JP2011062209A - 非炭水化物起泡組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、褐変に対して優れた耐性をもたらしかつ追加の利点を提供することができる非炭水化物の起泡組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、閉じ込められた加圧気体が入っている複数の内部空隙を有するタンパク質粒子を含む、粉末状無炭水化物可溶性組成物を含んだ起泡組成物である。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、閉じ込められた加圧気体が入っている複数の内部空隙を有するタンパク質粒子を含む、粉末状無炭水化物可溶性組成物を含んだ起泡組成物である。
【選択図】なし
Description
本発明は、可溶性起泡組成物に関し、詳細には、加圧気体を含有する無炭水化物起泡タンパク質組成物に関する。
いくつかの従来から製造されている食料品は、泡沫または泡を含んでいる。例えば、カプチーノ、ミルクシェーキ、および一部のスープは、泡沫または泡を有することができる。従来製造されてきた食料品は、一部の消費者には好ましいと見なされるが、その他の消費者は、消費者が準備するインスタント食品の代替品の便利さに対する要求を、徐々に高めつつある。消費者の好みに合わせるために、製造業者は、従来製造されてきた食料品と同じかまたは類似する特徴を有するインスタント食料品を開発することによって、便利なインスタント食品から、消費者が求める食品を消費者にもたらすインスタント食品を開発している。製造に関する1つの課題は、泡沫または泡を有する食品を、インスタント食料品からどのように製造するかということである。
泡沫または泡を有するインスタント食品の製造に使用される、1つの以前の解決策は、液体を加えて元に戻したときに泡を生成する粉末起泡組成物を使用することによる。起泡粉末組成物は、広く様々な食品および飲料に、泡沫または泡の風合いを与えるために使用されている。例えば起泡組成物は、水、ミルク、またはその他の適切な液体と組み合わせたときに、インスタントカプチーノおよびその他のコーヒーミックス、インスタント清涼飲料ミックス、インスタントスープミックス、インスタントミルクシェーキミックス、インスタントデザートトッピング、インスタントソース、ホットまたはコールドシリアルなどに泡沫または泡の風合いを与えるのに使用されている。
泡沫または泡を与えるのに使用することができる、気体注入タイプの起泡クリーマのいくつかの例が、特許文献1および2に開示されている。ごく最近では、特許文献3が、気体化した炭水化物とタンパク質および脂質と組み合わせることによって生成された起泡クリーマを開示している。この技術を使用することによって、噴霧乾燥前に液体クリーマ組成物の気体注入を除くことが可能になった。
特許文献4は、気体注入タイプの起泡クリーマであるかまたは化学炭酸化成分を含有するクリーマであって、20重量%を超えるタンパク質を含有するものである起泡クリーマ組成物を開示している。記載されている粉末は、必須成分としてタンパク質、脂質、および充填剤材料を有し、この充填剤は、特に、水溶性炭水化物である。スプーンで掬うことが可能な、ホイップクリーム状の緻密な泡を得るには、多量のタンパク質が必要である。
ある従来の起泡組成物が、特許文献5に示されているが、これは、炭水化物、タンパク質、および閉じ込められた加圧気体を含有する母材からなる粉末可溶性起泡成分を開示している。しかし、炭水化物とタンパク質の両方を含有する粉末成分は、包装された食品の外観、風味、および賞味期限に悪影響を及ぼす可能性のある非酸化褐変反応を受けやすい。これらの化学複合反応は、タンパク質と炭水化物、特に還元糖との間で生じて、食品を酷く変色させその風味の質を低下させる可能性のあるポリマー顔料を形成する。閉じ込められた加圧気体を含有する非常に効果的な起泡組成物は、炭水化物およびタンパク質成分の両方を使用する必要なく製造できることが発見されている。褐変は、食品加工で一般に使用される高温で非常に素早く生ずる可能性があり、その褐変しやすい性質が、前述の従来技術で開示されたタイプの起泡組成物を生成するのに使用される加熱条件の範囲を限定する可能性がある。
可能性ある解決策は、特許文献6に記載されるように、実質的にタンパク質だけの組成物の使用とも考えられる。しかし、タンパク質そのものの使用も、いくつかの問題を提起する。より重要なことは、公開された特許出願に開示される実施例には、必ず炭水化物が入っていることである。
特許文献7は、タンパク質、脂質、および担体を含む粒状クリーマであって、タンパク質の50重量%超が部分変性乳清タンパク質であり、この部分変性乳清タンパク質は40から90%が変性している粒状クリーマについて記述している。クリーマの総タンパク質含量は、3から30重量%の間であり、好ましくは10から15重量%の間である。このクリーマは、起泡クリーマ組成物に特に適している。起泡クリーマ組成物は、淹れたての熱いコーヒー飲料に添加したときに、大量のクリーム状半固体の泡を生成する。
特許文献8は、水を加えて元に戻したときに、見かけがマーブル状の泡を表面に有するカプチーノ飲料を生成するインスタント粒状ドライミックス組成物について記述している。ドライミックス組成物は、素早く溶解する外部表層と、ゆっくり溶解するより大きい内部コア層とを有する顆粒を生成するために、コーヒー抽出物を脱気し、その後凍結乾燥することによって製造される。この生成物は、少なくとも0.3g/ccの密度を有する。
特許文献9は、炭水化物ベースの医薬品または食品の、錠剤または粉末を形成するための方法であって、可溶性コーヒー、起泡粉末、砂糖、およびクリーマなどの飲料ベースを含む錠剤または粉末を、水との接触時に溶解度または分散性が増すような錠剤または粉末を製造する圧力および温度にかけるステップを含む方法を開示している。さらに、水と接触したときに錠剤または粉末の溶解または分散を促進させるため、気体が内部に取り込まれるように、錠剤または粉末を加圧気体に曝すことによって、錠剤または非起泡粉末の溶解または分散を促進させる方法が開示されている。この文献に示される、可溶性組成物のすべての実施例が、炭水化物を含有する粉末または錠剤組成物であることは、注目に値する。閉じ込められた気体を含有する錠剤の溶解が改善されたことが、この文献の実施例で実証されている。しかし、閉じ込められた気体を含有する、起泡または非起泡性の粉末の改善された溶解または分散性は、この文献中のどの実施例にも明示されていない。より重要なことは、この参考文献が、加圧気体を含有する可溶性組成物も、加圧気体を含有する可溶性組成物の製造方法も開示していないことである。
従来の起泡添加剤、ならびに多くの従来技術の製品の欠点は、タンパク質と炭水化物の両方が存在することである。より重要なことは、特許文献6のように、実質的にタンパク質だけの組成物の形成を対象とした技術でさえ、炭水化物のない実施例を開示できていないことである。事実、関連する従来技術には、炭水化物を含まない起泡タンパク質組成物の実施例または任意の具体例を開示しているものはない。この特許文献6の起泡組成物であって、そこに開示されたすべての実施例の基礎をなす組成物は、5重量%レベルの炭水化物グリセロールを含有する。実際に、どの関連ある従来技術も、タンパク質のない起泡炭水化物組成物の実施例または具体化したものを開示していない。
タンパク質は、特に加熱したときに、炭水化物と反応することができる。ほとんどの場合、これらの(メイラード)反応は、望ましくない着色および/または異風味の形成をもたらす。このタイプの反応は、一般に、加工中または製造中、製品をしばらくの間より高い温度に保つとき、およびしばしば長時間にわたってより高い温度で保つ場合に生ずる。上記にて論じた文書に記載される生成物のほとんどの調製プロセス、特に特許文献7に記載される調製プロセスでは、高温での長時間を使用して、粉末を気体にする。
さらに、従来の起泡コーヒー添加剤は炭水化物成分およびタンパク質成分の両方を含んでいるので、これら2つの成分の一方を避けたいと望んでいる食事制限中の人々は、従来の添加剤のいずれかを含む飲料を消費することができない。
起泡コーヒー添加剤が利用可能であるが、溶いて元に戻したときに、真のカプチーノ飲料に通じている人が望んでいる起泡特性を示す、粉末状無炭水化物可溶性起泡組成物が依然として求められている。例えば、これまで得られてきた起泡添加剤を含むカプチーノ飲料には十分な泡がなく、泡が非常に速く消失し、またはその両方の組合せになる。さらに、関連する従来技術には、炭水化物を含まない起泡タンパク質組成物の実施例または任意の具体例を開示しているものは何もない。
