップS402での判定の結果、ΔPM積算時間カウンタのカウント値が第1の所定時間範囲T1内になければ(No)、ステップS407に於いて繰り返しカウンタをリセットする。
ステップS402からステップS403に進むと、繰り返しカウンタを「1」だけカウントアップした後、ステップS404に於いて、繰り返しカウンタのカウント値が所定値、この実施の形態1では「3」、以上であるか否かを確認し、所定値以上であることを確認した場合(Yes)は、ステップS405に進んで、繰り返し判定成立と判定し、ステップS406にて繰り返しカウンタをリセットした後、処理を終了する。
繰り返しカウンタは、ステップS401でのΔPM積算値が第1の所定積算値範囲内で且つステップS402でのΔPM積算時間カウンタのカウント値が第1の所定時間範囲以内にある状態が、図7に示す処理ルーチンで3回連続することにより、所定値「3」に達すると共に、ステップS405を経てステップS406にてリセットされる。
一方、ステップS404に於いて繰り返しカウンタが所定値未満であることを確認した場合(No)、及び、ステップS407に於いて繰り返しカウンタをリセットした後は、ステップS408に進み、繰り返し判定不成立と判定し処理を終了する。
次に、図5に示したステップS306にて実施される前述の第2の判定手段による判定としての積算値相似判定の詳細について説明する。図8は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける劣化診断禁止手段の積算値相似判定の動作を説明するフローチャートである。図8に示すフローチャートに於ける各ステップの実行手段は、第2の判定手段を構成する。
図8に於いて、ステップS501ではΔPM積算値DPMSが前述のようにして設定された第2の所定積算値範囲R2内にあるか否かを判定する。ステップS501での判定の結果、ΔPM積算値DPMSが第2の所定積算値範囲R2内にあれば(Yes)、ステップS502に於いてΔPM積算時間カウンタのカウント値が前述のようにして設定された第2の所定時間範囲T2内にあるか否かを判定する。ステップS502での判定の結果、PM積算時間カウンタのカウント値が第2の所定時間範囲T2内にあれば(Yes)、ステップS503に進む。
ステップS503に進むと、今回のΔPM積算値DPMSと、前回のΔPM積算値DP
MS(N−1)との積算値比を次式(5)により算出する。

ΔPM積算値比=ΔPM積算値DPMS(N−1)/ΔPM積算値DPMS・・式(5)

但し、前回のΔPM積算値DPMS(N−1)は、図5のステップS302に於いて、前回の吸気管圧力PMと吸気管圧力のなまし値PMFの大小関係が反転したときに記憶した値である。
次に、ステップS504に於いて、ステップS503にて算出したΔPM積算値比が所定範囲内にあるか否かを確認する。ここで、その所定範囲としては、例えば「0.9」〜「1.1」が設定されている。ステップS504での確認の結果、ΔPM積算値比が所定範囲内にあれば(Yes)、ステップS505に進んでΔPM積算値相似判定成立となり、処理を終了する。
一方、ステップS504での確認によりΔPM積算値比が所定範囲内にないことを確認した場合(No)、又は、ステップS501での判定によりΔPM積算値DPMSが第2の所定積算値範囲R2内にない場合(No)、又は、ステップS502での判定によりΔPM積算時間カウンタのカウント値が第2の所定時間範囲T2内にない場合(No)には、ステップS506に進んでΔPM積算値相似判定不成立となり処理を終了する。
図9は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける劣化診断禁止手段の動作を説明するタイムチャート(その1)であり、(a)はスロットル開度、(b)は吸気管圧力、(c)はΔPM積算時間カウンタのカウント値、(d)はΔPM積算値(絶対値)を夫々示している。図10は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける劣化診断禁止手段の動作を説明するタイムチャート(その2)であり、(e)はモニタ条件継続時間タイマの値、(f)は反転周期積算値、(g)は繰り返しカウンタのカウント値、(h)はΔPM積算値比、(i)は相似判定成立フラグを夫々示している。図9及び図10に於けるT601〜T606は、(b)に示す吸気管圧力PMがPM反転基準値(PMなまし値)に対して上側又は下側に反転する時点を示している。
図9、図10に於いて、時点T601〜T604間に於いては内燃機関が短い周期で加減速を繰り返す運転状態にあり、(a)に示すスロットル開度が短い周期で増減し、これに対応して(b)に示す吸気管圧力PMが短い周期で増減を繰り返す。一方、時点T604〜T606間に於いては、内燃機関が前述の時点T601〜T604間での運転状態より長い周期で加減速を繰り返す運転状態にあり、(a)に示すスロットル開度が時点T601〜T604間での運転状態の場合より長い周期で増減し、これに対応して(b)に示す吸気管圧力PMが前述の時点T601〜T604間での運転状態の場合より長い周期で増減を繰り返している。
劣化診断禁止手段14cは、時点T601、T602、T603、T604、T605、及びT606以外の処理タイミングではΔPM積算値の演算を実行し(ステップS312相当)、且つ、ΔPM積算時間カウンタに処理周期ΔTaの加算を行なう(ステップS313相当)。その結果、図9の(d)、(c)に夫々示すように、夫々の反転時点から次の反転時点に達するまでの間では、ΔPM積算値及びΔPM積算時間カウンタのカウント値は、夫々初期値「0」から前述の図5の処理ルーチンを繰り返す毎に漸次増大する。
又、図10の(e)に示すようにモニタ条件継続時間タイマは、図4の処理ルーチンに於けるステップS205による劣化診断禁止条件不成立判定(No)のまま図4の処理ルーチンが繰り返されることにより、その繰り返し毎に10[msec]ずつ減算されて行く。
