ところで、コンテンツ嗜好の推定は、1人のユーザに対して行われる場合や、複数のユーザで構成されるグループに対して行われる場合が考えられる。上述のコンテンツ提示システムは、コンテンツ嗜好の推定を1つの対象に対して行うことができる。このため、上述のコンテンツ提示システムは、1人のユーザのコンテンツ嗜好を推定する場合には、ゆっくり鑑賞できるコンテンツが好ましいと推定し、複数のユーザで構成されるグループのコンテンツ嗜好を推定する場合には、盛り上がるコンテンツが好ましいと判定することはできる。
ここで、例えば、上述の評価属性が「とても好き」、「好き」、「ふつう」、「嫌い」、「とても嫌い」の5段階で表され、2人のユーザでグループが構成される場合について検討する。第1コンテンツは、一方のユーザが「とても好き」であると評価し、他方のユーザが「とても嫌い」であると評価したコンテンツであり、第2コンテンツは、2人のユーザの両人が「ふつう」であると評価したコンテンツであるものとする。
すると、上述のコンテンツ提示システムには、第1コンテンツと第2コンテンツとのうち、どちらがグループにとって好ましいと判定すべきかという問題があった。また、上述のコンテンツ提示システムは、2人のユーザの間に優先順位がある場合、すなわち一方のユーザの意見が他方のユーザの意見よりグループにとって影響力が大きい場合に、これら2人のユーザの関係性をコンテンツ嗜好の推定に反映できなかった。
以上のように、上述のコンテンツ提示システムでは、複数のユーザで構成されるグループにおいて、これら複数のユーザの全てが納得できるコンテンツ嗜好を推定するのが困難な場合があった。このため、上述のコンテンツ提示システムでは、複数のユーザで構成されるグループにおいて、これら複数のユーザの全てが納得できるコンテンツを提示することは、困難な場合があった。
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、複数のユーザで構成されるグループにおいて、これら複数のユーザの全てが納得できるコンテンツを提示できるコンテンツ提示システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。
(1)本発明は、近距離無線通信機能を有するユーザ端末(例えば、図1のユーザ端末TA、TB、TCに相当)と通信可能に設けられ、表示手段(例えば、図1のディスプレイDに相当)の近傍に設けられた通信手段(例えば、図2の通信部1に相当)と、前記通信手段とユーザ端末との間で交わされた近距離無線通信に基づいて、前記表示手段により表示されているメインコンテンツを視聴中であるユーザを識別する視聴ユーザ識別手段(例えば、図2の視聴ユーザ識別部2に相当)と、前記視聴ユーザ識別手段により識別された視聴中の全てのユーザで構成されるグループのコンテンツ嗜好を推定する嗜好推定手段(例えば、図3の嗜好推定部4に相当)と、前記嗜好推定手段により推定されたコンテンツ嗜好に基づいて、前記表示手段により表示されるメインコンテンツを決定するメインコンテンツ決定手段(例えば、図3のメインコンテンツ決定部5に相当)と、を備えることを特徴とするコンテンツ提示装置を提案している。
この発明によれば、コンテンツ提示システムに、通信手段、視聴ユーザ識別手段、嗜好推定手段、およびメインコンテンツ決定手段を設けた。そして、通信手段を表示手段の近傍に設け、この通信手段により、近距離無線通信機能を有するユーザ端末と通信することとした。ここで、通信手段とユーザ端末との間で近距離無線通信が交わされる場合には、ユーザ端末は、通信手段が近傍に設けられた表示手段の比較的近くにあり、このユーザ端末を所持しているユーザは、表示手段により表示されているメインコンテンツを視聴できる範囲にいるということである。そこで、視聴ユーザ識別手段により、通信手段とユーザ端末との間で交わされた近距離無線通信に基づいて、表示手段により表示されているメインコンテンツを視聴中であるユーザを識別することとした。また、嗜好推定手段により、視聴ユーザ識別手段により識別された視聴中の全てのユーザで構成されるグループのコンテンツ嗜好を推定することとした。また、メインコンテンツ決定手段により、嗜好推定手段により推定されたコンテンツ嗜好に基づいて、表示手段により表示されるメインコンテンツを決定することとした。
このため、コンテンツ提示システムは、表示手段により表示されているメインコンテンツを視聴中であるユーザを常に認識して、視聴中である全てのユーザで構成されるグループのコンテンツ嗜好に合ったメインコンテンツを表示手段に表示させる。したがって、メインコンテンツが表示手段に表示されている最中に、このメインコンテンツを視聴するユーザが増減しても、常に、視聴しているユーザの全てが納得できるメインコンテンツを提示できる。
(2)本発明は、近距離無線通信機能を有するユーザ端末(例えば、図1のユーザ端末TA、TB、TCに相当)と通信可能に設けられ、表示手段(例えば、図1のディスプレイDに相当)の近傍に設けられた通信手段(例えば、図2の通信部1に相当)と、前記通信手段とユーザ端末との間で交わされた近距離無線通信に基づいて、前記表示手段により表示されているメインコンテンツを視聴中であるユーザを識別する視聴ユーザ識別手段(例えば、図2の視聴ユーザ識別部2に相当)と、前記視聴ユーザ識別手段により識別された視聴中の全てのユーザで構成されるグループのコンテンツ嗜好を推定する嗜好推定手段(例えば、図3の嗜好推定部4に相当)と、前記嗜好推定手段により推定されたコンテンツ嗜好に基づいて、前記表示手段により表示されるメインコンテンツを決定するメインコンテンツ決定手段(例えば、図3のメインコンテンツ決定部5に相当)と、を備え、前記嗜好推定手段は、前記視聴ユーザ識別手段により識別された視聴中のユーザごとに、ユーザ固有の情報(例えば、後述のユーザX固有の利用履歴、評価履歴、およびアンケート情報に相当)と、前記コンテンツ嗜好を推定するための全ユーザの情報(例えば、後述の個人学習初期データおよび個人嗜好推定初期モデルに相当)と、に基づいてユーザ固有の個人嗜好推定モデルを生成する個人嗜好推定モデル生成部(例えば、図8の個人嗜好推定モデル生成部46に相当)と、前記個人嗜好推定モデル生成部により生成された前記視聴中の各ユーザ固有の個人嗜好推定モデルと、前記グループに固有の情報(例えば、後述のグループY固有のグループ意志決定モデルに相当)と、に基づいて、前記グループのコンテンツ嗜好を推定するコンテンツ嗜好推定部(例えば、図8のコンテンツ嗜好推定部49に相当)と、を備えることを特徴とするコンテンツ提示システムを提案している。
この発明によれば、コンテンツ提示システムに、通信手段、視聴ユーザ識別手段、嗜好推定手段、およびメインコンテンツ決定手段を設けた。そして、通信手段を表示手段の近傍に設け、この通信手段により、近距離無線通信機能を有するユーザ端末と通信することとした。ここで、通信手段とユーザ端末との間で近距離無線通信が交わされる場合には、ユーザ端末は、通信手段が近傍に設けられた表示手段の比較的近くにあり、このユーザ端末を所持しているユーザは、表示手段により表示されているメインコンテンツを視聴できる範囲にいるということである。そこで、視聴ユーザ識別手段により、通信手段とユーザ端末との間で交わされた近距離無線通信に基づいて、表示手段により表示されているメインコンテンツを視聴中であるユーザを識別することとした。また、嗜好推定手段により、視聴ユーザ識別手段により識別された視聴中の全てのユーザで構成されるグループのコンテンツ嗜好を推定することとした。また、メインコンテンツ決定手段により、嗜好推定手段により推定されたコンテンツ嗜好に基づいて、表示手段により表示されるメインコンテンツを決定することとした。
このため、コンテンツ提示システムは、表示手段により表示されているメインコンテンツを視聴中であるユーザを常に認識して、視聴中である全てのユーザで構成されるグループのコンテンツ嗜好に合ったメインコンテンツを表示手段に表示させる。したがって、メインコンテンツが表示手段に表示されている最中に、このメインコンテンツを視聴するユーザが増減しても、常に、視聴しているユーザの全てが納得できるメインコンテンツを提示できる。
また、この発明によれば、嗜好推定手段に、ユーザ固有の個人嗜好推定モデルを生成する個人嗜好推定モデル生成部と、グループのコンテンツ嗜好を推定するコンテンツ嗜好推定部と、を設けた。そして、個人嗜好推定モデル生成部により、視聴ユーザ識別手段により識別された視聴中のユーザごとに、ユーザ固有の情報と、コンテンツ嗜好を推定するための全ユーザの情報と、に基づいて、ユーザ固有の個人嗜好推定モデルを生成することとした。また、コンテンツ嗜好推定部により、個人嗜好推定モデル生成部により生成された視聴中の各ユーザ固有の個人嗜好推定モデルと、グループに固有の情報と、に基づいて、グループのコンテンツ嗜好を推定することとした。
