JP2011064886A - 内部全反射プリズムユニット、画像投影装置、及び内部全反射プリズムユニットの製造方法 - Google Patents

内部全反射プリズムユニット、画像投影装置、及び内部全反射プリズムユニットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱膨張に起因するエアギャップの潰れの防止と非点隔差の効果的な抑制を実現する内部全反射プリズムユニットを提供する
【解決手段】鋭角をなす第1の表面21aと第2の表面21bを有する第1のプリズム21と、前記第2の表面と間隔を隔てて対向して配置された第3の表面22bを有し、前記第2の表面と前記第3の表面の間に前記第1の表面の法線に対して傾斜したエアギャップが形成されている第2のプリズム22とを備え、前記第2及び第3の表面の少なくとも一方が前記エアギャップに対して凹面であり、前記エアギャップの厚みは周辺領域よりも中央領域で厚い。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部全反射プリズムユニット、画像投影装置、及び内部全反射プリズムユニットの製造方法に関する。
デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)等の反射型表示素子を備える画像投影装置(プロジェクタ)では、照明光と投影光を分離するために、内部全反射プリズムユニット(TIRプリズムユニット)が使用されている。TIRプリズムユニットは対向配置された2個のプリズムを備え、これらの間には微小な間隔(エアギャップ)が形成されている。エアギャップは投影光の光軸に対して傾斜している。一般に、このエアギャップを形成するプリズムの2つの表面は、いずれも平面で互いに平行に配置されている。照明光は、エアギャップを形成するプリズムの2つの表面の一方で全反射されて反射型表示素子に向かう。一方、反射型表示素子で反射された投影光は、エアギャップを透過してスクリーンへ向かう。
エアギャップは投影光の光軸に対して傾斜しているため、結像方向による集光位置の差異である非点隔差が生じる。具体的には、エアギャップを通過する投影光は、投影光の光軸とエアギャップの法線を含む面内と、この面に対して垂直な面内とでは集光位置が異なる。この非点隔差は結像性能を低下させ、スクリーンに投影された画像中のフレア発生の原因にもなる。
TIRプリズムユニットにおける非点隔差は、エアギャップの厚みが厚い程(エアギャップを形成する2つの表面間の間隔が広い程)大きくなる。従って、非点隔差抑制のためにはエアギャップの厚みは可能な限り薄いことが好ましい。しかし、エアギャップの厚みを過度に薄く設定した場合、光エネルギの吸収によるプリズムの熱膨張により、エアギャップを形成する2つの表面間の間隔が狭まって互いに接触し、エアギャップが潰れて機能しなくなる。従って、熱膨張に起因するエアギャップの潰れ防止のためには、エアギャップの厚みをある程度厚く設定する必要がある。
投影画像の高精細化の要求に応えるため、照明光の強度は高くなる傾向がある。高強度の照明光を使用する場合、プリズムの熱膨張も顕著となるので、エアギャップの潰れに対して十分な対策を採る必要がある。
特許文献1には、プリズムの2つの表面(平面)で形成されるエアギャップを楔形としたTIRプリズムユニットが開示されている。この楔形のエアギャップは、プリズムの熱膨張によるエアギャップの潰れ防止に有効なエアギャップの厚みを確保しつつ、非点隔差を抑制することを意図している。しかし、エアギャップが楔形であると、エアギャップの厚みが厚い領域(エアギャップを形成する2つの表面間の間隔が広い領域)では、非点隔差を効果的に抑制できない。
特開2002−49094号公報
本発明は、熱膨張に起因するエアギャップの潰れの防止と非点隔差の効果的な抑制を実現する内部全反射プリズムユニットを提供することを目的とする。
本発明は、鋭角をなす第1の表面と第2の表面を有する第1のプリズムと、前記第2の表面と間隔を隔てて対向して配置された第3の表面を有し、前記第2の表面と前記第3の表面の間に前記第1の表面の法線に対して傾斜したエアギャップが形成されている第2のプリズムとを備え、前記第2及び第3の表面の少なくとも一方が前記エアギャップに対して凹面であり、前記エアギャップの厚みは周辺領域よりも中央領域で厚い、内部全反射プリズムユニット。
エアギャップを形成する第2及び第3の表面のうちの少なくとも1面を、エアギャップに対し凹面としているので、エアギャップの周辺領域より中央領域の方が厚みが厚くなっている。そのため、エアギャップの厚みを薄く設定しても、第1及び第2のプリズムを構成するガラスや第2の表面や第3の表面に設けられたコートの熱吸収による第1のプリズムや第2のプリズムの熱膨張によって第2の表面と第3の表面が互いに接触してエアギャップが潰れるのを防ぐことができる。熱膨張によるエアギャップの潰れを防止できるので、エアギャップの厚みを薄く設定した内部全反射プリズムが実現でき、傾斜したエアギャップに起因する非点隔差を効果的に抑制でき、画像投影装置に使用した場合にフレアの発生が、かなり抑えられた良好な投影画像が得られる。
具体的には、前記エアギャップの前記周辺領域において前記第2の表面と前記第3の表面の間に介在し、1μm以上5μm以下の範囲の均一な厚みを有するスペーサをさらに備える。
この場合、前記エアギャップの前記中央領域と前記周辺領域での厚みの差は0.3μm以上6μm以下が好ましい。
1μm以上5μm以下の均一な厚みを有するスペーサを第2の表面と第3の表面の間に介在させ、エアギャップの中央領域と周辺領域での厚みの差を0.3μm以上6μm以下に設定することで、エアギャップ層に起因する非点隔差を効果的に抑制でき、高輝度の画像投影装置に適した内部全反射プリズムユニットが得られる。
好ましくは、前記スペーサの厚みは1μm以上3μm以下の均一な厚みを有する。
この場合、前記エアギャップの前記中央領域と前記周辺領域での厚みの差は3μm以上6μm以下がより好ましい。
1μm以上3μm以下の均一な厚みを有するスペーサを第2の表面と第3の表面の間に介在させ、エアギャップの中央領域と周辺領域での厚みの差を3μm以上6μm以下に設定することで、エアギャップ層に起因する非点隔差をより効果的に抑制でき、より高輝度の画像投影装置に適した内部全反射プリズムユニットが得られる。
前記第1のプリズムは第4の平面をさらに備え、前記第4の平面から前記第1のプリズムに入射した光が前記エアギャップで全反射され、前記第2の表面が凹面である。
第1のプリズムはエアギャップで全反射される光が入射するので熱負荷の方が大きく、熱膨張が生じやすい。この第1のプリズムが有するエアギャップを構成して入射した光を全反射する面である第2の表面の形状を凹面とすることで、エアギャップの潰れを効果的に防止できる。また、第2の表面を凹面とすることで、熱膨張による第2の表面の凸面化をキャンセルする効果が得られ、画像投影装置に使用した場合に良好な投影画像が得られる。
前記第2の表面と前記第3の表面をいずれも前記エアギャップに対して凹面としてもよい。
エアギャップを構成する第2の表面と第2の表面を両方凹面とすることで、エアギャップの潰れをより効果的に防止できる。また、第2及び第3の表面を凹面とすることで、第2及び第3の表面の両方について熱膨張による凸面化をキャンセルする効果が得られ、画像投影装置に使用した場合により良好な投影画像が得られる。
前記エアギャップに対して凹面となる面は、前記第1の表面の法線と前記エアギャップの法線と含む第1の仮想平面での曲率が、前記エアギャップの法線を含み前記第1の仮想平面に対して垂直な第2の仮想平面での曲率よりも大きいことが好ましい。
