JP2011062548A - 品質維持剤と結びつけられた容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】大略的には、保存容器および物質の保存に関し、詳しくは、物質を収容してその品質を維持する容器に関する項目を提供すること。
【解決手段】品質維持添加剤(25、31、33、41、45、65)を含む容器。品質維持添加剤は、容器内に収容された液体(11、14)または他の流動可能物質の品質を維持する。品質維持添加剤は容器と関連していて、液体または他の流動可能物質が容器から排出されるとき、品質維持添加剤は容器内にとどまる。本発明の1つの局面によれば、流動可能物質を収容し、その品質を維持する容器は、流動可能物質と、当該流動可能物質の品質を維持する品質維持添加剤と、を収容する封止体を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、大略的には、保存容器および物質の保存に関する。詳しくは、物質を収容してその品質を維持する容器に関する。
本発明は、医薬品および薬剤を保存する容器について、医学分野における用途を有する。特に、本発明は、注射可能な治療または診断のための薬剤の保存容器に適用することができ、そこには、静脈内に注射可能な薬剤の容器も含まれる。さらに有益な用途は、診断に使用する造影剤のための容器である。
パッケージ化され、輸送され、しばしば保存されることのある液体および他の物質は、長期間に渡って有効な状態にあることが要求される。ほとんど全ての場合、物質の品質、あるいは「保存寿命」は、例えば空気との接触や、日光にさらされることから物質を保護するパッケージ材自体によって維持されている。
これらの場合、パッケージングの適切な特性は、バリアを形成する能力に関連し、保存される物質それ自体が品質維持成分を含んでいる。治療や診断に使用する注射可能な薬剤を例にとると、調剤の過程において、当該薬剤の品質を維持する要素が含められる。
物質の「品質」または「品質特性」の維持とは、とりわけ、安定性、特性および無菌状態の維持を意味する。例えば、品質維持添加剤という場合、それには、抗生物質(防腐剤)、酸化防止剤、緩衝剤、金属キレート化剤(カルシウム封鎖剤を含む)が含まれる。
品質維持添加剤の他の実施例は、MODERN PHARMACEUTICS (Gilbert S. Bankerら、1996年第3版)において、PARENTERAL PRODUCTS (JAMES C.BOYLANら)において説明されている(第12章、第441-460、470、471、473-482、486-487の各頁)。それらは、言及することによって本明細書に組み込まれる。MODERN PHARMACEUTICSの452-458頁は、特に、注射薬剤の調合に使用する添加剤を開示している。
物質自体に品質維持添加剤を加えるには、その添加剤が当該物質に有害でないことが必要となる。食品または医療品の場合には、加えられる要素は、生体に対して摂取、注入、あるいは導入された場合に、生理学的影響が最小限であるか、まったく存在しないものでなければならない。
一例として、体を映像化するのに使用される造影剤は、その品質および効果を維持したまま、長期間保存できるものでなければならない。造影剤は、X線造影、磁気共鳴造影、超音波造影、光学造影、核造影に使用される。
そのような造影剤の例としては、ミズーリ州セントルイスのTyco Healthcare/Mallinckrodtから市販されているOptiray(商標)X線造影剤およびOptiMARK(商標)MRI造影剤を上げることができる。
造影剤が患者の体内に注入され、その後、患者は、造影過程へと移行する。造影剤がより大きなコントラストを与え、患者の体内組織の画像がよりクリアかつシャープに生成される。
例えば、磁気共鳴造影に使用する造影剤は、錯体中に、キレート化された常磁性の金属イオンを含むことが多い。そこでは、最も一般的な金属イオンは、ガドリニウム(Gd+3)である。自由金属イオンは、人体等の生体には極めて望ましくない。
造影剤は、患者に対して重大な生理学的影響を与える自由ガドリニウム金属イオンを高濃度で有していてはならない。さらには、医薬の製造工程において、他の金属イオン(例えば、Fe+3、Pb+2)が不用意に造影剤内に導入されることが起こり得る。
望ましくない金属イオンが導入されることを最小限にする生産技術が採用される。一般に採用されている1つのステップは、キレート化剤のナトリウム/カルシウム塩(例えば、EDTA、DTPA、DTPA−BMEA、“ベルセタミド(versetamide)”)を造影剤に少しだけ過剰に加えて、製造時に導入された金属イオン、あるいはそれらの錯体から出て来た金属イオンの自由イオンを捕獲することである。
キレート化剤は、条件によっては、造影剤のpHを長期間に渡っての最大限の有効な範囲内に維持する。また、緩衝剤または安定剤を添加することで、造影剤のpHを制御できる場合もある。一例として、OPTIRAY(商標)X線造影剤は、緩衝剤としてトロメタミンを含んでいる。緩衝剤またはキレート化剤の適量は、特定の用途によって異なる。