ここで、内燃機関が前述の短い周期で加減速を繰り返す運転状態にあるときは、時点T601〜T602、T602〜T603、T603〜T604の夫々の時間間隔は短く、従がって(d)に示すΔPM積算値は図6にて説明した第1の所定積算値範囲R1内となり、且つ(c)に示すΔPM積算時間カウンタのカウント値は図6にて説明した第2の所定時間範囲T1内となる。
従がって、図10の(e)に示すモニタ条件継続時間タイマのカウントダウン中に、図9の(d)に示すΔPM積算値(絶対値)が繰り返しカウンタのカウントアップ許可範囲にあり(P6A)、且つ(c)に示すΔPM積算時間カウンタのカウント値が繰り返しカウンタのカウントアップ許可範囲にある(P6B)ことが継続し、(g)に示す繰り返しカウンタがカウントアップして繰り返す。
そして、繰り返しカウンタの3回目のカウントアップとなる時点T603に於いてそのカウント値が所定値である「3」に達し(P6C)、その時点T603に於いて繰り返し判定が成立する(図7に於けるステップS405相当)。その結果、劣化診断禁止条件が成立し、劣化診断禁止手段14cに於ける反転周期計測禁止手段09iは、反転周期計測手段14dに対して、酸素センサ11の出力電圧の反転周期の計測を禁止するように動作する。
時点T601〜T604間に於ける前述の動作は、図7に示す劣化診断禁止手段の繰り返し判定の動作のフローチャートに於けるステップS401〜S406と、図4に示す酸素センサ劣化診断動作を説明するフローチャートに於けるステップS201〜S205、ステップS210〜S211での動作に対応するものである。
尚、図10の(h)に示すようにΔPM積算値比は時点T601〜T604の間では「1」であるが、図10の(c)に示すΔPM積算時間カウンタのカウント値が前述の図6に示す第2の所定時間範囲T2に達していないので、前述した図8の積算値相似判定の処理ルーチンに於けるステップS503でのΔPM積算値比の算出は行なわれていない。
次に、内燃機関が前述の長い周期で加減速を繰り返す運転状態なると、時点T604〜T605、T605〜T606の夫々の時間間隔は長く、時点T605、T606に於いて夫々図9の(d)に示すΔPM積算値が図6に示す第2の所定積算値範囲R2(ΔPM積算値相似判定許可範囲)内に達し、且つ(c)に示すΔPM積算時間カウンタのカウント値が時点T605、T606に於いて夫々図6に示す第2の所定時間範囲T2(ΔPM積算値相似判定許可範囲)内に達することになる。
時点T605では、前述したように図9の(d)に示すΔPM積算値及び(c)に示すΔPM積算時間カウンタのカウント値が夫々第2の所定積算値範囲及び第2の所定時間範囲内に達しているので、図8のフローチャートに於けるステップS503でのΔPM積算値比の算出が行なわれるが、時点T604でのΔPM積算値が時点T605でのΔPM積算値よりも小さいので、ΔPM積算値比はΔPM積算値相似判定成立積算値比の下限より小さくなり、従がって、図8のステップS504での判定の結果、ステップS506によりΔPM積算値相似判定不成立と判定される。
次に、時点T606に達すると、図10の(e)に示すモニタ条件継続時間タイマのカウントダウン中に、図9の(d)に示すΔPM積算値がΔPM積算値相似判定許可範囲となり(P6D)、且つ(c)に示すΔPM積算時間カウンタもΔPM積算値相似判定許可範囲となり(P6E)、更にこのときにΔPM積算値の前回値(時点T605での値)と今回値との積算値比がΔPM積算値相似判定許可範囲にあることにより(P6F)、劣化診断禁
止条件が成立して(i)に示す相似判定成立フラグが「1」となる(P6G)。このとき、モニタ条件継続時間タイマと反転周期積算値が初期化される。
時点T606に於いて劣化診断禁止条件が成立することにより、劣化診断禁止手段14cに於ける反転周期計測禁止手段09iは、反転周期計測手段14dに対して、酸素センサ11の出力電圧の反転周期の計測を禁止するように動作する。
時点T604〜T606間に於ける前述の動作は、図8に示すΔPM積算値相似判定の動作のフローチャートに於けるステップS501〜S506と、図4に示す酸素センサ劣化診断動作を説明するフローチャートに於けるステップS201〜S205、ステップS210〜S211での動作に対応する。
次に、以上述べたこの発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける劣化診断装置の効果を従来の装置と対比して説明する。図11は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を説明するためのタイムチャート(その1)であり、(a)は車速、(b)は吸気管圧力、(c)は酸素センサの出力信号を示し、これらは内燃機関の運転条件を示すパラメータである。図11に示す内燃機関の運転状態は、一例として、車両の一般の走行時に於ける速度調整のためのスロットル操作に伴う負荷変動時の運転状態を示している。
図11の(b)に示す吸気管圧力は、スロットル弁の開度の増減に対応して増減を繰り返し、(a)に示す車速は、スタート時点から加速して後、一旦減速し、更に加速して後に減速に至る状態にある。特に時点T801〜T802の間では車速は漸次増大の状態にある。
この運転状態に於いて、酸素センサの出力信号は、図11の(c)に示すように反転を繰り返すが、破線で囲む期間P8Cに於いては、酸素センサの出力信号の反転周期は十分短く、酸素センサの劣化診断に至る可能性はないため、酸素センサの出力電圧の反転周期に影響する運転状態であると検知する必要はない。換言すれば、この期間P8Cは、酸素センサの劣化診断の成立性を考慮すれば酸素センサの出力電圧の反転周期に影響する運転状態であると検知してはならない区間である。
先ず、図11に示す運転状態に於いて、前述の特許文献1に示された従来の酸素センサ
劣化診断装置を適用した場合について述べる。図12は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の効果を説明するためのタイムチャート(その2)であり、その時間軸(横軸)は図11の時間軸(横軸)に一致している。図12に於いて、(d)はモニタ条件継続タイマの値、(e)及び(f)は、夫々特許文献1に示された実施の形態に於け
