JP2011065091A - 画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸、フッ素化ポリイミド無端ベルト、ベルトユニットおよび画像形成装置 - Google Patents

画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸、フッ素化ポリイミド無端ベルト、ベルトユニットおよび画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比べ機械的強度に優れ、かつ撥水姓に優れた、画像形成部材、とくに転写、定着部材における無端ベルトに用いられるフッ素含有ポリアミック酸を提供する。
【解決手段】画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸は、(A)フッ素原子を含有しないジアミン化合物と、(B)フッ素原子を含有しないテトラカルボン酸ジ無水物と、(C)フッ素原子を含有する末端封止剤と、を重合して得られ、イミド転化後のフッ素化ポリイミドにおけるフッ素含有率が0を超えて8.0質量%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸、フッ素化ポリイミド無端ベルト、ベルトユニットおよび画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた画像形成装置は、無機または有機材料からなる光導電性感光体である像保持体上に電荷を形成し、画像信号を変調したレーザ光等で静電濳像を形成した後、帯電したトナーで前記静電濳像を現像して可視化したトナー像とする。そして、上記トナー像が中間転写体を介して、あるいは直接記録紙等の記録媒体に静電的に転写され、トナー像が加熱定着されることにより所要の再生画像を得る。特に、上記像保持体に形成したトナー像を中間転写体に一次転写し、更に中間転写体上のトナー像を記録紙に二次転写する方式を採用した画像形成装置が知られている。
上記画像形成装置に用いられる材料、特に転写、定着部材用の材料としては、ポリカーボネート樹脂、ポリフッ化ビニリデン(以下「PVDF」ともいう)等の熱可塑性樹脂を用いた導電性の無端ベルトや、ポリエステル等の織布と弾性部材を積層してなる補強材入り弾性ベルトが提案されているが、強度や寸法安定性、耐熱性等の観点からポリイミドが好適に用いられる場合がある。例えば、円筒体の内面にポリアミック酸(ポリイミド前駆体)の溶液を塗布し、回転しながら乾燥させる遠心成形法(例えば、特許文献1)や、円筒体内面にポリアミック酸の溶液を展開する内面塗布法(例えば、特許文献2)、さらに、芯体の表面に、浸漬塗布法によってポリアミック酸の溶液を塗布して乾燥、加熱した後、ポリイミド皮膜を芯体から剥離する方法(例えば、特許文献3)によるポリイミドの無端ベルトを作製し用いる例が報告されている。
ところで、ポリイミドにおいて、従来の機械的強度や寸法安定性、耐熱性等の観点に加え、さらにトナーとの剥離に優れること、また紙との接触、擦れがあるためにその摺動性に優れるといった機能がより望まれる場合がある。とくに近年、トナーの小粒化が進み、これらの機能が望まれつつある。
例えば、定着部材において、上述のような要求を満たすために、ポリイミドを基材とし、表面層に摺動性に優れたポリテトラフルオロエチレン(以下「PTFE」ともいう)を積層する方法(例えば、特許文献4)が報告されている。
一方で、ポリイミドにフッ素原子を導入した、いわゆるフッ素化ポリイミドを用いて上記要求を満たす試みが報告されている。例えば、定着装置に用いるフィルムとして、ポリイミドの主鎖中にフッ素原子を導入したフッ素化ポリイミドを主成分とする材料を用いることが報告されている(例えば、特許文献5)。また、画像成形部材に用いる旨は開示されていないものの、フッ素化ポリイミドについての報告や、ポリイミドの末端にフッ素を含有させることにより耐熱性を保持しつつ、撥水姓を有するポリイミドが報告されている(例えば、特許文献6,7,8)。
特開昭57−74131号公報 特開昭62−19437号公報 特開昭61−273919号公報 特開2006−255615号公報 特開平9−274402号公報 特開2000−56310号公報 特開平10−110031号公報 特開平11−21350号公報
本発明の目的は、本願の構成を有しない場合に比べ、機械的強度に優れた、画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するフッ素含有ポリアミック酸により得られるフッ素化ポリイミドが、機械的強度かつ撥水姓に優れることを見出し、さらに画像形成部材用、とくに転写、定着部材における無端ベルトとして好適であることを見出し、本発明に至った。
請求項1に係る発明は、
(A)フッ素原子を含有しないジアミン化合物と、(B)フッ素原子を含有しないテトラカルボン酸ジ無水物と、(C)フッ素原子を含有する末端封止剤と、を重合して得られる画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸であり、イミド転化後のフッ素化ポリイミドにおけるフッ素含有率が0を超えて8.0質量%以下であることを特徴とする画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸である。
請求項2に係る発明は、
上記(A)フッ素を含有しないジアミン化合物が、p−フェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも一種である上記請求項1に記載の画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸である。
請求項3に係る発明は、
上記(B)フッ素を含有しないテトラカルボン酸ジ無水物が3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物である上記請求項1または請求項2に記載の画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸である。
請求項4に係る発明は、
上記(C)フッ素を含有する末端封止剤が酸無水物、モノアミン化合物から選ばれる少なくとも一種類である上記請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸である。
請求項5に係る発明は、
上記(A)フッ素原子を含有しないジアミン化合物と、上記(B)フッ素原子を含有しないテトラカルボン酸ジ無水物と、上記(C)フッ素原子を含有する末端封止剤と、を重合して得られる画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸であり、上記(C)フッ素原子を含有する末端封止剤において、フッ素原子が、少なくとも直鎖または分岐の炭素鎖の炭素数が2以上のアルキル基、または炭素数が6以上のアリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基(ここで、前記アルキル基、アリール基アルキルアリール基またはアリールアルキル基は酸素原子または窒素原子で一部置換されていてもよい)に結合した構造を有する画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸である。
請求項6に係る発明は、
上記請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載のフッ素含有ポリアミック酸をイミド転化してなる転写または定着用フッ素化ポリイミド無端ベルトである。
請求項7に係る発明は、
上記請求項6に記載のフッ素含有ポリアミック酸をイミド転化してなる転写または定着用フッ素化ポリイミド無端ベルトを含むことを特徴とするベルトユニットである。
請求項8に係る発明は、
潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を静電荷像現像用現像剤を用いて現像する現像手段と、現像されたトナー画像を中間転写体を介してまたは介さずに被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上のトナー画像を定着する定着手段と、を含む画像形成装置であり、前記転写手段に用いる転写ベルトおよび前記定着手段に用いる定着ベルトの少なくとも一方が、請求項6に記載のフッ素化ポリイミド無端ベルトである画像形成装置である。
