JP2011064306A - 変速機の潤滑構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】シンクロメッシュ機構のシンクロナイザーリングの耐久性を向上させる変速機の潤滑構造を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも上下に平行に配置された2本のシャフトを有する変速機の内部をオイルで潤滑する構造であって、前記下方のシャフトと同軸に設けられるギヤと、前記上方のシャフトと同軸に設けられる可動部材と、前記下方シャフトのギヤの外周側に設けられ、両端のうち下方シャフト回転先側の端部が下方シャフトの軸心よりも高い位置に形成されて、下方シャフトのギヤの掻き上げたオイルが前記可動部材に到達するように案内するオイルガイドと、を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、変速機の潤滑構造に関する。
従来の変速機の潤滑構造では、オイルセパレータが設けられる。オイルセパレータは、出力軸の軸方向から見ると、歯車の下方を取り囲むように板状の部材を湾曲させて上方に開いた容器形状である。このような断面形状のオイルセパレータが、出力軸の軸方向に延設されている。オイルセパレータは、ケーシング内の下部の油滞留空間を掻き上げ領域と貯留領域とに区画する。掻き上げ領域は、歯車に近接する側の領域である。そしてオイルセパレータは、出力軸に設けられる歯車の回転によって掻き上げられるオイル量を調整して余分な攪拌抵抗を抑制している(特許文献1参照)。
特開2009−127673号公報
しかし、前述した従来の変速機の潤滑構造では、入力軸側の歯車にはオイルが届きにくかった。オイルセパレータを伝って掻き上げられるオイルの殆どは、入力軸側に到達する前に重力の影響から落下するためである。このため入力軸側の歯車及びシンクロメッシュ機構は、潤滑オイルが不十分になって耐久性が不足する可能性があるという問題があった。本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、特にシンクロメッシュ機構の耐久性を向上させる変速機の潤滑構造を提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。
本発明は、少なくとも上下に平行に配置された2本のシャフトを有する変速機の内部をオイルで潤滑する構造であって、前記下方のシャフトと同軸に設けられるギヤと、前記上方のシャフトと同軸に設けられる可動部材と、前記下方シャフトのギヤの外周側に設けられ、両端のうち下方シャフト回転先側の端部が下方シャフトの軸心よりも高い位置に形成されて、下方シャフトのギヤの掻き上げたオイルが前記可動部材に到達するように案内するオイルガイドと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、オイルガイドの両端のうち下方シャフト回転先側の端部が下方シャフトの軸心よりも高い位置に形成されるので、下方シャフトのギヤによって掻き上げられるオイルが上方シャフトの可動部材に到達する。これにより潤滑するオイル量が増えるので、上方シャフトと同軸に設けられる可動部材の耐久性が向上する。
本発明による第1実施形態の変速機の潤滑構造を示す図である。 第2実施形態の変速機の潤滑構造を軸方向から見た図である。 第3実施形態の変速機の潤滑構造を軸方向から見た図である。 第4実施形態の変速機の潤滑構造を軸方向から見た図である。 第5実施形態の変速機の潤滑構造を軸方向から見た図である。
以下では図面等を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による第1実施形態の変速機の潤滑構造を示す図であり、図1(A)は、変速機の潤滑構造を側面から見た断面を示し、図1(B)は、図1のA−A断面を示す。
本実施形態の変速機の潤滑構造は、上下に平行に配置された2本のシャフト(メインシャフト及びカウンターシャフト)を有する平行2軸歯車式の同期噛み合い変速機の内部をオイルで潤滑する。変速機の潤滑構造1は、カウンターシャフト20と、カウンターギヤ21と、メインシャフト30と、メインギヤ31と、シンクロメッシュ機構40と、オイルガイド50と、オイル堰51と、仕切り板52と、を備える。
カウンターシャフト20は、メインシャフト30の下方に位置する下方シャフトである。カウンターシャフト20は、メインシャフト30と平行である。カウンターシャフト20は、図示しないインプットシャフトの回転トルクを入力する。
