JP2011063709A - 離型剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体蓄積性が低いといわれる炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物であって、乳化性能にすぐれたペンタデカフルオロオクタン酸アンモニウムに匹敵する乳化性能を有するものを乳化剤を用いた、離型剤を提供する。
【解決手段】一般式 RfO(C3F6O)p(C2F4O)q(CF2O)rRf′〔I〕(Rf、Rf′:炭素数1〜5のパーフルオロ低級アルキル基、C3F6基、C2F4O基およびCF2O基はランダムに結合、p+q+r:2〜200の整数、p、qまたはr:0)または一般式 F(CF2CF2CF2O)nCF2CF3〔II〕(n:2〜100の整数)で表わされるパーフルオロポリエーテル油またはパーフルオロカーボン化合物100重量部に対し、乳化剤として一般式 CnF2n+1CH2CH2P(O)(OM1)(OM2)(M1:水素原子、アンモニウム塩または有機アミン塩、M2:アンモニウム塩または有機アミン塩、n:1〜6の整数)で表わされるパーフルオロアルキルエチルホスホン酸塩0.01〜30重量部を用い、これらを有効成分とする離型剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、離型剤に関する。さらに詳しくは、すぐれた造膜性を有し、かつ金型離型性にすぐれたエマルジョン型の離型剤に関する。
現在、プラスチック材料やゴム材料などの高分子材料を、金型を用いて成形する際に、シリコーン油、ワックス、タルク、マイカ、テトラフルオロエチレン樹脂などの離型剤が用いられている。しかしながら、シリコーン油、ワックスなどは良好な離型性を示すものの、離型剤が成形品に移行するため、均一塗装性、二次加工性などを損なわせ、また持続性の点で欠けるものがある。また、テトラフルオロエチレン樹脂では、離型効果の持続性や二次加工性の点では満足いくのものではあるものの、離型処理時に金型の型面に膜状の焼付処理をしなければならず、再処理時にも同様の処理が必要となるため、操作工程が多くなってしまう。
かかる欠点を解消させるために、炭素数4〜20のポリフルオロアルキル基含有リン酸エステルを有効成分の一つとする離型剤が提案されている(特許文献1〜3参照)。これらの離型剤は、良好な離型性を示し、また従来のものと比べて離型寿命が長いとされてはいるものの、昨今の成形品形状の複雑化に伴い、離型剤としてなお一層の性能の向上が求められている。
一方、ポリフルオロアルキルホスホン酸エステルについても、離型剤の合成原料として広く用いられている。離型剤としたときの離型性能は、パーフルオロアルキル基の炭素数が8〜12である化合物において最も発現し易く、特にパーフルオロオクチル基を有するホスホン酸エステル化合物である
CF3(CF2)7CH2CH2P(O)(OC2H5)2
が、この種の用途に好んで使用されている(特許文献4〜7参照)。
ところで、炭素数8〜12のパーフルオロアルキル基を有するテロマー化合物は、環境中で生物分解されて、生体蓄積性、環境濃縮性が比較的高い化合物に変化することが報告されており、処理工程での暴露、廃棄物、処理基材等からの環境への放出、拡散などが懸念されている。また、パーフルオロアルキル基の炭素数が14以上の化合物では、それの物理的、化学的性状からそれの取扱いが非常に困難であり、実際には殆ど使用されていない。
さらに、炭素数8以上のパーフルオロアルキル基を有するテロマー化合物は、その製造プロセスにおいて、生体蓄積性の高いパーフルオロオクタン酸類の発生や混入が避けられない。そのため、このようなテロマー化合物の製造各社は、それの製造からの撤退や炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物への代替などを進めている。
しかしながら、パーフルオロアルキル基の炭素数が6以下の化合物では、処理基材表面での配向性が著しく低下し、また融点、ガラス転移点Tgなどが炭素数8の化合物に比べて著しく低いため、温度、湿度、応力、有機溶剤の接触などの使用環境条件に大きな影響を受けることとなる。そのため、求められる十分な性能が得られず、また耐久性などにも影響がみられる。