このため、嗜好推定手段を備えるコンテンツ提示システムは、コンテンツ嗜好を推定するための全てのユーザの情報に、グループを構成する各ユーザに固有の情報と、グループに固有の情報と、を組み合わせて、グループのコンテンツ嗜好を推定する。したがって、コンテンツ嗜好の推定に、グループを構成する各ユーザの好みといった特性と、グループの特性と、を反映できるので、グループを構成する全てのユーザに対して、これら全てのユーザが納得できるコンテンツ嗜好を推定できる。
(3)本発明は、(2)のコンテンツ提示システムについて、前記通信手段とユーザ端末との間で交わされた通信と、前記メインコンテンツ決定手段による決定結果と、のうち少なくともいずれかに基づいて、前記ユーザ固有の情報を更新するユーザ情報更新手段(例えば、図8のユーザ固有情報更新部41に相当)を備えることを特徴とするコンテンツ提示システムを提案している。
この発明によれば、コンテンツ提示システムに、通信手段とユーザ端末との間で交わされた通信と、メインコンテンツ決定手段による決定結果と、のうち少なくともいずれかに基づいて、ユーザ固有の情報を更新するユーザ情報更新手段を設けた。このため、通信の内容や、決定されたメインコンテンツの結果を蓄積して、コンテンツ嗜好の推定に用いることができる。このため、ユーザ端末が操作されたり、グループのコンテンツ嗜好を推定したりするに従って、提示するメインコンテンツに対する、グループを構成する全てのユーザの納得度を向上させることができる。
(4)本発明は、(2)または(3)のコンテンツ提示システムについて、前記コンテンツ嗜好推定部は、予め定められた操作がユーザ端末で行われることにより、当該ユーザ端末から第1の操作信号(例えば、後述の「パワーUP」アイコンが選択されたことを示す情報に相当)を受信すると、前記グループのコンテンツ嗜好の推定に、当該ユーザ端末を所持するユーザ固有の個人嗜好推定モデルを反映させる度合いを大きくし、予め定められた操作がユーザ端末で行われることにより、当該ユーザ端末から第2の操作信号(例えば、後述の「パワーDOWN」アイコンが選択されたことを示す情報に相当)を受信すると、前記グループのコンテンツ嗜好の推定に、当該ユーザ端末を所持するユーザ固有の個人嗜好推定モデルを反映させる度合いを小さくすることを特徴とするコンテンツ提示システムを提案している。
この発明によれば、予め定められた操作がユーザ端末で行われることにより、ユーザ端末から第1の操作信号を受信すると、コンテンツ嗜好推定部によるグループのコンテンツ嗜好の推定に、ユーザ端末を所持するユーザ固有の個人嗜好推定モデルを反映させる度合いを大きくすることとした。また、予め定められた操作がユーザ端末で行われることにより、ユーザ端末から第2の操作信号を受信すると、コンテンツ嗜好推定部によるグループのコンテンツ嗜好の推定に、ユーザ端末を所持するユーザ固有の個人嗜好推定モデルを反映させる度合いを小さくすることとした。このため、各ユーザは、ユーザ端末の操作に応じて自身の嗜好のウェイトを変化させ、変化させたウェイトを、グループのコンテンツ嗜好の推定に反映させることができる。
(5)本発明は、(2)〜(4)のいずれかのコンテンツ提示システムについて、前記表示手段に表示されているメインコンテンツと、前記嗜好推定手段により推定された前記グループのコンテンツ嗜好と、に基づいて、前記表示手段に表示されているメインコンテンツとは異なる2次コンテンツを決定する2次コンテンツ決定手段(例えば、図3の2次コンテンツ決定部6に相当)を備え、前記表示手段は、前記メインコンテンツ決定手段により決定されたメインコンテンツに加えて、前記2次コンテンツ決定手段により決定された2次コンテンツを表示することを特徴とするコンテンツ提示システムを提案している。
この発明によれば、コンテンツ提示システムに、2次コンテンツ決定手段を設け、この2次コンテンツ決定手段により、表示手段に表示されているメインコンテンツと、嗜好推定手段により推定されたグループのコンテンツ嗜好と、に基づいて、表示手段に表示されているメインコンテンツとは異なる2次コンテンツを決定することとした。そして、表示手段により、メインコンテンツ決定手段により決定されたメインコンテンツに加えて、2次コンテンツ決定手段により決定された2次コンテンツを表示することとした。このため、メインコンテンツを視聴している全てのユーザに対して、これら全てのユーザが納得できる2次コンテンツを提示できる。
(6)本発明は、(2)〜(5)のいずれかのコンテンツ提示システムについて、前記視聴ユーザ識別手段により識別された視聴中のユーザごとに、前記表示手段に表示されているメインコンテンツと、前記個人嗜好推定モデル生成部により生成された個人嗜好推定モデルと、に基づいて、前記表示手段に表示されているメインコンテンツとは異なる3次コンテンツを決定する3次コンテンツ決定手段(例えば、図3の3次コンテンツ決定部7に相当)と、前記3次コンテンツ決定手段により決定された3次コンテンツを、対応するユーザ端末に送信する3次コンテンツ送信手段(例えば、図2の通信部1に相当)と、を備えることを特徴とするコンテンツ提示システムを提案している。
この発明によれば、コンテンツ提示システムに、3次コンテンツ決定手段および3次コンテンツ送信手段を設けた。そして、3次コンテンツ決定手段により、視聴ユーザ識別手段により識別された視聴中のユーザごとに、表示手段に表示されているメインコンテンツと、個人嗜好推定モデル生成部により生成された個人嗜好推定モデルと、に基づいて、表示手段に表示されているメインコンテンツとは異なる3次コンテンツを決定することとした。また、3次コンテンツ送信手段により、3次コンテンツ決定手段により決定された3次コンテンツを、対応するユーザ端末に送信することとした。このため、メインコンテンツを視聴している各ユーザに対して、各ユーザが納得できる3次コンテンツを個別に提示できる。
(7)本発明は、近距離無線通信機能を有するユーザ端末(例えば、図1のユーザ端末TA、TB、TCに相当)と通信可能に設けられ、表示手段(例えば、図1のディスプレイDに相当)の近傍に設けられた通信手段(例えば、図2の通信部1に相当)と、前記通信手段とユーザ端末との間で交わされた近距離無線通信に基づいて、前記表示手段により表示されているメインコンテンツを視聴中であるユーザを識別する視聴ユーザ識別手段(例えば、図2の視聴ユーザ識別部2に相当)と、前記視聴ユーザ識別手段により識別された視聴中の全てのユーザで構成されるグループのコンテンツ嗜好を推定する嗜好推定手段(例えば、図3の嗜好推定部4に相当)と、前記嗜好推定手段により推定されたコンテンツ嗜好に基づいて、前記表示手段により表示されるメインコンテンツを決定するメインコンテンツ決定手段(例えば、図3のメインコンテンツ決定部5に相当)と、を備え、前記嗜好推定手段は、前記グループに固有の情報(例えば、後述のグループY固有の利用履歴、評価履歴、およびアンケート情報に相当)と、前記コンテンツ嗜好を推定するための全グループの情報(例えば、後述のグループ学習初期データおよびグループ嗜好推定初期モデルに相当)と、に基づいて、前記グループのコンテンツ嗜好推定モデルを生成するグループ嗜好推定モデル生成部(例えば、図8のグループ嗜好推定モデル生成部47に相当)と、前記グループ嗜好推定モデル生成部により生成された前記グループのグループ嗜好推定モデルに基づいて、前記グループのコンテンツ嗜好を推定するコンテンツ嗜好推定部(例えば、図8のコンテンツ嗜好推定部49に相当)と、を備えることを特徴とするコンテンツ提示システムを提案している。
この発明によれば、コンテンツ提示システムに、通信手段、視聴ユーザ識別手段、嗜好推定手段、およびメインコンテンツ決定手段を設けた。そして、通信手段を表示手段の近傍に設け、この通信手段により、近距離無線通信機能を有するユーザ端末と通信することとした。ここで、通信手段とユーザ端末との間で近距離無線通信が交わされる場合には、ユーザ端末は、通信手段が近傍に設けられた表示手段の比較的近くにあり、このユーザ端末を所持しているユーザは、表示手段により表示されているメインコンテンツを視聴できる範囲にいるということである。そこで、視聴ユーザ識別手段により、通信手段とユーザ端末との間で交わされた近距離無線通信に基づいて、表示手段により表示されているメインコンテンツを視聴中であるユーザを識別することとした。また、嗜好推定手段により、視聴ユーザ識別手段により識別された視聴中の全てのユーザで構成されるグループのコンテンツ嗜好を推定することとした。また、メインコンテンツ決定手段により、嗜好推定手段により推定されたコンテンツ嗜好に基づいて、表示手段により表示されるメインコンテンツを決定することとした。
このため、コンテンツ提示システムは、表示手段により表示されているメインコンテンツを視聴中であるユーザを常に認識して、視聴中である全てのユーザで構成されるグループのコンテンツ嗜好に合ったメインコンテンツを表示手段に表示させる。したがって、メインコンテンツが表示手段に表示されている最中に、このメインコンテンツを視聴するユーザが増減しても、常に、視聴しているユーザの全てが納得できるメインコンテンツを提示できる。
