JP5879729B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

この発明は動力伝達装置、特に2つのギヤを噛み合わせて動力を伝達させるものに関する。
鉛直方向下側がオイルに浸漬されている第一ギヤと、第1ギヤより鉛直方向上側にある第二ギヤとを噛み合わせ、第一ギヤの回転に伴い第一ギヤが前記オイルを掻き揚げるようにした動力伝達装置がある(特許文献1参照)。
実開昭63−180767号公報
ところで、上記特許文献1の技術では、第一ギヤの掻き揚げオイルが、第二ギヤの回転に抗する方向に飛散することがあり、第二ギヤの回転抵抗となってしまう。
そこで本発明は、第一ギヤの掻き揚げオイルが、第二ギヤの回転に抗する方向に飛散することを抑制し得る装置を提供することを目的とする。
本発明の動力伝達装置は、オイルを貯溜する貯溜部を備え、このオイルに鉛直方向下側が浸漬されている第一ギヤと、第一ギヤより鉛直方向上側にある第二ギヤとを噛み合わせ、第一ギヤの回転に伴い第一ギヤがオイルを掻き揚げる。そして、第一ギヤの掻き揚げオイルが第二ギヤの回転方向に抗する方向に飛散しないように第一ギヤの外側を覆うカバーを設けている。さらに、カバーを、このカバー端から飛散するオイルの飛散方向が第二ギヤの回転方向と同じになるように第一ギヤの掻き揚げオイルを案内する形状としている。また、第一ギヤのギヤ径が第二ギヤのギヤ径より大きく、第一ギヤの中心が第二ギヤの中心より水平方向の一方に偏心している。また、第一ギヤが偏心した側とは反対側でかつ第二ギヤの鉛直方向上側に空間を有し、第一ギヤと第二ギヤと空間を囲う内壁を備える。さらに、内壁に空間側から第二ギヤ側に向かうほど鉛直方向上側に傾斜する傾壁を有し、カバーに、第一ギヤの掻き揚げオイルを第一ギヤから離れる方向へ飛散させる開放部を設ける。そして、開放部として、貯溜部の油面より鉛直方向上側であって、かつ、第一ギヤと第二ギヤとの共通外接線が第一ギヤに接する位置より鉛直方向下側でカバーと接続され、傾壁に向かって開口端を有する流路を設ける。
本発明によれば、第1ギヤの掻き上げオイルが、第二ギヤの回転方向に抗する方向に飛散しないので、飛散オイルによる第二ギヤの回転抵抗を抑制することができる。
本発明の第1実施形態のトランスアクスルケース2の正面図である。 第1実施形態のトランスアクスルケース2の斜視図である。 本発明の比較例の一部正面図である。 第1実施形態のリダクションギヤ及びファイナルギヤの正面図である。 図4の左側面図である。 図4の断面図である。 第2実施形態のリダクションギヤ及びファイナルギヤの正面図である。 図7の左側面図である。 図7の断面図である。 第3実施形態のリダクションギヤ及びファイナルギヤの正面図である。 図10の左側面図である。 図10の断面図である。 第4実施形態のリダクションギヤ及びファイナルギヤの正面図である。 図13の左側面図である。 図13の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態のトランスアクスルケース2の正面図、図2はトランスアクスルケース2の斜視図である。図1において上方が鉛直上方である。
図1において紙面手前に図示しないエンジンが配置され、エンジン出力軸は、CVT(自動変速機)のインプットシャフト6と接続される。インプットシャフト6の左斜め上にある7はCVTのアウトプットシャフトである。
アウトプットシャフト7には、アウトプットシャフト7よりも少し鉛直下方に位置するアイドラギヤ5が噛合している。このアイドラギヤ5には図2にも示したように同軸でリダクションギヤ3(第二ギヤ)を配置している。
リダクションギヤ3には、リダクションギヤ3のほぼ鉛直下方に位置するファイナルギヤ4(第一ギヤ)が噛合している。ファイナルギヤ4には図示しないディファレンシャルケースが噛合している。
このようにトランスアクスル1では、減速ギヤを一次減速(アウトプットギヤ7、アイドラギヤ5の対)及び二次減速(リダクションギヤ3、ファイナルギヤ4の対)の2段で構成している。
