JP2023080378A - ポリウレタンフォーム - Google Patents

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Abstract

【課題】洗濯後の乾燥性が良好であり、洗濯が行われる物品、例えばマットレスや枕などの寝具、座布団用クッションなどの家具、ブラジャー用パッドなどの衣料等に好適なポリウレタンフォームの提供を目的とする。【解決手段】ポリオール成分、ポリイソシアネート、発泡剤を含むポリウレタンフォーム組成物から得られるポリウレタンフォームにおいて、ポリオール成分に植物由来ポリオールを含み、ASTM D6866-20によって測定されるバイオマス度が24%以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、洗濯後の乾燥性が良好なポリウレタンフォームの提供を目的とする。
ポリウレタンフォームは、ポリオール成分、イソシアネート、発泡剤を含むポリウレタンフォーム組成物から形成されるものであり、寝具や衣料等の材料として多用されている(特許文献1、2、3)。
特開2005-270146号公報 特開2019-17948号公報 特開2019-203061号公報
しかし、ポリウレタンフォームは、細かいセル(気泡)構造からなるため、保水性が高く、洗濯後の乾燥性が悪い問題がある。
本発明は、洗濯後の乾燥性が良好なポリウレタンフォームの提供を目的とする。
本発明は、ASTM D6866-20によって測定されるバイオマス度が24%以上であるポリウレタンフォームを特徴とする。
本発明のポリウレタンフォームは、ASTM D6866-20によって測定されるバイオマス度が24%以上であることにより、洗濯後の乾燥性が良好になる。
バイオマス度は、製品に含まれる天然由来原料の割合を意味し、天然由来の物質にしか含まれていない放射性炭素C14が製品にどのくらい含まれているかを測定することで、その製品のバイオマス度を測ることができる。
本発明におけるバイオマス度は、ASTM D6866-20に基づき、加速器質量分析法(AMS法)でポリウレタンフォームのC14濃度を測定し、現在における100%天然由来物質のC14濃度に対する割合(%)を計算することにより求められる。
本発明の各実施例及び各比較例の配合、物性及び洗濯後乾燥性の測定結果を示す表である。 洗濯性試験の各コースの内容を示す表である。 乾燥試験の結果を示す表である。
本発明のポリウレタンフォームは、ASTM D6866-20に基づき、加速器質量分析法(AMS法)で測定されるバイオマス度が24%以上であるため、洗濯後の乾燥性が良好になり、乾燥時間を短くすることができる。
ポリウレタンフォームには、硬質、半硬質、軟質があり、用途に応じて選択される。例えば、マットレスなどの寝具やブラジャーのパットなどの衣料用には軟質ポリウレタンフォームが多用される。本発明のポリレタンフォームは、硬質、半硬質、軟質の何れの場合も含まれる。
本発明のポリウレタンフォームは、ポリオール成分、ポリイソシアネート、発泡剤を含むポリウレタンフォーム組成物から得られる。ポリウレタンフォーム組成物は、混合撹拌によってポリオール成分とポリイソシアネートが反応し、発泡してポリウレタンフォームが形成される。
ポリオール成分は、一つの分子内に水酸基を二つ以上持つ化合物であるポリオールを含む。ポリオール成分には、植物由来ポリオールが含まれる。植物由来ポリオールは、植物由来の原料、例えば植物油等を用いて製造されたポリオールである。
植物油としては、ヒマシ油、ヒマワリ油、菜種油、亜麻仁油、綿実油、キリ油、ヤシ油、ケシ油、トウモロコシ油、大豆油等を挙げることができる。それらのなかでも、ヒマシ油を原料として製造されたヒマシ油ポリオールは、植物由来ポリオールとして好適な一例である。
ヒマシ油ポリオールは、変性ヒマシ油ポリオール、未変性ヒマシ油ポリオールの何れでもよく、あるいは両方を含んでいてもよい。
変性ヒマシ油ポリオールは、ヒマシ油とヒマシ油以外の油脂とのエステル交換反応物、ヒマシ油と油脂脂肪酸とのエステル交換反応物、ヒマシ油と多価アルコールとのエステル交換反応物、ヒマシ油脂肪酸と多価アルコールとのエステル化反応物、ヒマシ油に含まれる水酸基の一部と酢酸などのモノカルボン酸とのエステル化反応物、これらにアルキレンオキサイドを付加重合した反応物、これらに水素を付加した水素添加物等が挙げられる。
