JP2004295667A - 交換部品在庫予測装置、交換部品在庫予測方法、及びプログラム - Google Patents
交換部品在庫予測装置、交換部品在庫予測方法、及びプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】プリンタのスペアパーツの必要在庫数量を精度よく予測する在庫予測装置の提供。
【解決手段】在庫予測装置50は、ICチップ22を有するインクカートリッジ20からプリンタ10の稼働時間に関する情報を取得する情報取得部52と、プリンタ10を構成する構成部品毎の故障率を記録している故障率記録部56と、情報取得部52から取得した稼働時間の情報と故障率記録部56に記録されている故障率とに基づいて構成部品の必要在庫数量を予測する在庫数量予測部54とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】在庫予測装置50は、ICチップ22を有するインクカートリッジ20からプリンタ10の稼働時間に関する情報を取得する情報取得部52と、プリンタ10を構成する構成部品毎の故障率を記録している故障率記録部56と、情報取得部52から取得した稼働時間の情報と故障率記録部56に記録されている故障率とに基づいて構成部品の必要在庫数量を予測する在庫数量予測部54とを備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録装置の構成部品を交換するために必要な構成部品の在庫予測をする交換部品在庫予測装置、交換部品在庫予測方法、及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ修理用のスペアパーツの在庫として、従来は例えば過去6ヶ月間におけるスペアパーツ月別平均使用量の3〜4倍の数量を部品在庫として準備していた。この従来技術を示す文献は特に見あたらない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プリンタの毎月の修理台数を正確に予測することは困難であり、スペアパーツの在庫不足が原因で修理日程にしばしば遅れをきたすという課題があった。また、スペアパーツの在庫不足を解消するために安易に在庫部品を増やすことは、不良在庫を増加させる原因になるという課題があった。
【0004】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる交換部品在庫予測装置、交換部品在庫予測方法、及びプログラムを提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、記録装置の構成部品を交換するために必要な構成部品の在庫予測をする交換部品在庫予測装置は、記録装置の稼働時間に関する情報を記録する情報記録部を有する記録装置の消耗部品から稼働時間に関する情報を取得する情報取得部と、記録装置を構成する構成部品毎の故障率を記録した故障率記録部と、情報取得部から取得した稼働時間の情報と故障率記録部に記録されている故障率とに基づいて構成部品の必要在庫数量を予測する在庫数量予測部とを備える。このような構成により交換部品在庫予測装置は、記録装置の構成部品のそれぞれが今後所定期間内に故障する見込みの数を、当該記録装置の稼働実績に基づいて高精度に算出し、当該構成部品の在庫として準備すべき必要在庫数量を予測することができる。
【0006】
消耗部品はインクカートリッジであって、情報取得部は、稼働時間に関する情報として、インクカートリッジが記録装置に装着されていた期間および使用履歴を取得してもよい。記録装置が稼働する場合には、当該記録装置の基幹部品であるインクカートリッジが必ず使用される。したがってインクカートリッジの使用期間及び使用履歴から、当該インクカートリッジが装着されていた間における記録装置の使用実績を把握することができる。
【0007】
情報取得部は、消耗部品が装着されていた記録装置の型式を識別する装置型式情報をさらに取得し、在庫数量予測部は、装置型式情報で識別される型式ごとに必要在庫数量を予測してもよい。これにより交換部品在庫予測装置は、構成部品の必要在庫数量を記録装置の型式別に出力する。したがって在庫管理が容易になる。
【0008】
情報取得部は、稼働時間に関する情報として記録装置が印刷した紙の枚数及びインク使用量を取得し、在庫数量予測部は、構成部品のうちで排紙を実行する排紙系部品の必要在庫数を印刷した紙の枚数に基づいて予測し、構成部品のうちで印字を実行する印字系部品の必要在庫数をインク使用量に基づいて予測してもよい。印刷した紙の枚数は、排紙系部品の稼働時間を精度よく反映している。また、インク使用量は、印字系部品の稼働時間を精度よく反映している。従って、印刷した紙の枚数及びインク使用量を用いることにより、排紙系部品及び印字系部品のそれぞれの故障見込み数量を精度よく算出し、ひいては排紙系部品及び印字系部品のそれぞれの必要在庫数量を精度よく予測することができる。
【0009】
本発明の第2の形態によれば、記録装置の構成部品を交換するために必要な在庫予測をする交換部品在庫予測方法は、記録装置の稼働時間に関する情報を記録する情報記録部を有する記録装置の消耗部品から稼働時間に関する情報を取得し、記録装置を構成する構成部品毎の故障率を故障率記録部に記録し、取得した稼働時間の情報と故障率記録部に記録されている故障率とに基づいて構成部品の必要在庫数量を予測する。このような交換部品在庫予測方法は、前述の第1の形態と同様の効果を奏する。
