JP2011068886A - 膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐熱性に優れ、硬度の温度依存性が低く、接着性に優れ、且つ酸化安定性に優れるシール材を提供することができる膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物を提供する。
【解決手段】 ヒマシ油(A)及び/又はヒマシ油誘導体(A1)と2〜4価の多価カルボン酸(B)及び/又は2〜4価の多価カルボン酸の誘導体(B1)から得られるポリエステルポリオール(C)を用いてなることを特徴とする中空糸膜モジュールのシール材用注型ポリウレタン樹脂形成性組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物に関する。さらに詳しくは、耐熱性に優れ、酸化安定性に優れるシール材を提供することができる膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物に関する。
従来、血液処理器、浄水器及び水処理装置等を構成する膜モジュールのシール材用に用いられるポリウレタン樹脂形成性組成物としては、イソシアネート成分とポリオール成分からなるものは公知である。特に、ヒマシ油系ポリオールとポリイソシアネートとの反応で得られるイソシアネート基末端プレポリマーからなるイソシアネート成分とヒマシ油系ポリオール及びN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミンの混合物からなるポリオール成分からなる該組成物等が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、従来のポリウレタン系シール材は機械物性の温度依存性が大きく、高温で機械物性が低下し耐熱性に劣る、あるいは低温で硬度が高くなりすぎるという欠点がある。このため、例えば血液処理機器のオートクレーブ滅菌時や浄水器で高温の水をろ過する際に、又はオートクレーブ滅菌後、0℃付近の低温で使用する等温度変化が大きい場合に、接着固定部で剥離が起こる等の問題がある。また、低温での硬度が高く、中空糸がシール材との界面で破断し易いという問題がある。これらの問題を解決するため、ポリテトラメチレングリコールとジフェニルメタンジイソシアネートから得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーをポリテトラメチレングリコール及び低分子量ポリオールで硬化させる方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。このポリウレタンシール材は硬度の温度依存性は改良されているが、酸化安定性に劣るという問題がある。
また、ヒマシ油又はヒマシ油脂肪酸とトリメチロールアルカンから得られるヒマシ油系変性ポリオールと官能基数6以上の多官能ポリエーテルポリオールを用いる方法が開示されている(例えば特許文献3及び4参照)。しかしこのポリウレタンシール材は低温での硬度が十分改善されておらず、また酸化安定性も劣るという問題がある。
特開昭53−61695号公報 特開2001−300265号公報 WO2006/035632公報 WO2006/043386公報
前述のような背景から、血液処理器、浄水器及び水処理装置の性能向上のため、耐熱性に優れ、硬度の温度依存性が低く、接着性に優れ、酸化安定性に優れるポリウレタン系シール材が切望されている。本発明の目的は、耐熱性に優れ、硬度の温度依存性が低く、接着性に優れ、且つ酸化安定性に優れるシール材を提供することができる膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物を提供することにある。
本発明者らは上記問題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明はヒマシ油(A)及び/又はヒマシ油誘導体(A1)と2〜4価の多価カルボン酸(B)及び/又は2〜4価の多価カルボン酸誘導体(B1)から得られるポリエステルポリオール(C)を用いてなることを特徴とする中空糸膜モジュールのシール材用注型ポリウレタン樹脂形成性組成物、並びに該組成物を硬化してなる膜モジュール用のシール材である。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化してなる膜モジュールのシール材は、耐熱性に優れると共に、硬度の温度依存性が低く、接着性に優れ、且つ酸化安定性に優れるという効果を奏する。
本発明の中空糸膜モジュールのシール材用注型ポリウレタン樹脂形成性組成物は、ヒマシ油(A)及び/又はヒマシ油誘導体(A1)と2〜4価の多価カルボン酸(B)及び/又は2〜4価の多価カルボン酸誘導体(B1)から得られるポリエステルポリオール(C)を用いてなることを特徴とする。