本発明は、褐変に対して優れた耐性をもたらしかつ追加の利点を提供することができる、非炭水化物の、すなわち無炭水化物の起泡組成物に関する。例えば、無炭水化物起泡組成物は、低炭水化物ダイエットを支持できる。さらに、改善された起泡組成物は、泡沫または起泡した風合いを提供するために、広く様々な高温および低温飲料ミックスおよびその他のインスタント食品で使用することができる。
本発明は、その1つの形において、閉じ込められた加圧気体が入っている複数の内部空隙を有するタンパク質粒子を含む、粉末状無炭水化物可溶性組成物を含んだ起泡組成物に関する。別の代替の形態では、可溶性組成物が、液体に溶解したときに組成物1g当たり気体を少なくとも約2ccまたは少なくとも約5cc放出し、可溶性組成物は、乳タンパク質、大豆タンパク質、卵タンパク質、ゼラチン、コラーゲン、乳清タンパク質、およびこれらの混合物を含む群から選択される。さらに別の形態では、組成物は、有機酸または無機酸の塩などの緩衝剤を含むことができる。
本発明は、その別の形において、タンパク質を含みかつ閉じ込められた加圧気体が入っている複数の内部空隙を有する、無炭水化物可溶性起泡粒子を含んだ起泡組成物に関する。起泡組成物は、少なくともガラス転移温度(Tg)である温度に粒子を加熱する前または加熱している間、この粒子を大気圧よりも高い外部気体圧力にかけ、次いで内部空隙内で加圧気体を捕捉するのに有効な手法で、外部気体圧力を解除する前または解除している間に、この粒子をTgよりも低い温度に冷却することによって形成される。
本発明は、その別の形において、閉じ込められた加圧気体が入っている複数の内部空隙を有するタンパク質粒子を含む、無炭水化物可溶性起泡組成物を含んだ可溶性の消費食品に関する。様々なその他の形では、可溶性食品は、コーヒー、ココア、または紅茶などの飲料ミックス、例えばインスタントコーヒー、ココア、または紅茶などを含むことができ、あるいは可溶性消費製品は、インスタントデザート製品、インスタントチーズ製品、インスタントシリアル製品、インスタントスープ製品、およびインスタントトッピング製品などのインスタント食品を含むことができる。
本発明は、そのさらに別の形において、起泡組成物を製造するための方法に関し、この方法は、内部空隙を有するタンパク質を含んだ無炭水化物可溶性起泡粒子を加熱するステップを含む。大気圧を超える外部圧力を、無炭水化物可溶性起泡粒子に加える。無炭水化物可溶性起泡粒子を冷却し、外部気体圧力を解除し、それによって加圧気体が内部空隙に残ったままになる。さらに別の形では、粒子を加熱する前に外部圧力を加え、または粒子を加熱している間に外部圧力を加える。
無炭水化物粉末を配合するのに使用することができる成分には、タンパク質、脂質、およびその他の無炭水化物物質が含まれる。タンパク質が好ましく、乳タンパク質、大豆タンパク質、卵タンパク質、ゼラチン、コラーゲン、小麦タンパク質、および加水分解タンパク質が含まれるが、これらに限定するものではない。適切な加水分解タンパク質には、加水分解ゼラチン、加水分解コラーゲン、加水分解カゼイン、加水分解乳清タンパク質、加水分解乳タンパク質、加水分解大豆タンパク質、加水分解卵タンパク質、加水分解小麦タンパク質、およびアミノ酸が含まれる。タンパク質またはタンパク質の混合物は、起泡組成物構造が、加圧下で封入された気体を保持するのに十分強力であるように選択される。
加水分解ゼラチンは、その優れた化学的性質および物理的性質により好ましい。これは、優れた気体閉じ込め特性、起泡性、および風味を提供するだけではなく、炭水化物を完全に含まず、さらに、上記列挙したその他のタンパク質源とは異なって、非アレルゲン性である。加水分解ゼラチンの代替例として、ゼラチンを使用することができる。したがって、加水分解ゼラチンまたはゼラチンの使用は、閉じ込められた加圧気体を含有する起泡組成物を製造するのに有利である可能性がある。
無タンパク質であり無炭水化物でもある食品成分は、タンパク質と組み合わせて使用することができ、この成分には、有機および無機塩、界面活性剤、乳化剤、フィトケミカル、栄養添加剤、流動剤、人工甘味料、保存剤、着色剤、およびいくつかの香料が含まれるが、これらに限定するものではない。脂質には、脂肪、油、硬化油、エステル交換油、リン脂質、および脂肪酸であって、野菜、乳製品、または動物源から得られたもの、およびこれらの一部または混合物が含まれるが、これらに限定するものではない。脂質は、蝋、ステロール、スタノール、テルペン、およびこれらの一部または混合物から選択してもよい。可能な乳化剤の例には、Tween 20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート)、SSL(ステアロイル−2−乳酸ナトリウム)、またはスクロースエステルからなる群から選択された乳化剤が含まれる。
本発明の粉末状可溶性無炭水化物起泡成分は、加圧気体を閉じ込めることが可能な複数の内部空隙を有する粒状構造を得るのに効果的な、任意の方法によって生成することができる。水溶液の、従来の気体注入式噴霧乾燥は、これらの粉末状可溶性起泡組成物を製造するのに好ましい方法であるが、粉末溶融体の気体注入式押出しも適切な方法である。気体注入のない噴霧乾燥は、典型的には比較的小さい内部空隙体積を有する粒子を生成するが、このそれほど好ましくない方法も、適切な内部空隙体積を有する無炭水化物起泡組成物の製造に使用することができる。窒素気体が好ましいが、空気、二酸化炭素、亜酸化窒素、またはこれらの混合物も含めた任意のその他の食品級気体を、気体注入に使用することができる。
「閉じ込められた加圧気体」という用語は、大気圧よりも高い圧力を有する気体が起泡組成物構造内に存在し、粉末構造を開放することなくこの構造から離れることができない気体を意味する。起泡組成物構造内に存在する加圧気体の大部分は、粉末構造の内部空隙内に物理的に含まれることが好ましい。本発明により適切に使用することができる気体は、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、空気、またはこれらの混合物から選択することができる。窒素が好ましいが、任意のその他の食品級気体を使用して、粉末構造内に加圧気体を閉じ込めることができる。
「構造」、「粒状構造」、「粒子構造」、または「粉末構造」という用語は、大気に対して閉じている多数の密封内部空隙を含む構造を意味する。これらの空隙は、泡が形成されるように液体中で構造が溶解した後で気泡として放出される、大量の閉じ込められた加圧気体を保持することが可能である。
「粉末状可溶性起泡組成物」、「粉末状起泡組成物」、または「起泡組成物」という用語は、液体、特に水溶液で溶解しまたは分解し、またそのような液体と接触したときに泡または泡沫を形成する任意の粉末を意味する。
「無炭水化物」または「非炭水化物」という用語は、起泡組成物の配合物中で、最大限実用的な範囲まで、任意の相当な量の炭水化物を含有する物質を意図的にかつ故意に避けることを示唆することを意味する。したがって、本発明の無炭水化物起泡組成物は、炭水化物を事実上含まずまたは炭水化物がなく、実質的に1%未満、典型的には約0.5%未満の炭水化物を含有する。本発明の好ましい無炭水化物組成物には、炭水化物がない。本明細書の実施例に開示される加水分解ゼラチン起泡組成物には、炭水化物がない。
重量パーセンテージは、他に特に指示しない限り、最終の粉末状起泡組成物の重量に基づいている。
「乳化剤」という用語は、本発明の粉末の最終使用に適合し、乳化特性を有し、かつタンパク質ではない、油または気体乳化特性を有する任意の界面活性化合物を意味する。
無炭水化物タンパク質起泡組成物に関して使用される「本質的に100%のタンパク質」という用語は、組成物が、乾燥ベースで1%未満の量の非タンパク質成分と共に、本質的にすべてタンパク質であることを意味する。起泡組成物は、水分を0〜15%、典型的には1から10%、より典型的には2〜5%、および水分活性を0〜0.5、典型的には0.05〜0.4、より典型的には0.1〜0.3有することができる。
本発明による起泡組成物の利点とは、インスタントカプチーノミックスまたはその他の製品を配合するのに使用する場合、適切な液体と接触することにより、望ましい色、食感、密度、風合い、および安定性をもたらす量の泡が形成されることである。この組成物は炭水化物を含有しないので、メイラード反応、および/またはタンパク質とその他の代替物との間の反応など、タンパク質/炭水化物混合物に関連した有害な副作用が発生せず、または少なくとも低減する。
噴霧乾燥または押出し中の気泡形成および内部空隙の生成を改善するために、1種または複数の界面活性剤を使用して本発明の起泡成分組成物を配合することは、任意である。適切なレベルでの適切な界面活性剤の使用は、気体を閉じ込めるのに利用可能な内部空隙の相対的なサイズ、数、および体積に影響を及ぼすのに使用することができる。ほとんどの食物タンパク質はもともと界面活性であるので、タンパク質を含有する適切な無炭水化物組成物は、界面活性剤を必要とせずに、適切な内部空隙体積で製造することができる。界面活性剤には、ポリソルベート、スクロースエステル、乳酸ステアロイル、モノ/ジグリセリド、モノ/ジグリセリドの酒石酸ジアセチルエステル、およびリン脂質などの、食品として認可された乳化剤が含まれる。
