(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る画像形成システムの全体構成を模式的に示す説明図である。第1の実施形態に係る画像形成システムは、画像読取装置100と、画像形成装置200と、後処理装置300とを有する複写機である。
画像読取装置100は、画像形成装置200の上部に配置され、原稿に形成された画像を読み取って画像情報を取得する。この画像読取装置100は、原稿を移動させながら画像を読み取る自動原稿送り部を備えている。
画像形成装置200は、画像読取装置100によって取得された画像情報に基づいて用紙P上に画像を形成する。画像形成装置200は、感光ドラム1と、帯電部2と、像露光部3と、現像部4と、転写部5Aと、分離部5Bと、クリーニング装置6と、定着部8とを有する。
感光ドラム1は、帯電部2によりその表面が一様に帯電させられる。像露光部3は、レーザビームを感光ドラム1の表面に照射して、画像読取装置100により取得された画像情報に基づく露光走査を行う。これにより、一様に帯電した感光ドラム1の表面に潜像が形成される。現像部4は当該潜像を反転現像し、これにより、感光ドラム1の表面にトナー像が形成される。
用紙収納部7Aに収納された用紙Pは、転写部5Aへ給紙される。転写部5Aは、感光ドラム1の表面上のトナー像を用紙P上へ転写し、その後、分離部5Bは、トナー像が転写された用紙Pを感光ドラム1から分離する。中間搬送部7Bは、分離された用紙Pを定着部8へ搬送する。定着部8は、用紙Pに対して加熱定着処理を施す。排紙部7Cは、加熱定着処理が施された用紙Pを後処理装置300へ排出する。一方、クリーニング装置6は、転写部5Aによりトナー像が用紙P上へ転写された後の感光ドラム1の表面に残留しているトナーを除去する。
用紙Pの両面に画像形成を行う場合、定着部8により加熱定着処理された用紙Pは、搬送路切換板7Dにより、その搬送方向が排紙部7C側とは異なる反転搬送部7E側へと切替えられる。反転搬送部7Eは、用紙Pをスイッチバックすることにより表裏反転させ、再び、当該用紙Pを転写部5Aへ搬送する。転写部5Aは、用紙Pの裏面に画像を形成し、当該画像形成された用紙Pは、定着部8を経て、排紙部7Cから後処理装置300へ排出される。
図2は、後処理装置300の内部構成を模式的に示す説明図である。後処理装置300は、画像形成装置200から排出される用紙Pに対して、動作モードに応じた種々の後処理を行う装置である。この後処理装置300の動作モードとしては、画像形成装置200から排出された用紙Pに何ら処理を行うことなく排出するノーマルモード、画像形成装置200から排出される用紙Pを所定枚数積層した上で、用紙Pの端部近傍にステープルを行う端部綴じモード、および、画像形成装置200から排出される用紙Pを所定枚数積層した上で、これに中折り処理または中綴じ処理を施すことにより、冊子を作成する冊子モードが挙げられる。ここで、中折り処理は、所定枚数積層された用紙Pを中折り、すなわち、用紙中央部を境に二つ折りすることにより、冊子を作成する処理である。一方、中綴じ処理は、所定枚数積層された用紙Pに対して用紙中央部にステープルを行った後に、当該複数の用紙Pを中折りすることにより、冊子を作成する処理である。
本実施形態の特徴の一つは、後処理装置300が冊子モードで動作する場合において、冊子の外形サイズ(すなわち、用紙Pの半分のサイズ)以下のサイズの用紙を、冊子のページ間に挿入した状態で冊子を仕上げることである。以下、冊子のページ間に挿入する用紙を「挿入紙I」という。また、冊子のページ間に挿入する用紙(挿入紙I)との差異を明確にするため、便宜上、画像形成装置200から排出されて冊子のベースとなる用紙Pを「印刷紙P」という。なお、挿入紙Iおよび印刷紙Pを総称する場合には、単に用紙という。
この後処理装置300は、導入部10と、挿入紙供給ユニット20と、第1の中間スタッカ31と、端部綴じステープラ35と、第2の中間スタッカ41と、中綴じステープラ50と、中折り部55と、制御部81(図1および図2には図示せず)を主体に構成されている。
導入部10は、画像形成装置200から排出された印刷紙Pを後処理装置300の内部に導入する。導入部10は、画像形成装置200の排紙部7Cと位置的に対応するように、その位置が設定されている。
ここで、導入部10から導入された印刷紙Pに関する機内の搬送経路の概略について説明する。導入部10下流の搬送路は、第1の搬送路R1と第2の搬送路R2とに分岐しており、導入部10から導入された印刷紙Pは、切換ゲート(図示せず)の切り換えに応じて、第1の搬送路R1および第2の搬送路R2の一方に供給される。動作モードがノールモードまたは端部綴じモードの場合、切換ゲートは、第1の搬送路R1側に切り換えられ、動作モードが冊子モードの場合、切換ゲートは、第2の搬送路R2側に切り換えられる。第1の搬送路R1および第2の搬送路R2は、それぞれ多数の搬送ローラとガイド部材により構成されている。
