JP2011065196A - 使用済み印刷版の回収価格決定方法及び装置 - Google Patents

使用済み印刷版の回収価格決定方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】一般のアルミニウム回収価格の影響を受けない使用済み印刷版の回収価格及び印刷版の販売価格を算出する。
【解決手段】印刷版の出荷量を含む出荷データが顧客ごとに出荷データ記憶装置に記憶されている。使用済み印刷版の回収量を含む回収データが顧客毎に回収データ記憶装置に記憶されている。出荷データ及び回収データに基づいて、累積出荷量及び累積回収量を求める。累積回収量を累積出荷量で除することにより使用済み印刷版の回収率を求める。使用済み印刷版の回収率が一定の範囲内である場合には、顧客との間で予め設定された第1予定回収価格を用いて、使用済み印刷版の第1回収価格を求める。第1予定回収価格は、一般のアルミニウム回収価格の影響を受けない一定の価格である。
【選択図】図10

Description

本発明は、使用済み印刷版の回収価格を求める回収価格算出方法及び装置に関する。
印刷版の支持体には、アルミニウムが広く使用されている。このアルミニウムの支持体には、粗面化処理、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理、化学的粗面化処理、及びこれらを組み合わせた処理などによって、均一かつ緻密なくぼみ、いわゆるピットが形成されている。これにより、アルミニウムの支持体に上に形成される感光層との密着性を高めている。
均一かつ緻密なピットを形成するためには、印刷版の支持体のアルミニウム組成が高純度であることが必要である。そのため、支持体の原料として、アルミニウムの含有率が99.7%質量%以上であるアルミニウム母合金が用いられる。アルミニウム母合金は、感光層など印刷版の他の原料などと比べて価格が高い。そのため、印刷版の原料価格の大部分は、印刷版の支持体の原料価格で占められている。
そこで、印刷版の支持体の原料として、アルミニウム母合金と合わせて、使用済み印刷版を用いることによって、低コストに印刷版を製造する方法が提案されている(特許文献1及び2参照)。また、支持体のアルミニウム組成が異なる2種類の使用済み印刷版を原料として用いる印刷版の製造方法が提案されている(特許文献3参照)。
さらに、市販のアルミ缶などの低純度のアルミニウムも印刷版の支持体の原料として用いることによって、より低コストに印刷版を製造する方法が提案されている(特許文献4参照)。
特許3420817号公報 特開2000−351060号公報 特開2002−225449号公報 特開2002−331767号公報
上述のように、使用済み印刷版を印刷版の支持体の原料として用い、継続的に低コストで印刷版を製造するためには、効率的かつ確実に使用済み印刷版を回収するリサイクルシステム(以下「印刷版のリサイクルシステム」という)の構築が不可欠である。
しかしながら、現在のところ、アルミ缶などの低純度のアルミニウムをリサイクルするシステムは一般的ではあるものの、印刷版のリサイクルシステムのような高純度のアルミニウムをリサイクルするシステムは確立されていない。このため、使用済み印刷版の支持体は高純度のアルミニウムであるにも関わらず、アルミ缶などと同じように低純度の扱いで回収されており、使用済み印刷版の有効利用が図られていなかった。
また、現在における一般的なアルミニウムの回収価格は、アルミニウム母合金などのアルミニウム原材料の価格やアルミニウム新地金の市況価格に連動しており、その価格変動は非常に激しい。
したがって、仮に印刷版のリサイクルシステムを構築した場合に、一般的なアルミニウムの回収価格を使用済み印刷版の回収価格にそのまま適用してしまうと、回収価格が低額であるときには使用済み印刷版をリサイクルせずに保持しておき、回収価格が高額になったときにそれまでに保持しておいた使用済み印刷版をリサイクルに出すようなことが想定される。このような状況が頻発すると、一定期間に一定量の使用済み印刷版がリサイクルされないため、リサイクルを継続的に維持することができない。
本発明は、印刷版のリサイクルシステムの継続的な維持を図るために、一般のアルミニウム回収価格の影響を受けない使用済み印刷版の回収価格を決定する使用済み印刷版の回収価格算出方法及び装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、顧客から回収されるアルミニウム製の使用済み印刷版の回収価格を決定する使用済み印刷版の回収価格決定方法において、前記顧客毎に印刷版の出荷量を含む出荷データを出荷データ記憶部に記憶する出荷データ記憶工程と、前記顧客毎に前記使用済み印刷版の回収量を含む回収データを回収データ記憶部に記憶する回収データ記憶工程と、前記顧客ごとに予め設定されている単位回収量当たりの使用済み印刷版の予定回収価格を予定回収価格記憶部に記憶する予定回収価格記憶工程と、前記出荷データ、前記回収データ、及び前記予定回収価格に基づいて、前記使用済み印刷版の回収価格を決定する回収価格決定工程とを有することを特徴とする。
前記回収価格決定工程は、前記出荷データ記憶部からの出荷データ及び前記回収データ記憶部からの回収データに基づいて累積出荷量及び累積回収量を求め、これら累積出荷量に対する累積回収量の比率を前記使用済み印刷版の回収率として求める回収率算出工程を含み、前記回収率が一定範囲内にあるときに、前記使用済み印刷版の回収量に前記予定回収価格を乗じて、前記使用済み印刷版の回収価格を求めることが好ましい。前記一定範囲は顧客ごとに予め設定されていることが好ましい。
前記回収価格決定工程は、前記回収率が前記一定範囲外であるときに、前記使用済み印刷版が前記印刷版の支持体の原料として再利用可能であるか否かを判定する再利用可否判定工程を含み、前記使用済み印刷版が再利用可能であるときに、前記使用済み印刷版の回収量に前記予定回収価格を乗じて、前記使用済み印刷版の回収価格を求めることが好ましい。
前記再利用可否判定工程は、前記使用済み印刷版に付与された識別情報に基づいて、前記使用済み印刷版が前記印刷版の支持体の原料として再利用可能であるか否かを判定する第1の再利用可否判定工程を含むことが好ましい。
前記再利用可否判定工程は、前記使用済み印刷版を用いて再生インゴットを製造するインゴット製造工程と、前記再生インゴットの組成を分析する組成分析工程と、前記インゴットの組成が前記印刷版の支持体の原料として再利用可能なアルミニウム組成を有しているか否かを判定する第2再利用可否判定工程とを含むことが好ましい。
前記回収率が前記一定範囲外であるとき、又は前記使用済み印刷版が再利用不可であるときに、前記予定回収価格よりも低額な低回収価格を用いて、前記使用済み印刷版の回収価格を求めることが好ましい。
本発明は、顧客から回収されるアルミニウム製の使用済み印刷版の回収価格を決定する使用済み印刷版の回収価格決定装置において、前記顧客毎に印刷版の出荷量を含む出荷データを記憶する出荷データ記憶部と、前記顧客毎に前記使用済み印刷版の回収量を含む回収データを記憶する回収データ記憶部と、前記顧客ごとに予め設定されている単位回収量当たりの使用済み印刷版の予定回収価格を記憶する予定回収価格記憶部と、前記出荷データ、前記回収データ、及び前記予定回収価格に基づいて、前記使用済み印刷版の回収価格を決定する回収価格決定部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、印刷版の出荷量を含む出荷データを顧客毎に出荷データ記憶部に記憶し、使用済み印刷版の回収量を含む回収データを顧客毎に回収データ記憶部に記憶し、顧客毎に予め使用済み印刷版の予定回収価格を予定回収価格記憶部に記憶し、各記憶部に記憶した出荷データ、回収データ、予定回収価格に基づいて、使用済み印刷版の回収価格を決定することで、一般のアルミニウム回収価格の影響を受けない使用済み印刷版の回収価格を設定することができる。