カウンターギヤ21は、カウンターシャフト20と同軸であってカウンターシャフト20の外周に固設されるヘリカルギヤ(ハスバ歯車)である。カウンターギヤ21は、カウンターシャフト20の回転トルクを伝達する。カウンターギヤ21は、変速機の仕様に応じて複数個設けられる。図1(A)では、複数個のカウンターギヤのうち、2つのカウンターギヤ21を示す。各カウンターギヤは歯数が異なる。図1(A)では左側のカウンターギヤ21の歯数が右側のカウンターギヤ21の歯数よりも多い。
メインシャフト30は、カウンターシャフト20の上方に位置する上方シャフトである。メインシャフト30は、カウンターシャフト20と平行である。メインシャフト30の回転は図示しないドライブシャフトへ伝達する。
メインギヤ31は、メインシャフト30と同軸のヘリカルギヤ(ハスバ歯車)である。メインギヤ31は、メインシャフト30の外周にカラーを介して設けられる。メインギヤ31は、変速機の仕様に応じて複数個設けられる。図1(A)では、複数個のメインギヤのうち、3つのメインギヤ31を示す。各メインギヤは歯数が異なる。図1(A)では左側のメインギヤ31,中央のメインギヤ31,右側のメインギヤ31の順で歯数が多くなる。メインギヤ31はカウンターギヤ21と噛合する。メインギヤ31はカウンターギヤ21によって回転駆動される。左側のメインギヤ31は左側のカウンターギヤ21と噛合する。中央のメインギヤ31は右側のカウンターギヤ21と噛合する。各メインギヤ31は、メインシャフト30に対して回転自由である。これらのメインギヤのうち変速段に応じたメインギヤが、シンクロメッシュ機構40によってメインシャフト30と一体回転するように同期される。メインギヤ31には、段部が形成されており、この段部にギヤピース311が固設されている。ギヤピース311は外周面にスプラインが形成されている。
シンクロメッシュ機構40は、メインギヤのうち変速段に応じたメインギヤをメインシャフト30と同期して一体回転させる。シンクロメッシュ機構40は、メインシャフト30と同軸に設けられる。シンクロメッシュ機構40は、変速機の仕様に応じて複数個設けられる。図1(A)では、シンクロメッシュ機構のなかのひとつのシンクロメッシュ機構40を示す。このシンクロメッシュ機構40は、左側のメインギヤ31及び中央のメインギヤ31の間に設けられる。シンクロメッシュ機構40は、左側のメインギヤ31及び中央のメインギヤ31のいずれか一方をメインシャフト30と同期して一体回転させる。
シンクロメッシュ機構40の構成は公知であるので、ここでは簡単に説明する。シンクロメッシュ機構40は、シンクロナイザーハブ41と、スリーブ42と、シンクロナイザーキー43と、シンクロナイザーリングセット44と、を備える。
シンクロナイザーハブ41は、肉厚の円筒状部材である。シンクロナイザーハブ41は、メインシャフト30と同軸に挿入される。シンクロナイザーハブ41の断面形状は、図1(A)に示される。図1(A)は、シンクロナイザーハブ41の上側断面及び下側断面を示す。断面図(特に下側断面)から判る通り、シンクロナイザーハブ41は、内周部分及び外周部分の間は肉抜きされており、この肉抜き部分にシンクロナイザーリングセット44が配置される。シンクロナイザーハブ41は、内周面及び外周面にスプラインが形成されている。内周面に形成されたスプラインが、メインシャフト30に表面に形成されたスプラインに挿入されて嵌合する。このような構造なので、シンクロナイザーハブ41はメインシャフト30に対して、軸方向(図1(A)の左右方向)には摺動自由であるとともに回転方向には一体回転する。またシンクロナイザーハブ41の外周部分の一部には、キー溝が形成されている。このキー溝に後述のようにシンクロナイザーキー43が配置される。図1(A)では、上側断面にキー溝が形成されてシンクロナイザーキー43が配置されている。
スリーブ42は筒状の部材であり、シンクロナイザーハブ41の外周に配置される。スリーブ42は、内周面にスプラインが形成されている。このスプラインがシンクロナイザーハブ41の外周面に形成されたスプラインに軸方向(図1(A)の左右方向)に摺動自由に嵌合する。スリーブ42の外周面には、シフトフォーク70が嵌る溝42aが形成される。シフトフォーク70の力がスリーブ42に作用すると、スリーブ42は、スプラインに沿って移動する。たとえば図1(A)に示した矢印のように右方向に力が作用すると、スリーブ42は、スプラインに沿って右方向に移動する。