また、この発明によれば、嗜好推定手段に、グループのコンテンツ嗜好推定モデルを生成するグループ嗜好推定モデル生成部と、グループのコンテンツ嗜好を推定するコンテンツ嗜好推定部と、を設けた。そして、グループ嗜好推定モデル生成部により、グループに固有の情報と、コンテンツ嗜好を推定するための全グループの情報と、に基づいて、グループのコンテンツ嗜好推定モデルを生成することとした。また、コンテンツ嗜好推定部により、グループ嗜好推定モデル生成部により生成されたグループのグループ嗜好推定モデルに基づいて、グループのコンテンツ嗜好を推定することとした。
このため、嗜好推定手段を備えるコンテンツ提示システムは、コンテンツ嗜好を推定するための全てのグループの情報に、グループに固有の情報を組み合わせて、グループのコンテンツ嗜好を推定する。したがって、コンテンツ嗜好の推定に、グループに固有の情報を反映できる。そして、グループに固有の情報には、このグループを構成する各ユーザの特性が反映されているため、グループを構成する全てのユーザに対して、これら全てのユーザが納得できるコンテンツ嗜好を推定できる。
(8)本発明は、(7)のコンテンツ提示システムについて、前記通信手段とユーザ端末との間で交わされた通信と、前記メインコンテンツ決定手段による決定結果と、のうち少なくともいずれかに基づいて、前記グループ固有の情報を更新するグループ情報更新手段(例えば、図8のグループ固有情報更新部44に相当)を備えることを特徴とするコンテンツ提示システムを提案している。
この発明によれば、コンテンツ提示システムに、通信手段とユーザ端末との間で交わされた通信と、メインコンテンツ決定手段による決定結果と、のうち少なくともいずれかに基づいて、グループ固有の情報を更新するグループ情報更新手段を設けた。このため、通信の内容や、決定されたメインコンテンツの結果を蓄積して、コンテンツ嗜好の推定に用いることができる。このため、ユーザ端末が操作されたり、グループのコンテンツ嗜好を推定したりするに従って、提示するメインコンテンツに対する、グループを構成する全てのユーザの納得度を向上させることができる。
(9)本発明は、(7)または(8)のコンテンツ提示システムについて、前記表示手段に表示されているメインコンテンツと、前記嗜好推定手段により推定された前記グループのコンテンツ嗜好と、に基づいて、前記表示手段に表示されているメインコンテンツとは異なる2次コンテンツを決定する2次コンテンツ決定手段(例えば、図3の2次コンテンツ決定部6に相当)を備え、前記表示手段は、前記メインコンテンツ決定手段により決定されたメインコンテンツに加えて、前記2次コンテンツ決定手段により決定された2次コンテンツを表示することを特徴とするコンテンツ提示システムを提案している。
この発明によれば、コンテンツ提示システムに、2次コンテンツ決定手段を設け、この2次コンテンツ決定手段により、表示手段に表示されているメインコンテンツと、嗜好推定手段により推定されたグループのコンテンツ嗜好と、に基づいて、表示手段に表示されているメインコンテンツとは異なる2次コンテンツを決定することとした。そして、表示手段により、メインコンテンツ決定手段により決定されたメインコンテンツに加えて、2次コンテンツ決定手段により決定された2次コンテンツを表示することとした。このため、メインコンテンツを視聴している全てのユーザに対して、これら全てのユーザが納得できる2次コンテンツを提示できる。
(10)本発明は、(7)〜(9)のいずれかのコンテンツ提示システムについて、前記視聴ユーザ識別手段により識別された視聴中のユーザごとに、ユーザ固有の情報(例えば、後述のユーザX固有の利用履歴、評価履歴、およびアンケート情報に相当)と、前記コンテンツ嗜好を推定するための全ユーザの情報(例えば、後述の個人学習初期データおよび個人嗜好推定初期モデルに相当)と、に基づいてユーザ固有の個人嗜好推定モデルを生成する個人嗜好推定モデル生成手段(例えば、図8の個人嗜好推定モデル生成部46に相当)と、前記視聴ユーザ識別手段により識別された視聴中のユーザごとに、前記表示手段に表示されているメインコンテンツと、前記個人嗜好推定モデル生成手段により生成された個人嗜好推定モデルと、に基づいて、前記表示手段に表示されているメインコンテンツとは異なる3次コンテンツを決定する3次コンテンツ決定手段(例えば、図3の3次コンテンツ決定部7に相当)と、前記3次コンテンツ決定手段により決定された3次コンテンツを、対応するユーザ端末に送信する3次コンテンツ送信手段(例えば、図2の通信部1に相当)と、を備えることを特徴とするコンテンツ提示システムを提案している。
この発明によれば、コンテンツ提示システムに、個人嗜好推定モデル生成手段、3次コンテンツ決定手段、および3次コンテンツ送信手段を設けた。そして、個人嗜好推定モデル生成手段により、視聴ユーザ識別手段により識別された視聴中のユーザごとに、ユーザ固有の情報と、コンテンツ嗜好を推定するための全ユーザの情報と、に基づいてユーザ固有の個人嗜好推定モデルを生成することとした。また、3次コンテンツ決定手段により、視聴ユーザ識別手段により識別された視聴中のユーザごとに、表示手段に表示されているメインコンテンツと、個人嗜好推定モデル生成手段により生成された個人嗜好推定モデルと、に基づいて、表示手段に表示されているメインコンテンツとは異なる3次コンテンツを決定することとした。また、3次コンテンツ送信手段により、3次コンテンツ決定手段により決定された3次コンテンツを、対応するユーザ端末に送信することとした。このため、メインコンテンツを視聴している各ユーザに対して、各ユーザが納得できる3次コンテンツを個別に提示できる。
(11)本発明は、(1)〜(10)のいずれかのコンテンツ提示システムについて、前記表示手段によるメインコンテンツの表示中に前記視聴ユーザ識別手段により新たなユーザ(例えば、後述の途中参加ユーザに相当)が識別されると、当該表示中のメインコンテンツのうち、先頭から、当該新たなユーザが識別されるまでの部分について、概要を示すダイジェストコンテンツを生成する第1のダイジェストコンテンツ生成手段(例えば、図3のダイジェストコンテンツ生成部8に相当)と、前記第1のダイジェストコンテンツ生成手段により生成されたダイジェストコンテンツを、前記新たに識別されたユーザのユーザ端末に送信する第1のダイジェストコンテンツ送信手段(例えば、図2の通信部1に相当)と、を備えることを特徴とするコンテンツ提示システムを提案している。
この発明によれば、コンテンツ提示システムに、第1のダイジェストコンテンツ生成手段および第1のダイジェストコンテンツ送信手段を設けた。そして、第1のダイジェストコンテンツ生成手段により、表示手段によるメインコンテンツの表示中に視聴ユーザ識別手段により新たなユーザが識別されると、表示中のメインコンテンツのうち、先頭から、新たなユーザが識別されるまでの部分について、概要を示すダイジェストコンテンツを生成することとした。また、第1のダイジェストコンテンツ送信手段により、第1のダイジェストコンテンツ生成手段により生成されたダイジェストコンテンツを、新たに識別されたユーザのユーザ端末に送信することとした。このため、表示手段により表示されているメインコンテンツの視聴を途中から初めたユーザのユーザ端末には、このユーザが見逃した部分の概要を示すダイジェストコンテンツが送信される。したがって、ユーザは、ダイジェストコンテンツを自身のユーザ端末で視聴して、見逃した部分の概要を認識することができる。
(12)本発明は、(1)〜(11)のいずれかのコンテンツ提示システムについて、前記表示手段によるメインコンテンツの表示中に前記視聴ユーザ識別手段により識別できなくなったユーザ(例えば、後述の途中離脱ユーザに相当)が発生すると、当該表示中のメインコンテンツのうち、当該ユーザを識別できなくなってから、末尾までの部分について、概要を示すダイジェストコンテンツを生成する第2のダイジェストコンテンツ生成手段(例えば、図3のダイジェストコンテンツ生成部8に相当)と、前記第2のダイジェストコンテンツ生成手段により生成されたダイジェストコンテンツを、前記識別できなくなったユーザのユーザ端末に送信する第2のダイジェストコンテンツ送信手段(例えば、図2の通信部1に相当)と、を備えることを特徴とするコンテンツ提示システムを提案している。
この発明によれば、コンテンツ提示システムに、第2のダイジェストコンテンツ生成手段および第2のダイジェストコンテンツ送信手段を設けた。そして、第2のダイジェストコンテンツ生成手段により、表示手段によるメインコンテンツの表示中に視聴ユーザ識別手段により識別できなくなったユーザが発生すると、表示中のメインコンテンツのうち、ユーザを識別できなくなってから、末尾までの部分について、概要を示すダイジェストコンテンツを生成することとした。また、第2のダイジェストコンテンツ送信手段により、第2のダイジェストコンテンツ生成手段により生成されたダイジェストコンテンツを、識別できなくなったユーザのユーザ端末に送信することとした。このため、表示手段により表示されているメインコンテンツの視聴を途中で止めたユーザのユーザ端末には、このユーザが見逃した部分の概要を示すダイジェストコンテンツが送信される。したがって、ユーザは、ダイジェストコンテンツを自身のユーザ端末で視聴して、見逃した部分の概要を認識することができる。
