JP2011063068A - 鞍乗り型車両におけるフロント構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】操向ハンドルおよびフロントフォークを操向可能に支承するヘッドパイプと、ヘッドパイプを前方から覆うフロントカバーと、ヘッドパイプに固定されるフロントステーと、フロントステーで支持されるヘッドライトとを備える鞍乗り型車両において、ヘッドライトの組付け性およびメンテナンス性を確保しつつ、ヘッドライトの取付け部の露出を少なくすることで表面処理加工工数の低減を可能とする。
【解決手段】フロントステー50が、ヘッドパイプ26に沿うようにしてヘッドパイプ26の前方に配置される起立部50aと、起立部50aの下端から前方に延びる台座部50bとを有し、起立部50aを前方から覆うとともに台座部50bを上方および側方から覆うフロントカバー42が、台座部50bの前部に支持されるヘッドライト51の前部を前方に臨ませるようにしてフロントステー50に支持される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、操向ハンドルおよびフロントフォークを操向可能に支承するヘッドパイプと、該ヘッドパイプを前方から覆うフロントカバーと、該ヘッドパイプに固定されるフロントステーと、該フロントステーで支持されるヘッドライトとを備える鞍乗り型車両に関し、特にそのフロント構造の改良に関する。
自動二輪車において、ヘッドパイプを前方から覆うフロントカバーの前方に、該フロントカバーに取付けた支持パイプで支持するようにしてヘッドライトが配置されるようにしたものが、特許文献1で既に知られている。
特開2002−331977号公報
上記特許文献1で開示されたものでは、ヘッドライトの支持パイプへの取付け部がフロントカバーの外部で露出しているので、ヘッドライトの組付け性やメンテナンス性は向上するものの、露出している取付け部が雨等に触れるので、ヘッドライト、前記取付け部および支持パイプに表面処理を施す必要があり、加工工数の増大を招いている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ヘッドライトの組付け性およびメンテナンス性を確保しつつ、ヘッドライトの取付け部の露出を少なくすることで表面処理加工工数の低減を可能とした鞍乗り型車両におけるフロント構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、操向ハンドルおよびフロントフォークを操向可能に支承するヘッドパイプと、該ヘッドパイプを前方から覆うフロントカバーと、該ヘッドパイプの前方に配置されて該ヘッドパイプに固定されるフロントステーと、該フロントステーで支持されるヘッドライトとを備える鞍乗り型車両において、前記フロントステーが、前記ヘッドパイプに沿うようにして該ヘッドパイプの前方に配置される起立部と、該起立部の下端から前方に延びる台座部とを有し、前記起立部を前方から覆うとともに前記台座部を上方および側方から覆う前記フロントカバーが、前記台座部の前部に支持される前記ヘッドライトの前部を前方に臨ませるようにして前記フロントステーに支持されることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記フロントフォークの下端部で軸支される前輪が、前記フロントカバーの下方に配置されるフロントフェンダで上方から覆われることを第2の特徴とする。
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記ヘッドライトと、該ヘッドライトの左右に配置される一対のウインカとが灯火器ユニットとしてユニット化されることを第3の特徴とする。
本発明は、第1〜第3の特徴の構成に加えて、前記台座部に、その前端から下方に延びるヘッドライト支持部が連設され、前記ヘッドライトの下部が前記ヘッドライト支持部の下部に取付けられることを第4の特徴とする。
本発明は、第1〜第4の特徴の構成のいずれかに加えて、後輪を駆動する動力を発揮する動力源の出力を調整するための操作子の操作量を検出する操作量検出センサが、側面視で、前記フロントステーの前記起立部および前記ヘッドパイプ間に配置されることを第5の特徴とする。
本発明は、第1〜第5の特徴の構成のいずれかに加えて、前記フロントステーの前記台座部の下側に、ホーンが支持されることを第6の特徴とする。
本発明は、第1〜第6の特徴の構成のいずれかに加えて、乗車用シートに座った乗員の脚部を前方から覆うレッグシールドで前記ヘッドパイプが後方から覆われ、前記ヘッドパイプを側方から覆うようにして該ヘッドパイプの前方に延出される前記レッグシールドの両側縁が、前記フロントステーの前記起立部の両側で前記フロントカバーの両側縁に連接されることを第7の特徴とする。