出荷データ及び回収データに基づいて累積出荷量及び累積回収量を求め、これら累積出荷量に対する累積回収量の比率を使用済み印刷版の回収率として求め、この回収率が一定範囲内にあるときに、顧客との契約等により設定した予定回収価格を用いて、使用済み印刷版の回収価格を求め、この回収価格に相当する回収料金を顧客に提示することで、顧客は一定期間に一定量の使用済み印刷版をリサイクルに出すようになる。これにより、印刷版のリサイクルシステムの継続的な維持を図ることができる。
図1に示すように、本発明の第1実施形態の平版印刷版製造設備10では、アルミニウム合金からなるアルミニウム帯状体11に表面化処理、陽極酸化処理を各処理工程12,13で施して、平版印刷版支持体14を構成する。この平版印刷版支持体14に対し、必要に応じて下塗層、感光層が各塗布工程15,16で塗布され、その後に、ICタグ付与工程17が行われる。これにより、平版印刷版原版18(以下「印刷版」という)が構成される。その後に、印刷版18は一定の枚数ごとに梱包されて製品パック19とされる。
ICタグ付与工程17では、印刷版18の面のうち感光層がない部分または印刷に利用されない感光層部分、例えば印刷版の端面や周縁面などに、ICタグ18aが接着シールにより張り付けられる。ICタグ18aには、内蔵メモリに識別コード及び印刷版18の製造日を示す製造年月日データが記憶されている。識別コードの読み取りは、ICタグリーダ22を用いて電波や電磁波を介して行われる。本実施形態で用いるICタグ18aは小型化が図られており、ICタグリーダ22側からのアンテナにより非接触で電力が伝送されるタイプであり、電池を必要としない。
出荷時には、ICタグリーダ22によって印刷版18の識別コードが読み取られる。読み取られた識別コードと印刷版の仕様情報と出荷先の顧客名とは互いに関連付けられて、製品データとして製品データ入出力装置24に入力される。出荷先の顧客は複数の印刷業者である。また、仕様情報には、一枚当たりの支持体のアルミニウム含有率、一枚当たりの不純物含有率、一枚当たりの総重量の他に、印刷版の品種、サイズ、メーカ名、製品名、ロット番号などが含まれている。なお、出荷先は印刷業者に限る必要はなく、印刷版を使用する業者、例えば、新聞社、出版社などがある。
印刷版18の不純物としては、支持体14に含有されるCu、Si、Ti、Fe、Zn、Mnの合計6種類の不純物がある。なお、印刷版18の不純物として上記6種類の不純物を挙げたが、不純物の種類及び数はそれらに限る必要はない。また、不純物含有率は、使用済み印刷版に付着した塗布物やインクなどに含まれる金属、例えばシアンインクに含まれる銅などに影響されるが、本実施形態では、それら塗布物等の金属の影響を考慮しない。
製品データ入出力装置24に入力された製品データは、ネットワーク27を介して、製品データ管理サーバ28に出力される。製品データ管理サーバ28は、製品データ入出力装置から出力された製品データを、顧客毎に振り分ける。図2に示すように、顧客毎に振り分けられた製品データ26には、識別コードとその識別コードに対応する仕様情報が含まれている。また、製品データ管理サーバ28は、ネットワーク27を介して、顧客先の印刷設備30に設置の回収容器35の印刷版回収受付機40に、その顧客先の製品データ26を出力する。なお、図2では、仕様情報のうち、一枚当たりのアルミニウム含有率、一枚当たりの不純物含有率、一枚当たりの総重量のみを示している。
また、出荷時には、出荷単位ごとに、顧客名、印刷版の出荷量、出荷日を含む出荷データが出荷データ入出力装置25に入力される。出荷データ入出力装置25に入力された出荷データは、ネットワーク27を介して、取引管理サーバ29に出力される。
製品パック19は複数の印刷業者に納入される。複数の印刷業者のうちの一の印刷業者が有する印刷設備30では、印刷版18を用いて、画像露光・現像処理工程31で製版する。この製版を輪転機(図示省略)に取り付けて、印刷処理工程32で印刷する。印刷を終えた使用済み印刷版33は、回収容器35に廃棄される。
回収容器35は、パレット36と、このパレット36の上に載せられる金網ボックス37とから構成されており、パレット36が底板を構成している。また、金網ボックス37には、使用済み印刷版33の投入口37aが設けられている。また、投入口37aの近くには、印刷版回収受付機40が設けられている。
図3(A)に示すように、印刷版回収受付機40の内部には、投入検出部41、ICタグリーダ42、液晶ディスプレイ43、操作パネル44、アラーム45、プリンタ46、データ送受信部37、これらと相互に接続するコントローラ50が設けられている。データ送受信部47は無線によってネットワーク27と接続しており、製品データ管理サーバ28及び取引管理サーバ29とデータの通信が可能である。また、図3(B)に示すように、印刷版回収受付機40の前面には、液晶ディスプレイ43、操作パネル44、アラーム45、プリント排出口46aが露呈している。
コントローラ50はROM51を備えており、このROM51には使用済み印刷版の投入枚数を計数する投入枚数計数処理、投入された使用済み印刷版が再利用可能か否かを判定する第1判定処理、再利用可能な使用済み印刷版の枚数を計数する再利用可能枚数計数処理、回収容器単位(回収梱包単位)で使用済み印刷版のアルミニウム含有率を算出するアルミニウム含有率算出処理、回収容器単位で使用済み印刷版の不純物含有率を算出する不純物含有率算出処理、一定量の印刷版が投入された後に、回収容器単位でアルミニウム含有率が基準値を超えているか否かを判定する第2判定処理、第2判定処理の後に、回収容器単位で不純物含有率が基準値未満であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて回収容器単位で使用済み印刷版が再利用可能であるか否かを判定する第3判定処理を行うプログラムが記憶されている。なお、使用済み印刷版の不純物含有量を算出せずに、アルミニウム含有率のみで使用済み印刷版が再利用可能か否かを判定してもよい。
以下、図3に示すフローチャートを参照しながら、印刷版回収受付機40の作用について説明する。
投入検出部41は、使用済み印刷版33が投入口37aから投入されたことを検出すると、投入検出信号をコントローラ50に送信する。コントローラ50内には投入枚数カウンタ52が設けられており、投入検出信号に基づき、使用済み印刷版33の投入枚数を計数する。この投入枚数の値は液晶ディスプレイ43に表示される。液晶ディスプレイ43に表示の「投入枚数」の数値のうち、「/」に対して左の数値(図3(B)では「14」)は現時点の投入枚数を、「/」に対して右の数値(図3(B)では「50」)は回収容器の受け入れ許容枚数を示している。また、使用済み印刷版33が投入口37aを通過する際には、ICタグリーダ42により使用済み印刷版33のICタグから識別コード及び製造年月日データが読み取られる。読み取った識別コード及び製造年月日データは、コントローラ50に送られる。製造年月日データはRAM56に記憶される。
使用済み印刷版33が印刷版18の支持体として再利用可能なものか否かの判定は、コントローラ50内の製品データテーブル53及び照合部54を用いて行われる。製品データテーブル53はデータ送受信部47を介して製品データ管理サーバ28と同期しており、この同期により製品データテーブル53には最新の製品データ26が複数記憶されている。照合部54は、ICタグリーダ42により読み取った識別コードと、製品データテーブル53内の製品データに含まれる識別コードとの照合を行う。
