JP2011068842A - ボールペン用油性インキ組成物 - Google Patents

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佳孝 森本
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Abstract

【課題】 筆記時にボールホルダー外周先端へのインキ付着が少なく、筆跡濃度の濃淡や筆跡の中央部にインキが乗らない現象のないボールペン用油性インキ組成物を提供するものである。
【解決手段】 ポリビニルカプロラクタムと、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体から選ばれる1種と、有機溶剤と、着色剤より少なくともなるボールペン用油性インキ組成物。
【選択図】 図1

Description

本発明は、筆記部材としてボールをボールホルダーの先端より一部突出して抱持した所謂ボールペンチップを使用したボールペンに好適に使用されるボールペン用油性インキ組成物に関する。さらに詳しく言えば、筆記時にボールホルダー外周先端へのインキ付着が少なく、筆跡濃度の濃淡や筆跡の中央部にインキが乗らない現象のないボールペン用油性インキ組成物を提供することである。
従来、ボールペン用油性インキ組成物は、着色剤と有機溶剤と樹脂等により構成されており、その筆記の機構は、主にボール表面に付着したインキがボールの回転に伴って、紙などの被筆記面に転写されるものである。ところで被筆記面へ転写されなかった余剰のインキは、ボールの回転と共にボールとボールホルダーの隙間に回収されるが、一部のインキはボールとボールホルダーの隙間に回収されず、ボールホルダーの外周の先端にインキが乗り上げてしまう。このボールホルダー外周の先端に乗り上げたインキは手や衣服、紙面に接触して周囲を汚す原因であり、さらに乗り上げたインキが徐々に蓄積し、重力や振動により紙面に落ちて所謂ボテが発生し、紙面を汚してしまう不具合を生じることがあった。
ボテを発生する原因となるボールホルダー外周先端へのインキ付着を防止するために、様々な研究がなされている。例えば、特定のポリビニルピロリドンを使用したもの(特許文献1、2、3、4参照)、ポリビニルピロリドンの誘導体を使用したもの(特許文献5参照)、特定のポリビニルピロリドンを使用し、粘度やせん断減粘性に関する数値や曳糸長を限定したもの(特許文献6、7参照)、ポリビニルピロリドンと他の添加剤を併用したもの(特許文献8、9、10)などがある。
特開平8−239616号公報 特開2001−139866号公報 特開2002−3771号公報 特開2002−3772号公報 特開平7−188601号公報 特開2001−139867号公報 特開平8−157765号公報 特開平10−219173号公報 特開平10−219174号公報 特開平11−246812号公報
インキ成分としてポリビニルピロリドンを使用し、ボテの発生を防ぐ程の凝集力をインキに持たせると、ボール上や紙面上でもインキが凝集するため、インキが均一に乗った筆跡となりにくく、筆跡濃度の濃淡や筆跡の中央部にインキが乗らないことが起こるものであった。
本発明の目的は、筆記時にボールホルダー外周先端へのインキ付着が少なく、筆跡濃度の濃淡や筆跡の中央部にインキが乗らない現象のないボールペン用油性インキ組成物を提供することである。
即ち、本発明は、ポリビニルカプロラクタムと、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体から選ばれる1種若しくは2種以上と、有機溶剤と、着色剤とを少なくとも含有するボールペン用油性インキ組成物を要旨とするものである。
ポリビニルカプロラクタムと、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体とは、静電的相互作用と疎水性相互作用の2つの作用により交互に繋がった長い樹脂鎖を形成すると考えられる。
この樹脂鎖は、ポリビニルカプロラクタム、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体の性質より、インキに凝集力を付与せずに強固な繋がりを発現するものである。よって、インキの強い繋がりによって、インキの一部がボールとボールホルダーの隙間に入ると、残りのインキ部分が樹脂鎖に引っ張られてボールとボールホルダーの隙間に引き込まれて回収し、ボールペンチップ表面へのインキ付着を抑制するものでありながら、筆跡として吐出された際には低い凝集力によってインキが均一に乗った筆跡を形成できるものである。
即ち、ポリビニルカプロラクタムは、アミド基と連続した5つのメチレン基とから構成される7員環構造の側鎖を持っており、5つのメチレン基により有機溶剤中で分子鎖が広く伸びて溶解し、さらにアミド基の分極により正電荷を示す。また、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体は、側鎖にカルボキシル基を持つ構造単位を有するアクリル酸、メタクリル酸と、側鎖にエステル結合で結合したアルキル基を持つ構成単位を有するアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルとの共重合体であり、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルの側鎖のアルキル基により有機溶剤中で分子鎖が広く伸びて溶解し、さらにアクリル酸、メタクリル酸の側鎖のカルボキシル基が分極して負電荷を示す。ポリビニルカプロラクタムとアクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体を併用することにより、ポリビニルカプロラクタムの側鎖の分極により生じる正電荷とアクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体の側鎖のカルボキシル基により生じる負電荷との間で静電的相互作用が働く。さらに、有機溶剤中で広く伸びたポリビニルカプロラクタムの側鎖の5つのメチレン基とアクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体の側鎖のアルキル基とが接近し、5つのメチレン基とアルキル基との間で疎水性相互作用が働く。
そして、このポリビニルカプロラクタムとアクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体とが繋がった長い樹脂鎖は、インキ全体に樹脂鎖が伸びるために、インキに凝集性を付与せずに強い繋がりを付与できる。このような繋がりの強さは、剪断速度が500s−1以上3000s−1以下(25℃)の範囲で5000Pa以上の第一法線応力として測定することができる。
また、インキの凝集力の程度は、インキの曳糸性でその程度を評価することができる。従来使用されているポリビニルピロリドン等を使用したインキは、ポリビニルピロリドンに起因する曳糸性によって、ボールペンチップ内にインキを回収し、ボールペンチップの表面にインキが付着することを抑制しようとするものであったが、そのボールペンチップ内にインキを回収できるほどの凝集力が反面筆跡の凝集による筆跡濃度の濃淡や筆跡の中央部にインキが乗らない現象も発生してしまっていたのに対し、本発明のインキでは、特定の樹脂を組み合わせ使用することによって、インキに凝集力を極力付与せずに強い繋がりを付与することができ、ボールペンチップの表面にインキが付着することを抑制しつつ、筆跡濃度の濃淡や筆跡の中央部にインキが乗らない現象を抑制するものとできたものである。
せん断応力と第1法線応力との関係図。 せん断応力と第1法線応力との関係図。 せん断応力と第1法線応力との関係図。 せん断応力と第1法線応力との関係図。 せん断応力と第1法線応力との関係図。
ポリビニルカプロラクタムは、市販されているものとしてはLuviskol Plus(BASFジャパン(株)製)、ACP−1198、INHIBEX101(以上、I
SPジャパン(株)製)等が挙げられる。
本発明で使用するアクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する、アクリル酸アルキルエステルの具体例としてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ノニル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸n−デシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ミリスチル、アクリル酸ペンタデシル、アクリル酸セチル、アクリル酸へプタデシル、アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
メタクリル酸アルキルエステルの具体例としてはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−ヘプチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−ノニル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸n−デシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ミリスチル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸へプタデシル、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。
これらの共重合体で市販品されているものとしては、Luvimer 100P(メタクリル酸−アクリル酸エチル−アクリル酸tert−ブチル共重合体)、Luvimer 30E(メタクリル酸−アクリル酸エチル−アクリル酸tert−ブチル共重合体)、Luviflex Soft(メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体)(以上、BASFジャパン(株)製)等が挙げられる。
本発明で使用するアクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体は、他の成分を含んでも良く、例えば、他の成分として、シリコーン、アクリルアミドを含むものが挙げられる。
シリコーンとは、オルガノポリシロキサンのことであり、シリコーンの具体例としては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、アルキル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン等の変性シリコーン、及びこれらの複合変性シリコーン、並びにその他の有機変性シリコーン、および、それらのシリコーンを含むコポリマー等が挙げられる。