シンクロナイザーキー43は、シンクロナイザーハブ41の外周部分に形成されたキー溝に配置される。シンクロナイザーキー43は、変速機の仕様に応じて複数個設けられる。図1(A)ではそのうちのひとつを、シンクロナイザーハブ41の上側断面に示した。シンクロナイザーキー43は、シンクロナイザーハブ41の上側断面から判るように、シンクロナイザーハブ41に内蔵されたバネ45によってスリーブ42に押圧されている。またシンクロナイザーキー43には凸部が形成されており、その凸部がスリーブ42の内周面に形成された凹部に嵌っている。
シンクロナイザーリングセット44は、ひとつのシンクロメッシュ機構の前後にそれぞれ設けられる。ここでは図1(A)を参照して右側のシンクロナイザーリングセット44で説明する。シンクロナイザーリングセット44は、アウターリング441と、ミドルリング442と、インナーリング443と、を含む。
アウターリング441は、3つのリングの中で最外周側に配置される。アウターリング441の外周面にはスプラインが形成されている。アウターリング441の内周面は円錐面(コーン面)である。また後述のようにシンクロナイザーキー43が、このアウターリング441に当接して図1(A)の右方向に移動させる。
ミドルリング442は、アウターリング441の内側に配置される。ミドルリング442の片面(図1(A)では右側面)には突起が形成されており、この突起がメインギヤ31に挿入される。このような構造であるので、ミドルリング442は、メインギヤ31に対して図1(A)の左右方向にはスライド移動可能であるとともに回転方向には一体回転する。ミドルリング442の外周面は、アウターリング441の内側円錐面(コーン面)と同傾斜の円錐面(コーン面)である。ミドルリング442の内周面も、円錐面(コーン面)である。
インナーリング443は、ミドルリング442の内側に配置される。インナーリング443の外周面は、ミドルリング442の内側円錐面(コーン面)と同傾斜の円錐面(コーン面)である。
クラッチが切られてエンジンからの動力が遮断されてシフトフォーク70によってスリーブ42が図1(A)の右方向(矢印方向)に移動する。このとき、スリーブ42の内周面凹部に、凸部が嵌っているシンクロナイザーキー43も一緒に右方向に移動する。そしてシンクロナイザーキー43がアウターリング441を右方向に押圧する。するとアウターリング441の内側円錐面(コーン面)がミドルリング442の外側円錐面(コーン面)に徐々に当接していき、アウターリング441とミドルリング442との回転が徐々に近づく。またそれとともにミドルリング442の内側円錐面(コーン面)がインナーリング443の外側円錐面(コーン面)に徐々に当接していくとともに、インナーリング443の右側面がメインギヤ31に徐々に当接しながら、ミドルリング442とインナーリング443との回転が徐々に近づく。
そしてさらにスリーブ42が図1(A)の右方向に移動すると、凸凹結合しているシンクロナイザーキー43がバネ45に抗して下方向に分離する。そして今度はスリーブ42のスプラインのチャンファ面が、アウターリング441のスプラインのチャンファ面を押圧することとなる。するとアウターリング441の内側円錐面(コーン面)がミドルリング442の外側円錐面(コーン面)にさらに強く当接することとなり、遂にはアウターリング441とミドルリング442とが一体回転する。またそれとともにミドルリング442の内側円錐面(コーン面)もインナーリング443の外側円錐面(コーン面)にさらに強く当接することとなり、ミドルリング442とインナーリング443とが一体回転する。
こうして同期が完了する。そしてこの状態ではシンクロナイザーハブ41、スリーブ42、シンクロナイザーキー43、シンクロナイザーリングセット44が同期されており、回転速度が一致しているので、スリーブ42が容易に右方向へ移動する。そしてスリーブ42の内周面スプラインがアウターリング441のスプラインに嵌合する。なお上述のようにミドルリング442はメインギヤ31と一体回転するので、この状態では、さらにメインギヤ31のギヤピース311のスプラインにも嵌合することとなって変速が完了する。