第1の搬送路R1は、導入部10から導入された印刷紙Pを上段排紙トレイ60または第1の中間スタッカ31に搬送するための経路である。具体的には、第1の搬送路R1は、搬送路下流側において2系統の搬送路R11,R12に分岐しており、切換ゲート(図示せず)の切り換えに応じて、いずれか一方の系統の搬送路R11,R12を選択することができる。この切換ゲートは、動作モードがノーマルモードであって厚紙などの特殊な印刷紙Pを排出する場合には、一方の系統の搬送路R11側に切り換えられ、動作モードがノールモードであって通常の印刷紙Pを大量排紙する場合、または、動作モードが端部綴じモードの場合には、他方の系統の搬送路R12に切り換えられる。
第1の搬送路R1において一方の系統の搬送路R11を経て搬送される印刷紙Pは、機外上部に固定された上段排紙トレイ60に排出される。この上段排紙トレイ60は、用紙の積載量が少ないことから、少量排紙としての利用性が高い厚紙などの特殊な印刷紙Pを排出する際に利用される。
これに対して、第1の搬送路R1において他方の系統の搬送路R12を経て搬送される印刷紙Pは、第1の中間スタッカ31に排出される。動作モードがノーマルモードの場合、第1の中間スタッカ31に排出された印刷紙Pは、印刷紙Pが排出される毎に排紙ローラ61側へと押し出され、その後、排紙ローラ61によって中段排紙トレイ62に排出される。一方、動作モードが端部綴じモードの場合、第1の中間スタッカ31に排出された印刷紙Pは、所定枚数積層された上で端部綴じが行われる。その後、端部綴じが行われた複数の印刷紙Pは、排紙ローラ61側へと押し出され、排紙ローラ61によって中段排紙トレイ62に排出される。中段排紙トレイ62は、機外中段部に配置されており、大量排紙を可能にするために積載方向に移動することができるように構成されている。
第2の搬送路R2は、導入部10から導入された印刷紙P、または、後述する挿入紙供給ユニット20からの挿入紙Iを第2の中間スタッカ41に搬送するための経路である。第2の搬送路R2の最後段位置である、第2の搬送路R2の排紙部には排紙ローラ12が配置されている。この排紙ローラ12は、第2の中間スタッカ41の上方(具体的には、後述する用紙トレイ42の上面(用紙積載面)側)に配置されており、第2の搬送路R2を経て機内を搬送された印刷紙Pまたは挿入紙Iを用紙トレイ42に排出する。
第2の中間スタッカ41に排出された印刷紙Pおよび挿入紙Iは、冊子状の印刷紙Pのページ間に挿入紙Iが挿入された冊子として仕上げられ、当該冊子は、排紙ローラ63によって下段排紙トレイ64に排出される。下段排紙トレイ64は、機外下部に固定されている。
挿入紙供給ユニット20は、挿入紙Iを後処理装置300内に供給する機能を担っており、挿入紙載置部21と、用紙送り部22とから構成されている。挿入紙載置部21には、挿入紙Iが積層載置され、挿入紙載置部21に載置された挿入紙Iは、用紙送り部22によって最上面の一枚が取り込まれ、第3の搬送路R3に供給される。本実施形態では、二組の挿入紙載置部21および用紙送り部22が設けられており、個々の挿入紙載置部21に載置された挿入紙Iをそれぞれ供給することができるようになっている。
第3の搬送路R3は、多数の搬送ローラとガイド部材により構成されている。第3の搬送路R3は、用紙送り部22から供給された挿入紙Iを第2の搬送路R2へと搬送する。そして、第3の搬送路R3によって搬送された挿入紙Iは、導入部10から導入された印刷紙Pと同様に、第2の搬送路R2を経由して、第2の中間スタッカ41へと搬送される。
なお、後処理装置300に対する挿入紙Iの供給手法としては、挿入紙供給ユニット20を用いる以外にも、画像形成装置200を用いることも可能である。具体的には、画像形成装置200は、用紙収納部7Aの印刷紙Pとは異なる給紙トレイに挿入紙Iを収納しておき、後処理装置300へ印刷紙Pを順次排出する過程で、その中の一枚として挿入紙Iを介在させるといった如くである。そのため、挿入紙供給ユニット20は後処理装置300に対して選択的に取り付け可能な構成としてもよい。もっとも、ステッカーなどの糊付きの用紙のように、画像形成装置200内の定着部8を通過させることに適さないような用紙を挿入紙Iとして利用する場合には、挿入紙供給ユニット20を設けることにより、後処理装置300としての利便性の向上を図ることができる。
第1の中間スタッカ31は、用紙トレイ32と、後端規制部33と、整合部材34とで構成されている。用紙トレイ32は、第1の搬送路R1,R12を経て機内を搬送された印刷紙Pを載置するトレイである。以下、用紙トレイ32に用紙が載置される動作を説明するに当たり、排紙ローラ12から用紙トレイ32上へ用紙が排出された時において、用紙の搬送方向に対して先端側を用紙の先端、用紙搬送方向に対して後端側を用紙の後端という。また、用紙トレイ32に用紙が載置された状態において、用紙先端側に対応する用紙トレイ32の端部をトレイ先端といい、用紙後端側に対応する用紙トレイ32の端部をトレイ後端という(後述する第2の中間スタッカ41の用紙トレイ42においても同様)。
後端規制部33は、用紙トレイ32のトレイ後端側に設けられており、用紙トレイ32上に載置された印刷紙Pの後端が当接することで印刷紙Pの後端位置を整合する。また、後端規制部33は、必要に応じて、用紙トレイ32上をトレイ先端方向へと移動することで用紙トレイ32に載置された印刷紙Pを排紙ローラ61へと押し出すことができる。整合部材34は、例えば、回転することにより印刷紙Pの後端を後端規制部43に押し当てて印刷紙Pの後端位置を整合する。