照合の結果、識別コードが一致した場合には、投入された使用済み印刷版33が再利用可能と判定される。この場合には、再利用可能枚数カウンタ55に「1」が加算され、カウントアップされる。この再利用可能枚数の値は、液晶ディスプレイ43に表示される。
また、識別コードが一致した製品データ26からアルミニウム含有率及び総重量を参照し、これらを互いに乗じることにより使用済み印刷版33のアルミニウム含有量を求める。また、識別コードが一致した製品データ26から不純物含有率及び総重量を参照し、これらを互いに乗じることにより使用済み印刷版33の不純物含有量を求める。
一方、識別コードの照合の結果、識別コードが一致しなかった場合や、識別コードを読み取ることができなかった場合には、RAM56に記憶された低純度のアルミ製品の平均アルミニウム含有率及び平均的な印刷版の一枚当たりの総重量を参照し、これらを互いに乗じることにより使用済み印刷版33のアルミニウム含有量を求める。また、RAM56に記憶された低純度のアルミ製品の不純物含有率及び平均的な印刷版の一枚当たりの総重量を参照し、これらを互いに乗じることにより使用済み印刷版33の不純物含有量を求める。
求めたアルミニウム含有量、不純物含有量と製品データテーブル53及びRAM56で参照した総重量は積算部57においてそれぞれ積算され、これら積算値が現時点における回収容器単位の使用済み印刷版33のアルミニウム含有量、不純物含有量、及び総重量となる。そして、現時点のアルミニウム含有量の積算値を現時点の総重量で除することにより、現時点での回収容器単位の使用済み印刷版33のアルミニウム含有率が求められる。また、現時点の不純物含有量の積算値を現時点の総重量で除することにより、現時点での回収容器単位の使用済み印刷版33の不純物含有率が求められる。この回収容器単位のアルミニウム含有率及び不純物含有率は、液晶ディスプレイ43に表示される。
コントローラ50は、総投入枚数が受け入れ許容枚数に達した時点で、アラーム45を発し、オペレータに回収容器35が満杯になったことを知らせる。そして、この時点において、回収容器単位のアルミニウム含有率が基準値以上であり、且つ、回収容器単位の不純物含有率の全てが基準値未満である場合には、回収容器単位で使用済み印刷版が再利用可能であると判定される。アルミ含有率の基準値は、例えば、99.8%である。不純物含有率の基準値は、例えば、Cuが0.08%以下、Siが0.185%以下、Tiが0.08%以下、Feが0.7%以下、Znが0.05%以下、Mnが0.05%以下である。
一方、回収容器単位のアルミニウム含有率が一定値未満であり、又は、回収容器単位の不純物含有率のうち一つでも基準値を超えている場合には、回収容器単位で使用済み印刷版33が再利用不可と判定される。
回収容器単位での再利用か否かの判定が完了すると、RAM56に記憶された製造年月日データに基づいて、回収した使用済み印刷版の平均的な製造日(以下「平均製造日」という)を求める。平均製造日は、次のように求められる。例えば、使用済み印刷版が3枚あり、各使用済み印刷版の製造日が「2007/1/1」、「2007/2/1」、「2007/3/1」である場合には、それら製造日のうち中間の製造日「2007/2/1」が平均製造日となる。なお、平均製造日の求め方は、上記求め方に限る必要はない。
そして、顧客名、回収容器35をリサイクル設備60(図1参照)に送る日を示す回収日、平均製造日、総投入枚数を表す回収量、回収容器単位での再利用可否判定結果を含む回収データが回収データ作成部58により作成される。作成された回収データは、データ送受信部47を介して、取引管理サーバ29に出力される。また、回収データの内容がプリントされたラベルが、プリント排出口46aから排出される。そして、オペレータは、金網ボックス37を外し、金属バンド等を用いて使用済み印刷版33とパレット36とを結束する。このパレット36と結束した使用済み印刷版33に上記ラベルを張り付けて、使用済み印刷版33をリサイクル設備60に送る。なお、回収日は、回収容器をリサイクル設備に送った日に代えて、回収容器が満杯になった日としてもよい。
図1に示すように、リサイクル設備60では、まず、使用済み印刷版33の受け入れ検査工程61が行われる。この受け入れ検査工程61では、「再利用可能」のラベルが使用済み印刷版33に張り付けられている場合には、使用済み印刷版33を印刷版18の支持体のアルミニウム原料として再利用するアルミニウム支持体リサイクル工場60aに送る。一方、「再利用不可」のラベルが使用済み印刷版33に張り付けられている場合やラベルが張り付けられていない場合には、使用済み印刷版33を一般の低純度アルミニウムリサイクル工場60bに送る。
アルミニウム支持体リサイクル工場60aでは、まず、使用済み印刷版33のインゴット化工程62が行われる。使用済み印刷版18が溶解炉(図示省略)に回収容器単位で溶解された後に、その溶解したものを鋳造することにより再生インゴット63が製造される。
製造された再生インゴット63のうちのいくつか又は全部は抜き打ちされ、発光分析器などの組成分析装置(図示省略)により組成分析工程64が行われる。組成分析工程64では、再生インゴット63のアルミニウム含有率が測定される。測定した結果、再生インゴット63のアルミニウム含有率が、印刷版18の支持体の原料として再利用可能な含有率である場合には、再生インゴット63はアルミ圧延工程65に送られる。一方、再生インゴット63のアルミニウム含有率が印刷版の支持体の原料として再利用不可である含有率である場合には、再生インゴット63を一般の低純度のアルミニウムリサイクル工場60bに送る。
アルミ圧延工程65では、再生インゴット63に、アルミニウム含有率が99.7質量%以上の高純度アルミニウム66を加えたものを溶解して、圧延が容易なスラブを製造する。そして、このスラブを圧延して、印刷版18の支持体となるアルミニウム帯状体11を製造する。このアルミニウム帯状体11は、平版印刷版製造設備10に送られ、印刷版18の支持体としてリサイクルされる。なお、アルミ圧延工程では、高純度アルミニウムを加えずに、再生インゴットのみを溶解してスラブを鋳造してもよい。
図5に示すように、取引管理サーバ29は、出荷データ入出力装置25から出力された出荷データを管理する出荷データ管理装置70と、印刷版回収受付機40の回収データ作成部58から出力された回収データを管理する回収データ管理装置71と、顧客毎に予め設定されている使用済み印刷版33の一枚当たりの予定回収価格を記憶する予定回収価格記憶装置72と、予定回収価格の減額率を記憶する減額率記憶装置73と、使用済み印刷版33のリサイクル処理に要するリサイクル処理費用を記憶するリサイクル処理費用記憶装置74と、使用済み印刷版33の回収価格を求める回収価格算出装置75と、回収率設定範囲記憶装置76と、使用済み印刷版33の回収価格を考慮して印刷版18の販売価格を求める販売価格算出装置77を備えている。これら装置70〜77は互いに配線(図示省略)により接続し合っており、各装置間でデータの送受信が可能である。
出荷データ管理装置70は、出荷データを顧客毎に振り分ける。図6に示すように、顧客毎に振り分けられた出荷データ80には、印刷版の出荷日及び出荷量についてのデータが含まれている。回収データ管理装置71は、回収データを顧客毎に振り分ける。図7に示すように、顧客毎に振り分けられた回収データ81には、使用済み印刷版33の回収日、平均製造日、回収量、再利用可否についてのデータが含まれている。
予定回収価格記憶装置72は、図8に示すように、使用済み印刷版の一枚当たりの予定回収価格82を顧客毎に記憶している。予定回収価格82は、使用済み印刷版の回収価格を算出する際に基本となる価格であり、顧客との契約等により設定される価格である。この予定回収価格82は第1予定回収価格82aと、この第1予定回収価格82aよりも低額な第2予定回収価格82bと分けられる。なお、回収価格を使用済み印刷版の重量で求める場合には、予定回収価格を使用済み印刷版の単位重量当たりの価格としてもよい。