他の例では、アスコルビン酸や重亜硫酸塩等の酸化防止剤を調合してもよい。勿論、添加剤は、保存される液体のタイプによって幾分異なってくる。品質維持添加剤が加えられたどのような消費可能あるいは非経口の調合物が保存されていたとしても、これを服用した場合に、いずれかの薬剤(通常は、すべて)が人体に導入されることは避けられない。
造影剤において、そのような添加剤を避けることができれば、患者に生じる副作用を減じ得ることが提案されてきた。R.Fattoriらによる、Iomeprol and Iopamidol in Cardiac Angiography: a Randomised, Double-blind Parallel group Comparison, Eur. J Radiol 18 Suppl. 1:S1-S12 (1994年)を参照されたし。
しかしながら、安定していて品質が一定の製品を提供する上で、品質維持添加剤は重要である。したがって、これらの品質維持添加剤を使用することが可能であって、当該調合物を患者に投与したとき、すなわち消費したときに、それが患者の体内に入るのを防ぐことのできる保存・供給システムが必要となる。
本発明の1つの局面によれば、流動可能物質を収容し、その品質を維持する容器は、流動可能物質を収容する封止体(enclosure)と、当該流動可能物質の品質を維持する活性を有する品質維持添加剤とを含む。
品質維持添加剤は、流動可能物質が投与または消費される前に(例えば、流動可能物質が封止体内に収容されたとき)、当該流動可能物質と接触することとなるように、封止体に対して配置されている。
品質維持添加剤は、流動可能物質が投与または消費される前に(例えば、流動可能物質が封止体内に収容されたとき)、当該流動可能物質に作用して品質特性を維持する。
品質維持添加剤は、投与または消費すべく流動可能物質が封止体から取り出されるときに、封止体内にとどまることとなるように、封止体と関連(associate with)している。
本発明の他の局面によれば、パッケージ化された造影剤は、
注射器(syringe)のバレル内に収容された一定量の造影剤と、当該バレルの一端付近でバレル内に受け入れられたプランジャヘッドと、を含む。
品質維持添加剤の一例として、キレート化要素が、バレル内の上記一定量の造影剤と接触し、当該造影剤内の自由金属イオンを捕獲する。
キレート化要素は、造影剤をバレル内から射出するときでも、造影剤に運び出されることなく注射器内にとどまる形態とされている。
一定量の流動可能物質のパッケージを形成する方法は、一般的に、品質維持添加剤を容器に関連させる工程を含む。一定量の流動可能物質を用意して、これを容器内に入れる。品質維持添加剤は、上記流動可能物質の品質を維持するように適合されている。
品質維持添加剤を容器に関連(associate with)させるとは、流動可能物質を容器から出すときに、品質維持添加剤が容器と一緒にとどまるようにすることである。
本発明の他の特徴は、一部分は明らかであり、一部分は本明細書において指摘される。
例えば、本発明は以下を提供する。
(項目1)
流動可能物質を収容し、その品質を維持する容器であって、
該容器は、
流動可能物質を収容する封止体と、
該流動可能物質の品質を維持する活性を有する品質維持添加剤と
を含み、
該品質維持添加剤は、該流動可能物質が該封止体内に収容されたときに、該品質維持添加剤が該流動可能物質と接触することとなるように、該封止体に対して配置されており、
該品質維持添加剤は、該流動可能物質が該封止体内に収容されたときに、該流動可能物質に作用して該流動可能品質特性を維持し、
該品質維持添加剤は、該流動可能物質が該封止体から取り出されるときに、該封止体と一緒のままであるように、該封止体と関連している、容器。
(項目2)
前記封止体は、前記品質維持添加剤を前記封止体から出ないよう束縛(constrain)している、項目1に記載の容器。
(項目3)
前記品質維持添加剤は、前記封止体を形成する材料の組成物の一部である、項目2に記載の容器。
(項目4)
前記封止体は、前記容器内に収容された流動可能物質と接触するように配置された表面を少なくとも1つ有し、前記品質維持添加剤が該表面上に配置されている、項目2に記載の容器。
(項目5)
前記品質維持添加剤が配置された前記1つの表面は、前記封止体に化学的に結合されている、項目4に記載の容器。
(項目6)
前記封止体の前記1つの表面上に配置された他の材料を含んでいて、前記品質維持添加剤は、当該他の材料との組成物中にある、項目4に記載の容器。
(項目7)
前記封止体の前記1つの表面は、前記他の材料を配置する前にエッチングされている、項目6に記載の容器。
(項目8)
前記他の材料は潤滑剤である、項目7に記載の容器。
(項目9)
前記品質維持添加剤は、前記封止体から分離した片(piece)として形成されている、項目2に記載の容器。
(項目10)
前記品質維持添加剤の片は、前記封止体内に配置されており、
該封止体は出口を備え、該出口は、該品質維持添加剤の片が該封止体から出ることを防止するサイズとされている、項目9に記載の容器。