【0010】
本発明の第3の形態によれば、記録装置の構成部品を交換するために必要な在庫予測をするプログラムは、コンピュータを、記録装置の稼働時間に関する情報を記録する情報記録部を有する記録装置の消耗部品から稼働時間に関する情報を取得する情報取得手段、記録装置を構成する構成部品の故障率を記録した故障率記録手段、及び情報取得手段から取得した稼働時間の情報と故障率記録手段に記録されている故障率とに基づいて構成部品の必要在庫数量を予測する在庫数量予測手段として機能させる。このようなプログラムは、前述の第1の形態と同様の効果を奏する。
【0011】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る在庫予測システム100の構成の一例を示す。在庫予測システム100は、顧客端末40に接続されたプリンタ10と、プリンタ10の消耗部品であるインクカートリッジ20を回収する回収ポスト30と、ネットワーク80を介して回収ポスト30に接続され、プリンタ10の構成部品を交換するために必要な構成部品の在庫予測をする在庫予測装置50と、在庫予測装置50の在庫予測に基づいて構成部品の在庫を保管し、プリンタ10の修理を受け付けるリペアセンタ70とを備える。
【0014】
インクカートリッジ20はプリンタ10の稼働時間に関する情報を記録するICチップ22を有する。なお、在庫予測装置50は本発明の交換部品在庫予測装置の一例、プリンタ10は本発明の記録装置の一例、インクカートリッジ20は本発明の消耗部品の一例、そしてICチップ22は本発明の情報記録部の一例である。本実施形態に於いて在庫予測装置50は、インクカートリッジ20からネットワーク80経由で取得するプリンタ10の稼働時間の情報に基づいて、プリンタ10の構成部品の必要在庫数量を予測することを目的とする。
【0015】
ICチップ22は、プリンタ10の稼働時間に関する情報として、インクカートリッジ20の使用開始日、使用終了日、及び使用履歴と、プリンタ10にインクカートリッジ20が装着されている期間の累計稼働時間、稼働履歴、累計印刷枚数、累計インク使用量、及び累計キャリッジ移動距離等を記録している。インクカートリッジ20の使用開始日及び使用終了日は、インクカートリッジ20がプリンタ10に装着されていた期間を示す情報の一例である。インクカートリッジ20の使用開始日としては、インクカートリッジ20を保持するキャリッジにインクカートリッジ20を最初に取り付けた日を記録する。またインクカートリッジ20の使用終了日としては、プリンタヘッドをインク交換ポジションに最後に移動した日を記録する。ICチップ22は更に、プリンタ10の機種を識別する機種情報を記録している。機種情報は本発明の装置型式情報の一例である。ICチップ22のデータのよみ書きは非接触で行われてもよいし接触式で行われてもよい。
【0016】
回収ポスト30は、例えば電気店等に設置されている。そして、ユーザが使用済みのインクカートリッジ20を投入するとICチップ22の記録内容を読み取り、当該記録内容をネットワーク80経由で在庫予測装置50に送信する。在庫予測システム100の他の構成においては、複数の回収ポスト30に投入されたインクカートリッジ20をトラックなどの輸送手段を用いてまとめて集荷する回収センターをさらに備えてもよい。集荷センターはネットワーク80に接続されており、集荷したインクカートリッジ20のICチップ22から記録内容を一括して読み取り、当該記録内容をネットワーク80経由で在庫予測装置50に送信する。この構成によれば、回収ポスト30をネットワーク80に接続する必要がない。
【0017】
以上のように構成された在庫予測システム100によれば、在庫予測装置50はインクカートリッジ20から取得するプリンタ10の使用実績に基づいてプリンタ10の構成部品の必要在庫数量を精度よく予測し、リペアセンタ70は在庫予測装置50による精度の高い在庫予測に基づいて構成部品の在庫を適切に確保することができる。したがって、在庫予測システム100によれば、リペアセンタ70における、プリンタ10の構成部品の在庫不足又は不良在庫の発生を低減することができる。
【0018】
図2は、在庫予測装置50の機能構成の一例を示す。在庫予測装置50は、図1で説明したインクカートリッジ20からプリンタ10の稼働時間に関する情報を取得する情報取得部52と、プリンタ10を構成する構成部品毎の故障率を記録している故障率記録部56と、情報取得部52から取得した稼働時間の情報と故障率記録部56に記録されている故障率とに基づいて構成部品の必要在庫数量を予測する在庫数量予測部54とを備える。記録媒体60は、在庫予測装置50の情報取得部52、在庫数量予測部54、故障率記録部56を機能させるプログラムを格納している。記録媒体60はそのようなプログラムをネットワークを介して取得してもよい。
【0019】
図3は、故障率記録部56のデータフォーマットの一例である。故障率記録部56は、プリンタ10を構成する部品に対応付けて、当該部品の故障率を格納している。
【0020】
また故障率記録部56は、構成部品と故障率とを対応付けたテーブルを機種別に管理している。それぞれの機種に関するテーブルは、構成部品の員数、それぞれの構成部品が排紙を実行する排紙系部品で有るか否か、並びに印字を実行する印字系部品で有るか否かを構成部品のそれぞれに対応付けて更に管理している。