これらのうち、市販されているものとしては、Luviflex Silk(メタクリル酸−アクリル酸tert−ブチル−ジメチコンポリオール共重合体)(BASFジャパン(株)製)等が挙げられる。
また、アクリルアミドの具体例としては、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドN,N−ジイソプロピルアクリルアミド、N,N−ジヘキシルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−エチルN−ヘキシルアクリルアミド、4-アクリロイルモルホリン等のN,N-ジアルキルアクリルアミドが挙げられる。
これらのうち、市販されているものとしては、Ultrahold 8(メタクリル酸−アクリル酸tert−ブチル−ジメチコンポリオール共重合体)、Ultrahold Strong(メタクリル酸−アクリル酸tert−ブチル−ジメチコンポリオール共重合体)(BASFジャパン(株)製)、アンフォーマーV−42(アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル−アルキルアクリルアミド共重合体)(日本エヌエスシー(株)製)、プラスサイズL−53(メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸アルキルエステル−ジアセトンアクリルアミド共重合体)(互応化学工業(株)製)等が挙げられる。
上記ポリビニルカプロラクタムとアクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体は、重量比が7:3〜3:7の範囲で使用することが好ましい。また、前記2種の樹脂の総量がインキ全量に対して2.5重量%以上〜15重量%以下の範囲で使用することが好ましい。
重量比が上記の範囲外である場合、ポリビニルカプロラクタムとアクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体の多い方は相互作用し合う相手がいないため、インキ中の分子鎖が繋がった状態の樹脂量が少なくなり、第一法線応力が十分働かない場合がある。
また、重量比が上記範囲内であっても樹脂の総量がインキ全量に対して2.5重量%より少ない場合、ポリビニルカプロラクタムとアクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体との間で働く第一法線応力が十分でない場合がある。
また、重量比が上記範囲内であっても樹脂の総量がインキ全量に対して15重量%より多い場合、インキ中の固形分が多くなりすぎ流動性が阻害されて、ポリビニルカプロラクタムとアクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体との間で働く第一法線応力が十分でない場合がある。
また、25℃における第一法線応力は、剪断速度が500s−1以上3000s−1以下の範囲で5000Pa以上が好ましい。より好ましくは第一法線応力が12500Pa以上であり、ポリビニルカプロラクタムとアクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体との繋がりが強くなり、その結果インキの繋がりもより強くなるため、ボールホルダー外周先端へのインキ付着を防止する性能が高くなると考えられる。
さらに、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体として、メタクリル酸−アクリル酸エチル−アクリル酸tert−ブチルの共重合体を使用すると特に良好なボールホルダー外周先端へのインキ付着防止効果が得られる。
その理由としては、次のように考えられる。メタクリル酸−アクリル酸エチル−アクリル酸tert−ブチルの共重合体は、アクリル酸エチル側鎖のエチル基およびアクリル酸tert−ブチル側鎖のtert−ブチル基の存在により有機溶剤中で分子が広がった状態になる。疎水性の大きいエチル基およびtert−ブチル基が接近し、強い疎水性相互作用を生じる。結果としてメタクリル酸−アクリル酸エチル−アクリル酸tert−ブチルの共重合体とポリビニルカプロラクタム間の繋がりが強くなり、第一法線応力が大きくなるためと考えられる。
また、従来からボールペン用油性インキに、定着性、分散性、粘度調整、耐水性などを付与する樹脂を添加することも出来る。例えば、ケトン樹脂、スルフォアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物、マレイン酸樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレンとアクリル酸又はそのエステルとの共重合体、エステルガム、キシレン樹脂、クマロン−インデン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン系樹脂やその水添化合物、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルキルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等が挙げられ、これらは単独もしくは複数種を併用することも出来る。合計の配合量は、インキ組成物全量に対して、0.1〜30重量%範囲が好ましい。
有機溶剤としては従来ボールペン用油性インキに使用されるものなら特に限定なく使用でき、特に、安全性や臭気の問題から、水やアルコール、グリコール、グリコールエーテルが好ましい。