本発明は、第1〜第7の特徴の構成のいずれかに加えて、前記フロントカバーの前部のうち前記ヘッドライトの上部を覆う部分の前端が、平面視で、前記ヘッドライトの後面に沿って後方に凸に彎曲して形成されることを第8の特徴とする。
さらに本発明は、第1〜第8の特徴の構成のいずれかに加えて、前記ヘッドライトが、側面視が砲弾状に形成されるハウジングと、前面視が円形に形成されて前記ハウジングの前端に取付けられるレンズとを備え、前記ハウジングの下部が前記台座部に取付けられ、前上がりに傾斜した台板を有して側面視略L字状に形成されるフロントキャリアが前記フロントカバーの前方に配置され、側面視で前記フロントカバーの前部の延長線および前記台板との間に形成されて前方側に向けて広がった空間に前記ヘッドライトの上部が配置されることを第9の特徴とする。
なお実施の形態の電動モータ23が本発明の動力源に対応し、実施の形態のアクセルグリップ107が本発明の操作子に対応し、実施の形態のアクスルポジションセンサ108が本発明の操作量検出センサに対応する。
本発明の第1の特徴によれば、フロントステーが備える台座部の前端部に支持されるヘッドライトの前部を前方に臨ませるフロントカバーが、フロントステーの起立部を前方から覆うとともに前記台座部を上方および側方から覆うので、ヘッドライトのフロントステーへの取付け部の露出を少なくして、雨水対策のための表面処理加工工数を低減することができる。しかもフロントカバーの下方は開放しており、フロントステーにヘッドライトを取り付けた後に上方からフロントカバーを組付けることができ、組付け性を確保することができる。またメンテナンス時には、フロントカバーを外すことなくフロントカバーの下方からヘッドライトのフロントステーへの取付け部にアクセスすることを可能としてメンテナンス性も確保することができる。
また本発明の第2の特徴によれば、フロントカバーの下方に配置されるフロントフェンダで前輪が上方から覆われるので、フロントカバーの下方が開放状態にあっても前輪から巻き上げられる泥等がフロントカバー内に侵入し難くすることができる。
本発明の第3の特徴によれば、ヘッドライトと、左右一対のウインカとがユニット化されるので、ヘッドライトおよび両ウインカの取付け作業性を高めることができる。
本発明の第4の特徴によれば、フロントステーの台座部に設けられて該台座部の前端から下方に延びるヘッドライト支持部の下部に、ヘッドライトの下部が取付けられるので、ヘッドライトのフロントステーへの取付け部に下方からよりアクセスし易くなり、メンテナンス性をより高めることができる。
本発明の第5の特徴によれば、操作量検出センサが、側面視で、フロントステーの起立部およびヘッドパイプ間に配置されるので、操作量検出センサを前後から保護することができる。
本発明の第6の特徴によれば、フロントステーの台座部の下側にホーンが支持されるので、ホーンの取付けおよびメンテナンスを容易とすることができる。
本発明の第7の特徴によれば、レッグシールドの両側縁が、ヘッドパイプを側方から覆うようにして該ヘッドパイプの前方に延出され、フロントステーの起立部の両側でフロントカバーの両側縁に連接されるので、フロントカバーの小型化を図ることができる。
本発明の第8の特徴によれば、フロントカバーの前部のうちヘッドライトの上部を覆う部分の前端が、平面視でヘッドライトの後面に沿って後方に凸に彎曲しているので、ヘッドライトの上部の露出面積を多くしつつ、該ヘッドライトのフロントステーへの取付け部の露出を抑えることができる。
さらに本発明の第9の特徴によれば、前面視で円形のレンズを前端に有するヘッドライトの上部が、側面視で、フロントキャリが備えて前上がりに傾斜した台板と、フロントカバーの前部の前方への延長線との間に形成されて前方側に向けて広がった空間に配置されるので、比較的大径であって丸型の汎用性の高いヘッドライトを適用することができる。これにより、フロントキャリアが占めるスペースを大きく設計しても、充分な光量の汎用性のあるヘッドライトを用いて低コストで構成することができるだけでなく、様々な形状のヘッドライトにも置換可能であり、丸形の大径デザインの新鮮な意匠を印象付けることもできる。