第1予定回収価格82aは、アルミニウム母合金などのアルミニウム原材料の価格やアルミニウム新地金の市況価格の影響により変動しない価格であり、一般の低純度のアルミニウム回収価格よりも高額に設定されている。第2予定回収価格82bは一般の低純度のアルミニウム回収価格と同等の価格である。
例えば、A社との契約により設定される第1予定回収価格82aは、印刷版の初回出荷時における印刷版18の支持体の原価(図8では「P(円/枚)」)に設定されている。また、B社の第1予定回収価格82aは、印刷版の初回回収時における印刷版18の支持体の原価(図8では「Q(円/枚)」)に設定されている。また、C社の第1予定回収価格82aは、契約により合意した一定の固定価格(図8では「R(円/枚)」に設定されている。また、A社、B社、及びC社の第2予定回収価格は、低純度のアルミニウム回収価格(図8では「X(円/枚)」に設定されている。
減額率記憶装置73は、図9に示すように、予定回収価格の減額率84を顧客毎に記憶している。この減額率84は初回回収時には「0」に設定されており、使用済み印刷版の回収率に応じて適宜更新される。例えば、A社の場合であれば減額率は「0」に、B社の場合であれば減額率は「0.1」に、C社の場合であれば減額率は「0.2」に設定されている。
リサイクル処理費用記憶装置74は、使用済み印刷版33の一枚当たりのリサイクル処理に要するリサイクル処理費用を記憶する。リサイクル処理費用には、使用済み印刷版33の運送に要する運送費、リサイクル処理前に使用済み印刷版33を一時的に保管するための保管費、使用済み印刷版33からインクを除去するためのインク除去費、再生インゴット63の組成判定などの検査を行うための検査費、使用済み印刷版33から再生インゴット63を製造するための溶解鋳造費などが含まれている。
以下、図10に示すフローチャートを参照しながら、ある顧客から特定の回収日(以下「特定回収日」という)に回収した使用済み印刷版33の回収価格を求める回収価格算出装置75の作用と、その回収価格を考慮して印刷版の実質販売価格を求める販売価格算出装置77の作用について説明する。
まず、出荷データ管理装置70に記憶した出荷データ80から、これまでに出荷した印刷版の累積出荷量を求める。また、回収データ管理装置71に記憶した回収データ81から、これまでに回収した使用済み印刷版の累積回収量を求める。そして、累積回収量を累積出荷量で除することにより、使用済み印刷版の回収率(累積回収量/累積出荷量)を求める。なお、累積出荷量としては、出荷データに含まれる出荷量の全てを総加算して得られる量の他に、例えば、特定回収日前の一定期間内の出荷日における出荷量を総加算して得られる量などがある。累積回収量についても、累積出荷量と同様の量としてもよい。また、累積出荷量及び回収量は、回収価格の算出毎にリセットしてもよいし、契約更新毎にリセットにしてもよい。
そして、求めた使用済み印刷版の回収率が設定範囲(以下「回収率設定範囲」という)内である場合には、第1予定回収価格82aを用いた第1回収価格算出処理に移行する。回収率設定範囲は、図11に示すように、顧客ごとに回収率設定範囲記憶装置77に記憶されている。
一方、回収率が回収率設定範囲外である場合には、回収データ81を参照して特定回収日の使用済み印刷版が再利用可能であるか否かの確認が行われるとともに、減額率記憶部73内の減額率に対して所定の値、例えば「0.05」が上乗せされる。そして、回収データ81を参照した結果、特定回収日の使用済みの印刷版が再利用可能である場合には、第1回収価格算出処理に移行する。一方、再利用不可である場合には、第2予定回収価格82bを用いた第2回収価格算出処理に移行する。
例えば、図6、図7、及び図11に示すように、A社の累積出荷量は「600枚」であり、累積回収量は「600枚」である。したがって、使用済み印刷版の回収率は、A社の回収率設定範囲(70〜100%)内の「100%」である。また、B社の累積出荷量は「1000枚」であり、累積回収量は「900枚」である。したがって、使用済み印刷版の回収率は、B社の回収率設定範囲(80〜100%)内の「90%」である。A社及びB社については、以下に示す第1回収価格算出処理により、特定回収日に回収した使用済み印刷版の第1回収価格を求める。
一方、C社の累積出荷量は「300枚」であり、累積回収量は「400枚」である。したがって、使用済み印刷版の回収率は、C社の回収率設定範囲(90〜100%)外の「約133%」である。そのため、C社については、C社の回収データ81を参照して特定回収日の使用済み印刷版が再利用可能であるか否かの確認が行われるとともに、減額率記憶部内のC社の減額率「0.2」に「0.05」が上乗せされ、減額率が「0.25」に更新される。
ここで、C社の特定回収日が「2007/7/1」である場合には、その特定回収日の使用済み印刷版は再利用不可である。そのため、C社については、以下に示す第2回収価格算出処理により、特定回収日に回収した使用済み印刷版の第2回収価格を求める。
第1回収価格算出処理では、ある顧客の使用済み印刷版の第1回収価格を求める際に、予定回収価格記憶装置72内の予定回収価格82からその顧客の第1予定回収価格82aを特定し、減額率記憶装置73内の減額率84からその顧客の減額率84を特定し、その顧客の回収データ81から特定回収日における回収量を特定するとともに、リサイクル処理費用記憶装置74に記憶したリサイクル処理費用を参照する。そして、以下の式により第1回収価格を求める。
(第1回収価格)=
((第1予定回収価格)−(リサイクル処理費用))×(1−(減額率))×(回収量)
次に、求めた第1回収価格が、使用済み印刷版33をリサイクルに出す顧客及び印刷版18を製造するメーカーの双方にとって適正な回収価格か否かを、以下の式を用いて判定する。
(式1):
(第1回収価格)>(回収日の低純度アルミニウム回収価格(円/枚))×(回収量)
(式2):
(第1回収価格)<(回収日のアルミニウム新地金の価格(円/枚))×(回収量)
(式3):
(第1回収価格)<(平均製造日のアルミニウム新地金の価格(円/枚))×(回収量)
(式4):
(第1回収価格)<=(平均製造日における実際の支持体原材料コスト(円/枚))×(回収量)
(式1)は、顧客によるリサイクル回収を促進するための条件式を示している。(式2)〜(式4)は、メーカーの採算割れを防ぐための条件式を示している。なお、(式3)及び(式4)では、平均製造日におけるアルミニウム新地金の価格及び支持体原材料コスト(円/枚)に回収量を乗じて得られる価格が、第1回収価格を超えているか否かを判定したが、これに限る必要はない。例えば、回収した使用済み印刷版の全てについて、各製造日におけるアルミニウム新地金の価格及び支持体原材料コストを求め、その求めたアルミニウム新地金の価格及び支持体原材料コストを総加算して得られる価格が、第1回収価格を超えているか否かを判定してもよい。また、各製造日におけるアルミニウム新地金の価格及び支持体原材料コストの中から、一番高いアルミニウム新地金の価格及び支持体原材料コストを特定し、その一番高いアルミニウム新地金の価格及び支持体原料コストに回収量を乗じて得られる価格が、第1回収価格を超えているか否かを判定してもよい。
第1回収価格が(式1)〜(式4)を満たしている場合には、その第1回収価格を顧客に支払う回収価格として決定する。一方、第1回収価格が(式1)〜(式4)のいずれかを満たしていない場合には、アラーム(図示省略)を鳴らす。この場合には、図7に示す予定回収価格の見直しについて顧客と再び契約交渉を行う。そして、再契約により定められた予定回収価格に基づいて、再度第1回収価格を求める。