(項目11)
前記封止体内に収容された流動可能物質との組合せである、項目10に記載の容器であって、
前記品質維持添加剤の片は、該流動可能物質内に少なくとも部分的に浸かっている、容器。
(項目12)
前記品質維持添加剤の片は、前記封止体内に収容された、前記流動可能物質と接触する位置において、該封止体に取り付けられている、項目9に記載の容器。
(項目13)
前記品質維持添加剤の片は、前記封止体に積層されたフィルムである、項目12に記載の容器。
(項目14)
前記品質維持添加剤の片は、前記封止体から前記流動可能物質を取り出すとき、自身を通過する流動可能物質を受け取るように適合されたフィルタを備える、項目9に記載の容器。
(項目15)
前記品質維持添加剤は、流動可能物質の品質特性を改善可能である、項目1に記載の容器。
(項目16)
前記品質維持添加剤は、抗生物質、酸化防止剤、キレート化剤、または緩衝剤の少なくとも1つから選択される、項目1に記載の容器。
(項目17)
前記品質維持添加剤は、キレート化剤である、項目16に記載の容器。
(項目18)
流動可能物質との組合わせである、項目17に記載の容器であって、ここで、
前記流動可能物質は造影剤を含む、容器。
(項目19)
前記キレート化剤の片が前記造影剤に浮かんでいる、項目18に記載の容器。
(項目20)
一定量のイメージ化造影剤と、
当該造影剤を収容した容器と、
造影剤と接触して、その品質を維持する品質維持剤と、を含み、
品質維持剤は、造影剤を容器から取り出すときでも、造影剤に運び出されることなく容器内にとどまる形態である、パッケージ化された造影剤。
(項目21)
前記容器は、バイアル、ボトル、注射器、バッグ、または薬品バルクパッケージから選択される、項目20に記載のパッケージ化された造影剤。
(項目22)
一定量のイメージ化造影剤と、
当該造影剤を収容した注射器バレルと、
注射器バレルの一端付近において、当該バレル内に受け入れられているプランジャヘッドと、
バレル内で前記一定量の造影剤と接触していて、造影剤内の自由金属イオンを捕獲するキレート化剤要素と、を含み、
当該キレート化剤要素は、バレルから造影剤が排出されるときでも、造影剤によって運び出されることなく、注射器内にとどまる形態である、パッケージ化された造影剤。
(項目23)
前記キレート化剤は、バレルおよびプランジャヘッドの少なくとも1つと関連している、項目22に記載のパッケージ化された造影剤。
(項目24)
前記キレート化剤は、バレルおよびプランジャヘッドの一方に付けられた層状材料である、項目23に記載のパッケージ化された造影剤。
(項目25)
前記層状材料は潤滑剤を含んでいる、項目24に記載のパッケージ化された造影剤。
(項目26)
前記層状材料は、バレルおよびプランジャヘッドのうちの少なくとも1方にフィルム状に積層されている、項目24に記載のパッケージ化された造影剤。
(項目27)
前記造影剤は、バレルおよびプランジャヘッドのうちの少なくとも一方を形成する材料に組み入れられている、項目23に記載のパッケージ化された造影剤。
(項目28)
キレート化剤を含む材料から作製された片をさらに含み、当該片は、バレルおよびプランジャヘッドの一方に装着されている、項目23に記載のパッケージ化された造影剤。
(項目29)
キレート化剤を含む材料から作製された片を含む、項目22に記載のパッケージ化された造影剤。
(項目30)
前記キレート化剤要素は、造影剤がバレルから排出されるとき、自身を通過するよう造影剤を受けるフィルタを構成する、項目29に記載のパッケージ化された造影剤。
(項目31)
一定量の流動可能物質のパッケージを形成する方法であって、該方法は、
品質維持添加剤を容器に関連させる工程と、
一定量の流動可能物質を用意する工程と、
該一定量の流動可能物質を該容器内に入れる工程と、を含み、
該品質維持添加剤は、該流動可能物質の品質を維持し、
該品質維持添加剤を該容器に関連させることにより、該流動可能物質を容器から出すときに、該品質維持添加剤は該容器と一緒のままである、方法。
(項目32)
前記品質維持添加剤を容器に関連させる工程では、材料を品質維持添加剤と調合し、そして該材料から該容器を形成する工程を含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記一定量の流動可能物質にさらされる容器の表面上に、前記品質維持添加剤を含む物質を置く(deposit)工程をさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目34)
品質維持添加剤を含む物質を置く前に、前記封止体の表面をエッチングする工程をさらに含む、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記物質を置く工程は、該物質を前記容器表面上にスプレーすること、該物質を該容器表面上に蒸着させること、および該品質維持添加剤を含むフィルムを該容器表面上に積層すること、のうちのいずれか1つを含む、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記品質維持添加剤を含む片を前記容器とは別に形成する工程と、