詳細には、図1においてファイナルギヤ4のギヤ径はリダクションギヤ3のギヤ径より大きく、ファイナルギヤ4の中心がリダクションギヤ3の中心より右側(水平方向の一方)に偏心している。ファイナルギヤ4が偏心した側とは反対側(つまり左側)でかつリダクションギヤ3の鉛直方向上側に空間11を有し、かつこれら2つのギヤ3及び4並びに空間11を囲う底壁12、立壁13を備えている。さらに、空間11側からリダクションギヤ3側に向かうほど鉛直方向上側に傾斜する斜壁14を有する。この斜壁14は立壁13に接続されている。同様に、ケース2の右方にはインプットシャフト6及びアウトプットシャフト7を囲う立壁15、天井壁16を備えている。立壁15は底壁12と、天井壁16は斜壁14と接続されている。これら各内壁12〜16は曲面状に形成され、各内壁12〜16は滑らかにつながっている。
ケース2内部の各シャフトや各ギヤの潤滑と冷却を行うため、図示しない油路を設けてオイル(潤滑油)を強制潤滑している。各シャフトや各ギヤを潤滑した後のオイルは落下してケース2内の下方に貯溜する。ケース2内のギヤの中でファイナルギヤ4が最も鉛直方向下方にある。このため、ファイナルギヤ4の鉛直方向のほぼ下半分を浸す位置まで潤滑後のオイルが貯溜されることとなっている。このオイルが貯溜される部位を、以下「貯溜部」という。貯溜部17に貯溜されるオイルの液面を、以下「オイルレベル」という。
さて、ファイナルギア4が、貯溜部17に貯溜されるオイル中を潜りながら回転することで、ファイナルギア4に付着したオイルが掻き揚げられる。ファイナルギア4によるこのオイル掻き揚げを効率よく行わせるため、図3に本発明の比較例として示したように、ケース2内の鉛直方向下部(底部)にファイナルギヤ4の略下半分を被覆するファイナルギヤカバー51を設けたものがある。このファイナルギヤカバー51は、ファイナルギヤ4の下半分の径方向の外側を覆う曲面状の外周ガイド部位52と、軸方向の外側を覆う扇状部位53、54とからなっている。扇状部位53、54は外周ガイド部位52を流れるオイルが外周ガイド部位52の両側に漏れないようにするためのものである。
ファイナルギヤカバー51の周方向の両端は開放端である。図3においてリダクションギヤ3が反時計方向に回転し、ファイナルギヤ4が時計方向に回転するものとする。
このとき、ファイナルギヤカバー51の周方向の一方の開放端55(図3で右端)よりファイナルギヤ4が侵入し、周方向の他方の開放端56(図3で左端)よりファイナルギヤ4が出てくる。以下、ファイナルギヤ4が侵入する側の周方向開放端をファイナルギヤカバー51の「侵入側端」、ファイナルギヤ4が出てくる側の周方向開放端をファイナルギヤカバー51の「掻き揚げ側端」という。
ファイナルギヤカバー51内のオイルは、侵入側端55よりファイナルギヤカバー51内に入ったファイナルギヤ4の回転に伴い外周ガイド部位52に沿って掻き揚げられる。外周ガイド部位52に沿って掻き揚げ側端56に達したファイナルギヤ4の掻き揚げオイルは、この掻き揚げ側端56から遠心力で鉛直方向上側に向けて飛散する(飛び出す)。この飛散オイルは、ファイナルギヤ4の鉛直方向上側に位置するリダクションギヤ3に衝突してリダクションギヤ3を潤滑、冷却する。
しかしながら、本発明の比較例では、掻き揚げ側端56からのオイルの飛散方向がリダクションギヤ3の回転方向と反対向きであるため、リダクションギヤ3の回転抵抗(攪拌フリクション)となってしまう。
そこで本発明では、リダクションギヤ3の回転抵抗を低減するため、次の方策の少なくとも一方を実行する。
(1)ファイナルギヤカバーの掻き揚げ側端から飛散するオイルの飛散方向を、2つのギヤ3及び4の共通内接線方向にコントロールする。
(2)リダクションギヤ3に供給されるオイルの量を比較例よりも低減する。
以下、上記(1)の方策を第1実施形態で、上記(1)及び(2)の方策を第2実施形態で説明する。