パーフルオロアルキルアルキルホスホン酸のアンモニウム塩またはアミン塩とポリエーテル変性オルガノポリシロキサンとを水に溶解または分散させた水性離型剤組成物も提案されているが(特許文献8参照)、この場合にもパーフルオロオクチルエチルホスホン酸塩が用いられ、透明な離型剤溶液が得られるとされている。
また、撥水撥油剤、潤滑剤等として広く用いられているパーフルオロポリエーテル油は、撥水撥油性、潤滑性などにはすぐれているが、他の化合物との相溶性に欠けるため、用途が限定される。
パーフルオロポリエーテル油は、これに加脂剤を加えることにより、皮革処理剤としての利用も図られている(特許文献9参照)。加脂剤としては、その一般的な記載において、フルオロアルキル基、フルオロアルケニル基またはフルオロエーテル基を有するホスホン酸誘導体またはそのアンモニウム塩、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩等が用いられるとされているが、加脂剤の使用割合はフッ素系オイルに対して10〜0.5、好ましくは5〜1の重量比とされている。
このような重量比で用いられる加脂剤とフッ素オイルとは、通常エマルジョンの形態で含んでなる皮革処理剤によって、加脂工程でなめし革処理されると述べられているが、加脂剤リッチで用いられる処理剤では、用いられる乳化剤量に比例して、エマルジョンの平均粒子径は小さくなり、また経時的な安定性も確保されるが、過剰に配合される親水性の加脂剤によって、被処理物が親水性化して、撥水性が低下したり、これを離型剤として用いたときの離型性能の低下を避けることができない(後記比較例2参照)。
本出願人は先に、パーフルオロアルキルエチルホスホン酸ジエステルを熱分解や加水分解させることにより、パーフルオロアルキルエチルホスホン酸を製造する方法を提案している(特許文献10参照)。ここで得られるパーフルオロアルキルエチルホスホン酸は、水等の水性媒体には溶解しないため、乳化剤水溶液等として使用することはできない。
一方、パーフルオロポリエーテル油は、これをエマルジョン化することで表面処理剤としての利用が可能となり、離型剤への応用が可能となる。
しかるに、特許文献9に記載される如きエマルジョンにおいては、フッ素系オイルに対して大過剰量の加脂剤(パーフルオロアルキルアルキルホスホン酸のアンモニウム塩または金属塩)が配合されて用いられるため、皮革処理方法としては好適であっても、パーフルオロポリエーテル油エマルジョンを離型剤として適用した場合には、これらの化合物自体の離型性能が十分に発揮されないことになる。
特公昭53−23270号公報 特公昭53−23271号公報 特公昭57−48035号公報 特公平2−45572号公報 特公平3−78244号公報 特公平4−4923号公報 特公平4−11366号公報 特公平8−5063号公報 特許第3077231号公報 特開昭58−210096号公報
本発明の目的は、生体蓄積性が低いといわれる炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物であって、乳化性能にすぐれたペンタデカフルオロオクタン酸アンモニウムに匹敵する乳化性能を有するものを乳化剤を用いた、離型剤を提供することにある。
かかる本発明の目的は、 一般式
RfO(C3F6O)p(C2F4O)q(CF2O)rRf′ 〔I〕
(ここで、Rf、Rf′は炭素数1〜5のパーフルオロ低級アルキル基であり、C3F6基、C2F4O基およびCF2O基はランダムに結合しており、p+q+rは2〜200の整数で、p、qまたはrは0であり得る)または一般式
F(CF2CF2CF2O)nCF2CF3 〔II〕
(ここで、nは2〜100の整数である)で表わされるパーフルオロポリエーテル油またはパーフルオロカーボン化合物100重量部に対し、乳化剤として一般式
CnF2n+1CH2CH2P(O)(OM1)(OM2)
(ここで、M1は水素原子、アンモニウム塩または有機アミン塩であり、M2はアンモニウム塩または有機アミン塩であり、nは1〜6の整数である)で表わされるパーフルオロアルキルエチルホスホン酸塩0.01〜30重量部を用い、これらを有効成分とする離型剤によって達成される。
