以下、本発明の実施形態を図1〜図9を用いて説明する。但し、各実施の形態に記載される構成、配置等の各要素は発明の範囲を限定せず、単なる説明例にすぎない。
(画像形成装置の概略)
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係る後処理装置100を取り付けた複合機200の概略を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る複合機200の一例を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の後処理装置100は、オプション装置として複合機200の左側面に取り付けられる。即ち、複合機200(画像形成装置に相当)は、後処理装置100を備える。後処理装置100は、複合機200が印刷した用紙を取り込み、穿孔処理やステープル処理等を行う。
複合機200の正面前方には、操作パネル1が設けられる。操作パネル1は、複合機200や後処理装置100の設定や動作指示を与えるためのメニューやキーを表示する液晶表示部10を有する。液晶表示部10は、タッチパネル式である。使用者は、液晶表示部10に表示されたキーを押下して、複合機200や後処理装置100の設定や動作指示を行える。例えば、使用者は、後処理装置100で穿孔処理やステープル処理を行う指示を入力できる。又、操作パネル1には、数字入力用のテンキー部11や、各種設定後、コピー等の実行を指示するスタートキー12等も設けられる。
(複合機200の構成)
次に、図1及び図2に基づき、本発明の実施形態に係る複合機200の構成を説明する。図2は、本発明の実施形態に係る複合機200の構成の一例を示す模型的正面断面図である。
本実施形態の複合機200は、上部に、画像読取部2aと原稿搬送装置2bが設けられる。複合機200は、本体内部に、給紙部3a、搬送路3b、画像形成部4a、定着部4b、用紙排出部3c等を備える。
原稿搬送装置2bは、読み取る原稿を載置する原稿トレイ21を有する。そして、原稿搬送装置2bは、原稿トレイ21から原稿を1枚ずつ、自動的に連続して読取位置(送り読取用コンタクトガラス22)に搬送する。又、原稿搬送装置2bは、図1の紙面奥側を支点として画像読取部2aに上下方向に開閉自在に取り付けられ、画像読取部2aのコンタクトガラス(送り読取用コンタクトガラス22及び載置読取用コンタクトガラス23)を上方から押さえるカバーとして機能する。
次に、画像読取部2aは、図1に示すように、箱形の筐体を有し、上面に送り読取用コンタクトガラス22と、書籍等の原稿を1枚ずつ読み取る際に原稿を載置する載置読取用コンタクトガラス23が配される。画像読取部2a内には、ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサ等(不図示)が配される。イメージセンサは、送り読取用コンタクトガラス22を通過する原稿、あるいは、載置読取用コンタクトガラス23に載置された原稿の反射光を元に、原稿を読み取る。そして、イメージセンサは、反射光を画像濃度に応じたアナログの電気信号に変換し、その後、量子化を行い画像データを得る。
複合機200本体内の給紙部3aは、複数のカセット31を含む(図2おいて、上方から31A、31B、31C、31Dの計4段)。各カセット31は、各サイズ(例えば、A4、B4等のA型、B型用紙等)、各種用紙(例えば、コピー用紙、再生紙、厚紙、OHPシート等)を複数枚収容する。各カセット31は、回転駆動する給紙ローラ32(図2おいて、上方から32A、32B、32C、32Dの計4本)を備え、印刷時、1枚ずつ搬送路3bに用紙を送り込む。
搬送路3bは、給紙部3aから排出トレイ33或いは後処理装置100まで、装置内で用紙を搬送する通路である。そして、搬送路3bには、用紙の案内のためのガイド板や、用紙搬送時に回転駆動する搬送ローラ対34(図2おいて、上方から34A、34B、34Cの計3つ)や、搬送される用紙を画像形成部4aの手前で待機させ、形成されたトナー像の転写タイミングを合わせ用紙を送り出すレジストローラ対35等が設けられる。
画像形成部4aは、図1中に示す矢印方向に回転駆動可能に支持された感光体ドラム41や、感光体ドラム41の周囲に配設された帯電装置42、露光装置43、現像装置44、転写ローラ45、清掃装置46等を備える。画像形成プロセスを説明すると、感光体ドラム41の右斜上方の帯電装置42は、所定方向に回転駆動する感光体ドラム41を所定電位に帯電させる。露光装置43は、図1において、帯電装置42の右側方に設けられ、画像データに基づき、レーザ光Lを点消灯しつつ出力し、感光体ドラム41表面を走査露光して画像データに応じた静電潜像を形成する。そして、図1において、感光体ドラム41の右斜下方の現像装置44は、感光体ドラム41に形成された静電潜像にトナーを供給して現像し、トナー像が形成される。
一方、感光体ドラム41の左方の転写ローラ45は感光体ドラム41に圧接し、ニップを形成する。そして、レジストローラ対35がタイミングを図り、用紙をニップに進入させる。用紙とトナー像のニップ進入時、転写ローラ45には所定の電圧が印加され、用紙に感光体ドラム41上のトナー像が転写される。清掃装置46は、転写後に感光体ドラム41に残留するトナー等を除去する。