この場合、凹面とした第3の表面にエアギャップ層により生じる非点隔差をキャンセルする効果があり、画像投影装置に使用した場合に良好な投影画像が得られる。
前記スペーサは、ポリフェニレンサルファイドフィルム、パラジウム系アラミドフィルム、ポリエステルフィルム、又はポリイミドフィルムからなるシート状の部材である。
これらの材料は、極めて薄いフィルムを寸法精度よく安定して製造でき、薄いエアギャップを安価に精度よく実現できるので、非点隔差を効果的に抑制でき、画像投影装置に使用した場合に良好な投影画像が得られる内部全反射プリズムが得られる。また、ポリイミドフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、及びパラジウム系アラミドフィルムは耐熱性が良好で、投影装置のように投影光により熱が上昇しやすい用途に用いるのに最適である。
前記スペーサは、蒸着又はスパッタリングにより形成された金属膜又は誘電体膜であってもよい。
金属や誘電体の蒸着やスパッタリングでスペーサを形成することにより、非常に薄い厚みのスペーサを非常に安定して精度良く形成できる。また、熱に対する信頼性、長期的な信頼性も非常に高いスペーサを実現できる。
また、本発明は、投影光学系と反射型画像表示素子の間に前述の内部全反射プリズムユニットが配置されている画像投影装置を提供する。
熱膨張による内部全反射プリズムユニットのエアギャップの潰れを確実に防止して高い信頼性を確保しつつ、このエアギャップの厚みを薄く設定できるので、非点隔差を効果的に抑制してフレアの極め小さい良好な投影画像を実現する画像投影装置が得られる。
さらに、本発明は、第1のプリズムが有する第1の表面と第2のプリズムが有する第2の表面との間に周辺領域の厚みよりも中央領域の厚みが厚いエアギャップを形成するように、前記第1の表面のHe−Neレーザを用いたときの平面に対するニュートンフリンジの数と、前記第2の表面のHe−Neレーザを用いたときの平面に対するニュートンフリンジの数の和を−1本から−20本に設定し、前記第1の表面と前記第2の表面をスペーサを介在させて互いに突き合わせるように前記第1のプリズムと前記第2のプリズムを互いに固定する、内部全反射プリズムユニットの製造方法を提供する。なお、ニュートンフリンジの数は凹面を負、凸面を正の本数で数える。
この製造方法により、周辺領域よりも中央領域で厚みの薄いエアギャップを有する内部全反射プリズムが容易かつ確実に得られる。
具体的には、前記第1の表面を、前記He−Neレーザを用いたときの平面に対するニュートンフリンジの数が−1本から−10本の凹面に研磨し、前記第2の表面を、前記He−Neレーザを用いたときの平面に対するニュートンフリンジの数が−1本から−10本の凹面に研磨する。
あるいは、前記第1の表面又は前記第2の表面のいずれか一方をHe−Neレーザを用いたときの平面に対するニュートンフリンジの数が±2本以内となるように研磨し、他方をHe−Neレーザを用いたときの平面に対するニュートンフリンジの数が−3本から−18本の凹面に研磨する。
前記スペーサは1μm以上5μm以下の均一な厚みを有することが好ましい。
本発明の内部全反射プリズムでは、エアギャップを形成する第2及び第3の表面のうちの少なくとも1面をエアギャップに対し凹面とし、エアギャップは周辺領域より中央領域の方が厚みを厚いので、熱膨張に起因するエアギャップの潰れの防止できる。また、熱膨張に起因する潰れの防止できるので、エアギャップの厚みを薄くできるため、非点隔差を効果的に抑制できる。
本発明の第1実施形態の画像投影装置の側面図。 図1の部分平面図。 図1の画像投影装置が備える内部全反射(TIR)プリズムユニットの模式的な斜視図。 図1の画像投影装置が備えるTIRプリズムユニットの模式的な側面図。 図4の部分Vの模式的な部分拡大図。 第1プリズムのギャップ形成面を示す正面図。 第2プリズムのギャップ形成面を示す正面図。 第2プリズムのギャップ形成面を凹面化することによる非点隔差抑制効果を説明するための模式図。 ニュートンフリンジの計数を説明するための模式図。 TIRプリズムユニットの他の例を示す模式的な側面図。 TIRプリズムユニットの他の例を示す模式的な側面図。 TIRプリズムユニットの他の例を示す模式的な側面図。 TIRプリズムユニットの他の例を示す模式的な側面図。 TIRプリズムユニットの他の例を示す模式的な側面図。 TIRプリズムユニットの他の例を示す模式的な側面図。 TIRプリズムユニットの他の例を示す模式的な側面図。 TIRプリズムユニットの他の例を示す模式的な側面図。 TIRプリズムユニットの他の例を示す模式的な側面図。 TIRプリズムユニットの他の例を示す模式的な斜視図。 TIRプリズムユニットの他の例を示す模式的な斜視図。 TIRプリズムユニットの2つのプリズムの結合の他の例を示す模式的な斜視図。 TIRプリズムユニットの2つのプリズムの結合の他の例を示す模式的な斜視図。 カラープリズムユニットを図2の矢印A1方向から見た図。 カラープリズムユニットを図2の矢印A2方向から見た図。 本発明の第2実施形態の画像投影装置の側面図。 図15の部分平面図。
(第1実施形態)
図1及び図2を参照すると、第1実施形態の画像投影装置(プロジェクタ)1は、照明光学系2、内部全反射(TIR)プリズムユニット3、カラープリズムユニット4、反射型画像表示素子の一例であって光変調を行うデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)5B,5R,5G、及び投影光学系6を備える。照明光学系2からの照明光は、TIRプリズムユニット3で全反射されてカラープリズムユニット4に入射する。カラープリズムユニット4に入射した照明光は、青、赤、及び緑の色光に分解された後、対応するDMD5B〜5Gに入射する。個々のDMD5B〜5Gに照射された照明光(色光)は、DMD5B〜5Gが備える後述のマイクロミラーの角度に応じて投影光又は非投影光として反射される。DMD5B〜5Gからの投影光は、カラープリズムユニット4で合成された後、TIRプリズムユニット3を透過して、複数のレンズ等から成る投影光学系6により図示しないスクリーンに投影される。一方、非投影光はカラープリズムユニット4を経て、TIRプリズム3から外れた方向に射出される。
図1を参照すると、照明光学系2は、光源11、リフレクタ12、ロッドインテグレータ13、集光レンズ14、リレー光学系15、及びエントランスレンズ16を備える。光源11は超高圧水銀ランプであり、白色光を発生させる。リフレクタ12は光源11を取り囲むように配置され、回転楕円面である反射面を有している。光源11の後方には、ロッドインテグレータ13が長手方向を光軸に沿うように配置されている。光源11は回転楕円面の一方の焦点位置に配置されており、ここから出た光は他方の焦点位置に集光されて、ロッドインテグレータ13の一端の入射面より入射する。ロッドインテグレータ13に入射した光は、ここで内面反射を繰り返し、均一な光量分布となって他端の射出面より射出する。ロッドインテグレータ13の射出面直後に集光レンズ14が配置されており、さらに後方にはリレー光学系15が配置されている。ロッドインテグレータ13から射出した光は、集光レンズ14で効率よくリレー光学系15に導かれ、TIRプリズムユニット3の入射側に配置されたエントランスレンズ16を介してTIRプリズムユニット3に入射し、カラープリズムユニット4を経てDMD5B〜5Gを略テレセントリックで均一に照明する。
図1及び図3から図7を参照すると、TIRプリズムユニット3はいずれも概ね三角柱状で3つの表面(側面)を有する光学ガラス製の第1プリズム21と第2プリズム22を備える。