図4は本発明の第1実施形態のリダクションギヤ3及びファイナルギヤ4の正面図、図5は図4の左側面図、図6はギヤ軸に直交する面で切断した図4の断面図である。図4において上方が鉛直上方である。アイドラギヤ5は省略して示していない。図4においてもリダクションギヤ3が反時計方向に回転し、ファイナルギヤ4が時計方向に回転するものとする。図6においては、図4に示した内壁12〜14は示していない。
図4は図1の一部をモデルで示したもので、図1と同一部分には同一番号を付している。すなわち、図4においてファイナルギヤ4のギヤ径W1(図6参照)はリダクションギヤ3のギヤ径W0(図6参照)より大きく、ファイナルギヤ4の中心E(図6参照)はリダクションギヤ3の中心より右側(水平方向の一方)に偏心している。ファイナルギヤ4が偏心した側とは反対側(つまり左側)でかつリダクションギヤ3の鉛直方向上側に空間11を有し、かつこれら2つのギヤ3及び4並びに空間11を囲う底壁12、立壁13を備えている。さらに、空間11側からリダクションギヤ3側に向かうほど鉛直方向上側に傾斜する斜壁14を有する。この斜壁14は立壁13に接続されている。なお、底壁12、立壁13及び斜壁14は、図1と異なり簡単のため平面状で記載している。
第1実施形態では、本発明の比較例と相違して、ファイナルギヤカバー21(第一ギヤの外側を覆うカバー)をリダクションギヤ3の近傍まで覆う構造とする。ファイナルギヤカバー21は、ファイナルギヤ4の径方向の外側を覆う曲面状の外周ガイド部位22及び軸方向の外側を覆う扇状部位23、24とからなる。扇状部位23、24は外周ガイド部位22を流れるオイルが外周ガイド部位22の両側に漏れないようにためのものである。
2つのギヤ3及び4の回転方向は図3に示した比較例と同じであるので、図6においてファイナルギヤカバー21の周方向の右側端が侵入側端25、周方向の左側端が掻き揚げ側端26となる。ファイナルギヤカバー21の掻き揚げ側端26をファイナルギヤ4の歯に沿って延長し、掻き揚げ側端26をリダクションギヤ3の近傍にまで高くする。掻き揚げ側端26をリダクションギヤ3の近傍にまで高くする理由は次の通りである。すなわち、掻き揚げ側端26からのオイルの飛散によってリダクションギヤ4の回転抵抗とならないよう、掻き揚げ側端26からのオイルの飛散方向を2つのギヤ3及び4の共通内接線を通る方向へとコントロールするためである(図6参照)。掻き揚げ側端26からのオイルの飛散方向が2つのギヤ3及び4の共通内接線を通る方向となれば、リダクションギヤ3の回転方向と一致するため、リダクションギヤ3に飛散するオイルがリダクションギヤ3の回転抵抗とならないのである。
具体的には、図6に示したように、2つのギヤ3及び4の共通外接線がファイナルギヤ4に接する位置をA、共通外接線がリダクションギヤ3に接する位置をB、2つのギヤ3及び4の共通内接線が2つのギヤ3及び4に接する位置をCとしたとき、AからCまでの間に掻き揚げ側端26の鉛直方向高さを設定すればよい。
さらに詳述する。外周ガイド部位22は、例えば長方形状の板材を折り曲げて曲面とし、当該曲面の中心がファイナルギヤ4の中心E(図6参照)と一致するように形成されている。言い換えると、ファイナルギヤ4の中心Eから全幅W2の1/2を半径とする仮想円を描いたとき、この仮想円上に外周ガイド部位22が存在する。また、ファイナルギヤカバー21の厚さD2をファイナルギヤ4の厚さD1よりも大きく形成している(図5参照)。
扇状部位23、24は、鈍角を有する扇状に形成され、扇状部位23、24の径方向の外周側端23a、24aが外周ガイド部位22と接合されている。扇状部位23、24の径方向の内周側は切り取られ、扇状部位23、24の径方向の内周側端23b、24bも外周側端23a、24aと同じに円弧状に形成されている。