未変性ヒマシ油ポリオールは、精製ヒマシ油ポリオール、半精製ヒマシ油ポリオール、未精製ヒマシ油ポリオール等が挙げられる。
植物由来ポリオールは、官能基数が2~3.5、水酸基価が40~180mgKOH/g、分子量724~2931が好ましく、一種類あるいは複数種類を使用してもよい。
植物由来ポリオールの量は、ASTM D6866-20によって測定されるバイオマス度が24%以上となるように決定されるが、ポリオール成分100質量部中に15質量部以上が好ましく、より好ましくは30質量部以上、さらに好ましくは80質量部以上である。ポリオール成分には石油油来のポリオールを含んでいてもよい。石油由来ポリオールを含むことにより、成形性・生産性が良好になる。
石油由来ポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等の何れでもよく、それらの一種類あるいは複数種類を使用してもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを挙げることができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸やフタル酸等の芳香族カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族グリコール等とから重縮合して得られたポリエステルポリオールを挙げることできる。
また、ポリエーテルエステルポリオールとしては、ポリエーテルポリオールと多塩基酸を反応させてポリエステル化したもの、あるいは1分子内にポリエーテルとポリエステルの両セグメントを有するものを挙げることができる。
石油由来ポリオールは、官能基数が2.0~3.5、水酸基価が15~1000mgKOH/g、分子量100~10000が好ましい。
ポリイソシアネートは、特に制限されるものではなく、芳香族系、脂環式、脂肪族系の何れでもよく、また、1分子中に2個のイソシアネート基を有する2官能のイソシアネート、あるいは1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する3官能以上のイソシアネートであってもよく、それらを単独であるいは複数組み合わせて使用してもよい。
2官能のポリイソシアネートとしては、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,6-トリレンジイソシアネート(2、6-TDI)、m-フェニレンジイソシネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-MDI)、2,4’-ジフェニルメタンジアネート(2,4’-MDI)、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’-MDI)、キシリレンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネートなどの芳香族系のもの、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環式のもの、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの芳香族系のものを挙げることができる。なお、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)は、ポリメリックMDIおよびポリメリックMDIのプレポリマーの複数種類を併用してもよい。
3官能以上のポリイソシアネートとしては、1-メチルベンゾール-2,4,6-トリイソシアネート、1,3,5-トリメチルベンゾール-2,4,6-トリイソシアネート、ビフェニル-2,4,4’-トリイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4,4’-トリイソシアネート、メチルジフェニルメタン-4,6,4’-トリイソシアネート、4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2,2’,5,5’テトライソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4”-トリイソシアネート等を挙げることができる。