本願請求項1に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、剛性等の機械的強度に優れるフッ素化ポリイミドの前駆体となるフッ素含有ポリアミック酸が得られる。
本願請求項2に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、剛性等の機械的強度に優れるフッ素化ポリイミドの前駆体となるフッ素含有ポリアミック酸が得られる。
本願請求項3に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、剛性等の機械的強度に優れるフッ素化ポリイミドの前駆体となるフッ素含有ポリアミック酸が得られる。
本願請求項4に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、剛性等の機械的強度に優れ、かつ撥水姓に優れるフッ素化ポリイミドの前駆体となるフッ素含有ポリアミック酸が得られる。
本願請求項5に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、剛性等の機械的強度に優れ、かつ撥水姓に優れるフッ素化ポリイミドの前駆体となるフッ素含有ポリアミック酸が得られる。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、機械的強度に優れた転写または定着用フッ素化ポリイミド無端ベルトが提供される。
請求項7に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、機械的強度に優れるベルトユニットが得られる。
請求項8に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、長期間に亘って高画質が得られる画像形成装置が得られる。
中間転写ベルト、定着ベルトとしてポリイミド無端ベルトを適用した、本実施の形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 図1に記載の本実施の形態に係る画像形成装置の定着装置を拡大して示す概略構成図である。 中間転写定着ベルトとしてポリイミド無端ベルトを適用した、本実施の形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 無端ベルトの耐久性を測定する装置の概略構成図である。
本発明の実施の形態における画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸、フッ素化ポリイミド無端ベルトおよび画像形成装置について、以下に説明する。
<(A)フッ素を含有しないジアミン化合物>
本実施の形態で用いられる(A)フッ素を含有しないジアミン化合物(以下単に「(A)成分」ともいう)としては、ポリアミック酸の重合反応に用いられる、分子構造中に2つのアミノ基を有する公知のジアミン化合物であり、かつフッ素を含有しないものであれば特に限定されるものではなく、公知のものが用いられる。本実施の形態において、フッ素を含有しないジアミン化合物とは、ジアミン化合物に対して化学結合によってフッ素原子、またはフッ素を含有する置換基が導入されていないことを意味する。
前記ジアミン化合物は、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン等の芳香族ジアミン化合物、ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン化合物、1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミン化合物及び脂環式ジアミン化合物等が挙げられる。これらのジアミン化合物は1種類あるいは2種以上併用して用いても差し支えない。
ここで、上記ジアミン化合物としては、得られるポリアミック酸の加工性、得られるポリイミドの耐熱性、機械的強度の観点からp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォンが好ましく用いられ、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルがより好ましく用いられる。
<(B)フッ素を含有しないテトラカルボン酸ジ無水物>
本実施の形態で用いられる(B)フッ素を含有しないテトラカルボン酸ジ無水物(以下単に「(B)成分」ともいう)としては、ポリアミック酸の重合反応に用いられる、分子構造中に2つのカルボン酸の無水環を有する公知のテトラカルボン酸ジ無水物であり、かつフッ素を含有しないものであれば特に限定されるものではなく、公知のものが用いられる。本実施の形態において、フッ素を含有しないテトラカルボン酸ジ無水物とは、テトラカルボン酸ジ無水物に対して化学結合によってフッ素原子、またはフッ素を含有する置換基が導入されていないことを意味する。
前記テトラカルボン酸ジ無水物としては、例えば、ピロメリット酸ジ無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸ジ無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジ無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸ジ無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸ジ無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸ジ無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸ジ無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸ジ無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィドジ無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホンジ無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパンジ無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイドジ無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)ジ無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)ジ無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテルジ無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタンジ無水物等が挙げられる。
また、脂肪族のテトラカルボン酸ジ無水物としては、ブタンテトラカルボン酸ジ無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸ジ無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸ジ無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸ジ無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸ジ無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸ジ無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ジ無水物等の脂肪族又は脂環式テトラカルボン酸ジ無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン等の芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸ジ無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸ジ無水物は、1種類あるいは2種類以上併用して用いても差し支えない。