このように、第1回収価格がメーカー及び顧客の双方にとって適正か否かを判定することで、アルミニウム相場価格が急激に変動した場合であっても印刷版の製造コストを上回る回収価格を顧客に提示するリスクを回避することができるとともに、予定回収価格の見直しを適切なタイミングで行うことができる。なお、第1回収価格が上記(式1)〜(式4)を満たす場合には、第1予定回収価格を、一定期間内におけるアルミニウム新地金の市況価格の最高値を超える価格としてもよい。
例えば、A社の特定回収日が「2007/7/1」である場合には、その特定回収日にA社から回収した使用済み印刷版は再利用可能である。そして、A社の第1予定回収価格82aはP(円/枚)であり、減額率84は「0」であり、特定回収日における回収量は「200枚」であることから、以下の式によりA社の第1回収価格が求められる。
(A社の第1回収価格(円))=
(P(円/枚)−(リサイクル処理費用))×(1)×(200枚)
そして、A社の第1回収価格が上記(式1)〜(式4)を満たしている場合には、その第1回収価格をA社に支払う回収価格として決定する。
一方、B社の特定回収日が「2007/7/1」である場合には、その特定回収日にB社から回収した使用済み印刷版は再利用可能である。そして、B社の第1予定回収価格82aはQ(円/枚)であり、減額率84は「0.1」であり、特定回収日における回収量は「300枚」であることから、以下の式によりB社の第1回収価格が求められる。
(B社の第1回収価格(円))=
(Q(円/枚)−(リサイクル処理費用))×(0.9)×(300枚)
そして、B社の第1回収価格が上記(式1)〜(式4)を満たしている場合には、その第1回収価格をB社に支払う回収価格として決定する。
第2回収価格算出処理では、ある顧客から回収した使用済み印刷版の回収価格を算出する際に、予定回収価格記憶装置72内の予定回収価格82からその顧客の第2予定回収価格82bを特定し、減額率記憶装置73内の減額率84からその顧客の減額率84を特定し、その顧客の回収データ81から特定回収日における回収量を特定し、リサイクル処理費用記憶装置74に記憶したリサイクル処理費用を参照する。そして、以下の式により第2回収価格を求める。
(第2回収価格)=
((第2予定回収価格)−(リサイクル処理費用))×(1−(減額率))×(回収量)
例えば、C社の場合であれば、C社の第2予定回収価格82bはR(円/枚)であり、減額率84は「0.2」であり、特定回収日(2007/7/1)における回収量は「200枚」であることから、以下の式によりB社の第1回収価格が求められる。
(C社の第2回収価格(円))=
(R(円/枚)−(リサイクル処理費用))×(0.8)×(200枚)
次に、出荷データ80から特定回収日と同日の出荷日があるか否かを参照する。参照した結果、特定回収日と同日の出荷日がある場合には、以下の式により求められる印刷版の実質販売価格に相当する金額が顧客に対して請求される。
(実質販売価格)=
((印刷版一枚当たりの販売価格)×(特定回収日と同日の出荷日における出荷量))
−(第1回収価格または第2回収価格)
一方、特定回収日と同日に出荷日がない場合には、第1回収価格または第2回収価格に相当する使用済み印刷版の回収料金が顧客に対して支払われる。
図12に示すように、本発明の第2実施形態の平版印刷版製造設備100では、ICタグ付与工程を除いて、第1実施形態と同様の工程12〜16が行われる。これにより、印刷版18が得られる。そして、印刷版18は、一定の枚数ごとに梱包されて製品パック19とされる
製品パック19の出荷時には、出荷単位ごとに、顧客名、印刷版の出荷量、出荷日を含む出荷データが出荷データ入出力装置25に入力される。出荷データ入出力装置25に入力された出荷データは、ネットワーク27を介して、取引管理サーバ29に出力される。なお、第2実施形態では、第1実施形態のように、ICタグ、製品データ入出力装置、及び製品データ管理サーバなどを用いて印刷版の一枚一枚の製品管理をせず、印刷版の出荷のみ管理する。
製品パック19は複数の印刷業者に納入される。複数の印刷業者のうちの一の印刷業者が有する印刷設備105では、印刷版18を用いて第1実施形態と同様の工程31,32が行われる。印刷を終えた使用済み印刷版33は、回収容器35に廃棄される。
回収容器35は、第1実施形態の回収容器と同様である。回収容器35の投入口37aの近くに取り付けられた印刷版回収受付機110は、第1実施形態と異なり、使用済み印刷版の再利用可否の判定を行う機能を有していない。すなわち、印刷版回収受付機110の内部には、投入検出部41、液晶ディスプレイ43、操作パネル44、アラーム45、プリンタ46、これらと相互に接続するコントローラ50(図3参照)のみが設けられている。
コントローラ50はROM51を備えており、このROM51には使用済み印刷版の投入枚数を計数する投入枚数計数処理を行うプログラムのみが記憶されている。ここで、ROM51には、第1実施形態と異なり、使用済み印刷版33の再利用可否の判定を行うための処理のプログラムは記憶されていない。
印刷版回収受付機110では、第1実施形態と同様に、回収容器35の投入口37aに使用済み印刷版33が投入されると、コントローラ50内の投入枚数カウンタ52により、使用済み印刷版33の投入枚数を計数する。そして、コントローラ50は、総投入枚数が受け入れ許容枚数に達した時点で、アラーム45を発し、オペレータに回収容器35が満杯になったことを知らせる。
また、顧客名、使用済み印刷版33の回収日及び回収量を含む内容がプリントされたラベルが、プリント排出口46aから排出される。そして、オペレータは、第1実施形態と同様に、金網ボックス37を外して、使用済み印刷版33をパレット36と結束する。パレット36に結束された使用済み印刷版33にラベルを張り付けて、使用済み印刷版33をリサイクル設備115に送る。
リサイクル設備115では、まず、使用済み印刷版33の受け入れ検査工程61が行われる。この受け入れ検査工程61では、ラベルが使用済み印刷版33に張り付けられている場合には、使用済み印刷版33を印刷版の支持体のアルミニウム原料として再利用するアルミニウム支持体リサイクル工場115aに送る。使用済み印刷版に張り付けられていたラベルは、後述の回収データ入力装置120による回収データの入力まで保管される。一方、ラベルが使用済み印刷版33に張り付けられていない場合には、使用済み印刷版33を一般の低純度アルミニウムリサイクル工場115bに送る。
アルミニウム支持体リサイクル工場115aでは、第1実施形態と同様に、使用済み印刷版33から再生インゴット63が製造される。製造された再生インゴット63のうちのいくつか又は全部は抜き打ちされ、第1実施形態と同様に、組成分析装置により組成分析工程64が行われる。組成分析工程64では、再生インゴット63のアルミニウム含有率が測定される。
測定した結果、再生インゴット63のアルミニウム含有率が基準値以上、例えば99.8%以上であれば、再生インゴット63の元となった使用済み印刷版33が、印刷版18の支持体の原料として再利用可能と判定される。そして、その使用済み印刷版33に付されていたラベルに記載の顧客名、回収日、及び回収量に加えて、その使用済み印刷版33が再利用可能である旨の判定結果が、回収データとして回収データ入出力装置120に入力される。回収データ入出力装置120に入力された回収データは、ネットワーク27を介して、取引管理サーバ29に出力される。
アルミ圧延工程65では、再生インゴット63と高純度アルミニウム66とを用いて圧延し、印刷版18の支持体となるアルミニウム帯状体11を製造する。このアルミニウム帯状体11は、第1実施形態と同様に、平版印刷版製造設備100に送られ、印刷版18の支持体としてリサイクルされる。