【0021】
図4は、図3における部品a1の故障見込み数の推移を月別に示すグラフである。棒グラフは機種Aのインクカートリッジ20を回収した個数、すなわち情報取得部52がプリンタ10の使用実績を取得したインクカートリッジ20の数量の実績を示す。黒丸の折れ線グラフは、機種Aの月別平均稼働時間の実績を示す。機種Aの月別平均稼働時間の実績は、インクカートリッジ20から取得した情報のうちの機種Aの稼働履歴を集計することにより算出される。また白丸の折れ線グラフは、インクカートリッジ20を回収した機種Aのうちで、将来故障する見込みの部品a1の数量を示す。在庫予測装置50は、将来故障する見込みの部品a1の数量とインクカートリッジ20の回収率とを用いて構成部品の必要在庫数量を算出する。在庫予測装置50が、将来故障する部品a1の見込み数量を算出する方法、並びに必要在庫数量を算出する方法については図5を参照して後述する。
【0022】
図5は、在庫予測装置50が必要在庫数量を算出する動作の一例を示す。まず、情報取得部52がインクカートリッジ20からネットワーク80を介してプリンタ10の稼働時間に関する情報を取得する(S100)。情報取得部52が取得する稼働時間に関する情報は、インクカートリッジ20の使用開始日、使用終了日、及び使用履歴と、プリンタ10にインクカートリッジ20が装着されている期間の累計稼働時間、稼働履歴、累計印刷枚数、累計インク使用量、及び累計キャリッジ移動距離と、プリンタ10の機種情報とを含む。
【0023】
次に、在庫数量予測部54は、情報取得部52が取得したプリンタ10の稼働時間に関する情報に基づいて故障率記録部56を参照し、構成部品毎の故障見込み数を算出する(S102)。例えば在庫数量予測部54は、インクカートリッジ20毎に、該当するプリンタ10の構成部品のそれぞれに対応付けられた故障率関数(t)と、当該プリンタ10の累計稼働時間とに基づいて、構成部品の故障率をそれぞれ算出する。そして算出した故障率のそれぞれに構成部品の員数を掛け合わせる。同様の処理を全てのインクカートリッジ20について逐次実行し、同一の部品についての故障率を集計する。これにより、インクカートリッジ20が回収されたプリンタ10に関する構成部品別の故障見込み数が算出される。
【0024】
続いて、在庫数量予測部54は、ステップ102で算出された構成部品別の故障見込み数を所定の係数で補正することにより、構成部品別の必要在庫数量を算出する(S104)。例えば、ステップ102で算出された構成部品別の故障見込み数をインクカートリッジ20の回収率で割ることにより、市場で現在稼働しているプリンタ10中の構成部品が故障する見込みの数量(以下、実故障見込み数)を算出する。そして、当該実故障見込み数に所定の安全率をかけることにより、構成部品別の翌月の必要在庫数量を算出する。
【0025】
例えば、ステップ102で算出された故障見込み数が300個、回収率が30%である場合、当該構成部品の実故障見込み数は、
300÷(30/100)=1000(個)
となる。そして安全率を例えば2.5倍とすれば、当該構成部品の翌月の必要在庫数量は、
1000×2.5=2500(個)
となる。安全率は在庫予測システム100の運用実績に応じて適宜見直すことが好ましい。以上で本フローは終了する。以上のフローによれば在庫予測装置50は、インクカートリッジ20から取得するプリンタ10の使用実績に基づいてプリンタ10の構成部品別の必要在庫数量を精度よく予測することができる。なお、在庫数量予測部54は、プリンタ10の機種毎に構成部品の必要在庫数量を予測することが好ましい。これによりリペアセンタ70における部品の在庫管理が容易になる。
【0026】
在庫予測装置50はさらに、翌月以降の必要在庫数量を以下の手順で予測してもよい。まず、プリンタ10の稼働実績を取得した最新の月を基準月とする。そして基準月時点でのプリンタ10毎の稼働実績に、基準月から在庫を予測すべき対象月までの稼働時間見込みを加算することにより、対象月時点でのプリンタ10の累計稼働時間見込みを算出する。ここで、基準月から対象月までの稼働時間見込みは、該当する機種の前年の月別平均稼働時間(図4参照)を用いる。該当機種の前年の月別平均稼働時間がない場合には、該当機種と同一のクラスに属する他の機種、すなわち使用される用途及び顧客層が同様である他の機種の実績を用いてもよい。
【0027】
次に、対象月時点でのプリンタ10の累計稼働時間見込みに基づいて故障率記録部56を参照することにより、当該プリンタ10の構成部品別の故障率を算出する。同様に、インクカートリッジ20経由で情報を取得した全てのプリンタ10について構成部品の故障率を逐次算出し、算出した故障率を同一の構成部品毎に集計する。そして集計した構成部品毎の故障率を、基準月と対象月とにおけるインクカートリッジ20の回収個数の見込み比率と、インクカートリッジ20の回収率とで補正することにより、対象月における構成部品の実故障見込み数を算出する。インクカートリッジ20の回収個数の見込み比率は、前年同月比を用いる。例えば、前年の基準月におけるインクカートリッジ20の回収個数が5万個、同じく前年の対象月におけるインクカートリッジ20の回収個数が3万個であり、回収率が30%である場合、
(構成部品の実故障見込み数)=(集計した構成部品毎の故障率)×(3万個/5万個)÷(30/100)
となる。
【0028】