定着部4bは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。定着部4bは、主として、発熱体を内蔵する加熱ローラ47とこれに圧接する加圧ローラ48で構成される。そして、用紙が、加熱ローラ47と加圧ローラ48のニップを通過すると、トナーが溶融・加熱され、トナー像が用紙に定着する。用紙は、用紙排出部3cに送られる。
用紙排出部3cは、印刷済の用紙を後処理装置100方向に送り出すための排出ローラ対36Aと、排出トレイ33方向に送り出すための排出ローラ対36Bを有する。各排出ローラ対36は、排出時回転駆動し、用紙を機外に排出する。又、用紙排出部3cは、用紙の搬送方向を切り替える切替弁37を有する。切替弁37は回動し、操作パネル1等で指定された排出先に向けて用紙を導く。
(後処理装置100の構成)
次に、図3に基づき、本発明の実施形態に係る後処理装置100の構成の一例を説明する。図3は、本発明の実施形態に係る後処理装置100の構成の一例を示す模型的正面断面図である。
図1に示すように、後処理装置100内に、用紙束Pを一時的にストックするストック部5、ストック部5の用紙束Pに対し、穿孔処理を行うパンチ部6、ストック部5の用紙束Pに対し、ステープル処理を行うステープル部7、中折ユニット77などが備えられる。ストック部5は複数枚の用紙を積み重ねて束としてストックする処理を行う。中折ユニット77は、中綴じステープル部78を含み、中綴じステープル部78による処理により中央綴じされた用紙束Pを中央でステープルに沿って折り曲げる。
具体的に、後処理装置100での各処理を説明する。まず、複合機200から後処理装置100に向けて排出された印刷済用紙は、後処理装置100の側面に設けられた搬入口101を通って後処理装置100内に搬入される。又、例えば、搬入口101近傍に、用紙の搬入を検知するための用紙センサ102(例えば、光センサや用紙の通過によってON/OFFされるスイッチ等)が設けられる。尚、用紙センサ102は、搬入口101近傍だけでなく、後処理装置100内の複数箇所に設けられても良い。
又、搬入口101の下流には、回転駆動して用紙を搬送する搬送ローラ対103、104と、用紙の搬送先にあわせて回動する案内爪105が設けられる。操作パネル1への入力等で、穿孔処理等を行う選択されている場合、案内爪105は、用紙を案内爪105下方のストック部5に送り込むように回動する。その結果、用紙は、ストック部5に向けて搬送される。尚、折曲処理を行う場合は、用紙は、ストック部5でストックされた後、更に下方の中折ユニット77に向けて搬送される。
一方、穿孔処理やステープル処理等を行う選択がなされていない場合(後処理装置100で何ら処理を行わせない場合)、案内爪105は、例えば、用紙を案内爪105の上方の排出ローラ対106に送り込むように回動する。その結果、用紙は、排出ローラ対106から、副排出トレイ107に排出される。
ストック部5について、更に説明する。穿孔処理やステープル処理等が選択されている場合、用紙はストック部5へと送られる。ストック部5はカバートレイ51及びストックトレイ52からなる。そして、搬送されてきた用紙は、カバートレイ51とストックトレイ52との間に通される。ストックトレイ52の上面に用紙が積み重ねられる。カバートレイ51は、用紙束Pを上方から押さえるカバーとして機能する。
そして、カバートレイ51には、例えば、パンチ部6が設けられる。パンチ部6は、用紙束Pに穿孔処理を行う。又、ストック部5の下方に隣接してステープル部7が設けられる。ステープル部7は、例えば、用紙束Pの先端の一方の隅を斜め45°に1箇所綴じる先端斜め綴じなどを行う。そして、ストック部5は、穿孔処理等が施された用紙束Pを上方へと搬送し、用紙束Pは、主排出トレイ108に排出される。
ストック部5の下方に、用紙束Pを中央綴じし、中央でステープルに沿って折り曲げる折曲処理を行うための中折ユニット77が配置される。操作パネル1への入力等で、折曲処理が選択されている場合、ストック部5で一旦ストックされた用紙束Pは、中折ユニット77に向けて搬送される。ストック部5から中折ユニット77の搬送経路の途中に、例えば、用紙束Pを中央綴じするための中綴じステープル部78が設けられる。中綴じステープル部78は、用紙束Pの長手方向の中央を短手方向に沿って、例えば、2箇所ステープルで綴じる中央綴じ等を行える。中央綴じされた用紙束Pは、中折ユニット77の突出棒79で折り曲げられた後、ブックレットトレイ109に排出される。
(ストック部5での用紙整合及び用紙搬送)
次に、図4に基づき、後処理装置100におけるストックトレイ52での用紙整合及び用紙搬送機構の概略について説明する。図4は、本実施形態に係る後処理装置100のストックトレイ52の用紙搬送機構を示す概略斜視図である。
図4に示すように、ストックトレイ52には、左右の一対の側板53a及び53bが設けられる。ストック部5に送られてきた用紙は、カバートレイ51とストックトレイ52との間を通って、その先端がストックトレイ52の断面略コの字状のストッパ54によりストックトレイ52の表面で受け止められる。