本発明で用いられるパーフルオロアルキルエチルホスホン酸アンモニウム塩またはアミン塩乳化剤、特にアンモニウム塩乳化剤は、生体蓄積性が低いといわれる炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物であって、乳化性能にすぐれたペンタデカフルオロオクタン酸アンモニウムに匹敵する乳化性能を有しており、この乳化剤の水性溶液または有機溶媒溶液とパーフルオロポリエーテル油とからなるエマルジョンは、安定なエマルジョンを形成させることができる。その乳化安定性は、室温条件下または40℃で1ヶ月間放置した後においても良好に維持されている。
かかるポリフルオロアルキルホスホン酸塩は、例えば約0.1重量%以下の濃度で水性または有機溶剤性離型剤として調製した場合にも、離型対象物、例えば成形用金型にこれを塗布したときに有効な離型性能を発揮するといったすぐれた効果を奏する。これは、ポリフルオロアルキルホスホン酸塩が、極めて良好な溶媒溶解性を示すことによるものであり、固形分濃度が0.5重量%を占めるように調製された従来の離型剤よりもはるかにすぐれた離型性を示す離型剤が、固形分濃度が約0.1重量%以下で得ることができる。
さらに、ポリフルオロアルキルホスホン酸塩は、良好な溶媒溶解性を有するため、希釈剤で希釈されたとき、容易に均一濃度の離型剤溶液を形成するので、従来の離型剤で問題とされていた沈殿が生じることもなく、保存安定性も良好であるといった特徴を有する。
以上のポリフルオロアルキルホスホン酸塩の有する諸特性により、本発明に係る離型剤、好ましくはエマルジョン型離型剤は、次のようなすぐれた効果を奏する。
(1) すぐれた造膜性を有し、複雑な形状の成形品に対しても均一な塗膜を形成させることができる。
(2) 金型面に対する造膜性およびイオン基による金型面への密着性にすぐれているため、離型性能および離型寿命の著しい向上が図られる。
(3) 約0.1重量%程度の低濃度の希釈でもすぐれた離型性および持続性が発揮されるため、離型剤による型汚れが低減される。
(4) 離型剤の成形品への移行性が小さいため、成形後の成形品の品質に悪影響を及ぼすことが少なく、成形品の寸法精度が向上する。
乳化剤として用いられるパーフルオロアルキルエチルホスホン酸塩
CnF2n+1CH2CH2P(O)(OM1)(OM2)
は、特許文献10に記載されるパーフルオロアルキルエチルホスホン酸
CnF2n+1CH2CH2P(O)(OH)2
に、アンモニア水溶液または有機アミンを反応させることにより得られる。
有機アミンとしては、例えばジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、モルホリンまたはこれらの誘導体等が好んで用いられる。アンモニアまたは有機アミンは、パーフルオロアルキルエチルホスホン酸に対して等モル量用いられた場合にはモノ塩を形成させ、また2倍モル量用いられた場合にはジ塩を形成させる。一般には、必要理論モル数以上で用いられ、等モル量以上2倍モル量未満用いられた場合には、モノ塩とジ塩との混合物を形成させる。
パーフルオロアルキルエチルホスホン酸塩は、水または水溶性有機溶媒水溶液である水性媒体に溶解させた水性溶液または有機溶媒に溶解させた有機溶媒溶液として用いられる。有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒が用いられる。
乳化剤の水性溶液または有機溶媒溶液は、パーフルオロポリエーテル油100重量部当り、その有効成分量が約0.01〜30重量部、好ましくは約0.1〜15重量部の割合でパーフルオロポリエーテル油に添加され、乳化処理されて、パーフルオロポリエーテル油エマルジョンを形成させる。乳化剤をこれ以上の割合で用いると、パーフルオロポリエーテル油自体の特性が十分に発揮されないようになる。乳化処理は、ホモジナイザ等を用い、約500〜10,000rpmの回転数で予備乳化を行った後、さらに高圧ホモジナイザを用い、圧力約100〜800kgf/cm2(約10〜80MPa)で乳化処理されて行われる。
エマルジョン化されるパーフルオロポリエーテル油としては、一般式
RfO(C3F6O)p(C2F4O)q(CF2O)rRf′ 〔I〕
で表わされるものが使用される。ここで、Rf、Rf′はパーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基など、炭素数1〜5のパーフルオロ低級アルキル基であり、C3F6O基、C2F4O基およびCF2O基はランダムに結合しており、p+q+r=2〜200で、p,qまたはrは0であり得る。このような一般式で表わされるパーフルオロポリエーテル油の具体例としては、以下のようなものがある。