イソシアネートインデックス(INDEX)は70~150が好ましく、より好ましくは80~130であり、最も好ましくは90~120である。イソシアネートインデックスが70未満になると、発泡成形性に劣るようになる。一方、イソシアネートインデックスが150を超えるとフォームが硬くなりすぎて脆くなり、耐久性が劣るようになる。イソシアネートインデックスは、ポリイソシアネートにおけるイソシアネート基のモル数をポリオー成分の水酸基や発泡剤としての水などの活性水素基の合計モル数で割った値に100を掛けた値であり、[ポリイソシアネートのNCO当量/活性水素当量×100]で計算される。
発泡剤は、水、炭化水素、ハロゲン系化合物等を挙げることができ、これらの中から1種類でもよく、2種類以上でもよい。炭化水素としては、シクロペンタン、イソペンタン、ノルマルペンタン等を挙げることができる。また、ハロゲン系化合物としては、塩化メチレン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ノナフルオロブチルメチルエーテル、ノナフルオロブチルエチルエーテル、ペンタフルオロエチルメチルエーテル、ヘプタフルオロイソプロピルメチルエーテル等を挙げることができる。これらの中でも発泡剤として水が特に好適である。水は、イオン交換水、水道水、蒸留水等の何れでもよい。発泡剤としての水の配合量は、ポリオール成分を100質量部とした場合、0.5~10質量部であり、好ましくは1~8質量部、より好ましくは1.5~5質量部である。
ポリオール組成物には、その他の成分として触媒、助剤が適宜配合される。
触媒は、ポリウレタンフォーム用として公知のものを使用することができ、特に限定されない。使用可能な触媒として、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルグアニジン等のアミン触媒や、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート等の錫触媒や、フェニル水銀プロピオン酸塩あるいはオクテン酸鉛等の金属触媒(有機金属触媒とも称される。)が挙げられる。触媒の全配合量は、触媒の種類によって適宜決定されるが、ポリオール成分100質量部に対して0.01~3.0質量部が一般的であり、好ましくは0.02~1.5質量部、さらに好ましくは0.05~1.2質量部である。
助剤としては、例えば、整泡剤、架橋剤、着色剤、難燃剤、抗菌剤、安定剤、可塑剤等を挙げることができる。
整泡剤は、ポリウレタンフォーム用として公知のものを使用することができ、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤及び界面活性剤を挙げることができる。特に、シリコーン系整泡剤は好適なものである。シリコーン系整泡剤としては、シロキサン鎖主体からなるもの、シロキサン鎖とポリエーテル鎖が線状の構造をとるもの、分岐し枝分かれしたもの、ポリエーテル鎖がシロキサン鎖にペンダント状に変性されたもの等が挙げられる。
架橋剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ブタンテトラオール、ポリオキシプロピレングリコール等の多価アルコール、ジエタノールアミン、ポリアミン等が挙げられ、それらを単独使用または2種類以上を併用することができる。
ポリウレタンフォームには、スラブ発泡品とモールド発泡品とがあり、本発明のポリウレタンフォームはいずれでもよい。
スラブ発泡品は、ポリウレタンフォーム組成物を混合撹拌してコンベア上に吐出し、コンベア上で発泡させてポリウレタンフォームを連続形成し、その後裁断により所定サイズにしたものである。それに対してモールド発泡品は、金型にポリウレタンフォーム組成物を注入して発泡させたものであり、金型の内面形状に応じた外形状を有する。
また、本発明のポリウレタンフォームは、除膜処理が未処理のセル膜を有するもの、あるいは除膜処理が行われてセル膜が除去されたものの何れでもよい。
除膜処理は、ポリウレタンフォームのセル膜を除去するための公知の処理であり、ポリウレタンフォームをアルカリ溶液に浸漬してセル膜を溶融する方法や、密閉容器にポリウレタンフォームを収容し、酸素等の可燃ガスを密閉容器に充填した後に点火することにより爆発させてセル膜を破壊する方法等がある。