本発明によれば、複数のユーザで構成されるグループにおいて、これら複数のユーザの全てが納得できるコンテンツを提示でき、その結果、グループ全体の満足度を向上できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素などとの置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
<コンテンツ提示システムAAの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ提示システムAAの概略構成を示す図である。コンテンツ提示システムAAは、ユーザUAが所有するユーザ端末TAと、ユーザUBが所有するユーザ端末TBと、ユーザUCが所有するユーザ端末TCと、ユーザ端末TA〜TCと通信可能に設けられたセットトップボックスSTBと、セットトップボックスSTBと通信可能に設けられたサーバSと、コンテンツを表示するディスプレイDと、を備える。
ユーザ端末TA〜TCのそれぞれは、画像を表示する表示画面T1と、ユーザが操作可能に設けられた操作部T2と、セットトップボックスSTBと通信する通信部(図示省略)と、を備える。ユーザ端末TA〜TCのそれぞれは、所定時間が経過するたびに、ユーザ端末TA〜TCごとに固有の信号を近距離無線通信でセットトップボックスSTBに送信する。また、ユーザ端末TA〜TCのそれぞれは、セットトップボックスSTBと近距離無線通信可能な範囲にある場合には、ユーザによる操作部T2の操作に応じて、セットトップボックスSTBに信号を送信したり、セットトップボックスSTBから信号を受信したりする。
ディスプレイDは、セットトップボックスSTBと接続されており、表示画面D1に、セットトップボックスSTBから受信した後述のメインコンテンツや後述の2次コンテンツを表示する。
セットトップボックスSTBは、ディスプレイDの近傍に配置される。ここで、例えばユーザ端末TAから送信されたユーザ端末TAに固有の信号をセットトップボックスSTBが受信した場合、ユーザ端末TAは、セットトップボックスSTBが近傍に配置されたディスプレイDの比較的近くにあり、このユーザ端末TAを所持しているユーザUAは、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツを視聴できる範囲にいるということである。そこで、セットトップボックスSTBは、ユーザ端末TA〜TCごとに固有の信号を近距離無線通信で受信するか否かにより、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツを視聴中であるユーザを識別する。
サーバSは、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツを視聴中であるとセットトップボックスSTBにより識別された全てのユーザが納得できるメインコンテンツや2次コンテンツを決定する。また、サーバSは、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツを視聴中であるとセットトップボックスSTBにより識別されたユーザごとに、これら各ユーザが納得できる後述の3次コンテンツを決定する。これらサーバSにより決定されたメインコンテンツおよび2次コンテンツは、セットトップボックスSTBを介して、ディスプレイDに送信される。また、サーバSにより決定された3次コンテンツは、セットトップボックスSTBを介して、対応するユーザのユーザ端末に送信される。
また、サーバSは、メインコンテンツの視聴を途中から始めたり途中で止めたりしたユーザが見逃した部分について、この部分の概要を示すダイジェストコンテンツを生成する。サーバSにより生成されたダイジェストコンテンツは、セットトップボックスSTBを介して、対応するユーザのユーザ端末に送信される。
<セットトップボックスSTBの構成>
図2は、セットトップボックスSTBの構成を示すブロック図である。セットトップボックスSTBは、通信部1および視聴ユーザ識別部2を備える。
通信部1は、ユーザ端末TA〜TCのそれぞれに設けられた通信部(図示省略)と通信する。具体的には、所定時間が経過するたびに近距離無線通信でユーザ端末TA〜TCから送信されるユーザ端末TA〜TCごとに固有の信号のうち、セットトップボックスSTBと近距離無線通信可能な範囲にあるユーザ端末から送信されるものを近距離無線通信で受信する。また、ユーザ端末TA〜TCのうちセットトップボックスSTBと近距離無線通信可能な範囲にあるものにおいて、操作部T2がユーザにより操作されると、操作内容に応じた信号を近距離無線通信で受信する。また、ユーザ端末TA〜TCのうち対応するものに3次コンテンツやダイジェストコンテンツを送信する。
また、通信部1は、ディスプレイDと通信する。具体的には、ディスプレイDに、表示画面D1で表示させるメインコンテンツや2次コンテンツを送信する。
また、通信部1は、サーバSに設けられた後述の通信部3と通信する。具体的には、後述の視聴ユーザ識別部2により視聴中であると識別されたユーザを示す情報をサーバSに送信する。また、サーバSにより決定されたメインコンテンツを示す情報や2次コンテンツをサーバSから受信し、受信した情報に応じたメインコンテンツや2次コンテンツを、ディスプレイDに送信する。また、サーバSにより決定された3次コンテンツや、サーバSにより生成されたダイジェストコンテンツをサーバSから受信し、受信した3次コンテンツやダイジェストコンテンツを、ユーザ端末TA〜TCのうち対応するものに送信する。
視聴ユーザ識別部2は、ユーザ端末TA〜TCごとに固有の信号を受信するか否かにより、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツを視聴中であるユーザを識別する。具体的には、例えば、ユーザ端末TAに固有の信号が通信部1で受信されると、視聴ユーザ識別部2は、ユーザ端末TAを所持するユーザUAを、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツを視聴中のユーザとして識別する。
なお、視聴ユーザ識別部2は、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツの視聴を途中から始めたユーザを、途中参加ユーザとして識別する。具体的には、例えば、メインコンテンツの表示が開始されてから終了するまでの期間に、ユーザ端末TBに固有の信号が通信部1で新たに受信されるようになると、ユーザ端末TBのユーザUBを途中参加ユーザとして識別する。
また、視聴ユーザ識別部2は、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツの視聴を途中で止めたユーザを、途中離脱ユーザとして識別する。具体的には、例えば、メインコンテンツの表示が開始されてから終了するまでの期間に、ユーザ端末TCに固有の信号が通信部1で受信できなくなると、ユーザ端末TCのユーザUCを途中離脱ユーザとして識別する。
<サーバSの構成>
図3は、サーバSの構成を示すブロック図である。サーバSは、通信部3、嗜好推定部4、メインコンテンツ決定部5、2次コンテンツ決定部6、3次コンテンツ決定部7、およびダイジェストコンテンツ生成部8を備える。
通信部3は、セットトップボックスSTBに設けられた通信部1と通信する。具体的には、通信部1から送信された視聴中のユーザを示す情報を受信する。また、後述のメインコンテンツ決定部5により決定されたメインコンテンツを示す情報や、後述の2次コンテンツ決定部6により決定された2次コンテンツや、後述の3次コンテンツ決定部7により決定された3次コンテンツや、後述のダイジェストコンテンツ生成部8により生成されたダイジェストコンテンツを、セットトップボックスSTBに送信する。
嗜好推定部4は、通信部3により受信された視聴中のユーザを示す情報に基づいて、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツを視聴中である各ユーザのコンテンツ嗜好を推定するとともに、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツを視聴中である全てのユーザで構成されるグループのコンテンツ嗜好を推定する。この嗜好推定部4の詳細については、図8を用いて後に詳述する。