最後に、上記式に基づいて算出された構成部品の実故障見込み数に所定の安全率を乗じることによって、対象月における構成部品毎の必要在庫数量が算出される。以上の手順によれば、在庫予測装置50は、インクカートリッジ20から取得したプリンタ10の使用実績に基づいて、プリンタ10の構成部品を交換するために必要な将来の在庫を精度よく予測することができる。
【0029】
図6は、図5におけるステップ102の動作の他の例を示すフローチャートである。本フローにおいて、在庫数量予測部54は、プリンタ10の構成部品毎の故障見込み数を、構成部品の機能に応じた入力パラメータを用いて精度よく算出することを目的とする。まず、在庫数量予測部54は、プリンタ10が印刷した紙の枚数の累計を情報取得部52から取得し、構成部品のうちで排紙を実行する排紙系部品の故障見込み数を紙の枚数の累計に基づいて算出する(S10)。紙の枚数の累計は紙のサイズ毎に取得することが好ましい。
【0030】
例えば、在庫数量予測部54は紙のサイズ毎の排出枚数の累計から、プリンタ10が排紙した総排紙距離を算出する。故障率記録部56は、排紙系部品の故障率を、総排出距離に依存する関数として予め記録している。そして在庫数量予測部54は、プリンタ10毎に算出した総排紙距離と当該排紙系部品の故障率関数とに基づいてプリンタ10が有する排紙系部品の故障率を算出する。同様の処理をインクカートリッジ20が回収された全てのプリンタ10について逐次実行し、同一の排紙系部品についての故障率を集計する。これにより排紙系部品の故障見込み数が算出される。
【0031】
次に、在庫数量予測部54は、プリンタ10が使用したインク量の累計を情報取得部52から取得し、構成部品のうちで印字を実行する印字系部品の故障見込み数を、使用したインク量の累計に基づいて算出する(S12)。この場合、故障率記録部56は、印字系部品の故障率を、使用したインク量の累計に依存する関数として予め記録している。そして在庫数量予測部54は、プリンタ10毎のインク量の累計と当該印字系部品の故障率関数とに基づいてプリンタ10が有する印字系部品の故障率を算出する。同様の処理をインクカートリッジ20が回収された全てのプリンタ10について逐次実行し、同一の印字系部品についての故障率を集計する。これにより印字系部品の故障見込み数が算出される。
【0032】
次に、在庫数量予測部54は、プリンタ10のキャリッジ移動距離の累計を情報取得部52から取得し、構成部品のうちでキャリッジを駆動するキャリッジ駆動系部品の故障見込み数を、キャリッジ移動距離の累計に基づいて算出する(S14)。この場合、故障率記録部56は、キャリッジ駆動系部品の故障率を、キャリッジ移動距離の累計に依存する関数として予め記録している。そして在庫数量予測部54は、プリンタ10毎のキャリッジ移動距離の累計と当該キャリッジ駆動系部品の故障率関数とに基づいてプリンタ10が有するキャリッジ駆動系部品の故障率を算出する。同様の処理をインクカートリッジ20が回収された全てのプリンタ10について逐次実行し、同一のキャリッジ駆動系部品についての故障率を集計する。これによりキャリッジ駆動系部品の故障見込み数が算出される。以上のステップ(S10、S12、S14)によれば、在庫数量予測部54は、構成部品毎の機能に応じた入力パラメータを用いて故障見込み数を精度よく算出することができる。
【0033】
上記説明から明らかなように、本実施形態によれば、在庫予測装置50は、インクカートリッジ20から取得するプリンタ10の使用実績に基づいてプリンタ10の構成部品の必要在庫数量を精度よく予測する。したがってリペアセンタ70は、在庫予測装置50による精度の高い在庫予測に基づいて構成部品の在庫を適切に確保することができる。この結果、リペアセンタ70における、プリンタ10の構成部品の在庫不足及び不良在庫の発生をいずれも低減することができる。
【0034】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】在庫予測システム100の構成の一例を示す図である。
【図2】在庫予測装置50の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】故障率記録部56のデータフォーマットの一例である。
【図4】部品a1の故障見込み数の推移を示すグラフである。
【図5】在庫予測装置50が必要在庫数量を算出する動作の一例を示す。
【図6】図5におけるステップ102の動作の他の例を示す。
【符号の説明】
10 プリンタ、20 インクカートリッジ、22 ICチップ、30 回収ポスト、40 顧客端末、50 在庫予測装置、52 情報取得部、54 在庫数量予測部、56 故障率記録部、60 記録媒体、70 リペアセンタ、80 ネットワーク、100 在庫予測システム
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録装置の構成部品を交換するために必要な構成部品の在庫予測をする交換部品在庫予測装置、交換部品在庫予測方法、及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ修理用のスペアパーツの在庫として、従来は例えば過去6ヶ月間におけるスペアパーツ月別平均使用量の3〜4倍の数量を部品在庫として準備していた。この従来技術を示す文献は特に見あたらない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プリンタの毎月の修理台数を正確に予測することは困難であり、スペアパーツの在庫不足が原因で修理日程にしばしば遅れをきたすという課題があった。また、スペアパーツの在庫不足を解消するために安易に在庫部品を増やすことは、不良在庫を増加させる原因になるという課題があった。