ストッパ54は、ストックトレイ52の幅方向の略中央に配置された無端状の第1ベルト55に2つに取り付けられる。例えば、一方のストッパ54から他方のストッパ54までの第1ベルト55上における距離が互いに等しくなるように取付けられる。尚、他方のストッパ54(図2では不可視)は、ストックトレイ52の裏面側(ストックトレイ52の下側)の基準位置で停止している。尚、基準位置には、ストッパ54の到達を検知するセンサ(不図示、例えば、ストッパ54に接するスイッチや光センサ等)が設けられる。ストッパ54は、使用される用紙のサイズに対応して、つまり用紙の上端が一定位置でストックされるように待機する。
ストックトレイ52には、上端部にプーリ56aが、下端部に回転軸56b(駆動回転軸)が設けられ、これらに第1ベルト55が掛け回される。下端部の回転軸56bには、モータM51の回転軸56cとの間に滑車ベルト56dが掛け回される。モータM51が正逆回転することにより、滑車ベルト56d及び回転軸56bを介して、第1ベルト55が正逆回転される。
また、ストックトレイ52の中央部よりも若干下方に回転軸57bが設けられる。プーリ57a及び回転軸57bには、ストックトレイ52の中心線に沿って配置された無端状の第2ベルト58が掛け回される(第1ベルト55のプーリ56aと、第2ベルト58のプーリ57aは、連動しない)。尚、ストックトレイ52の裏面側には、正逆回転自在に駆動される第2ベルト58に、整合部材59(図3参照)が外側に突出して取り付けられる。尚、図4では、ストックトレイ52の裏面側の基準位置で停止し、不可視である。尚、基準位置には整合部材59の到達を検知するセンサ(不図示、例えば、整合部材59に接するスイッチや光センサ等)が設けられる。
図3に示すように、整合部材59は、略T字型に形成され、第2ベルト58に直立する脚部59aと、脚部59aの先端にその長手方向の略中央が結合された頭部59bとを有する。脚部59aは、用紙の上端を押圧する。頭部59bは、用紙の上端が押圧時に脚部59aから落脱するのを規制する。第2ベルト58が掛け回された回転軸57b(駆動回転軸)は、モータM52により正逆回転自在に回転駆動され、これにより整合部材59が移動する。
整合部材59は、用紙の上端を軽く押圧し、用紙を揃える整合処理を行う。これにより、各用紙の端部が不揃いになることが防がれる。この動作は、用紙が1枚ストックされる毎に行われ、整合部材59は1枚押圧する毎に元の位置、即ち、ストックトレイ52の裏面側に戻される。これにより、ストックされる用紙の後端を揃えることができ、用紙束Pを整合性が高まり、穿孔処理やステープル処理などを的確に行える。
又、ストックトレイ52には、用紙を搬送方向に整合するための対をなす用紙ガイド50が設けられる。一対の用紙ガイド50は、ストックトレイ52の幅方向に並設される。ストックトレイ52の上端から中央近傍まで中心線に対して平行に延びている(尚、図3では記載を図示を省略)。各用紙ガイド50は、ストックトレイ52の幅方向に個別に移動可能に取り付けられる。各用紙ガイド50は、基本的に、使用される用紙のサイズに対応した位置で待機し、用紙がストックされたときに、水平方向に揺動し、用紙束Pを整合する。
上記のような機構により、用紙は、用紙束Pとしてストック部5にストックされる。その後、穿孔処理を行う場合、ストッパ54を上下動させ、用紙のサイズに合わせ、ストックされた用紙束Pを適切な位置に移動させ、その後、パンチ部6は、穿孔処理を行う。例えば、パンチ部6は、例えば、50枚程度の搬送可能な最も厚い用紙(機種により異なるが、例えば、100〜200g/m2程度)の用紙束Pに穿孔処理を行うことができる。
又、ステープル部7でステープル処理を行う場合、ストッパ54を上下動させ、用紙のサイズに合わせ、ストックされた用紙束Pをステープル処理を行う上で適切な位置に移動させる。その後、ステープル部7によりステープル処理が施される。例えば、ステープル部7は、例えば、40枚程度の搬送可能な最も厚い用紙(機種により異なるが、例えば、100〜200g/m2程度)の用紙束Pにステープル処理を行うことができる。ステープル処理が完了すると、第1ベルト55が用紙束Pを上方に搬送する方向に回転され、ストッパ54が用紙束Pの先端を上方に押し上げる。これにより、用紙束Pは、主排出トレイ108に排出される。
一方で、折曲処理が選択されている場合、折り曲げ処理を行う枚数分をストック後、第1ベルト55及び第2ベルト58が、再び用紙束Pを下方に搬送する方向に同期して回転する。用紙束Pはその下端をストッパ54に、上端を整合部材59に支持されつつ下方に搬送され、用紙束Pは中折ユニット77に送り出される(図1参照)。
(測距センサ8)
次に、図5に基づき、本発明の実施形態に係るパンチ部6及び測距センサ8の構成の一例を説明する。図5は、本発明の実施形態に係るパンチ部6近傍のストック部5を拡大した模型的断面図であり、(a)は、用紙がストックされていない状態の一例を示し、(b)は、用紙がストックされている状態の一例を示す。
図5に示すように、本実施形態の後処理装置100のパンチ部6は、カバートレイ51の下面に、ストックトレイ52に面して(カバートレイ51の下側に)設けられる。そして、カバートレイ51の下側に、ストック部5に対向して設けられ、ストック部5でストックされた用紙束Pの厚さを測定、把握するための測距センサ8が設けられる。