侵入側端25を含む平面(図6の一点鎖線参照)及び掻き揚げ側端26を含む平面(図6の一点鎖線参照)がファイナルギヤ4の中心E(図6参照)を通るように、侵入側端25、掻き揚げ側端26の両端が形成されている。なお、図6においてCLはファイナルギヤ4の中心Eを通る水平面、OLはオイルレベルである。侵入側端25がオイルレベルOLより鉛直方向上側にあるので、図6からは潤滑後にケース2底部に落下して貯溜部17に貯溜されるオイルがファイナルギヤカバー21内に浸入しないようにも見える。実際には、図4に示したように扇状部位23、24の径方向の内周側端23b、24bがオイルレベルOLより鉛直方向下側にあるので、貯溜部17に貯溜されるオイルはこの扇状部位23、24の径方向の内周側端23b、24bからファイナルギヤカバー21内に侵入する。
この結果、図6に示したようにファイナルギヤカバー21の全幅W2はファイナルギヤ4の全幅W1よりも大きく、かつ図5に示したようにファイナルギヤカバー21の厚さD2はファイナルギヤ4の厚さD1よりも大きくなっている。ファイナルギヤカバー21の全幅W2と厚さD2の実際の寸法は適合により定める。
このようにファイナルギヤカバー22を構成したとき、ファイナルギヤ4の回転によって、ファイナルギヤカバー22内のオイルは外周ガイド部位22の内周に沿って掻き揚げられ、この掻き揚げオイルは掻き揚げ側端26から遠心力によって空中に飛散する。掻き揚げ側端26をリダクションギヤ3付近まで近づけることで、ファイナルギヤ4の掻き揚げオイルの飛散方向が、2つのギヤ3及び4の共通内接線近くでのリダクションギヤ3の回転方向とほぼ一致し、リダクションギヤ3の回転抵抗が低減する。
第1実施形態によれば、オイルを貯溜する貯溜部17を備え、このオイルに鉛直方向下側が浸漬されているファイナルギヤ4(第一ギヤ)と、ファイナルギヤ4より鉛直方向上側にあるリダクションギヤ3(第二ギヤ)とを噛み合わせ、ファイナルギヤ4の回転に伴いファイナルギヤ4が前記オイルを掻き揚げる動力伝達装置において、ファイナルギヤ4の掻き揚げオイルがリダクションギヤ3の回転方向に抗する方向に飛散しないようにファイナルギヤ4の外側を覆うファイナルギヤカバー21を設けるので、ファイナルギヤ4の掻き上げオイルが、リダクションギヤ3の回転方向に抗する方向に飛散しないこととなった。このように、ファイナルギヤ4の掻き揚げオイルの飛散によってリダクションギヤ3の回転抵抗とならないように飛散オイルの方向をコントロールすることで、リダクションギヤ3の回転抵抗を低減することができる。
第1実施形態によれば、ファイナルギヤカバー21を、掻き揚げ側端26(カバー端)から飛散するオイルの飛散方向がリダクションギヤ3(第二ギヤ)の回転方向と同じになるようにファイナルギヤ4(第一ギヤ)の掻き揚げオイルを案内する形状とするので、掻き揚げ側端26から飛散するオイルがリダクションギヤ3の回転抵抗となることがない。
第1実施形態によれば、ファイナルギヤカバー21の鉛直方向上端を貯溜部17のオイルレベルOL(油面)より鉛直方向上側に設定し、かつ、ファイナルギヤカバー21のオイル掻き揚げ側の鉛直方向上端を2つのギヤ3及び4の共通外接線がファイナルギヤ4(第一ギヤ)に接する位置Aから2つのギヤ3及び4の共通内接線がファイナルギヤ4に接する位置Cまでの間に設定するので、掻き揚げ側端26から飛散するオイルがリダクションギヤ3(第二ギヤ)の回転抵抗となることを抑制することができる。
(第2実施形態)
図7は第2実施形態のリダクションギヤ3及びファイナルギヤ4の正面図、図8は図7の左側面図、図9はギヤ軸に直交する面で切断した図7の断面図である。第1実施形態の図4、図5、図6と同一部分には同一番号を付している。
第2実施形態では、ファイナルギヤ4のオイル掻き揚げによってリダクションギヤ3に供給されるオイルの量を減らすため、図8に示したように外周ガイド部位22に長方形状の窓27(開放部)を設けている。窓27の鉛直方向下端27aはオイルレベルOLより鉛直方向上側とし、窓27の鉛直方向上端27bは2つのギヤ3及び4の共通外接線がファイナルギヤ4に接する位置Aより鉛直方向下側とする。