(1)RfO〔CF(CF3)CF2O〕mRf′
ここで、mは2〜200で、これはヘキサフルオロプロペンの光酸化重合で生成した先駆体を完全にふっ素化することにより、あるいはふっ化セシウム触媒の存在下にヘキサフルオロプロペンオキシドをアニオン重合させ、得られた末端−CF(CF3)COF基を有する酸フロリド化合物をふっ素ガス処理することにより得られる。
(2)RfO〔CF(CF3)CF2O〕m(CF2O)nRf′
ここで、CF(CF3)CF2O基およびCF2O基はランダムに結合しており、m+n=3〜200、m:n=(10:90)〜(90:10)であり、これはヘキサフルオロプロペンの光酸化重合で生成した先駆体を完全にふっ素化することにより得られる。
(3)RfO(CF2CF2O)m(CF2O)nRf′
ここで、m+n=3〜200であり、m:n=(10:90)〜(90:10)であり、これはテトラフルオロエチレンの光酸化重合で生成した先駆体を完全にふっ素化することにより得られる。
前記一般式で表わされる以外のパーフルオロポリエーテル油も用いることができ、例えば次のようなパーフルオロポリエーテル油が用いられる。
(4)F(CF2CF2CF2O)nCF2CF3 〔II〕
ここでn=2〜100であり、これはふっ化セシウム触媒の存在下に2,2,3,3−テトラフルオロオキセタンをアニオン重合させ、得られた含ふっ素ポリエーテル(CH2CF2CF2O)nを160〜300℃の紫外線照射下でふっ素ガス処理することにより得られる。
具体例として挙げた以上のパーフルオロポリエーテル油は、単独もしくは混合して用いることができるが、コストパーフォーマンスの点からは、上記(1)または(2)、特に(1)のパーフルオロポリエーテル油が好んで用いられる。パーフルオロポリエーテル(1)としては、mが2〜100の整数で、数平均分子量Mnが約300〜50000、好ましくは約500〜20000のものが用いられる。
また、パーフルオロポリエーテル油エマルジョンは、さらにその固形分濃度が約0.01〜30重量%、好ましくは約0.05〜10重量%を占める量となるように水性溶液または有機溶媒で希釈した水性溶液または有機溶媒溶液として用いることにより、良好な乳化安定性を保持したまま、離型剤として用いられる。離型剤として用いられる場合には、成形金型面にこれが適用され、成形品等の基質上に適用される場合には、粘着防止剤として用いられる。
エマルジョン型離型剤は、水または有機溶媒により希釈されて用いられる。用いられる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトールなどの多価アルコール誘導体類、四塩化炭素、塩化メチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロロフルオロメタン、テトラクロロジフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素類などの少なくとも一種類が挙げられ、好ましくはイソプロパノールおよびエタノールの混合溶媒が用いられる。ここで、有機溶媒は水と併用して用いることもできる。
離型剤溶液の金型への塗布は、浸せき、吹き付け、刷毛塗り、エアゾル噴射、含浸布による塗布など、通常用いられる任意の方法によって行うことができる。また、離型剤が塗布された金型で形成される成形材料としては、例えばポリウレタン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニル樹脂などの樹脂類、天然ゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴムなどのゴム類が挙げられる。
次に、実施例について本発明を説明する。
参考例1
(1) 攪拌装置および滴下装置を備えた容量200mlに反応装置内に、40℃に加熱された水50gを保温しながら仕込み、そこに2-(パーフルオロヘキシル)エチルホスホン酸(ユニマテック製品CHEMINOX FHP-2-OH)5g(11.7ミリモル)を加えた後、濃度1.4重量%のアンモニア水溶液20.5g(16.9ミリモル)を加え、1時間攪拌を続けて中和反応を行った。これにより、pH8の2-(パーフルオロヘキシル)エチルホスホン酸アンモニウム塩の水溶液(有効成分濃度6.9重量%)が得られた〔乳化剤水溶液I〕。