端部綴じステープラ35は、用紙トレイ32上で整合された複数の印刷紙Pの端部近傍を、予め定めた位置および向きに従いステープルを施すことにより、端部綴じを行う。例えば、端部綴じステープラ35は、印刷紙Pの後端近傍において端部綴じを行う。端部綴じステープラ35によって端部が綴じられた複数の印刷紙Pは、排紙ローラ61により機外へと排出され、中段排紙トレイ62へ排出される。
第2の中間スタッカ41は、用紙トレイ42と、後端規制部43と、巻き戻し部44とを主体に構成されている。用紙トレイ42は、第2の搬送路R2を経て排紙ローラ12から排出される用紙を積載収容する。この用紙トレイ42に積載される用紙としては、画像形成装置200から排出される印刷紙Pと、挿入紙供給ユニット20(または画像形成装置200)から供給される挿入紙Iとが該当する。用紙トレイ42は、トレイ先端側がトレイ後端側よりも上方に位置するように傾斜した格好で配置されている。
用紙トレイ42において、トレイ後端側には、後端規制部43が配置されている。後端規制部43は、排紙ローラ12から排出された用紙の後端が当接することで用紙トレイ42に積載される用紙の後端位置を整合する。また、後端規制部43は、駆動手段(後述する後端駆動部83(図3参照))によって駆動されることにより、用紙トレイ42上をトレイ先端側へまたはトレイ後端側へ移動することができる。これにより、後端規制部43は、自身の移動に伴い用紙トレイ42に積載される用紙を移動させることができる。
本実施形態において、後端規制部43は、用紙に対する処理の形態に応じて、以下に示す3つのパターンの位置となるように、必要に応じて移動する。第1のパターンは、用紙トレイ42上に用紙(印刷紙Pおよび挿入紙I)を積載収容する際の位置であり、挿入紙Iの用紙サイズ(搬送方向の長さ)に応じて設定される。第2のパターンは、中綴じステープラ50によって中綴じを行う際の位置であり、印刷紙Pの用紙サイズを基準とした用紙の中央部が中綴じステープラ50のステープル位置と対応するように設定される。第3のパターンは、中折り部55によって中折りを行う際の位置であり、印刷紙Pの用紙サイズを基準とした用紙の中央部が中折り部55による中折り位置と対応するように設定される。
巻き戻し部44は、固定端を中心に上下方向に回動可能に構成された可動アームで構成されており、用紙トレイ42の上面側に配置されている。この巻き戻し部(可動アーム)44は、駆動手段(後述するアーム駆動部86(図3参照))によって駆動されることにより、排紙ローラ12から用紙が排出される度に、以下に示す動作を行う。具体的には、可動アームは、通常、用紙トレイ42から離間した上方位置(ホームポジション)にスタンバイしており、用紙トレイ42に用紙が排出されると、下方向(用紙トレイ42方向)へと回動する。可動アームが下方へと回動し、その先端部が第2の中間スタッカ41(用紙トレイ42)に積載されている最上面の用紙に押し当たることで、排出された用紙が後端規制部43側に付勢される。これにより、排出された用紙の後端に対する整合性が確保される。用紙に対する一連の付勢動作が終了すると、可動アームはホームポジションへと復帰する。
中綴じステープラ50は、用紙トレイ42のトレイ先端側に配置されており、用紙トレイ42上の印刷紙Pを基準として、用紙中央部にステープルを行い、これにより、中綴じを行う。中綴じステープラ50は、ドライバ51とクリンチャ52とで構成されており、この両ユニットは用紙トレイ42を介して対向配置されている。中綴じステープラ50は、ドライバ51が用紙にステープル(針)を刺入し、クリンチャ52がドライバ51によって印刷紙Pに刺入した針先を折り曲げる。これにより、印刷紙Pに対するステープルが行われる。なお、用紙トレイ42には、中綴じステープラ50によってステープルを行うためにステープルが挿入可能なスリット(図示せず)が形成されている。
中折り部55は、用紙トレイ42の略中央部に配置されており、用紙トレイ42上の印刷紙Pを基準として、中折りを行う。この中折り部55は、用紙トレイ42の下面(用紙積載面とは逆の面)側に配置される一対の折りローラ56と、一対の折りローラ56と対向するように用紙トレイ42の上面側に配置される折り板57とで構成される。一対の折りローラ56の軸方向および折り板57の配置方向は搬送方向に対して直交方向である。また、用紙トレイ42には中折りを行うために折り板57を挿入するスリット(図示せず)が形成されている。
一対の折りローラ56は、駆動手段(後述する折りローラ駆動部85(図3参照))によって駆動されることにより、互いの回転方向が向き合うように回転することができる。また、折り板57は、駆動手段(後述する折り板駆動部84(図3参照))によって駆動されることにより、用紙トレイ42に対して垂直方向に昇降動作することができる。この中折り部55により中折りを行う場合には、折り板57を下降させることで、用紙中央部を一対の折りローラ56の間に押し込み、かつ、当該ローラ56を矢印方向に回転させることで用紙を中折りする。中折りされた用紙は排紙ローラ63によって搬送され、機外の下段排紙トレイ64に排出される。