電動二輪車の側面図である。 車体カバーを省略した状態での電動二輪車の側面図である。 フロントキャリアを外した状態での図1の3矢視図である。 フロントキャリアを外した状態での自動二輪車の前部の分解斜視図である。 フロントキャリアを取付けた状態での図3の5−5線断面図である。 他のフロントキャリアを取付けた状態での図5に対応した断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図6を参照しながら説明すると、先ず図1において、この鞍乗り型車両は、低床フロア44を有するスクータ型の電動二輪車であり、後輪WRの車軸21を後部で軸支するスイングアーム22に内蔵された電動モータ23が発揮する回転動力で、前記後輪WRが回転駆動されるように構成されている。
図2において、この電動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを軸支するフロントフォーク24ならびに該フロントフォーク24の上部に連結された操向ハンドル25を操向可能に支承するヘッドパイプ26と、該ヘッドパイプ26から後下がりに延びるダウンフレーム27と、該ダウンフレーム27の下部に連結されて後方に延びる左右一対のアンダーフレーム28…と、それらのアンダーフレーム28…の後端に一体に連なって後上がりに延びる左右一対のリヤフレーム29…とを備える。
前記車体フレームFにおける両リヤフレーム29…の前部に設けられたピボットプレート30…には、車体Bを左側に傾けた起立状態に保持するためのサイドスタンド31が回動可能に取付けられるとともに、前記スイングアーム22の前部が支軸32を介して揺動可能に支承され、前記両リヤフレーム29…のうち左側のリヤフレーム29の後部および前記スイングアーム22の後部間にはリヤクッションユニット33が設けられる。また前記スイングアーム22の前部には、メインスタンド34が回動可能に取付けられる。
前記両アンダーフレーム28…間には、前記電動モータ23に電力を供給するためのたとえば72Vである高電圧バッテリ36を内蔵せしめたバッテリケース37が両アンダーフレーム28…で支持されるようにして配置され、前記両リヤフレーム29…間には、側面視で前記スイングアーム22の上方に配置される収納ボックス38が、両リヤフレーム29…で支持されるようにして配置され、この収納ボックス38は、開閉可能な乗車用シート39で上方から覆われる。しかも収納ボックス38の後側下部には、補機たとえばヘッドライト51、テールライト52等に低電圧たとえば12Vの電力を供給するための低電圧バッテリ40を収納するバッテリ収納部38aが下方に突出するようにして一体に形成される。
前記車体フレームFは、該車体フレームFとともに車体Bを構成する合成樹脂製の車体カバー41で覆われるものであり、該車体カバー41は、前記ヘッドパイプ26を前方から覆うフロントカバー42と、前記乗車用シート39に座った乗員の脚部を前方から覆うようにして前記フロントカバー42に連なるレッグシールド43と、前記乗車用シート39に座った乗員の足を載せるようにして前記レッグシールド43の下部に連なるとともに前記バッテリケース28を上方から覆う低床フロア44と、前記両アンダーフレーム28…を両側から覆うようにして前記低床フロア44の両側から垂下される左右一対のフロアサイドカバー45…と、前記両フロアサイドカバー45…の下縁間を結ぶアンダーカバー46と、前記乗車用シート39の下方を前方から覆うようにして低床フロア44の後端から立ち上がるシート下前部カバー47と、前記乗車用シート39の下方を両側から覆うようにして前記シート下前部カバー47の両側に連なる左右一対のサイドカバー48…と、前記後輪WRを上方から覆って前記両サイドカバー48…に連なるリヤカバー49とを備え、前記バッテリケース37は、車体カバー41のうち前記低床フロア44、フロアサイドカバー45…、アンダーカバー46、シート下前部カバー47およびサイドカバー48…で覆われる。
前記フロントカバー42の前端には、前記ヘッドパイプ26に固定されたフロントステー50で支持されるようにしてヘッドライト51が配設され、前記リヤフレーム29…にはテールライト52が取付けられる。また前記フロントカバー42の下方に配置されるフロントフェンダ53が、前記前輪WFを上方から覆うようにして前記フロントフォーク24に取付けられ、前記後輪WRを後方斜め上方から覆うリヤフェンダ54が前記リヤカバー49に連設され、前記後輪WRを前方斜め上方から覆うフェンダ55が前記スイングアーム22の前部に取付けられる。また前記操向ハンドル25の中央部はハンドルカバー56で覆われており、フロントカバー42の前方に配置されるフロントキャリア57が前記フロントステー50で支持され、前記乗車用シート39の後方かつリヤカバー49の上部には荷台58が設けられ、この荷台58の上方に配置されるキャリア59が前記リヤフレーム29…に着脱可能に取付けられる。