第1プリズム21は、互いに鋭角をなす入射出面21aとギャップ形成面21bを備える。また、第1プリズム21は、入射出面21aとギャップ形成21bを接続する入射面21cを備える。入射出面21aはDMD5B〜5Gからカラープリズムユニット4を経て投影光学系6に向かう投影光の光軸に対して、概ね垂直な姿勢で配置されている。ギャップ形成面21bは投影光学系6に向かう投影光の光軸に対して傾斜する姿勢で配置されている。第2プリズム22は互いに鋭角をなす射出面22aとギャップ形成面22bとを備える。また、第2プリズム22は、射出面22aとギャップ形成面22bを接続する表面22cを備える。
第1プリズム21と第2プリズム22は、ギャップ形成面21b,22bが微小な間隔を隔てて対向するように組み合わせられている。そのため、ギャップ形成面21b,22bの間には、DMD5B〜5Gからカラープリズムユニット4を経て投影光学系6に向かう投影光の光軸に対して傾斜したエアギャップ23が形成されている。本実施形態では、エアギャップ23は投影光軸に対して33°傾斜している。なお、前述のように第1プリズム21の入射出面21aは投影光学系6に向かう投影光の光軸に対して概ね垂直であるので、エアギャップ23は入射出面21aの法線に対して傾斜している。
このTIRプリズムユニット3によって、照明光と投影光の分離が行われる。
まず、照明光学系2から射出されて入射面21cから入射した照明光は、第1プリズム21のギャップ形成面21bで全反射する(ギャップ形成面21bは全反射面として機能する。)。このときの照明光のギャップ形成面21bに対する入射角は48.5°である。本実施形態では、照明光のFナンバーは2.7であり、主光線に対して空気中で片側約10.7°、プリズム中で片側約7.0°の角度分布を持つ。一方、第1及び第2プリズム22を構成する光学ガラスの屈折率は、n=1.52なので、ギャップ形成面21bにおける全反射条件はエアギャップ23を満たしている空気との界面に対する入射角が約41.1°以上となる。故に、照明光は全反射条件を満たし、ギャップ形成面21bで全反射する。ギャップ形成面21bで全反射した照明光は、入射出面21aから射出されてカラープリズムユニット4に入射する。
一方、カラープリズムユニット4で合成された投影光は、入射出面21aからTIRプリズムユニット3の第1プリズム21に入射し、エアギャップ23に入射角33°で入射する。このとき、照明光と同じく投影光のFナンバーも2.7であり、主光線に対して空気中で片側約10.7°、プリズム中で片側約7.0°の角度分布を持つが、ここでは全反射条件を満たさない。従って、投影光はエアギャップ23を透過して第2プリズム22の射出面22aから射出され、投影光学系6によって図示しないスクリーンに投影される。
図4及び図5に最も明瞭に示すように、エアギャップ23の厚みは一定ではなく、周辺領域より中央領域の方が厚みが厚い。具体的には、ギャップ形成面21b,22bのうち第1プリズム21のギャップ形成面21bは平面であるが、第2プリズム22のギャップ形成面22bの投影光が通過する領域はエアギャップ23に対して窪んだ凹面24である。本実施形態では、ギャップ形成面22bの凹面24は、DMD5B〜5Gからカラープリズムユニット4を介してTIRプリズムユニット3に入射した投影光学系6に向かう投影光の光軸と、エアギャップ23の法線N1とを含む第1仮想平面P1と、エアギャップ23の法線N1を含み仮想平面P1に対して垂直な第2仮想平面P2の両方で概ね同一の曲率を有する凹球面状である。エアギャップ23の法線N1は、エアギャップ23を平面に近似した場合の法線である。
エアギャップ23は周辺領域より中央領域で厚みが厚くなっている。そのため、エアギャップ23の厚みを薄く設定しても、第1及び第2プリズム21,22を構成する光学ガラスやギャップ形成面21b,22bの表面に設けられた反射防止コート等の熱吸収によるプリズム21,22の熱膨張によって、ギャップ形成面21b,22bが互いに接触してエアギャップ23が潰れるのを防ぐことができる。熱膨張によるエアギャップ23の潰れを防止できるので、エアギャップ23の厚みを薄く設定することができる。その結果、エアギャップ23が投影光の光軸に対して傾斜していることに起因する非点隔差を効果的に抑制でき、フレアの発生もかなり抑えられた良好な投影画像が得られる。
前述のように、エアギャップ23が周辺領域より中央領域で厚みが厚くなるように第2プリズム22のギャップ形成面22bに凹面24を設け、この凹面24は第1及び第2仮想平面P1,P2の両方で曲率を有している。図8は、ギャップ形成面22bが第1仮想平面P1において曲率を有しない場合の投影光のエアギャップ23からエアギャップ形成面22bへの入射角度θi’と、本実施形態のようにギャップ形成面22bが第1仮想平面P1において曲率を有する場合のエアギャップ23かギャップ形成面22bへの入射角度θiの比較を示す。この図8から、入射角θi’よりも入射角θiは小さい。そのため、ギャップ形成面22bが第1仮想平面P1において曲率を有しない場合の仮想平面P1での非点隔差ε’よりも、本実施形態のようにギャップ形成面22bが第1仮想平面P1において曲率を有する場合の非点隔差εが小さい。このように、ギャップ形成面22bが第1仮想平面P1において曲率を有することは、非点隔差をキャンセルする効果がある。従って、ギャップ形成面22bは第1仮想平面P1での曲率が第2仮想平面P2での曲率よりも大きいことが好ましい。例えば、図11Aに示すように、第2プリズム22のギャップ形成面22bの凹面24の形状を第1仮想平面P1でのみ曲率を有し、第2仮想平面P2では曲率を有さない円筒面状であってもよい。また、図11Bに示すように、第2プリズム22のギャップ形成面22b全体を第1仮想平面P1でのみ曲率を有し、第2仮想平面P2では曲率を有さない円筒面状としてもよい。
図3、図6、及び図7に示すように、本実施形態では、エアギャップ23を形成するギャップ形成面21b,22bの4隅にそれぞれスペーサ25を配置し、これらのスペーサ25を挟み込んだギャップ形成面21b,22bを4箇所に塗布した接着剤26で接合することで、第1プリズム21と第2プリズム22を互いに組み付けている。接着剤26は耐熱性の点でエポキシ系が好ましい。本実施形態では、スペーサ25と接着剤26は凹面24の外側の領域、つまりギャップ形成面21b,22bがいずれも平面の領域に配置されている。具体的には、ギャップ形成面21b,22bの図3において上隅付近の2箇所にそれぞれスペーサ25が配置され、これらのスペーサ25の下側に接着剤26が塗布されている。また、ギャップ形成面21b,22bの図3において左下隅付近に1個のスペーサ25が配置され、その下側に接着剤26が塗布されている。さらに、ギャップ形成面21b,22bの図3において右下隅付近に1個のスペーサ25が配置それ、その上側に接着剤26が塗布されている。接着剤26がスペーサ25にかからないようにプリズム21,22を貼り合わせており、接着剤26の厚みがエアギャップ23の厚みに影響しないようになっている。
スペーサ25は互い36mmから40mm程度の間隔をあけて配置することが好ましい。後述するように2.5μmであるスペーサ25の厚みに対し、スペーサ25間の配置間隔を36mmから40mm程度しかあけていない(スペーサ25を比較的近接して配置している)ことも、エアギャップ23の潰れを防止する効果を有している。
本実施形態では、スペーサ25は一定の厚み2.5μmを有するパラジウム系アラミドフィルム(東レ社の商品名ミクトロン)を例えば一辺5mmの正方形に切断したものである。このスペーサ25を挟み込んだ状態で、ギャップ形成面21b,22bを接着剤26で貼り合わせることで、極めて薄いエアギャップ23を形成している。