図3は、後処理装置300の機能的構成を示すブロック図であり、特に、冊子作成に関わる要部を示すブロック図である。制御部81は、後処理装置300を統合的に制御する機能を担っている。制御部81としては、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。この制御部81は、ROMに格納された制御プログラムに従い、各種の演算を行い、この演算結果に基づいて後処理装置300の動作状態を制御する。
具体的には、制御部81は、インターフェース部82を介して、画像形成装置200との間で信号の送受信を行うことができる。これにより、制御部81は、後処理装置300の動作モードや、挿入紙Iを挿入する位置(ページ間)、挿入紙Iを第2の搬送路R2に供給するタイミング、最終の印刷紙Pが排出されるタイミングといった動作に必要な種々の情報を取得することができる。
また、制御部81は、用紙トレイ42に対する挿入紙Iまたは印刷紙Pの排出タイミングを制御したり、各駆動部83〜86および中綴じステープラ50の動作をそれぞれ制御する。ここで、後端駆動部83は、後端規制部43をトレイ先端方向またはトレイ後端方向に駆動する。折り板駆動部84は、折り板57を昇降駆動し、折りローラ駆動部85は、一対の折りローラ56を回転駆動する。また、アーム駆動部86は、巻き戻し部(可動アーム)44を駆動する。
挿入紙サイズ検出部87は、例えば、挿入紙載置部21に設けられたセンサ(図示せず)などで構成されており、挿入紙供給ユニット20から供給される挿入紙Iの用紙サイズを検出する。また、印刷紙サイズ検出部88は、例えば、第2の搬送路R2に設けられたセンサ(図示せず)などで構成されており、画像形成装置200から供給される印刷紙Pの用紙サイズを検出する。なお、画像形成装置200との間で信号の送受信を行うことにより、印刷紙Pまたは挿入紙Iの用紙サイズの情報を取得することができる場合には、これらの検出部87,88を設ける必要は必ずしもない。
以下、挿入紙Iをページ間に挿入した冊子の作成にともなう後処理装置300の具体的な動作について説明する。ここでは、中綴じ処理により二枚の印刷紙Pによる冊子作成を例に挙げ、図5に示すように、冊子中央の見開きページではなく、一枚目の印刷紙Pと二枚目の印刷紙Pとで構成されるページ間に挿入紙Iを挿入するケースについて説明する。なお、図4は、説明の便宜上、図2に示す後処理装置300のうち、冊子作成に関わる要部のみを示している。また、同図は、括弧付きのアルファベットにて、処理の行程を時系列的に示しており、図4(a)のみに符号を記載して、その他のものについては符号の記載を省略している。
まず、制御部81は、画像形成装置200から信号を取得することにより、処理モードとして中綴じ処理による冊子モードである旨の情報、および、挿入紙Iの挿入位置に関する情報、挿入紙Iおよび印刷紙Pの用紙サイズに関する情報を取得する。なお、上述したように、挿入紙Iおよび印刷紙Pの用紙サイズは、装置構成に応じて、挿入紙サイズ検出部87および印刷紙サイズ検出部88からそれぞれ取得してもよい。
つぎに、図4(a)に示すように、制御部81は、後端駆動部83を制御して後端規制部43を移動させ、これにより、その位置を設定する。具体的には、制御部81は、二枚目の印刷紙Pが排紙ローラ12から用紙トレイ42に排出される際の印刷紙Pの後端位置が、用紙トレイ42に載置されている挿入紙Iの先端位置と後端規制部43との間(挿入紙Iの紙面上)に位置するように、挿入紙Iの用紙サイズに応じて後端規制部43の位置を設定する。この場合、実験やシミュレーションを通じ、後端規制部43の初期位置からの移動量を種々の用紙サイズの挿入紙Iに応じて予め算出しておき、挿入紙Iの用紙サイズと後端規制部43の移動量との対応関係を制御部81のROMに記憶させておく。そして、実際に用紙を積載する際には、制御部81は、当該ROMに記憶された対応関係と実際に挿入される挿入紙Iの用紙サイズとに基づいて後端駆動部83を制御し、用紙を積載する際の後端規制部43の位置を設定する。
つぎに、図4(b)に示すように、一枚目の印刷紙Pが、排紙ローラ12より用紙トレイ42に排出されると、制御部81は、図4(c)に示すように、アーム駆動部86を制御することにより、一枚目の印刷紙Pに対する付勢動作を行う。また、排紙ローラ12より挿入紙Iが用紙トレイ42に排出されると、制御部81は、図4(d)に示すように、アーム駆動部86を制御することにより、挿入紙Iに対する付勢動作を行う。そして、排紙ローラ12より、二枚目の印刷紙Pが用紙トレイ42に排出されると、制御部81は、図4(e)に示すように、アーム駆動部86を制御することにより、二枚目の印刷紙Pに対する付勢動作を行う。
つぎに、制御部81は、用紙トレイ42に積載された印刷紙Pを基準として、中綴じ処理の一過程である中綴じを行う。具体的には、図4(f)に示すように、制御部81は、後端駆動部83を制御して後端規制部43を移動させ、これにより、印刷紙Pの用紙サイズを基準とする用紙の中央部が中綴じステープラ50のステープル位置と対応するように、印刷紙Pの用紙サイズに応じて後端規制部43の位置を設定する。この場合も、実験やシミュレーションを通じ、後端規制部43の積載位置からの移動量を種々の用紙サイズの印刷紙Pに応じて予め算出しておき、印刷紙Pの用紙サイズと後端規制部43の移動量との対応関係を制御部81のROMに記憶させておく。そして、実際に中綴じを実行する際には、制御部81は、当該ROMに記憶された対応関係と、実際に中綴じを行う印刷紙Pの用紙サイズとに基づいて、後端規制部43の位置を設定する。この位置設定に伴い用紙トレイ42上に積載された用紙が移動し、印刷紙Pの中央部がステープル位置へと移動すると、制御部81は、中綴じステープラ50を制御して用紙にステープルを行う。