ここで、上記テトラカルボン酸ジ無水物としては、得られるポリアミック酸の加工性、得られるポリイミドの耐熱性、機械的強度の観点から芳香族系のテトラカルボン酸ジ無水物が好ましく、ピロメリット酸ジ無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸ジ無水物がより好ましく、ピロメリット酸ジ無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物がもっとも好ましい。
<(C)フッ素原子を含有する末端封止剤>
本実施の形態で用いられる(C)フッ素原子を含有する末端封止剤(以下単に「(C)成分」ともいう)としては、上記(A)ジアミン化合物および上記(B)テトラカルボン酸ジ無水物の少なくとも一方と反応し、その結果、該(A)成分及び(B)成分によって得られるポリアミック酸の末端に結合する化合物であって、該化合物は、化学結合によってフッ素原子、またはフッ素を含有する置換基が導入されているものを意味する。
例えばフッ素原子を分子中に有する酸無水物、アルコール化合物、エステル化合物、アミン化合物、アミド化合物等特に限定されるものではない。また、(A)ジアミン化合物および上記(B)テトラカルボン酸ジ無水物の少なくとも一方と反応させるためには、例えばエステル化合物を用いる場合、酸などの触媒を添加するなど、公知の技術を用いても差し支えない。
ここで、得られるフッ素化ポリイミドの機械的特性および撥水姓に優れるといった観点から、前記(C)フッ素原子を含有する末端封止剤において、フッ素原子が、直鎖または分岐の炭素鎖を有し、前記炭素鎖の炭素数が2以上のアルキル基、または炭素数が6以上のアリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基(前記アルキル基、アリール基アルキルアリール基またはアリールアルキル基は酸素原子または窒素原子で一部置換されていてもよい。)に結合した構造を有することが好ましい。本理由としては、フッ素ユニットはポリイミドのバルク中に存在すると可塑剤的な硬化により機械的強度が落ちるが、上記のような構造を有する末端封止剤を用いると、フッ素ユニットがバルク中からバルク表面に浮き出る効果があると考えられ、機械的強度を落とすことなく撥水姓が向上するものと考えられる。
より具体的には、ジアミン化合物と反応するものの例としては、ヘキサフルオログルタル酸無水物、テトラフルオロフタル酸無水物、3−フルオロフタル酸無水物、4−フルオロフタル酸無水物およびこれらの誘導体からなる酸無水物、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸、ペンタフルオロプロピオン酸、ヘプタフルオロ酪酸、ヘプタフルオロ酪酸、ペンタデカフルオロオクタン酸、ペンタデカフルオロオクタン酸、2−トリフルオロメチルー3,3,3−プロピオン酸およびこれらの誘導体からなるカルボン酸化合物を挙げられる。
テトラカルボン酸ジ無水物と反応するものの例としては、1H,1H−ヘプタフルオロブチルアミン、1H,1H−トリデカフルオロヘプチルアミン、1H,1H−ペンタデカフルオロオクチルアミン、1H,1H−ヘプタデカフルオロノニルアミン等脂肪族のモノアミン化合物、p−フルオロアミン、2,4,6−トリフルオロアニリン、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノベンゾトリフルオリド等芳香族のモノアミン化合物、トリフルオロ酢酸メチル、トリフルオロ酢酸エチル、ペンタフルオロプロピオン酸メチル、ペンタフルオロプロピオン酸エチル、ヘプタフルオロ酪酸メチル、ヘプタフルオロ酪酸エチル、ペンタデカフルオロオクタン酸メチル、ペンタデカフルオロオクタン酸エチル、2−トリフルオロメチルー3,3,3−プロピオン酸メチルおよびこれらの誘導体からなるエステル化合物を挙げられる。また、フッ素原子を含有する末端封止剤において、フッ素原子が、直鎖または分岐の炭素鎖を有し、前記炭素鎖の炭素数が2以上のアルキル基、または炭素数が6以上のアリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基(前記アルキル基、アリール基アルキルアリール基またはアリールアルキル基は酸素原子または窒素原子で一部置換されていてもよい。)に結合した構造を有するものとしては、例えば、3−(パーフルオロヘキシル)アニリン、4−(トリフルオロメチトキシ)アニリン、4−(トリフルオロメチロキシ)ベンジルアミン、4−(4‘−トリフルオロメチルフェノキシ)アニリン、4−(テトラフルオロエチロキシ)アニリン、3−(6H−パーフルオロヘキシル)アニリン、2−(2−(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペントキシ)エチロキシ)エチルアミンなどを挙げることができる。
ここで、最終的に得られるフッ素化ポリイミドの製膜性に優れる観点から酸無水物、モノアミン化合物、エステル化合物が好ましい。これらは1種類あるいは2種以上併用して用いても差し支えない。
<フッ素含有ポリアミック酸>
本実施の形態におけるフッ素含有ポリアミック酸とは、(A)フッ素を含有しないジアミン化合物、(B)フッ素を含有しないテトラカルボン酸を重合することによって得られたフッ素含有ポリアミック酸であって下記一般式によって表されるもののうち、(C)フッ素を含有する末端封止剤によって末端にフッ素が導入されたフッ素含有ポリアミック酸であって、かつ画像形成部材、特に転写、定着用無端ベルトに用いるものをいう。

(式中、Rは(A)フッ素を含有しないジアミン化合物に由来する2価の芳香族残基または脂肪族残基を示し、かつフッ素原子を置換基として含有していないもの、Rは(B)フッ素を含有しないテトラカルボン酸に由来する4価の芳香族残基または脂肪族残基であってかつフッ素原子を置換基として含有していないものを示す。また、nは正の数を示す。)
上記R,Rの芳香族残基、脂肪族残基の水素の一部がフッ素原子以外のアルキル基や水酸基等の置換基で置換されていても、公知の構造であれば限定されるものではない。
なお、ポリアミック酸の末端は、(A)フッ素を含有しないジアミン化合物、(B)フッ素を含有しないテトラカルボン酸の配合量比によって決定される。すなわち、(A)成分が(B)成分よりも過剰である場合にはポリアミック酸の末端はアミン末端となり、(B)成分が(A)成分よりも過剰である場合にはポリアミック酸の末端は無水カルボン酸末端となる。
上記ポリアミック酸において、末端にフッ素が導入されたポリアミック酸として、好ましい例としては下記一般式で表される。

(式中、Rは(A)フッ素を含有しないジアミン化合物に由来する2価の芳香族残基または脂肪族残基を示し、かつフッ素原子を置換基として含有していないもの、Rは(B)フッ素を含有しないテトラカルボン酸に由来する4価の芳香族残基または脂肪族残基をかつフッ素原子を置換基として含有していないものを示す。また、nは正の数を示す。またRからRは(C)フッ素原子を含有する末端封止剤に由来するフッ素原子を含む芳香族残基または脂肪族残基である。)
本実施の形態では、RからRにおいて、フッ素原子が少なくとも1つの炭素鎖長の炭素数は、2以上のアルキル基、または炭素数が6以上のアリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基(前記アルキル基、アリール基アルキルアリール基またはアリールアルキル基は酸素原子または窒素原子で一部置換されていてもよい)に結合した構造を有することが好ましい。
上記R、Rの芳香族残基、脂肪族残基の水素の一部がフッ素原子以外のアルキル基や水酸基等の置換基で置換されていても、公知の構造であれば限定されるものではない。
上記フッ素含有ポリアミック酸は、(A)フッ素を含有しないジアミン化合物、(B)フッ素を含有しないテトラカルボン酸、及び(C)フッ素を含有する末端封止剤を重合して得られる。ここで(A)成分、(B)成分及び(C)成分の配合量としては特に限定されるものではないが、得られるフッ素含有ポリアミック酸の溶液における粘度が、後述する膜の作製に係る塗布工程において均一な塗布が可能な範囲であり、さらに得られる膜が機械的に十分な強度を有するという観点から、(A)フッ素を含有しないジアミン化合物Xモル、(B)フッ素を含有しないテトラカルボン酸Yモルとした場合、下記式(1)または(2)を満たすことが好ましい。