例えば、測距センサ8には、光センサによる三角測量方式のものを用いることができる。例えば、測距センサ8は、検知面(測定面81)に面して、発光部82と、反射光を受光する受光部83を有する(光路の一例を破線で図示)。発光部82は、距離の測定対象に向けて光を照射する。そして、発光部82からの光は、測定対象で拡散反射する。受光部83は、受光素子を位置検出素子として有する。又、受光部83には、受光レンズも設けられ、反射光は受光レンズによって受光素子上に結像される。又、測距センサ8は、測定対象の遠近によって、反射光の結像位置が異なることを利用する。例えば、反射光の結像位置により、測距センサ8から異なる電圧が出力される。測距センサ8の出力電圧は、例えば、後述の制御部9に入力される。制御部9は、この測距センサ8の出力電圧に基づき、測距センサ8から測定対象までの距離を把握する。
ここで、測距センサ8は、測距センサ8から押さえ部材84までの距離を測定する。図5(a)、(b)に示すように、押さえ部材84は、ストックトレイ52にストックされた用紙束Pを、用紙平面に対し、ほぼ垂直な方向から押さえる。これにより、押さえ部材84は、用紙束Pの浮き上がりを押さえる。ここで、図5(a)、(b)に示す押さえ部材84は、例えば、板状である。しかし、押さえ部材84は、棒状や角柱状、円柱状等、板状以外の形状でもよい。
そして、例えば、押さえ部材84は、カバートレイ51に取り付けられ、ストックトレイ52方向(用紙束方向)に付勢部材85(例えば、バネ等の弾性体)により付勢される。即ち、押さえ部材84は、測距センサ8の測定面81よりも前方に設けられ(測距センサ8とストックトレイ52の間に設けられ)、ストック部5に積み重ねられた用紙束Pを押さえる方向に付勢される。又、押さえ部材84は、押さえ部材84の上下方向の各端部が、ストックトレイ52から離れるように形成され、用紙のストックを妨げない。尚、図5(a)のように、付勢部材85で押さえ部材84を常時付勢させない構成としてもよい。例えば、押さえ部材84をカバートレイ51よりに(例えば、カバートレイ51に接するように)設けておく。そして、付勢部材85に変えてソレノイド等を設け、所望する時間だけストックトレイ52方向に移動させ、押さえ部材84が用紙束Pを押さえるようにしてもよい。これにより、測距センサ8で距離を測定、把握するときや、穿孔処理やステープル処理を行うときだけ、用紙束Pを押さえるようにすることができる。
又、例えば、図5(a)に示すように、ストック部5に用紙がストックされていなければ、測距センサ8と押さえ部材84の距離は遠くなる。言い換えると、測距センサ8と押さえ部材84の間隔は広くなる。一方、図5(b)に示すように、ストック部5に多数の用紙がストックされると、押さえ部材84とストックトレイ52表面の間の用紙が増え、測距センサ8と押さえ部材84の距離は近くなる。言い換えると、測距センサ8と押さえ部材84の間隔は狭くなる。
このように、測距センサ8から押さえ部材84までの距離と、ストックされた用紙束Pの厚さには対応する関係がある。具体的に、本実施形態の後処理装置100では、測距センサ8からストックトレイ52までの距離(図5にD1として図示)を一定とすると、用紙束Pの厚さTは、測距センサ8からストックトレイ52までの距離D1から、測距センサ8から押さえ部材84までの距離(図5にD2として図示)と、押さえ部材84自体の厚さを引けば求められる。ここで、押さえ部材84自体の厚さを定数とし、測距センサ8からストックトレイ52までの距離D1から押さえ部材84自体の厚さを引いた長さをD1’とおくと、用紙束Pの厚さTは、以下の式で容易に求められる。
用紙束Pの厚さT = D1’−D2
上記の式に示されるように、用紙束Pの厚さTは、測距センサ8から押さえ部材84までの距離に基づき、演算して把握することができる。
(穿孔処理及びステープル処理の設定)
次に、図6に基づき、本発明の実施形態に係る後処理装置100での穿孔処理及びステープル処理の設定の一例を説明する。図6は、本発明の実施形態に係る後処理装置100での穿孔処理及びステープル処理の設定画面の一例を示す説明図である。
図6は、操作パネル1の液晶表示部10でのコピーに関する設定画面の一例を示す。使用者は、操作パネル1の押下を複数回行い、最上層から下層に辿ることで、図6に示すパンチ/ステープル設定画面14を表示させることができる。そして、使用者は、パンチ/ステープル設定画面14で穿孔処理とステープル処理に関する設定を行うことができる。尚、複合機100をプリンタとして機能させる場合、外部のコンピュータ300で同様の入力画面を表示し、外部のコンピュータ300に対する使用者の入力した内容を示すデータを複合機100が受けるようにしてもよい。
まず、穿孔処理について説明する。穿孔処理に関し、パンチ/ステープル設定画面14のうち、上方のパンチ設定領域F1で設定することができる。パンチ設定領域F1には、例えば、実行キーK1と不実行キーK2が配される。使用者は、実行キーK1を押下することで、パンチ部6に穿孔処理を行わせることができる。一方、不実行キーK2が押下されると、パンチ部6は穿孔処理を行わない。ここで、ストックされた用紙束Pの厚さは、把握される。そして、印刷枚数が多い場合など、パンチ部6が穿孔処理可能な厚さを超えるほどストックされるとき、パンチ部6は、ストックされた用紙束Pの厚さが第1の所定厚に達するごとに穿孔処理を行う(詳細は後述)。