前記両アンダーフレーム28…間には、前記バッテリケース37の前後方向略中央部を跨ぐクロス部材60が設けられており、低床フロア44は該クロス部材60で支持される。また前記両アンダーフレーム28…の前部間には、前記バッテリケース37の前側下部を前方から保護する前部保護部材61がその中央部をダウンフレーム27の下端に連結するようにして設けられ、前記両アンダーフレーム28…の後部間には、前記バッテリケース37の後側下部を後方から保護する後部保護部材62が設けられ、前後方向に延びる複数の下部保護部材63…が、前記バッテリケース37を下方から保護するようにして前部および後部保護部材61,62間に設けられる。
前記バッテリケース37の前部には、左右一対の冷却空気導入ダクト64…の下流端部が接続管65…を介して接続され、両冷却空気導入ダクト64…は、前記レッグシールド43内で前記ダウンフレーム27を両側から挟むようにして該ダウンフレーム27に沿って延びるように配置される。一方、前記ダウンフレーム27の前記ヘッドパイプ26への連結部に対応した位置で前記レッグシールド43には、前方に凹む凹部67が形成されており、該凹部67の上部を覆うリッド68がレッグシールド43に取付けられる。而してリッド68の下縁および凹部67間には空気吸入口69が形成され、前記両冷却空気導入ダクト64…の上流端は、前記空気吸入口69に通じるようにして前記レッグシールド43に接続管66…を介して接続される。
前記バッテリケース37の後部上面には冷却ファン70が取付けられており、この冷却ファン70の作動により、前記空気吸入口69から吸入された空気が、接続管66…、冷却空気導入管64…および接続管65…を介してバッテリケース37内に導入され、バッテリケース37内の高電圧バッテリ36が冷却され、バッテリケース37から前記冷却ファン70によって外部に排出される。
図3〜図5において、前記ヘッドライト51と、該ヘッドライト51の左右に配置される一対のウインカ71,71とは、灯火器ユニット72としてユニット化されており、この灯火器ユニット72を支持する前記フロントステー50は、左右方向に間隔をあけて配置されるとともに前記ヘッドパイプ26に沿うようにして該ヘッドパイプ26の前方に配置される左右一対の起立部50a,50aと、それらの起立部50a…の下端から前方に延びる台座部50bとを有するものであり、後方に開いた略U字状に形成される前記台座部50bと、前記両起立部50a…とは、金属丸棒を曲げ加工して一体に形成される。
また前記両起立部50a…間には、上下方向に間隔をあけて一対の連結板73,74が設けられる。一方、前記ヘッドパイプ26の前部の上下に間隔をあけた2箇所には前方に延びる支持筒75,76が固着されており、一方の支持筒75の前端が連結板73の左右方向中央部に固着され、他方の支持筒76の前端が連結板74の左右方向中央部に固着される。すなわちフロントステー50は、支持筒75,76を介してヘッドパイプ26に固定される。
前記フロントカバー42は、前記フロントステー50の起立部50a…を前方から覆うとともに前記台座部50bを上方および側方から覆うように形成されるものであり、このフロントカバー42は、前記ヘッドライト51の前部を前方に臨ませるようにして前記フロントステー50における台座部50bに支持されるともに、前記起立部50a…の上部間を結ぶ連結板73に支持される。
前記台座部50bの前端部の左右両側には支持台77,77が設けられ、それらの支持台77…にはウエルドナット78…が溶着される。また前記連結板73の左右に間隔をあけた2箇所にはウエルドナット79…が溶着される。また前記フロントカバー42の前記両支持台77…に対応する部分には、支持台77…側に凹む第1座ぐり部80…が設けられ、前記連結板73の両ウエルドナット79…に対応する部分には連結板73側に凹む第2座ぐり部81…が設けられる。
一方、フロントキャリア57は、側面視で略L字状となるようにして金属丸棒を曲げ加工して成る枠部82と、該枠部82の下部に固着される平板状の台板83と、前記第1座ぐり部80…に対応する部分で両端を前記枠部82に連結した第1支持板84と、前記第2座ぐり部81…に対応した部分で両端を前記枠部82に連結した第2支持板85とを有しており、第1支持板84には、前記第1座ぐり部80…に下端部を挿入せしめる円筒状のカラー86…の上端が固着され、第2支持板85には、前記第2座ぐり部81…に下端部を挿入せしめる円筒状のカラー87…の上端が固着される。