アルコールの具体例としては、ベンジルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソドデシルアルコール、イソトリデシルアルコール等が使用できる。
グリコールの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。
グリコールエーテルの具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。
その他、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、N−メチル−2−ピロリドンなどが使用できる。
これらの溶剤は単独あるいは2種以上併用して使用することができ、使用量は全インキ組成物に対し35重量%〜80重量%が好ましい。
着色材は、従来ボールペン用油性インキ組成物に使用されている染料および/または顔料を用いることができる。
染料としては、従来公知の水溶性染料と油溶性染料を使用することが出来る。
水溶性染料の具体例としては、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.ダイレクトイエロー4、同26、同44、同50、C.I.ダイレクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15、同41、同71、同86、同87、同106、同108、同199等の直接染料や、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.アシッドイエロー1、同7、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49、同61、同72、同78、同110、同127、同135、同141、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同51、同52、同57、同82、同83、同87、同92、同94、同111、同129、同131、同138、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.アシッドバイオレット15、同17、同49、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、同23、同25、同40、同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同100、同103、同104、同112、同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、同27、C.I.アシッドオレンジ56等の酸性染料、C.I.フードイエロー3等の食用染料、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、ローダミンF4G(C.I.45160)、ローダミン6GCP(C.I.45160)等の塩基性染料等が挙げられる。
油溶性染料の具体例としては、ローダミンBベース(C.I.45170B、田岡染料製造(株)製)、ソルダンレッド3R(C.I.21260、中外化成(株)製)、メチルバイオレット2Bベース(C.I.42535B、米国、National Aniline Div.社製)、ビクトリアブルーF4R(C.I.42563B)、ニグロシンベースLK(C.I.50415)(以上、BASF社製、独国)、バリファーストイエロー#3104(C.I.13900A)、バリファーストイエロー#3105(C.I.18690)、オリエントスピリットブラックAB(C.I.50415)、バリファーストブラック#3804(C.I.12195)、バリファーストイエロー#1109、バリファーストオレンジ#2210、バリファーストレッド#1320、バリファーストブルー#1605、バリファーストバイオレット#1701、バリファーストバイオレット#1704、オイルブルー#613、オイルイエロ−#129、ニグロシンベースEX(以上、オリエント化学工業(株)製)、スピロンブラックGMHスペシャル、スピロンイエローC−2GH、スピロンイエローC−GNH、スピロンレッドC−GH、スピロンレッドC−BH、スピロンブルーBPNH、スピロンブルーC−RH、スピロンバイオレットC−RH、S.P.T.オレンジ6、S.P.T.ブルー111(以上、保土ヶ谷化学工業(株)製)等が挙げられる。
また、着色剤として顔料を用いる場合は、従来公知の有機顔料と無機顔料を使用することができる。
有機顔料の具体例としては、C.I.PIGMENT RED2、同3、同5、同17、同22、同38、同41、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:1、同63:2、同64:1、同88、同112、同122、同123、同144、同146、同149、同166、同168、同170、同176、同177、同178、同179、同180、同185、同190、同194、同202、同206、同207、同209、同216、同245、同254、同255、同256、同272、C.I.PIGMENT ORANGE 5、同10、同13、同16、同36、同40、同43、同61、同64、同71、同73、C.I.PIGMENT VIOLET 19、同23、同31、同33、同36、同37、同38、同50、C.I.PIGMENT BLUE 2、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同15:6、同16、同17、同22、同25、同60、同66、C.I.PIGMENT BROWN 23、同25、同26、C.I.PIGMENT YELLOW 1、同3、同12、同13、同24、同83、同93、同94、同95、同97、同99、同108、同109、同110、同117、同120、同128、同139、同147、同151、同153、同166、同167、同173、C.I.PIGMENT GREEN 7、同10、同36、同37、C.I.PIGMENT BLACK 7等の有機顔料等が挙げられる。