パラジウム系アラミドフィルムの他、ポリフェニレンサルファイドフィルム(東レ社の商品名トレリナ)、ポリエステルフィルム(東レ社の商品名ルミラー)、又は、ポリイミドフィルム(デュポン社の商品名カプトン)等を適切な形状及び寸法に切断したものをスペーサ25として用いてもよい。パラジウム系アラミドフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、又はポリイミドフィルムを使用すれば、極めて薄いフィルムを寸法精度よく安定して製造でき、薄いエアギャップ23を安価に精度よく実現できる。また、比較的高温となりやすい画像投影装置1では、耐熱性があるパラジウム系アラミドフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリイミドフィルム等がスペーサ25として適している。
一般的に、スペーサとして、微小な粒子が混ぜ込まれたビーズ接着剤が用いられるが、ビーズ接着剤では、一定の厚みを保つことは困難で、厚みにばらつきが生じ、エアギャップの平行度も悪化する傾向がある。本実施形態のような厚みが一定のフィルム状のスペーサ25を用いることにより、厚みの安定性、平行度の安定性を得ることができる。
スペーサ25と接着剤26の配置は、図3、図6、及び図7に限定されない。例えば、図12Aに示すように、エアギャップ23の4隅付近にスペーサ25を配置し、それらのスペーサ25の外側に接着剤26を配置してもよい。また、ギャップ形成面21b,22bに接着剤26を塗布するのではなく、図12Bに示すように、プリズム21,22の両端面に例えばガラス製の連結部材27を配置し、これらの連結部材27をそれぞれプリズム21,22の端面と接着剤等で接続することで、プリズム21,22を接合してもよい。
図5を参照してスペーサ25の厚みtとエアギャップ23の周辺領域と中央領域の厚みの差δとの関係について説明する。スペーサ25が1μm以上5μm以下の範囲の均一な厚みtを有し、エアギャップ23の中央領域と周辺領域での厚みの差δを0.3μm以上6μm以下とすることが好ましい。厚みtと差δをこの範囲に設定することで、エアギャップ23の最大厚みTmaxは1.3μm以上11μm以下となり、エアギャップ23の厚みを確保しつつ十分に薄くなるので、エアギャップ潰れを防ぎつつ投影光の光軸に対して傾斜したエアギャップ23に起因する非点隔差を効果的に抑制できる。スペーサ25が1μm以上3μm以下の範囲の均一な厚みtを有し、エアギャップ23の中央領域と周辺領域での厚みの差δを3μm以上6μm以下とすることがより好ましい。厚みtと差δをこの範囲に設定することで、エアギャップ23の厚みは4μm以上9μm以下となり、エアギャップ23の厚みをより確保しつつさらに薄くなるので、エアギャップ潰れを十分防ぎ、投影光の光軸に対して傾斜したエアギャップ23に起因する非点隔差をさらに効果的に抑制できる。
前述のように本実施形態では、TIRプリズムユニット3の第2プリズム22のギャップ形成面22bに凹面24を設けている。図9を参照すると、ギャップ形成面22bはHe−Neレーザ(波長は633nm)の光を用いたときのニュートンフリンジ28の数が例えば−1本以上−20本以下となる凹面24に研磨される(ニュートンフリンジ28の数は凹面を負、凸面を正の本数で数える。)。このように研磨することで、エアギャップ23の中央領域の周辺領域に対する厚みの差δ(図5を併せて参照)が0.3μm以上6μm以下となる。研磨後にスペーサ25を介在させてエアギャップ形成面21b,22bを突き合わせるように、第1及び第2プリズム21,22が互いに固定される。ニュートンフリンジ28による測定を利用して凹面24を研磨することで、周辺領域よりも中央領域で厚みの厚いエアギャップ23を有するTIRプリズムユニット3が容易かつ確実に得られる。後述するように第1プリズム21のギャップ形成面21bに凹面を形成する場合にも、ニュートンフリンジによる測定を利用して研磨を行うことで、所望の凹面が容易かつ確実に得られる。
図10A〜図10Jは、TIRプリズムユニット3のエアギャップ23に関する種々の代案を示す。
図10A、図10Fの例では、第1プリズム21のギャップ形成面21bと第2プリズム22のギャップ形成面22bの両方に凹面24を形成している。図10Aの例では凹面24がギャップ形成面21b,22bの光が通過する領域にのみ形成されているのに対して、図10Fの例では、ギャップ形成面21b,22b全体を凹面24としている。図10A、図10Fの例のようにギャップ形成面21b,22bの両方に凹面24を形成することで、エアギャップ23の潰れをより効果的に防止できると共に、ギャップ形成面21b,22bの両方について熱膨張による凸面化をキャンセルする効果が得られる。
図10A,図10Fのような場合、エアギャップ形成面21b,22bがエアギャップを形成する領域(以下、エアギャップ領域と呼ぶ)において、エアギャップ形成面21b,22bを、平面に対しニュートンフリンジの数が−1本から−10本(凹面)となるように研磨すると、エアギャップ形成面21bとエアギャップ形成面22bとのニュートンフリンジの数の和が−2本から−20本となり、エアギャップ23の中央領域の周辺領域に対する厚みの差は0.6μm以上6μm以下となる。また、エアギャップ形成面21b、22bを平面に対しニュートンフリンジの数が−5本から−10本(凹面)となるように研磨すると、エアギャップ形成面21bとエアギャップ形成面22bとのニュートンフリンジの数の和が−10本から−20本となり、エアギャップ23の中央領域の周辺領域に対する厚みの差は3μm以上6μm以下となる。
図10B、図10Gの例では、第2プリズム22のギャップ形成面22bに凹面24を形成し、第1プリズム21のギャップ形成面21bに凹面24よりも曲率の小さい凸面29を形成している。図10Bの例では凹面24や凸面29がギャップ形成面21b,22bの光が通過する領域にのみ形成されているのに対して、図10Gの例ではギャップ形成面21b,22b全体が凹面24や凸面29となっている。
図10B,図10Gのような場合、エアギャップ領域において、エアギャップ形成面21bを平面に対しニュートンフリンジの数が4本から10本(凸面)となるように研磨し、エアギャップ形成面22bを平面に対しニュートンフリンジの数が−11本から−16本(凹面)となるように研磨すると、エアギャップ形成面21bとエアギャップ形成面22bとのニュートンフリンジの数の和が−1本から−20本となり、エアギャップ23の中央領域の周辺領域に対する厚みの差は0.3μm以上6μm以下となる。
図10C、図10Hの例では、第1プリズム21のギャップ形成面21bに凹面24を形成し、第2プリズム22のギャップ形成面22bは全体を平面としている。図10Cの例ではギャップ形成面21bの光が通過する領域にのみ凹面24が形成されているのに対して、図10Hの例ではギャップ形成面21bの全体が凹面24となっている。
図10C,図10Hのような場合、エアギャップ領域において、エアギャップ形成面21bを平面に対しニュートンフリンジの数が−3本から−18本(凹面)となるように研磨し、エアギャップ形成面22bを平面に対しニュートンフリンジの数が±2本以内(略平面)で研磨すると、エアギャップ形成面21bとエアギャップ形成面22bとのニュートンフリンジの数の和が−1本から−20本となり、エアギャップ23の中央領域の周辺領域に対する厚みの差は0.3μm以上6μm以下となる。また、エアギャップ領域において、エアギャップ形成面21bを平面に対しニュートンフリンジの数が−12本から−18本(凹面)となるように研磨し、エアギャップ形成面22bを、平面に対しニュートンフリンジの数が±2本の間で研磨すると、エアギャップ形成面21bとエアギャップ形成面22bのニュートンフリンジの数の和が−10本から−20本となり、エアギャップ23の中央領域の周辺領域に対する厚みの差3μm以上6μm以下となる。