さらに、制御部81は、用紙トレイ42に積載された印刷紙Pを基準として、中綴じ処理の一過程である中折りを行う。具体的には、図4(g)に示すように、制御部81は、後端駆動部83を制御して後端規制部43を移動させ、これにより、印刷紙Pの用紙サイズを基準とした用紙の中央部が中折り部55の中折り位置と対応するように、印刷紙Pの用紙サイズに応じて後端規制部43の位置を設定する。この場合も、実験やシミュレーションを通じ、後端規制部43の中綴じ位置からの移動量を種々の用紙サイズの印刷紙Pに応じて予め算出しておき、印刷紙Pの用紙サイズと後端規制部43の移動量との対応関係を制御部81のROMに記憶させておく。そして、実際に中折りを実行する際には、制御部81は、当該ROMに記憶された対応関係と、実際に中折りを行う印刷紙Pの用紙サイズとに基づいて、後端規制部43の位置を設定する。また、制御部81は、かかる動作とともに、アーム駆動部86を制御することにより、巻き戻し部44を用いて用紙に対する付勢動作を行う。これにより、用紙トレイ42に載置された用紙が後端規制部43の移動に追従するようなアシストが行われる。このような後端規制部43および巻き戻し部44の動作により用紙が用紙トレイ42上を移動し、印刷紙Pの中央部が中折り位置へと移動する。
そして、図4(h)に示すように、制御部81は、折りローラ駆動部85を制御することにより、一対の折りローラ56を互いに向き合う方向に回転させるとともに、折り板駆動部84を制御することにより、折り板57を下降させる。これにより、折り板57により用紙の中央を一対の折りローラ56の間に押し込み、かつ、当該ローラ56の回転により用紙が中折りされる。ここで、折り板57は用紙トレイ42の上面側に配置されている関係上、この折り板57を下降することにより、中折りされた用紙(冊子)は、折り側の端部を下側にして一対の折りローラ56から排出される。一対の折りローラ56から排出された冊子は、排紙ローラ63によって搬送され、下段排紙トレイ64上に排出される。これにより、二枚の印刷紙Pのページ間に挿入紙Iが挿入された冊子が作成される。
このように本実施形態の後処理装置300によれば、図5に示すように、冊子のページの間に、その冊子サイズ以下の挿入紙Iを挿入した状態で冊子を仕上げることができる。従来技術においては、例えば、印刷紙Pと用紙サイズ違いの挿入紙Iとを用紙トレイ42に積載する場合、用紙積載時の後端規制部43と排紙ローラ12との位置関係によっては以下に示すような不都合が生じる可能性がある。具体的には、図6(a)に示すように、排紙ローラ12から用紙トレイ42に印刷紙Pが排出され、当該印刷紙Pが用紙トレイ42に積載されている用紙面に落下した際、印刷紙Pの後端位置が、用紙トレイ42に載置されている挿入紙Iの先端位置よりもトレイ先端側となるケースである。このケースでは、図6(b)に示すように、挿入紙Iの次に印刷紙Pが排出された場合、当該印刷紙Pはその用紙後端が挿入紙Iの先端よりも前方(用紙トレイ42の先端側)の位置に落下するが、この位置にある印刷紙Pを後端規制部43へと整合する際に、印刷紙Pの後端と挿入紙Iの先端とが干渉し、紙詰まりや、用紙間の整合不良を起こす可能性がある。
しかしながら、本実施形態によれば、用紙トレイ42へ印刷紙Pを積載(排出)する場合、挿入紙Iのサイズに応じて後端規制部43の位置が設定される。これにより、排紙ローラ12から用紙トレイ42に排出される印刷紙Pの後端位置は、図6(c)に示すように、用紙トレイ42に載置される挿入紙Iの先端位置と後端規制部43との間、すなわち、挿入紙Iの紙面上に落下する。そのため、挿入紙Iの先端と印刷紙Pの後端との干渉が抑制されることとなり、紙詰まりや整合不良を抑制しつつ用紙サイズが異なる印刷紙Pと挿入紙Iとを用紙トレイ42に積載収容することができる。その結果、用紙トレイ42に積載された用紙(印刷紙Pおよび挿入紙I)に処理を施すことが可能となり、挿入紙Iが冊子内のページに挿入された状態で冊子を仕上げることが可能となる。
また、本実施形態において、中折り部55において、折り板57は、用紙トレイ42を介して一対の折りローラ56と対向するように用紙トレイ42の上面側に配置される。印刷紙Pの中折りを行う場合には、折り板57を下降させて、用紙トレイ42に載置された印刷紙Pを一対の折りローラ56側へ押し込む。かかる構成によれば、中折りされた用紙(冊子)は、折り側の端部を下側にして一対の折りローラ56から排出されることとなる。このように、折り側の端部が下側となるように中折りを行うことにより、冊子の作成過程において、冊子内から挿入紙Iが抜け落ちるといった事態を抑制することができる。これにより、挿入紙Iを挿入した冊子の仕上がり精度の向上を図ることができる。