1種または複数の緩衝剤を使用する、本発明のタンパク質ベースの無炭水化物気泡組成物のフォーミュレーション(formulaton)は、噴霧乾燥および液体を加えて元に戻すことを容易にするのに使用することができる。本発明で使用される好ましい緩衝剤は、有機酸または無機酸の塩である。緩衝剤は、酸性飲料などのある特定の製品的用例において、凝集または変性に対する抵抗性を改善するために、気泡組成物中のタンパク質の緩衝能力を増大させる。最も好ましい緩衝剤は、有機酸のナトリウム塩およびカリウム塩である。適切な緩衝剤には、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、およびリン酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩が含まれるが、これらに限定するものではない。
本発明の起泡組成物が製造されるよう加圧気体を閉じ込めるのに使用される粉末は、外部気体圧力に曝される前に、かさ密度およびタップ密度が0.1〜0.7g/ccの範囲内、典型的には0.2〜0.6g/ccであり、骨格密度が0.3〜1.6g/ccの範囲内、典型的には0.4〜1.5g/ccであり、真密度が1.2〜1.6g/ccであり、内部空隙体積は5〜80%の範囲内、典型的には10〜75%である。比較的大きい内部空隙体積を有する粉末は、気体を閉じ込める容量が大きいので、一般に好ましい。内部空隙体積は、適切な場合には少なくとも約10%であり、好ましくは少なくとも約30%であり、より好ましくは少なくとも約50%である。粉末は、30〜150℃、典型的には40〜125℃、より典型的には50〜100℃の間のガラス転移温度を有する。粉末は、0〜15%、典型的には1〜10%、より典型的には2〜5%の間の含水量と、0〜0.5、典型的には0.05〜0.4、より典型的には0.1〜0.3の水分活性を有する。
かさ密度(g/cc)は、漏斗を通してメスシリンダに注いだときに、材料の所与の重量が占める体積(cc)を測定することによって決定する。タップ密度(g/cc)は、粉末をメスシリンダに注ぎ、粉末がその最も低い体積に沈降するまでこのシリンダを振動させ、その体積を記録し、粉末を計量し、その重量を体積で割ることによって決定する。骨格密度(g/cc)は、ヘリウムピクノメータ(Micromeritics AccuPyc 1330)を使用して計量分の粉末の体積を測定し、重量を体積で割ることによって決定する。骨格密度は、大気に対して密封された粒子中に存在する任意の空隙の体積を含み、かつ粒子間の間隙容量および大気に開放されている粒子中に存在する任意の空隙の体積を除外する、密度の尺度である。本明細書では内部空隙と呼ばれる密封された空隙の体積は、すべての内部空隙が除去されまたは大気に開放されるように、乳鉢および乳棒ですり潰した後に、粉末の骨格密度を測定することからも得られる。本明細書では真密度(g/cc)と呼ばれるこのタイプの骨格密度は、粉末を含む固体物質のみの実際の密度である。内部空隙体積(%)、すなわち粉末を含む粒子に含有された密封された内部空隙の体積%は、相互真密度(cc/g)を相互骨格密度(dcc/g)から差し引き、次いでその差に骨格密度(g/cc)および100%を掛けることによって決定する。
ガラス転移温度は、堅固なガラス状態から軟化したゴム状態への粉末組成物の変態を特徴とした、2次相変化を示す。一般に、気体の溶解度および拡散速度は、ガラス転移温度のまたはガラス転移温度よりも高い材料で大きい。ガラス転移温度は、化学組成および水分レベルに依存し、一般に、より低い平均分子量および/またはより高い水分であると、ガラス転移温度を低下させることになる。ガラス転移温度は、当業者に知られている任意の適切な方法を使用して粉末の含水量をそれぞれ低下させまたは上昇させるだけで、意図的に上昇させまたは低下させることができる。ガラス転移温度は、確立された示差走査熱量測定または熱機械分析技法を使用して測定することができる。
閉じ込められた加圧気体を含有する本発明の新規な起泡組成物は、任意の適切な圧力容器内で加圧下で、適切な粒子構造を有する無炭水化物粉末を加熱し、この粉末を、急速な圧力の解除によって冷却しまたは減圧前に容器を冷却することによって、製造することができる。好ましい方法は、粉末を圧力容器内に密封し、圧縮気体で加圧し、次いで圧力容器を、予熱炉または浴内に置きあるいは電流または高温流体を内部コイルまたは外部ジャケットに循環させることにより加熱して、粉末の温度を、粒子内の内部空隙が加圧気体で満たされるように効果的な時間にわたってガラス転移温度よりも高く上昇させ、次いで粉末が入っている未だ加圧されている容器を、浴内に置くことによってまたは低温流体を循環させることによってほぼ室温に冷却し、次いで圧力を解除し、容器を開けて起泡組成物を回収することである。起泡組成物は、任意の適切な手段を使用して、バッチごとにまたは連続的に生成することができる。大気圧の気体を含有する本発明の新規な起泡組成物は、加熱を粉末のガラス転移温度よりも低い温度で実施すること以外、同じ手法で生成することができる。
一般に、粉末は、20〜200℃、好ましくは40〜175℃、より好ましくは60〜150℃の範囲内の温度で、1〜300分間、好ましくは5〜200分間、より好ましくは10〜150分間加熱する。圧力容器内の圧力は、20〜3000psi(約140〜21000KPa)、好ましくは100〜2000psi(約690〜13800KPa)、より好ましくは300〜1500psi(約2100〜10300KPa)の範囲内である。窒素気体の使用が好ましいが、空気、二酸化炭素、亜酸化窒素、またはこれらの混合物を含めた任意のその他の食品級の気体を使用して、容器を加圧することができる。粉末の気体含量および起泡能力は、一般に、加工圧力と共に増大する。加熱によって、圧力容器に送出される初期圧力を、著しく増大させることができる。加熱中に圧力容器内で到達する最大圧力は、初期圧力に、ケルビン温度単位を使用した加熱温度と初期温度との比を掛けることにより、近似することができる。例えば、容器を25℃(298K)で1000psi(約6900KPa)に加圧し、次いで120℃(393K)に加熱することにより、圧力容器内の圧力を約1300psi(約8950KPa)に上昇させるべきである。
TgまたはTgよりも高い温度では、粒子の気体含量および起泡能力は、最大に達するまで加工時間と共に増大する。気体化の速度は、一般に圧力および温度と共に増大し、比較的高い圧力および/または高い温度を使用して、加工時間を短縮することができる。しかし、効果的な加工に求められるよりもはるかに高い温度まで上昇させると、粉末は崩壊しやすくなる可能性がある。粉末の粒度分布は、気体化がより好ましい条件下で実施される場合、典型的には意味があるように変化しない。しかし、過度に高い温度および/または長い加工時間など、それほど好ましくない条件下で気体化が実施される場合、著しい粒子の凝集または固化が生じる可能性がある。加熱中、軟化した気体透過性固体物質に溶解した気体は、圧力平衡に達するまでまたは粉末がTgよりも低く冷却されるまで、内部空隙に拡散すると考えられる。したがって冷却された粒子は、内部空隙に閉じ込められた加圧気体および固体物質に溶解した気体の両方を保持するはずであることが予想される。
粉末を、Tgまたはそれよりも高い温度で加圧する場合、粒子の一部は、脆弱すぎて加圧気体を保持することができない粒子構造の局在領域が破裂するために、減圧後の少しの間、大きな破裂音をたてて破裂することが一般的である。これとは対照的に、粉末をTgよりも低い温度で加圧しかつ減圧した場合、粒子が破裂することはそれほど一般的ではなく、どの破裂も小さい音および力で生ずる。しかしこれらの粒子が、減圧後の少しの間、微かなポンという弾けた音をたてることは一般的である。粉末の外見およびかさ密度は、典型的にはTgよりも低い温度で加圧することによって著しく変化しないが、骨格密度および内部空隙体積は、典型的には著しく変化する。
起泡組成物は、水分の浸入から十分に保護しながらTgよりも低い温度で保存したときに、良好な安定性で加圧気体を保持する。室温で閉じた容器内に保存した起泡組成物は、一般に、何カ月も後に十分機能する。Tgよりも低い温度で加圧した粉末は、長時間にわたって加圧気体を保持しない。しかし驚くべきことに、Tgよりも低い温度で加圧した噴霧乾燥した粉末は、典型的には加圧気体が失われた後であっても、加圧していない粉末よりもかなり多くの泡を生成することを発見した。この有益な起泡能力の増加は、乾燥中の粒子から水が蒸発することによって形成された予め空の内部空隙に、大気圧の気体が浸透することによって引き起こされると考えられる。噴霧乾燥した起泡組成物の起泡能力を増大させるための、この新規な方法は、室温で実施して優れた結果をもたらすことができることがわかった。