る吸気管圧力偏差及び繰り返しカウンタのカウント値を示す。
図12の(e)に於いて、「繰り返しカウンタカウント許可上限(偏差−側)」と「繰り返しカウンタカウント下限(偏差−側)」との間の「繰り返しカウンタカウント許可範囲」、及び「繰り返しカウンタカウント許可上限(偏差+側)」と「繰り返しカウンタカウント下限(偏差+側)」との間の「繰り返しカウンタカウント許可範囲」により設定される吸気管圧力偏差の所定範囲は、評価等によって事前に酸素センサの出力電圧の反転周期に影響を及ぼす運転状態での吸気管圧力偏差から設定された範囲である。
特許文献1に開示されている従来の酸素センサ劣化診断装置は、前述のように、所定周
期での負荷パラメータの変化量として、例えば、500[msec]周期のインテークマニホールドの吸気管圧力偏差を指標とし、この吸気管圧力偏差のピーク検出タイミング毎に、吸気管圧力偏差のピーク値が所定範囲内にある状態が連続して3回継続された場合に
反転周期に影響を及ぼす運転状態であると判断するように構成されている。
この従来の装置の場合、図12の(e)に示す吸気管圧力偏差のピーク値が、破線で囲むP8A及びP8Bに示すように、繰り返しカウンタ許可範囲内に3回連続して存在する状態が発生したとき、(f)に示すように、時点T801と時点T802の夫々に於いて繰り返しカウンタのカウント値が3回に達する。これにより劣化診断禁止条件が成立し、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態であることを検出することになる。
しかしながら、時点T801と時点T802は、共に図11にて説明した区間P8C内、即ち前述したように酸素センサの出力電圧の反転周期に影響する運転状態であると検知してはならない期間内にあり、従来の装置では、酸素センサの出力電圧の反転周期に影響を及ぼさない運転状態であるにもかかわらず、酸素センサの出力電圧の反転周期に影響を及ぼす運転状態であると誤検知してしまうことになる。その結果、劣化診断を禁止することで、劣化診断頻度を低下させる。
特許文献1に開示された従来の酸素センサ劣化診断装置に於いて、酸素センサの出力電圧の反転周期に影響を及ぼさない運転状態での前述の誤検知を改善するため、仮に、吸気管圧力偏差のピーク値の所定範囲を小さくする等により運転状態検知条件を制限した場合、酸素センサの出力電圧の反転周期に影響を及ぼす運転状態であると検知しなければならない運転状態を検知することができなくなり、正常である酸素センサを劣化と誤診断してしまう恐れがある。従がって、特許文献1に開示された従来の劣化診断装置では、酸素セ
ンサの劣化診断成立性と劣化診断精度の両立が困難であった。
これに対し、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置によれば、以下述べるように、特許文献1に開示された従来の酸素センサ劣化診断装置に於ける前述のような課
題を解消することができる。図13は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の効果を説明するためのタイムチャート(その3)であり、(g)、(h)、及び(i)は、夫々この発明の実施の形態1による劣化診断装置に於けるΔPM積算値、ΔPM積算時間、及び繰り返しカウンタのカウント値を示している。
図13の(g)に示すΔPM積算値に於いて、繰り返しカウンタカウント許可範囲は、図6に基づいて説明した所定範囲設定方法による第1の所定積算値範囲R1に相当し、ΔPM積算値相似判定許可範囲は、図6に基づいて説明した所定範囲設定方法による第2の所定積算値範囲R2に相当する。又、図13の(h)に示すΔPM積算時間に於いて、繰り返しカウンタカウント許可範囲は、図6に基づいて説明した所定範囲設定方法による第1の所定時間範囲T1に相当し、ΔPM積算値相似判定許可範囲は、図6に基づいて説明した所定範囲設定方法による第2の所定時間範囲T2に相当する。
この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置を、図11に示すような一般の走行時に於ける速度調整のためのスロットル操作に伴う負荷変動時の挙動に適用した場合、酸素センサの出力信号の反転周期に影響する運転状態であると検知してはならない区間P8Cに於いて、図12の(d)に示すモニタ条件継続タイマのカウントダウンm1の間に、図13の(g)に示すΔPM積算値及び(h)に示すΔPM積算時間カウンタのカウント値は、夫々r1、r2、r3、r4、r5、及びt1、t2、t3、t4、t5として発生し、又、モニタ条件継続タイマのカウントダウンm2の間に、ΔPM積算値及びΔPM積算時間カウンタのカウント値は、夫々r6、r7、及びt6、t7として発生し、更に、モニタ条件継続タイマのカウントダウンm3の間に、ΔPM積算値及びΔPM積算時間カウンタのカウント値は、夫々r8、r9、及びt8、t9として発生する。
ここで、モニタ条件継続タイマのカウントダウンm1の間に、ΔPM積算値が繰り返しカウンタカウント許可範囲(第1の所定積算値範囲R1)に含まれるのはr1、r4であり、ΔPM積算時間が繰り返しカウンタカウント許可範囲(第1の所定時間範囲御T1)に含まれるのはt1、t2、t3、t4、t5であるが、両者が同時に夫々の許可範囲R1、T1内に含まれるのはr1とt1、及びr4とt4の2組である。従がって、モニタ条件継続タイマのカウントダウンm1の間に繰り返しカウンタのカウント値は図13の(i)に示すように「2」となる。
次に、同様にして、モニタ条件継続タイマのカウントダウンm2の間に、ΔPM積算値が繰り返しカウンタカウント許可範囲(第1の所定積算値範囲R1)に含まれるのはr7であり、ΔPM積算時間が繰り返しカウンタカウント許可範囲(第1の所定時間範囲T1)に含まれるのはt7であり、これらは同時に夫々の所定範囲R1、T1内に含まれるので繰り返しカウンタのカウント値は「1」となる。