該片を該容器に機能的に結合させる工程と、をさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目37)
前記品質維持添加剤を前記容器に関連させる工程が、前記片が該容器に固定することを含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記片は、前記一定量の流動可能物質に浮かべられる、項目36に記載の方法。
(項目39)
前記片は、前記容器の底に置かれる、項目36に記載の方法。
(項目40)
医学的診断および/または治療に使用する流動可能医学的物質を収容し、該流動可能医学的物質の品質を維持する容器であって、
該容器は、
流動可能医学的物質を収容する封止体と、該流動可能医学的物質の品質を維持する活性を有する品質維持添加剤と
を含み、
該品質維持添加剤は、該流動可能医学的物質が該封止体内に収容されたときに、該品質維持添加材が該流動可能医学的物質と接触することとなるように、該封止体に対して配置されており、
該品質維持添加剤は、該流動可能医学的物質が該封止体内に収容されたときに、該流動可能医学的物質に作用して、該流動可能医学的物質の品質特性を維持することが可能であり、
該品質維持添加剤は、該流動可能医学的物質が該封止体から取り出されるときに、該品質維持添加剤が該封止体と一緒のままであるように、該封止体と関連している、容器。
パッケージ化前の注射器の縦断面。造影剤が充填され、注射器プランジャのステムは、プランジャヘッドから取り外されている。 図1の2−2線に沿う注射器バレルの部分拡大図。そこに塗布された材料層を示している。 図1の3−3線に沿うプランジャヘッドの部分拡大図。そこに塗布された材料層を示している。 キレート化剤要素が装着された注射器の部分拡大断面図。 注射器のプランジャヘッドの底面図。プランジャヘッドに設けられたキレート化剤要素を示している。 図5中の6−6線に沿う断面図。 注射器の部分拡大断面図。図4に対応する断面図であるが、注射器の出口端にフィルタを含んでいる点が異なる。 造影剤を収容したボトルの断面図。造影剤中に、キレート化剤要素が浮かんでいる。 図9は造影剤を収容したバイアルの断面図。
図面(特に図1)を参照すると、予め充填された注射器(広くは「容器」)は、その全体が参照数字1で示されている。注射器は、バレル(全体が参照数字3で示されている)を含んでおり、このバレル内にはプランジャヘッド5が受け入れられる。バレル3(広くは「封止体」)は、先端のノズル7に向かってテーパ状となっている。プランジャヘッドは、バレル3の開口端8の近傍に位置し、バレルの当該開口端を閉じている。
ノズル7はキャップ9を受け入れる。このキャップ9は、ノズルをシールするように閉じるが、これを取り外してノズルを開くこともできる。液体(例えば、X線写真、磁気共鳴、または超音波診断に用いられる診断造影剤11等)は、バレル3内でキャップ9とプランジャヘッド5の間に収容されている。プランジャステム13(図1においては、プランジャヘッド5から分離されている)は、例えばネジ係合(ネジ部15、17)等、適当な方法でプランジャヘッドに接続することができる。
このように形成されたプランジャを使用すると、造影剤を注入するに際して、バレル3内でプランジャヘッド5を下方へ移動させて、ノズル7を通して造影剤11をバレルから押し出すことができる。バレル3は、従来のように、フランジ19を備えたものとして形成され、プランジャをバレル内へと下方に向けて移動させることが容易になる。
図1に示した第1具体例では、プランジャステム13は、最初は、プランジャヘッド5から外されているが、組み立てられたバレル3、造影剤11、プランジャヘッド、およびキャップ9と一緒に、パッケージ化される。ここで説明したものと一般的に同タイプの注射器の一例が、米国特許6,648,860号に開示されている。その開示は、言及することによって、本明細書に組込まれる。
ここに説明するもの以外は、注射器1の構造は、従来のものと同じであってもよい。しかしながら、本発明は、注射器に限定されるものではない。容器は、注射器、バイアル、フラスコ、ボトルまたは、ジャー、薬品バルクパッケージ、またはバッグのような柔軟体等の構造物であってもよい。容器は、ガラス、プラスチック、金属、またはそれらの組合せ、あるいは他の適当な材料、およびそれらの組合せから作製されてもよい。
さらに、より広範な意味を持つ用語「容器」は、この出願の構造が、例えば、当該構造を通過して流れる液体または他の流動可能物質を収容する流路であるという意味で使用される。ここで使用する「流動可能物質」なる語には、液体、エマルジョン、懸濁液、およびリポソームが含まれる。
本発明は、造影剤を保持する容器に対する特別の用途を有しており、造影剤11に絞って説明する。しかしながら、本発明は、容器内に保持されていて、品質維持添加剤によって有益な影響を受けるあらゆる物質に対して有用である。品質維持添加剤は、容器と関連しているが、使用に際して、容器内から物質とともに排出または取り出されるよう当該物質に直接添加されたものではない。