本発明の膜モジュールのシール材用ウレタン樹脂形成性組成物は、イソシアネート成分(IS)を含有する主剤と活性水素成分(OH)を含有する硬化剤からなる2液硬化型ウレタン樹脂形成性組成物であることが好ましい。(IS)若しくは(OH)のいずれかに、又は両方に、ヒマシ油(A)及び/又はヒマシ油誘導体(A1)と2〜4価の多価カルボン酸(B)及び/又は2〜4価の多価カルボン酸誘導体(B1)から得られるポリエステルポリオール(C)が用いられる。(C)が(IS)に用いられる場合は、後述の1分子中にイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート(IS1)等との反応により得られるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーとして用いられる。
好適な性能を発揮するための(C)の重量はシール材用ウレタン樹脂形成性組成物の重量に対して20〜70重量%、好ましくは40〜65重量%である。
本発明において、ヒマシ油誘導体(A1)とはヒマシ油(A)から化学反応により誘導される化合物である。具体例としては、部分脱水ヒマシ油、部分アシル化ヒマシ油、水添ヒマシ油並びに後述の低分子量ポリオールとヒマシ油、部分脱水ヒマシ油若しくは水添ヒマシ油とのエステル交換反応により得られるエステル、又は低分子量ポリオールとヒマシ油脂肪酸若しくは水添ヒマシ油脂肪酸とのエステル化反応により得られるエステル等が挙げられる。
部分脱水ヒマシ油とはヒマシ油の脱水反応により水酸基の一部が脱離したものである。通常、部分脱水ヒマシ油の水酸基価は100〜160mgKOH/gであり、110〜130mgKOH/gが好ましい。部分アシル化ヒマシ油とは、ヒマシ油の水酸基の一部がアシル化されたものである。水添ヒマシ油とはヒマシ油の二重結合の一部又はすべてが水素化されたものである。ヒマシ油脂肪酸及び水添ヒマシ油脂肪酸はそれぞれヒマシ油及び水素化ヒマシ油の加水分解により得られる脂肪酸である。ヒマシ油誘導体の数平均分子量(以下、Mnと略記)は、好ましくは300〜4,000、更に好ましくは500〜3,000である。
本発明におけるMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される。
前記エステル交換又はエステル化反応に使用される低分子量ポリオールとしては、Mn又は化学式から計算される分子量が50〜400のポリオールである。例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、水添ビスフェノールA、ヘキサントリオール、ソルビトール、シュークローズ等の多価アルコールが挙げられる。また、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリンのプロピレンオキサイド3モル付加物等、低分子量のポリエーテルポリオール、あるいはN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等の含窒素ポリオールも挙げられる。
これらのうち好ましいものは、低温特性が良好である観点から低分子量のポリエーテルポリオールである。またこれらの低分子量ポリオールは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明においける2〜4価のカルボン酸(B)としては、炭素数2〜40の脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及び二量化リノール酸等)、炭素数8〜40の芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4、4’−ビフェニルジカルボン酸、等)、炭素数4〜40の脂肪族又は芳香族のトリカルボン酸(ブタントリカルボン酸、ヘキサントリカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、ベンゼントリカルボン酸及びナフタレントリカルボン酸等)、炭素数5〜40の脂肪族又は芳香族のテトラカルボン酸(ブタンテトラカルボン酸、オクタンテトラカルボン酸、ベンゼンテトラカルボン酸及び3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸等)が挙げられる。これらのカルボン酸は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらのカルボン酸の中で、得られるポリエステルの粘度の観点から好ましいのは、2価のカルボン酸である。
本発明において、2〜4価のカルボン酸の誘導体(B1)とは、前述の2〜4価のカルボン酸の酸無水物(例えば、無水コハク酸及び無水フタル酸等)及び2〜4価のカルボン酸の低分子アルキルエステル化物(ジメチルコハク酸、ジエチルアジピン酸、ジメチルテレフタル酸及びテトラメチルブタンテトラカルボン酸等)等、エステル化反応又はエステル交換反応等によりヒマシ油又はヒマシ油誘導体と反応可能なものをいう。