【0004】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる交換部品在庫予測装置、交換部品在庫予測方法、及びプログラムを提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、記録装置の構成部品を交換するために必要な構成部品の在庫予測をする交換部品在庫予測装置は、記録装置の稼働時間に関する情報を記録する情報記録部を有する記録装置の消耗部品から稼働時間に関する情報を取得する情報取得部と、記録装置を構成する構成部品毎の故障率を記録した故障率記録部と、情報取得部から取得した稼働時間の情報と故障率記録部に記録されている故障率とに基づいて構成部品の必要在庫数量を予測する在庫数量予測部とを備える。このような構成により交換部品在庫予測装置は、記録装置の構成部品のそれぞれが今後所定期間内に故障する見込みの数を、当該記録装置の稼働実績に基づいて高精度に算出し、当該構成部品の在庫として準備すべき必要在庫数量を予測することができる。
【0006】
消耗部品はインクカートリッジであって、情報取得部は、稼働時間に関する情報として、インクカートリッジが記録装置に装着されていた期間および使用履歴を取得してもよい。記録装置が稼働する場合には、当該記録装置の基幹部品であるインクカートリッジが必ず使用される。したがってインクカートリッジの使用期間及び使用履歴から、当該インクカートリッジが装着されていた間における記録装置の使用実績を把握することができる。
【0007】
情報取得部は、消耗部品が装着されていた記録装置の型式を識別する装置型式情報をさらに取得し、在庫数量予測部は、装置型式情報で識別される型式ごとに必要在庫数量を予測してもよい。これにより交換部品在庫予測装置は、構成部品の必要在庫数量を記録装置の型式別に出力する。したがって在庫管理が容易になる。
【0008】
情報取得部は、稼働時間に関する情報として記録装置が印刷した紙の枚数及びインク使用量を取得し、在庫数量予測部は、構成部品のうちで排紙を実行する排紙系部品の必要在庫数を印刷した紙の枚数に基づいて予測し、構成部品のうちで印字を実行する印字系部品の必要在庫数をインク使用量に基づいて予測してもよい。印刷した紙の枚数は、排紙系部品の稼働時間を精度よく反映している。また、インク使用量は、印字系部品の稼働時間を精度よく反映している。従って、印刷した紙の枚数及びインク使用量を用いることにより、排紙系部品及び印字系部品のそれぞれの故障見込み数量を精度よく算出し、ひいては排紙系部品及び印字系部品のそれぞれの必要在庫数量を精度よく予測することができる。
【0009】
本発明の第2の形態によれば、記録装置の構成部品を交換するために必要な在庫予測をする交換部品在庫予測方法は、記録装置の稼働時間に関する情報を記録する情報記録部を有する記録装置の消耗部品から稼働時間に関する情報を取得し、記録装置を構成する構成部品毎の故障率を故障率記録部に記録し、取得した稼働時間の情報と故障率記録部に記録されている故障率とに基づいて構成部品の必要在庫数量を予測する。このような交換部品在庫予測方法は、前述の第1の形態と同様の効果を奏する。
【0010】
本発明の第3の形態によれば、記録装置の構成部品を交換するために必要な在庫予測をするプログラムは、コンピュータを、記録装置の稼働時間に関する情報を記録する情報記録部を有する記録装置の消耗部品から稼働時間に関する情報を取得する情報取得手段、記録装置を構成する構成部品の故障率を記録した故障率記録手段、及び情報取得手段から取得した稼働時間の情報と故障率記録手段に記録されている故障率とに基づいて構成部品の必要在庫数量を予測する在庫数量予測手段として機能させる。このようなプログラムは、前述の第1の形態と同様の効果を奏する。
【0011】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る在庫予測システム100の構成の一例を示す。在庫予測システム100は、顧客端末40に接続されたプリンタ10と、プリンタ10の消耗部品であるインクカートリッジ20を回収する回収ポスト30と、ネットワーク80を介して回収ポスト30に接続され、プリンタ10の構成部品を交換するために必要な構成部品の在庫予測をする在庫予測装置50と、在庫予測装置50の在庫予測に基づいて構成部品の在庫を保管し、プリンタ10の修理を受け付けるリペアセンタ70とを備える。
【0014】
インクカートリッジ20はプリンタ10の稼働時間に関する情報を記録するICチップ22を有する。なお、在庫予測装置50は本発明の交換部品在庫予測装置の一例、プリンタ10は本発明の記録装置の一例、インクカートリッジ20は本発明の消耗部品の一例、そしてICチップ22は本発明の情報記録部の一例である。本実施形態に於いて在庫予測装置50は、インクカートリッジ20からネットワーク80経由で取得するプリンタ10の稼働時間の情報に基づいて、プリンタ10の構成部品の必要在庫数量を予測することを目的とする。
【0015】