本発明の実施形態により製造された起泡組成物は、かさ密度およびタップ密度が0.1〜0.7g/ccの範囲内、典型的には0.2〜0.6g/ccの範囲内であり、骨格密度は0.3〜1.6g/ccの範囲内、典型的には0.5〜1.5g/ccの範囲内、より典型的には0.7〜1.4g/ccの範囲内であり、真密度は1.2〜1.6g/ccの範囲内であり、内部空隙体積は2〜80%の範囲内、典型的には10〜70%の範囲内、より典型的には20〜60%の範囲内であり、加圧気体は、20〜3000psi(約140〜20600KPa)の範囲内、典型的には100〜2000psi(約690〜13800KPa)の範囲内、より典型的には300〜1500psi(約2100〜10300KPa)の範囲内で含有される。評価の基準として、大気圧は、海面で約15psi(約103KPa)である。任意の温度での圧力処理によって、典型的には骨格密度が増大し、内部空隙体積が減少することになる。かさ密度は、典型的にはTgよりも低い温度での圧力処理で著しく変化せず、典型的にはTgよりも高い温度で圧力処理することによって増大する。かさ密度、骨格密度、および内部空隙体積の変化は、粉末組成と、処理時間、温度、および圧力を含めた加工条件によってまとめて決定される。閉じ込められた加圧気体を含有する粉末状起泡組成物は、一般に、約1から5000ミクロンの間、典型的には約5から2000ミクロンの間、より典型的には約10から1000ミクロンの間の粒径を有する。
これら新規の起泡組成物の好ましい使用は、可溶性飲料ミックス、特にインスタントコーヒーおよびカプチーノミックスにおけるものである。しかしこれらは、液体を加えて元に戻す任意のインスタント食品に使用することができる。これら起泡組成物は、典型的には低温の液体に十分溶解して泡を生成するが、溶解および起泡能力は、一般に高温の液体を加えて元に戻すことにより改善される。適用例には、インスタント飲料、デザート、チーズパウダー、シリアル、スープ、トッピングパウダー、およびその他の製品が含まれる。
本発明をよりよく理解するために、以下の実施例を含めるが、これらは本発明の範囲または広さを決して限定するものではない。
(実施例1)
気体注入せずに水溶液を噴霧乾燥することにより生成された、商用の無炭水化物(炭水化物0.0%)加水分解ゼラチン粉末を得た。99.2%乾燥ベースのタンパク質粉末は薄黄色であり、そのかさ密度は0.45g/cc、タップ密度は0.54g/cc、骨格密度は1.15g/cc、内部空隙体積は18%、真密度は1.41g/cc、Tgは70℃、水分は約6%であった。この粉末をインスタントカプチーノミックスに添加したが、このとき、粉末約1部と可溶性コーヒー1部と砂糖2部と起泡クリーマ3部という重量比を使用した。直径65mmの250mlビーカー内で、88℃を130ml使用してカプチーノミックス約13gを元に戻すことにより、高さ約14mmまで飲料の表面を完全に覆う量の泡が生成された。
気体注入せずに水溶液を噴霧乾燥することにより生成された、商用の無炭水化物(炭水化物0.0%)加水分解ゼラチン粉末を得た。99.2%乾燥ベースのタンパク質粉末は薄黄色であり、そのかさ密度は0.45g/cc、タップ密度は0.54g/cc、骨格密度は1.15g/cc、内部空隙体積は18%、真密度は1.41g/cc、Tgは70℃、水分は約6%であった。この粉末をインスタントカプチーノミックスに添加したが、このとき、粉末約1部と可溶性コーヒー1部と砂糖2部と起泡クリーマ3部という重量比を使用した。直径65mmの250mlビーカー内で、88℃を130ml使用してカプチーノミックス約13gを元に戻すことにより、高さ約14mmまで飲料の表面を完全に覆う量の泡が生成された。
無炭水化物粉末6gを、ステンレス鋼圧力容器(75cc容量の気体サンプリングシリンダ;Whitey Corporation製;本明細書のすべての実施例で使用される)内で、1000psi(約6900KPa)で5分間、窒素気体により25℃で加圧し、次いで減圧した。未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末をカプチーノミックスに使用した場合、この処理によって、粉末の起泡能力が約150%増大したことが明らかになった。処理済みおよび未処理の粉末によってもたらされる、溶いて元に戻した飲料ミックスの泡沫密度および漸増泡沫体積の知識を使用して、各粉末により放出される気体の量(室温および圧力に対して補正した)を推定した。未処理の粉末は、粉末1g当たり気体約2ccを放出するのに対し、処理済みの粉末は、粉末1g当たり気体約5.5ccを放出すると推定された。粉末は、減圧後の少しの間、微かなポンという弾けた音をたてた。処理済みの粉末のかさ密度は変化せず、骨格密度は1.24g/ccまで増大し、内部空隙体積は12%に減少したが、これは、加圧および/または減圧の力によって、粒子の脱水中に形成された予め空の内部空隙の一部が大気に開放され、それによって起泡能力が増大したことを示している。この仮説は、1週間後であっても処理済みの粉末が増大した起泡能力を保持することによって、裏付けられる。
無炭水化物粉末の、別の6gのサンプルを、窒素気体で1000psi(約6900KPa)に加圧し、120℃の炉内で15分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後に減圧した。処理によって、粉末中に加圧気体が捕捉され、多くの粒子は、減圧後の少しの間、破裂した。処理済みの粉末は淡黄色であり、タップ密度が0.54g/cc、骨格密度が1.28g/cc、および内部空隙体積が9%であった。未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末をカプチーノミックスで使用することにより、この処理で粉末の起泡能力が2倍超に増大し、放出される気体の量が、粉末1g当たり気体約2ccから粉末1g当たり気体約5.5ccに増加することが明らかになった。
無炭水化物粉末の、別の6gのサンプルを、窒素気体で1000psi(約6900KPa)に加圧し、120℃の炉内で30分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後に減圧した。処理によって、粉末中に加圧気体が捕捉され、多くの粒子が、減圧後の少しの間、破裂した。処理済みの粉末は淡黄色であり、タップ密度が0.54g/cc、骨格密度が1.33g/cc、および内部空隙体積が6%であった。未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末をカプチーノミックスで使用することにより、この処理で粉末の起泡能力が4倍超に増大し、放出される気体の量が、粉末1g当たり気体約2ccから粉末1g当たり気体約9ccに増加することが明らかになった。
無炭水化物粉末の、別の6gのサンプルを、窒素気体で1000psi(約6900KPa)に加圧し、120℃の炉内で60分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後に減圧した。処理によって、粉末中に加圧気体が捕捉され、比較的大きい割合の粒子が、減圧後の少しの間、破裂した。処理済みの粉末は淡黄色であり、タップ密度が0.52g/cc、骨格密度が1.28g/cc、および内部空隙体積が9%であった。未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末をカプチーノミックスで使用することにより、この処理で粉末の起泡能力が6倍に増大し、放出される気体の量が、粉末1g当たり気体約2ccから粉末1g当たり気体約12.5ccに増加することが明らかになった。すべてのカプチーノ飲料は、優れた風味を有していた。
(実施例2)
気体注入せずに水溶液を噴霧乾燥することにより生成された、商用の無炭水化物(残留ラクトース約0.1%)加水分解カゼインナトリウム粉末を得た。94.5%乾燥ベースのタンパク質粉末は薄黄色であり、清浄な乳状の香りおよび風味を有し、そのかさ密度は0.27g/cc、タップ密度は0.45g/cc、骨格密度は1.28g/cc、内部空隙体積は7%、真密度は1.37g/cc、Tgは69℃、水分は約4%であった。この粉末を、粉末約3部と可溶性コーヒー1部と砂糖2部という重量比を使用してインスタント加糖コーヒーミックスで使用することにより、内径65mmの250mlビーカー内で、88℃の水130mlを使用してミックス約11gを溶いて元に戻したときに、高さ約5mmまで飲料の表面を完全に覆う量の泡が生成された。