更に、同様にして、モニタ条件継続タイマのカウントダウンm3の間に、ΔPM積算値が繰り返しカウンタカウント許可範囲(第1の所定積算値範囲R1)に含まれるのはr8であり、ΔPM積算時間が繰り返しカウンタカウント許可範囲(第1の所定時間範囲T1)に含まれるのはt8であり、これらは同時に夫々の所定範囲R1、T1内に含まれるので繰り返しカウンタのカウント値は「1」となる。
前述の図7のフローチャートにより説明したように、劣化診断禁止手段14cの繰り返し判定成立のためには、(1)ΔPM積算値が第1の所定積算値範囲R1内にあり、(2)ΔPM積算時間カウンタのカウント値が第1の所定時間範囲T1内にあり、且つ(3)繰り返しカウンタのカウント値が所定値「3」以上であることが必要であるが、前述の酸素センサの出力電圧の反転周期に影響する運転状態であると検知してはならない区間P8C間に於いては、それらの条件のうち(3)が成立しないこととなる。その結果、劣化診断禁止手段14cによる繰り返し判定は不成立となり、酸素センサ11の出力電圧反転周期の計測は禁止されない。
一方、モニタ条件継続タイマのカウントダウンm1の間に、(g)に示すΔPM積算値がΔPM積算値相似判定許可範囲(第2の所定積算値範囲R2)に含まれるのはr1であるが、(h)に示すΔPM積算時間ではΔPM積算値相似判定許可範囲(第2の所定時間範囲T2)に含まれる積算時間は存在しない。又、モニタ条件継続タイマのカウントダウンm2の間に、(g)に示すΔPM積算値がΔPM積算値相似判定許可範囲(第2の所定積算値範囲R2)に含まれるのはr7であるが、(i)に示すΔPM積算時間ではΔPM積算値相似判定許可範囲(第2の所定時間範囲T2)に含まれる積算時間は存在しない。更に、モニタ条件継続タイマのカウントダウンm3の間に、(g)に示すΔPM積算値がΔPM積算値相似判定許可範囲(第2の所定積算値範囲R2)に含まれるのはr8であるが、(h)に示すΔPM積算時間ではΔPM積算値相似判定許可範囲(第2の所定時間範囲T2)に含まれる積算時間は存在しない。
ここで、前述の図8のフローチャートにより説明したように、ΔPM積算値相似判定成立のためには、(1)ΔPM積算値が第2の所定積算値範囲R2内にあり、(2)ΔPM積算時間カウンタのカウント値が第2の所定時間範囲T2内にあり、且つ(3)ΔPM積算値比が所定範囲(例えば、「0.9」〜「1.1」)内にあることが必要であるが、前述の酸素センサの出力信号の反転周期に影響する運転状態であると検知してはならない区間P8C間に於いては、それらの条件のうち少なくとも(2)が成立しないこととなる。その結果、劣化診断禁止手段14cによるΔ積算値相似判定は不成立となり、酸素センサ11の出力電圧反転周期の計測は禁止されない。
従がって、酸素センサの出力信号の反転周期に影響する運転状態であると検知してはならない期間P8Cを、酸素センサの出力電圧の反転周期に影響を及ぼす運転状態であると誤検知してしまうことはなく、酸素センサの劣化診断成立性と劣化診断の精度の向上の両立を図り得る内燃機関の制御装置を提供することができる。このことは、発明者等による実験によっても確認することができた。
以上のように、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置によれば、例えば所定期間に於ける酸素センサの出力信号の反転周期積算値に基づいて算出した周波数比平均値が、予め設定しておいた故障判定値よりも大きいときに劣化していると診断する内燃機関の制御装置に於いて、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態での診断を禁止させるために、その該当する運転状態の検知に、所定の負荷パラメータとしての吸気管圧力PMが所定の基準値としてのPM反転基準値(PMのなまし値PMF)に対して反転するまでの間、前記吸気管圧力PMと前記なまし値PMFとの偏差であるΔPMを所定周期で積算した積算値(ΔPM積算値)を用いて行うようにしたので、反転周期に影響を及ぼさない運転状態、例えば、一般の走行時に於いて過渡時での速度調整のためのスロットル操作に伴う加減速に於いても、この状態を反転周期に影響を及ぼす運転状態と誤検知することなく、且つ、反転周期に影響を及ぼす運転状態、特に、一定変化量での周期的な加減速繰り返し状態の検知は可能であり、酸素センサの劣化診断成立性を確保しつつ、劣化診断を適正に行うことが出来る。
又、運転状態の検知に、前述の積算値とその積算時間とを併せて用いることにより、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態の検知精度を更に向上させることが出来る。
更に、酸素センサの出力電圧の反転周期に影響を及ぼす運転状態の判定方法として、その反転周期に影響を及ぼす運転状態の特徴から、周期的な加減速の繰り返し回数を検知する第1の判定手段による判定としての繰り返し判定と、加減速時の負荷変化量の相似を検知する第2の判定手段による判定としての相似判定とを採用することにより、酸素センサの出力電圧の反転周期に影響を及ぼす運転状態を精度よく検知できると共に、これらを組み合わせることで、更に検知性度を向上させることが可能となる。
尚、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置では、負荷パラメータに吸気管圧力PMを、基準値に吸気管圧力PMのなまし値を用いて説明したが、内燃機関の負荷変化に影響を及ぼすパラメータ、例えば、吸入空気量や充填効率、スロットル開度等を用いても良い。
又、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置では、劣化診断の指標として、酸素センサの出力電圧の反転周期平均値を指標としたが、所定時間に於ける酸素センサの出力信号の反転回数を指標としてもとしても良い。
実施の形態2.