オイルガイド50は、図1(B)に示されているようにカウンターギヤ21と同心の円弧形である。本実施形態のオイルガイド50は、全円周の40%程度の円弧形状である。オイルガイド50は、カウンターギヤ21から一定間隔離れてカウンターギヤ21の外周側に設けられる。オイルガイド50は、カウンターギヤ21が掻き上げたオイルを案内(ガイド)してメインシャフト30のメインギヤ31及びシンクロメッシュ機構40に導く。図1(B)では、カウンターシャフト20は矢印方向に右回転する。このような場合には、オイルガイド50の左端50aがメインギヤ31及びシンクロメッシュ機構40にできるだけ近づけることが望ましい。図1(B)では、オイルガイド50の左端50aからシンクロメッシュ機構40までの距離は、全円周の10%よりも小さい。周辺部品の配置状況やレイアウトによっては、左端50aをメインギヤ31及びシンクロメッシュ機構40にさらに近づけてもよい。オイルガイド50の右端50bは、少なくとも最下点を挟んで左端50aの反対側である。オイルガイド50は、ボルトで固定される。
また図1(A)に示すようにオイルガイド50の左辺は、少なくとも、アウターリング441の外周面に形成されたスプラインよりも左に位置する。オイルガイド50の右辺は、カウンターギヤ21の中心よりも右に位置する。なおオイルガイド50の右辺は、カウンターギヤ21の右面よりも左でよい。カウンターギヤ21はヘリカルギヤであるので、カウンターギヤ21が掻き上げたオイルは図1(A)の左上方向に送られる。そのためカウンターギヤ21の右縁付近が露出していても、一旦カウンターギヤ21に掻き上げられてから垂れ落ちたオイルが溢れにくいのである。カウンターギヤ21の右縁付近を露出させるか否かは、周辺部品とのレイアウトや製造コストなどに応じて適宜決定すればよい。
このように形成することで、カウンターギヤ21及びメインギヤ31の噛み合い部分やシンクロメッシュ機構40の摺動部分にオイルを確実に導くことができる。
オイル堰51は、オイルガイド50の端面に設けられる。図1(A)では左面に設けられる。オイル堰51は、図1(B)から判るようにカウンターギヤ21と同心の扇形でカウンターシャフト20が通る中心部分を切り抜いた形状である。オイル堰51は、端部ができるだけ高い位置であることが望ましい。図1(B)に示すように本実施形態では、左端51aは、オイルガイド50の左端50aと略同じ高さである。右端51bは、オイルガイド50の右端50bよりも高く、カウンターギヤ21の中心とほぼ同じ高さである。
仕切り板52は、図1(A)に示すように、オイル堰51に連続して垂下して設けられる。仕切り板52は、内周側に溝が形成されている。その溝がオイル堰51に挿し込まれる。仕切り板52は、ケース10の下部に溜まったオイルが軸方向へ移動することを抑制する。仕切り板52は、変速機が傾く場合でもオイル量が各カウンターギヤ21間で偏ることがないようにする。図1(B)に示すように、仕切り板52は、半円の中央部分を切り抜いた形状である。仕切り板52は、オイル堰51と一体に形成してもよい。
図1(B)を参照して作用効果について説明する。
カウンターギヤ21が右回転すると、オイルは右方向へ旋回しながらかつ紙面奥行き方向に螺旋状に掻き上げられる。オイルガイド50の形状は軸方向から見てカウンターギヤ21と同心の円弧形状なので、オイルはオイルガイド50に沿って掻き上げられる。そしてオイルガイド50の左端50aがメインギヤ31及びシンクロメッシュ機構40にできるだけ近づけられている。図1(B)では、オイルガイド50の左端50aからシンクロメッシュ機構40までの距離は、全円周の10%よりも小さくなるように近づけられている。そのためオイルガイド50の端部50aから出るオイルの軌跡はシンクロナイザーリングセット44の中心に向かう。
カウンターギヤ21によって掻き上げられたオイルは、図1(B)の右方向に旋回しながらかつ紙面奥行き方向に螺旋状に進んで、オイル堰51に堰き止められる。そしてオイル堰51は、端部ができるだけ高い位置であるので、多くのオイルがオイルガイド50に溜められる。
そして図1(A)に示すようにオイルガイド50の左辺が、少なくとも、アウターリング441の外周面に形成されたスプラインよりも左に位置するようにした。またオイルガイド50の右辺は、カウンターギヤ21の中心よりも右に位置するようにした。このようにしたので、シンクロメッシュ機構40の摺動部品であるアウターリング441やカウンターギヤ21及びメインギヤ31の噛み合い部分を良好に潤滑することができ、耐久性が向上する。
なおオイルガイド50の右辺は、カウンターギヤ21の右面よりも右であっても左でよい。カウンターギヤ21はヘリカルギヤであるので、カウンターギヤ21が掻き上げたオイルは図1(A)の左上方向に送られる。そのためカウンターギヤ21の右縁付近が露出していても、一旦カウンターギヤ21が掻き上げられてから垂れ落ちたオイルが溢れにくいからある。カウンターギヤ21の右縁付近を露出させるか否かは、周辺部品とのレイアウトや製造コストなどに応じて適宜決定すればよい。