気体注入せずに水溶液を噴霧乾燥することにより生成された、商用の無炭水化物(残留ラクトース約0.1%)加水分解カゼインナトリウム粉末を得た。94.5%乾燥ベースのタンパク質粉末は薄黄色であり、清浄な乳状の香りおよび風味を有し、そのかさ密度は0.27g/cc、タップ密度は0.45g/cc、骨格密度は1.28g/cc、内部空隙体積は7%、真密度は1.37g/cc、Tgは69℃、水分は約4%であった。この粉末を、粉末約3部と可溶性コーヒー1部と砂糖2部という重量比を使用してインスタント加糖コーヒーミックスで使用することにより、内径65mmの250mlビーカー内で、88℃の水130mlを使用してミックス約11gを溶いて元に戻したときに、高さ約5mmまで飲料の表面を完全に覆う量の泡が生成された。
無炭水化物粉末6gを、圧力容器内で1000psi(約6900KPa)で5分間、窒素気体により25℃で加圧し、次いで減圧した。未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することによって、この処理で粉末の起泡能力が約65%増大したことが明らかになった。処理済みおよび未処理の粉末によってもたらされた、溶いて元に戻した飲料ミックスの泡沫密度および漸増泡沫体積の知識を使用して、各粉末により放出される気体の量(室温および圧力に対して補正した)を推定した。未処理の粉末は、粉末1g当たり約1.25ccの気体を放出したのに対し、処理済みの粉末は、粉末1g当たり約2ccの気体を放出したと推定された。粉末は、減圧後の少しの間、微かなポンという音をたてた。処理済みの粉末のかさ密度および骨格密度は測定可能な程は変化しなかったが、起泡能力の増大は、加圧および/または減圧の力によって、粒子の脱水中に形成された予め空の内部空隙の一部が開放されたことを示していた。
無炭水化物粉末の、別の6gのサンプルを、窒素気体で1000psi(約6900KPa)に加圧し、120℃の炉内で15分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後に減圧した。処理によって、粉末中に加圧気体が捕捉され、目に見える粒子の破裂を伴わない減圧後の少しの間、かすかな泡立ち音が生じた。処理済みの粉末は淡黄色であり、タップ密度が0.43g/cc、骨格密度が1.28g/cc、および内部空隙体積が7%であった。未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することにより、この処理で粉末の起泡能力が約3倍超増大し、放出される気体の量が、粉末1g当たり気体約1.25ccから粉末1g当たり気体約4.5ccに増加することが明らかになった。
無炭水化物粉末の別の6gのサンプルを、1000psi(約6900KPa)で窒素気体により加圧し、120℃の炉内で30分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後に減圧した。この処理では、粉末中に加圧気体を捕捉し、目に見える粒子の破裂がない状態で減圧後の少しの間、かすかなポンという音をたてた。処理済みの粉末は薄黄色であり、タップ密度は0.44g/cc、骨格密度は1.30g/cc、内部空隙体積は5%であった。未処理の粉末の代わりに、同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することによって、この処理では粉末の起泡能力が8倍超増大し、放出された気体の量は、粉末1g当たり約1.25ccから粉末1g当たり約10.5ccまで増加した。
無炭水化物粉末の、別の6gのサンプルを、窒素気体で1000psi(約6900KPa)に加圧し、120℃の炉内で60分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後に減圧した。処理によって、粉末中に加圧気体が捕捉され、目に見える粒子の破裂を伴わない減圧後の少しの間、かすかな泡立ち音が生じた。処理済みの粉末は淡黄色であり、タップ密度が0.43g/cc、骨格密度が1.32g/cc、および内部空隙体積が4%であった。未処理の粉末の代わりに同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することにより、この処理で粉末の起泡能力が10倍増大し、放出される気体の量が、粉末1g当たり気体約1.25ccから粉末1g当たり気体約12.5ccに増加することが明らかになった。すべての加糖コーヒー飲料は、優れた清浄なミルク状の風味および香りを有していた。
(実施例3)
実施例1の未処理の無炭水化物粉末の、追加の5gのサンプルを、Swiss Miss(登録商標)Hot Cocoa Mix 28gと混合した。このミックスを、65mmの内径を有する250mlビーカー内で、90℃の180mlを加えて元に戻し、それによって、高さ約7mmの泡沫で完全に覆われる高さ約60mmのホットココア飲料を製造した。未処理の粉末の代わりに、120℃で60分間加圧された、同量の実施例1の処理済みの粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを同じ手法で元に戻すことにより、高さ約16mmの泡沫で完全に覆われる高さ約60mmの飲料が製造された。処理済みおよび未処理の粉末によって生成された泡沫は、クリーム状の風合いおよび小さい気泡サイズを有していたが、処理済みの粉末を含有するミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。わずか約5mmの高さの泡沫の連続層が、処理済みまたは未処理の粉末を添加しないホットココア飲料において生成された。すべてのココア飲料は、優れた風味を有していた。
実施例1の未処理の無炭水化物粉末の、追加の5gのサンプルを、Swiss Miss(登録商標)Hot Cocoa Mix 28gと混合した。このミックスを、65mmの内径を有する250mlビーカー内で、90℃の180mlを加えて元に戻し、それによって、高さ約7mmの泡沫で完全に覆われる高さ約60mmのホットココア飲料を製造した。未処理の粉末の代わりに、120℃で60分間加圧された、同量の実施例1の処理済みの粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを同じ手法で元に戻すことにより、高さ約16mmの泡沫で完全に覆われる高さ約60mmの飲料が製造された。処理済みおよび未処理の粉末によって生成された泡沫は、クリーム状の風合いおよび小さい気泡サイズを有していたが、処理済みの粉末を含有するミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。わずか約5mmの高さの泡沫の連続層が、処理済みまたは未処理の粉末を添加しないホットココア飲料において生成された。すべてのココア飲料は、優れた風味を有していた。
(実施例4)
実施例1の未処理の無炭水化物粉末の、追加の5gのサンプルを、Lipton(登録商標)Cup−a−Soup(登録商標)13gと混合した。このミックスを、65mmの内径を有する250mlビーカー内で、90℃の水180mlを加えて元に戻し、それによって、高さ約5mmの泡沫で完全に覆われる高さ約60mmのホットスープを製造した。未処理の粉末の代わりに、120℃で60分間加圧された、同量の実施例1の処理済みの粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを同じ手法で元に戻すことにより、高さ約15mmの泡沫で完全に覆われる高さ約60mmのホットスープが製造された。処理済みおよび未処理の粉末によって生成された泡沫は、クリーム状の風合いおよび小さい気泡サイズを有していたが、処理済みの粉末を含有するミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。それほど多くはない量の泡沫が、処理済みまたは未処理の粉末を添加しないホットスープにおいて生成された。すべてのホットスープは、優れた風味を有していた。
実施例1の未処理の無炭水化物粉末の、追加の5gのサンプルを、Lipton(登録商標)Cup−a−Soup(登録商標)13gと混合した。このミックスを、65mmの内径を有する250mlビーカー内で、90℃の水180mlを加えて元に戻し、それによって、高さ約5mmの泡沫で完全に覆われる高さ約60mmのホットスープを製造した。未処理の粉末の代わりに、120℃で60分間加圧された、同量の実施例1の処理済みの粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを同じ手法で元に戻すことにより、高さ約15mmの泡沫で完全に覆われる高さ約60mmのホットスープが製造された。処理済みおよび未処理の粉末によって生成された泡沫は、クリーム状の風合いおよび小さい気泡サイズを有していたが、処理済みの粉末を含有するミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。それほど多くはない量の泡沫が、処理済みまたは未処理の粉末を添加しないホットスープにおいて生成された。すべてのホットスープは、優れた風味を有していた。