フッ素含有ポリアミック酸がアミノ末端の場合、式(1):0.940≦Y/X≦0.995、
フッ素含有ポリアミック酸の無水カルボン酸末端の場合、式(2):0.940≦X/Y≦0.995、
このとき、式中(1)、(2)において、Y/X、X/Yともに、より好ましくは0.950以上0.990以下であり、もっとも好ましくは0.960以上0.985以下である。
また、(C)フッ素を含有する末端封止剤Zモルとした場合、得られるフッ素含有ポリアミック酸の溶液の安定性が高く、得られる膜が機械的強度に優れるといった観点から下記式(3)または(4)を満たすことが好ましい。
フッ素含有ポリアミック酸のアミノ末端の場合、式(3):0.00<Z/2(X−Y)≦1.00、
フッ素含有ポリアミック酸の無水カルボン酸末端の場合、式(4):0.00<Z/2(Y−X)≦1.00、
このとき、式中(3)、(4)において、Z/2(X−Y)、Z/2(Y−X)ともに、より好ましくは0.15以上0.99以下であり、もっとも好ましくは0.25以上0.90以下である。
前記ポリアミック酸の構造分析の方法としては、特に限定されるものではなく、公知の化学分析方法によって行われる。ここで、具体的な例を下記に示す。
まずポリアミック酸の溶液に対してメタノールを加えて、ポリアミック酸の再沈物を得る。該再沈殿物を耐圧ビンに入れて、1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、100℃で2時間処理を行い、ポリアミック酸の加水分解物を得る。次にこの加水分解物をクロロホルムで抽出作業を行い、クロロホルム相の濃縮液から、赤外分光法および核磁気共鳴分光法、ガスクロマトグラフィー法によって分析し、ジアミン成分の構造および量を特定する。また、上記加水分解物のクロロホルム不溶相である水相を中和し、凍結乾燥後、乾燥固形分を得る。これをメタノールによる抽出作業によりを行い、その溶解物を、赤外分光法および核磁気共鳴分光法、ガスクロマトグラフィー法によって分析し、カルボン酸成分の構造および量を特定する。
本実施の形態において、フッ素含有ポリアミック酸の分子量は特に限定されるものではないが、上記化1におけるnとしては好ましくは50から1000であり、さらに好ましくは100から500であり、もっとも好ましくは150から300である。上記範囲であれば得られるポリイミドは機械的強度に優れる傾向にある。
ここで、nの測定は下記GPC法によって得られる重量平均分子量とポリアミック酸を構成するための原料のテトラカルボン酸ジ無水物1モル及びジアミン1モルの分子量を合計して1ユニットの分子量を計算し、上記重量平均分子量を上記1ユニットの分子量で除してポリアミック酸のユニット数nが求められる。
前記GPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法)の例としては、装置として、東ソー(株)製:HLS−8120GPC(カラム:TSKgelシリーズ)、溶離液としてはN−メチルピロリドン(1mMのリチウムブロマイド、1mMの燐酸を添加)を用いて、測定を行う方法が挙げられる。ここで、ポリアミック酸は化学的に不安定であり、条件によっては解重合反応、すなわち分子量が低下するために注意が必要である。よって該GPC法でもサンプル作製から測定まで5h程度で実施しなければならない。
なお、ポリアミック酸の分子量は上記式(1)または(2)によっても制御される。
本実施の形態において、フッ素含有ポリアミック酸の溶液塗布における生産加工性の観点、さらに得られるフッ素化ポリイミドのフィルム、無端ベルト等の外観、機械的物性の観点から、上記ポリアミック酸は、下記赤外吸収分光法法(IR法)によって規定されるイミド化率において0.1%以上25.0%以下であり、さらに好ましくは1.0%以上20.0%以下であり、もっとも好ましくは3.0%以上15.0%以下であることが好ましい。該好ましいポリアミック酸のイミド化率は、後述する反応温度、反応時間を選択することによって得られる。
ここでIR法によるイミド化率は下記方法で測定を行う。
1)ポリアミック酸がN−メチルピロリドンのような有機溶媒に溶解している場合、ガラスやフッ素基盤にディップ、またはスピンコーティングを実施して膜厚が十数ミクロン程度の膜(ア)を得る。
2)上記膜(ア)をテトラヒドロフラン等のポリアミック酸の貧溶媒であり、かつ沸点が100℃未満の溶媒に25±5℃で3分浸漬して、有機溶媒の除去し、ポリアミック酸を析出させ、膜(イ)を得る。
3)上記膜(イ)を温度25±5℃にて真空乾燥(約−0.08MPa)で15分乾燥させたのち、基盤からポリアミック酸の膜をはがして測定サンプル膜(ウ)を得る。
4)上記膜(ウ)をIR装置(例えば(株)堀場製作所製FT−730など)を用いて、透過法で測定する。
5)イミド化率100%の標準サンプルとして、上記膜(ウ)を該当するポリイミドのTg以上の温度で2時間焼成したサンプル(エ)を作製し、これを同様にIR測定する。
6)イミド化率は下記式を用いて算出する。
イミド化率(%)=<膜(ウ)における、イミド環由来の吸収ピーク/内標である芳香族環由来の吸収ピーク強度)>/<膜(エ)における、イミド環由来の吸収ピーク/内標である芳香族環由来の吸収ピーク強度>×100 (%)
また、ポリアミック酸が固体状である場合、同様にKBr粉末を用いて測定することでイミド化率が求められる。
一般にポリアミック酸は、そのアミド結合部位およびカルボキシル基による脱水反応、すなわちイミド化反応が逐次的に起きることが言われている。ここで、イミド化反応が起きると、イミド閉環構造となり、分子の動きが阻害される。その結果ポリアミック酸の流動性が低下し、生産性の面では好ましくないように思われる。しかしながら、イミド化率を上記の好ましい範囲にすることでポリアミック酸の良好な流動性を保持したまま、かつ得られるフッ素化ポリイミドのフィルム、無端ベルト等の機械的強度、特に耐折れ性に代表される強靭性が向上することが明らかとなった。推察するに、ポリアミック酸中の一部イミド化した分子構造の部位が剛直な部位として溶液中にあたかも分散したような状態となり、該溶液を塗布することによってその剛直な部位が分子配向し、ベルト全体にわたって補強効果が生じたためと思われる。
一方、ポリアミック酸における疎水性のフッ素原子を含有する末端封止剤結合末端は、ポリアミック酸のイミド転化に伴い、ベルト内部に比べ、ベルトの表面に露出しやすくなり、その結果、従来に比べ(C)成分の添加量が少なくても、ベルト表面に従来と同等以上の撥水性が得られる。
本実施の形態におけるフッ素含有ポリアミック酸の重合方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法が用いられる。例えば、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を上述した好ましい所定量範囲で調合し、高温にして重合を無溶媒で行う溶解法や、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を上述した好ましい所定量範囲で調合し、さらに溶媒を加えて重合を行う溶液法、さらに、(B)テトラカルボン酸ジ無水物を一旦アルコールで処理を施してジエステルジカルボン酸としたのちに重合を行うジエステルジカルボン酸法が挙げられる。ここで、より簡便な設備で収率よくポリアミック酸を得るといった観点から好ましくは溶媒を用いる溶液法が挙げられる。
前記溶媒としては、公知の有機極性溶媒が用いられ、具体的には、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒;フェノール、o−、m−、又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;ブチルセロソルブ等のセロソルブ系;及びヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
ここで、溶液法についてより詳しく説明する。
(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を溶媒に添加、重合する方法としては特に限定されるものではないが、例えば、
1)一段法:溶媒に(A)Xモル、(B)Yモル、(C)Zモルを混合して重合を行う方法、