本発明において、(C)は触媒の存在下又は非存在下、(A)及び/又は(A1)と(B)及び/又は(B1)を反応することで得られる。この際、水酸基とカルボキシル酸基[(B1)が酸無水物の場合は酸無水基1個をカルボキシル基2個として計算]又はエステル基[(B1)がエステルの場合]の当量比は通常100/10〜100/90であり、(A)及び(A1)の量がこの比より大きいと反応生成物中に未反応の(A)及び(A1)の量が多くなり十分な耐熱性が発揮できなくなり、また(A)及び(A1)の量がこの比より小さいと反応生成物の粘度が高くなり実用に適さない。耐熱性及び粘度の観点から、この比は好ましくは100/14〜100/85、特に好ましくは100/20〜100/80である。
(A)及び/又は(A1)と(B)及び/又は(B1)との反応には必ずしも触媒は必要ないが、通常触媒が使用される。触媒としては通常エステル化あるいはエステル交換反応触媒として知られているものが使用される。例えば酸(硫酸、塩酸、パラトルエンスルフォン酸及びポリリン酸等)、アルカリ(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等)、アルカリの炭酸塩(炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム等)、金属塩(塩化アルミニウム、塩化ジルコニウム、塩化鉄及び塩化ニッケル)金属化合物(ニッケルアセチルアセトナート及びジブチルスズオキサイド等)及びイオン交換樹脂等が挙げられる。 反応温度は触媒の有無、又は使用する触媒にもよるが、通常100〜250℃である。
ポリエステルポリオール(C)のMnは、耐熱性及び粘度の観点から、通常1300〜20000、好ましくは1500〜15000、更に好ましくは1800〜12000である。
本発明におけるイソシアネート成分(IS)は、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート(IS1)、又は該ポリイソシアネートと1分子中に活性水素を2個以上有する活性水素化合物との反応によるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー(IS2)のいずれかから、あるいは両者の併用からなる。
(IS)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート(IS1)としては、1分子中にイソシアネート基を2個〜3個又はそれ以上有する化合物であり、例えば、炭素数(ポリイソシアネートの場合、イソシアネート基中の炭素原子を除く炭素原子の数、以下同じ)2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートのイソシアネート基の一部を、イソシアヌレート、ビュレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトンイミン、カルボジイミド、オキサゾリドン、アミド又はイミド変性してなる化合物及びこれらの混合物が挙げられる。
炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート及びビス(2−イソシアネートエチル)カーボネート等]、並びにトリイソシアネート[1,6,11−ウンデカントリイソシアネート及び2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等]が挙げられる。
炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート及びビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート等]が挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[2,4−又は2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−、2,4’−又は2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート並びにナフタレンジイソシアネート等]及び3個以上のイソシアネート基を有するもの[ベンゼン環を3個以上有するポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等]が挙げられる。
炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート[キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート及びジイソシアネートエチルベンゼン等]が挙げられる。
これらのポリイソシアネート(IS1)のうち、反応性の観点から好ましいのは芳香族ポリイソシアネート及びその変性体、更に好ましいのは4,4’−、2,4’−又は2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート及びその変性体である。