メインコンテンツ決定部5は、嗜好推定部4により推定された視聴中のグループのコンテンツ嗜好に基づいて、このグループに属する全てのユーザ、すなわち視聴中である全てのユーザが納得できるメインコンテンツを複数のメインコンテンツの中から決定する。ここで、メインコンテンツとは、例えば、メインコンテンツ記憶部(図示省略)に記憶されている映像や、アンテナ部(図示省略)で受信した地上デジタル放送の映像のことである。メインコンテンツ決定部5により、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツとは異なるメインコンテンツが決定されると、決定されたメインコンテンツを示す情報がセットトップボックスSTBに送信され、この情報に応じたメインコンテンツが、セットトップボックスSTBからディスプレイDに送信され、表示画面D1に表示される。このメインコンテンツについては、図4〜7を用いて後に詳述する。
2次コンテンツ決定部6は、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツと、嗜好推定部4により推定された視聴中のグループのコンテンツ嗜好と、に基づいて、表示中のメインコンテンツに関連しかつ視聴中の全てのユーザが納得できる2次コンテンツを、複数の2次コンテンツの中から決定する。ここで、2次コンテンツとは、例えば、広告やWeb情報のことである。2次コンテンツ決定部6により2次コンテンツが決定されると、決定された2次コンテンツが、セットトップボックスSTBを介してディスプレイDに送信され、表示画面D1に表示される。この2次コンテンツについては、図4〜7を用いて後に詳述する。
3次コンテンツ決定部7は、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツと、嗜好推定部4により推定された視聴中の各ユーザのコンテンツ嗜好と、に基づいて、表示中のメインコンテンツに関連しかつ視聴中のユーザが納得できる3次コンテンツを、視聴中のユーザごとに、複数の3次コンテンツの中から決定する。ここで、3次コンテンツとは、例えば、広告やWeb情報のことである。3次コンテンツ決定部7により3次コンテンツが決定されると、決定された3次コンテンツが、セットトップボックスSTBを介してユーザ端末TA〜TCのうち対応するものに送信され、表示画面T1に表示される。この3次コンテンツについては、図4〜7を用いて後に詳述する。
ダイジェストコンテンツ生成部8は、視聴ユーザ識別部2により途中参加ユーザや途中離脱ユーザが識別されると、表示中のメインコンテンツのうち途中参加ユーザや途中離脱ユーザが見逃した部分の概要を示すダイジェストコンテンツを生成する。具体的には、例えば、視聴ユーザ識別部2によりユーザUBが途中参加ユーザとして識別されると、ディスプレイDの表示画面D1に表示中のメインコンテンツのうち、先頭から、ユーザUBが途中参加ユーザとして識別されるまでの部分を、1以上の静止画像に要約し、ダイジェストコンテンツとして生成する。また、例えば、視聴ユーザ識別部2によりユーザUCが途中離脱ユーザとして識別されると、ディスプレイDの表示画面D1に表示中のメインコンテンツのうち、ユーザUCが途中離脱ユーザとして識別されてから、末尾までの部分を、1以上の静止画像に要約し、ダイジェストコンテンツとして生成する。なお、ダイジェストコンテンツの生成は、例えば、特開2009−76970号公報に開示されている手法を用いて行われる。ダイジェストコンテンツ生成部8によりダイジェストコンテンツが生成されると、生成されたダイジェストコンテンツが、セットトップボックスSTBを介してユーザ端末TA〜TCのうち対応するものに送信され、表示画面T1に表示される。このダイジェストコンテンツについては、図4〜7を用いて後に詳述する。
以下に、図4〜7を用いて、上述のメインコンテンツ、2次コンテンツ、3次コンテンツ、およびダイジェストコンテンツについて説明する。
図4は、ディスプレイDの表示画面D1に表示されているメインコンテンツをユーザUAとユーザUBとが視聴している状態を示している。
ディスプレイDの表示画面D1の略中央には、メインコンテンツCON1が表示されている。ディスプレイDの表示画面D1のうち、メインコンテンツCON1が表示されている領域の上方には、ユーザUAが視聴していることを示すアイコンIAと、ユーザUBが視聴していることを示すアイコンIBと、が表示されている。
ディスプレイDの表示画面D1のうち、メインコンテンツCON1が表示されている領域の右方には、2次コンテンツ決定部6により決定されたWeb情報CON21Aが表示され、メインコンテンツCON1が表示されている領域の下方には、2次コンテンツ決定部6により決定された広告CON22Aが表示されている。ユーザUAは、ユーザ端末TAの操作部T2を操作することで、Web情報CON21Aや広告CON22Aを選択して、選択したものに応じた情報をディスプレイDの表示画面D1に表示させることができる。これによれば、例えば、Web情報CON21AがURL(Uniform Resource Locator)である場合には、ユーザUAにより選択されたURLのウェブページが、ディスプレイDの表示画面D1のうちWeb情報CON21Aが表示されていた領域に表示されることとなる。ユーザUBについても、ユーザUAと同様に、Web情報CON21Aや広告CON22Aを選択して、選択したものに応じた情報をディスプレイDの表示画面D1に表示させることができる。
ユーザUAのユーザ端末TAの表示画面T1には、3次コンテンツCON3Aが表示され、ユーザUBのユーザ端末TBの表示画面T1には、3次コンテンツCON3Bが表示されている。ユーザUAは、ユーザ端末TAの操作部T2を操作することで、3次コンテンツCON3Aを選択して、選択したものに応じた情報をユーザ端末TAの表示画面T1に表示させることができる。これによれば、例えば、3次コンテンツCON3AがURLである場合には、ユーザUAにより選択されたURLのウェブページが表示されることとなる。ユーザUBについても、ユーザUAと同様に、3次コンテンツCON3Bを選択して、選択したものに応じた情報をユーザ端末TBの表示画面T1に表示させることができる。
ここで、例えば、メインコンテンツCON1として、汐留の情報を紹介する番組が表示されている場合について説明する。この場合、Web情報CON21Aとしては、汐留の観光スポットや飲食店の情報のうち、ユーザUAおよびユーザUBの双方が納得できるものを記したウェブページのURLが表示される。また、広告CON22Aとしては、汐留の観光スポットや飲食店の広告のうち、ユーザUAおよびユーザUBの双方の納得できるものが表示される。
また、3次コンテンツCON3Aとしては、汐留の観光スポットや飲食店の情報のうち、ユーザUAが納得できるものを記したウェブページのURLが表示される。また、3次コンテンツCON3Bとしては、汐留の観光スポットや飲食店の情報のうち、ユーザUBが納得できるものを記したウェブページのURLが表示される。より具体的には、例えば、嗜好推定部4により推定されたユーザUAのコンテンツ嗜好が日本酒に関するコンテンツであり、嗜好推定部4により推定されたユーザUBのコンテンツ嗜好がファッションに関するコンテンツであるものとする。この場合、3次コンテンツCON3Aとして、日本酒を飲むことのできる汐留にある飲食店の情報を記したウェブページのURLが、ユーザUAのユーザ端末TAの表示画面T1に表示される。一方、3次コンテンツCON3Bとして、洋服や装飾品を販売する汐留にある販売店の情報を記したウェブページのURLが、ユーザUBのユーザ端末TBの表示画面T1に表示される。
図5は、図4の状態で所定時間が経過した後、ディスプレイDの表示画面D1に表示されているメインコンテンツをユーザUCが視聴し始めた状態を示している。
ここで、図4においてディスプレイDの表示画面D1に表示されていたメインコンテンツCON1は、図5においても表示されている。これは、メインコンテンツ決定部5により決定されたユーザUA〜UCの全てが納得できるメインコンテンツが、図4においてディスプレイDの表示画面D1に表示されていたメインコンテンツCON1と同一となったためである。
一方、ディスプレイDの表示画面D1のうち、メインコンテンツCON1が表示されている領域の上方には、上述のアイコンIA、IBだけでなく、ユーザUCが視聴していることを示すアイコンICも表示されている。
また、図4においてディスプレイDの表示画面D1に表示されていたWeb情報CON21Aおよび広告CON22Aは、それぞれ、Web情報CON21Bおよび広告CON22Bに置き換わっている。Web情報CON21Bとしては、汐留の観光スポットや飲食店の情報のうち、ユーザUAおよびユーザUBだけでなくユーザUCも納得できるものを記したウェブページのURLが表示されている。また、広告CON22Bとしては、汐留の観光スポットや飲食店の広告のうち、ユーザUAおよびユーザUBだけでなくユーザUCも納得できるものが表示されている。
また、ユーザUCのユーザ端末TCの表示画面T1には、メインコンテンツCON1のうち、先頭から、ユーザUCが視聴を開始するまでの部分について、要約したダイジェストコンテンツを視聴できることを示す情報が表示されている。ダイジェストコンテンツを視聴することをユーザUCが選択した場合には、ユーザUCのユーザ端末TCの表示画面T1には、このダイジェストコンテンツが表示されることとなる。一方、ダイジェストコンテンツを視聴しないことをユーザUCが選択した場合には、ユーザUCのユーザ端末TCの表示画面T1には、図6に示すように、3次コンテンツCON3Cが表示されることとなる。