また、無機顔料として、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジ、酸化チタン等が挙げられる。
カーボンブラックの具体例としては、三菱カーボンブラック#10B、同#20B、同#14、同#30、同#33、同#40、同#44、同#45、同#45L、同#50、同#55、同#95、同#260、同#900、同#1000、同#2200B、同#2300、同#2350、同#2400B、同#2650、同#2700、同#4000B、同CF9、同MA8、同MA11、同MA77、同MA100、同MA220、同MA230、同MA600及びMCF88(以上、三菱化学(株)製)、モナーク120、モナーク700、モナーク800、モナーク880、モナーク1000、モナーク1100、モナーク1300、モナーク1400、モーガルL、リーガル99R、リーガル250R、リーガル300R、リーガル330R、リーガル400R、リーガル500及びリーガル660R(以上、米国、キャボット コーポレーション社製)、プリンテックスA、プリンテックスG、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス55、プリンテックス140U、プリンテックス140V、プリンテックス35、プリンテックス40、プリンテックス45、プリンテックスプリンテックス85、ナインペックス35、スペシャルブラック4,スペシャルブラック4A、スペシャルブラック5、スペシャルブラック6,スペシャルブラック100、スペシャルブラック250、スペシャルブラック350、スペシャルブラック550、カラーブラックFW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160及びカラーブラックS170(以上、デグサ ジャパン(株)製)、ラーベン5000ウルトラII、ラーベン2500ウルトラ、ラーベン1250、ラーベン760ウルトラ(以上、コロンビアカーボン日本(株)製)等が挙げられる。
これらの着色剤は、1種又は2種以上混合して使用することができ、使用量は全インキ組成物に対し3重量%〜50重量%が好ましい。
また、その他必要に応じてつぎのような添加剤を加えることができる。
pH調節剤として、アンモニア、尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリポリ燐酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなど炭酸やリン酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどアルカリ金属の水酸化物など、防腐剤もしくは防黴剤としては、フェノール、ナトリウムオマジン、ペンタクロロフェノールナトリウム、1,2‐ベンズイソチアゾリン3‐ワン、2,3,5,6‐テトラクロロ‐4(メチルスルフォニル)ピリジン、安息香酸ナトリウムなど安息香酸やソルビン酸やデヒドロ酢酸のアルカリ金属塩、ベンズイミダゾール系化合物など、防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、トリルトリアゾールなど、潤滑剤もしくは湿潤剤としては、ひまし油、ひまし油のポリオキシエチレン付加物、ポリオキシエチレンアルキルアミン、二硫化モリブデン、尿素、エチレン尿素、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどポリオキシエチレンやポリオキシプロピレンもしくはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンの誘導体、テトラグリセリルジステアレートなどグリセリンやジグリセリン或いはポリグリセリンの誘導体、ソルビタンモノオレートなどソルビタン誘導体、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどフッ素化アルキル基を有する界面活性剤、ジメチルポリシロキサンのポリエチレングリコール付加物などのポリエーテル変成シリコーン、などがあげられる。また、着色剤に顔料を用いた場合には、前述の湿潤剤として例示した界面活性剤も分散安定剤としての機能を有するが、高級脂肪酸アミドのアルキル化スルフォン酸塩、アルキルアリルスルフォン酸塩などのアニオン系界面活性剤や、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、アクリル酸共重合体、アクリルメタクリル酸系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂などの水溶性高分子を分散剤として用いることが好ましい。
本発明のボールペン用油性インキ組成物の調製は、従来公知のインキ組成物の製造方法を適用することができる。即ち、分散混合機で顔料を他の成分と共に分散させることによってボールペン用油性インキ組成物を得ることができる。なお、製造時、染料などの固形物を溶解させる為に加熱することや、顔料などの粗大粒子を除去する為にフィルターや遠心分離を用いることなどは特に好ましい方法である。