図10D、図10Iの例では、第1プリズム21のギャップ形成面21bに凹面24を形成し、第2プリズム22のギャップ形成面22bに凹面24よりも曲率の小さい凸面29を形成している。図10Dの例では凹面24や凸面29がギャップ形成面21b,22bの光が通過する領域にのみ形成されているのに対して、図10Iの例ではギャップ形成面21b,22b全体が凹面24や凸面29となっている。
図10D,図10Iのような場合、エアギャップ領域において、エアギャップ形成面21bを平面に対しニュートンフリンジの数が−11本から−16本(凹面)となるように研磨し、エアギャップ形成面22bを平面に対しニュートンフリンジの数で4本から10本(凸面)となるように研磨すると、エアギャップ形成面21bとエアギャップ形成面22bとのニュートンフリンジの数の和が−1本から−20本となり、エアギャップ23の中央領域の周辺領域に対する厚みの差は0.3μm以上6μm以下となる。
図10Eの例では、第1プリズム21のギャップ形成面21bと第2プリズム22のギャップ形成面22bの光が通過する領域にのみ凹面24を設け、その周辺の平面部分をスペーサを介することなく突き合わせて、第1及び第2プリズム21,22を貼り合わせている。
第1プリズム21はエアギャップ23で全反射される照明光が照明光学系2から入射するので熱負荷の方が大きく、熱膨張が生じやすい。従って、図10A,10C〜10E,10F,10H,10Iの例のように第1プリズム21が有する照明光の全反射面であるギャップ形成面21bに凹面24を形成することで、エアギャップ23の潰れを効果的に防止できる。また、ギャップ形成面21bを凹面24とすることで、熱膨張によるギャップ形成面21bの凸面への変形を防止できる。この点でもエアギャップ23の潰れを効果的に防止でき、良好な投影画像が得られる。図4、及び図10Aから図10Iで示した種々の構成のうち、エアギャップ形成面21bとエアギャップ形成面22bとは、略平面と凹面の組み合わせ、あるいは、ともに凹面の組み合わせであることが好ましい。特に、エアギャップ形成面21bとエアギャップ形成面22bがともに凹面の場合が最も好ましい。
図1及び図2を参照すると、カラープリズムユニット4は、TIRプリズムユニット3の図において右側に配置されており、概ね三角柱状である青プリズム31、同様に概ね三角柱状である赤プリズム32、及びブロック状の緑プリズム33がこの順で図において右側に順次配置されて互いに組み合わされている。
青プリズム31は、鋭角をなす入射出面31aと青ダイクロイック面31b(青ダイクロイックコート層38が形成されている。)を備える。また、青プリズム31は青色用のDMD5Bが対向して配置された青入射出面31cを備える。赤プリズム32は、青プリズム31の青ダイクロイック面31bに対向して配置された赤ギャップ形成面32aと、この赤ギャップ形成面32aと鋭角をなす赤ダイクロイック面32b(赤ダイクロイックコート層39が形成されている。)とを備える。また、赤プリズム32は赤色用のDMD5Rが対向した配置された赤入射出面32cを備える。緑プリズム33は、赤ダイクロイック面32bに対向して配置された緑ギャップ形成面33aと、この緑ギャップ形成面33aと鋭角をなすように対向する緑入射出面33cを備える。緑入射出面33cと対向して緑色用のDMD5Gが配置されている。
青プリズム31と赤プリズム32との間、具体的には青ダイクロイック面31bと赤ギャップ形成面32aとの間には、エアギャップ34が設けられている。このエアギャップ34は投影光の光軸に対し28.5°傾斜しており、投影光の光軸とエアギャップ34の法線からなる面は、TIRプリズムユニット3のエアギャップ23の法線N1と投影光の光軸からなる面(第1仮想平面P1)に対して直交している。また、赤プリズム32と緑プリズム33との間、具体的には赤ダイクロイック面32bと緑ギャップ形成面33aとの間に、エアギャップ35が設けられている。このエアギャップ35は投影光の光軸に対し11.5°傾斜しており、投影光軸とエアギャップ35の法線からなる面は、同様に第1仮想平面P1に対して直交している。
図13は、赤プリズム32の赤ギャップ形成面32a(青プリズム31の青ダイクロイック面31bと対向している)を図2の矢印A1で示すように青プリズム31側から見た図である。また、図14は、赤プリズム32の赤ダイクロイック面32bを図2の矢印A2で示すように緑プリズム33側から見た図である。カラープリズムユニット4が備えるエアギャップ34,35は、照明光と投影光を透過させると共に、迷光・ゴースト等の発生を防ぐために非投影光も透過させるので、図13及び図14に最も明瞭に示すようにエアギャップ34,35の領域は細長い形状となっている。
以下、図2、図13、及び図14を参照して、カラープリズムユニット4における照明光、投影光、及び非投影光の光路を説明する。
照明光の光路は以下の通りである。まず、TIRプリズムユニット3からの照明光は、入射出面31aから青プリズム31に入射する。青プリズム31に入射した照明光のうち、青色光は青ダイクロイック面31bで反射され、他の緑色光及び赤色光は青ダイクロイック面31bを透過する(図13の照明光有効領域EI)。青ダイクロイック面31bで反射された青色光は、入射出面31aで全反射され、青プリズム31の青入射出面31cより射出して、青色用のDMD5Bを照明する。青ダイクロイック面31bを透過した照明光のうち、赤色光は赤ダイクロイック面32bで反射され、緑色光は赤ダイクロイック面32bを透過する(図14の照明光有効領域EI’)。赤ダイクロイック面32bで反射された赤色光は、青ダイクロイック面31bに隣接するエアギャップ34により全反射され(図13の照明光全反射領域RI)、赤プリズム32の赤入射出面32cより射出して、赤色用のDMD5Rを照明する。赤ダイクロイック面32bを透過した緑色光は、緑プリズム33の緑入射出面33cより射出して、緑色用のDMD5Gを照明する。
ここで、各DMD5B〜5Gの偏向角は±12°であり、図2に示す投影光軸は各DMD5B〜5G(緑用DMDで例示)に垂直即ち法線方向となり、照明光軸は法線に対して24°を成すように設定されている。具体的には、各色の照明光は対応するDMD5B〜5Gを入射角24°で照明する。DMD5B〜5Gが備えるマイクロミラー(投影画像の各画素に対応する)は、照明光軸側に12°傾いた状態で照明光を反射することにより、DMD5B〜5Gに垂直な方向に投影光を射出する。また、マイクロミラーは照明光軸側とは逆方向に12°傾いた状態で照明光を反射することにより、射出角48°で非投影光を射出する。このマイクロミラーの傾斜方向の切り替えにより光変調が行われる。
各DMD5B〜5Gから射出された投影光の光路は以下の通りである。青色用のDMD5Bで反射された青色の投影光は、青入射出面31cに入射して入射出面31aで全反射され、その後、青ダイクロイック面31bで反射される(図13の投影光有効領域EP)。赤色用のDMD5Rで反射された赤色の投影光は、赤入射出面32cに入射して、青ダイクロイック面31bに隣接するエアギャップ34により全反射され(図13の投影光全反射領域RP)、その後、赤ダイクロイック面32bで反射され(図14の投影光有効領域EP’)、さらに青ダイクロイック面31bを透過する(図13の投影光有効領域EP)。緑色用DMD5Gで反射された緑色の投影光は、緑入射出面33cに入射して、赤ダイクロイック面32b(図14の投影光有効領域EP’)と青ダイクロイック面31b(図13の投影光有効領域EP)を透過する。青色、赤色、及び緑色の各投影光は同一光軸に合成され、入射出面31aから射出されて、TIRプリズムユニット3に入射する。