前述の実施の形態1による内燃機関の制御装置では、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態を検知したとき、劣化診断禁止手段により反転周期計測を禁止して劣化診断を禁止することで酸素センサの劣化診断に於ける誤診断を回避することとしたが、実施の形態2による内燃機関の制御装置では、劣化診断禁止手段に変えて劣化判定無効化手段を設け、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態を検知したとき、劣化判定無効化手段により劣化判定結果を無効として酸素センサの劣化診断に於ける誤診断を回避するようにしたものである。
即ち、実施の形態2による内燃機関の制御装置は、図1に示す実施の形態1の構成図に
於けるECU14内の劣化診断禁止手段14cに代えて劣化判定無効化手段を備え、この劣化判定無効化手段が酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態を検知したとき、酸素センサ劣化診断手段14gによる酸素センサの劣化判定結果を無効化するように構成する。
劣化判定無効化手段の構成は、図2に示す実施の形態1に於ける劣化診断禁止手段14cに類似するが、劣化診断禁止手段14cに於ける反転周期計測禁止手段09iに代えて判定無効化手段を備え、この判定無効化手段からの出力により、酸素センサ劣化診断手段14gからの警告ランプ点灯手段14hへの出力を無効とする。尚、劣化判定無効化手段の構成は、これに限らず、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態を検知したとき、酸素センサ劣化診断手段14gによる酸素センサの劣化判定結果を無効化するように構成すればよい。
実施の形態2による内燃機関の制御装置のその他の構成及び動作は、前述の実施の形態1の場合と同様である。
この発明の実施の形態2による内燃機関の制御装置によれば、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼさない運転状態、例えば、一般の走行時に於いて過渡時での速度調整のためのスロットル操作に伴う加減速に於いても、この状態を反転周期に影響を及ぼす運転状態と誤検知することなく、且つ、反転周期に影響を及ぼす運転状態、特に、一定変化量での周期的な加減速繰り返し状態の検知は確実に行うことができ、その検知時に劣化判定結果を無効にすることで、酸素センサの劣化診断を適正に行うことができる。
実施の形態3.
実施の形態3による内燃機関の制御装置は、運転状態検出手段により検出された内燃機関の運転状態が酸素センサから発生された出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあるとき、酸素センサ劣化診断装置に酸素センサ正常と判定させる反転周期影響運転時判定手段を備えたもので、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態を検知したとき、反転周期影響運転時判定手段により、酸素センサ劣化診断装置による判定を酸素センサ正常と判定させ、酸素センサの劣化診断に於ける誤診断を回避するようにしたものである。
即ち、実施の形態3による内燃機関の制御装置は、図1に示す実施の形態1の構成図に於けるECU14内の劣化診断禁止手段14cに代えて反転周期影響運転状態時判定手段を備え、この反転周期影響運転状態時判定手段が酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態を検知したとき、酸素センサ劣化診断手段14gによる酸素センサの劣化判定を酸素センサ正常と判定させるように構成する。
反転周期影響運転状態時判定手段の構成は、図2に示す実施の形態1に於ける劣化診断禁止手段14cに類似するが、劣化診断禁止手段14cに於ける反転周期計測禁止手段09iに代えて劣化判定基準周期変更手段を設け、反転周期影響運転状態検知手段により反転周期影響運転状態が検知されたとき、劣化判定基準周期変更手段により劣化判定基準周期の値を酸素センサが劣化したと判定されない値に変更する。具体的には、図4に示すフローチャートに於いて、ステップS213での判定に於ける故障判定値の値を、劣化判定基準周期変更手段により劣化判定基準周期の値を酸素センサが劣化したと判定されない値に変更する。これにより、反転周期影響運転状態が検知されたときには、ステップS214に進んで酸素センサ正常の判定を得るものである。
実施の形態3による内燃機関の制御装置のその他の構成及び動作は、前述の実施の形態1の場合と同様である。
この発明の実施の形態3による内燃機関の制御装置によれば、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼさない運転状態、例えば、一般の走行時に於いて過渡時での速度調整のためのスロットル操作に伴う加減速に於いても、この状態を反転周期に影響を及ぼす運転状態と誤検知することなく、且つ、反転周期に影響を及ぼす運転状態、特に、一定変化量での周期的な加減速繰り返し状態の検知は確実に行うことができ、その検知時に劣化判定結果を無効にすることで、酸素センサの劣化診断を適正に行うことができる。
以上述べたこの発明による内燃機関の制御装置は、以下の特徴を有する。
(1)この発明による内燃機関の制御装置は、内燃機関の所定の負荷パラメータが所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間に於ける前記所定の負荷パラメータと前記所定の反転基準値との偏差の積算値の演算に基づいて反転周期影響運転状態を検知する反転周期影響運転状態検知手段を備えている。このように構成したこの発明による内燃機関の制御装置によれば、運転状態の検知の為の負荷パラメータとしてインテークマニホールドの吸気管圧力を用い、又、反転基準値としてその吸気管圧力のなまし値を用い、吸気管圧力のなまし値を大きく設定しておけば、負荷(吸気管圧力)の変動周期が短いものや負荷(吸気管圧力)の変動幅の小さい場合については吸気管圧力と吸気管圧力のなまし値の大小関係が反転しにくくなる。その結果、酸素センサの反転周期に影響を及ぼさない運転状態で且つ特許文献1に開示された従来の装置の運転状態検知手段に於いて反転周期に影響を及ぼす運転状態と誤検知しやすい運転状態、例えば、一般の走行時における速度調整のためのスロットル操作に伴う周期的でない負荷変動時に於いて、運転状態検知頻度が低下し、劣化診断禁止頻度も低下するため劣化診断成立性が確保できる。
更には、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態、特に、燃料噴射量や吸入空気量が一定の変化量で周期的に増減を繰り返す加減速の繰り返しに於いては、吸気管圧力と吸気管圧力のなまし値は加減速の周期に同期して大小関係が反転するため、反転周期に影響を及ぼす運転状態であると検知することが可能であり、反転周期に影響を及ぼす運転状態を検知したときに、劣化診断を禁止し、又は前記酸素センサ劣化診断手段による酸素センサの劣化判定を無効とし、或いは酸素センサの劣化判定を酸素センサ正常と判定させる等、反転周期に影響を及ぼす運転状態の検知結果を酸素センサの劣化判定に反映させることにより、酸素センサ劣化診断の成立性を確保することが可能となる。
(2)又、この発明による内燃機関の制御装置は、前記偏差の積算値の演算は、前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間毎に行なわれ、前記反転周期影響運転状態検知手段は、前記時間毎の演算による前記偏差の積算値が第1の所定積算値範囲内にあることが所定回数継続したときに、前記内燃機関の運転状態が前記反転周期影響運転状態にあると判定する第1の判定手段を備え、前記第1の判定手段による判定に基づいて前記反転周期影響運転状態を検知するように構成されている。このように構成したこの発明による内燃機関の制御装置によれば、酸素センサの反転周期に影響を及ぼす運転状態の判定方法に、反転周期に影響を及ぼす運転状態、特に燃料噴射量や吸入空気量が一定の変化量で周期的に増減を繰り返す加減速状態の特徴である、加減速の繰り返しの回数を指標として用いることで、加減速の周期が短い場合での運転状態検知精度を向上することが出来る。