また本実施形態は、オイルポンプを設けるといった複雑な構造ではなく、従来から存在する部材の形状を変更することで対応できるので、コストをかけることなく効果を得ることができる。
(第2実施形態)
図2は、本発明による第2実施形態の変速機の潤滑構造を軸方向から見た図であって第1実施形態の図1(B)に対応する図である。なお以下では前述した内容と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
本実施形態は、第1実施形態に対してオイルガイド50の形状が相違する。本実施形態のオイルガイド50は、図2のように軸方向から見たときに疑問符「?」に似た形状である。オイルガイド50の直線部分の右端50bは、カウンターギヤ21の中心とほぼ同じ高さであってケース10の内壁に達する。オイルガイド50の直線部分は、オイルガイド50の円弧状部分の下方シャフト回転元側に連続して、ケース10の内壁に近づくにつれて上昇する。そして図2のように軸方向から見たときに、オイルガイド50の直線部分は、仕切り板52に重ならない。オイルガイド50の円弧状部分は、第1実施形態に比較して長く、オイルガイド50の直線部分に連続する。
本実施形態によれば、ケース10の内壁からオイルガイド50へと続く油路が形成される。このためカウンターギヤ21によって掻き上げられたオイルがカウンターギヤ21及びメインギヤ31の噛み合い部分を通過した後にケース10の内壁に向かって飛散しても、ケース10の内壁を伝って再びオイルガイド50に戻ることができる。またオイルガイド50の直線部分は右端50bから円弧状部分に向かって緩やかな下り傾斜となっている。これによりケース10の内壁を流れてきたオイルはスムーズにオイルガイド50の円弧状部分(オイル掻き上げ部)に流れることができる。よってオイルガイド50のオイル循環が良くなるので、さらにシンクロメッシュ機構40やメインギヤ31の耐久性が向上する。
またオイルガイド50の直線部分は、仕切り板52に重ならない。上述のように、仕切り板52は板厚であり、内周側に形成された溝がオイル堰51を挟んでいる。仮にオイルガイド50の直線部分が仕切り板52に重なっては、オイルガイド50の直線部分が仕切り板52に干渉する。そのような干渉を避けるには、オイルガイド50の直線部分に逃げ部があればよいが、逃げ部があると直線部分の形状が複雑になる。また仕切り板52が小形であればよいが、仕切り板52が小形では、ケース10の下部に溜まったオイルが移動しやすくなる。本実施形態では、図2のように軸方向から見たときにオイルガイド50が仕切り板52に重ならないようにオイルガイド50を形成したので、オイルガイド50の形状が複雑にならない。また仕切り板52の形状が第1実施形態と同じでよく、ケース10の下部に溜まったオイルの移動を十分に抑制することができる。
(第3実施形態)
図3は、本発明による第3実施形態の変速機の潤滑構造を軸方向から見た図であって第1実施形態の図1(B)に対応する図である。
本実施形態では、第1実施形態に対してオイルガイド50の形状が相違する。本実施形態のオイルガイド50は、図3のように軸方向から見たときに英字「J」に似た形状である。オイルガイド50の直線部分は、円弧状部分から接線方向に上方に延設される。オイルガイド50の直線部分は、シンクロメッシュ機構40のアウターリング441の回転を妨げないように軸方向から見てアウターリング441に干渉しないように設けられる。オイルガイド50の直線部分は、カウンターギヤ21及びアウターリング441の共通外接線に近い傾きである。オイルガイド50の右端50bはアウターリング441と最も接近する位置に設けられる。オイルガイド50の円弧状部分は第1実施形態に比較して長く、オイルガイド50の直線部分に連続する。
本実施形態によれば、カウンターギヤ21によって掻き上げられたオイルがカウンターギヤ21及びメインギヤ31の噛み合い部分を過ぎた後に外周側に飛散しても、飛散直後にオイルがオイルガイド50に受け止められる。そしてオイルガイド50の直線部分の右端50bはカウンターギヤ21及びアウターリング441の共通外接線のアウターリング441との接点付近に設けられる。これによりオイルガイド50の直線部分は、メインギヤ31及びアウターリング441がカウンターギヤ21及びメインギヤ31の噛み合い部を過ぎて5分の1回転するまでに飛散するオイルを直近で確実に受け止めることができる。