ICチップ22は、プリンタ10の稼働時間に関する情報として、インクカートリッジ20の使用開始日、使用終了日、及び使用履歴と、プリンタ10にインクカートリッジ20が装着されている期間の累計稼働時間、稼働履歴、累計印刷枚数、累計インク使用量、及び累計キャリッジ移動距離等を記録している。インクカートリッジ20の使用開始日及び使用終了日は、インクカートリッジ20がプリンタ10に装着されていた期間を示す情報の一例である。インクカートリッジ20の使用開始日としては、インクカートリッジ20を保持するキャリッジにインクカートリッジ20を最初に取り付けた日を記録する。またインクカートリッジ20の使用終了日としては、プリンタヘッドをインク交換ポジションに最後に移動した日を記録する。ICチップ22は更に、プリンタ10の機種を識別する機種情報を記録している。機種情報は本発明の装置型式情報の一例である。ICチップ22のデータのよみ書きは非接触で行われてもよいし接触式で行われてもよい。
【0016】
回収ポスト30は、例えば電気店等に設置されている。そして、ユーザが使用済みのインクカートリッジ20を投入するとICチップ22の記録内容を読み取り、当該記録内容をネットワーク80経由で在庫予測装置50に送信する。在庫予測システム100の他の構成においては、複数の回収ポスト30に投入されたインクカートリッジ20をトラックなどの輸送手段を用いてまとめて集荷する回収センターをさらに備えてもよい。集荷センターはネットワーク80に接続されており、集荷したインクカートリッジ20のICチップ22から記録内容を一括して読み取り、当該記録内容をネットワーク80経由で在庫予測装置50に送信する。この構成によれば、回収ポスト30をネットワーク80に接続する必要がない。
【0017】
以上のように構成された在庫予測システム100によれば、在庫予測装置50はインクカートリッジ20から取得するプリンタ10の使用実績に基づいてプリンタ10の構成部品の必要在庫数量を精度よく予測し、リペアセンタ70は在庫予測装置50による精度の高い在庫予測に基づいて構成部品の在庫を適切に確保することができる。したがって、在庫予測システム100によれば、リペアセンタ70における、プリンタ10の構成部品の在庫不足又は不良在庫の発生を低減することができる。
【0018】
図2は、在庫予測装置50の機能構成の一例を示す。在庫予測装置50は、図1で説明したインクカートリッジ20からプリンタ10の稼働時間に関する情報を取得する情報取得部52と、プリンタ10を構成する構成部品毎の故障率を記録している故障率記録部56と、情報取得部52から取得した稼働時間の情報と故障率記録部56に記録されている故障率とに基づいて構成部品の必要在庫数量を予測する在庫数量予測部54とを備える。記録媒体60は、在庫予測装置50の情報取得部52、在庫数量予測部54、故障率記録部56を機能させるプログラムを格納している。記録媒体60はそのようなプログラムをネットワークを介して取得してもよい。
【0019】
図3は、故障率記録部56のデータフォーマットの一例である。故障率記録部56は、プリンタ10を構成する部品に対応付けて、当該部品の故障率を格納している。
【0020】
また故障率記録部56は、構成部品と故障率とを対応付けたテーブルを機種別に管理している。それぞれの機種に関するテーブルは、構成部品の員数、それぞれの構成部品が排紙を実行する排紙系部品で有るか否か、並びに印字を実行する印字系部品で有るか否かを構成部品のそれぞれに対応付けて更に管理している。
【0021】
図4は、図3における部品a1の故障見込み数の推移を月別に示すグラフである。棒グラフは機種Aのインクカートリッジ20を回収した個数、すなわち情報取得部52がプリンタ10の使用実績を取得したインクカートリッジ20の数量の実績を示す。黒丸の折れ線グラフは、機種Aの月別平均稼働時間の実績を示す。機種Aの月別平均稼働時間の実績は、インクカートリッジ20から取得した情報のうちの機種Aの稼働履歴を集計することにより算出される。また白丸の折れ線グラフは、インクカートリッジ20を回収した機種Aのうちで、将来故障する見込みの部品a1の数量を示す。在庫予測装置50は、将来故障する見込みの部品a1の数量とインクカートリッジ20の回収率とを用いて構成部品の必要在庫数量を算出する。在庫予測装置50が、将来故障する部品a1の見込み数量を算出する方法、並びに必要在庫数量を算出する方法については図5を参照して後述する。
【0022】
図5は、在庫予測装置50が必要在庫数量を算出する動作の一例を示す。まず、情報取得部52がインクカートリッジ20からネットワーク80を介してプリンタ10の稼働時間に関する情報を取得する(S100)。情報取得部52が取得する稼働時間に関する情報は、インクカートリッジ20の使用開始日、使用終了日、及び使用履歴と、プリンタ10にインクカートリッジ20が装着されている期間の累計稼働時間、稼働履歴、累計印刷枚数、累計インク使用量、及び累計キャリッジ移動距離と、プリンタ10の機種情報とを含む。
【0023】
次に、在庫数量予測部54は、情報取得部52が取得したプリンタ10の稼働時間に関する情報に基づいて故障率記録部56を参照し、構成部品毎の故障見込み数を算出する(S102)。例えば在庫数量予測部54は、インクカートリッジ20毎に、該当するプリンタ10の構成部品のそれぞれに対応付けられた故障率関数(t)と、当該プリンタ10の累計稼働時間とに基づいて、構成部品の故障率をそれぞれ算出する。そして算出した故障率のそれぞれに構成部品の員数を掛け合わせる。同様の処理を全てのインクカートリッジ20について逐次実行し、同一の部品についての故障率を集計する。これにより、インクカートリッジ20が回収されたプリンタ10に関する構成部品別の故障見込み数が算出される。