(実施例5)
実施例1の未処理の無炭水化物粉末の、追加の10gのサンプルを、加糖チェリー風味付きKool−Aid(登録商標)ブランドのソフトドリンクミックス17gと混合し、72mmの内径を有する400mlビーカー内で、冷水240mlを加えて元に戻し、それによって、高さ約5mmの白色の泡沫で完全に覆われる高さ約65mmの冷たく赤い飲料を製造した。未処理の粉末の代わりに、120℃で60分間加圧された、同量の実施例1の処理済みの粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを同じ手法で元に戻すことにより、高さ約13mmの白色の泡沫で完全に覆われる高さ約65mmの飲料が製造された。処理済みおよび未処理の粉末によって生成された泡沫は、クリーム状の風合いおよび小さい気泡サイズを有していたが、処理済みの粉末を含有するミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。処理済みまたは未処理の粉末を添加しない飲料では、泡沫は生成されなかった。すべての風味付き飲料は、優れた風味を有していた。
実施例1の未処理の無炭水化物粉末の、追加の10gのサンプルを、加糖チェリー風味付きKool−Aid(登録商標)ブランドのソフトドリンクミックス17gと混合し、72mmの内径を有する400mlビーカー内で、冷水240mlを加えて元に戻し、それによって、高さ約5mmの白色の泡沫で完全に覆われる高さ約65mmの冷たく赤い飲料を製造した。未処理の粉末の代わりに、120℃で60分間加圧された、同量の実施例1の処理済みの粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを同じ手法で元に戻すことにより、高さ約13mmの白色の泡沫で完全に覆われる高さ約65mmの飲料が製造された。処理済みおよび未処理の粉末によって生成された泡沫は、クリーム状の風合いおよび小さい気泡サイズを有していたが、処理済みの粉末を含有するミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。処理済みまたは未処理の粉末を添加しない飲料では、泡沫は生成されなかった。すべての風味付き飲料は、優れた風味を有していた。
(実施例6)
120℃で60分間加圧した、実施例1の処理済み無炭水化物粉末の、別の5gのサンプルを、スキムミルクパウダー15gおよび砂糖10gと混合した。このミックスを、54mmの内径を有する150mlビーカー内で、5℃の水20mlを加えて元に戻し、スプーンで攪拌して溶解した。濃厚でクリームのようなホイップ状態の空気が混入された風合いを有する、コールド無脂肪デザートトッピングが、高さ約35mmで生成された。処理済みの粉末の代わりに、同量の実施例1の未処理の粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを同じ手法で元に戻すことにより、高さ約25mmでごくわずかしか空気が混入されていない風合いを有するトッピングが製造された。スキムミルクパウダーおよび砂糖の混合物だけを同じ手法で元に戻すことにより、高さ約20mmで空気が混入された風合いを持たずに、魅力がなく流れやすいトッピングが製造された。まとめると、未処理の粉末は、トッピング調製品に約25%の体積超過をもたらし、風合いをいくらか改善したが、処理済みの粉末は、トッピング調製品に約75%の体積超過をもたらし、風合いを大幅に改善した。すべてのトッピングは、優れた風味を有していた。
120℃で60分間加圧した、実施例1の処理済み無炭水化物粉末の、別の5gのサンプルを、スキムミルクパウダー15gおよび砂糖10gと混合した。このミックスを、54mmの内径を有する150mlビーカー内で、5℃の水20mlを加えて元に戻し、スプーンで攪拌して溶解した。濃厚でクリームのようなホイップ状態の空気が混入された風合いを有する、コールド無脂肪デザートトッピングが、高さ約35mmで生成された。処理済みの粉末の代わりに、同量の実施例1の未処理の粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを同じ手法で元に戻すことにより、高さ約25mmでごくわずかしか空気が混入されていない風合いを有するトッピングが製造された。スキムミルクパウダーおよび砂糖の混合物だけを同じ手法で元に戻すことにより、高さ約20mmで空気が混入された風合いを持たずに、魅力がなく流れやすいトッピングが製造された。まとめると、未処理の粉末は、トッピング調製品に約25%の体積超過をもたらし、風合いをいくらか改善したが、処理済みの粉末は、トッピング調製品に約75%の体積超過をもたらし、風合いを大幅に改善した。すべてのトッピングは、優れた風味を有していた。
(実施例7)
実施例1の未処理の無炭水化物粉末の、別の10gのサンプルを、砂糖10gおよび可溶性コーヒー粉末2gと混合した。このミックスを、72mmの内径を有する400mlビーカー内で、コールドスキムミルク240mlを加えて元に戻し、それによって、高さ約8mmの泡沫で完全に覆われる高さ約65mmのコールドカプチーノ飲料を製造した。未処理の粉末の代わりに、120℃で60分間加圧された、同量の実施例1の処理済みの粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを同じ手法で溶いて元に戻すことにより、高さ約24mmの泡沫で完全に覆われる高さ約60mmの飲料が製造された。処理済みおよび未処理の粉末によって生成された泡沫は、カプチーノ飲料に典型的なクリーム状の風合いおよび小さい気泡サイズを有していたが、処理済みの粉末を含有するミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。泡沫で連続的に覆われた状態は、処理済みまたは未処理の粉末を添加しないコールドカプチーノ飲料では生成されなかった。すべてのカプチーノ飲料は、優れた風味を有していた。
実施例1の未処理の無炭水化物粉末の、別の10gのサンプルを、砂糖10gおよび可溶性コーヒー粉末2gと混合した。このミックスを、72mmの内径を有する400mlビーカー内で、コールドスキムミルク240mlを加えて元に戻し、それによって、高さ約8mmの泡沫で完全に覆われる高さ約65mmのコールドカプチーノ飲料を製造した。未処理の粉末の代わりに、120℃で60分間加圧された、同量の実施例1の処理済みの粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを同じ手法で溶いて元に戻すことにより、高さ約24mmの泡沫で完全に覆われる高さ約60mmの飲料が製造された。処理済みおよび未処理の粉末によって生成された泡沫は、カプチーノ飲料に典型的なクリーム状の風合いおよび小さい気泡サイズを有していたが、処理済みの粉末を含有するミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。泡沫で連続的に覆われた状態は、処理済みまたは未処理の粉末を添加しないコールドカプチーノ飲料では生成されなかった。すべてのカプチーノ飲料は、優れた風味を有していた。
(実施例8)
実施例1の未処理の無炭水化物粉末の、追加の10gのサンプルを、Kraft(登録商標)ブランドのEasy Mac(登録商標)マカロニアンドチーズディナーのパッケージで提供されたチーズパウダーと混合した。パッケージの取扱い説明書に従って、水をボウル内でパスタに添加し、マイクロ波で加熱した。未処理の粉末を含有するチーズパウダーミックスをパスタに添加することによって、泡沫状の風合いを有するチーズソースを製造した。未処理の粉末の代わりに、120℃で60分間加圧された、同量の実施例1の処理済みの粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを、同じ手法で加熱したパスタに添加することにより、非常に泡沫性の風合いを有するチーズソースが製造された。処理済みの粉末を含有するチーズパウダーミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。処理済みまたは未処理の粉末を添加しないチーズソーズでは、泡立ちの風合いがそれほど有意な程度に生成されなかった。すべてのチーズソースは、優れた風味を有していた。