窓27の鉛直方向上端27bを2つのギヤ3及び4の共通外接線がファイナルギヤ4に接する位置Aより鉛直方向下側としたのは、次の理由からである。すなわち、窓27の鉛直方向上端27bが2つのギヤ3及び4の共通外接線がファイナルギヤ4に接する位置Aより鉛直方向上側にあると、窓27より飛散するオイルが、リダクションギヤ3に向かってしまうので、これを避けるためである。
オイルレベルOLより鉛直方向上側のファイナルギヤカバー21に窓27を設けたことで、外周ガイド部位22を掻き揚げ側端26に向かって掻き揚げられるオイルの一部が窓27より遠心力でファイナルギヤカバー21の径方向外側に飛び出す(図7参照)。つまり、掻き揚げ側端26に向かって掻き揚げられるはずであったオイルの一部が窓27から消失するので、リダクションギヤ3への飛散オイルの量が低減する。窓27より消失する掻き揚げオイルの量は窓27の面積に依存するので、窓27の面積は適合により定める。
ファイナルギヤ4の回転速度の上昇でファイナルギヤ4の掻き揚げオイルが相対的に大きくなり、この大きくなった掻き揚げオイルがリダクションギヤ3へと導かれるとなると、オイル供給が過剰になることがあり、リダクションギヤ3のフリクションが増加してしまう。これに対して第2実施形態によれば、ファイナルギヤ4の掻き揚げオイルをファイナルギヤ4の径方向外側(ファイナルギヤ4から離れる方向)へ飛散させる窓27(開放部)をファイナルギヤカバー21に設けるので、リダクションギヤ3へと導かれるオイルの供給量が低減し、リダクションギヤ3のフリクションを低減することができる。
第2実施形態によれば、窓27(開放部)を、オイルレベルOL(オイルの油面)より鉛直方向上側であって、かつ、2つのギヤ3及び4の共通外接線がファイナルギヤ4に接する位置Aより鉛直方向下側に設定するので、窓27(開放部)から飛散するオイルの飛散方向をリダクションギヤ3から逸らすことができる。
(第3実施形態)
図10は第3実施形態のリダクションギヤ3及びファイナルギヤ4の正面図、図11は図10の側面図、図12はギヤ軸に直交する面で切断した図10の断面図である。第2実施形態の図7、図8、図9と同一部分には同一番号を付している。
第3実施形態は、第2実施形態に対して、さらにリダクションギヤ3のオイル掻き揚げ側に、窓27から飛散してくるオイルを阻止するため、遮蔽構造としてのリダクションギヤカバー28をリダクションギヤ3の径方向外側に沿って曲面状に設けたものである。リダクションギヤカバー28の鉛直方向上端29は、2つのギヤ3及び4の共通外接線位置がリダクションギヤ3に接する位置Bより鉛直方向上側に設定する(図12参照)。一方、リダクションギヤカバー28の鉛直方向下端30は、ファイナルギヤカバー21に当接させる。リダクションギャカバー27の厚さD3は、ファイナルギヤカバー21の厚さD2と同等とする(図11参照)
第2実施形態では窓27の鉛直方向上端27bを2つのギヤ3及び4の共通外接線がファイナルギヤ4に接する位置Aより鉛直方向下側としたが、第3実施形態では窓27の鉛直方向上端27bを2つのギヤ3及び4の共通外接線がファイナルギヤ4に接する位置Aより鉛直方向上側としている。第3実施形態で窓27の鉛直方向上端27bを2つのギヤ3及び4の共通外接線がファイナルギヤ4に接する位置Aより鉛直方向上側とした理由は次の通りである。すなわち、窓27の鉛直方向上端27bが2つのギヤ3及び4の共通外接線がファイナルギヤ4に接する位置Aより鉛直方向上側にあると、窓27より飛散するオイルが、リダクションギヤ3に向かってしまう。しかしながら、このリダクションギヤ3に向かって飛散するオイルはリダクションギヤカバー28によって遮蔽されるので、問題ないためである。このように、窓27の鉛直方向上端27bを2つのギヤ3及び4の共通外接線がファイナルギヤ4に接する位置Aより鉛直方向上側に設定すれば、窓27の面積を第2実施形態より広げることが可能となる。