一方、組成分析工程64における測定の結果、再生インゴット63のアルミニウム含有率が基準値未満であれば、再生インゴット63の元となった使用済み印刷版33が、印刷版18の支持体の原料として再利用不可と判定される。そして、その使用済み印刷版33に付されていたラベルに記載の顧客名、回収日、及び回収量に加えて、その使用済み印刷版が再利用不可である旨の判定結果が、回収データとして回収データ入出力装置120に入力される。この回収データは、再利用可能の場合と同様に、取引管理サーバ29に出力される。また、アルミニウム含有率が基準値未満の再生インゴット33は、低純度のアルミニウムリサイクル工場115bに送られる。
取引管理サーバ29は、第1実施形態と同様に、出荷データ入出力装置25から出力された出荷データ、回収データ入出力装置120から出力された回収データを用いて、使用済み印刷版33の回収価格及び印刷版の販売価格を求める。なお、第2実施形態では、製造年月日データを記憶するためのICタグを印刷版に設けないため、第1実施形態のように、第1回収価格が顧客及びメーカーの双方にとって適正か否かの判定は行わない。
なお、上記第1実施形態では、ICタグを接着シールにより印刷版に貼り付けたが、これに限る必要はない。例えば、印刷版の端面に凹部を付与し、この凹部にICタグを埋め込んでもよい。また、ICタグが他品種、他メーカ等の他の印刷版に取り付けられることを防止するために、ICタグを一度印刷版に付与したら取り外せないようにすることが好ましい。また、仮に、印刷版からICタグが取り外された場合には、ICタグがICタグリーダにより読取不能となるようにすることが好ましい。また、ICタグは、平版印刷版製造設備のICタグリーダ及び後述する印刷設備に設置の印刷版回収受付機のICタグリーダ以外のICタグリーダでは読み取りができないようにすることが好ましい。
上記第1実施形態では、ICタグの内蔵メモリに識別コードのみを記憶させたが、ICタグの記憶容量が大きい場合には、顧客名及び仕様情報とともに記憶してもよい。この場合には、埋め込み前にICタグ内に仕様情報を書き込んでもよく、またICタグを印刷版に埋め込んだ後に、ICタグに仕様情報を書き込んでもよい。
また、予めICタグ内の識別コードが判っている場合には、新たにICタグから識別コードを読み取ることなく、識別コードと出荷先顧客名及び仕様情報とを対応させて、製品管理サーバに入力してもよい。さらには、識別コードが記憶されていないICタグを用いる場合には、平版印刷版支持体に対してICタグを付与する前に、または後に、識別コードをICタグライタにより書き込む。
上記第1実施形態では、識別コードを記憶したICタグを印刷版に付与し、回収した使用済み印刷版から識別コードをICタグリーダにより読み取ったが、これに限る必要はない。
例えば、識別コードを電子データとしてICタグなどに記憶させる代わりに、目に見える形で識別コードを印刷版に直接的に付与してもよい。例えば、識別コードとしてバーコードを印刷版に付与してもよい。この場合には、回収した使用済み印刷版から、バーコードをバーコードリーダにより読み取る。また、製造者名、製造者のロゴマーク、製造日、品種などの文字や図形(以下「識別文字等」という)を印刷版に付与してもよい。識別文字等を読み取る方法としては、使用済み印刷版に付された識別文字等をカメラ等の撮像装置により撮像し、この撮像で得られた画像に対してパターン認識等の画像処理を施し、この画像処理の処理結果に基づき識別文字等を読み取る。
上述したバーコードや識別文字等を印刷版に付与する箇所としては、印刷版の両面に感光層が塗布されている場合には感光層以外の部分または印刷に利用されない感光層部分、例えば端面や周縁面など、また、印刷版の片面のみに感光層が塗布されている場合には感光層が塗布されていない裏面などが好ましい。また、バーコードや識別文字等を印刷版に付与する際には、それら識別文字等を一度印刷版に付与したら二度と抹消できないようにすることが好ましい。
バーコードや識別文字等を付与する方式としては、例えば、レーザマーカにより付与するレーザマーカ方式、インクジェットプリンタの印字により付与するインクジェット方式、CE(Chemical Electric)処理やエッジングにより付与するエッジング方式などがある。その他に、ドットプリント方式、肉眼で見ることができないマイクロ文字を切欠等の刻印や磨耗痕により付与する刻印方式、油性インキを用いたスタンプにより付与するスタンプ方式がある。
インクジェット方式では、インクジェットプリンタによりバーコードや識別文字等を印刷した後に、その印刷部分の上に、金属酸化物と有機高分子化合物と可塑剤とを含む被膜層を形成することが好ましい。これにより、印刷部分が消えにくくなる。また、エッジング方式では、バーコードや識別文字等の形状に合わせて形成された貫通孔を有する絶縁性のマスキング版を印刷版に取り付け、この状態でエッジングを行うことが好ましい。このエッジング方式により、1点あたりの深さが10μm以下、その直径が50μm以下となるように識別文字等を付与することが好ましい。
上記第1実施形態では、感光層塗布後であって製品パックの梱包前にICタグを付与したが、これに限る必要はなく、表面処理時にICタグや上記バーコード及び識別文字等を付与してもよく、アルミニウム帯状体を一定のサイズに切断した後にICタグ等を付与してもよい。
上記第1実施形態では、ICタグを製品出荷時に付すようにしたが、識別コードを記憶したICタグ付きラベルシートやバーコード及び識別文字等が印刷されたラベルシートを製品パックと一緒に出荷し、印刷設備で廃棄するときに、使用済み印刷版のそれぞれに対して出荷時添付のラベルシートを添付して、同種同士の使用済み印刷版を一緒にして廃棄処理してもよい。
上記第1実施形態では、ICタグを印刷版に一枚一枚付与したが、出荷時に印刷版を梱包した製品パック単位で、上記ICタグ付きラベルシートや識別文字等が印刷されたラベルシートを付与してもよい。
上記第1実施形態では、印刷版を製造する平版印刷版製造設備でICタグを印刷版に付与したが、印刷版の出荷先の印刷設備でICタグや識別文字等を付与してもよい。この場合には、印刷設備で印刷版にICタグ付きラベルシートやバーコード及び識別文字等が印刷されたラベルシートを付与する他に、製版装置で識別コードやバーコード及び識別文字等を印刷版に焼き付けたりする。この場合、製版装置においても同様に、上述のレーザマーカ方式、インクジェット方式、エッジング方式、ドットプリント方式、刻印方式、スタンプ方式などによりバーコードや識別文字等を付与する。
上記第1実施形態では、印刷版に付与した識別コードを、使用済み印刷版が再利用可能か否かの判定に用いたが、識別コードの用途をこれに限る必要はない。例えば、繰り返し利用可能な印刷版を印刷設備で使用する場合には、印刷版の識別コードから印刷版の経時劣化状態を特定できる印刷版管理装置を設け、この印刷版管理装置により印刷版を管理、例えば、印刷版の交換時期等を把握してもよい。
また、印刷設備において、デジタルの画像データに基づき直接的に印刷版に画像形成をするCTP(Computer To Plate)製版装置が使用される場合には、平版印刷版製造設備で識別コードを印刷版に付与する代わりに、CTP製版装置で画像形成と同時に識別コードを付与する。そして、印刷機で印刷版から識別コードを読み出し、その読み出した識別コードに基づいて印刷の管理を行ってもよい。
また、文書名、版名などの印刷版管理情報、インキメーカ、インキ特性、色、量などのインキ管理情報、表面処理、印刷枚数、印刷用紙のサイズ及び厚さなどの被印刷体管理情報などを印刷版のICタグに記憶させ、印刷設備でそれら管理情報に基づいて、印刷版の管理、インキの管理、被印刷体の管理を行ってもよい。