各DMD5B〜5Gから射出された非投影光の光路は以下の通りである。青色用のDMD5Bで反射された青色の非投影光は、青入射出面31cに入射して入射出面31aで全反射され、その後、青ダイクロイック面31bで反射される(図13の非投影光有効領域ENP)。赤色用のDMD5Rで反射された赤色の非投影光は、赤入射出面32cに入射して、エアギャップ34により全反射され(図13の非投影光全反射領域RNP)、その後、赤ダイクロイック面32bで反射され(図14の非投影光有効領域ENP’)、さらに青ダイクロイック面31bを透過する(図13の非投影光有効領域ENP)。緑色用DMD5Gで反射された緑色の非投影光は、緑入射出面33cに入射して、赤ダイクロイック面32b(図14の非投影光有効領域ENP’)と青ダイクロイック面31b(図13の非投影光有効領域ENP)を透過する。青色、赤色、及び緑色の各投影光は、入射出面31aからTIRプリズムユニット3に入射しない方向に射出される。
エアギャップ34は、スペーサ36を挟み込んだ青ダイクロイック面31b(青プリズム31)と赤ギャップ形成面32a(赤プリズム32)を接着剤37で接合することで形成している。同様に、エアギャップ35は、スペーサ36を挟み込んだ赤ダイクロイック面32b(赤プリズム32)と緑ギャップ形成面33a(緑プリズム33)を接着剤37で接合することで形成している。本実施形態では、スペーサ36は7.5μmの均一な厚みを有するポリイミドフィルムを一辺5mmの正方形に切断したものを使用している。
図13を参照すると、エアギャップ34では、破線を付して示す非有効領域NE(青ダイクロイック面31bと赤ギャップ形成面32aのいずれにおいても照明光、投影光、及び非投影光のいずれも通過も反射もしない領域)のうち、投影光有効領域EP(前述のように青ダイクロイック面31bで青色の投影光が反射される一方、赤色及び緑色の投影光は透過する領域)と、非投影光有効領域ENP(前述のように青ダイクロイック面31bで青色の非投影光が反射される一方、赤色及び緑色の非投影光は透過する領域)との間に一対のスペーサ36が配置されている。非有効領域NEのうち投影光有効領域EPと非投影光有効領域ENPの間の箇所は青ダイクロイック面31b(青プリズム31)と赤ギャップ形成面32a(赤プリズム32)の長手方向の両端部から離れた位置にあるので、青プリズム31や赤プリズム32の熱膨張によるエアギャップ34の潰れが生じやすい。従って、この箇所にスペーサ36を配置することで、熱膨張によるエアギャップ34の潰れを防止できる。潰れを防止できるのでエアギャップ34の厚みを薄く設定できるため、エアギャップ34が投影光の光軸に傾斜していることに起因する非点隔差を効果的に抑制し、良好な投影画像が得られる。なお、スペーサ36はエアギャップ34の短手方向の両端に一対設けられているが、いずれか1箇所でもエアギャップ34の潰れを防止する効果はある。ただし、短手方向の両端2箇所に設けるほうが、エアギャップ34の潰れを防止する効果がより高いので好ましい。
また、エアギャップ34では、非有効領域NEのうち非投影光有効領域ENP側の端部と、照明光有効領域EI(前述のように青ダイクロイック面31bで青色の照明光が反射される一方、赤色及び緑色の照明光が透過する領域)側の端部にも、それぞれ一対のスペーサ36が配置されている。このように、青ダイクロイック面31b(青プリズム31)と赤ギャップ形成面32a(赤プリズム32)の長手方向の両端部にもスペーサ36を配置することで、青プリズム31や赤プリズム32の熱膨張によるエアギャップ34の潰れをより確実に防止できる。なお、スペーサ36はエアギャップ34の長手方向のそれぞれの端部に一対設けられているが、長手方向の端部のいずれか一方は1箇所にのみスペーサ36を配置する構成でもエアギャップ34の潰れを防止する効果はある。ただし、長手方向の両端部にそれぞれ一対のスペーサを設けるほうが、エアギャップ34の潰れを防止する効果がより高いので好ましい。
図14を参照すると、エアギャップ35では、破線を付して示した非有効領域NE’(赤ダイクロイック面32bと緑ギャップ形成面33aのいずれにおいても照明光、投影光、及び非投影光のいずれも通過も反射もしない領域)のうち、投影光有効領域EP’(前述のように赤ダイクロイック面32bで赤色の投影光が反射される一方、緑色の投影光は透過する領域)と、非投影光有効領域ENP’(前述のように赤ダイクロイック面32bで赤色の非投影光が反射される一方、緑色の非投影光は透過する領域)との間に一対のスペーサ36が配置されている。非有効領域NE’のうち投影光有効領域EP’と非投影光有効領域ENP’の間の箇所は赤ダイクロイック面32b(赤プリズム32)と緑ギャップ形成面33a(緑プリズム33)の長手方向の両端部から離れた位置にあるので、赤プリズム32や緑プリズム33の熱膨張によるエアギャップ35の潰れが生じやすい。従って、この箇所にスペーサ36を配置することで、熱膨張によるエアギャップ35の潰れを防止できる。潰れを防止できるのでエアギャップ35の厚みを薄く設定でき、エアギャップ35が投影光の光軸に傾斜していることに起因する非点隔差を効果的に抑制し、良好な投影画像が得られる。
また、エアギャップ35では、非有効領域NE’のうち非投影光有効領域ENP’側の端部と、照明光有効領域EI’(前述のように赤ダイクロイック面32bで赤色の照明光が反射される一方、緑色の照明光が透過する領域)側の端部にも、それぞれ一対のスペーサ36が配置されている。このように、赤ダイクロイック面32b(赤プリズム32)と緑ギャップ形成面33a(緑プリズム33)の長手方向の両端部にもスペーサ36を配置することで、赤プリズム32や緑プリズム33の熱膨張によるエアギャップ34の潰れをより確実に防止できる。
図13に示すように、エアギャップ34では、青ダイクロイック面31bの青ダイクロイックコート層38が形成された領域は、スペーサ36が配置されている領域を含む。同様に、図14に示すように、エアギャップ35では、赤ダイクロイック面32bの赤ダイクロイックコート層39が形成された領域は、スペーサ36が配置されている領域を含む。このようにダイクロイックコート層38,39が形成された領域がスペーサ36が配置された箇所を含むことで、ダイクロイックコート層38,39の厚みの影響を受けることなく、エアギャップ34,35の厚みを設定できる。
ダイクロイックコート層38,39は、AL又はその混合物を含む。高い熱伝導率を有するALをダイクロイックコート層38,39に含有させることで、吸収した熱をカラープリズムユニット4の表面全体に速く伝達させて局所的な熱膨張を抑制できるので、エアギャップ34,35の潰れをより効果的に防止できる。
図2を参照すると、青及び赤ダイクロイック面31b,32bの光の通過する領域は、それぞれエアギャップ34,35に対して凹面としている。ダイクロイックコート層38,39を形成した青及び赤ダイクロイック面31b,32bは熱吸収が顕著である。青及び赤ダイクロイック面31b,32bを凹面とすることで、ダイクロイックコート層38,39の熱膨張に起因する凸面化をキャンセルする効果が得られ、エアギャップ34,35の潰れをより効果的に防止できる。例えば、青及び赤ダイクロイック面31b,32bは、He−Neレーザ(波長は633nm)の光を用いたときのニュートンフリンジの数が例えば−6本以上−10本以下の凹面に研磨される。
(第2実施形態)
図15及び図16は、第2実施形態の画像投影装置1を示す。
図15を参照すると、本実施形態では、TIRプリズムユニット3のスペーサ25’が第1実施形態とは異なる。