なお、上述したケースでは、中綴じ処理による冊子について、一枚目の印刷紙Pと二枚目の印刷紙Pとで構成されるページ間に挿入紙Iを挿入するケースについて説明した。しかしながら、本発明は、かかる形態に限定されるものではない。すなわち、冊子の作成形態、また、挿入紙Iの挿入形態には、以下に示すように、種々のバリエーションが考えられる。
[冊子形態:中綴じ処理による冊子,挿入形態:冊子中央の見開きページ間]
図7は、後処理装置300において冊子作成に関わる要部の動作を時系列的に示す説明図である。同図では、括弧付きのアルファベットにて、処理の行程を時系列的に示しており、図7(a)のみに符号を記載して、その他のものについて記載を省略している(後述する図8〜図10についても同様)。
まず、制御部81は、画像形成装置200から信号を取得することにより、処理モードとして中綴じ処理による冊子モードである旨の情報、および、挿入紙Iの挿入位置に関する情報、挿入紙Iおよび印刷紙Pの用紙サイズに関する情報を取得する。
つぎに、制御部81は、二枚目の印刷紙Pが排紙ローラ12から用紙トレイ42に排出される際の印刷紙Pの後端位置が、用紙トレイ42に載置されている挿入紙Iの先端位置と後端規制部43との間(挿入紙Iの紙面上)に位置するように、挿入紙Iの用紙サイズに応じて後端規制部43の位置を設定する。なお、挿入紙Iを冊子中央の見開きページ間に挿入する場合、用紙トレイ42には、最後の印刷紙(二枚目の印刷紙)Pの後に挿入紙Iが排出されることとなる。このケースでは、挿入紙Iと印刷紙Pとの干渉という事態を考慮する必要はないので、制御部81は、例えば、後端駆動部83を用紙積載時の標準位置に設定してもよい。
つぎに、一枚目の印刷紙Pが、排紙ローラ12より用紙トレイ42に排出されると、制御部81は、アーム駆動部86を制御することにより、一枚目の印刷紙Pに対する付勢動作を行う。そして、図7(a)に示すように、排紙ローラ12より、二枚目の印刷紙Pが用紙トレイ42に排出されると、制御部81は、アーム駆動部86を制御することにより、二枚目の印刷紙Pに対する付勢動作を行う。
つぎに、図7(b)に示すように、制御部81は、後端駆動部83を制御して後端規制部43を移動させ、これにより、印刷紙Pの中央部が中綴じステープラ50のステープル位置と対応するように、印刷紙Pの用紙サイズに応じて後端規制部43の位置を設定する。
そして、図7(c)に示すように、排紙ローラ12より、挿入紙Iが用紙トレイ42に排出される。制御部81は、後端駆動部83を制御して後端規制部43を移動させ、これにより、印刷紙Pの用紙サイズを基準とする用紙の中央部が中折り部55の中折り位置と対応するように、印刷紙Pの用紙サイズに応じて後端規制部43の位置を設定する。これとともに、制御部81は、アーム駆動部86を制御することにより、巻き戻し部44を用いた付勢動作を行う。これらの動作により、挿入紙Iに対する後端規制部43への付勢動作とともに、用紙トレイ42に載置された用紙が後端規制部43の移動に追従するようなアシストが行われる。これにより、用紙が用紙トレイ42上を移動し、印刷紙Pの中央部が中折り位置へと移動する。
その後、図7(d)に示すように、制御部81は、折りローラ駆動部85を制御することにより、一対の折りローラ56を互いに向き合う方向に回転させるとともに、折り板駆動部84を制御することにより、折り板57を下降させ、これにより、中折りを行う。
かかる手法によれば、挿入紙Iが冊子中央の見開きページ間に挿入されるという条件を考慮して、用紙トレイ42に挿入紙Iが排出されるよりも先行して、印刷紙Pに対する中綴じが行われる。かかる手法によれば、用紙トレイ42への挿入紙Iの排出および端部位置の整合と、用紙の折り位置までの移動とを一つの行程として実行することができる。これにより、冊子形成にともなうスループットの向上を図ることができる。
[冊子形態:中折り処理による冊子,挿入形態:冊子中央の見開きページ間]
図8は、後処理装置300において冊子作成に関わる要部の動作を時系列的に示す説明図である。まず、制御部81は、画像形成装置200から信号を取得することにより、処理モードとして中折り処理による冊子モードである旨の情報、および、挿入紙Iの挿入位置に関する情報、挿入紙Iおよび印刷紙Pの用紙サイズに関する情報を取得する。
つぎに、制御部81は、後端駆動部83を制御して後端規制部43を移動させ、これにより、その位置を設定する。具体的には、制御部81は、二枚目の印刷紙Pが排紙ローラ12から用紙トレイ42に排出される際の印刷紙Pの後端位置が、用紙トレイ42に載置されている挿入紙Iの先端位置と後端規制部43との間(挿入紙Iの紙面上)に位置するように、挿入紙Iの用紙サイズに応じて後端規制部43の位置を設定する。もっとも、上述した手法と同様、挿入紙Iを冊子中央の見開きページ間に挿入する場合、制御部81は、後端駆動部83を用紙積載時の標準位置に設定してもよい。
つぎに、一枚目の印刷紙Pが、排紙ローラ12より用紙トレイ42に排出されると、制御部81は、アーム駆動部86を制御することにより、一枚目の印刷紙Pに対する付勢動作を行う。そして、図8(a)に示すように、排紙ローラ12より、二枚目の印刷紙Pが用紙トレイ42に排出されると、制御部81は、アーム駆動部86を制御することにより、二枚目の印刷紙Pに対する付勢動作を行う。