次に、ステープル処理について説明する。ステープル処理に関しては、パンチ/ステープル設定画面14のうち、下方のステープル設定領域F2で設定することができる。ステープル設定領域F2には、例えば、1点キーK3と非設定キーK4が配される。使用者は、1点キーK3を押下することで、ステープル部7にステープル処理を行わせることができる。又、1点キーK3の右方に配される左上キーK5と右上キーK6により、ステープルを行う位置を設定することができる。一方、非設定キーK4が押下されると、ステープル部7はステープル処理を行わない。
そして、ステープル設定領域F2の右方には、1部の書類の途中でステープルを認めるか否かを設定するための有キーK7と無キーK8が設けられる。一般に、ステープル処理は、資料や書類等をコピーや印刷した際に1部単位で綴るために行う。しかし、印刷済用紙の厚さや、1部あたりの枚数等により、1部の用紙束Pの厚さがステープル可能な厚さを超えてしまう場合がある。尚、ステープル処理に用いるステープル針等の要因により、ステープル可能な厚さは定まる。
ここで、ストックされた用紙束Pの厚さは、把握される。そして、ステープル部7がステープル処理可能な厚さを超えるほど用紙束Pがストックされる場合、ステープル部7は、有キーK7が押下されていれば、ストックされた用紙束Pの厚さが第2の所定厚に達するごとに、書類の全部がストックされていなくても(1部の用紙束Pの途中でも)、ステープル処理を行う(詳細は後述)。一方、無キーK8が押下されていれば、ステープル処理を行うことなく、用紙束Pは、主排出トレイ108に排出される。ステープル処理可能な厚さを超える用紙束Pにステープル処理を行っても、ステープル針の詰まり、用紙束Pの破れ等を招くだけであり、ステープル処理を行わないようにする。
尚、パンチ/ステープル設定画面14のうち、使用者は、OKキーK9を押下すれば設定を確定させることができる。その内容は操作パネル1から本体制御部201に送信される。一方、使用者はキャンセルキーK10を押下して設定をキャンセルできる。
(複合機200等のハードウェア構成)
次に、図7を用いて、本発明の実施形態に係る複合機200等のハードウェア構成の一例を説明する。図7は、本発明の実施形態に係る複合機200等のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
まず、複合機200本体側から説明する。複合機200本体内には、本体制御部201が設けられる。本体制御部201は、例えば、操作パネル1、原稿搬送装置2b、画像読取部2a、給紙部3a、搬送路3b、画像形成部4a、定着部4b、用紙排出部3c等と接続され、これらの制御を行う。
本体制御部201は、例えば、CPU202、記憶部203等で構成される。CPU202は記憶部203に格納され、展開される制御プログラムに基づき演算等を行い、複合機200の各部を制御する。記憶部203は、ROM、RAM、HDD等の不揮発性と揮発性の記憶装置を組み合わせて構成される。記憶部203は、複合機200の制御用プログラム、制御用データ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶できる。
そして、本体制御部201は、各種コネクタ、ソケットやFAXモデム等を備えたインターフェイス部(以下、I/F部204)と接続される。I/F部204はネットワークや公衆回線等により複数の外部のコンピュータ300(例えば、パーソナルコンピュータ)や相手方FAX装置400(図6では、いずれも便宜上1つのみ図示)と接続される。例えば、画像読取部2aで得られた画像データを外部のコンピュータ300や相手方FAX装置400に送信することができる(スキャナ機能、FAX機能)。又、外部のコンピュータ300や相手方FAX装置400から送信され、複合機200に入力される画像データに基づき印刷、FAX送信等を行うこともできる(プリンタ機能、FAX機能)。
又、本体制御部201は、操作パネル1になされた入力を認識し、使用者の設定にあわせてコピー等が行われるように複合機200を制御する。操作パネル1で、後処理装置100を利用する設定や、副排出トレイ107に排出させる設定がなされると、例えば、本体制御部201は、用紙排出部3cを制御し、印刷済用紙が後処理装置100に向けて搬送されるように、切替弁37を回動させる。
又、本体制御部201は、後処理装置100内に設けられ、後処理装置100の動作の制御を行う制御部9と通信可能に接続される。例えば、後処理装置100の制御部9は、パンチ部6やステープル部7の動作を制御するとともに、測距センサ8の出力に基づき、ストック部5でストックされた用紙束Pの厚さを把握する。そして、本体制御部201は、制御部9に操作パネル1でなされた後処理装置100に関する入力に基づき動作指示を与える。例えば、本体制御部201は、穿孔処理を行う旨や、ステープル処理を行うべき旨を制御部9に与える。
制御部9は、例えば、CPU91、記憶部92等で構成される。CPU91は記憶部92に格納され、展開される制御プログラムに基づき演算等を行い、後処理装置100の各部を制御する。記憶部92は、ROM、RAM等の不揮発性と揮発性の記憶装置を組み合わせて構成される。この記憶部92は、後処理装置100の制御用プログラム、制御用データ、設定データ等の各種データを記憶する。
例えば、制御部9は、用紙センサ102と接続され、後処理装置100への印刷済用紙の搬入を検知する。又、例えば、制御部9は、案内爪105を回動させるモータM11の回転を制御する。そして、制御部9からの指示にあわせ(例えば、副排出トレイ107への排出や、穿孔処理のためにストック部5への搬送等)、モータM11を正逆回転させ、用紙の搬送方向を制御する。