以下、本発明は実施例を示して具体的に説明する。
各実施例及び比較例における、第一法線応力及び粘度の測定は、VICOANALYSER VAR−100(Reologica社製、スウェーデン)にて測定した。測定条件は、温度25℃、剪断速度1s−1から剪断速度3000s−1、ディレイタイム5秒、積算時間5秒、20mmコーンプレート(1°)にて、第一法線応力(N1)として測定される。剪断速度500s−1、1000s−1、3000s−1のときの第一法線応力の値を読みとった。
ポリビニルカプロラクタム溶液A:
Luviskol Plus(ポリビニルカプロラクタム、40%エタノール溶液、BASFジャパン(株)製)を70℃72時間(開放系)で乾燥し、ペレット状とする。該乾燥ペレット25gとエチレングリコールモノフェニルエーテル75gとを、還流装置を付けた攪拌機にて80℃5時間攪拌して溶液Aとした。
ポリビニルカプロラクタム溶液B:
ACP―1198(ポリビニルカプロラクタム、40%〜44%のメタノール溶液、ISP ジャパン(株)製)を70℃72時間(開放系)で乾燥し、ペレット状とする。該乾燥ペレット25gとプロピレングリコールモノフェニルエーテル75gとを、還流装置を付けた攪拌機にて80℃5時間攪拌して溶液Bとした。
以下にインキ組成物の配合例を示す。なお、以下の配合数値は重量部を示す。
実施例1
オイルブラックHBB(染料、オリエント化学工業(株)製) 31.25
エチレングリコールモノフェニルエーテル 47.5
レジンSK(ケトン樹脂、デグサ・ヒュルス ジャパン(株)製) 2.5
ポリビニルカプロラクタム溶液A 15.0
Luvimer 100P(前述) 3.75
ポリビニルカプロラクタム溶液A以外の成分を60℃で2時間撹拌後、ポリビニルカプロラクタム溶液Aを添加しプロペラ撹拌機にて60℃で更に2時間撹拌して、黒色のボールペン用インキを得た。測定した第一法線応力の結果を図1に示す。500s−1では21600Pa、1000−1では43000Pa、3000s−1では139600Paであった。
実施例2
スピロンブラックGMHスペシャル(染料、保土ヶ谷化学工業(株)製) 12.0
バリファーストバイオレット1704(染料、オリエント化学工業(株)製)12.0
プロピレングリコールモノフェニルエーテル 26.4
ベンジルアルコール 15.0
ハイラック111(ケトン樹脂、日立化成工業(株)製) 15.0
ポリビニルカプロラクタム溶液A 16.8
Luviflex Soft(前述) 2.8
ポリビニルカプロラクタム溶液A以外の成分を60℃で2時間撹拌後、ポリビニルカプロラクタム溶液Aを添加しプロペラ撹拌機にて60℃で更に2時間撹拌して、黒色のボールペン用インキを得た。測定した第一法線応力の結果を図1に示す。500s−1では18500Pa、1000−1では38000Pa、3000s−1では112000Paであった。
実施例3
スピロンブラックGMHスペシャル(前述) 5.0
Printex 35(顔料、デグサ・ヒュルス ジャパン(株)製) 20.0
ソルスパース 20000(分散剤、日本ルーブリゾール(株)製) 9.0
エチレングリコールモノフェニルエーテル 29.5
ベンジルアルコール 10.0
レジンSK(前述) 10.0
ポリビニルカプロラクタム溶液B 12.0
Luvimer 100P(前述) 4.5
ポリビニルカプロラクタム溶液B以外の成分を60℃で2時間撹拌後、ポリビニルカプロラクタム溶液Bを添加しプロペラ撹拌機にて60℃で更に2時間撹拌して、黒色のボールペン用インキを得た。測定した第一法線応力の結果を図1に示す。500s−1では19700Pa、1000−1では41400Pa、3000s−1では182000Paであった。
実施例4
Special Black 4(顔料、デグサ・ヒュルス ジャパン(株)製)
28.0
ソルスパース 20000(前述) 12.0
プロピレングリコールモノフェニルエーテル 23.0
ベンジルアルコール 10.0
ハイラック111(ケトン樹脂、日立化成工業(株)製) 8.0
ポリビニルカプロラクタム溶液B 12.0
Luviflex Soft(前述) 7.0
ポリビニルカプロラクタム溶液B以外の成分を60℃で2時間撹拌後、ポリビニルカプロラクタム溶液Bを添加しプロペラ撹拌機にて60℃で更に2時間撹拌して、黒色のボールペン用インキを得た。測定した第一法線応力の結果を図1に示す。500s−1では12700Pa、1000−1では21400Pa、3000s−1では64000Paであった。
実施例5
C.I.Pigment Red 254 19.0
ソルスパース 20000(前述) 4.0
エチレングリコールモノフェニルエーテル 15.5
ベンジルグリコール 20.5
レジンSK(前述) 10.0
ポリビニルカプロラクタム溶液B 28.0
Luviflex Soft(前述) 3.0
ポリビニルカプロラクタム溶液B以外の成分を60℃で2時間撹拌後、ポリビニルカプロラクタム溶液Bを添加しプロペラ撹拌機にて60℃で更に2時間撹拌して、赤色のボールペン用インキを得た。測定した第一法線応力の結果を図2に示す。500s−1では12300Pa、1000−1では28600Pa、3000s−1では87800Paであった。
実施例6
オイルブラックHBB(前述) 31.25
エチレングリコールモノフェニルエーテル 47.65
レジンSK(前述) 2.5