本発明におけるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(IS2)を構成する活性水素を2個以上有する活性水素化合物としては、前記ポリエステルポリオール(C)、その他のポリオール、ポリアミン、ポリメルカプタン等が挙げられる。
その他のポリオールとしては、官能基数2〜8(好ましくは2〜6)のポリオール、例えば前記低分子量ポリオール、ヒマシ油、ヒマシ油誘導体、後述のポリエステルポリオール及びポリオレフィンポリオール等が挙げられる。官能基数2〜8のポリオールの水酸基価は好ましくは20〜1,850mgKOH/g、更に好ましくは40〜1,400mgKOH/gである。
ポリエステルポリオール(C)以外のポリエステルポリオールとしては、ポリカルボン酸[脂肪族飽和又は不飽和ポリカルボン酸(炭素数2〜40、例えばアジピン酸、アゼライン酸、ドデカン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及び二量化リノール酸)、芳香族ポリカルボン酸(炭素数8〜15、例えばフタル酸及びイソフタル酸)等]と、前記低分子量ポリオールとから形成される線状又は分岐状ポリエステルポリオール;ポリラクトンポリオール[例えば前記低分子量ポリオールの1種又は2種以上を出発原料としてこれに(置換)カプロラクトン(炭素数6〜10:例えばε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン及びε−メチル−ε−カプロラクトン)を付加重合させたポリエステルポリオール(例えばポリカプロラクトンポリオール)];ポリカーボネートポリオール(前記低分子量ポリオールと、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート又はジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネートとの反応によって得られるもの);等が挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有水素化ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有水素化ポリイソプレン、水酸基含有スチレンブタジエン共重合体、水酸基含有水素化スチレンブタジエン共重合体、水酸基含有スチレンイソプレン共重合体及び水酸基含有水素化スチレンイソプレン共重合体等が挙げられる。
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーはポリイソシアネートと活性水素を2個以上有する活性水素化合物を、イソシアネート基と活性水素基の当量比(NCO/活性水素)を通常1.1/1〜100/1の範囲で反応させることにより得られる。
上記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(IS2)の製造方法としては、ポリイソシアネート(IS1)と1分子中に活性水素を2個以上有する活性水素化合物とを反応容器中、窒素雰囲気下で反応させる公知の方法が挙げられる。プレポリマー化反応における反応温度は通常30〜140℃、反応性の観点及び副反応防止の観点から好ましくは60〜120℃である。また、反応は通常無溶剤下で行うが、必要によりイソシアネート基に不活性な溶剤[例えば芳香族炭化水素(トルエン及びキシレン等)、ケトン(メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)並びにこれらの2種以上の混合物]の存在下で行い、後にこれらの溶剤を蒸留により除いてもよい。
本発明における活性水素成分(OH)としては、前記の(C)、官能基数2〜8(好ましくは2〜6)のポリオール、例えば前記低分子量ポリオール、ヒマシ油、ヒマシ油誘導体、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアミン、ポリメルカプタン等及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物におけるイソシアネート成分(IS)と活性水素成分(OH)との反応におけるイソシアネート基と活性水素基の当量比(NCO/活性水素)は、未反応物低減の観点から好ましくは0.5/1〜2/1、更に好ましくは0.7/1〜1.5/1、特に好ましくは0.8/1〜1.2/1である。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物の粘度(注型前の粘度)は、通常50〜30,000mPa・s、硬化性及び成形性の観点から好ましくは100〜20,000mPa・s、更に好ましくは200〜10,000mPa・sである。