3次コンテンツCON3Cとしては、汐留の観光スポットや飲食店の情報のうち、ユーザUCが納得できるものを記したウェブページのURLが表示される。より具体的には、例えば、嗜好推定部4により推定されたユーザUCのコンテンツ嗜好が書籍に関するコンテンツである場合、3次コンテンツCON3Cとして、書籍を販売する汐留にある書店の情報を記したウェブページのURLが、ユーザUCのユーザ端末TCの表示画面T1に表示される。
図7は、図6の状態で所定時間が経過した後、ディスプレイDの表示画面D1に表示されているメインコンテンツを視聴するのをユーザUBが止めた状態を示している。
ここで、図6においてディスプレイDの表示画面D1に表示されていたメインコンテンツCON1は、図7においても表示されている。これは、メインコンテンツ決定部5により決定されたユーザUA、UCの双方が納得できるメインコンテンツが、図6においてディスプレイDの表示画面D1に表示されていたメインコンテンツCON1と同一となったためである。
一方、ディスプレイDの表示画面D1のうち、メインコンテンツCON1が表示されている領域の上方には、上述のアイコンIA、ICが表示され、ユーザUBが視聴していることを示すアイコンIBが表示されていない。
また、図6においてディスプレイDの表示画面D1に表示されていたWeb情報CON21Bおよび広告CON22Bは、それぞれ、Web情報CON21Cおよび広告CON22Cに置き換わっている。Web情報CON21Cとしては、汐留の観光スポットや飲食店の情報のうち、ユーザUAおよびユーザUCの双方が納得できるものを記したウェブページのURLが表示されている。また、広告CON22Cとしては、汐留の観光スポットや飲食店の広告のうち、ユーザUAおよびユーザUCの双方が納得できるものが表示されている。
また、ユーザUBのユーザ端末TBの表示画面T1には、ユーザUBが、再度、何らかのメインコンテンツを視聴中であると視聴ユーザ識別部2により識別された際に、メインコンテンツCON1のうち、ユーザUBが視聴を止めてから、末尾までの部分について、要約したダイジェストコンテンツが表示される。
<嗜好推定部4の構成>
図8は、嗜好推定部4の構成を示すブロック図である。嗜好推定部4は、ユーザ固有情報記憶部40、ユーザ固有情報更新部41、個人嗜好初期モデル生成部42、グループ固有情報記憶部43、グループ固有情報更新部44、グループ嗜好初期モデル生成部45、個人嗜好推定モデル生成部46、グループ嗜好推定モデル生成部47、グループ意志決定モデル生成部48、およびコンテンツ嗜好推定部49を備える。
ユーザ固有情報記憶部40は、セットトップボックスSTBと近距離無線通信を行ったことのある全てのユーザ端末のユーザ、すなわちセットトップボックスSTBを利用した全てユーザの利用履歴、評価履歴、およびアンケート情報をそれぞれ記憶する。
ユーザ固有情報更新部41は、通信部1によりユーザ端末との近距離無線通信が行われると、近距離無線通信の内容に応じて、ユーザ固有情報記憶部40に記憶されている情報のうち近距離無線通信を行ったユーザ端末のユーザのものを、近距離無線通信の内容に応じて更新する。また、メインコンテンツ決定部5によりメインコンテンツが決定されると、ユーザ固有情報記憶部40に記憶されている情報のうち、メインコンテンツが決定された時点で視聴ユーザ識別部2により識別されているユーザのものを更新する。また、2次コンテンツ決定部6により2次コンテンツが決定されると、ユーザ固有情報記憶部40に記憶されている情報のうち、2次コンテンツが決定された時点で視聴ユーザ識別部2により識別されているユーザのものを更新する。また、3次コンテンツ決定部7により3次コンテンツが決定されると、ユーザ固有情報記憶部40に記憶されている情報のうち、3次コンテンツが決定されたユーザ端末のユーザのものを更新する。このユーザ固有情報更新部41による更新により、セットトップボックスSTBを利用した各ユーザの情報がユーザ固有情報記憶部40に蓄積されることとなる。
図9を用いて、個人嗜好初期モデル生成部42について説明する。個人嗜好初期モデル生成部42は、一般的なユーザのコンテンツ嗜好を推定するためのモデルである個人嗜好推定初期モデルを生成する。具体的には、まず、ユーザ固有情報記憶部40に記憶されているユーザの利用履歴、評価履歴、およびアンケート情報から、個人学習初期データを生成する。
次に、生成した個人学習初期データに基づいて、ベイジアンネットワークやニューラルネットワーク、サポートベクターマシーンなどの識別器による個人嗜好推定初期モデルを生成する。より詳細には、まず、個人学習初期データに含まれる肯定評価データを利用して、ユーザ属性および状況属性から好まれそうなコンテンツ属性を予測するポジティブモデルを生成するとともに、個人学習初期データに含まれる否定評価データを利用して、ユーザ属性および状況属性から嫌われそうなコンテンツ属性を予測するネガティブモデルを生成する。次に、これらポジティブモデルおよびネガティブモデルを用いて、個人嗜好推定初期モデルを生成する。
図8に戻って、グループ固有情報記憶部43は、近距離無線通信が行われた時点で視聴ユーザ識別部2により識別されたユーザで構成されるグループ、すなわちセットトップボックスSTBを利用した全てのグループの利用履歴、評価履歴、およびアンケート情報を記憶する。ここで、例えば、ユーザPと、ユーザPの妻であるユーザQと、ユーザPおよびユーザQの子供であるユーザRと、の3人がいる家庭には、ユーザPは、ユーザPとユーザQとで構成される夫婦のグループと、ユーザPとユーザRとで構成される父子のグループと、ユーザPとユーザQとユーザRとで構成される家族のグループと、の3つのグループが存在することになる。ユーザPのユーザ端末と近距離無線通信が行われた際に、視聴ユーザ識別部2によりユーザPだけでなくユーザQおよびユーザRが識別されていれば、グループ固有情報記憶部43は、上述の家族のグループ利用履歴、評価履歴、およびアンケート情報として、ユーザPが操作した際の利用履歴、評価履歴、およびアンケート情報を記憶する。
グループ固有情報更新部44は、通信部1によりユーザ端末との近距離無線通信が行われると、近距離無線通信の内容に応じて、ユーザ固有情報記憶部40に記憶されている情報のうち、近距離無線通信を行ったユーザ端末のユーザと、このユーザと一緒にメインコンテンツを視聴しているユーザと、で構成されるグループのものを、近距離無線通信の内容に応じて更新する。また、メインコンテンツ決定部5によりメインコンテンツが決定されると、ユーザ固有情報記憶部40に記憶されている情報のうち、メインコンテンツが決定された時点で視聴ユーザ識別部2により識別された全てのユーザで構成されるグループのものを更新する。また、2次コンテンツ決定部6により2次コンテンツが決定されると、ユーザ固有情報記憶部40に記憶されている情報のうち、2次コンテンツが決定された時点で視聴ユーザ識別部2により識別された全てのユーザで構成されるグループのものを更新する。また、3次コンテンツ決定部7により3次コンテンツが決定されると、ユーザ固有情報記憶部40に記憶されている情報のうち、3次コンテンツが決定されたユーザ端末のユーザのものを更新する。このグループ固有情報更新部44による更新により、セットトップボックスSTBを利用した各グループの情報がグループ固有情報記憶部43に蓄積されることとなる。
図10を用いて、グループ嗜好初期モデル生成部45について説明する。グループ嗜好初期モデル生成部45は、一般的なグループのコンテンツ嗜好を推定するためのモデルであるグループ嗜好推定初期モデルを生成する。具体的には、まず、グループ固有情報記憶部43に記憶されているグループの対象パターンごとの利用履歴、評価履歴、およびアンケート情報から、グループの対象パターンごとにグループ学習初期データを生成する。
次に、グループの対象パターンごとに、生成したグループ学習初期モデルに基づいて、ベイジアンネットワークやニューラルネットワーク、サポートベクターマシーンなどの識別器によるグループ嗜好推定初期モデルを生成する。より詳細には、まず、グループ学習初期データに含まれる肯定評価データを利用して、グループ属性(人数や、小学生以下の子供の有無など)および状況属性から好まれそうなコンテンツ属性を予測するポジティブモデルを生成するとともに、グループ学習初期データに含まれる否定評価データを利用して、グループ属性および状況属性から嫌われそうなコンテンツ属性を予測するネガティブモデルを生成する。次に、これらポジティブモデルおよびネガティブモデルを用いて、グループの対象パターンごとに、グループ嗜好推定初期モデルを生成する。