つぎに、図8(b)に示すように、排紙ローラ12より、挿入紙Iが用紙トレイ42に排出される。制御部81は、後端駆動部83を制御して後端規制部43を移動させ、これにより、印刷紙Pの用紙サイズを基準とする用紙の中央部が中折り部55の中折り位置と対応するように、印刷紙Pの用紙サイズに応じて後端規制部43の位置を設定する。この場合も、実験やシミュレーションを通じ、後端規制部43の積載位置からの移動量を種々の用紙サイズの印刷紙Pに応じて予め算出しておき、印刷紙Pの用紙サイズと後端規制部43の移動量との対応関係を制御部81のROMに記憶させておく。そして、実際に中折りを実行する際には、制御部81は、当該ROMに記憶された対応関係と、実際に中折りを行う印刷紙Pの用紙サイズとに基づいて、後端規制部43の位置を設定する。これとともに、制御部81は、アーム駆動部86を制御することにより、巻き戻し部44を用いた付勢動作を行う。これらの動作により、挿入紙Iに対する後端規制部43への付勢動作とともに、用紙トレイ42に載置された用紙が後端規制部43の移動に追従するようなアシストが行われる。これにより、用紙が用紙トレイ42上を移動し、印刷紙Pの中央部が中折り位置へと移動する。
その後、図8(c)に示すように、制御部81は、折りローラ駆動部85を制御することにより、一対の折りローラ56を互いに向き合う方向に回転させるとともに、折り板駆動部84を制御することにより、折り板57を下降させ、これにより、中折りを行う。
かかる手法によれば、用紙トレイ42への挿入紙Iの排出および端部位置の整合と、用紙の折り位置までの移動とを一つの行程として実行することができる。これにより、冊子形成にともなうスループットの向上を図ることができる。
[冊子形態:中折り処理による冊子,挿入形態:一,二枚目の印刷紙Pのページ間]
図9は、後処理装置300において冊子作成に関わる要部の動作を時系列的に示す説明図である。なお、本ケースでは、印刷紙Pに対する中折り位置へ後端規制部43を移動させた場合、排紙ローラ12から用紙トレイ42に排出される用紙の後端位置が、用紙トレイ42に載置される挿入紙Iの先端位置と後端規制部43との間に位置することを前提として説明を行う。
まず、制御部81は、画像形成装置200から信号を取得することにより、処理モードとして中折り処理による冊子モードである旨の情報、および、挿入紙Iの挿入位置に関する情報、挿入紙Iおよび印刷紙Pの用紙サイズに関する情報を取得する。
つぎに、制御部81は、後端駆動部83を制御して後端規制部43を移動させ、これにより、用紙トレイ42に載置される印刷紙Pの中央部が中折り部55の中折り位置と対応するように、印刷紙Pの用紙サイズに応じて後端規制部43の位置を設定する。この場合、実験やシミュレーションを通じ、後端規制部43の初期位置からの移動量を種々の用紙サイズの挿入紙Iに応じて予め算出しておき、挿入紙Iの用紙サイズと後端規制部43の移動量との対応関係を制御部81のROMに記憶させておく。そして、実際に用紙を積載する際には、制御部81は、当該ROMに記憶された対応関係と実際に挿入される挿入紙Iの用紙サイズとに基づいて後端駆動部83を制御し、用紙を積載する際の後端規制部43の位置を設定する。
一枚目の印刷紙Pが、排紙ローラ12より用紙トレイ42に排出されると、制御部81は、アーム駆動部86を制御することにより、一枚目の印刷紙Pに対する付勢動作を行う。また、排紙ローラ12より、挿入紙Iが用紙トレイ42に排出されると、(a)に示すように、制御部81は、アーム駆動部86を制御することにより、挿入紙Iに対する付勢動作を行う。
つぎに、二枚目の印刷紙Pが用紙トレイ42に排出されると、制御部81は、(b)に示すように、アーム駆動部86を制御することにより、二枚目の印刷紙Pに対する付勢動作を行う。
そして、(c)に示すように、制御部81は、折りローラ駆動部85を制御することにより、一対の折りローラ56を互いに向き合う方向に回転させるとともに、折り板駆動部84を制御することにより、折り板57を下降させ、これにより、中折りを行う。
かかる手法によれば、用紙に対して中折りを行う位置で用紙の積載を行うことができる。そのため、用紙トレイ42へ用紙を積載してから、後端規制部43により用紙を移動することなく、そのまま中折りを行うことができる。これにより、冊子形成にともなう行程を少なくすることができるので、スループットの向上を図ることができる。
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態にかかる後処理装置300において冊子作成に関わる要部の動作を時系列的に示す説明図である。以下、本発明の第2の実施形態にかかる画像形成システムについて説明する。本実施形態にかかる画像形成システムが第1の実施形態のそれと相違する点は、後処理装置300の第2の中間スタッカ41に設けられる後端規制部45の構成である。具体的には、本実施形態にかかる後端規制部45は、用紙トレイ42に積載された用紙の後端をクランプするための可動部を備え、この可動部を駆動することにより、用紙トレイ42に載置された用紙を必要に応じてクランプすることができる。また、この後端規制部45は、第1の実施形態に示す後端規制部43と同様の機能も担っている。