ポリビニルカプロラクタム溶液A 16.8
Luvimer 100P(前述) 1.8
ポリビニルカプロラクタム溶液A以外の成分を60℃で2時間撹拌後、ポリビニルカプロラクタム溶液Aを添加しプロペラ撹拌機にて60℃で更に2時間撹拌して、黒色のボールペン用インキを得た。測定した第一法線応力の結果を図2に示す。500s−1では19500Pa、1000−1では38900Pa、3000s−1では128000Paであった。
実施例7
オイルブラックHBB(前述) 31.25
エチレングリコールモノフェニルエーテル 50.75
レジンSK(前述) 2.5
ポリビニルカプロラクタム溶液A 14.0
Luvimer 100P(前述) 1.5
ポリビニルカプロラクタム溶液A以外の成分を60℃で2時間撹拌後、ポリビニルカプロラクタム溶液Aを添加しプロペラ撹拌機にて60℃で更に2時間撹拌して、黒色のボールペン用インキを得た。測定した第一法線応力の結果を図2に示す。500s−1では23500Pa、1000−1では48000Pa、3000s−1では139000Paであった。
実施例8
オイルブラックHBB(前述) 31.25
エチレングリコールモノフェニルエーテル 47.5
レジンSK(前述) 2.5
ポリビニルカプロラクタム溶液A 15.0
Luviflex Silk(前述) 3.75
ポリビニルカプロラクタム溶液A以外の成分を60℃で2時間撹拌後、ポリビニルカプロラクタム溶液Aを添加しプロペラ撹拌機にて60℃で更に2時間撹拌して、黒色のボールペン用インキを得た。測定した第一法線応力の結果を図1に示す。500s−1では16600Pa、1000−1では35000Pa、3000s−1では90800Paであった。
実施例9
オイルブラックHBB(前述) 31.25
エチレングリコールモノフェニルエーテル 38.5
レジンSK(前述) 2.5
ポリビニルカプロラクタム溶液A 27.0
Ultrahold 8(前述) 0.75
ポリビニルカプロラクタム溶液A以外の成分を60℃で2時間撹拌後、ポリビニルカプロラクタム溶液Aを添加しプロペラ撹拌機にて60℃で更に2時間撹拌して、黒色のボールペン用インキを得た。測定した第一法線応力の結果を図3に示す。500s−1では7000Pa、1000−1では21000Pa、3000s−1では65000Paであった。
実施例10
オイルブラックHBB(前述) 31.25
エチレングリコールモノフェニルエーテル 56.5
レジンSK(前述) 2.5
ポリビニルカプロラクタム溶液A 3.0
Luviflex Silk(前述) 6.75
ポリビニルカプロラクタム溶液A以外の成分を60℃で2時間撹拌後、ポリビニルカプロラクタム溶液Aを添加しプロペラ撹拌機にて60℃で更に2時間撹拌して、黒色のボールペン用インキを得た。測定した第一法線応力の結果を図4に示す。500s−1では6500Pa、1000−1では27000Pa、3000s−1では68000Paであった。
比較例1
オイルブラックHBB(前述) 31.25
エチレングリコールモノフェニルエーテル 26.25
レジンSK(前述) 2.5
ポリビニルカプロラクタム溶液A 40.0
ポリビニルカプロラクタム溶液A以外の成分を60℃で2時間撹拌後、ポリビニルカプロラクタム溶液Aを添加しプロペラ撹拌機にて60℃で更に2時間撹拌して、黒色のボールペン用インキを得た。測定した第一法線応力の結果を図3に示す。500s−1では2700Pa、1000−1では4000Pa、3000s−1では8900Paであった。
比較例2
オイルブラックHBB(前述) 31.25
エチレングリコールモノフェニルエーテル 26.25
レジンSK(前述) 2.5
Luvimer 100P(前述) 10.0
上記の各成分の混合物を60℃で4時間撹拌して後、黒色のボールペン用インキを得た。
測定した第一法線応力の結果を図3に示す。500s−1では2100Pa、1000−1では3000Pa、3000s−1では6100Paであった。
比較例3
オイルブラックHBB(前述) 31.2
エチレングリコールモノフェニルエーテル 47.5
レジンSK(前述) 2.5
ポリビニルカプロラクタム溶液A 15.0
カーボポール940(ポリアクリル酸、日光ケミカルズ(株)製) 3.75
ポリビニルカプロラクタム溶液A以外の成分を60℃で2時間撹拌後、ポリビニルカプロラクタム溶液Aを添加しプロペラ撹拌機にて60℃で更に2時間撹拌して、黒色のボールペン用インキを得た。測定した第一法線応力の結果を図3に示す。500s−1では2300Pa、1000−1では3400Pa、3000s−1では7100Paであった。
比較例4
オイルブラックHBB(前述) 31.25
エチレングリコールモノフェニルエーテル 58.75
レジンSK(前述) 2.5
PVP K−15(ポリビニルピロリドン、ISP ジャパン(株)製)
3.75Luvimer 100P(前述) 3.75
上記の各成分の混合物を60℃で4時間撹拌して、黒色のボールペン用インキを得た。
測定した第一法線応力の結果を図4に示す。500s−1では4000Pa、1000−1では10500Pa、3000s−1では38000Paであった。
比較例5
H.C.ポリマー1S(ビニルピロリドン−4級化ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体、20%水溶液、大阪有機化学工業(株)製)を70℃72時間(開放系)で乾燥し、ペレット状とする。該乾燥ペレット10gとプロピレングリコールモノフェニルエーテル90gとを、還流装置を付けた攪拌機にて80℃5時間攪拌してビニルピロリドン−4級化ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体溶液とした。