上記第1実施形態では、ICタグに識別コードのみを記憶させたが、ICタグには識別コード以外の情報を記憶してもよい。この場合には、ICタグの記憶領域を、1回のみの情報の書込みが可能な第1記憶領域と、1回または複数回の情報の書込みが可能な第2記憶領域とから構成し、第1記憶領域には識別コードや仕様情報などの印刷版の固有情報を記憶し、第2記憶領域には前述した印刷設備での印刷に関する情報、すなわち、印刷版の経時劣化状態に関する情報、CTP製版装置の画像形成に関する情報、印刷版管理情報、インキ管理情報、及び被印刷体管理情報を記憶する。
第1記憶領域については複数回の書込みを禁止することで、印刷版の出荷から使用済み印刷版の回収までの間に、識別コードや仕様情報が改変されることが防止される。これにより、使用済み印刷版の再利用可否の判定を確実に行うことができる。また、第1記憶領域の他に、印刷版の管理などの利用できる第2記憶領域を設けることで、ICタグの用途を使用済み印刷版の再利用可否判定以外にも広げることができる。
上記第1実施形態では、印刷設備に回収容器を設置し、この回収容器に取り付けた印刷版回収受付機により、投入された使用済み印刷版が支持体の原料として再利用可能か否かを判定したが、リサイクル設備で使用済み印刷版が再利用可能か否かを判定してもよい。
上記第1実施形態では、ICタグリーダで読み取った識別コードに基づいて使用済み印刷版が再利用可能か否かを判定したが、これに限る必要はなく、識別コードから使用済み印刷版の品種、メーカなどを特定し、その特定した品種ごと、メーカごとに使用済み印刷版を分別してもよい。
上記第1実施形態では、印刷版ごとに異なる識別コードを付与したが、これに限る必要はなく、最終的に使用済み印刷版の支持体のアルミニウム含有率を特定することができるものであればよい。例えば、識別コードとして、同一ロット単位で付される製品IDの他に、アルミニウム支持体の品種が識別可能なものでもよい。また、アルミニウム市況価格に反映させて回収価格を決定する場合には、印刷版製造日などが識別可能な情報を付与してもよい。
上記第1実施形態では、ICタグにより読み取った識別情報に基づいて再利用可否の判定を行ったが、これに限る必要はない。例えば、印刷版の販売の際に、リサイクル券を発行し、使用済み印刷版にこのリサイクル券を添付して回収してもよい。この場合には、リサイクル券の有無によって再利用可能か否かを判断することができる。また、リサイクル券は回収容器単位ごとに一緒に添付する他に、使用済みの個々の印刷版に直接リサイクル券を張り付けるようにしてもよい。
上記第1実施形態では、使用済み印刷版のアルミニウム量積算値と総重量とに基づいて、回収容器単位でアルミニウム含有率を求めたが、これに限る必要はない。例えば、回収枚数、再利用可能枚数に基づいて回収率を算出し、この回収率に応じて回収容器単位のアルミニウム含有率を求めてもよい。また、製品データテーブルには、アルミニウム含有率の代わりにアルミニウム量と、印刷版の総重量とを記憶しておき、使用済み印刷版の投入ごとにそれらを積算することにより、回収容器単位でアルミニウム含有率を求めてもよい。
上記第1実施形態では、識別コードが一致しない場合や読み取れない場合に、回収容器に投入された使用済み印刷版が再利用不可であると判定したが、これに限る必要はない。例えば、使用済み印刷版のアルミニウム組成が不明確な場合や、そのアルミニウム組成が再利用できないものである場合や、顧客の使用、保管条件で、混入を避けるべき異物が付着している場合に、再利用不可であると判定してもよい。
上記第1実施形態では、回収容器単位のアルミニウム含有率が一定値以上であり、且つ、回収容器単位の不純物含有率の全てが基準値未満である場合に、回収容器単位で使用済み印刷版を再利用可能であると判定したが、それらアルミニウム含有率の条件及び不純物含有率の条件のうちどちらか一方の条件を満たす場合に、回収容器単位で再利用可能と判定してもよい。
上記第1実施形態では、回収容器中で複数の不純物含有率のうち一つでも基準値が超えた場合に回収容器単位で再利用不可としたが、これに限る必要はない。例えば、複数の不純物含有率うち一つが基準値を超えた場合には、再利用不可の判定ではなく、リサイクル設備でインゴット化可能の判定をする。そして、リサイクル設備で、そのインゴット化可能と判定された使用済み印刷版をインゴット化して、不純物含有インゴットを製造する。そして、再利用可能の再生インゴットと不純物含有インゴットとを組み合わせてインゴット化し、組合せインゴットを製造する。このインゴット化を1回又は複数回繰り返すことにより、不純物含有インゴットで基準値を超えていた不純物含有率を低下させ、基準値内に抑えることができる。このように再生インゴットを用いて組合せインゴットを製造することで、不純物含有インゴットを有効利用することができる。
上記第1実施形態では、識別コードを読み取ることができない使用済み印刷版をアルミ缶などの低純度のアルミ製品として扱い、回収容器単位でのアルミニウム含有率及び不純物含有率の算出に際して、その低純度のアルミ製品の平均アルミニウム含有率、不純物含有率、及び平均的な印刷版の1枚当たりの総重量を用いたが、これに限る必要はない。例えば、識別コードを読み取ることができない使用済み印刷版は、回収容器から取り除いておく。その上で、その取り除いた使用済み印刷版のアルミニウム含有率、不純物含有率を組成分析装置等により測定する。そして、その測定結果を回収容器単位でのアルミニウム含有率及び不純物含有率の算出に反映させてもよい。また、品種、組成、純度、メーカ等が異なる使用済み印刷版をリサイクルする場合にも、識別コードを読み取ることができない使用済み印刷版は、回収容器から取り除いておく。その上で、取り除いた使用済み印刷版の品種、組成、純度、メーカ等を確実に特定することが好ましい。
上記第1実施形態では、印刷版を出荷する設備と使用済み印刷版を回収する設備とを別々の箇所に設けたが、同一箇所としてもよい。この場合には、出荷時の運搬車の帰り便で、使用済み印刷版を回収することにより、運搬車から排出される炭酸ガスの量を抑制することができる。
上記第1実施形態では、全ての使用済み印刷版を受け入れて、アルミニウム含有率などを求め、回収容器単位で再利用可能か否かを判定したが、これに限られない。例えば、使用済み印刷版を挿入する際に、まずICタグから識別コードを読み取って、再利用可能か否かを判定する。その際、ICタグが無い印刷版や識別コードが読み取り不能な印刷版が挿入された場合にはアラームを発して、投入を禁止するようにしてもよい。この場合には、挿入を止めて投入口から使用済み印刷版を引き出して、別な回収容器に投入する。このように、投入段階で再利用可能か否かを判定して選別することで、再利用可能な使用済み印刷版のみを回収することができるため、回収容器が満杯になったときの再利用可否の判定や、インゴットの抜き打ち検査などを不要とすることができる。
上記第1及び第2実施形態では、回収容器の投入口近くに印刷版回収受付機を設けたが、これに代えて、ハンディタイプの印刷版回収受付機としてもよい。この場合には、回収容器に使用済み印刷版を投入する前に、ハンディタイプの受付機により識別コードを読み取って、再利用可能か否かを判定する。
上記第1及び第2実施形態では、印刷版を販売した後に、これをリサイクル品として回収するシステムについて説明したが、これに代えて、印刷版の支持体をレンタル品として扱い、印刷版の使用権のみをユーザーに有償で提供する場合にも、本発明の適用が可能である。この場合にも、印刷版に識別コードを付与して、この識別コードに基づき印刷版の支持体として再利用可能か否かを判定し、回収容器単位で回収する。