本発明が適用される幾つかのタイプの品質維持添加剤の例は、「背景技術」において説明した。キレート化剤および緩衝剤は、造影剤11に対して使用される最も一般的な品質維持添加剤であり、ここに説明する具体例は、キレート化剤に言及している。
これらの添加剤は、一般的には、保存された物質に作用してその品質を維持するものであるが、本発明の範囲内において、予め定めた方法により、「品質維持添加剤」は、保存された物質の品質を改善または変更すると、理解すべきである。
品質維持添加剤は、保存された物質に作用して、当該物質の望まれる品質特性が損なわれつつある状況を改善する。品質特性とは、例えば、それらに限定されるものではないが、一定のpH範囲、微生物が存在しないこと、正の金属イオンが存在しないこと、酸化防止等である。
さらに、本発明は、医学分野以外にも用途を有することが考えられる。
ここでは、品質維持添加剤としてキレート化剤を用いた具体例により、本発明を説明する。
本発明の第1具体例では、キレート化/安定化剤(以後「キレート化剤」と呼ぶ)が、この分野で知られている従来方式のうちの1つを用いて、注射器1のプラスチック製バレル3を形成する樹脂に配合される。
代表的には、注射器バレル3は、ポリマーまたは樹脂素材から作られる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン・テレフタレート、サイクリックオレフィン材料、その他、一般に使用されるポリマー等である。容器は、ガラスまたは他の適当な材料で作ることもできる。
注射器バレル3を作る一般的な方法の1つは、まず基礎的な重合反応でポリマーを作り(例えばポリプロピレン)、これに、例えば、酸化防止剤、繊維材(強度目的)、着色剤、核剤(剛性および透明性の改善)、および場合により潤滑剤を添加する。任意ではあるが、この混合物にキレート化剤を加えてもよい。ポリマーは、パウダー、ペレット、または他の適当な形態をとってよい。
この混合物が押出成形機に供給され、当該押出成形機が成分を溶融させて混合物を押し出し、ペレットを形成する。このペレットが第2の押出成形機に送られて、当該第2の押出成形機が材料を成形型内に押し出して、バレル3を作る。キレート化剤が適切なタイミングで添加される。例えば、一方の押出成形機において、または、押出成形機と押出成形機の間において添加される。
押出成形機を加熱して、溶融を促進してもよい。押出し重合(または反応押出し)を使用して、ポリマーに官能性を持たせる、あるいはポリマー上の既存の官能基を修正することができる。
キレート化剤に代えて、キレート化剤として機能することのできるキレート化成分または置換基を既に含んでいる樹脂を添加してもよい。そのような樹脂の例は、適当なイオン交換樹脂、QuadraPure(商標)化学製品、および金属スカベンジャである(Sigma-Aldrich社から市販されている、官能化されたマクロ孔樹脂およびミクロ孔樹脂)。
そのような置換基を備えた樹脂に関する追加情報として、米国ニュージャージ州パークリッジのNoyes Publications社から1989年に発行された"Separation and Purification Techniques in Biotechnology"中の「Ion Exchange Chapter 3」(F.J.Dechow)を参照されたい。
この目的で使用できる他のポリマー(すなわち、他のモノマーをそこに共重合することが可能な、基礎的なビニルヘテロサイクルの架橋構造共重合体)が、米国特許5,094,867号で説明されている。その開示は、言及することで本明細書に組込まれる。
樹脂混合物に添加されるキレート化剤は、型成形プロセスにおける様々な状況に耐え得るものでなければならない(例えば、押出成形機内でのせん断力および押出し温度)。
キレート化剤がバレル3を形成する樹脂に十分な量で添加され、これにより、十分なキレート化剤がバレルの内壁23上で造影剤11にさらされ、造影剤中の自由金属イオンが確実に捕獲される。キレート化剤は、バレル3がその意図された目的を果たせなくなるまで強度を損なうものであってはならない。また好ましくは、バレルの透明性を損なうものであってはならない。
さらに、この分野で知られているバレルを形成する他のプロセスを用いてもよい。例えば、材料の加熱および冷却を行う焼結プロセス、または内層だけにキレート化剤を含ませ、外層に所望の機械的性質を持たせる共押出しプロセスである。
本発明のこの形態には、他のバージョンが考えられる。例えば、プランジャヘッド5および/またはノズル7を閉じるキャップ9を、キレート化剤を含む材料から作ることができる。
他の例として、無水物形態のDTPAまたはEDTA等のキレート化剤、またはトロメタミン等の緩衝剤を、容器の内側に既に存在する適当な官能基(例えば、アミン、第一アミド、カルボンサン、ヒドロキシル基またはフェノール基等の)に付けることができる(例えば、化学接着)。