2)多段法その1:溶媒に(A)Xモルを溶解させた後、(B)Yモル、(C)Zモルを数段階に分けて徐々に添加した後重合を行う方法、
3)多段法その2:溶媒に(A)Xモルを溶解させた後、(B)Yモルを数段階に分けて徐々に添加した後重合を行い、最後に(C)Zモルを添加して末端にフッ素を導入する方法、
4)ブレンド法:第一バッチで溶媒に(A)X/2モルを溶解させた後、(B)Y/2モルを混合して重合を行い、第二バッチで溶媒に(A)X/2モルを溶解させた後、(B)Y/2モル、(C)Zモルを混合して重合を行い、最終的に第一バッチ、第二バッチをブレンド混合する方法、
等が挙げられる。上記の1種類または2種類以上の組み合わせで行っても差し支えない。
このとき、上記の重合条件としては特に限定されるものではないが、反応を効率的に完了させ、さらに重合反応に付随して起きるイミド化反応を前記の好ましい範囲にするといった観点から、好ましい反応温度としては、30℃以上90℃未満が好ましく、40℃以上80℃未満がより好ましく、50℃以上75℃未満がもっとも好ましい。その際の重合時間は、重合反応が十分進行すればよく、重合度の確認はGPC法(ゲル浸透クロマトグラフィー法)による分子量、分子量分布の測定や、より簡易的には溶液の粘度変化が一定となる時間が目安となる。例えば本発明では、数時間から48時間程度である。
またフッ素含有ポリアミック酸の固形分濃度も特に限定されるものではないが、ポリアミック酸の溶解性、およびその後の塗布工程などの加工的なの観点から好ましくは5質量%以上50質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以上30質量%以下である。
本実施の形態で用いられるフッ素含有ポリアミック酸において、本実施の形態における目的を損なわない範囲において公知の各種添加剤、充填材を添加してもよい。例えば、シリコーン系消泡剤、酸性カーボンブラックやケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボンブラック、酸化チタンや酸化亜鉛、金属粉等の無機化合物、さらには脂肪酸エステル系の帯電防止剤、ポリアニリンなどの高分子導電化合物、また強化材や摺動材、熱伝導材、弾性付与材としてガラス繊維、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、PTFE、シリコンゴムなどが挙げられる。具体的には、転写、定着用無端ベルトに用いる場合には本発明のフッ素含有ポリアミック酸に対して導電性カーボンが分散されて用いられる。
<フッ素化ポリイミドについて>
本実施の形態におけるフッ素化ポリイミドとは、(A)フッ素を含有しないジアミン化合物、(B)フッ素を含有しないテトラカルボン酸、及び(C)フッ素を含有する末端封止剤を重合して得られるポリイミドの前駆体であるフッ素含有ポリアミック酸を、加熱または触媒の添加等公知の方法により脱水、イミド閉環反応することによって得られるフッ素化ポリイミドであって、画像形成部材用、とくに転写、定着用無端ベルトに用いるものをいう。
このうち好ましいフッ素化ポリイミドは下記一般式で表される。

(式中、Rは(A)フッ素を含有しないジアミン化合物に由来する2価の芳香族残基または脂肪族残基を示し、かつフッ素原子を置換基として含有していないもの、Rは(B)フッ素を含有しないテトラカルボン酸に由来する4価の芳香族残基または脂肪族残基をかつフッ素原子を置換基として含有していないものを示す。また、nは正の数を示す。またRからRは(C)フッ素原子を含有する末端封止剤に由来するフッ素原子を含む芳香族残基または脂肪族残基である。)
本実施の形態では、RからRにおいて、フッ素原子が少なくとも1つの炭素鎖長の炭素数は、2以上のアルキル基、または炭素数が6以上のアリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基(前記アルキル基、アリール基アルキルアリール基またはアリールアルキル基は酸素原子または窒素原子で一部置換されていてもよい。)に結合した構造を有することが好ましい。
上記R、Rの芳香族残基、脂肪族残基の水素の一部がフッ素原子以外のアルキル基や水酸基等の置換基で置換されていても、公知の構造であれば限定されるものではない。
このとき、フッ素化ポリイミドにおけるフッ素の含有率は特に限定されるものではないが、得られる膜の機械的強度、特に剛性と撥水姓に代表されるトナーの離型性、紙との摺動性のバランスに優れるといった観点から好ましいフッ素の含有率は全固形分中0を超えて8.0質量%以下であり、より好ましくは0を超えて5.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.10質量%以上4.0質量%以下であり、もっとも好ましくは0.20質量%以上3.0質量%以下である。該フッ素の含有率は、フッ素化ポリイミドの原料である上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分の種類、配合量比によって決定される。
上記フッ素化ポリイミド無端ベルトを得る方法としては特に限定されるものではなく、フッ素含有ポリアミック酸を加熱または触媒の添加等公知の方法により脱水、イミド閉環反応することによって得られる。以下に具体例を示す。
先ず、上記フッ素含有ポリアミック酸を円筒状基材の表面に塗布する。円筒状基材としては、円筒形金型が好ましく、金型の代わりに、樹脂製、ガラス製、セラミック製など、従来既知の様々な素材の成形型が、基材として良好に動作し得る。また、基材の表面にガラスコートやセラミックコートなどを設けること、シリコーン系やフッ素系の剥離剤を使用することも差し支えない。
更に、円筒状基材に対するクリアランス調整がなされた膜厚制御用基材を、円筒状基材に通し平行移動させることで、余分な溶液を排除し、円筒状基材の溶液の厚みバラツキを低減することが好ましい。円筒状基材上への溶液塗布の段階で、溶液の厚みバラツキが抑制されていれば、特に膜厚制御用基材を用いなくてもよい。
円筒状基材の表面とは、円筒型の基材の内面/外面のいずれも使用し得る。
ここで、フッ素含有ポリアミック酸を円筒状基材の表面に塗布するときに用いる塗布溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらを単独または混合物として用いるのが好ましい。更にはキシレン、トルエンの如き芳香族炭化水素も使用可能である。溶媒は、ポリアミック酸およびポリアミック酸−ポリイミド共重合体を溶解するものであれば特に限定されない。
該塗布溶媒は、フッ素含有ポリアミック酸合成時から使用しても、フッ素含有ポリアミック酸重合後に所定の溶媒に置換してもよい。溶媒の置換には、該溶液に所定量の溶剤を添加して希釈する方法、フッ素含有ポリアミック酸を再沈殿した後に所定溶媒中に再溶解させる方法、溶剤を徐々に留去しながら所定溶媒を添加して組成を調整する方法のいずれでもよい。
次に、フッ素含有ポリアミック酸を塗布した円筒状基材を、加熱環境に置き、含有溶媒の好ましくは20質量%以上、より好ましくは60質量%以上を揮発させるための乾燥を行う。この際、溶媒は膜中に残留していても構わず、塗膜表面が乾燥し、傾けても流動しない状態であれば問題ない。乾燥温度は、50℃以上200℃以下の温度範囲で乾燥を行うことが好ましい。
乾燥終了後、フッ素含有ポリアミック酸をイミド転化させフッ素化ポリイミドとする。イミド転化は、該ポリアミック酸を塗布した円筒状基材を所定温度で加熱し、イミド転化反応を十分に進行させることが好ましい。この際の加熱温度は、得られるポリイミドのガラス転移温度以上であれば問題ないとされているが、原料のテトラカルボン酸ジ無水物およびジアミンの種類によってそれぞれ異なり、イミド化が完結する温度、すなわち得られるポリイミドのガラス転移温度以上に設定することが好ましい。例えば、60℃以上500℃以下とされ、望ましくは100℃以上400℃以下とされる。
一方、イミド転化として、以下の化学的イミド化を施してもよい。化学的イミド化の方法は、ポリアミック酸中に脱水剤および/または触媒を添加し化学的にイミド化反応を進行させる。脱水剤は、1価カルボン酸無水物であれば特に限定はされない。例えば、無水酢酸、プロピオン酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物、ブタン酸無水物およびシュウ酸無水物などの酸無水物から選ばれる1種類または2種類以上を用いてもよい。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対して0.01モル以上2モル以下とするのが好ましい。