(3)更に、この発明による内燃機関の制御装置は、前記反転周期影響運転状態検知手段は、前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間が第1の所定時間範囲内にあるとき、前記第1の判定手段による前記判定を行なうように構成されている。このように構成したこの発明による内燃機関の制御装置に於いては、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を
及ぼす運転状態の判定の指標に、吸気管圧力等の負荷パラメータと吸気管圧力のなまし値等の反転基準値との大小関係の反転から反転までに要した時間、つまり、吸気管圧力と吸気管圧力偏差の積算時間を条件に追加して、積算時間が所定の条件を満足していなければ運転状態検知を行わないとすることができる。その結果、一般の走行時における速度調整のためのスロットル操作に伴う周期的でない負荷変動時に於いて、負荷(吸気管圧力)の変動周期が短いにも関わらず吸気管圧力と吸気管圧力のなまし値の大小関係が反転してしまう運転状態でも、反転周期に影響を及ぼす運転状態であると誤検知することを回避し、反転周期に影響を与える運転状態の検知精度を向上することが出来る。
(4)又、この発明による内燃機関の制御装置は、前記偏差の積算値が第2の所定積算値範囲内にあり、且つ前記演算による今回の積算値と前回の積算値との比が所定範囲内にあるとき、前記内燃機関の運転状態が前記反転周期影響運転状態にあると判定する第2の判定手段を備え、前記第2の判定手段による判定に基づいて前記反転周期影響運転状態を検知するように構成されている。このように構成したこの発明による内燃機関の制御装置によれば、偏差の積算値が第2の所定積算値範囲内にあることと、今回の積算値と前回の積算値との比が所定範囲内にあることが前記反転周期影響運転状態にあると判定する条件となり、酸素センサの出力信号の反転周期に影響する運転状態であると検知してはならない期間P8Cを、酸素センサの出力電圧の反転周期に影響を及ぼす運転状態であると誤検知してしまうことはより確実になくない、酸素センサの劣化診断成立性と劣化診断の精度の向上の両立を図り得る内燃機関の制御装置を提供することができる。
(5)更に、この発明による内燃機関の制御装置は、前記反転周期影響運転状態検知手段は、前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間が第2の所定時間範囲内にあるとき、前記第2の判定手段による前記判定を行なうように構成されている。このように構成したこの発明による内燃機関の制御装置に於いては、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態の判定の指標に、吸気管圧力等の負荷パラメータと吸気管圧力のなまし値等の反転基準値との大小関係の反転から反転までに要した時間、つまり、吸気管圧力と吸気管圧力偏差の積算時間を条件に追加して、積算時間が所定の条件を満足していなければ運転状態検知を行わないとすることができる。その結果、一般の走行時における速度調整のためのスロットル操作に伴う周期的でない負荷変動時に於いて、負荷(吸気管圧力)の変動周期が短いにも関わらず吸気管圧力と吸気管圧力のなまし値の大小関係が反転してしまう運転状態でも、反転周期に影響を及ぼす運転状態であると誤検知することを回避し、反転周期に影響を与える運転状態の検知精度を向上することが出来る。又、酸素センサの出力信号の反転周期に影響を及ぼす運転状態の判定方法に、反転周期に影響を及ぼす運転状態、特に燃料噴射量や吸入空気量が一定の変化量で周期的に増減を繰り返す加減速状態の特徴である、一定の変化量であることを指標として用いることで、加減速の周期が長い場合での運転状態検知精度を向上することが出来る。
(6)更に、この発明による内燃機関の制御装置は、前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間を、前記偏差の積算値を得る積算時間に基づいて検出するように構成される。このように構成したこの発明による内燃機関の制御装置に於いては、所定の負荷パラメータが所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に大小関係が反転する時点までの時間を、簡単な構成で容易に検出することができる。
(7)この発明による内燃機関の制御装置は、運転状態検出手段により検出された内燃機関の運転状態が前記酸素センサから発生された出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあるとき酸素センサ劣化診断手段による酸素センサの劣化判定を禁止する劣化診断禁止手段を備え、前記劣化診断禁止手段は、前記内燃機関の所定の負荷パラメ
ータを算出する負荷パラメータ算出手段と、所定の反転基準値を算出する基準値算出手段と、前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間に於ける前記所定の負荷パラメータと前記所定の反転基準値との偏差の積算値を算出する積算値算出手段と、前記積算値を算出する積算時間を算出する積算時間算出手段と、前記積算時間算出手段により算出された前記積算値と前記積算時間算出手段により算出された前記積算時間とに基づいて、前記反転周期影響運転状態を検知する反転周期影響運転状態検知手段と、前記反転周期影響運転状態検知手段により前記反転周期影響運転状態が検知されたとき、前記判定周期計測手段による前記反転周期の計測を禁止する反転周期計測禁止手段とを備えている。このように構成したこの発明による内燃機関の制御装置に於いては、運転状態検出手段により検出された内燃機関の運転状態が前記酸素センサから発生された出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあることを簡単な構成で確実に検知することができ、その検知時に酸素センサ劣化診断手段による前記酸素センサの劣化判定を禁止することで、酸素センサの劣化診断成立性と劣化診断の精度の向上の両立を図り得る内燃機関の制御装置を提供することができる。
(8)又、この発明による内燃機関の制御装置は、運転状態検出手段により検出された内燃機関の運転状態が酸素センサから発生された出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあるとき酸素センサ劣化診断手段による酸素センサの劣化判定を無効とする劣化判定無効化手段とを備え、前記劣化判定無効化手段は、前記内燃機関の所定の負荷パラメータを算出する負荷パラメータ算出手段と、所定の反転基準値を算出する基準値算出手段と、前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間に於ける前記所定の負荷パラメータと前記所定の反転基準値との偏差の積算値を算出する積算値算出手段と、前記積算値を算出する積算時間を算出する積算時間算出手段と、前記積算時間算出手段により算出された前記積算値と前記積算時間算出手段により算出された前記積算時間とに基づいて、前記反転周期影響運転状態を検知する反転周期影響運転状態検知手段と、前記反転周期影響運転状態検知手段により前記反転周期影響運転状態が検知されたとき、前記判定診断手段による前記酸素センサの劣化判定を無効とする判定無効化手段とを備えている。このように構成したこの発明による内燃機関の制御装置に於いては、運転状態検出手段により検出された内燃機関の運転状態が前記酸素センサから発生された出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあることを簡単な構成で確実に検知することができ、その検知時に酸素センサ劣化診断手段による前記酸素センサの劣化判定を無効にすることで、酸素センサの劣化診断成立性と劣化診断の精度の向上の両立を図り得る内燃機関の制御装置を提供することができる。