【0024】
続いて、在庫数量予測部54は、ステップ102で算出された構成部品別の故障見込み数を所定の係数で補正することにより、構成部品別の必要在庫数量を算出する(S104)。例えば、ステップ102で算出された構成部品別の故障見込み数をインクカートリッジ20の回収率で割ることにより、市場で現在稼働しているプリンタ10中の構成部品が故障する見込みの数量(以下、実故障見込み数)を算出する。そして、当該実故障見込み数に所定の安全率をかけることにより、構成部品別の翌月の必要在庫数量を算出する。
【0025】
例えば、ステップ102で算出された故障見込み数が300個、回収率が30%である場合、当該構成部品の実故障見込み数は、
300÷(30/100)=1000(個)
となる。そして安全率を例えば2.5倍とすれば、当該構成部品の翌月の必要在庫数量は、
1000×2.5=2500(個)
となる。安全率は在庫予測システム100の運用実績に応じて適宜見直すことが好ましい。以上で本フローは終了する。以上のフローによれば在庫予測装置50は、インクカートリッジ20から取得するプリンタ10の使用実績に基づいてプリンタ10の構成部品別の必要在庫数量を精度よく予測することができる。なお、在庫数量予測部54は、プリンタ10の機種毎に構成部品の必要在庫数量を予測することが好ましい。これによりリペアセンタ70における部品の在庫管理が容易になる。
【0026】
在庫予測装置50はさらに、翌月以降の必要在庫数量を以下の手順で予測してもよい。まず、プリンタ10の稼働実績を取得した最新の月を基準月とする。そして基準月時点でのプリンタ10毎の稼働実績に、基準月から在庫を予測すべき対象月までの稼働時間見込みを加算することにより、対象月時点でのプリンタ10の累計稼働時間見込みを算出する。ここで、基準月から対象月までの稼働時間見込みは、該当する機種の前年の月別平均稼働時間(図4参照)を用いる。該当機種の前年の月別平均稼働時間がない場合には、該当機種と同一のクラスに属する他の機種、すなわち使用される用途及び顧客層が同様である他の機種の実績を用いてもよい。
【0027】
次に、対象月時点でのプリンタ10の累計稼働時間見込みに基づいて故障率記録部56を参照することにより、当該プリンタ10の構成部品別の故障率を算出する。同様に、インクカートリッジ20経由で情報を取得した全てのプリンタ10について構成部品の故障率を逐次算出し、算出した故障率を同一の構成部品毎に集計する。そして集計した構成部品毎の故障率を、基準月と対象月とにおけるインクカートリッジ20の回収個数の見込み比率と、インクカートリッジ20の回収率とで補正することにより、対象月における構成部品の実故障見込み数を算出する。インクカートリッジ20の回収個数の見込み比率は、前年同月比を用いる。例えば、前年の基準月におけるインクカートリッジ20の回収個数が5万個、同じく前年の対象月におけるインクカートリッジ20の回収個数が3万個であり、回収率が30%である場合、
(構成部品の実故障見込み数)=(集計した構成部品毎の故障率)×(3万個/5万個)÷(30/100)
となる。
【0028】
最後に、上記式に基づいて算出された構成部品の実故障見込み数に所定の安全率を乗じることによって、対象月における構成部品毎の必要在庫数量が算出される。以上の手順によれば、在庫予測装置50は、インクカートリッジ20から取得したプリンタ10の使用実績に基づいて、プリンタ10の構成部品を交換するために必要な将来の在庫を精度よく予測することができる。
【0029】
図6は、図5におけるステップ102の動作の他の例を示すフローチャートである。本フローにおいて、在庫数量予測部54は、プリンタ10の構成部品毎の故障見込み数を、構成部品の機能に応じた入力パラメータを用いて精度よく算出することを目的とする。まず、在庫数量予測部54は、プリンタ10が印刷した紙の枚数の累計を情報取得部52から取得し、構成部品のうちで排紙を実行する排紙系部品の故障見込み数を紙の枚数の累計に基づいて算出する(S10)。紙の枚数の累計は紙のサイズ毎に取得することが好ましい。
【0030】
例えば、在庫数量予測部54は紙のサイズ毎の排出枚数の累計から、プリンタ10が排紙した総排紙距離を算出する。故障率記録部56は、排紙系部品の故障率を、総排出距離に依存する関数として予め記録している。そして在庫数量予測部54は、プリンタ10毎に算出した総排紙距離と当該排紙系部品の故障率関数とに基づいてプリンタ10が有する排紙系部品の故障率を算出する。同様の処理をインクカートリッジ20が回収された全てのプリンタ10について逐次実行し、同一の排紙系部品についての故障率を集計する。これにより排紙系部品の故障見込み数が算出される。
【0031】
次に、在庫数量予測部54は、プリンタ10が使用したインク量の累計を情報取得部52から取得し、構成部品のうちで印字を実行する印字系部品の故障見込み数を、使用したインク量の累計に基づいて算出する(S12)。この場合、故障率記録部56は、印字系部品の故障率を、使用したインク量の累計に依存する関数として予め記録している。そして在庫数量予測部54は、プリンタ10毎のインク量の累計と当該印字系部品の故障率関数とに基づいてプリンタ10が有する印字系部品の故障率を算出する。同様の処理をインクカートリッジ20が回収された全てのプリンタ10について逐次実行し、同一の印字系部品についての故障率を集計する。これにより印字系部品の故障見込み数が算出される。