本ウレタン樹脂形成性組成物は通常のポリウレタン樹脂に使用される添加剤、すなわち、ウレタン化触媒、発泡剤、難燃剤、充填剤、加水分解防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防黴剤、離型剤、脱水剤及び炭酸ガス吸収剤等の発泡抑制剤などを含有することができる。これらの添加剤はイソシアネート成分(IS)若しくは活性水素成分(OH)のいずれかに、又は両方に添加することができる。また必要により、(IS)及び(OH)を反応させる際に添加することもできる。
本発明の中空糸膜モジュール用シール材に使用されるポリウレタン樹脂は、イソシアネート成分(IS)及び活性水素成分(OH)を使用時に各々所定量計量後、スタティックミキサー又はメカニカルミキサー等で混合、反応させることにより製造することができる。上記混合、反応させて流動性がなくなるまでの時間(ポットライフ)は通常3〜300分であり、完全硬化には室温(20〜30℃)で12〜240時間の養生を要する。ここにおいてポリウレタン樹脂の硬度に変化が認められなくなった時点を完全硬化(反応終点)とする。なお、ポリウレタン樹脂の実使用上は必ずしも完全硬化させる必要はないが、後述する硬度範囲となるまでは養生を要する。また、養生温度を高く(例えば40〜60℃)することにより養生時間を短縮することも可能である。
硬化後のポリウレタン樹脂の硬度(ショアーD:10秒値)は通常10〜100、シール材として具備すべき機械強度及び切断性(後述する、ポリウレタン樹脂で結束された中空糸膜の切断性)の観点から好ましくは20〜80である。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を意味する。
以下の製造例及び実施例において使用されている下記の原料の組成、メーカー等は以下の通りである。
ヒマシ油:豊国製油(株)製「ELA−DR」(水酸基価160mgKOH/g)
脱水ヒマシ油:(株)東化研製「TOYOACE P−110F」(水酸基価120mgKOH/g)
アジピン酸:旭化成ケミカルズ(株)製
セバシン酸:和光純薬工業(株)製 1級
テレフタル酸ジメチル:和光純薬工業(株)製 特級
トリメチロールプロパン:三菱ガス化学(株)製
1,6−HD:1,6−ヘキサンジオール[和光純薬工業(株)製 特級]
キョウワード600:合成吸着剤[協和化学工業(株)製]
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート[日本ポリウレタン(株)社製「ミリオネートMT」]
カルボジイミド変性MDI:カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート[BASF INOAC ポリウレタン(株)製「ルプラネートMM−103」;NCO含量=29.5%)
液状MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物[BASF INOAC ポリウレタン(株)製「ルプラネートMI」;NCO含量=33.3%]
ヒマシ油脂肪酸トリメチロールプロパンエステル:豊国製油(株)製「HS3P−255」(水酸基価262mgKOH/g)
ソルビトールプロピレンオキサイド付加物:三洋化成工業(株)製「サンニックス SP−750」(水酸基価490mgKOH/g)
PTMG:ポリテトラメチレングリコール[三菱化学(株)製「PTMG1000」;水酸基価112mgKOH/g]
グリセリンプロピレンオキサイド付加物:三洋化成工業(株)製「サンニックス GP−250」(水酸基価670mgKOH/g)
HPEDA:N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン(水酸基価760mgKOH/g)
製造例1〜4:ポリエステルポリオール(C)の製造
<製造例1>ポリエステルポリオール(C−1)の製造
温度調節器、撹拌翼、窒素ガス吹き込み管、留出管及び冷却管を備えた四つ口フラスコにヒマシ油462.5部、アジピン酸36.5部を仕込んだ(水酸基/カルボキシル基当量比=100/38)。更にパラトルエンスルフォン酸3部を仕込み、窒素ガスを液中に吹き込みながら、150℃で12時間攪拌し、エステル化反応を行った。80℃に冷却後、キョーワード600を12部加え、同温度で1時間攪拌しパラトルエンスルフォン酸を吸着処理した。このものを加圧ろ過しポリエステルポリオール(C−1)を得た
(C−1)の水酸基価は86mgKOH/g、酸価は1.9mgKOH/g、粘度(25℃)は2600mPa・sであった。
<製造例2>ポリエステルポリオール(C−2)の製造
ヒマシ油462.5部及びアジピン酸36.5部の代わりにヒマシ油451.5及びアジピン酸47.5部(水酸基/カルボキシル基当量比=100/50)を使用した以外は、製造例1と同様にして、ポリエステルポリオール(C−2)を得た。
(C−2)の水酸基価は68mgKOH/g、酸価は1.8mgKOH/g、粘度(25℃)は4500mPa・sであった。