そのような方法の例は、この分野においてよく知られている。最近の刊行物であるAnal. Chem. 2005, 77, 30-35 および Anal. Chem. 2005, 77, 1096-1105が代表的である。例えばガラス容器等、他の容器を作るための混合物にキレート化剤を添加してもよい。
注射器1(あるいは、バイアルまたはボトル等の他の容器)にキレート化剤を関連させることによって、造影剤11が注射器から取り出された後において、金属イオンおよびキレート化剤を注射器内にとどめることができる。このようにして、金属イオンおよびキレート化剤はいずれも患者の体内に注入されない。
本発明の第2の具体例では、品質維持添加剤を容器(一例として注射器1)の表面に、当該注射器を形成した後で適用することができる(それは造影剤11にさらされる)。
バレル3および/またはプランジャヘッド5にシリコーン等の潤滑剤を適用して、バレルから造影剤11を取り出す際に、プランジャヘッド5の壁23に沿ったスライド移動を容易にすることはよく知られている。
品質維持添加剤(例えば、キレート化剤または緩衝剤)は、例えば、シリコーンまたは他の潤滑剤中の官能基(例えば、アミン、第一アミド、カルボンサン、ヒドロキシル基、またはフェノール基)を介して、シリコーン分子または他の潤滑剤に化学的に付けることで、シリコーンまたは他の潤滑剤の一部となり得る。
図2は、バレル3の内壁23上に設けた、キレート化剤を含むシリコーン層25を示している。
シリコーンおよびキレート化剤を含む層25は、プランジャヘッド5またはバレル3へ付着していて、プランジャヘッドが壁に沿ってバレルのノズル端へと移動する際に、シリコーンおよびキレート化剤が造影剤11内に実質上剥がれ落ちることはない。
生じ得ることではあるが、一般的には、潤滑剤およびキレート化剤を含む組成物は、バレル3上に塗布された場合、バレル3の樹脂素材と化学的に接着しない。しかしながら、任意であるが、キレート化剤または緩衝剤等の品質維持添加剤を伴う潤滑剤は、化学的に、または他の方法で、注射器バレル等の容器および/またはプランジャの表面に接着させることができる。
2004年にGelest社が発行した"Silicon Compounds: Silanes & Silicones"と題されたGelest社カタログ3000-Aは、この方法およびこれに関連した他の方法を説明している。
表面コーティングの他の方法としては、Wiley-Interscienceから発行された"Organic Coatings: Science and Technology" 1999年第2版(Z. W. Wicks, Jr.、F. N. Junes、S. Peter Pappas)を参照されたい。
キレート化剤は、潤滑剤の一部として調合することなく適用可能であることが理解されよう。例えば、バレル3および/またはプランジャヘッド5の材料がその成分として潤滑剤を含む場合、プランジャヘッドおよびバレルにさらなる潤滑剤を適用する必要はない。
また、バレル3および/またはヘッド5に適用された潤滑剤でない材料に、キレート化剤を付けてもよい。その材料は、潤滑剤の通常の機能を阻害することはないが、キレート化剤がバレル3内の液体に作用することを許容するものである。
さらに、容器が注射器でなく、バレル3の内壁23に沿って移動するプランジャヘッド5が存在しないなら、潤滑剤は必要ではない。キレート化剤は、適切なあらゆる方法で調合され、容器の内壁に接着する。
また、物理的な粗面処理またはエッチングを施して、内壁23の表面積を増加させてもよい。これにより、キレート化剤等の所望の品質維持添加剤が接合された潤滑剤等の材料で、内壁をより簡単にコーティングできる。
キレート化剤を含むシリコーンまたは他の材料の層(図2)は、幾つかの方法で適用することができる。従来、シリコーンはスプレーにより適用することができ、キレート化剤が調合された場合にそのように適用することができた。
適当であると信じられる1つのタイプのシリコンエラストマーを使用して、オートクレーブで滅菌処理可能なシリコーン製チューブ部材であるSILICON(商標)が製造される。このシリコーン製チューブ部材は、ペンシルバニア州サザンプトンのNewAge Industries社から市販されている。
製造において、バレルを(プランジャヘッド5への挿入に先立って)逆さにし、大きな開口端8が下方を向き、ノズル7が上方に位置するようにしてもよい。スプレーヘッド(不図示)がバレル3の大きな開口端8に挿入されて、バレルの内壁23上にスプレーを行う。キャリアとして空気または窒素等の適当なガスを用いた高圧スプレー噴射を採用してもよい。
1つの代替例として、スパッタリングによって、シリコーンおよびキレート化剤の組成物を適用してもよい。スパッタリングは、膜(不図示)を振動させ、堆積すべき材料を蒔くようにして行う。材料を加熱して、バレル3上に跳ねるようにすることも可能である。
より一般には、例えば高圧アークによる熱を適用して材料を破壊し、これをバレル3上に再堆積させる。さらにまた、バレル3を液状材料に漬けてバレル上に層を堆積させることにより、シリコーンおよびキレート化剤を適用してもよい。