又、制御部9は、測距センサ8とも接続される。測距センサ8の出力(電圧)は、制御部9に入力される。例えば、CPU91のA/D変換ポートを利用し、CPU91は測距センサ8の出力電圧の値を把握する(別途、A/D変換器が制御部9に設けられても良い)。そして、制御部9は、測距センサ8の出力と測距センサ8と押さえ部材84の距離との対応関係を示すデータテーブルを参照し(例えば、データテーブルは記憶部92に記憶)、測距センサ8と押さえ部材84の距離を把握する。そして、例えば、制御部9のCPU91が、ストックされた用紙束Pの厚さを把握する。尚、測距センサ8と押さえ部材84の距離が分かれば、上述したように、ストックされた用紙束Pの厚さも把握できるので、データテーブルは、測距センサ8の出力とストックされた用紙束Pの厚さの対応関係を示すデータでも良い。いずれにしても、制御部9は、測距センサ8の出力に基づき、ストックされた用紙束Pの厚さを把握できる。
更に、後処理装置100内の制御部9はストック部5、パンチ部6、ステープル部7、中折ユニット77等と接続され、各部、各ユニットの制御を行う。例えば、制御部9は、ストック部5に設けられるストッパ54や整合部材59を動作させるモータM51やモータM52のON/OFFや回転方向を制御する。
又、制御部9は、パンチ部6の制御も行う。例えば、パンチ部6には、用紙に穴をあけるパンチ刃61が設けられる。そして、制御部9は、パンチ刃61を動かすモータM6への電力供給のON/OFFを制御する。穿孔処理を行うとき、制御部9は、モータM6を回転させ、用紙束Pに穴を開ける。尚、パンチ部6には、モータM6に供給する電力(例えば、電流の大きさを制御)を可変させる制御を行う電力制御部62が設けられる。例えば、制御部9は、測距センサ8の出力に基づき、用紙束Pが薄く、用紙の枚数が少なければ、用紙束Pが厚く、用紙の枚数が多い場合に比べ、モータM6に供給する電力(エネルギー)を減らしてモータM6を回転させる。又、制御部9は、ステープル部7や中折ユニット77等の制御を行うこともできる。例えば、ステープル部7の実際にステープル針で用紙束Pを綴じるステープラ71を動作させるモータM7を回転させる。これにより、ステープル針で用紙束Pが綴じられる。
(穿孔処理時の制御)
次に、図8に基づき、本発明の実施形態に係る後処理装置100での穿孔処理時の制御の一例を説明する。図8は、本発明の実施形態に係る後処理装置100での穿孔処理時の制御の一例を示すフローチャートである。
例えば、本制御は、穿孔処理を行う設定が操作パネル1でなされてコピーを行う場合や、外部のコンピュータ300から画像データや後処理装置100で穿孔処理を行う設定データ等を受け、複合機200が、プリンタとして機能する場合などに行われる。そのため、図8のスタートは、後処理装置100で穿孔処理を行う設定がなされたうえで、複合機200で印刷された用紙が後処理装置100に向けて搬送されたときである。
そして、搬入口101から印刷済用紙が、後処理装置100内に搬入される(ステップ♯1)。制御部9は、印刷済用紙の搬入を用紙センサ102で検知できる。尚、この後処理装置100への印刷済用紙の搬入は、複合機200本体で印刷ジョブが終了するまで継続する。そして、制御部9は、案内爪105等を制御し、印刷済用紙を後処理装置100内で搬送し、ストック部5にストックする(ステップ♯2)。
次に、測距センサ8によって、測距センサ8から押さえ部材84までの距離の測距が行われる(ステップ♯3)。そして、制御部9は測距センサ8の出力に基づき、ストック部5(ストックトレイ52)にストックされた用紙束Pの厚さを把握する(ステップ♯4)。即ち、制御部9は測距センサ8が測距センサ8から押さえ部材84までの距離を測定した出力に基づき、ストック部5でストックされた用紙束Pの厚さを把握する。
更に、制御部9は、後処理装置100に搬入された印刷済用紙の枚数(用紙センサ102で検知)等のデータを送受信する等により、本体制御部201と通信し、ジョブが完了していない等により、更に後処理装置100に搬入される印刷済用紙があるかを確認する。言い換えると、制御部9は、本体制御部201と通信し、更に印刷済用紙をストックする必要があるかを確認する(ステップ♯5)。
もし、複合機200本体で印刷が続き、更に印刷済用紙をストックする必要があれば(ステップ♯5のYes)、制御部9は、ストックされた用紙束Pが予め定められた第1の所定厚に達したかを確認する(ステップ♯6)。もし、ストックされた用紙束Pの厚さが、第1の所定厚に達していなければ(ステップ♯6のNo)、例えば、ステップ♯2に戻る。一方、ストックされた用紙束Pの厚さが、第1の所定厚に達していれば(ステップ♯6のYes)、制御部9は、パンチ部6に穿孔処理を行わせる(ステップ♯7)。即ち、制御部9は、ストックされた用紙束Pの厚さが、予め定められた第1の所定厚に達したとき、パンチ部6に用紙束Pの穿孔処理を行わせる。
このように、本実施形態の後処理装置100では、印刷済用紙の枚数ではなく、ストックされた用紙束Pが第1の所定厚に達すれば、穿孔処理が用紙束Pになされる。これにより、パンチ部6との穿孔能力(穿孔可能な用紙束Pの最大厚)ぎりぎりまで、用紙をストックした上で、穿孔処理を行うことができる。これにより、特に、薄手の用紙により印刷がなされた場合など、穿孔処理回数を可能な限り減らすことができ、消費電力や騒音を低減することができる。