ファイナルギヤ4の回転速度の上昇でファイナルギヤ4の掻き揚げオイルの量が相対的に大きくなっても、窓27の面積が第2実施形態より広がっている。このため、窓27からファイナルギヤ4の径方向外側に飛散するオイルの量が第2実施形態より多くなる一方で、窓27から飛散したオイルの内にはリダクションギヤに向かうものが出てくる。このリダクションギヤに向かって飛散するオイルはリダクションギヤカバー28により遮蔽される。
このように第3実施形態によれば、リダクションギヤ3(第二ギヤ)の径方向外側に窓27(開放部)からのオイルの飛散を遮蔽するリダクションカバー28(遮蔽構造)を設けるので、窓27から飛散するオイルの量を第2実施形態より増やしつつ、窓27から飛散するオイルの一部がリダクションギヤ3に向かって飛散することがあっても、こうしたリダクションギヤ3に向かって飛散するオイルを確実に阻止できる。
(第4実施形態)
図13は第4実施形態のリダクションギヤ3及びファイナルギヤ4の正面図、図14は図13の側面図、図15はギヤ軸に直交する面で切断した図13の断面図である。第1実施形態の図4、図5、図6と同一部分には同一番号を付している。
第4実施形態は、ファイナルギヤカバー21でファイナルギヤ4を半分以上覆い、かつ、ファイナルギヤ4の掻き揚げオイルを鉛直方向上側にコントロールするためのオイルガイド31(流路)を設定したものである。すなわち、ファイナルギヤカバー21に接続して鉛直方向上側に立ち上がるオイルガイド31を設けている。
オイルガイド31は断面がコの字状で全体として樋のような形状である。このため、オイルガイド31はファイナルギヤの掻き揚げオイルが流れる平板状部位32と、この平板状部位32の両側からオイルが流れ落ちるのを阻止する両側の平板状部位33、34とからなっている。オイルガイド31の鉛直方向の両端35、36は開口している。
詳細には、外周ガイド部位22の鉛直方向上端22aは、図14に示したようにファイナルギヤカバー21の鉛直方向接線がファイナルギヤカバー21に接する位置(つまりファイナルギヤ4の中心Eを通る水平面CLと一致する位置)までしか設けられていない。この外周ガイド部位22の鉛直方向上端22aとオイルガイド31の鉛直方向下端35とを接続する。
一方、オイルガイド31の鉛直方向上端36は、リダクションギヤ3の中心を通る水平面よりも鉛直方向上側でかつ斜壁14の近くにまで延びている。つまり、前述したようにリダクションギヤ3に対してファイナルギヤ4が偏心した側とは反対側(つまり図13で左側)でかつリダクションギヤ3の鉛直方向上側に空間を有しているが、この空間11にオイルガイド31が配置されている。
ファイナルギヤカバー21の掻き揚げ側端26は、外周ガイド部位22を除いた扇状部位23、24だけによって形成され、第1実施形態より鉛直方向下側に設けられている。これは、オイルガイド31によってファイナルギヤ4の掻き揚げオイルの主な飛散方向を鉛直方向上側としてあり、2つのギヤ3及び4の共通内接線と一致する方向にファイナルギヤ4の掻き揚げオイルをそれほど導く必要がないためである。オイルガイド31の平板状部位33、34と、ファイナルギヤカバー21の扇状部位23、24とが重なる部分は接合する。
オイルガイド31の鉛直方向上端36から飛散するオイルは、斜壁14に衝突して付着し、斜壁14、立壁13を伝って貯溜部17に戻る。中には勢い余って斜壁14で反射して落下するオイルが生じるが、このオイルはリダクションギヤ3に回転に伴う下方気流に乗って鉛直下方へと落ちることとなる。
第4実施形態では、ファイナルギヤ4の掻き揚げオイルをファイナルギヤカバー21から主にオイルガイド31へと導くことにより、ファイナルギヤ4の掻き上げオイルの方向をコントロールしているので、ファイナルギヤ4の掻き揚げオイルとリダクションギヤ3とのオイル接触量が低減する。