前記触媒としては、例えばピリジン、ピコリン、コリジン、ルチジン、キノリン、イソキノリン、トリエチルアミンなどの3級アミンから選ばれる1種類または2種類以上を用いてもよいが、これらに限定されるものではない。触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01モル以上2モル以下とするのが好ましい。
この化学的イミド化反応は、フッ素含有ポリアミック酸溶液中に脱水剤および/または触媒を添加し、必要に応じて加熱することにより行われる。脱水閉環の反応温度は、通常0℃以上180℃以下、望ましくは60℃以上150℃以下とされる。
該ポリアミック酸に作用させた脱水剤および/または触媒は除去しなくとも良いが、以下の方法で除去しても良い。作用させた脱水剤および/または触媒を除去する方法としては、減圧加熱や再沈殿法等が用いられる。減圧加熱は、真空下80℃以上120℃以下の温度で行われ、触媒として使用される3級アミン、未反応の脱水剤および加水分解されたカルボン酸を留去する。また、再沈殿法は、触媒、未反応の脱水剤および加水分解されたカルボン酸を溶解させ、ポリアミック酸−ポリイミド共重合体は溶解させない貧溶媒を用い、この貧溶媒の大過剰中に、反応液を加えることによって行われる。貧溶剤としては、特に制限はなく、水や、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶剤、アセトンやメチルエチルケトンの如きケトン系溶剤、ヘキサンなどの如き炭化水素系溶剤、などが使用され得る。析出物は、ろ別乾燥後、再度γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶剤に溶解させる。その後、円筒状基材から樹脂を取り外し、フッ素化ポリイミドの無端ベルトが得られる。
なお、これらの実施の態様のみに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた態様で実施しうるものである。尚、円筒状基材から取り外さずにロールとして用いられる。また、本発明のフッ素化ポリイミドは、フッ素含有ポリアミック酸をポリイミド等の無端ベルトの表層にコーティングして用いても差し支えない。
本実施の形態におけるフッ素化ポリイミドは、機械的強度、撥水姓に優れるため、トナーの剥離性、紙との摺動性に優れると考えられ、画像形成部材における転写、定着ベルトに好適に用いられる。特に近年におけるトナーの小粒径化による転写ベルトにおけるさらなるトナーの剥離性の要求、印字高速化に対応する高速定着の要求に応じて用いられる。
<画像形成部材>
本実施の形態および本発明でいう「画像形成部材」とは、電子写真複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ、これらの複合装置といった電子写真方式の画像形成装置やインクジェット方式による画像形成装置等に用いられる構成部品の一部を示し、好ましい例として電子写真方式の画像形成装置における転写、定着用無端ベルト、すなわち中間転写ベルト、転写搬送ベルト、搬送ベルト、定着ベルトを意味する。
ここで、画像形成装置の構成としては、無端ベルトを少なくとも1本以上搭載したものであれば、公知の構成が採用される。例えば、像保持体と、像保持体表面を帯電する帯電手段と、像保持体表面を露光し静電潜像を形成する露光手段と、像保持体表面に形成された静電潜像を現像剤にて現像しトナー像を形成する現像手段と、像保持体表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、トナー像を記録媒体に転写した後の像保持体表面に付着したトナーやゴミ等の付着物を除去するクリーニング手段と、を備えたものが挙げられ、必要に応じてその他公知の手段を更に備えていてもよい。
以下、画像形成装置の一例を挙げて、更に詳細に説明する。
図1は、中間転写装置および定着装置を有する画像形成装置の概略構成図である。該画像形成装置は、中間転写ベルト2および定着ベルト52を備えており、何れも、上述した本実施の形態におけるポリイミド無端ベルトが適用されている。
上記画像形成装置は、トナー像の保持体である像保持体(感光体)1、像保持体1にトナーを供給する現像装置6、循環して像保持体1上のトナーを一次転写位置から二次転写位置へ搬送する中間転写ベルト2、像保持体1上のトナーを一次転写位置で中間転写ベルト2に転写する転写電極である導電性ロール25、二次転写位置で中間転写ベルト2のトナー像が保持された表面側に設置された転写電極であるバイアスロール3、バイアスロール3を中間転写ベルト2を挟んで対向するように配置されたバックアップロール22、バックアップロール22に圧接して回転する電極ロール26、中間転写ベルト2を支持して中間転写ベルト2の循環をガイドする支持ロール21、23、24、記録媒体41、記録媒体41を供給する記録媒体貯蔵部4、記録媒体貯蔵部4から記録媒体41を供給する供給ロール42、トナー像が転写された記録媒体41が搬送される通路である搬送路43、および定着ベルト52を備えた定着装置5を有する。また、中間転写ベルト2は、バックアップロール22および支持ロール21、23、24によって張架され、ベルト張架装置28を形成している。
図1に示す画像形成装置の動作について以下に説明する。
像保持体1は、矢印A方向に回転し、図示しない帯電装置によって表面が帯電される。その帯電された像保持体1には、図示しない画像書き込み装置によってレーザが照射されて静電潜像が形成される。この静電潜像が現像装置6によって供給されたトナーにより可視化されて、トナー像Tが形成される。トナー像Tは、像保持体1の回転によって導電性ロール25が配置された一次転写位置に到り、導電性ロール25からトナー像Tのトナーが帯びている電荷とは逆極性の電圧が印加されて、静電的に中間転写ベルト2に吸着される。中間転写ベルト2は、一次転写位置で像保持体1表面と接しながら矢印B方向へ移動するので、像保持体1上のトナー像Tは、その移動とともに中間転写ベルト2上に順次吸着されて一次転写される。中間転写ベルト2上に転写されたトナー像は、中間転写ベルト2の循環によってバイアスロール3が設置された二次転写位置に搬送される。記録媒体41が、記録媒体貯蔵部4から供給ロール42によって所定のタイミングで二次転写位置の中間転写ベルト2とバイアスロール3とで形成される領域に給送される。トナー像をのせた中間転写ベルト2が、その二次転写位置で、バイアスロール3およびバックアップロール22により記録媒体41に圧接されつつ、電極ロール26からバックアップロール22を通してそのトナー像の極性と同極性の電圧が印加されることにより、そのトナー像は記録媒体41に吸着される。中間転写ベルト2は二次転写位置で記録媒体41とともに矢印Bの方向に循環するように移動するため、中間転写ベルト2上のトナー像は、その移動とともに記録媒体41に順次吸着されて二次転写される。 トナー像が転写された記録媒体41は、搬送路43を通り定着装置5に搬送される。記録媒体41上のトナー像は、以下に図2とともに詳細に示すように、定着装置5によって加圧/加熱処理されて記録媒体41上に定着される。
図2は、図1に示す画像形成装置の定着装置を拡大して示す概略構成図である。
定着装置5は、内部に加熱源を有する中空ロール(例えば、内部にハロゲンランプからなる加熱源を有するアルミニウム製中空ロール)51a、弾性体層(例えば、中空ロール51aの表面上に積層された液状シリコンゴム(Liquid silicone Rubber)を硬化させた弾性体層)51b、および耐熱離型耐油層(例えば、弾性体層51bの表面にフッ素ゴムを塗布した耐熱離型耐油層)51cとで構成された、矢印C方向に回転するように駆動される定着ロール51、定着ロール51の駆動にともない矢印Dの方向に循環するように従動する定着ベルト52、定着ベルト52を定着ロール51に圧接して広い接触幅の接触領域Nを形成する加圧パッド(例えば、金属製台座上にシリコンゴムを一体成型してなる加圧パッド)56、定着ベルト52を支える第1の支持ロール54、接触領域Nから定着ベルト52の循環の上流側に位置して定着ベルト52を支えるとともに加熱部を有して定着ベルト52を予備加熱する第2の支持ロール55、接触領域Nから定着ベルト52の循環の下流側に位置して定着ベルト52を支える圧力ロール53、接触領域Nを通過した記録媒体41を定着ロール51から分離する用紙分離爪59を備える。定着ベルト52の接触領域Nと接する部分は、第2の支持ロール55と圧力ロール53に張架されており、圧力ロール53は図示しないコイルスプリングにより定着ロール51中心にむけて加圧されている。