また第1座ぐり部80…には、支持台77…に当接する鍔付きカラー88…が装着され、第2座ぐり部81…には、連結板73に当接する鍔付きカラー89…が装着されており、前記カラー86…,87…を前記鍔付きカラー88…,89…に当接させた状態で、カラー86…,87…および鍔付きカラー88…,89…に挿通されるボルト90…,91…を前記ウエルドナット78…,79…に螺合して締め付けることにより、フロントキャリア57がフロントカバー42とともにフロントステー50に共締めされる。而してフロントステー50に取付けられた状態で、前記フロントキャリア57は、台板83を前上がりに傾斜しつつ側面視で略L字状となる姿勢で、前記フロントカバー42の前方に配置される。
ところで前記ヘッドライト51は、側面視が砲弾状に形成されるハウジング111と、前面視が円形に形成されて前記ハウジング111の前端に取付けられるレンズ112とを備えるものである。またフロントステー50の前記台座部50aには、その前端から下方に延びるヘッドライト支持部103が連設されており、このヘッドライト支持部103の下部に、前記ヘッドライト51におけるハウジング111の下部が取付けられる。すなわちヘッドライト支持部103の下部の左右に間隔をあけた2箇所にウエルドナット104,104が溶着されており、前記ヘッドライト51のハウジング111の下部と、その両側のウインカ71…とを結んでユニット化するための腕部105…が前記ウエルドナット104…に螺合するボルト(図示せず)によって前記ヘッドライト支持部103の下部に取付けられる。
しかも側面視略L字状に形成されてフロントカバー42の前方に配置されるフロントキャリア57は前上がりに傾斜した台板83を備えるのであるが、側面視で前記フロントカバー42の前部の前方への延長線Lおよび前記台板83間に形成されて前方側に向けて広がった空間Sに前記ヘッドライト51の上部が配置される。
このような配置によって、比較的大径であって丸型の汎用性の高いヘッドライト51を適用することができ、フロントキャリア57が占めるスペースを大きく設計しても、充分な光量の汎用性のあるヘッドライト51を用いて低コストで構成することができるだけでなく、様々な形状のヘッドライトにも置換可能であり、丸形の大径デザインの新鮮な意匠を印象付けることもできる。
図6で示すように、前記フロントキャリア57に代えて、該フロントキャリア57とは異なるフロントキャリア94を用いることも可能であり、このフロントキャリア94は、側面視で略L字状となるようにして金属丸棒を曲げ加工して成る枠部95と、該枠部に取付けられるバスケット96とを有するものであり、フロントカバー42の前記第1座ぐり部80…に対応する部分で両端を前記枠部95に連結した第1支持板97と、前記第2座ぐり部81…に対応した部分で両端を前記枠部95に連結した第2支持板98とに、円筒状のカラー99…,100…がそれぞれ固着される。
而してカラー99…,100…を前記鍔付きカラー88…,89…に当接させた状態で、カラー99…,100…および鍔付きカラー88…,89…に挿通されるボルト101…,102…を前記ウエルドナット78…,79…に螺合して締め付けることにより、フロントキャリア94をフロントカバー42とともにフロントステー50に共締めすることができる。
ところで前輪WFを下端部で軸支するフロントフォーク24は、該前輪WFの上方に位置するブリッジ部24aを有しており、フロントカバー42の下方に配置されて前輪WFを上方から覆うフロントフェンダ53は前記ブリッジ部24aに支持される。
ところで操向ハンドル25の右端部には、後輪WRを駆動する動力を発揮する動力源である電動モータ23の出力を調整するための操作子であるアクセルグリップ107が回動操作可能に配設されており、このアクセルグリップ107の回動操作量を検出する操作量検出センサであるアクスルポジションセンサ108が、側面視でフロントステー50の前記起立部50a…および前記ヘッドパイプ26間に配置される。而して前記アクセルグリップ107の回動操作に応じて牽引されるワイヤ109がドラム110に巻き掛けられており、該ドラム109の回動量が前記アクスルポジションセンサ108で検出される。また前記フロントステー50における前記台座部50bの下側にはホーン106が支持される。
またレッグシールド43は、前記ヘッドパイプ26を側方から覆うようにして該ヘッドパイプ26の前方に延出されており、そのレッグシールド43の両側縁43a,43aは、前記フロントステー50の前記起立部50a…の両側で前記フロントカバー42の両側縁42a,42aに連接される。
さらにフロントカバー42の前部のうち前記ヘッドライト51の上部を覆う部分の前端42bは、平面視で、前記ヘッドライト51の後面に沿って後方に凸に彎曲して形成されており、その前端42bから下方に垂下する垂下部42cが前端42bの強度を高めるようにしてフロントカバー42に一体に形成され、フロントカバー42の前部両側には、フロントカバー42の前部の強度増大のための内方側に凹んだ凹部42d…がそれぞれ設けられる。