第4実施形態によれば、ファイナルギヤ4(第一ギヤ)のギヤ径がリダクションギヤ3(第二ギヤ)のギヤ径より大きく、ファイナルギヤ4の中心がリダクションギヤ3の中心より水平方向の一方(図13で右側)に偏心し、ファイナルギヤ4が偏心した側とは反対側(図13で左側)でかつリダクションギヤ3の鉛直方向上側に空間11を有し、かつこれら2つのギヤ3及び4並びに空間11を囲う内壁(12、13)を備え、この内壁(12、13)に空間11側からリダクションギヤ3側に向かうほど鉛直方向上側に傾斜する傾壁14を有し、開放部としては、オイルレベルOL(貯溜部17の油面)より鉛直方向上側であって、かつ、2つのギヤ3及び4の共通外接線がファイナルギヤ4に接する位置より鉛直方向下側でファイナルギヤカバー21と接続され、傾壁14に向かって鉛直方向上側開口端36を有するオイルガイド31(流路)を設けるので、ファイナルギヤ4の掻き揚げオイルとリダクションギヤ3との接触オイル量を低減することができ、リダクションギヤ3の回転抵抗を低減することができる。
第4実施形態によれば、オイルガイド31は、ファイナルギヤ4から離れる方向へ飛散させるオイルを、リダクションギヤ3の鉛直方向接線よりリダクションギヤ3の径方向外側に導く経路であるので、オイルガイド31の鉛直方向上側端36より飛散するオイルがリダクションギヤ3へと向かうことを回避できる。
1 トランスアクスル
2 トランスアクスルケース
3 リダクションギヤ(第二ギヤ)
4 ファイナルギヤ(第一ギヤ)
17 貯溜部
21 ファイナルギヤカバー(カバー)
27 窓(開放部)
28 リダクションギヤカバー(遮蔽構造)
31 オイルガイド(流路)

Claims (4)

  1. オイルを貯溜する貯溜部を備え、
    前記オイルに鉛直方向下側が浸漬されている第一ギヤと、当該第一ギヤより鉛直方向上側にある第二ギヤとを噛み合わせ、前記第一ギヤの回転に伴い当該第一ギヤが前記オイルを掻き揚げる動力伝達装置において、
    前記第一ギヤの掻き揚げオイルが前記第二ギヤの回転方向に抗する方向に飛散しないように前記第一ギヤの外側を覆うカバーを設け、
    前記カバーを、当該カバー端から飛散するオイルの飛散方向が前記第二ギヤの回転方向と同じになるように前記第一ギヤの掻き揚げオイルを案内する形状とし、
    前記第一ギヤのギヤ径が前記第二ギヤのギヤ径より大きく、
    前記第一ギヤの中心が前記第二ギヤの中心より水平方向の一方に偏心し、
    前記第一ギヤが偏心した側とは反対側でかつ前記第二ギヤの鉛直方向上側に空間を有し、
    前記第一ギヤと前記第二ギヤと前記空間を囲う内壁を備え、
    前記内壁に前記空間側から第二ギヤ側に向かうほど鉛直方向上側に傾斜する傾壁を有し、
    前記カバーに、前記第一ギヤの掻き揚げオイルを前記第一ギヤから離れる方向へ飛散させる開放部を設け、
    前記開放部として、前記貯溜部の油面より鉛直方向上側であって、かつ、前記第一ギヤと前記第二ギヤとの共通外接線が前記第一ギヤに接する位置より鉛直方向下側で前記カバーと接続され、前記傾壁に向かって開口端を有する流路を設けることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記カバーの鉛直方向上端を前記貯溜部の油面より鉛直方向上側に設定し、かつ、前記カバーのオイル掻き揚げ側の鉛直方向上端を前記2つのギヤの共通外接線が前記第一ギヤに接する位置から前記2つのギヤの共通内接線が前記第一ギヤに接する位置までの間に設定することを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記流路は、前記第一ギヤから離れる方向へ飛散させるオイルを、前記第二ギヤの鉛直方向接線より前記第二ギヤの径方向外側に導く経路であることを特徴とする請求項1又は2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記カバーのオイル進入側端が、前記オイルの油面より鉛直方向上側に設定されることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
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