【0032】
次に、在庫数量予測部54は、プリンタ10のキャリッジ移動距離の累計を情報取得部52から取得し、構成部品のうちでキャリッジを駆動するキャリッジ駆動系部品の故障見込み数を、キャリッジ移動距離の累計に基づいて算出する(S14)。この場合、故障率記録部56は、キャリッジ駆動系部品の故障率を、キャリッジ移動距離の累計に依存する関数として予め記録している。そして在庫数量予測部54は、プリンタ10毎のキャリッジ移動距離の累計と当該キャリッジ駆動系部品の故障率関数とに基づいてプリンタ10が有するキャリッジ駆動系部品の故障率を算出する。同様の処理をインクカートリッジ20が回収された全てのプリンタ10について逐次実行し、同一のキャリッジ駆動系部品についての故障率を集計する。これによりキャリッジ駆動系部品の故障見込み数が算出される。以上のステップ(S10、S12、S14)によれば、在庫数量予測部54は、構成部品毎の機能に応じた入力パラメータを用いて故障見込み数を精度よく算出することができる。
【0033】
上記説明から明らかなように、本実施形態によれば、在庫予測装置50は、インクカートリッジ20から取得するプリンタ10の使用実績に基づいてプリンタ10の構成部品の必要在庫数量を精度よく予測する。したがってリペアセンタ70は、在庫予測装置50による精度の高い在庫予測に基づいて構成部品の在庫を適切に確保することができる。この結果、リペアセンタ70における、プリンタ10の構成部品の在庫不足及び不良在庫の発生をいずれも低減することができる。
【0034】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】在庫予測システム100の構成の一例を示す図である。
【図2】在庫予測装置50の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】故障率記録部56のデータフォーマットの一例である。
【図4】部品a1の故障見込み数の推移を示すグラフである。
【図5】在庫予測装置50が必要在庫数量を算出する動作の一例を示す。
【図6】図5におけるステップ102の動作の他の例を示す。
【符号の説明】
10 プリンタ、20 インクカートリッジ、22 ICチップ、30 回収ポスト、40 顧客端末、50 在庫予測装置、52 情報取得部、54 在庫数量予測部、56 故障率記録部、60 記録媒体、70 リペアセンタ、80 ネットワーク、100 在庫予測システム
Claims (6)
- 記録装置の構成部品を交換するために必要な構成部品の在庫予測をする交換部品在庫予測装置であって、
前記記録装置の稼働時間に関する情報を記録する情報記録部を有する記録装置の消耗部品から前記稼働時間に関する情報を取得する情報取得部と、
前記記録装置を構成する前記構成部品毎の故障率を記録している故障率記録部と、
前記情報取得部から取得した前記稼働時間の情報と前記故障率記録部に記録されている前記故障率とに基づいて前記構成部品の必要在庫数量を予測する在庫数量予測部と
を備える交換部品在庫予測装置。 - 前記消耗部品はインクカートリッジであって、
前記情報取得部は、前記稼働時間に関する情報として、前記インクカートリッジが前記記録装置に装着されていた期間および使用履歴を取得する請求項1に記載の交換部品在庫予測装置。 - 前記情報取得部は、前記消耗部品が装着されていた前記記録装置の型式を識別する装置型式情報をさらに取得し、
前記在庫数量予測部は、前記装置型式情報で識別される前記型式ごとに前記必要在庫数量を予測する請求項1に記載の交換部品在庫予測装置。 - 前記情報取得部は、前記稼働時間に関する情報として前記記録装置が印刷した紙の枚数及びインク使用量を取得し、
前記在庫数量予測部は、前記構成部品のうちで排紙を実行する排紙系部品の必要在庫数量を前記印刷した紙の枚数に基づいて予測し、前記構成部品のうちで印字を実行する印字系部品の必要在庫数量を前記インク使用量に基づいて予測する請求項1に記載の交換部品在庫予測装置。 - 記録装置の構成部品を交換するために必要な在庫予測をする交換部品在庫予測方法であって、
前記記録装置の稼働時間に関する情報を記録する情報記録部を有する記録装置の消耗部品から前記稼働時間に関する情報を取得し、
前記記録装置を構成する前記構成部品毎の故障率を故障率記録部に記録し、
取得した前記稼働時間の情報と前記故障率記録部に記録されている前記故障率とに基づいて前記構成部品の必要在庫数量を予測する
交換部品在庫予測方法。 - 記録装置の構成部品を交換するために必要な在庫予測をするプログラムであって、コンピュータを
前記記録装置の稼働時間に関する情報を記録する情報記録部を有する記録装置の消耗部品から前記稼働時間に関する情報を取得する情報取得手段、
前記記録装置を構成する前記構成部品毎の故障率を記録している故障率記録手段、
前記情報取得手段から取得した前記稼働時間の情報と前記故障率記録手段に記録されている前記故障率とに基づいて前記構成部品の必要在庫数量を予測する在庫数量予測手段
として機能させるプログラム。
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