図11を用いて、個人嗜好推定モデル生成部46について説明する。個人嗜好推定モデル生成部46は、自身のユーザ端末を操作するユーザごとに、固有のコンテンツ嗜好を推定するためのモデルである個人嗜好推定モデルを生成する。具体的には、自身のユーザ端末を操作するユーザのうちユーザX固有の個人嗜好推定モデルを生成する場合、まず、ユーザ固有情報記憶部40に記憶されているユーザX固有の利用履歴、評価履歴、およびアンケート情報から、ユーザX固有の個人学習データを生成する。次に、ユーザX固有の個人学習データをN倍(ただし、Nは実数)し、N倍した個人学習データと、個人嗜好初期モデル生成部42により生成された個人学習初期データと、を合成する。次に、N倍した個人学習データと個人学習初期データとを合成したものに基づいて、個人嗜好推定初期モデルの各パラメータを更新して、ユーザX固有の個人嗜好推定モデルとする。以上により、ユーザX固有の個人嗜好推定モデルが生成される。
図12を用いて、グループ嗜好推定モデル生成部47について説明する。グループ嗜好推定モデル生成部47は、グループごとに、固有のコンテンツ嗜好を推定するための第1のモデルであるグループ嗜好推定モデルを生成する。具体的には、自身のユーザ端末を操作するユーザが属する複数のグループのうちグループY固有のグループ嗜好推定モデルを生成する場合、まず、グループ固有情報記憶部43に記憶されているグループY固有の利用履歴、評価履歴、およびアンケート情報から、グループ学習データを生成する。次に、グループ学習データをM倍(ただし、Mは実数)し、M倍したグループ学習データと、グループ嗜好初期モデル生成部45により生成されたグループ学習初期データと、を合成する。次に、M倍したグループ学習データとグループ学習初期データとを合成したものに基づいて、グループ嗜好推定初期モデルの各パラメータを更新して、グループY固有のグループ嗜好推定初期モデルとする。以上により、グループY固有のグループ嗜好推定モデルが生成される。
図13を用いて、グループ意志決定モデル生成部48について説明する。グループ意志決定モデル生成部48は、グループごとに、固有のコンテンツ嗜好を推定するための第2のモデルであるグループ意志決定モデルを生成する。具体的には、グループY固有のグループ意志決定モデルを生成する場合、まず、後述の個人合算決定モデルや優先順位決定モデルといった予め定められた複数のモデルの中から1つを選択する。次に、個人嗜好推定モデル生成部46により生成されたグループYに属するユーザごとに固有の個人嗜好推定モデルと、グループY固有の情報と、に基づいて、選択したモデルの各パラメータを更新して、グループY固有のグループ意志決定モデルとする。以上により、グループY固有のグループ意志決定モデルが生成される。
なお、グループY固有の情報とは、例えば、優先順位決定モデルが選択された場合には、後述のユーザiの優先順位に応じた数値βiのことである。
図8に戻って、コンテンツ嗜好推定部49は、個人嗜好推定モデル生成部46により生成されたユーザXの個人嗜好推定モデルを用いて、ユーザX固有のコンテンツ嗜好を推定する。
コンテンツ嗜好推定部49は、グループ嗜好推定モデル生成部47により生成されたグループY固有のグループ嗜好推定モデルと、グループ意志決定モデル生成部48により生成されたグループY固有のグループ意志決定モデルと、のいずれかを用いて、グループY固有のコンテンツ嗜好を推定する。
グループ嗜好推定モデルとグループ意志決定モデルとのいずれを用いるかは、コンテンツ嗜好の推定結果に対するグループYのフィードバック回数に応じて決定される。具体的には、コンテンツ嗜好の推定結果に対してグループYが評価した回数が所定回数未満の場合には、グループ意志決定モデルを用い、コンテンツ嗜好の推定結果に対してグループYが評価した回数が所定回数以上の場合には、グループ嗜好推定モデルを用いる。
グループ嗜好推定モデルを用いる場合には、コンテンツ嗜好推定部49は、グループ嗜好推定モデル生成部47により生成されたグループY固有のグループ嗜好推定モデルに基づいて、グループY固有のコンテンツ嗜好を推定する。
一方、グループ意志決定モデルを用いる場合には、コンテンツ嗜好推定部49は、まず、個人嗜好推定モデル生成部46により生成されたグループYに属する各ユーザの個人嗜好推定モデルに基づいて、グループYに属するユーザごとに、コンテンツxに対するユーザiの評価値xiを算出する。次に、算出したコンテンツxに対するユーザiの評価値xiと、グループ意志決定モデル生成部48により生成されたグループY固有のグループ意志決定モデルと、に基づいて、グループY固有のコンテンツ嗜好を推定する。
また、グループ意志決定モデルを用いる場合には、ユーザによるユーザ端末の操作に応じて、各ユーザの嗜好のウェイトを変化させ、変化させたウェイトを、グループY固有のコンテンツ嗜好の推定に反映させる。
具体的には、例えば図5に示した状態において、ユーザ端末TA〜TCのそれぞれは、メインコンテンツの決定に自身の嗜好を反映させる度合いを大きくする「パワーUP」アイコンと、メインコンテンツの決定に自身の嗜好を反映させる度合いを小さくする「パワーDOWN」アイコンと、表示画面T1に表示する。そして、例えば、ユーザUAが「パワーUP」アイコンを選択した場合には、ユーザ端末TAは、「パワーUP」アイコンが選択されたこと示す情報を、セットトップボックスSTBを介してサーバSに送信する。すると、サーバSは、コンテンツ嗜好推定部49により、コンテンツxに対するユーザUAの評価値xUAに、予め定められた1より大きい係数を乗算し、この乗算結果を用いてグループY固有のコンテンツ嗜好を推定する。これによれば、コンテンツ嗜好推定部49により推定されたグループY固有のコンテンツ嗜好に、ユーザUAの嗜好が反映される度合いが、大きくなる。
また、例えば、ユーザUBが「パワーDOWN」アイコンを選択した場合には、ユーザ端末TBは、「パワーDOWN」アイコンが選択されたことを示す情報を、セットトップボックスSTBを介してサーバSに送信する。すると、サーバSは、コンテンツ嗜好推定部49により、コンテンツxに対するユーザUBの評価値xUBに、予め定められた1より小さい係数を乗算し、この乗算結果を用いてグループY固有のコンテンツ嗜好を推定する。これによれば、コンテンツ嗜好推定部49により推定されたグループY固有のコンテンツ嗜好に、ユーザUBの嗜好が反映される度合いが、小さくなる。
<個人合算決定モデル>
個人合算決定モデルは、グループYに属する各ユーザの評価値の合計が高いコンテンツを選別するためのモデルである。このモデルは、グループYに対するコンテンツxのグループYの推薦度をF(xi)とすると、式(1)のように表すことができる。
<優先順位決定モデル>
優先順位決定モデルは、グループYに属するユーザの間に優先順位がある場合に、この優先順位をコンテンツの選別に反映できるモデルであり、グループYに属する各ユーザの評価値と、優先順位に応じた数値と、を乗算したものの合計が高いコンテンツを選別するためのモデルである。このモデルは、グループYに対するコンテンツxの推薦度をF(βi、xi)とすると、式(2)のように表すことができる。
式(2)において、βiは、ユーザiの優先順位に応じた数値を示し、優先順位が高いほど数値が大きくなる。
以上のセットトップボックスSTBによれば、上述の嗜好推定部4を備えることにより、以下の効果を奏することができる。
個人合算決定モデルに基づいて生成したグループ意志決定モデルを用いて、グループのコンテンツ嗜好を推定する場合、グループを構成する各ユーザのコンテンツに対する評価値を算出し、算出結果をコンテンツ嗜好の推定に反映できる。このため、コンテンツ嗜好の推定に、グループを構成する各ユーザの特性を反映できるので、グループを構成する全てのユーザが納得できるコンテンツ嗜好を推定できる。
また、優先順位決定モデルに基づいて生成したグループ意志決定モデルを用いて、グループのコンテンツ嗜好を推定する場合、グループを構成する各ユーザのコンテンツに対する評価値だけでなく、グループ内での各ユーザの優先順位も、コンテンツ嗜好の推定に反映できる。このため、個人合算決定モデルに基づいて生成したグループ意志決定モデルを用いてグループのコンテンツ嗜好を推定する場合と比べて、コンテンツ嗜好の推定に、グループを構成する各ユーザの特性をさらに反映できる。
また、グループ嗜好推定モデルを用いてグループのコンテンツ嗜好を推定する場合、コンテンツ嗜好の推定に、グループY固有の利用履歴、評価履歴、およびアンケート情報を、反映できる。このため、グループを構成する全てのユーザが納得できるコンテンツ嗜好を推定できる。
また、グループ嗜好推定モデルとグループ意志決定モデルとのいずれを用いるかを、コンテンツ嗜好の推定結果に対するグループYのフィードバック回数に応じて決定する。このため、フィードバック回数が所定回数未満の場合には、グループY固有の利用履歴、評価履歴、およびアンケート情報が十分には蓄積できていないとして、グループ意志決定モデルを用いる。一方、フィードバック回数が所定回数以上の場合には、グループY固有の利用履歴、評価履歴、およびアンケート情報が十分に蓄積できているとして、グループ嗜好推定モデルを用いる。以上によれば、状況に応じて、グループ嗜好推定モデルとグループ意志決定モデルとを使い分けることができるので、グループを構成する全てのユーザがさらに納得できるコンテンツ嗜好を推定できる。