以下、挿入紙Iをページ間に挿入した冊子の作成にともなう、本実施形態にかかる後処理装置300の具体的な動作について説明する。本ケースでは、中折り処理により二枚の印刷紙Pによる冊子作成を例に挙げ、図5に示すように、冊子中央の見開きページではなく、一枚目の印刷紙Pと二枚目の印刷紙Pとで構成されるページ間に挿入紙Iを挿入するケースについて説明する。
まず、制御部81は、画像形成装置200から信号を取得することにより、処理モードとして中折り処理による冊子モードである旨の情報、および、挿入紙Iの挿入位置に関する情報、挿入紙Iおよび印刷紙Pの用紙サイズに関する情報を取得する。
つぎに、制御部81は、二枚目の印刷紙Pが排紙ローラ12から用紙トレイ42に排出される際の印刷紙Pの後端位置が、用紙トレイ42に載置されている挿入紙Iの先端位置と後端規制部43との間(挿入紙Iの紙面上)に位置するように、挿入紙Iの用紙サイズに応じて後端規制部43の位置を設定する。
一枚目の印刷紙Pが、排紙ローラ12より用紙トレイ42に排出されると、制御部81は、アーム駆動部86を制御することにより、一枚目の印刷紙Pに対する付勢動作を行う。また、排紙ローラ12より、挿入紙Iが用紙トレイ42に排出されると、図10(a)に示すように、制御部81は、アーム駆動部86を制御することにより、挿入紙Iに対する付勢動作を行う。
そして、図10(b)に示すように、排紙ローラ12より、二枚目の印刷紙Pが用紙トレイ42に排出される。つぎに、図10(c)に示すように、制御部81は、後端駆動部83を制御することにより、後端規制部45の可動部を動作させて用紙トレイ42上の用紙をクランプしつつ、後端規制部43を移動させる。これにより、印刷紙Pの用紙サイズを基準とした用紙の中央部が中折り部55の中折り位置と対応するように、印刷紙Pの用紙サイズに応じて後端規制部43の位置を設定する。位置設定が終了すると、制御部81は、可動部による用紙のクランプを終了する。
その後、図10(d)に示すように、制御部81は、折りローラ駆動部85を制御することにより、一対の折りローラ56を互いに向き合う方向に回転させるとともに、折り板駆動部84を制御することにより、折り板57を下降させ、これにより、中折りを行う。
中折り処理により冊子形成を行う場合、用紙トレイ42において用紙を移動させる場合には、ステープルが施されていないため、個々の用紙を整合性よく移動できない可能性がある。しかしながら、本実施形態によれば、後端規制部45に用紙をクランプする可動部を設けたことにより、個々の用紙のばらつきを抑制した状態で用紙を移動させることができる。これにより、個々の用紙が整った状態で冊子を作成することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態にかかる画像形成システムについて説明する。本実施形態にかかる画像形成システムが、第1または第2の実施形態のそれと相違する点は、冊子内のページ間に挿入紙Iを挿入する位置に応じて、印刷紙Pに対する作画ページの順序を画像形成装置200にて変更することにある。
図11は、本実施形態にかかる処理の概念を説明する説明図である。上述した各実施形態で示したように、用紙トレイ42に載置される用紙は、後端規制部43によってその位置が整合される。そのため、印刷紙Pの後端側に対応するページ間には挿入紙Iを挿入することができるものの、用紙先端側に対応するページ間には挿入紙Iを挿入することができない。例えば、図11(a)に示すように、冊子において、2ページ目(図中「−2−」で示すページ)と、3ページ目(図中「−4−」で示すページの裏面側)との間、あるいは、4ページ目(図中「−4−」で示すページ)と、5ページ目(図中「−6−」で示すページの裏面側)との間に、挿入紙Iを挿入することはできる。しかしながら、冊子において、8ページ目(図中「−7−」で示すページの裏面側)と、9ページ目(図中「−9−」で示すページ)との間、あるいは、10ページ目(図中「−9−」で示すページの裏面側)と、11ページ目(図中「−11−」で示すページ)との間に、挿入紙Iを挿入することができないといった如くである。
そこで、本実施形態では、図11(b)に示すように、後処理装置300の用紙トレイ42に積載される印刷紙Pを基準として、挿入紙Iの挿入ページが後端規制部43側に位置するように、画像形成装置200にて印刷紙Pに対する作画ページの順序を変更する。これにより、後処理装置300では、通常の作画ページの順序では挿入することが不可能だったページ間にも挿入紙Iを挿入した上で冊子を作成することが可能となる。
以上、本発明の実施形態にかかる後処理装置およびその制御方法並びに画像形成システムについて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その発明の範囲内において種々の変形が可能であることはいうまでもない。例えば、上述した実施形態においては、挿入紙Iの用紙サイズに応じて後端規制部43を移動させる場合、用紙トレイ42に用紙が全く積載されていない段階で後端規制部43を移動させる構成について説明した。しかし、後端規制部43を移動させるタイミングは上記に限定されず、挿入紙Iの次に搬送されてくる印刷紙Pが排紙ローラ12から排出される前までであればいつでも構わない。