実施例1の未処理の無炭水化物粉末の、追加の10gのサンプルを、Kraft(登録商標)ブランドのEasy Mac(登録商標)マカロニアンドチーズディナーのパッケージで提供されたチーズパウダーと混合した。パッケージの取扱い説明書に従って、水をボウル内でパスタに添加し、マイクロ波で加熱した。未処理の粉末を含有するチーズパウダーミックスをパスタに添加することによって、泡沫状の風合いを有するチーズソースを製造した。未処理の粉末の代わりに、120℃で60分間加圧された、同量の実施例1の処理済みの粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを、同じ手法で加熱したパスタに添加することにより、非常に泡沫性の風合いを有するチーズソースが製造された。処理済みの粉末を含有するチーズパウダーミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。処理済みまたは未処理の粉末を添加しないチーズソーズでは、泡立ちの風合いがそれほど有意な程度に生成されなかった。すべてのチーズソースは、優れた風味を有していた。
(実施例9)
120℃で60分間加圧した、実施例1の処理済み無炭水化物粉末の、追加の10gのサンプルを、Quakerインスタントオートミール28gと混合した。このミックスを、72mmの内径を有する400mlビーカー内で、90℃の水120mlを加えて元に戻し、スプーンで攪拌して粉末を溶解した。ホットシリアルを、高さ約13mmで濃厚なクリーム状の泡沫によって完全に覆われる、高さ約40mmで製造した。泡沫を簡単に攪拌しながらシリアルに混ぜて、濃厚なクリーム状の空気が混入された風合いを生成した。泡沫を簡単に攪拌してシリアルに混ぜることにより、わずかに空気が混入した風合いを生成した。処理済みの粉末の代わりに、実施例1の、同量の未処理の粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを、同じ手法で元に戻すことにより、高さ約3mmで泡沫により完全に覆われる、高さ約40mmのホットシリアルを製造した。インスタントオートミールを同じ手法で元に戻すだけで、泡沫もなく空気が混入された風合いもない高さ約40mmのホットシリアルが製造された。処理済みの粉末を含有するオートミールミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。すべてのホットインスタントシリアルは、優れた風味を有していた。
120℃で60分間加圧した、実施例1の処理済み無炭水化物粉末の、追加の10gのサンプルを、Quakerインスタントオートミール28gと混合した。このミックスを、72mmの内径を有する400mlビーカー内で、90℃の水120mlを加えて元に戻し、スプーンで攪拌して粉末を溶解した。ホットシリアルを、高さ約13mmで濃厚なクリーム状の泡沫によって完全に覆われる、高さ約40mmで製造した。泡沫を簡単に攪拌しながらシリアルに混ぜて、濃厚なクリーム状の空気が混入された風合いを生成した。泡沫を簡単に攪拌してシリアルに混ぜることにより、わずかに空気が混入した風合いを生成した。処理済みの粉末の代わりに、実施例1の、同量の未処理の粉末の別のサンプルを使用した。このミックスを、同じ手法で元に戻すことにより、高さ約3mmで泡沫により完全に覆われる、高さ約40mmのホットシリアルを製造した。インスタントオートミールを同じ手法で元に戻すだけで、泡沫もなく空気が混入された風合いもない高さ約40mmのホットシリアルが製造された。処理済みの粉末を含有するオートミールミックスだけが、溶いて元に戻したときに破裂音をたてた。すべてのホットインスタントシリアルは、優れた風味を有していた。
(比較例)
ラクトース、および33DEグルコースシロップ固形分(乾燥ベースで52%)、スキムミルクパウダー(乾燥ベースで47%)、およびリン酸二ナトリウム(乾燥ベースで1%)の50%水溶液に窒素注入し、噴霧乾燥して、炭水化物およびタンパク質を含有する粉末を生成した。粉末は薄黄色であり、清浄なミルク状の香りおよび風味を有し、かさ密度が0.34g/cc、タップ密度が0.40g/cc、骨格密度が0.71g/cc、内部空隙体積が52%、真密度が1.49g/cc、Tgが61℃、および含水量が約3%であった。この粉末を、実施例2の方法によりインスタント加糖コーヒーミックスで使用することによって、このミックス11gを、65mmの内径を有する250mlビーカー内で88℃の水130mlを使用して元に戻したときに、高さ約10mmまで飲料の表面を完全に覆う量の泡沫が生成された。この粉末を含有する加糖コーヒーミックスは、清浄なミルク状の風味を有していた。
ラクトース、および33DEグルコースシロップ固形分(乾燥ベースで52%)、スキムミルクパウダー(乾燥ベースで47%)、およびリン酸二ナトリウム(乾燥ベースで1%)の50%水溶液に窒素注入し、噴霧乾燥して、炭水化物およびタンパク質を含有する粉末を生成した。粉末は薄黄色であり、清浄なミルク状の香りおよび風味を有し、かさ密度が0.34g/cc、タップ密度が0.40g/cc、骨格密度が0.71g/cc、内部空隙体積が52%、真密度が1.49g/cc、Tgが61℃、および含水量が約3%であった。この粉末を、実施例2の方法によりインスタント加糖コーヒーミックスで使用することによって、このミックス11gを、65mmの内径を有する250mlビーカー内で88℃の水130mlを使用して元に戻したときに、高さ約10mmまで飲料の表面を完全に覆う量の泡沫が生成された。この粉末を含有する加糖コーヒーミックスは、清浄なミルク状の風味を有していた。
炭水化物およびタンパク質を含有する粉末6gを、圧力容器内で、1000psi(約6900KPa)で5分間、窒素気体により25℃で加圧し、次いで減圧した。未処理の粉末の代わりに、同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することにより、この処理では粉末の起泡能力が約160%増大することが明らかになった。処理済みおよび未処理の粉末によってもたらされた、溶いて元に戻した飲料ミックスの泡沫密度および漸増泡沫体積の知識を使用して、各粉末によって放出される気体の量(室温および圧力に対して補正した)を推定した。未処理の粉末は、粉末1g当たり気体約3.5ccを放出するのに対し、処理済みの粉末は、粉末1g当たり気体約8.5ccを放出すると推定された。この粉末は、おそらくは加圧気体を含有するには弱すぎる拡散制限開放空隙を取り囲んだ壁の破裂により、減圧後の短い間、微かなポンという音をたてた。処理済みの粉末のかさ密度は変化せず、骨格密度が0.75g/ccに増大し、内部空隙体積が50%に減少したが、これは、加圧および/または減圧の力によって、粒子の脱水中に形成された予め空の内部空隙の一部を大気に開放し、その結果、起泡能力が増大することを示している。この仮説は、1週間後であっても処理済みの粉末が高い起泡能力を保持する事実によって裏付けられる。
炭水化物およびタンパク質を含有する粉末の、別の6gのサンプルを、圧力容器内で、1000psi(約6900KPa)で窒素気体により加圧し、120℃の炉内で15分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後、減圧した。この処理では、粉末中に加圧気体が捕捉され、多くの粒子は、減圧後の短い間、破裂音をたてて破裂した。処理済みの粉末は薄黄色であり、加熱した渋味のある加工風味を有し、タップ密度は0.45g/ccであり、骨格密度は0.98g/ccであり、内部空隙体積は37%であった。未処理の粉末の代わりに、同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することによって、この処理では粉末の起泡能力がほぼ6倍増大し、放出される気体の量が、粉末1g当たり気体約3.5ccから粉末1g当たり気体約20ccに増大したことが明らかになった。処理済みの粉末を含有する加糖コーヒーミックスは、望ましくない加熱した渋味のある加工風味を有していた。
炭水化物およびタンパク質を含有する粉末の、別の6gのサンプルを、圧力容器内で、1000psi(約6900KPa)で窒素気体により加圧し、120℃の炉内で30分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後、減圧した。この処理では、粉末中に加圧気体が捕捉され、比較的多くの割合の粒子が、減圧後の短い間、破裂した。処理済みの粉末は、より濃い黄色であり、カラメル状の香りであり、苦味渋味のある加工風味を有し、タップ密度は0.44g/cc、骨格密度は0.94g/cc、内部空隙体積は34%であった。未処理の粉末の代わりに、同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することによって、この処理では粉末の起泡能力が5倍増大し、放出される気体の量は、粉末1g当たり気体約3.5ccから粉末1g当たり気体約17.5ccに増大したことが明らかになった。処理済みの粉末を含有する加糖コーヒーミックスは、望ましくない苦味渋味のある加工風味を有していた。