同様に、水またはアルコール(または、他の適当な乳化剤)中に懸濁させたキレート化剤(または、シリコーンおよびキレート化剤)のエマルジョン内にバレル3を倒して、バレル内にキレート化剤の層を堆積させてもよい。
この分野における当業者に知られた他の方法を使用して、シリコーンおよびキレート化剤をバレル3に適用してもよい。
別例として、キレート化剤を、弱カルシウムまたは他の金属イオン錯体として、ポリマーインクの形態で、容器表面にコーティングしてもよい。ポリマーインクの使用に関する説明としては、Proc. IntI. Soc. Mag. Reson. Med. 13 (2005年)の2142頁を参照されたい。
刊行物であるAnal. Chem. 2001, 73, 2429-2436 および Anal. Chem. 2003, 75, 3518-3530は、シリカ表面への安定的で誘導的なフィルムコーティングのための方法論の例を説明している。
キレート化剤は、また、コンフォーマルコーティング(蒸着)プロセスで適用することもできる。キレート化剤要素を含むダイマー形態(例えば、パリレン、ポリプロピレン)の適当な材料が、真空チャンバ内で蒸気相まで加熱される。注射器1のバレル3も真空チャンバ内に配置される。蒸気は、バレル3の露出した表面上を流れ、当該表面全体に極めて均一な層として堆積する。バレル3上に堆積した材料は、バレルの材料に付いて、堆積した材料とバレルとの間の強い接続が形成される。
キレート化剤(または、他の品質維持添加剤)をバレル3に関連させる他の技術を使用してもよい。例えば、ナノコーティング技術や生物学的活性コーティング技術(例えば、ヒアルロン酸の適当な誘導剤を用いるもの)等である。例えば、"The chemistry, biology and medical applications of Hyaluronan and its derivatives" ed. T. C. Laurent、 Wenner-Gren International Series 72巻(ロンドンのPortland Press出版社)を参照されたい。
図3を参照すると、キレート化剤を含む材料の層は、プランジャヘッド5にも適用できる。プランジャヘッドのフェースは、バレル3のプランジャヘッド5に係合しない。それにより、キレート化剤は、潤滑剤の一部である必要がなく、せん断力にさらされない。
キレート化剤は、上述した、バレル3の内壁23に材料の層を適用するのと同じ方法で適用できる。
さらに、バレル3に関連して既に説明したように、プランジャヘッド5の材料がキレート化剤を含むように調合してもよい。
第3の具体例により提供されるキレート化剤は、造影剤とは個別の要素として形成されて、造影剤と接触するように配置される。理想的には(それに限定されるものではないが)、これらの要素は、バレル3’内を移動するプランジャヘッド5’による摩耗にさらされることのない注射器1’内領域に配置される。
第3具体例において、対応する要素には、第1および第2の具体例の場合と同じ参照数字(ダッシュ記号付き)を付す。
図4に示したように、上記要素は、キレート化剤を含むリング状材料31である。代わりに、または図4に示したようにリング31に加えて、ノズル7’の出口端において造影剤(不図示)にさらされるように、キレート化剤を含む材料のプラグ33をキャップ9’内に設けてもよい。
上記構成材料は、多孔質のものであっても、または非多孔質のものであってもよい。多孔質材料を採用する場合の利点は、造影剤にさらされる表面積が増加することである。一例として、リング31およびプラグ33は、キレート化剤を含浸させた焼結ポリプロピレンまたはEPTFEで作られる。例えば、イオン交換樹脂またはQuadraPure(商標)樹脂である。
バレルの強度を高めるべくバレル底部に形成された内部環状リブ35とこれと同心状の外部環状リブ37との間において、リングがノズル上でバレルの下端にフィットすることとなるように、バレル3’およびリング31は形成されている。この位置においては、リング31は、プランジャヘッド(不図示)の移動に干渉せず、プランジャヘッドとかみ合って摩耗することはない。
図4に示した具体例に対する修正例であるプランジャヘッド5’を、図5および図6に示した。キレート化剤を含むリング41は、プランジャヘッド5’内に取り付けることができるように形成されている。図5に示したように、リング41は造影剤に面し、造影剤に対して開かれている。
この具体例では、リング41は、注射器バレルから造影剤を押し出すプランジャヘッド表面の一部を形成する。プランジャヘッド5’は、図4に示したリング31および/またはプラグ33と組み合わせて使用してもよいし、単独で使用してもよい。
本発明の範囲から逸脱することなく、キレート化要素を注射器内の他の位置(不図示)に配置してもよい。
さらに別バージョンである図7に示した第3の具体例では、注射器1”のバレル3”の下端に固定されたフィルタ45にキレート化剤が組み入れられている。バレル3”の下端位置は、造影剤がノズル7”内へと進入する位置である。