(9)更に、この発明による内燃機関の制御装置は、運転状態検出手段により検出された内燃機関の運転状態が酸素センサから発生された出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあるとき前記酸素センサ劣化診断装置に酸素センサ正常と判定させる反転周期影響運転時判定手段とを備え、前記反転周期影響運転時判定手段は、前記内燃機関の所定の負荷パラメータを算出する負荷パラメータ算出手段と、所定の反転基準値を算出する基準値算出手段と、前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間に於ける前記所定の負荷パラメータと前記所定の反転基準値との偏差の積算値を算出する積算値算出手段と、 前記積算値の算出に要する積算時間を算出する積算時間算出手段と、前記積算時間算出手段により算出された前記積算値と前記積算時間算出手段により算出された前記積算時間とに基づいて、前記反転周期影響運転状態を検知する反転周期影響運転状態検知手段と、前記反転周期影響運転状態検知手段により前記反転周期影響運転状態が検知されたとき、前記劣化判定基準周期の値を、前記酸素センサが劣化したと判定されない値に変更する劣化判定基準周期変更手段とを備えている。このように構成したこの発明による内燃機関
の制御装置に於いては、運転状態検出手段により検出された内燃機関の運転状態が前記酸素センサから発生された出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあることを簡単な構成で確実に検知することができ、その検知時に酸素センサ劣化診断手段による前記酸素センサの劣化判定を酸素センサ正常と判定することで、酸素センサの劣化診断成立性と劣化診断の精度の向上の両立を図り得る内燃機関の制御装置を提供することができる。
(10)更に、この発明による内燃機関の制御装置は、前記所定の反転基準値を、前記所定の負荷パラメータのなまし値により構成する。このように構成したこの発明による内燃機関の制御装置に於いては、簡単に反転基準値を得ることができる。
この発明による内燃機関の制御装置は、空燃比制御の為に、排気管に酸素センサを装着する全ての内燃機関全般に適用できるものである。
1 内燃機関、 2 吸気管
3 エアークリーナ 4 スロットルセンサ
5 スロットル弁 6 吸気管圧力センサ
7 インテークマニホールド 8 インジェクタ
9 排気管 10 三元触媒
11 酸素センサ 12 クランク角センサ
13 水温センサ 14 ECU
14a 運転状態検出手段 14b 空燃比制御手段
14c 劣化診断禁止手段 09a 負荷パラメータ算出手段
09b 基準値算出手段 09c 積算値算出手段
09d 積算時間算出手段 09e 反転確認手段
09f 反転周期影響運転状態検知手段 09g 繰り返し判定手段
09h 積算値相似判定手段 14d 反転周期計測手段
14e 反転周期積算手段 14f 反転周期平均値演算手段
14g 酸素センサ劣化診断手段 14h 警告ランプ点灯手段
15 警告ランプ

Claims (10)

  1. 内燃機関の排気系に設けられ前記内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検出してその酸素濃度に対応する出力信号を発生する酸素センサと、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記酸素センサから発生された前記出力信号と前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態とに基づいて前記内燃機関に供給する混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段と、前記酸素センサから発生された前記出力信号の反転周期を計測する反転周期計測手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が所定の運転状態にあるとき前記反転周期計測手段により計測された前記反転周期と予め設定された劣化判定基準周期とを比較して前記酸素センサの劣化判定を行う酸素センサ劣化診断手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が前記酸素センサから発生された前記出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあることを検知する反転周期影響運転状態検知手段とを備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記反転周期影響運転状態検知手段は、前記内燃機関の所定の負荷パラメータが所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間に於ける前記所定の負荷パラメータと前記所定の反転基準値との偏差の積算値の演算に基づいて前記反転周期影響運転状態を検知する構成を備え、
    前記反転周期影響運転状態検知手段が前記反転周期影響運転状態を検知したとき、その検知結果を前記酸素センサ劣化診断手段による前記酸素センサの劣化判定に反映させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記偏差の積算値の演算は、前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間毎に行なわれ、
    前記反転周期影響運転状態検知手段は、前記時間毎の演算による前記偏差の積算値が第1の所定積算値範囲内にあることが所定回数継続したときに、前記内燃機関の運転状態が前記反転周期影響運転状態にあると判定する第1の判定手段を備え、前記第1の判定手段による判定に基づいて前記反転周期影響運転状態を検知することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記反転周期影響運転状態検知手段は、前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間が第1の所定時間範囲内にあるとき、前記第1の判定手段による前記判定を行なうことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記偏差の積算値の演算は、前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間毎に行なわれ、