次にこの実施の形態の作用について説明すると、操向ハンドル25およびフロントフォーク24を操向可能に支承するヘッドパイプ26の前方に、ヘッドパイプ26に沿うようにして該ヘッドパイプ26の前方に配置される起立部50a…と、該起立部50a…の下端から前方に延びる台座部50bとを有してヘッドライト51を支持するフロントステー50がヘッドパイプ26に固定されて配置され、前記起立部50a…を前方から覆うとともに前記台座部50bを上方および側方から覆うフロントカバー42が、前記台座部50bの前部に支持される前記ヘッドライト51の前部を前方に臨ませるようにして前記フロントステー50に支持されている。
したがってヘッドライト51のフロントステー50への取付け部の露出を少なくして、雨水対策のための表面処理加工工数を低減することができる。しかもフロントカバー42の下方は開放しており、フロントステー50にヘッドライト51を取り付けた後に上方からフロントカバー42を組付けることができ、組付け性を確保することができる。またメンテナンス時には、フロントカバー42を外すことなくフロントカバー42の下方からヘッドライト51のフロントステー50への取付け部にアクセスすることを可能としてメンテナンス性も確保することができる。
またフロントフォーク24の下端部で軸支される前輪WFが、フロントカバー42の下方に配置されるフロントフェンダ53で上方から覆われるので、フロントカバー42の下方が開放状態にあっても前輪WFから巻き上げられる泥等がフロントカバー42内に侵入し難くすることができる。
またヘッドライト51と、該ヘッドライト51の左右に配置される一対のウインカ71…とが灯火器ユニット72としてユニット化されるので、ヘッドライト51および両ウインカ71…の取付け作業性を高めることができる。
またフロントステー50台座部50bに、その前端から下方に延びるヘッドライト支持部103が連設されており、ヘッドライト51の下部が前記ヘッドライト支持部103の下部に取付けられるので、ヘッドライト51のフロントステー50への取付け部に下方からよりアクセスし易くなり、メンテナンス性をより高めることができる。
ところで後輪WRを駆動する動力を発揮する電動モータ23の出力を調整するためのアクセルグリップ107の操作量を検出するアクスルポジションセンサ108がドラム110とともに、側面視でフロントステー50の前記起立部50a…および前記ヘッドパイプ26間に配置されるので、アクスルポジションセンサ108を前後から保護することができる。またフロントステー50における前記台座部50bの下側に、ホーン106が支持されるので、ヘッドライト51のフロントステー50への取付け部と同様に、ホーン106の取付けおよびメンテナンスを容易とすることができる。
またヘッドパイプ26を側方から覆うようにして該ヘッドパイプ26の前方に延出されるレッグシールド43の両側縁43a…が、フロントステー50の起立部50a…の両側で前記フロントカバー42の両側縁42a…に連接されるので、フロントカバー42の小型化を図ることができる。
さらにフロントカバー42の前部のうち前記ヘッドライト51の上部を覆う部分の前端42bが、平面視で、前記ヘッドライト51の後面に沿って後方に凸に彎曲して形成されるので、ヘッドライト51の上部の露出面積を多くしつつ、該ヘッドライト51のフロントステー50への取付け部の露出を抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
たとえば上記実施の形態では本発明を電動二輪車に適用した場合について説明したが、本発明は電動三輪車にも適用可能であり、また内燃機関を動力源とした自動二輪車や自動三輪車等の鞍乗り型車両にも広く適用することができる。
23・・・動力源である電動モータ
24・・・フロントフォーク
25・・・操向ハンドル
26・・・ヘッドパイプ
42・・・フロントカバー
42a・・・フロントカバーの側縁
42b・・・フロントカバーの前端
43・・・レッグシールド
43a・・・レッグシールドの側縁
50・・・フロントステー
50a・・・起立部
50b・・・台座部
51・・・ヘッドライト
53・・・フロントフェンダ
57・・・フロントキャリア
71・・・ウインカ
72・・・灯火器ユニット
83・・・台板
103・・・ヘッドライト支持部
106・・・ホーン
107・・・操作子であるアクセルグリップ
108・・・操作量検出センサであるアクスルポジションセンサ
111・・・ハウジング