また、セットトップボックスSTBが利用されると、ユーザ固有情報更新部41により、セットトップボックスSTBを利用した各ユーザの利用履歴、評価履歴、およびアンケート情報に基づいて、ユーザ固有情報記憶部40に記憶されている情報を更新する。また、セットトップボックスSTBが利用されると、グループ固有情報更新部44により、セットトップボックスSTBを利用したグループの利用履歴、評価履歴、およびアンケート情報に基づいて、グループ固有情報記憶部43に記憶されている情報を更新する。以上によれば、セットトップボックスSTBが利用されるたびに、ユーザ固有情報記憶部40およびグループ固有情報記憶部43に記憶されている情報を更新できる。また、これらユーザ固有情報記憶部40およびグループ固有情報記憶部43に記憶されている情報を用いて、グループのコンテンツ嗜好を推定する。このため、コンテンツ嗜好の推定に、グループを構成するユーザやグループに固有の情報をより強く反映させることができ、グループを構成する全てのユーザの納得度を向上させることができる。
また、以上のコンテンツ提示システムAAによれば、以下の効果を奏することができる。
視聴ユーザ識別部2により、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツを視聴中であるユーザを識別する。そして、メインコンテンツ決定部5により、視聴ユーザ識別部2により識別された全てのユーザで構成されるグループのコンテンツ嗜好に基づいて、メインコンテンツを決定する。また、2次コンテンツ決定部6により、視聴ユーザ識別部2により識別された全てのユーザで構成されるグループのコンテンツ嗜好に基づいて、2次コンテンツを決定する。このため、ディスプレイDの表示画面D1でメインコンテンツが表示されている最中に、このメインコンテンツを視聴するユーザが増減しても、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツを視聴中であるユーザの全てのユーザに対して、これら全てのユーザが納得できるメインコンテンツおよび2次コンテンツを提示できる。
また、視聴ユーザ識別部2により、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツの視聴を途中から始めたユーザを、途中参加ユーザとして識別する。そして、ダイジェストコンテンツ生成部8により、視聴ユーザ識別部2により途中参加ユーザが識別されると、表示中のメインコンテンツのうち途中参加ユーザが見逃した部分の概要を示すダイジェストコンテンツを生成する。そして、通信部1により、生成したダイジェストコンテンツを途中参加ユーザのユーザ端末に送信する。このため、途中参加ユーザは、ダイジェストコンテンツを自身のユーザ端末で視聴して、見逃した部分の概要を認識することができる。
また、視聴ユーザ識別部2により、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツの視聴を途中で止めたユーザを、途中離脱ユーザとして識別する。そして、ダイジェストコンテンツ生成部8により、視聴ユーザ識別部2により途中離脱ユーザが識別されると、表示中のメインコンテンツのうち途中離脱ユーザが見逃した部分の概要を示すダイジェストコンテンツを生成する。そして、この途中離脱ユーザが、再度、何らかのメインコンテンツを視聴中であると視聴ユーザ識別部2により識別された際に、通信部1により、生成したダイジェストコンテンツを途中離脱ユーザのユーザ端末に送信する。このため、途中離脱ユーザは、ダイジェストコンテンツを自身のユーザ端末で視聴して、見逃した部分の概要を認識することができる。
なお、本発明のセットトップボックスSTBおよびサーバSの処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶し、記録媒体に記録されたプログラムをセットトップボックスSTBおよびサーバSに読み込ませ、実行することによって、本発明を実現できる。
また、上述のプログラムは、このプログラムを記憶装置などに格納したセットトップボックスSTBおよびサーバSから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネットなどのネットワーク(通信網)や電話回線などの通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上述のプログラムは、上述の機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述の機能をセットトップボックスSTBおよびサーバSにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計なども含まれる。
例えば、上述の実施形態では、メインコンテンツ決定部5により、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツとは異なるメインコンテンツが決定されると、決定されたメインコンテンツがディスプレイDの表示画面D1に表示されるものとしたが、これに限らない。例えば、メインコンテンツ決定部5により、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツとは異なるメインコンテンツが決定されると、新たなメインコンテンツの視聴を勧める旨の映像をディスプレイDの表示画面D1に表示させてもよい。これによれば、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツを視聴していたユーザは、これまで視聴していたメインコンテンツをそのまま視聴するのか、新たなメインコンテンツを視聴するのかを選択できる。
また、例えば、上述の実施形態では、途中離脱ユーザのユーザ端末へのダイジェストコンテンツの送信は、この途中離脱ユーザが、再度、何らかのメインコンテンツを視聴中であると視聴ユーザ識別部2により識別された際に、行われるものとしたが、これに限らない。例えば、途中離脱ユーザとして視聴ユーザ識別部2により識別されると、この途中離脱ユーザに対するダイジェストコンテンツを作成し、携帯電話網を利用して、この途中離脱ユーザのユーザ端末に送信してもよい。
また、上述の実施形態において、例えば、視聴ユーザ識別部2により、未成年のユーザを、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツを視聴中のユーザとして識別した場合には、メインコンテンツ決定部5や2次コンテンツ決定部6や3次コンテンツ決定部7は、成人向けのコンテンツを決定しないようにしてもよい。
また、例えば、上述の実施形態では、ユーザ端末TA〜TCのそれぞれは、所定時間が経過するたびに、ユーザ端末TA〜TCごとに固有の信号を近距離無線通信でセットトップボックスSTBに送信し、セットトップボックスSTBは、ユーザ端末TA〜TCごとに固有の信号を近距離無線通信で受信するか否かにより、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツを視聴中であるユーザを識別することとしたが、これに限らない。例えば、セットトップボックスSTBが、近距離無線通信で探索信号を出力し、この探索信号を受信したユーザ端末が、セットトップボックスSTBに応答信号を送信し、セットトップボックスSTBが、どのユーザ端末からの応答信号を受信したのかを識別することにより、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツを視聴中であるユーザを識別することとしてもよい。または、上述の所定時間が経過するたびにユーザ端末TA〜TCごとに固有の信号を近距離無線通信でユーザ端末TA〜TCから送信する方式と、上述の探索信号を近距離無線通信でセットトップボックスSTBから出力する方式と、を組み合わせて、ディスプレイDの表示画面D1で表示されているメインコンテンツを視聴中であるユーザを識別することとしてもよい。
また、例えば、上述の実施形態では、ダイジェストコンテンツは、1以上の静止画像で構成されるものとしたが、これに限らず、例えば動画像で構成されてもよい。
また、例えば、上述の実施形態では、メインコンテンツ決定部5、2次コンテンツ決定部6、3次コンテンツ決定部7、およびダイジェストコンテンツ生成部8の全てをサーバSに設けたが、これらのうち少なくとも一部をセットトップボックスSTBに設けてもよい。また、上述の実施形態では、個人嗜好推定モデル生成部46、グループ嗜好推定モデル生成部47、グループ意志決定モデル生成部48、およびコンテンツ嗜好推定部49の全てをサーバSに設けたが、これらのうち少なくとも一部をセットトップボックスSTBに設けてもよい。