ところでオイルガイド50の直線部分が本実施形態よりも傾斜が高い、例えば鉛直である場合は、アウターリング441に干渉しないようにするために直線部分を短くしなければならず、オイルガイド50のオイル回収率が低下する。またオイルガイド50の直線部分が傾斜は本実施形態と同じままで長さが長い場合は、レイアウト上の制約や材料コストが増える。メインギヤ31及びアウターリング441の上半円側では外周に向かって飛散するオイル量が少ない。これらを踏まえてオイルガイド50はバランスのよい形状にすればよい。
このように、飛散したオイルは傾斜(オイルガイド50の直線部分)を流れてカウンターギヤ2によるオイル掻き上げ部(オイルガイド50の円弧状部分)に戻る。よってオイルガイド50のオイル循環が良くなるので、さらにシンクロメッシュ機構40やメインギヤ31の耐久性が向上する。本実施形態は、特にケース10の内壁がオイルガイド50の近傍にない場合、すなわち第2実施形態のようにオイルガイド50とケース10の内壁とを連続することが困難である場合に有効である。
(第4実施形態)
図4は、本発明による第4実施形態の変速機の潤滑構造を軸方向から見た図であって第1実施形態の図1(B)に対応する図である。
本実施形態では、第1実施形態に対してオイルガイド50の形状が相違する。オイルガイド50の左側は、カウンターギヤ21の中心の高さ位置で円弧から鉛直方向に延びる直線に変わる。そしてオイルガイド50の直線部分の先端付近は、メインシャフト30の径方向に曲折する。オイルガイド50の左端50aは、メインシャフト30の径方向に向かって設けられる。オイルガイド50の左端50aは、軸方向から見てシンクロメッシュ機構40のアウターリング441に干渉しないように設けられる。
本実施形態によれば、カウンターギヤ21によってオイルガイド50の円弧状部分で掻き上げられて直線部分に沿って上昇したオイルは、曲折部分で方向を変更する。このとき一部のオイルが溢れて紙面手前側にも流れることとなる。仮にオイルガイド50の直線部分の曲折部分が、本実施形態よりも回転根元側、すなわちメインギヤ31から離れた位置に設けられていると、紙面手前側に溢れたオイルが、カウンターギヤ21及びメインギヤ31の噛み合い部分やシンクロメッシュ機構40のアウターリング441に到達しにくくなる。これに対して、本実施形態では、オイルガイド50の曲折部分が、メインギヤ31の近傍に設けられているので、紙面手前側にオイルが溢れても、そのオイルがカウンターギヤ21及びメインギヤ31の噛み合い部分やシンクロメッシュ機構40のアウターリング441に到達しやすい。
また本実施形態では、オイルガイド50の左端50aがシンクロメッシュ機構40のアウターリング441に隣接するので、確実に希望の位置でオイルを供給することができる。
さらにオイルガイド50の左端50aはメインシャフト30の径方向に向いているので、オイルがスムーズにカウンターギヤ21及びメインギヤ31の噛み合い部分やシンクロメッシュ機構40のアウターリング441に導かれる。よってシンクロメッシュ機構40やメインギヤ31を良好に潤滑することができ、耐久性が向上する。
(第5実施形態)
図5は、本発明による第5実施形態の変速機の潤滑構造を軸方向から見た図であって第1実施形態の図1(B)に対応する図である。
本実施形態では、第1実施形態に対してオイルガイド50の形状が相違する。オイルガイド50は、第1実施形態に比較して円弧に沿ってカウンターギヤ21の回転方向に向かって長い。オイルガイド50の左端50aは軸方向から見てシンクロメッシュ機構40のアウターリング441に干渉しない程度に接近する。そしてオイルガイド50の左端50aの近傍に、円弧の径方向を軸とする孔50cが設けられる。また本実施形態では図示しないリバースシャフトがカウンターシャフトやメインシャフトと平行に設けられる。そして図5のように軸方向から見たときにリバースギヤ60がリバースシャフトの外周に設けられ、メインギヤ31の左下、カウンターギヤ21の左上の位置に配置される。
本実施形態によれば、カウンターギヤ21に掻き上げられて遠心力が作用するオイルの一部が孔50cを通ってオイルガイド50の外周側に導かれる。そして残りのオイルはオイルガイドの左端50aがシンクロメッシュ機構40のアウターリング441及びメインギヤ31に接近しているので、確実にこれらに導かれる。このように2方向への潤滑が可能となる。本実施形態のようにリバースギヤ60がオイルガイド50のオイルが掻き上げられる側であってカウンターギヤ21及びメインギヤ31に隣接して設けられる場合に、孔50cから流れるオイルはリバースギヤ60を潤滑することができる。なお本実施形態ではオイルガイド50の孔50cの位置を左端50aの近傍としたが、リバースギヤ60の配置によって孔50cの位置を決めればよい。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば実施形態では上方のシャフトがメインシャフトの場合について述べたが、インプットシャフトの場合も同様である。