オイルブラックHBB(染料、オリエント化学工業(株)製) 31.25
エチレングリコールモノフェニルエーテル 25.0
レジンSK(ケトン樹脂、デグサ・ヒュルス ジャパン(株)製) 2.5
ビニルピロリドン−4級化ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体溶液 37.5
Luvimer 100P(前述) 3.75
上記の各成分の混合物を60℃で4時間撹拌して、黒色のボールペン用インキを得た。
測定した第一法線応力の結果を図4に示す。500s−1では29000Pa、1000−1では55800Pa、3000s−1では157500Paであった
比較例6
オイルブラックHBB(染料、オリエント化学工業(株)製) 31.25
エチレングリコールモノフェニルエーテル 58.75
レジンSK(ケトン樹脂、デグサ・ヒュルス ジャパン(株)製) 2.5
エスレック BH−S(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 3.75
Luvimer 100P(前述) 3.75
上記の各成分の混合物を60℃で4時間撹拌して、黒色のボールペン用インキを得た。
測定した第一法線応力の結果を図4に示す。500s−1では3500Pa、1000−1では15400Pa、3000s−1では45200Paであった
試験サンプルの作成
上記実施例1〜7及び比較例1〜6で得た各ボールペン用インキを、直径0.7mmの超硬製のボールを、ステンレス製のボールホルダーにて、ボールホルダーの先端開口部より一部突出した状態で抱持したボールペンチップと、押出成形により成形したポリプロピレン製パイプとを接続したリフィル体を収容するノック式ボールペン(Rolly、製品符号BP127、ぺんてる(株)製)のインキ収容管に0.25g充填し、市販の遠心機(H−103NR、株式会社コクサン)を用い、回転速度1700rpmで10分間遠心を行い、試験用ボールペンサンプルとした。
インキ付着試験:実施例1〜7および比較例1〜6のインキを充填したボールペンサンプル各3本を、市販の螺旋式筆記試験機(MODEL TS−4C−20、精機工業研究所製)を用い、筆記速度7cm/sec、筆記角度70度、荷重150g、ボールペンサンプルを自転させ、JIS P3201筆記用紙Aに螺旋状の筆跡を200m連続筆記し、ボールホルダー外面に付着したインキの長さを顕微鏡にて観察してインキ付着の長さを測定し、3本での平均を算出した。尚、試験用ボールペンにおいて、ボールホルダーの開口部先端から、インキが付着している部分の、軸心方向の最大長さをインキ長とした。
筆跡濃淡試験:実施例1〜10および比較例1〜6のインキを充填した各ボールペンサンプルを螺旋式筆記試験機HST−10(HUTT社製)にて筆記速度4.5cm/sec、筆記角度75°、筆記荷重150g、紙送り速度2cm/secにて50m筆記する。紙送り速度を2cm/secに設定するのは、筆跡をきれいに隙間のない面塗り状態にする為であり、筆跡幅が小さくなると筆跡間に隙間ができ、中抜け現象も周辺の正常な筆跡部分との濃度差となり、小さな異常でも濃度ムラを確認しやすくする為である。得られた筆跡の濃度をY値(視感反射率)としてSMカラーコンピューター(スガ試験機(株)製)にて、4ヶ所測定(測定孔Φ5mmを使用)を行い、Y値の最大値と最小値との差を筆跡濃淡の値とした。
インキ凝集性評価:直径約10mmのガラス瓶にインキを入れ、インキ表面に接するように直径3mmの金属円盤を接触させる。インキ表面に接触している該金属円盤を垂直上方に2cm/分の速さで1cm引き上げて、静止させる。インキ表面と金属円盤の間に出来たインキ糸が切れるまでの時間を測定して、インキ凝集性の値とした。
Figure 2011068842
以上、詳細に説明したように本発明のボールペン用インキは、筆記中にボールペンチップの先端にインキが集まり、ボールホルダー外面にインキが付着する現象、いわゆるインキ付着が少なく、筆跡濃度の濃淡や筆跡の中央部にインキが乗らない現象のない良好なものである。

Claims (3)

  1. ポリビニルカプロラクタムと、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、メタクリル酸−メタクリル酸アルキルエステル共重合体から選ばれる1種と、有機溶剤と、着色剤とを少なくとも含有するボールペン用油性インキ組成物。
  2. 前記のポリビニルカプロラクタムとアクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体との重量比が7:3〜3:7の範囲で選択され、前記2種の樹脂の総量がインキ全量に対して2.5重量%以上15重量%以下である請求項1に記載のボールペン用油性インキ組成物。
  3. 上記メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体がメタクリル酸−アクリル酸エチル−アクリル酸tert−ブチルの共重合体である請求項1に記載のボールペン用油性インキ組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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