本実施形態におけるスペーサ25’は、TIRプリズムユニット3を構成する2つのプリズム21,22のうち小さい方のプリズムである第2プリズム22のギャップ形成面22bに膜厚5μmのSiO膜を作成することにより形成される。具体的には、プリズム21の第2ギャップ形成面22bのスペーサ25’を配置する箇所以外を覆うマスクを装着し、蒸着、或いは、スパッタリングによってSiO膜を形成する。その後、プリズム21,22を例えば接着剤により互いに貼り合わせる。スペーサ25’の形成箇所は、第1実施形態のスペーサ25と同様である(例えば図3、図6、及び図7参照)。膜厚5μmに対してスペーサ25’の間隔は27mmから50mm程度とすることが好ましい。第1実施形態と同様に、接着剤はスペーサ25’にかからない位置に塗布され、接着剤の厚みがエアギャップ23の厚みに影響しないようになっている。
本実施形態のように、成膜によりスペーサ25’を形成することにより、エアギャップ23の厚み精度、平行度の精度がより一層向上する。また、スペーサ25’は第2プリズム22と一体となっているので、プリズム21,22の貼り合わせ時の作業性も非常に良好である。
SiO以外に、Al、Nb、TiO等の蒸着材料、Al等の金属材料を用いて、成膜タイプのスペーサ25’を形成してもよい。
本実施形態では、第2プリズム22のギャップ形成面22bは、平面に対しニュートンフリンジの数で±2本の間で、凹面や凸面への形状ズレを許容した範囲で研磨される。一方、第1プリズム21のギャップ形成面21bは、平面に対しHe−Neレーザ(波長は633nm)の光を用いたときのニュートンフリンジの数で−12本から−18本の間で、エアギャップ23に対して凹面形状となるよう研磨されており、貼り合わしてエアギャップ23を形成したとき、エアギャップ23の厚みは周辺領域より中央領域が3μm以上6μm以下程度厚くなっている。このようにエアギャップ23の中央領域の厚みを周辺領域の厚みよりも十分大きく設定することにより、熱膨張によるエアギャップ23の潰れをより効果的に防止できる。
TIRプリズムユニット3のうち、照明光が通過する第1プリズム21のほうが、熱の影響を受けやすい。しかし、第1プリズム21のギャップ形成面21bを凹面形状とすることで、熱膨張によるエアギャップ形成面21bの凸面への変形を防止できる。この点でも、エアギャップ23の潰れを効果的に防止でき、良好な投影画像が得られる。
本実施形態はカラープリズムユニット4の構成が第1実施形態と異なる。具体的には、本実施形態におけるカラープリズムユニット4は、TIRプリズムユニット3の図において右側に配置されており、概ね三角柱状であるクリアプリズム41、同様に概ね三角柱状である赤プリズム32’と青プリズム31’、及びブロック状の緑プリズム33’がこの順で図において右側に順次配置されて互いに組み合わされている。
クリアプリズム41は互いに鋭角をなす入射出面41aとギャップ形成面41bを備える。赤プリズム32’はクリアプリズム41のギャップ形成面41bに対向して配置された赤ギャップ形成面32a’と、この赤ギャップ形成面32a’と鋭角をなす赤ダイクロイック面32b’(赤ダイクロイックコート層39’が設けられている)とを備える。また、赤プリズム32’は赤色用のDMD5Rが対向して配置された赤入射出面32c’を備える。青プリズム31’は赤プリズム32’の赤ダイクロイック面32b’に対向して配置された青ギャップ形成31a’と、このギャップ形成31a’と鋭角をなす青ダイクロイック面31b’(青ダイクロイックコート層38’が設けられている)を備える。また、青プリズム31’は青色用のDMD5Bが対向した配置された青入射出面31c’を備える。緑プリズム33’は青プリズム31’の青ダイクロイック面31b’に対向して配置された緑ギャップ形成面33a’と、緑色用のDMD5Gが対向した配置された緑入出射面33c’を備える。
クリアプリズム41のギャップ形成面41bと赤プリズム32’の赤ギャップ形成面32a’との間には、エアギャップ42が設けられている。このエアギャップ42は投影光の光軸に対し18°傾斜している。また、投影光の光軸とエアギャップ42の法線からなる面は、TIRプリズムユニット3のエアギャップ23の法線N1と投影の光軸からなる面(図3に示す第1仮想平面P1)と直交している。
赤プリズム32’の赤ダイクロイック面32b’と青プリズム31’の青ギャップ形成面31a’との間には、エアギャップ43が設けられている。このエアギャップ43は投影光の光軸に対し18°傾斜している。また、投影光の光軸とエアギャップ43の法線からなる面は、TIRプリズムユニット3のエアギャップ23の法線N1と投影光の光軸からなる面(第1仮想平面P1)と直交している。18度の傾斜方向は、クリアプリズム41と赤プリズム32’によるエアギャップ42の傾き方向とは逆方向である。
青プリズム31’の青ダイクロイック面31b’と緑プリズム33’の緑ギャップ形成面33a’との間には、エアギャップ44が設けられている。このエアギャップ44も投影光の光軸に対し18°傾斜している。また、投影光の光軸とエアギャップ44の法線からなる面は、同様にTIRプリズムユニット3のエアギャップ23の法線N1と投影光の光軸からなる面(第1仮想平面P1)と直交している。18度の傾斜方向は、クリアプリズム41と赤プリズム32’によるエアギャップ42の傾き方向と同じ方向である。
第1実施形態と同様に、本実施形態におけるカラープリズムユニット4が備えるエアギャップ42〜44も照明光と投影光を透過させると共に、迷光・ゴースト等の発生を防ぐために非投影光も透過させるので、細長い形状となっている(図13及び図14参照)。これらのエアギャップ42〜44には、TIRプリズムユニット3と同様、厚み10μmのSiO膜からなるスペーサ36’が形成されている。スペーサ36’は、エアギャップ42〜44の非有効領域(図13,14の符号NE,NE’参照)の両端部の4箇所(4隅)に加え、投影有効領域(図13,図14の符号EP,EP’参照)と非投影光有効領域(図13,図14の符号ENP,ENP’参照)の間の箇所(2箇所)に配置されている。これらの箇所にスペーサ36’を配置することで、細長いエアギャップ42,43,44の熱膨張時の潰れを確実に防止している。
カラープリズムユニット4における照明光の光路は以下の通りである。TIRプリズムユニット3からの照明光は、入射出面41aからクリアプリズム41に入射し、さらにエアギャップ42を介して赤プリズム32’に入射する。赤ダイクロイック面32b’で照明光のうち赤色光が反射され、他の緑色光及び青色光は赤ダイクロイック面32b’を透過する。赤ダイクロイック面32b’で反射された赤色光は、エアギャップ42により全反射され、赤入射出面32c’より射出してDMD5Rを照明する。一方、赤ダイクロイック面32b’を透過した緑色光と青色光のうち、青色光は青ダイクロイック面31b’で反射され、緑色光は青ダイクロイック面31b’を透過する。青ダイクロイック面31b’で反射された青色光は、エアギャップ43により全反射され、青入射出面31c’より射出して、DMD5Bを照明する。青ダイクロイック面31b’を透過した緑色光は、緑プリズム33’の緑入射出面33c’より射出して、DMD5Gを照明する。