ここで、第1の所定厚は、適宜設定できるが、適切に穿孔処理を行うためには、パンチ部6が穿孔処理可能な用紙束Pの限界厚さよりも小さくする必要がある。又、第1の所定厚をパンチ部6が穿孔処理可能な用紙束Pの限界厚さに近づければ近づけるほど(例えば、パンチ部6が穿孔処理可能な用紙束Pの限界厚さよりも、搬送可能な最も厚い用紙一枚、又は、数枚分ほど小さくする。例えば、2〜3枚分)、消費される電力や騒音を減らすことができる。
穿孔処理の後、制御部9は、ストッパ54を上方に向けて移動させ、用紙束Pは、主排出トレイ108に排出される(ステップ♯8)。その後、更に、穿孔処理を行うべき用紙が後処理装置100に搬送されてくるので、ステップ♯2に戻る。一方、第1の所定厚に達する前に複合機200本体で印刷が終了し、更に用紙をストックする必要がない場合がある(ステップ♯5のNo)。例えば、印刷ジョブの量が、ストックされる用紙束Pの厚さが第1の所定厚に到る程ではない場合や、第1の所定厚に到ったため、穿孔処理を行った後、残りの印刷済用紙をストックしても、第1の所定厚に到らなかった場合などが考えられる。
このとき、制御部9は、ストックされた用紙束Pの厚さに基づき、パンチ部6に供給する電力(エネルギー)を決定する(ステップ♯9)。即ち、制御部9は、パンチ部6に穿孔処理を行わせる際に、ストック部5でストックされた用紙束Pの厚さに応じて、パンチ部6に供給する電力を異ならせる。例えば、穿孔処理を行う用紙が2〜3枚であれば、パンチ部6に許容最大電力を供給しなくても、穿孔処理を行うことができる。従って、ストックされた用紙束Pが厚くなるに従って、パンチ部6に供給する電力を大きくする。例えば、ストックされた用紙束Pの厚さによって、パンチ部6に供給する電力を段階的に変化させる(例えば、10段階程度)。
そして、パンチ部6は、決定された電力の供給を受け、穿孔処理を行う(ステップ♯10)。その後、制御部9は、ストッパ54を上方に向けて移動させ、用紙束Pは、主排出トレイ108に排出される(ステップ♯11→エンド)。その後、後処理装置100での穿孔処理制御は終了する。
(ステープル処理時の制御)
次に、図9に基づき、本発明の実施形態に係る後処理装置100でのステープル処理時の制御の一例を説明する。図9は、本発明の実施形態に係る後処理装置100でのステープル処理時の制御の一例を示すフローチャートである。
例えば、本制御は、穿孔処理の時と同様、ステープル処理を行う設定が操作パネル1でなされてコピーを行う場合や、外部のコンピュータ300から画像データや後処理装置100でステープル処理を行う設定データ等を受け、複合機200が、プリンタとして機能する場合などに行われる。そのため、図9のスタートは、後処理装置100でステープル処理を行う設定がなされたうえで、複合機200で印刷された用紙が後処理装置100に向けて搬送されたときである。
ここで、ステップ♯21〜24については、図8で説明した、ステップ♯1〜4と同様であるので、説明を省略する。そして、制御部9は、ストックされた用紙束Pが予め定められた第2の所定厚に達したかを確認する(ステップ♯25)。もし、ストックされた用紙束Pの厚さが、第2の所定厚に達していれば(ステップ♯25のYes)、制御部9は、1部の用紙束P(書類)の全てがまだストックされていなくてもステープルを行う、途中ステープルを行ってよいか(途中ステープル可能か)を確認する(ステップ♯26)。具体的には、制御部9は、パンチ/ステープル設定画面14で、有キーK7が押されていたか確認する。
もし、途中ステープルを行っても良いならば(ステップ♯26のYes)、制御部9は、ステープル部7にステープル処理を行わせる(ステップ♯27)。即ち、制御部9は、ストックされた用紙束Pの厚さが、予め定められた第2の所定厚に達したとき、ステープル処理を行わせる。このように、本実施形態の後処理装置100では、印刷済用紙の枚数ではなく、ストックされた用紙束Pが第2の所定厚に達すれば、可能であれば、ステープル処理が用紙束Pになされる。これにより、ステープル部7とのステープル能力(ステープル可能な用紙束Pの最大厚)ぎりぎりまで、用紙をストックした上で、ステープル処理を行うことができる。従来ならページ数の制限でステープルできない場合でも、本実施形態の後処理装置100であればステープル可能となる場合があり、使用者の利便性が高い。又、薄手の用紙により印刷がなされても、ステープル処理回数を可能な限り減らすことができ、消費電力や騒音を低減することができる。
ここで、第2の所定厚は、適宜設定できるが、ステープル部7がステープル処理可能な用紙束Pの限界厚さよりも小さくする必要がある。又、第2の所定厚は、ステープル部7がステープル処理可能な用紙束Pの限界厚さに近づけるほど(例えば、ステープル部7がステープル処理可能な用紙束Pの限界厚さよりも、搬送可能な最も厚い用紙一枚、又は、数枚分ほど小さくする。例えば、2〜3枚分)、使用者の利便性が向上し、消費される電力や騒音を減らすことができる。