炭水化物およびタンパク質を含有する粉末の、別の6gのサンプルを、圧力容器内で、1000psi(約6900KPa)で窒素気体により加圧し、120℃の炉内で60分間加熱し、次いでほぼ室温に冷却した後、減圧した。この処理では、粉末中に加圧気体が捕捉され、比較的さらに多くの割合の粒子が、減圧後の短い間、破裂音をたてて破裂した。処理済みの粉末は褐色であり、カラメル状の香りであり、苦味渋味のある焦げた風味を有しており、タップ密度は0.49g/cc、骨格密度は0.98g/cc、および内部空隙体積は37%であった。未処理の粉末の代わりに、同量の処理済みの粉末を加糖コーヒーミックスで使用することによって、この処理では粉末の起泡能力がほぼ4倍増大し、放出される気体の量が、粉末1g当たり気体3.5ccから粉末1g当たり気体13.5ccに増大することが明らかになった。処理済みの粉末を含有する加糖コーヒーミックスは、望ましくない苦味渋味のある焦げた風味を有していた。
本発明について、好ましい実施形態を参照しながらかなり詳細に述べてきたが、本発明は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者に明らかな数多くの修正および変更が可能であることが明らかにされよう。
Claims (40)
- 閉じ込められた加圧気体を含有する複数の内部空隙を有するタンパク質粒子を含む、粉末状無炭水化物可溶性組成物を含むことを特徴とする起泡組成物。
- 粉末状無炭水化物可溶性組成物は、乾燥重量ベースでタンパク質を94%よりも多く含むことを特徴とする請求項1に記載の起泡組成物。
- 粉末状無炭水化物可溶性組成物は、乾燥重量ベースでタンパク質を本質的に100%含むことを特徴とする請求項2に記載の起泡組成物。
- 可溶性組成物は、周囲条件で液体に溶解したときに、前記組成物1g当たり気体を少なくとも2cc放出することを特徴とする請求項1に記載の起泡組成物。
- 可溶性組成物は、周囲条件で液体に溶解したときに、前記組成物1g当たり気体を少なくとも5cc放出することを特徴とする請求項1に記載の起泡組成物。
- 可溶性組成物は、乳タンパク質、大豆タンパク質、卵タンパク質、ゼラチン、コラーゲン、小麦タンパク質、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の起泡組成物。
- 前記タンパク質は、加水分解タンパク質であることを特徴とする請求項6に記載の起泡組成物。
- 前記加水分解タンパク質は、加水分解ゼラチン、加水分解コラーゲン、加水分解カゼイン、加水分解乳清タンパク質、加水分解乳タンパク質、加水分解大豆タンパク質、加水分解卵タンパク質、加水分解小麦タンパク質、アミノ酸、またはこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項7に記載の起泡組成物。
- 前記加水分解タンパク質は、加水分解ゼラチンを含むことを特徴とする請求項7に記載の起泡組成物。
- 前記タンパク質は、ゼラチンを含むことを特徴とする請求項1に記載の起泡組成物。
- 緩衝剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の起泡組成物。
- 前記緩衝剤は、有機酸または無機酸の塩であることを特徴とする請求項11に記載の起泡組成物。
- 前記塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、クエン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、リン酸塩、またはこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載の起泡組成物。
- 前記可溶性組成物は、分散した脂肪をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の起泡組成物。
- タンパク質を含み、かつ閉じ込められた加圧気体を含有する複数の内部空隙を有する、無炭水化物可溶性起泡粒子であって、少なくともガラス転移温度となる温度にまで前記粒子を加熱する前にまたは加熱する間、大気圧を超える外部気体圧力に前記粒子を曝し、次いで前記内部空隙内に前記加圧気体を捕捉するのに有効な手法で、前記外部気体圧力を解除する前にまたは解除する間、前記ガラス転移温度よりも低い温度にまで前記粒子を冷却することによって形成された粒子
を含むことを特徴とする起泡組成物。 - 粉末状無炭水化物可溶性組成物は、乾燥重量ベースでタンパク質を94%よりも多く含むことを特徴とする請求項15に記載の起泡組成物。
- 粉末状無炭水化物可溶性組成物は、乾燥重量ベースでタンパク質を本質的に100%含むことを特徴とする請求項16に記載の起泡組成物。
- 前記可溶性組成物は、周囲条件で液体に溶解したときに、前記組成物1g当たり気体を少なくとも2cc放出することを特徴とする請求項15に記載の起泡組成物。
- 可溶性組成物は、周囲条件で液体に溶解したときに、前記組成物1g当たり気体を少なくとも5cc放出することを特徴とする請求項18に記載の起泡組成物。
- 閉じ込められた加圧気体を含有する複数の内部空隙を有するタンパク質粒子を含む、無炭水化物可溶性起泡組成物を含むことを特徴とする可溶性消費食品。
- 前記気体は、周囲条件で液体に溶解したときに、前記組成物1g当たり泡を少なくとも約5cc生成するのに十分な量で存在することを特徴とする請求項20に記載の可溶性消費食品。
- インスタントコーヒーミックス、インスタントココアミックス、およびインスタント紅茶ミックスからなる群から選択された飲料ミックスを含むことを特徴とする請求項20に記載の可溶性消費食品。
- 無炭水化物可溶性組成物は、乾燥重量ベースでタンパク質を94%よりも多く含むことを特徴とする請求項20に記載の可溶性消費食品。
- 無炭水化物可溶性組成物は、乾燥重量ベースでタンパク質を本質的に100%含むことを特徴とする請求項23に記載の可溶性消費食品。
- 前記食品は、インスタントコーヒーミックス、インスタントココアミックス、およびインスタント紅茶ミックスからなる群から選択された飲料ミックスを含むことを特徴とする請求項23に記載の可溶性消費食品。
- 前記食品は、インスタントコーヒーミックス、インスタントココアミックス、およびインスタント紅茶ミックスからなる群から選択された飲料ミックスを含むことを特徴とする請求項24に記載の可溶性消費食品。
- 前記インスタントコーヒーミックスは、インスタントカプチーノミックスであることを特徴とする請求項22に記載の可溶性消費食品。
- デザート製品、インスタントチーズ製品、インスタントシリアル製品、インスタントスープ製品、およびインスタントトッピング製品からなる群から選択されたインスタント食品を含むことを特徴とする請求項20に記載の可溶性消費食品。
- タンパク質を含みかつ内部空隙を有する無炭水化物可溶性起泡粒子を加熱するステップと、
無炭水化物可溶性起泡粒子に、大気圧を超える外部圧力を加えるステップと、
無炭水化物可溶性起泡粒子を冷却するステップと、
外部気体圧力を解除し、それによって、内部空隙に保持される加圧気体をもたらすステップと
を含むことを特徴とする起泡組成物の製造方法。 - 前記外部圧力を加えるステップは、粒子を加熱する前に実施することを特徴とする請求項29に記載の方法。
- 前記外部圧力を加えるステップは、粒子を加熱する間に実施することを特徴とする請求項29に記載の方法。
- 前記無炭水化物可溶性起泡粒子を加熱するステップは、粒子の少なくともガラス転移温度である温度で実施することを特徴とする請求項29に記載の方法。
- 前記冷却するステップは、前記外部圧力を解除するステップの前に実施することを特徴とする請求項32に記載の方法。
- 前記冷却するステップは、前記外部圧力を解除するステップの前に実施することを特徴とする請求項32に記載の方法。
- 前記冷却するステップは、前記外部気体圧力を解除するステップの間に実施することを特徴とする請求項32に記載の方法。
- 前記無炭水化物可溶性起泡粒子は、乾燥重量ベースでタンパク質を94%よりも多く含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
- 前記無炭水化物可溶性起泡粒子は、乾燥重量ベースでタンパク質を本質的に100%含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
- 無炭水化物可溶性起泡粒子を形成するために、タンパク質を含有する水溶液を噴霧乾燥するステップをさらに含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
- 前記噴霧乾燥するステップは、水溶液に気体を注入することを含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。
- 前記噴霧乾燥するステップは、水溶液に気体を注入せずに実施されることを特徴とする請求項38に記載の方法。
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