1 変速機の潤滑構造
10 ケース
20 カウンターシャフト(下方のシャフト)
21 カウンターギヤ
30 メインシャフト(上方のシャフト)
31 メインギヤ
40 シンクロメッシュ機構
50 オイルガイド
50a オイルガイドの左端(下方シャフト回転先側の端部)
50b オイルガイドの右端(下方シャフト回転元側の端部)
52 オイル堰

Claims (9)

  1. 少なくとも上下に平行に配置された2本のシャフトを有する変速機の内部をオイルで潤滑する構造であって、
    前記下方のシャフトと同軸に設けられるギヤと、
    前記上方のシャフトと同軸に設けられる可動部材と、
    前記下方シャフトのギヤの外周側に設けられ、両端のうち下方シャフト回転先側の端部が下方シャフトの軸心よりも高い位置に形成されて、下方シャフトのギヤの掻き上げたオイルが前記可動部材に到達するように案内するオイルガイドと、
    を備えることを特徴とする変速機の潤滑構造。
  2. 前記可動部材は、前記上方シャフトのギヤに隣接して設けられ、前記上方シャフトのギヤの回転に前記上方シャフトの回転を同期させるシンクロメッシュ機構である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機の潤滑構造。
  3. 前記可動部材は、前記下方シャフトのギヤと噛み合う上方シャフトのギヤである、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の変速機の潤滑構造。
  4. 前記オイルガイドは、軸方向から見たときに、前記下方シャフトと同心であって下方シャフト回転先側の端部が前記可動部材に向かう円弧状である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の変速機の潤滑構造。
  5. 前記オイルガイドは、
    軸方向から見たときに前記下方シャフトと同心の円弧状部分と、
    前記円弧状部分の下方シャフト回転先側に連続し、鉛直方向に延びる直線部分と、
    前記直線部分に連続し、先端付近を前記可動部材の径方向に向かわせる曲折部分と、
    を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の変速機の潤滑構造。
  6. 前記オイルガイドは、下方シャフト回転先側の端部付近に設けられ、前記下方シャフトのギヤに掻き上げられたオイルがリバースギヤに向けて通過可能な孔を備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の変速機の潤滑構造。
  7. 前記オイルガイドは、
    軸方向から見たときに、前記下方シャフトと同心の円弧状部分と、
    前記円弧状部分の下方シャフト回転元側に連続し、ケース内壁に近づくにつれて上昇してケース内壁に連続する傾斜直線部分と、
    を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の変速機の潤滑構造。
  8. 前記オイルガイドは、
    軸方向から見たときに、前記下方シャフトと同心の円弧状部分と、
    前記円弧状部分の下方シャフト回転元側に連続し、前記可動部材の外周に向けて延設された直線部分と、
    を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の変速機の潤滑構造。
  9. 前記オイルガイドの前記可動部材側の端面に設けられ、両端が前記下方シャフトの軸心よりも高い位置に設けられ、前記下方シャフトの軸方向にオイルが移動することを堰き止めてオイルガイドに多くのオイルが溜まるように形成されるオイル堰を備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の変速機の潤滑構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014084897A (ja) * 2012-10-19 2014-05-12 Toyota Motor Corp 車両用駆動装置
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