カラープリズムユニット4における投影光の光路は以下の通りである。赤色用のDMD5Rで反射された赤色の投影光は、赤入射出面32c’から入射してエアギャップ42で全反射された後、赤ダイクロイック面32b’で反射される。また、青色用のDMD5Bで反射された青色の投影光は、青入射出面31c’に入射して、エアギャップ43により全反射された後、青ダイクロイック面31b’で反射され、さらに赤ダイクロイック面32b’を透過する。さらに、緑色用のDMD5Gで反射された緑色の投影光は、緑入射出面33c’に入射して、青ダイクロイック面31b’と赤ダイクロイック面32b’を透過する。そして、これら赤色、青色、及び緑色の各投影光は、同一光軸に合成され、クリアプリズム41の入射出面41aから射出して、TIRプリズムユニット3に入射する。なお、カラープリズムユニット4における非投影光の光路は、通過及び反射する位置が図において上方であり、クリアプリズム41の入射出面41aからTIRプリズムPRから外れた方向に向かう方向に射出される点を除いて投影光と同様である。
第2実施形態のその他の構成及び作用は第1実施形態と同様である。図10A〜図10I、図11A,11B、及び図12A,12Bの構成は、第2実施形態でも採用可能である。
1 画像投影装置
2 照明光学系
3 内部全反射(TIR)プリズムユニット
4 カラープリズムユニット
5B,5R,5G デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)
6 投影光学系
11 光源
12 リフレクタ
13 ロッドインテグレータ
14 集光レンズ
15 リレー光学系
16 エントランスレンズ
21 第1プリズム
21a 入射出面
21b ギャップ形成面
21c 入射面
22 第2プリズム
22a 射出面
22b ギャップ形成面
22c 表面
23 エアギャップ
24 凹面
25,25’ スペーサ
26 接着剤
27 連結部材
28 ニュートンフリンジ
29 凸面
31,31’ 青プリズム
31a 入射出面
31b 青ダイクロイック面
31c 青入射出面
31a’ 青ギャップ形成面
31b’ 青ダイクロイック面
31c’ 青入射出面
32,32’ 赤プリズム
32a 赤ギャップ形成面
32b 赤ダイクロイック面
32c 赤入射出面
32’a 赤ギャップ形成面
32b’ 赤ダイクロイック面
32c’ 赤入射出面
33,33’ 緑プリズム
33a 緑ギャップ形成面
33c 緑入射出面
33a’ 緑ギャップ形成面
33c’ 緑入射出面
34,35 エアギャップ
36,36’ スペーサ
37 接着剤
38,38’ 青ダイクロイックコート層
39,39’ 赤ダイクロイックコート層
41 クリアプリズム
41a 入射出面
41b ギャップ形成面
42,43,44 エアギャップ
N1 法線
P1 第1仮想平面
P2 第2仮想平面
t スペーサ25の厚み
δ エアギャップ23の周辺領域と中央領域の厚みの差
Tmax エアギャップの最大厚み
θi,θi’ 入射角度
ε,ε’ 非点隔差
NE,NE’ 非有効領域
EI,EI’ 照明光有効領域
EP,EP’ 投影光有効領域
ENP,ENP’ 非投影光有効領域
RI 照明光全反射領域
RP 投影光全反射領域
RNP 非投影光全反射領域

Claims (15)

  1. 鋭角をなす第1の表面と第2の表面を有する第1のプリズムと、
    前記第2の表面と間隔を隔てて対向して配置された第3の表面を有し、前記第2の表面と前記第3の表面の間に前記第1の表面の法線に対して傾斜したエアギャップが形成されている第2のプリズムとを備え、
    前記第2及び第3の表面の少なくとも一方が前記エアギャップに対して凹面であり、前記エアギャップの厚みは周辺領域よりも中央領域で厚い、内部全反射プリズムユニット。
  2. 前記エアギャップの前記周辺領域において前記第2の表面と前記第3の表面の間に介在し、1μm以上5μm以下の範囲の均一な厚みを有するスペーサをさらに備える、請求項1に記載の内部全反射プリズムユニット。
  3. 前記エアギャップの前記中央領域と前記周辺領域での厚みの差は0.3μm以上6μm以下である、請求項2に記載の内部全反射プリズムユニット。
  4. 前記スペーサの厚みは1μm以上3μm以下の均一な厚みを有する、請求項2に記載の内部全反射プリズムユニット。
  5. 前記エアギャップの前記中央領域と前記周辺領域での厚みの差は3μm以上6μm以下である、請求項3に記載の内部全反射プリズムユニット。
  6. 前記第1のプリズムは第4の平面をさらに備え、
    前記第4の平面から前記第1のプリズムに入射した光が前記エアギャップで全反射され、
    前記第2の表面が凹面である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の内部全反射プリズムユニット。
  7. 前記第2の表面と前記第3の表面がいずれも前記エアギャップに対して凹面である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の内部全反射プリズムユニット。
  8. 前記エアギャップに対して凹面となる面は、前記1の表面の法線と前記エアギャップの法線と含む第1の仮想平面での曲率が、前記エアギャップの法線を含み前記第1の仮想平面に対して垂直な第2の仮想平面での曲率よりも大きい、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の内部全反射プリズムユニット。
  9. 前記スペーサは、ポリフェニレンサルファイドフィルム、パラジウム系アラミドフィルム、ポリエステルフィルム、又はポリイミドフィルムからなるシート状の部材である、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の内部全反射プリズムユニット。
  10. 前記スペーサは、蒸着又はスパッタリングにより形成された金属膜又は誘電体膜である、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の内部全反射プリズムユニット。
  11. 投影光学系と反射型画像表示素子の間に請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の内部全反射プリズムユニットが配置されている、画像投影装置。
  12. 第1のプリズムが有する第1の表面と第2のプリズムが有する第2の表面との間に周辺領域の厚みよりも中央領域の厚みが厚いエアギャップを形成するように、前記第1の表面のHe−Neレーザを用いたときの平面に対するニュートンフリンジの数と、前記第2の表面のHe−Neレーザを用いたときの平面に対するニュートンフリンジの数の和を−1本から−20本に設定し、前記第1の表面と前記第2の表面をスペーサを介在させて互いに突き合わせるように前記第1のプリズムと前記第2のプリズムを互いに固定する、内部全反射プリズムユニットの製造方法。
  13. 前記第1の表面を、前記He−Neレーザを用いたときの平面に対するニュートンフリンジの数が−1本から−10本の凹面に研磨し、
    前記第2の表面を、前記He−Neレーザ(波長633nm)を用いたときの平面に対するニュートンフリンジの数が−1本から−10本の凹面に研磨している請求項12に記載の内部全反射プリズムユニットの製造方法。
  14. 前記第1の表面又は前記第2の表面のいずれか一方をHe−Neレーザを用いたときの平面に対するニュートンフリンジの数が±2本以内となるように研磨し、
    他方をHe−Neレーザを用いたときの平面に対するニュートンフリンジの数が−3本から−18本の凹面に研磨する請求項12に記載の内部全反射プリズムユニットの製造方法。
  15. 前記スペーサは1μm以上5μm以下の均一な厚みを有する、請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の内部全反射プリズムユニットの製造方法。
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