<製造例3>ポリエステルポリオール(C−3)の製造
ヒマシ油462.5部及びアジピン酸36.5部の代わりにヒマシ油444部及びセバシン酸55部(水酸基/カルボキシル基当量比=100/43)を使用した以外は、製造例1と同様にしてポリエステルポリオール(C−3)を得た。
(C−3)の水酸基価は76mgKOH/g、酸価は1.7mgKOH/g、粘度(25℃)は3100mPa・sであった。
<製造例4>ポリエステルポリオール(C−4)の製造
製造例1と同じ装置を用い、ヒマシ油459部とテレフタル酸ジメチル40部を仕込んだ。更に水酸化ナトリウム50%水溶液5部を仕込み、窒素ガスを液中に吹き込みながら、190℃で12時間攪拌し、エステル交換反応を行った。80℃に冷却後、キョーワード600を12部加え、同温度で1時間攪拌し水酸化ナトリウムを吸着処理した。このものを加圧ろ過しポリエステルポリオール(C−4)を得た。
(C−4)の水酸基価は95mgKOH/g、酸価は0.8mgKOH/g、粘度(25℃)は2500mPa・sであった。
製造例5〜9:イソシアネート成分の製造
<製造例5>イソシアネート成分(IS−1)の製造
温度調節器、撹拌翼、冷却管、窒素流入及び流出口を備えた四つ口フラスコに、微量の窒素ガスを流しながら、MDI 250部と製造例1のポリエステルポリオール(C−1)140部を加え、60℃で3時間反応させた。更にカルボジイミド変性MDI 110部を加え、30分攪拌し、イソシアネート成分(IS−1)を得た。
(IS−1)のNCO含量は21.6%、粘度(25℃)は1900mPa・sであった。
<製造例6>イソシアネート成分(IS−2)の製造
製造例5と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、MDI 250部と製造例2のポリエステルポリオール(C−2)140部を加え、60℃で3時間反応させた。更にカルボジイミド変性MDI 110部を加え、30分攪拌し、イソシアネート成分(IS−2)を得た。
(IS−2)のNCO含量は22.0%、粘度(25℃)は2400mPa・sであった。
<製造例7>イソシアネート成分(IS−3)の製造
製造例5と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、MDI 240部とヒマシ油150部を加え、60℃で3時間反応させた。更にカルボジイミド変性MDI 110部を加え、30分攪拌し、イソシアネート成分(IS−3)を得た。
(IS−3)のNCO含量は19.0%、粘度(25℃)は1300mPa・sであった。
<製造例8>イソシアネート成分(IS−4)の製造
製造例5と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、MDI 279部とPTMG 221部を加え、60℃で3時間反応させ、イソシアネート成分(IS−4)を得た。
(IS−4)のNCO含量は15.0%、粘度(25℃)は2800mPa・sであった。
<製造例9>イソシアネート成分(IS−5)の製造
製造例5と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、MDI 220部、液状MDI 215部とグリセリンプロピレンオキサイド付加物65部を加え、60℃で3時間反応させ、イソシアネート成分(IS−5)を得た。
(IS−5)のNCO含量は22.8%、粘度(25℃)は2700mPa・sであった。
製造例10〜16:活性水素成分の調製
<製造例10>活性水素成分(OH−1)
温度調節器、撹拌翼、冷却管、窒素流入及び流出口を備えた1L容量の四つ口フラスコに、微量の窒素ガスを流しながら、製造例1のポリエステルポリオール(C−1)425部、HPEDA 30部及びトリメチロールプロパン45部を加え、60℃で30分間攪拌混合し、活性水素成分(OH−1)を得た。
(OH−1)の水酸基価は237mgKOH/g、粘度(25℃)は2800mPa・sであった。
<製造例11>活性水素成分(OH−2)
製造例10と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、製造例3のポリエステルポリオール(C−3)425部、HPEDA50部、及びトリメチロールプロパン25部を加え、60℃で30分間攪拌混合し、活性水素成分(OH−2)を得た。
(OH−2)の水酸基価は208mgKOH/g、粘度(25℃)は3500mPa・sであった。
<製造例12>活性水素成分(OH−3)
製造例10と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、製造例4のポリエステルポリオール(C−4)425部、HPEDA25部、及びトリメチロールプロパン50部を加え、60℃で30分間攪拌混合し、活性水素成分(OH−3)を得た。
(OH−3)の水酸基価は235mgKOH/g、粘度(25℃)は2800mPa・sであった。