この発明の実施例を、比較例と共に具体的に説明する。以下の原料を図1の表に示す配合とした各実施例及び各比較例のポリウレタンフォーム組成物を撹拌混合し、発泡させて各実施例及び各比較例のポリウレタンフォームを作製した。なお、比較例1及び実施例1~3はスラブ発泡品であり、比較例2及び実施例4はモールド発泡品である。また、実施例2については、実施例1のポリウレタンフォームに対して、爆発により除膜処理を行ってセル膜を除去したものであり、セル膜有無以外は、実施例1と同様である。
<ポリオール成分>
・植物由来ポリオール1;未変性(精製処理)ヒマシ油ポリオール、植物度100%、官能基数2.7、水酸基価160mgKOH/g、分子量947、品名:H-30、伊藤製油株式会社製
・植物由来ポリオール2;精製ヒマシ油100質量部とセバシン酸10.9質量部とを撹拌しながら反応させたものであり、精製ヒマシ油/セバシン酸=2/1モルからなる植物度100%のヒマシ油ポリオール、官能基数3.5、水酸基価86mgKOH/g、分子量2182
・石油由来ポリオール1;官能基数3、水酸基価24.1mgKOH/g、分子量6983.4、品名:KC737、三洋化成工業株式会社社製
・石油由来ポリオール2;官能基数3、水酸基価56.1mgKOH/g、分子量3000、品名:EP505S、三井化学株式会社社製
・石油由来ポリオール3;ポリエーテルポリオール、官能基数3、水酸基価56.1mgKOH/g、分子量3000、品名:GP-3050NS、三洋化成工業株式会社製
・石油由来ポリオール4;官能基数3、水酸基価31mgKOH/g、分子量5429、品名:Y-7530、三井化学SKCポリウレタン株式会社社製
<架橋剤>
・ジエチレングリコール
<発泡剤>
・水
<アミン触媒>
・アミン触媒1;脂肪族3級アミン組成物、品名:DABCO 33LSI、エボニックジャパン社製
・アミン触媒2;品名:2Mabs、日本乳化剤株式会社製
<整泡剤>
・整泡剤1;シリコーン系、品名:SZ1136、東レ・ダウコーニング株式会社製
・整泡剤2;シリコーン系、品名:L-594Plus、エボニック・ジャパン株式会社製
・整泡剤3;シリコーン系、品名:L3184J、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製
<金属触媒>
・スタナスオクトエート、品名:MRH-110、城北化学工業株式会社製
<ポリイソシアネート>
・ポリイソシアネート1;2,4-TDI/2,6-TDI=80/20のトルエンジイソシアネート、品名:コロネートT-80、東ソ-株式会社製
・ポリイソシアネート2;2,4-TDI/2,6-TDI=65/35のトルエンジイソシアネート、品名:コロネートT-65、東ソ-株式会社製
・ポリイソシアネート3;モノメリックMDI(4,4’-MDIと2,4-MDIの混合物。2,4-MDIの比率が25~50%)
各実施例及び各比較例のポリウレタンフォームについて、バイオマス度、物性及び洗濯後乾燥性を測定した。測定結果を図1に示す。
バイオマス度(植物度)は、ASTM D6866-20に基づき、加速器質量分析法(AMS法)によって測定した値と、計算上の値の両方を示す。
ASTM D6866では、1950年の大気中の炭素14濃度の標準物質と資料の炭素14濃度測定を行い、その比をもってバイオマス度とすると規定されている。但し、現在の大気中の炭素14濃度は、年々増加しているため補正のためにこの値に係数をかけると規定されている。ASTM D6866-20に従った算出では、2020年の大気補正係数であるREF(pMC)=100.0を用いてバイオマス度の算出をした。
AMS法による測定値によってバイオマス度を評価した。評価基準は、AMS法による測定値が50%以上の場合「◎」、24~50%未満の場合「〇」、24%未満の場合「×」とした。
計算上の値は、式:バイオマス度=植物ポリオール添加部数/(全添加部数-ガスロス)
ガスロス=水添加部数/18×44により算出した。
上記のガスロス算出式における「18」は水の分子量、「44」は二酸化炭素の分子量である。
