JP2011074223A - 繊維強化樹脂複合材料の製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エポキシ樹脂(A)と塩化ホウ素アミン錯体(B)を含んでなる樹脂組成物と繊維基材(C)とからなるプリプレグを成形する際に、60℃〜95℃で0.5〜1.5時間保持した後、前記樹脂組成物の硬化温度で硬化する。エポキシ樹脂(A)はオキサゾリドン構造を有する二官能エポキシ樹脂(1)、ビスフェノール型エポキシ樹脂(2)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(3)とからなる。
【選択図】図1
Description
しかしながら、この様な部分含浸プリプレグを用いると、マトリクス樹脂組成物本来の耐熱性が、成形品において得られないという問題点がある。マトリクス樹脂組成物単体の硬化物のガラス転移点温度(Tg)よりも、成形品のTgが低くなってしまう。低コスト化への要求から選択される強化繊維の目付が高いプリプレグにおいては、この問題点が顕著に現れる。
また、成形時のデュエル温度設定が適切でない場合、表面のボイドを抜くことができず表面外観に欠陥が発生する。
エポキシ樹脂(A)が(I)で表されるオキサゾリドン構造を有する二官能エポキシ樹脂(1)、ビスフェノール型エポキシ樹脂(2)、(II)で表されるフェノールノボラック型エポキシ樹脂(3)とからなることが好ましい。
成形する際は、プリプレグ内の気泡をできるだけ抜くために、硬化昇温時および硬化時に真空に引くことが好ましい。
デュエル終了後、更に樹脂組成物の硬化する温度まで昇温させ、硬化完了する。硬化温度は、樹脂組成物が硬化する温度範囲であればよい。好ましい硬化温度は130℃〜200℃である。更に好ましくは145℃〜185℃である。
本発明においてエポキシ樹脂(A)として用いるエポキシ樹脂は、公知の各種のものが使用でき、その分子中にエポキシ基を少なくとも2個有するものであれば分子構造、分子量等に特に制限はない。例えばビスフェノール型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ジシクロペンタジエン型、ナフタレン型、ビフェニル型、オキサゾリドン型などの各種エポキシ樹脂を単独または2種以上併用して用いることができる。また、必要に応じて、単官能エポキシ樹脂、ビニル重合性樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂、BT樹脂、シアネートエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等配合することができる。好ましいエポキシ樹脂としてはオキサゾリドン型、ビスフェノール型、フェノールノボラック型である。エポキシ樹脂の組み合わせとして、(I)で表されるオキサゾリドン構造を有する二官能エポキシ樹脂(1)とビスフェノール型エポキシ樹脂(2)と(II)で表されるフェノールノボラック型エポキシ樹脂(3)との組み合わせが好ましい。
本発明では繊維基材(C)として一般に繊維強化樹脂複合材料として用いられる強化繊維を用いることができる。炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、高強度ポリエチレン繊維、タングステンカーバイド繊維、PBO繊維、ガラス繊維等などが挙げられ、これらを単独で、または2種以上を組合して用いてもかまわない。好ましくは炭素繊維である。繊維基材(C)は、そのままのトウの形態で、強化繊維トウを一方向に引き揃えた一方向材の形態で、製織した織物の形態で、短く裁断した強化繊維からなる不織布の形態などで使用される。織物の場合は、平織、綾織、朱子織、若しくはノンクリンプファブリックに代表される繊維束を一方向に引き揃えたシートや角度を変えて積層したようなシートをほぐれないようにステッチしたステッチングシート等が例示できる。得られる繊維強化樹脂複合材料の機械特性が優れるため一方向材が好ましい。取り扱い性からは織物が好ましい。本発明の繊維強化樹脂複合材料に用いるプリプレグの繊維目付けに制限はないが、繊維目付けが大きいほどその性能優位性を発揮できる。
jER828とYP−70を、ガラスフラスコを用い160℃で溶解させマスターバッチを調製した。このマスターバッチを用い表2の組成でDY9577以外の成分を120℃で混合した。これを60℃にしDY9577を所定量添加混合し樹脂組成物aを調製した。
繊維強化樹脂複合材料のパネル表面のボイド発生有無を目視で確認する。
硬化樹脂板および繊維強化樹脂複合材料のパネル(コンポジット)を試験片(長さ50mm×幅12mm、硬化樹脂板は厚み2mm、繊維強化樹脂複合材料は厚み2.8mm)に加工した。コンポジットは長さ方向と繊維経糸方向が一致するように試験片を加工した。測定装置はTAインスツルメント社製ARES−RDAを使用した。測定周波数は1Hz、5℃/分昇温で測定した。logG´を温度に対してプロットし、logG´の転移する前の平坦領域の近似直線とG´が転移する領域の近似直線との交点から求まる温度をG´−Tgとして記録した。また、tanδを温度に対してプロットし、tanδの極大を示す温度をtanδmaxとして記録した。
繊維基材として、三菱レイヨン株式会社製のTRK510を用意した。プリプレグの樹脂含有率が45質量%となるように樹脂フィルム目付けを設定し60℃の条件で樹脂組成物aをフィルムコーターにて離型紙に塗布し樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムを繊維基材の両面に貼り合わせ、温度40℃、圧力0.05MPa、送り速度1.6m/分の条件でフュージングプレス(アサヒ繊維機械工業株式会社製、JR−600S、処理長1340mm、圧力はシリンダー圧)を通しプリプレグ1を得た。プリプレグの樹脂含有率は45質量%であった。得られたプリプレグをカットし断面を目視観察すると内部に樹脂が含浸していない部分が観察された。得られたプレプレグを経糸方向を揃えて積層し、図1に示した構成でバギングを行った。更に引き口に真空ポンプを接続させて室温にて4時間予備脱気させた。オーブン内にバギングした積層体を入れて引き口に真空ポンプを接続させて脱気しながら95℃で1時間のデュエルを行い、その後150℃で2時間加熱硬化させてコンポジットを得た。昇温は1℃/分で昇温させた。
得られたコンポジットの外観を目視確認した結果と得られたコンポジットより試験片を切り出しDMAによる測定をした結果を表3に示す。
デュエル温度を60℃とした以外は全て実施例1と同様に行い、コンポジット外観を確認した結果を表3に示す。
得られたコンポジットより試験片を切り出しDMAによるTgを測定した結果を表3に示す。
デュエル温度を100℃とした以外は全て実施例1と同様に行い、コンポジット外観を確認した結果を表3に示す。
得られたコンポジットより試験片を切り出しDMAによるTgを測定した結果を表3に示す。
得られた硬化樹脂板より試験片を切り出しDMAによるTgを測定した結果を表3に示す。
デュエル温度を50℃とした以外は全て実施例1と同様に行い、コンポジット外観を確認した結果を表3に示す。
得られたコンポジットより試験片を切り出しDMAによるTgを測定した結果を表3に示す。
樹脂組成物aを60℃に加熱して脱泡した後、離型処理を施してある2枚のガラス板で2mm厚のスペーサーを介して樹脂組成物aを挟みオーブンにて150℃で2時間加熱硬化させて硬化樹脂板を得た。昇温は1℃/分で昇温させた。
得られた硬化樹脂板より試験片を切り出し、DMAにより樹脂組成物本来のTgを測定した。結果を表4に示す。
2 真空引き口
3 シーラント
4 ツール
5 積層体
6 ナイロンバッグフィルム
7 プレッシャー
8 離型フィルム
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