<製造例13>活性水素成分(OH−4)
製造例10と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、ヒマシ油460部、HPEDA25部、及びトリメチロールプロパン15部を加え、60℃で30分間攪拌混合し、活性水素成分(OH−4)を得た。
(OH−4)の水酸基価は223mgKOH/g、粘度(25℃)は900mPa・sであった。
<製造例14>活性水素成分(OH−5)
製造例10と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、ヒマシ油脂肪酸トリメチロールプロパンエステル400部、及びソルビトールプロピレンオキサイド付加物100部を加え、60℃で30分間攪拌混合し、活性水素成分(OH−5)を得た。
(OH−5)の水酸基価は305mgKOH/g、粘度(25℃)は2400mPa・sであった。
<製造例15>活性水素成分(OH−6)
製造例10と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、脱水ヒマシ油200部、製造例1のポリエステルポリオール(C−1)200部、ソルビトールプロピレンオキサイド付加物80部及びHPEDA20部を加え、60℃で30分間攪拌混合し、活性水素成分(OH−6)を得た。
(OH−6)の水酸基価は192mgKOH/g、粘度(25℃)は1600mPa・sであった。
<製造例16>活性水素成分(OH−7)
製造例10と同じ装置に、微量の窒素ガスを流しながら、ヒマシ油200部、製造例2のポリエステルポリオール(C−2)200部、ソルビトールプロピレンオキサイド付加物 80部、HPEDA20部を加え、60℃で30分間攪拌混合し、活性水素成分(OH−7)を得た。
(OH−7)の水酸基価は201mgKOH/g、粘度(25℃)は1800mPa・sであった。
実施例1〜8及び比較例1〜3
上記で作製したイソシアネート成分(IS)及び活性水素成分(OH)を、表1に記載の配合比(当量比)で配合するように用意された2液の組成物が本発明の実施例1〜8のウレタン樹脂形成性組成物である。また、比較例1〜3も表1に記載の配合比(当量比)で配合する。なお、比較例3は2種の活性水素成分(ポリテトラメチレングリコール及び1,6−HD)を使用した。
ウレタン樹脂形成性組成物の性能を評価するため、下記の方法でウレタン樹脂硬化物を得て下記の方法で性能試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2011068886
<硬化物の耐熱性(貯蔵弾性率の測定)、耐加水分解性及び耐酸化安定性試験用ウレタン樹脂硬化物の作製>
イソシアネート成分(IS)と活性水素成分(OH)を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表1の配合比で合計100部を秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液を遠心機[H103N型、(株)コクサン製]を用い3500rpmで30秒間遠心脱泡後、縦120mm、横120mm、高さ10mmのSUS製容器に、高さが1mmになるように加え、50℃の恒温槽で48時間養生させウレタン樹脂硬化物を得た。
<ウレタン樹脂硬化物の耐熱性(貯蔵弾性率の測定)>
耐熱性を評価するため、以下の方法で貯蔵弾性率を測定した。上記で得られたウレタン樹脂硬化物を縦20mm、横5mmの長方形に切り出し、動的粘弾性測定装置[Rheogel−E4000;(株)ユービーエム製]を用い、10Hzで貯蔵弾性率を測定した。0℃及び80℃の貯蔵弾性率を表1に示す。
<耐加水分解性及び酸化安定性試験>
上記で得られたウレタン樹脂硬化物をJIS K7312(熱硬化性ウレタンエラストマー成型物の物理試験法)に規定されている3号形ダンベルに打ち抜き、試験片とした。試験片を1NのNaOH水溶液に40℃で30日間浸漬し、耐加水分解性試験を行った。同様に、試験片を塩素濃度5000ppmの次亜塩素酸水溶液に40℃で30日間浸漬し、酸化安定性試験を行った。試験前後の試験片各々5枚について引張試験機[(株)島津製作所製]を使用し、23℃、引張速度500mm/分で引張試験を行い、引張強度を測定した。最高値、最低値を除いた、中間値3点の平均値を測定値とした。
<ウレタン樹脂硬化物の硬度>
イソシアネート成分と活性水素成分を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表1の配合比で合計150gを秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液を遠心機[H103N型、(株)コクサン製]を用い3500rpmで30秒間遠心脱泡後、150mlのポリプロピレン製容器(口径65mm、高さ70mm)に100gを秤取った。50℃の恒温槽で48時間養生後、0℃及び80℃で硬度ショアーD(10秒値)をショアーD硬度計[高分子計器(株)製]で測定した。なお、硬化物を試験温度に温調した恒温槽で12時間以上静置後、硬度測定を行った。