112・・・レンズ
WF・・・前輪
WR・・・後輪

Claims (9)

  1. 操向ハンドル(25)およびフロントフォーク(24)を操向可能に支承するヘッドパイプ(26)と、該ヘッドパイプ(26)を前方から覆うフロントカバー(42)と、該ヘッドパイプ(26)の前方に配置されて該ヘッドパイプ(26)に固定されるフロントステー(50)と、該フロントステー(50)で支持されるヘッドライト(51)とを備える鞍乗り型車両において、前記フロントステー(50)が、前記ヘッドパイプ(26)に沿うようにして該ヘッドパイプ(26)の前方に配置される起立部(50a)と、該起立部(50a)の下端から前方に延びる台座部(50b)とを有し、前記起立部(50a)を前方から覆うとともに前記台座部(50b)を上方および側方から覆う前記フロントカバー(42)が、前記台座部(50b)の前部に支持される前記ヘッドライト(51)の前部を前方に臨ませるようにして前記フロントステー(50)に支持されることを特徴とする鞍乗り型車両におけるフロント構造。
  2. 前記フロントフォーク(24)の下端部で軸支される前輪(WF)が、前記フロントカバー(42)の下方に配置されるフロントフェンダ(53)で上方から覆われることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両におけるフロント構造。
  3. 前記ヘッドライト(51)と、該ヘッドライト(51)の左右に配置される一対のウインカ(71)とが灯火器ユニット(72)としてユニット化されることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両におけるフロント構造。
  4. 前記台座部(50b)に、その前端から下方に延びるヘッドライト支持部(103)が連設され、前記ヘッドライト(51)の下部が前記ヘッドライト支持部(103)の下部に取付けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鞍乗り型車両におけるフロント構造。
  5. 後輪(WR)を駆動する動力を発揮する動力源(23)の出力を調整するための操作子(107)の操作量を検出する操作量検出センサ(108)が、側面視で、前記フロントステー(50)の前記起立部(50a)および前記ヘッドパイプ(26)間に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鞍乗り型車両におけるフロント構造。
  6. 前記フロントステー(50)の前記台座部(50b)の下側に、ホーン(106)が支持されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鞍乗り型車両におけるフロント構造。
  7. 乗車用シート(39)に座った乗員の脚部を前方から覆うレッグシールド(43)で前記ヘッドパイプ(26)が後方から覆われ、前記ヘッドパイプ(26)を側方から覆うようにして該ヘッドパイプ(26)の前方に延出される前記レッグシールド(43)の両側縁(43a)が、前記フロントステー(50)の前記起立部(50a)の両側で前記フロントカバー(42)の両側縁(42a)に連接されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の鞍乗り型車両におけるフロント構造。
  8. 前記フロントカバー(42)の前部のうち前記ヘッドライト(51)の上部を覆う部分の前端(42b)が、平面視で、前記ヘッドライト(51)の後面に沿って後方に凸に彎曲して形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の鞍乗り型車両におけるフロント構造。
  9. 前記ヘッドライト(51)が、側面視が砲弾状に形成されるハウジング(111)と、前面視が円形に形成されて前記ハウジング(111)の前端に取付けられるレンズ(112)とを備え、前記ハウジング(111)の下部が前記台座部(50b)に取付けられ、前上がりに傾斜した台板(83)を有して側面視略L字状に形成されるフロントキャリア(57)が前記フロントカバー(42)の前方に配置され、側面視で前記フロントカバー(42)の前部の延長線(L)および前記台板(83)との間に形成されて前方側に向けて広がった空間(S)に前記ヘッドライト(51)の上部が配置されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の鞍乗り型車両におけるフロント構造。
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