    前記反転周期影響運転状態検知手段は、前記偏差の積算値が第2の所定積算値範囲内にあり、且つ前記演算による今回の積算値と前回の積算値との比が所定範囲内にあるとき、前記内燃機関の運転状態が前記反転周期影響運転状態にあると判定する第2の判定手段を備え、前記第2の判定手段による判定に基づいて前記反転周期影響運転状態を検知することを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記反転周期影響運転状態検知手段は、前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間が第2の所定時間範囲内にあるとき、前記第2の判定手段による前記判定を行なうことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間は、前記偏差の積算値を得る積算時間に基づいて検出されることを特徴とする請求項3又は5に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 内燃機関の排気系に設けられ前記内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検出してその酸素濃度に対応する出力信号を発生する酸素センサと、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記酸素センサから発生された前記出力信号と前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態とに基づいて前記内燃機関に供給する混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段と、前記酸素センサから発生された前記出力信号の反転周期を計測する反転周期計測手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が所定の運転状態にあるとき前記反転周期計測手段により計測された前記反転周期と予め設定された劣化判定基準周期とを比較して前記酸素センサの劣化判定を行う酸素センサ劣化診断手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が前記酸素センサから発生された前記出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあるとき前記酸素センサ劣化診断手段による前記酸素センサの劣化判定を禁止する劣化診断禁止手段とを備え、
    前記劣化診断禁止手段は、
    前記内燃機関の所定の負荷パラメータを算出する負荷パラメータ算出手段と、
    所定の反転基準値を算出する基準値算出手段と、
    前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間に於ける前記所定の負荷パラメータと前記所定の反転基準値との偏差の積算値を算出する積算値算出手段と、
    前記積算値の算出に要する積算時間を算出する積算時間算出手段と、
    前記積算時間算出手段により算出された前記積算値と前記積算時間算出手段により算出された前記積算時間とに基づいて、前記反転周期影響運転状態を検知する反転周期影響運転状態検知手段と、
    前記反転周期影響運転状態検知手段により前記反転周期影響運転状態が検知されたとき、前記判定周期計測手段による前記反転周期の計測を禁止する反転周期計測禁止手段と、を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  8. 内燃機関の排気系に設けられ前記内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検出してその酸素濃度に対応する出力信号を発生する酸素センサと、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記酸素センサから発生された前記出力信号と前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態とに基づいて前記内燃機関に供給する混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段と、前記酸素センサから発生された前記出力信号の反転周期を計測する反転周期計測手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が所定の運転状態にあるとき前記反転周期計測手段により計測された前記反転周期と予め設定された劣化判定基準周期とを比較して前記酸素センサの劣化判定を行う酸素センサ劣化診断手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が前記酸素センサから発生された前記出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあるとき前記酸素センサ劣化診断手段による前記酸素センサの劣化判定を無効とする劣化判定無効化手段とを備え、
    前記劣化判定無効化手段は、
    前記内燃機関の所定の負荷パラメータを算出する負荷パラメータ算出手段と、
    所定の反転基準値を算出する基準値算出手段と、
    前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間に於ける前記所定の負荷パラメータと前記所定の反転基準値との偏差の積算値を算出する積算値算出手段と、
    前記積算値の算出に要する積算時間を算出する積算時間算出手段と、
    前記積算時間算出手段により算出された前記積算値と前記積算時間算出手段により算出
    された前記積算時間とに基づいて、前記反転周期影響運転状態を検知する反転周期影響運転状態検知手段と、
    前記反転周期影響運転状態検知手段により前記反転周期影響運転状態が検知されたとき、前記酸素センサ劣化診断手段による前記酸素センサの劣化判定を無効とする判定無効化手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  9. 内燃機関の排気系に設けられ前記内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検出してその酸素濃度に対応する出力信号を発生する酸素センサと、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記酸素センサから発生された前記出力信号と前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態とに基づいて前記内燃機関に供給する混合気の空燃比を制御する空燃比制御手段と、前記酸素センサから発生された前記出力信号の反転周期を計測する反転周期計測手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が所定の運転状態にあるとき前記反転周期計測手段により計測された前記反転周期と予め設定された劣化判定基準周期とを比較して前記酸素センサの劣化判定を行う酸素センサ劣化診断手段と、前記運転状態検出手段により検出された前記内燃機関の運転状態が前記酸素センサから発生された前記出力信号の反転周期に影響を及ぼす反転周期影響運転状態にあるとき前記酸素センサ劣化診断装置に酸素センサ正常と判定させる反転周期影響運転時判定手段とを備え、
    前記反転周期影響運転時判定手段は、
    前記内燃機関の所定の負荷パラメータを算出する負荷パラメータ算出手段と、
    所定の反転基準値を算出する基準値算出手段と、
    前記所定の負荷パラメータが前記所定の反転基準値に対して大小関係が反転した時点から次に前記大小関係が反転する時点までの時間に於ける前記所定の負荷パラメータと前記所定の反転基準値との偏差の積算値を算出する積算値算出手段と、
    前記積算値の算出に要する積算時間を算出する積算時間算出手段と、
    前記積算時間算出手段により算出された前記積算値と前記積算時間算出手段により算出された前記積算時間とに基づいて、前記反転周期影響運転状態を検知する反転周期影響運転状態検知手段と、
    前記反転周期影響運転状態検知手段により前記反転周期影響運転状態が検知されたとき、前記劣化判定基準周期の値を、前記酸素センサが劣化したと判定されない値に変更する劣化判定基準周期変更手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  10. 前記所定の反転基準値は、前記所定の負荷パラメータのなまし値により構成されることを特徴とする請求項1乃至9のうち何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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