上記第2実施形態では、回収率が回収率設定範囲外である場合に、減額率を所定の値だけ上乗せするようにしたが、これに限る必要はない。例えば、回収率が回収率設定範囲内である場合には、減額率を所定の値だけ下降させてもよい。また、一定期間内に複数回の使用済み印刷版の回収があり、各回収時における回収率が回収率設定範囲内であった場合には、その顧客の減額率を「0」にリセット、あるいは「0」に近い一定の値にまで戻すようにしてもよい。
上記第1及び2実施形態では、1の品種の使用済み印刷版の回収価格算出方法について説明したが、これに限らず、複数の品種についても、本発明の適用が可能である。例えば、上記図2に示すA社が「A品種」、「B品種」、「C品種」の3品種の印刷版を使用する場合には、各品種についての予定回収価格をA社との間で予め設定しておく。その上で、それら3品種の予定回収価格に基づいて、上記と同様の回収価格算出方法により使用済み印刷版の回収価格を算出する。
上記第2実施形態では、ある特定の回収日に回収した使用済み印刷版の回収価格の算出方法についてのみ説明したがしたが、一定期間内に複数の回収日が含まれる場合には、各回収日について同様の使用済み印刷版の回収価格算出処理を行った上で、各回収日の回収価格を合算することにより、一定期間内に回収した使用済み印刷版の回収価格を算出してもよい。
上記第2実施形態では、回収価格算出装置により求めた第1及び第2回収価格に相当する回収料金そのまま顧客に対して支払ったが、回収料金の払い過ぎを防ぐために、第1及び第2回収価格が、回収料金支払予定時点での印刷版の支持体原価を超えるか否かのチェックを行ってもよい。チェックした結果、回収料金支払予定時点での印刷版の支持体原価を超えている場合には、回収料金の支払い保留等を行ってもよい。
上記第1及び第2実施形態では、パレットと金網ボックスを組み合わせた回収容器を用いて、使用済み印刷版を回収したが、これに限る必要はなく、パレットのみ又は金網ボックスのみで回収してもよい。また、大量の使用済み印刷版を回収する際には、コンテナなどの容量の大きい回収容器を用いてもよい。また、使用済み印刷版を再利用するための分別表を顧客に配布し、この分別表に従って、顧客側で使用済み印刷版の分別を行ってもよい。この分別表には、印刷版の品種と再利用のための区分との関係が記載されている。また、印刷版の品種や支持体のアルミニウム組成ごとに区別された複数の回収容器を顧客に貸し出し、この回収容器によって使用済み印刷版を品種等ごとに分別を行ってもよい。
本発明の第1実施形態の平版印刷版製造設備を示す概略図である。 製品データを示す表である。 (A)は印刷版回収受付機の内部を示す概略図であり、(B)はその前面を示す概略図である。 第1実施形態の印刷版回収受付機の作用を示すフローチャートである。 取引管理サーバの構成を示すブロック図である。 出荷データを示す表である。 回収データを示す表である。 予定回収価格を示す表である。 予定回収価格の減額率を示す表である。 使用済み印刷版の回収価格の算出方法及び印刷版の販売価格の算出方法を示すフローチャートである。 回収率設定範囲を示す表である。 本発明の第2実施形態の平版印刷版製造設備を示す概略図である。
符号の説明
18 印刷版
18a ICタグ
22 ICタグリーダ
24 製品データ入出力装置
25 出荷データ入出力装置
26 製品データ
28 製品データ管理サーバ
29 取引管理サーバ
33 使用済み印刷版
40 印刷版回収受付機
50 コントローラ
51 ROM
53 製品データテーブル
54 照合部
58 回収データ作成部
63 再生インゴット
64 組成分析工程
70 出荷データ管理装置
71 回収データ管理装置
72 予定回収価格記憶装置
73 減額率記憶装置
74 リサイクル処理費用記憶装置
75 回収価格算出装置
76 回収率設定範囲記憶装置
77 販売価格算出装置
80 出荷データ
81 回収データ
82 予定回収価格
82a 第1予定回収価格
82b 第2予定回収価格
84 減額率
120 回収データ入出力装置

Claims (9)

  1. 顧客から回収されるアルミニウム製の使用済み印刷版の回収価格を決定する使用済み印刷版の回収価格決定方法において、
    前記顧客毎に印刷版の出荷量を含む出荷データを出荷データ記憶部に記憶する出荷データ記憶工程と、
    前記顧客毎に前記使用済み印刷版の回収量を含む回収データを回収データ記憶部に記憶する回収データ記憶工程と、
    前記顧客ごとに予め設定されている単位回収量当たりの使用済み印刷版の予定回収価格を予定回収価格記憶部に記憶する予定回収価格記憶工程と、
    前記出荷データ、前記回収データ、及び前記予定回収価格に基づいて、前記使用済み印刷版の回収価格を決定する回収価格決定工程とを有することを特徴とする使用済み印刷版の回収価格決定方法。
  2. 前記回収価格決定工程は、
    前記出荷データ記憶部からの出荷データ及び前記回収データ記憶部からの回収データに基づいて累積出荷量及び累積回収量を求め、これら累積出荷量に対する累積回収量の比率を前記使用済み印刷版の回収率として求める回収率算出工程を含み、
    前記回収率が一定範囲内にあるときに、前記使用済み印刷版の回収量に前記予定回収価格を乗じて、前記使用済み印刷版の回収価格を求めることを特徴とする請求項1記載の使用済み印刷版の回収価格決定方法。
  3. 前記一定範囲は顧客ごとに予め設定されていることを特徴とする請求項2記載の使用済み印刷版の回収価格決定方法。
  4. 前記回収価格決定工程は、
    前記回収率が前記一定範囲外であるときに、前記使用済み印刷版が前記印刷版の支持体の原料として再利用可能であるか否かを判定する再利用可否判定工程を含み、
    前記使用済み印刷版が再利用可能であるときに、前記使用済み印刷版の回収量に前記予定回収価格を乗じて、前記使用済み印刷版の回収価格を求めることを特徴とする請求項2または3記載の使用済み印刷版の回収価格決定方法。
  5. 前記再利用可否判定工程は、
    前記使用済み印刷版に付与された識別情報に基づいて、前記使用済み印刷版が前記印刷版の支持体の原料として再利用可能であるか否かを判定する第1の再利用可否判定工程を含むことを特徴とする請求項4記載の使用済み印刷版の回収価格決定方法。
  6. 前記再利用可否判定工程は、
    前記使用済み印刷版を用いて再生インゴットを製造するインゴット製造工程と、
    前記再生インゴットの組成を分析する組成分析工程と、
    前記インゴットの組成が前記印刷版の支持体の原料として再利用可能なアルミニウム組成を有しているか否かを判定する第2再利用可否判定工程とを含むことを特徴とする請求項4または5記載の使用済み印刷版の回収価格決定方法。
  7. 前記回収率が前記一定範囲外であるとき、又は前記使用済み印刷版が再利用不可であるときに、前記予定回収価格よりも低額な低回収価格を用いて、前記使用済み印刷版の回収価格を求めることを特徴とする請求項2ないし6いずれか1項記載の使用済み印刷版の回収価格決定方法。
  8. 前記予定回収価格は顧客との契約により設定される価格であることを特徴とする請求項1ないし7いずれか1項記載の使用済み印刷版の回収価格決定方法。
  9. 顧客から回収されるアルミニウム製の使用済み印刷版の回収価格を決定する使用済み印刷版の回収価格決定装置において、
    前記顧客毎に印刷版の出荷量を含む出荷データを記憶する出荷データ記憶部と、
    前記顧客毎に前記使用済み印刷版の回収量を含む回収データを記憶する回収データ記憶部と、
    前記顧客ごとに予め設定されている単位回収量当たりの使用済み印刷版の予定回収価格を記憶する予定回収価格記憶部と、
    前記出荷データ、前記回収データ、及び前記予定回収価格に基づいて、前記使用済み印刷版の回収価格を決定する回収価格決定部とを有することを特徴とする使用済み印刷版の回収価格決定装置。
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