物性については、密度(JIS K7222)、25%硬さ(JIS K6400-2 6.7D法)、セル数(JIS K6400-1)、通気度(JIS K6400-7 A法)、引張強度(JIS K6400-5 5)、伸び(JIS K6400-5 5)、引裂強度(JIS K6400-5 6B)、乾熱歪(JIS K6400-4 4.5.2A法)、反発(JIS K6400-3)について測定した。
洗濯後乾燥性は、次に示す方法で洗濯後吸水率、脱水後吸水率、24時間乾燥後吸水率について測定し、各測定結果に基づいて洗濯後吸水性評価、洗濯後脱水性評価、洗濯後乾燥性評価、洗濯後乾燥性総合評価を行った。なお、スラブ発泡品と比べてモールド発泡品は、スキン層があって水が抜けにくいため、洗濯後吸水性評価、洗濯後脱水性評価、洗濯後乾燥性評価、洗濯後乾燥性総合評価は、スラブ発泡品とモールド発泡品とに分けて行った。
洗濯後吸水率は、縦型洗濯機を用い、図2に示す1回目洗濯コース、2回目洗濯コース、3回目洗濯コースを、各実施例及び各比較例のサンプルについて順に実施し、各洗濯コース終了毎にサンプルの重量を測定して吸水率を算出し、3回目洗濯コース終了後の吸水率の値を洗濯後吸水率とした。各洗濯コース終了後の吸水率の算出は、次式による。
吸水率(%)=(各回の洗濯コース後サンプルの重量-洗濯前サンプルの重量)/(洗濯前サンプルの重量)×100
各回の吸水率の値を図3に示す。なお、「洗濯前」は1回目洗濯コースの開始前である。
洗濯後吸水性評価は、次の基準で評価した。スラブ発泡品の比較例1及び実施例1~実施例3については、洗濯後吸水率が160%未満の場合「◎」、160~200%未満の場合「〇」、200%以上の場合「×」とした。モールド発泡品の比較例2及び実施例4については、洗濯後吸水率が95%未満の場合「◎」、95~100%未満の場合「〇」、100%以上の場合「×」とした。
脱水後吸水率は、3回目洗濯コース終了後に、図2に示す1回目脱水コースと2回目脱水コースを順に行い、各回の脱水コース終了毎に、サンプルの重量を測定して吸水率を算出し、2回目脱水コース終了後の吸水率を脱水後吸水率とした。各脱水コース終了後の吸水率の算出は、次式による。
吸水率(%)=(各回の脱水コース後サンプルの重量-洗濯前サンプルの重量)/(洗濯前サンプルの重量)×100
各回の脱水コース終了後の吸水率の値を図3に示す。
洗濯後脱水性評価は、次の基準で評価した。スラブ発泡品の比較例1及び実施例1~実施例3については、脱水後吸水率が120%未満の場合「◎」、120~185%未満の場合「〇」、185%以上の場合「×」とした。モールド発泡品の比較例2及び実施例4については、脱水後吸水率が90%未満の場合「◎」、90~95%未満の場合「〇」、95%以上の場合「×」とした。
24時間乾燥後吸水率は、2回目脱水コース終了後のサンプルを24時間室温(20~28℃を室温という。)で放置し、その後のサンプルの重量から吸水率を算出した。24時間乾燥後の吸水率は次式による。
24時間乾燥後の吸水率(%)=(24時間放置後のサンプルの重量)/(洗濯前のサンプルの重量)×100
24時間乾燥後の吸水率の値を図3に示す。
洗濯後乾燥性評価は、次の基準で評価した。スラブ発泡品の比較例1及び実施例1~実施例3については、24時間乾燥後吸水率が1%未満の場合「◎」、1~3%未満の場合「〇」、3%以上の場合「×」とした。モールド発泡品の比較例2及び実施例4については、24時間乾燥後吸水率が5%未満の場合「◎」、5~10%未満の場合「〇」、10%以上の場合「×」とした。
洗濯乾燥性総合評価は、洗濯後吸水性評価、洗濯後脱水性評価及び洗濯後乾燥性評価が「◎」のみ、または「◎」と「〇」のみからなる場合に洗濯乾燥性総合評価「◎」とし、洗濯後吸水性評価、洗濯後脱水性評価及び洗濯後乾燥性評価の全てが「〇」の場合に洗濯乾燥性総合評価「〇」とし、洗濯後吸水性評価、洗濯後脱水性評価及び洗濯後乾燥性評価に一つでも「×」がある場合に洗濯乾燥性総合評価「×」とした。
<スラブ発泡品の比較例1及び実施例1~3の結果>
・比較例1
比較例1は、ポリオール成分を石油由来ポリオール3の100質量部とし、植物油来ポリオールが0質量部の例である。
比較例1は、AMS法によるバイオマス度が1%、バイオマス度評価「×」、計算上のバイオマス度が0%、洗濯後吸水率248.4%、洗濯後吸水性評価「×」、脱水後吸水率193.3%、洗濯後脱水性評価「×」、24時間乾燥後吸水率3.95%、洗濯後乾燥性評価「×」、洗濯後乾燥性総合評価「×」であった。
・実施例1