また、定着装置5は、定着ロール51に接触して定着ロール51表面の残留トナーを拭き取るクリーニング手段57、および定着接触上流で定着ロール51に接触して離型剤を塗布する離型剤塗布手段58を備える。
定着装置5の動作を以下に説明する。
未定着トナーを表面に載せた記録媒体41は、図1の搬送路43を経由して定着ベルト52の第2の支持ロール55上に搬送される。記録媒体41は未定着トナーとともに第2の支持ロール55により予備加熱される。第2の支持ロール55から接触領域Nまで定着ベルト2は水平にのびる部分を有し、その水平にのびる部分によって記録媒体41が矢印Eの方向に接触領域Nまで搬送される。接触領域Nを未定着トナー像の付着した記録媒体41が通過する際、定着ロール51がその未定着トナー像を加熱および加圧することによりその未定着トナー像を記録媒体41上に定着させる。定着ロール51には離型剤塗布手段58によって離型剤が塗布されているため、未定着トナー像は記録媒体41に効率良く定着されるが、記録媒体41に定着されずに定着ロール51の表面に付着したトナーが存在すれば、そのトナーはクリーニング手段57によって拭き取られる。トナーが定着された記録媒体41は、接触領域Nを通過した後用紙分離爪59位置まで搬送され、用紙分離爪59によって定着ベルト52から分離され、定着装置5の下流に存在する図示しない排紙部に排出される。
次に、図3は、中間転写定着装置を有する画像形成装置の概略構成図である。該画像形成装置は、中間転写ベルトと定着ベルトの両方の機能を兼ねる中間転写定着ベルト61を備えており、該中間転写定着ベルト61として前記ポリイミド無端ベルトが適用されている。
上記画像形成装置では、中間転写定着ベルト61は駆動ロール62、ガイドロール63、64、テンションロール65、および加熱ローラ66に懸架され、ベルト張架装置70を形成している。駆動ロール62と加熱ローラ66とで形成される領域においては、それぞれ異色トナー画像が形成された四個の感光体ドラム67A、67B、67C、67Dが接し、それに対向して転写器68A、68B、68C、68Dが配置され、加熱ローラ66には加圧ローラ69が圧接されている。
上記構成において、中間転写定着ベルト61には四個の感光体ドラム67A、67B、67C、67Dから各色のトナー画像が一次転写され、加熱ローラ66と加圧ローラ69間には記録媒体Pが送り込まれ、中間転写定着ベルト61上の多色トナー画像は記録媒体P上に二次転写されると共に加熱定着される。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に制限されるものではない。なお、以下の製造例、実施例、比較例において記載した評価は、以下の方法により実施した。
実施例、比較例に用いた原料を以下に示す。
溶媒:
N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」と略す。)
ジアミン化合物:
a−1)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下「ODA」と略す。)
a−2)2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシル)フェニル)−ヘキシルフルオロプロパン(以下「HFBAFF」と略す。)
a−3)p−フェニレンジアミン(以下「PDA」と略す。)
テトラカルボン酸ジ無水物:
b−1)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(以下「BPDA」と略す。)
b−2)4,4’−[ペルフルオロ(プロパン−2,2−ジイル)]ジ無水フタル酸(以下「6FDA」と略す。)
フッ素原子を含有する末端封止剤:
c−1)ヘキサフルオログルタル無水物
c−2)テトラフルオロフタル酸無水物
c−3)p−フルオロアニリン
c−4)2,4,6−トリフルオロアニリン
c−5)2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノベンゾトリフルオリド
c−6)1H,1H−パーフルオロノニルアミン
c−7)3−(パーフルオロヘキシル)アミン
c−8)2−(2−(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペントキシ)エチロキシ)エチルアミン
c−9)ペンタデカフルオロオクタン酸メチル
フッ素原子を含有しない末端封止剤
d−1)無水フタル酸
d−2)アニリン
実施例1:
1Lセパラブルフラスコに、ODA39.708g(0.1983モル)、NMP200gを加えて60℃に加熱し、攪拌しながらODAを溶解させた。そこへNMP50gにてスラリー状としたBPDA56.255g(0.1912モル)を10分かけて徐々に滴下した。そこへNMP50gにてスラリー状としたヘキサフルオログルタル無水物1.577g(0.0071モル)を10分かけて徐々に滴下した。さらに固形分濃度を20%とするためにNMPを79.815g追加した。その後、60℃で、攪拌を行ったまま24時間重合反応を行った。この溶液を#800のステンレスメッシュを用いてろ過してポリアミック酸溶液を得た。評価結果を表1に示す。
実施例2から実施例20:
表1に示すアミン化合物、テトラカルボン酸無水物、末端封止剤に代え、また表1に記載の添加量に代えた以外は、実施例1と同様に行い、ポリアミック酸溶液を得た。
比較例1から比較例13,16:
表2に示すアミン化合物、テトラカルボン酸無水物、末端封止剤に代え、また表2に記載の添加量に代えた以外は、実施例1と同様に行い、ポリアミック酸溶液を得た。
比較例14:
1Lセパラブルフラスコに、ODA37.705g(0.1883モル)、HFBAPP5.185g(0.0100モル)、NMP200gを加えて60℃に加熱し、攪拌しながらODA、HFBAPPを溶解させた。そこへNMP50gにてスラリー状としたBPDA57.579g(0.1957モル)、6FDA4.443g(0.0100モル)を10分かけて徐々に滴下した。そこへNMP50gにてスラリー状としたp−フルオロアニリン0.822g(0.0074モル)を10分かけて徐々に滴下した。さらに固形分濃度を20%とするためにNMPを123.000g追加した。その後、60℃で、攪拌を行ったまま24時間重合反応を行った。この溶液を#800のステンレスメッシュを用いてろ過してポリアミック酸溶液を得た。評価結果を表2に示す。
比較例15:
表2に示すアミン化合物、テトラカルボン酸無水物、末端封止剤に代え、また表2に記載の添加量に代えた以外は、比較例14と同様に行い、ポリアミック酸溶液を得た。
[評価]
実施例1から実施例13,比較例1から比較例13で得られたポリアミック酸溶液について、評価した。結果を表1,2に示す。
(1)ポリアミック酸の溶液の粘度測定:
東機産業(株)製TV−20形粘度計コーンプレートタイプを用いて、測定温度22℃で測定した。
(2)ポリイミド薄膜の接触角測定:
協和理研製K−359S−1を用いて、シリコン基板上に、4000rpm×30秒の条件でポリアミック酸を製膜した。その後、シリコン基板上の薄膜を、120℃で1時間、220℃で1時間、350℃で1.5時間加熱焼成してポリイミド薄膜を得た。該ポリイミド薄膜を用いて、協和界面科学(株)製CA−X型の接触角計により、22±2℃、湿度50±15%の条件下、2シータ法により測定した。
(3)ポリイミド無端ベルトの作製方法:
外径90mm、長さ450mmのSUS材料製円筒型金型を用意し、その外表面にシリコーン系離型剤を塗布・乾燥処理を行った(離型剤処理)。離型剤処置を施した円筒型金型を周方向に10rpmの速度で回転させながら、ポリアミック酸溶液を口径1.0mmディスペンサーより吐出しながら、金型上に設置した金属ブレードにて一様の圧力で押し付けながら塗布を行った。ディスペンサーユニットを円筒型金型の軸方向に100mm/分の速度で移動させることによって円筒型金型上に螺旋状にポリアミック酸の溶液を塗布した。塗布後、ブレードを解除して円筒型金型を2分間回転し続けレベリングを行った。