<接着力試験>
イソシアネート成分と活性水素成分を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表1の配合比で合計100gを秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。該混合液を遠心機[H103N型、(株)コクサン製]を用い3500rpmで30秒間遠心脱泡した。該脱泡液を塗布し2枚のポリカーボネート標準試験板[長さ100mm、幅25mm、厚さ2mm、日本テストピース(株)製]を張り合わせた。この際、重ね長さを12.5mmとし、スペーサーを使用し脱泡液の厚さを0.2mmとした。貼り合わせた標準試験板を50℃の恒温槽で48時間養生し試験片とした。 恒温槽付き引張試験機[(株)島津製作所製]を用い、0℃及び80℃、引張速度300mm/分で引張試験を行い、剪断接着力を測定した。試験は5枚の試験片で行い、その平均値を測定値とした。なお、試験片は試験温度に温調した恒温槽で12時間以上静置後、引張試験を行った。
<膜モジュールの作成>
イソシアネート成分と活性水素成分を25℃でそれぞれ減圧脱泡(1000Pa×2時間)した。表1の配合比で合計600gを秤取り、30秒間回転式攪拌機(回転数300rpm)で攪拌混合した。ポリスルフォン製中空糸膜(内径0.75mm、外径1.35mm)3000本を挿入した円筒状ポリカーボネート製モジュールケース(内径108mm、長さ580mm)に該混合液を投入し、遠心成型機で1時間遠心成型した。更に50℃で48時間養生後、シール部の端部を切断して中空糸を開口させ、膜モジュールを作製した。
<膜モジュールの熱サイクル試験>
上記で作製したモジュールを120℃飽和蒸気圧のオートクレーブに2時間、その後0℃の恒温槽に24時間静置した。該冷熱の繰り返しを10サイクル行った後、ポリカーボネート円筒容器とシール材との間に剥離がないか観察した。本試験は10本の試験用膜モジュールを用いて行った。
<膜モジュールの加圧耐久性試験>
実施例1、4、7及び8の膜モジュールを用いて、0℃と80℃でそれぞれ、最高水圧200kPaで濾過と逆洗の繰り返し試験を2000回行い、リークの有無を調べた。
表1から、実施例1〜8の硬化物の貯蔵弾性率は0℃、80℃で差が小さくいずれも670〜820MPaの範囲にあり、温度依存性が小さく、低温特性、耐熱性ともに良いことが判る。また、実施例1〜8の硬化物は、いずれも良好な耐加水分解性及び酸化安定性を示した。更に実施例1〜8の硬化物は、いずれの温度においても硬度は39〜55の範囲であり、中空糸膜モジュール用のシール材として適した硬度である。
これらに比較し、比較例1の硬化物は80℃硬度が低く、比較例2の硬化物は0℃硬度が高く、硬度の温度依存性が大きい。
実施例1〜8の膜モジュールの熱サイクル試験ではいずれも剥離は認められなかったが、比較例1〜3の膜モジュールではいずれにも剥離が認められた。
実施例1、4、7及び8の膜モジュールは、いずれもリークを発生しなかった。また、比較例1の膜モジュールを用いて、同条件で80℃の試験を行ったところ、380回目でリークが発生した。膜モジュールを観察するとモジュールケースとシール材の界面に剥離が見られた。比較例2の膜モジュールを用いて、同条件で0℃の試験を行ったところ、570回目でリークが見られた。膜モジュールを観察すると、中空糸膜とシール材との接着界面で中空糸膜の破断が見られた。
本発明の膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂形成性組成物は、中空糸型血液処理器及び中空糸型水処理器等のシール材として特に好適に使用できる。

Claims (5)

  1. ヒマシ油(A)及び/又はヒマシ油誘導体(A1)と2〜4価の多価カルボン酸(B)及び/又は2〜4価の多価カルボン酸の誘導体(B1)から得られるポリエステルポリオール(C)を用いてなることを特徴とする中空糸膜モジュールのシール材用注型ポリウレタン樹脂形成性組成物。
  2. 2〜4価の多価カルボン酸(B)が2価のカルボン酸である請求項1に記載の組成物。
  3. イソシアネート成分(IS)を含有する主剤と活性水素成分(OH)を含有する硬化剤からなる2液硬化型ウレタン樹脂形成性組成物であって、(IS)と(OH)の少なくとも一方がポリエステルポリオール(C)を用いてなる請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化してなる中空糸膜モジュールのシール材用ポリウレタン樹脂。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化してなる中空糸膜モジュール用シール材。
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