ステップ♯26でNoであれば、使用者の意思に基づき、制御部9は、ステープル部7にステープル処理を行わせないで、用紙束Pを主排出トレイ108に排出させる(ステップ♯28)。又、ステップ♯27の後も用紙束Pは、排出される(ステップ♯28)。一方、ストックされた用紙束Pの厚さが、第2の所定厚に達していなければ(ステップ♯25のNo)、制御部9は、1部の書類分の最終ページがストックされ、1部の書類分がストック済みかを確認する(ステップ♯29)。もし、1部の書類分としての用紙をストックしてなければ(ステップ♯29のNo)、例えば、ステップ♯22に戻る。一方、1部の書類分の用紙がストックされれば(ステップ♯29のYes)、制御部9は、ステープル部7にステープル処理させて良いか確認する(ステップ♯30)。
例えば、1部の書類分の全ての用紙をストックしても、用紙束Pの厚さが、第2の所定厚に達していなければ、適切にステープル処理を行えるので、制御部9は、ステープル処理して良いと判断する。又、例えば、途中ステープルが行われていれば、制御部9は、残りの用紙束Pについてもステープル処理を行ってもよいと判断する。又、例えば、例えば、途中ステープルが行われず主排出トレイ108への排出があれば、制御部9は、残りの用紙束Pについてステープル処理を行わないと判断する。尚、上記の例は一例であり、異なる判断がなされても良い。
制御部9は、ステープル処理させて良いと判断すれば(ステップ♯30のYes)、制御部9は、ステープル部7にステープル処理させる(ステップ♯31)。そして、制御部9は、ステープル済みの用紙束Pを主排出トレイ108に排出させる(ステップ♯28)。又、制御部9は、ステープル処理させないと判断した場合(ステップ♯30のNo)、例えば、ステップ♯28に移行する。
そして、ステップ♯28の後、制御部9は、用紙センサ102で検知した後処理装置100に搬入された印刷済用紙の枚数等のデータを送受信する等により、本体制御部201と通信を行って、ステープル処理を行うべき、更に後処理装置100に搬入される用紙があるかを確認する。言い換えると、制御部9は、本体制御部201と通信し、更に印刷済用紙をストックする必要があるかを確認する(ステップ♯32)。もし、ストックすべき印刷済用紙があれば(ステップ♯32のYes)、例えば、ステップ♯22に戻る。一方、ストックすべき印刷済用紙が無ければ(ステップ♯32のNo)、ステープル処理を行う必要はないので、本制御は終了する(エンド)。
このようにして、本実施形態の構成によれば、ストックされた用紙束Pの厚さが第1の所定厚を超えれば、パンチ部6は、穿孔処理を行う。いいかえると、用紙のストック枚数ではなく、用紙束Pの厚さを穿孔処理のトリガとするので、薄い紙が用いられた場合、用紙が規定枚数ストックされたからと言って、穿孔処理は行われない。従って、穿孔処理が行われる回数を減らすことができる。これにより、後処理装置100で消費される電力を減らすことができ、又、後処理装置100から生ずる騒音を減らすことができる。又、自動的にストックされた用紙束Pの厚さが把握され使用者には、何ら操作負担がない。
又、ストックされた用紙束Pの厚さが第2の所定厚を超えれば、ステープル部7は、ステープル処理を行う。いいかえると、用紙のストック枚数ではなく、用紙束Pの厚さをステープル処理のトリガとする。これにより、薄い紙が用いられた場合、従来よりも、ステープル処理を行う1部あたりの用紙の枚数を増やすことができる。従って、従来、1部あたりの枚数が、ステープル処理可能な枚数を超えるので、ステープル処理できないとされた枚数でも、ステープル処理できる場合があり、使用者の利便性が向上する。
規定枚数ストックされたからと言って、直ちにステープル処理は行われない。従って、ステープル処理が行われる回数を減らすことができる。これにより、後処理装置100で消費される電力を減らすことができ、又、後処理装置100から生ずる騒音を減らすことができる。又、自動的にストックされた用紙束Pの厚さが把握され、使用者には、何ら操作負担がない。
又、押さえ部材84が設けられ、制御部9は、測距センサ8が、測距センサ8から押さえ部材84までの距離を測定した結果に基づき、用紙束Pの厚さ把握される。従って、押さえ部材84は用紙束Pの各用紙の浮きを押さえるので、制御部9は、正確に用紙束Pの厚さを把握できる。又、第1の所定厚に達する前に、印刷が完了し、パンチ部6が穿孔処理を行う場合などに、ストック部5にストックされた用紙束Pの厚さに応じ、パンチ部6に供給する電力を異ならせる。例えば、ストックされた用紙束Pが薄いほど、パンチ部6に供給するエネルギーが少なくても、穿孔処理は容易に行える。従って、ストックされた用紙束Pの厚さに応じ、パンチ部6に供給する電力を減らすことで、後処理装置100の消費電力や騒音を減らすことができる。例えば、用紙束Pが薄いほど、パンチ部6に供給する電力を減らすようにする。又、従来よりも、消費電力が少なく、騒音が小さい画像形成装置を提供することができる。
次に、他の実施形態について説明する。上記では、測距センサとして三角測量方式の光センサを用いたが、例えば、超音波方式など、他の測距センサが用いられてもよい。又、上記の実施形態では、測距センサから押さえ部材までの距離を測定する例を示したが、測距センサから、押さえ部材に押さえられた用紙束のうち最も最上位の用紙までの距離を測定しても、ストックされた用紙束の厚さを把握することができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。