(2) 攪拌装置および滴下装置を備えた容量1,000mlの反応装置内に、40℃に加熱された水182gを保温しながら仕込み、そこに乳化剤水溶液I 218gおよび一般式
C3F7O〔CF(CF3)CF2O〕mC2F5 (m:2〜100)
で表わされるパーフルオロポリエーテル油(NOKクリューバー製品BARRIERTA J 25 FLUID;動粘度(40℃)25mm2/秒)100g(以上合計量500g)を加えた後、ホモジナイザを用いて回転数3000rpmで2分間の予備乳化を行い、さらに高圧ホモジナイザ(日本精機製)を用いて圧力600kgf/cm2(58.8MPa)で乳化処理し、パーフルオロポリエーテル油エマルジョンA(パーフルオロポリエーテル油100重量部に対して、パーフルオロアルキルエチルホスホン酸アンモニウム塩は15.0重量部)を485g(回収率97%)得た。
得られたパーフルオロポリエーテル油エマルジョンAの平均粒子径は、151nmであった。このエマルジョンAを、室温条件下および40℃でそれぞれ1ヶ月間静置した後の平均粒子径を測定すると、それぞれ153nm、155nmという値が得られ、いずれも安定なエマルジョンが形成されていることが確認された。なお、平均粒子径の測定は、日機装製マイクロドラック粒度分布計UPA150を用い、動的光散乱法によって行われた。
参考例2
参考例1(2)において、同じ一般式で表わされるパーフルオロポリエーテル油(NOKクリューバー製品BARRIERTA J 100 FLUID;動粘度(40℃)95mm2/秒)が同量(100g)用いられ(合計量500g)、パーフルオロポリエーテル油エマルジョンBを486g(回収率97%)得た。このエマルジョンBの平均粒子径は131nm、室温1ヶ月経過後の平均粒子径は136nm、40℃1ヶ月経過後の平均粒子径は140nmであり、安定なエマルジョンが形成されていることが確認された。
参考例3
参考例1(2)において、同じ一般式で表わされるパーフルオロポリエーテル油(NOKクリューバー製品BARRIERTA J 400 FLUID;動粘度(40℃)390mm2/秒)が同量(100g)用いられ(合計量500g)、パーフルオロポリエーテル油エマルジョンCを485g(回収率97%)得た。このエマルジョンCの平均粒子径は145nm、室温1ヶ月経過後の平均粒子径は146nm、40℃1ヶ月経過後の平均粒子径は150nmであり、比較的安定なエマルジョンが形成されていることが確認された。
参考例4
参考例1(2)において、同じ一般式で表わされるパーフルオロポリエーテル油(NOKクリューバー製品BARRIERTA J 800 FLUID;動粘度(40℃)800mm2/秒)が同量(100g)用いられ(合計量500g)、パーフルオロポリエーテル油エマルジョンDを480g(回収率96%)得た。このエマルジョンCの平均粒子径は155nm、室温1ヶ月経過後の平均粒子径は160nm、40℃1ヶ月経過後の平均粒子径は162nmであり、比較的安定なエマルジョンが形成されていることが確認された。
参考例5
(1) 参考例1(1)において、2-(パーフルオロヘキシル)エチルホスホン酸およびアンモニア水溶液の代りに、ペンタデカフルオロオクタン酸アンモニウム塩(ジエムコ製品エフトップEF204)5gを用い、それの水溶液(有効成分濃度9.1重量%)を得た〔乳化剤水溶液II〕。
(2) 参考例2において、乳化剤水溶液Iの代りに乳化剤水溶液IIが165g用いられ、また水量を235gに変更して用いられ(合計量500g)、パーフルオロポリエーテル油エマルジョンEを482g(回収率96%)得た。このエマルジョンEの平均粒子径は140nm、室温1ヶ月経過後の平均粒子径は143nm、40℃1ヶ月経過後の平均粒子径は145nmであり、安定なエマルジョンが形成された。
参考例6
(1) 参考例1(1)において、2-(パーフルオロヘキシル)エチルホスホン酸量を10g(23.4ミリモル)に、また濃度1.4重量%のアンモニア水溶液量を40g(32.9ミリモル)にそれぞれ変更し、それの水溶液(有効成分濃度10.0重量%)を得た〔乳化剤水溶液IV〕。
(2) 参考例1(2)において、乳化剤水溶液IV 250g、パーフルオロポリエーテル油(BARRIERTA J 100 FLUID)5gおよび水245g(以上合計500g)が用いられ、パーフルオロポリエーテル油エマルジョンFを486g(回収率97%)得た。このエマルジョンFの平均粒子径は61nm、室温1ヶ月経過後の平均粒子径は65nm、40℃1ヶ月経過後の平均粒子径は66nmであり、比較的安定なエマルジョンが形成されていることが確認された。