キレート化剤を組み入れたフィルタ(不図示)を、バレル3”から離れた位置に配置してもよい。そのようなフィルタは、ノズル7”の出口、または出口よりも下流であって、造影剤が患者に投与される以前の位置に配置されてもよい。その場合、フィルタは殺菌しておく。
フィルタ(不図示)を注射器から離れて配置する場合、それでもそのフィルタは注射器に関連していると云える。それは、フィルタが造影剤とともに患者体内に移動することはなく、注射器とともに患者の体外にとどまるからである。このフィルタを通過するようにバレル3”から出る造影剤が流れて、フィルタ45で説明したように金属が除去される。
注射器1が有するものと対応する部分は、同じ参照数字にダブルダッシュ(”)を付けて表示している。中実であるかのように図示しているが、フィルタ45は、造影剤の通過を許容する小孔を有している。
さらにまた、キレート化剤は、注射器バレルおよび/またはプランジャヘッドに積層されるフィルムとして形成されてもよい。積層フィルム層は、バレルの強度を高め、使用中に注射器にクラックが発生する可能性を減じると考えられる。
キレート化剤がバレルの内壁に対して積層される場合、プランジャヘッドがその上をスライド可能となるよう十分に滑らかであって、プランジャヘッドの移動に起因して剥がれ落ちないように十分な耐性を有する必要がある。
積層されたフィルム層は、図2に示した層25と類似したものである。
図8は、ボトル(全体を参照数字53で示している)の形態を為す容器を示している。この容器は、蓋55を含み、造影剤11’を収容している。ボトル53は、この分野で知られた従来の方法によって、ガラスまたはプラスチック等、適当な材料で作ることができる。
これは、図4の具体例に対するさらなる変形例であって、ボトル53のいかなる部分にも、キレート化剤要素は取り付けられておらず、また装着されてはいない。キレート化剤要素は、ディスク57の形態を為していて、造影剤11’内に浮かぶか、ボトルの底部に位置する。
さらに、ディスク57をボトルに固定してもよいことが考えられる(例えば、ボトル底部に)。また、キレート化剤要素は、ディスク形状でなくてもよい。例えば、キレート化剤成分は、小球体またはビーズ(beads)の形態であってもよい(球形または他の形状)。
例えば、この小球体を、品質維持添加剤を含んだ材料でコーティングすることができる。または、品質維持添加剤を、化学的に、またはこの分野で知られた従来のいずれかの方法により、付けることができる。
ビーズ(または、他の形態のキレート化剤要素)は、ニードルの開口を通して注射器内に導入されることのないよう十分に大きいものであるならば、容器の開口より大きいものである必要はない。さらに、ビーズは、浮かぶものであっても、容器の底に位置するものであってもよい。
ディスク57は、装飾的に形成されてもよく、また、製造者または製品のタイプを特定する情報59が印されたものであってもよい。ボトル53は、ディスク57よりも小さな内径のネック61を有する形態に形成されているので、造影剤11’を注ぎ出すとき、ディスクはボトル内にとどまる。
ボトル53および/またはディスク57の形態は、本発明の範囲を逸脱しない限り、上記のもの以外であってもよい。例えば、容器(不図示)の内径は、底部から上部に向かって徐々に先細になっていてもよい。
他の例として、多孔質容器(例えば、メッシュバッグ)に収容されたビーズ(beads)として、キレート化剤を形成してもよい。多孔質容器は、ビーズが造影剤に対して液体接触することを許容するものである。
図9は、全体を参照数字63で示したバイアル(薬瓶)の形態を為す、本発明の1つのバージョンを示している。このバージョンは、キレート化剤要素が造影剤11’に浮かぶ、またはボトルの底部に位置するディスク65である、という点で図8の例と類似している。バイアル63は、ガラスまたはプラスチック等、適当な材料で作ることができる。
キレート化剤は、バイアル63の材料中に組み入れられてもよい。バイアルは、キャップ片69でカバーされていて孔を開けることが可能なシール67を含んでいる。
本発明の要素またはその好ましい実施形態(単数または複数)を導入する場合、冠詞の「ひとつの(a)」、「ひとつの(an)」、「その(the)」、および「前記(said)」は、1つ以上の要素が存在することを意味することが意図される。用語の「備える」、「含む」、および「有する」は、記載された要素以外の付加的な要素が存在し得ることを含み、そして意味することが意図される。特定の配向(例えば、「上面」、「下面」、および「側面」等)を示す用語の使用は、記述の簡便のためであって、記述された項目の特定の配向をなんら必要とするものではない。
上述したものに対して、本発明の範囲を逸脱することなく、多様な変更が可能である。上述の説明および添付の図面に含まれる全ての事項は、単に説明を意図したものであって、本発明がそれに限定されるものではない。

Claims (1)

  1. 明細書または図面に記載の発明。
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