実施例1は、ポリオール成分を、植物由来ポリオール1の60質量部、植物油来ポリオール2の20質量部、石油由来ポリオール3の20.45質量部で構成した例である。
実施例1は、AMS法によるバイオマス度が58%、バイオマス度評価「◎」、計算上のバイオマス度が53%、洗濯後吸水率169.9%、洗濯後吸水性評価「〇」、脱水後吸水率137.0%、洗濯後脱水性評価「〇」、24時間乾燥後吸水率0.06%、洗濯後乾燥性評価「◎」であり、洗濯後吸水率、脱水後吸水率及び24時間乾燥後吸水率の何れも比較例1よりも小になり、洗濯後乾燥性総合評価「◎」であった。
・実施例2
実施例2は、実施例1と同じ配合のポリオール組成物から形成されたポリウレタンフォームに対し、除膜処理を行って、セル膜を除去した例である。
実施例2は、ポリオール組成物の配合が同じである実施例1と同様の物性及びバイオマス度を示し、AMS法によるバイオマス度が57%、バイオマス度評価「◎」、計算上のバイオマス度が53%であった。
実施例2は、洗濯後吸水率136.0%、洗濯後吸水性評価「◎」、脱水後吸水率107.2%、洗濯後脱水性評価「◎」、24時間乾燥後吸水率0.06%、洗濯後乾燥性評価「◎」であり、洗濯後吸水率、脱水後吸水率及び24時間乾燥後吸水率の何れも比較例1よりも小になり、洗濯後乾燥性総合評価「◎」であった。なお、ポリウレタンフォームのセル膜が除去されたことにより、洗濯後吸水率、脱水後吸水率について、実施例1よりも小となり乾燥性が良好になった。
・実施例3
実施例3は、ポリオール成分を、植物由来ポリオール1の37質量部、石油由来ポリオール4の63質量部で構成した例である。
実施例3は、AMS法によるバイオマス度が28%、バイオマス度評価「〇」、計算上のバイオマス度が26%、洗濯後吸水率197.1%、洗濯後吸水性評価「〇」、脱水後吸水率184.7%、洗濯後脱水性評価「〇」、24時間乾燥後吸水率1.77%、洗濯後乾燥性評価「〇」であり、洗濯後吸水率、脱水後吸水率及び24時間乾燥後吸水率の何れも比較例1よりも小になり、洗濯後乾燥性総合評価「〇」であった。
<モールド発泡品の比較例2及び実施例4の結果>
・比較例2
比較例2は、ポリオール成分を石油由来ポリオール1の70質量部と石油由来ポリオール2の10質量部及び石油由来ポリオール3の20質量部で構成し、植物油来ポリオールが0質量部の例である。
比較例2は、計算上のバイオマス度が0%、洗濯後吸水率115.6%、洗濯後吸水性評価「×」、脱水後吸水率96.4%、洗濯後脱水性評価「◎」、24時間乾燥後吸水率13.7%、洗濯後乾燥性評価「×」、洗濯後乾燥性総合評価「×」であった。
・実施例4
実施例4は、ポリオール成分を、植物由来ポリオール1の22質量部、植物油来ポリオール2の17質量部、石油由来ポリオール1の51質量部、石油由来ポリオール2の10質量部で構成した例である。
実施例4は、AMS法によるバイオマス度が27%、バイオマス度評価「〇」、計算上のバイオマス度が23%、洗濯後吸水率94.0%、洗濯後吸水性評価「◎」、脱水後吸水率87.5%、洗濯後脱水性評価「◎」、24時間乾燥後吸水率4.1%、洗濯後乾燥性評価「◎」であり、洗濯後吸水率、脱水後吸水率及び24時間乾燥後吸水率の何れも比較例2よりも小になり、洗濯後乾燥性総合評価「◎」であった。
このように、本発明のポリウレタンフォームは、洗濯後の乾燥性が良好である。
なお、本発明は実施例に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
本発明のポリウレタンフォームは、洗濯後の乾燥性が良好であり、洗濯が行われる物品、例えばマットレスや枕などの寝具、座布団用クッションなどの家具、ブラジャー用パッドなどの衣料等に使用することができる。

Claims (2)

  1. ASTM D6866-20によって測定されるバイオマス度が24%以上であるポリウレタンフォーム。
  2. ポリオール成分、ポリイソシアネート、発泡剤を含むポリウレタンフォーム組成物から得られるポリウレタンフォームにおいて、
    前記ポリオール成分に植物由来ポリオールを含み、
    ASTM D6866-20によって測定されるバイオマス度が24%以上であることを特徴とするポリレウレタンフォーム。
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