実施例1
イオン交換水97.5重量部に、攪拌しながらパーフルオロポリエーテル油エマルジョンA 2.5重量部を添加して希釈し、離型剤乳液を調製した。
この離型剤乳液を用いてのウレタンゴム成形時の離型試験を、次のように実施した。直径45mm、深さ50mmのアルミニウム製カップを成形型とし、この型を80℃に加熱した後離型剤を塗布して、80℃で乾燥させた。この離型剤塗布型内に、80℃に加熱したウレタンプレポリマー(日本ポリウレタン製品コロネート4090)100重量部と120℃に加熱させたメチレンビス(o-クロロアニリン)硬化剤(イハラケミカル製品イハラキュアミンMT)12.8重量部との混合物10gを注入し、120℃で1時間加熱硬化させた。
硬化前に、注入部中央に硬化成形品取出し用のフックが設置させており、硬化後にそのフックを引っ張って成形品を型から取出す際の荷重を上方に位置するバネ秤で求めると、8Nという値(離型性能)が得られた。また離型剤を最初1回塗布した後、50N以下の離型荷重で何回迄離型できるかの回数を測定すると、9回という値(離型寿命)が得られた。
実施例2〜8、比較例1〜2
実施例1において、離型剤乳液調製に用いられたパーフルオロポリエーテル油エマルジョンの種類および添加量(重量部)、希釈液の種類(水:イオン交換水、EtOH:エタノール、IPA:イソプロパノール)および使用量(重量部)が、それぞれ次の表に示すように変更された。得られた離型性能および離型寿命の測定値は、実施例1の測定値と共に、次の表に示される。

エマルジョン 希釈液 離型 離型
種類 添加量 EtOH IPA 性能(N) 寿命(回)
実施例1 A 2.5 97.5 − − 8 9
〃 2 B 2.5 97.5 − − 10 8
〃 3 B 1.25 98.75 − − 13 6
〃 4 B 0.625 99.375 − − 15 6
〃 5 B 2.5 82.5 15.0 − 9 7
〃 6 B 2.5 82.5 120 3.0 8 10
〃 7 C 2.5 97.5 − − 8 9
〃 8 D 2.5 97.5 − − 7 8
比較例1 E 2.5 97.5 − − 12 5
〃 2 F 2.5 97.5 − − 20 2
比較例3
実施例1において、離型剤乳液を塗布しないで、離型性能および離型寿命の測定を行ったが、成形品が金型から剥がれず、測定不能であり、したがって離型寿命は0回という結果であった。

Claims (6)

  1. 一般式
    RfO(C3F6O)p(C2F4O)q(CF2O)rRf′ 〔I〕
    (ここで、Rf、Rf′は炭素数1〜5のパーフルオロ低級アルキル基であり、C3F6基、C2F4O基およびCF2O基はランダムに結合しており、p+q+rは2〜200の整数で、p、qまたはrは0であり得る)または一般式
    F(CF2CF2CF2O)nCF2CF3 〔II〕
    (ここで、nは2〜100の整数である)で表わされるパーフルオロポリエーテル油100重量部に対し、乳化剤として一般式
    CnF2n+1CH2CH2P(O)(OM1)(OM2)
    (ここで、M1は水素原子、アンモニウム塩または有機アミン塩であり、M2はアンモニウム塩または有機アミン塩であり、nは1〜6の整数である)で表わされるパーフルオロアルキルエチルホスホン酸塩0.01〜30重量部を用い、これらを有効成分とする離型剤。
  2. 一般式
    RfO〔CF(CF3)CF2O〕mRf′
    (ここで、mは2〜200の整数である)で表わされるパーフルオロポリエーテル油〔I〕が用いられた請求項1記載の離型剤。
  3. 乳化剤としてパーフルオロアルキルエチルホスホン酸のアンモニウム塩が用いられた請求項1記載の離型剤。
  4. エマルジョンとして形成された請求項1または3記載の離型剤。
  5. 請求項4記載のエマルジョン型離型剤が水性媒体または有機溶媒でさらに希釈され、その固形分濃度を0.01〜30重量%とした水性溶液または有機溶媒溶液よりなる離型剤。
  6. 成形用金型に塗布して用いられる請求項5記載の離型剤。
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