その後、金型および塗布物を乾燥炉中で150℃空気雰囲気下、10rpmで回転させながら1時間乾燥処理を行った。乾燥後、クリーンオーブン中で、350℃、2時間焼成処理を行い、イミド化反応を進行させた。その後、金型を25℃にして、金型から樹脂を取り外し、目的のポリイミド無端ベルトを得た。
(4)ポリイミド無端ベルトの引っ張り試験:
セイコーエンジニアリング(株)製1605Nを用いて、チャック間距離20mm、引っ張り速度20mm/min.条件で、JISK7127(1987年)に準じて測定した。なお、サンプルはポリイミド無端ベルトより、5mm×40mmを切り出して測定に用いた。
実施例21:
実施例17にて作製したポリアミック酸溶液を用いて、定着ベルトとしての耐久性、および得られる画質の評価を行なった。
外径30mm、長さ500mmのSUS材料製円筒型金型を用意し、その外表面に離型剤KS−700(信越シリコーン社製)をスプレー塗布し、300℃にて1時間の焼き付け、離型剤処理を行った。離型剤処理を施した円筒型金型を周方向に10rpmの速度で回転させながら、ポリアミック酸の溶液を口径1.0mmディスペンサーより吐出しながら、金型上に設置した金属ブレードにて押し付けながら塗布を行った。ディスペンサーユニットを円筒型金型の軸方向に100mm/分の速度で移動させることによって円筒型金型上に螺旋状にポリアミック酸の溶液を塗布した。塗布後、ブレードを解除して円筒型金型を2分間回転し続けレベリングを行った。その後、金型および塗布物を乾燥炉中で150℃空気雰囲気下、10rpmで回転させながら1時間乾燥処理を行い、ポリアミック酸の乾燥膜を形成した。
次に、得られた乾燥膜を、オーブン中で150℃で20分、220℃で20分、さらに380℃で30分加熱処理を行い、イミド化反応およびフッ素樹脂の焼成を行った。その後、金型から樹脂を取り外し、目的のポリイミド無端ベルトを得た。
該ポリイミド無端ベルトを富士ゼロックス社製DocuCenterColor400CPテスト用改造機の定着装置における定着ベルトとして組み込み、28℃、湿度85%の環境下、1000枚までのランニングテストを実施した。その結果、ランニング初期および1000枚のランニング後のいずれにおいても、紙しわやベルト端部の破損、さらには画像不良のいずれも発生することはなかった。
実施例22:
実施例18にて作製したポリアミック酸溶液を用いた以外は、実施例20と同様に評価を行なった。結果、ランニング初期および1000枚のランニング後のいずれにおいても、紙しわやベルト端部の破損、さらには画像不良のいずれも発生することはなかった。
比較例17:
1Lセパラブルフラスコに、PDA20.763g(0.1920モル)、NMP200gを加えて60℃に加熱し、攪拌しながらPDAを溶解させた。そこへNMP50gにてスラリー状としたBPDA60.3151g(0.2050モル)を10分かけて徐々に滴下した。そこへNMP50gにてスラリー状とした1H,1H−パーフルオロノニルアミン11.677g(0.0260モル)を10分かけて徐々に滴下した。さらに固形分濃度を20%とするためにNMPを71.000g追加した。その後、60℃で、攪拌を行ったまま24時間重合反応を行った。この溶液を#800のステンレスメッシュを用いてろ過してポリアミック酸溶液を得た。得られた溶液の粘度は1.3Pa・s、フッ素含有率は8.4%であった。
その後は実施例21と同様にランニングテストを行った。その結果、ランニング初期より紙しわが徐々に生じ、100枚後にはベルト端部が破損した。
以上のことから、本発明で得られるポリイミド無端ベルトを定着ベルトとして用いると、定着装置としての耐久性に優れ、また印字も良好に行えることがわかった。同様に、転写ベルトにおいても、耐久性および画質の向上効果が期待できる。
本発明の活用例として、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置への適用がある。
1 像保持体、2 中間転写ベルト、3 バイアスロール、4 記録媒体貯蔵部、5 定着装置、6 現像装置、21,23,24 支持ロール、22 バックアップロール、25 導電性ロール、26 電極ロール、28,70 ベルト張架装置、41,P 記録媒体、42 供給ロール、43 搬送路、51 定着ロール、51a 中空ロール、51b 弾性体層、51c 耐熱離型耐油層、52 定着ベルト、53 圧力ロール、54 第1の支持ロール、55 第2の支持ロール、56 加圧パット、57 クリーニング手段、58 離型剤塗布手段、59 用紙分離爪、61 中間転写定着ベルト、62 駆動ロール、63,64 ガイドロール、65 テンションロール、66 加熱ローラ、67A,67B,67C,67D 感光体ドラム、68A,68B,68C,68D 転写器、69 加圧ローラ。

Claims (8)

  1. (A)フッ素原子を含有しないジアミン化合物と、(B)フッ素原子を含有しないテトラカルボン酸ジ無水物と、(C)フッ素原子を含有する末端封止剤と、を重合して得られる画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸であり、
    イミド転化後のフッ素化ポリイミドにおけるフッ素含有率が0を超えて8.0質量%以下であることを特徴とする画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸。
  2. 前記(A)フッ素を含有しないジアミン化合物が、p−フェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸。
  3. 前記(B)フッ素を含有しないテトラカルボン酸ジ無水物が3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸。
  4. 前記(C)フッ素を含有する末端封止剤が酸無水物、モノアミン化合物から選ばれる少なくとも一種類であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸。
  5. 前記(A)フッ素原子を含有しないジアミン化合物と、前記(B)フッ素原子を含有しないテトラカルボン酸ジ無水物と、前記(C)フッ素原子を含有する末端封止剤と、を重合して得られる画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸であり、
    前記(C)フッ素原子を含有する末端封止剤において、フッ素原子が、少なくとも直鎖または分岐の炭素鎖の炭素数が2以上のアルキル基、または炭素数が6以上のアリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基(ここで、前記アルキル基、アリール基アルキルアリール基またはアリールアルキル基は酸素原子または窒素原子で一部置換されていてもよい)に結合した構造を有することを特徴とする画像形成部材用フッ素含有ポリアミック酸。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のフッ素含有ポリアミック酸をイミド転化してなることを特徴とする転写または定着用フッ素化ポリイミド無端ベルト。
  7. 請求項6に記載のフッ素含有ポリアミック酸をイミド転化してなる転写または定着用フッ素化ポリイミド無端ベルトを含むことを特徴とするベルトユニット。
  8. 潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を静電荷像現像用現像剤を用いて現像する現像手段と、現像されたトナー画像を中間転写体を介してまたは介さずに被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上のトナー画像を定着する定着手段と、を含む画像形成装置であり、
    前記転写手段に用いる転写ベルトおよび前記定着手段に用いる定着ベルトの少なくとも一方が、請求項6に記載のフッ素化ポリイミド無端ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
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