JP2011061100A - 磁気シールド工法及び構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】
シールド性能の劣化が少なく且つ施工性に優れた磁気シールド工法及び構造を提供する。
【解決手段】
磁気シールド対象空間1の内面上に所定幅sの絶縁性受材3をその所定幅sより広い所定相互間隔Wで平行に複数段配置し、複数段の受材3の相互間隔Wにその間隔と嵌合する幅W´で所定長さLの複数の帯状磁性板10を長さ方向端縁で重ね合わせながら嵌め込み且つ嵌め込んだ帯状磁性板10を対象空間1の内面に固定してシールド面を形成する。好ましくは、対象空間1の第1中心軸線Xを囲む内周面とその第1中心軸線Xに所定間隔(W+s)で直交する複数の平行な直交面Lxとの交線上にそれぞれ所定幅sの絶縁性受材3を環状に配置して複数段の第1環状受材3xを形成し、第1環状受材3xの相互間隔Wに複数の帯状磁性板10を長さ方向端縁で重ね合わせながら環状に嵌め込むことにより対象空間1の周囲に複数段の第1環状磁気回路12xを形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は磁気シールド工法及び構造に関し、とくに建築物内の空間から漏洩する磁界又は空間内に侵入する磁界を遮蔽するための磁気シールド工法及び構造に関する。
建築物内の電気室には、変圧器・幹線ケーブル等の電気設備が数多く設置され、それらから発生する強い磁界(主に商用周波数の交流磁界)が存在している。一般的な建築物の構造(RC造の床・壁、軽量鉄骨造の壁・天井等)は磁界のシールド機能をほとんど有しておらず、電気室で発生する磁界が外部に漏洩して周辺の電子機器や人に悪影響を及ぼすおそれがある場合は、電気室を磁気が漏れない磁気シールド構造とすることが求められる。また、最近の医療施設・研究施設等の建築物では、MRI(磁気共鳴画像診断)装置、NMR(核磁気共鳴)装置等の強磁気利用装置を使用することが増えており、そのような強磁気利用装置の磁気的影響から周囲の人や機器を保護するため及び/又は強磁気利用装置を環境磁気ノイズから保護して正常な動作を保証するため、強磁気利用装置を使用する建築物内の空間を磁気シールド構造とする要求も増えている。
従来、建築物内に磁気シールド構造を構築する場合は、シールド対象空間の床、壁、天井の内面に透磁率μの高い電磁鋼板等の磁性材料板(以下、磁性板ということがある)を貼り付けて空間を覆う構造(以下、密閉型シールド構造という)とすることが一般的である(特許文献1参照)。対象空間内の磁界の分布性状や影響を受ける周辺の状況等が許す場合は、対象空間の一部分のみ(例えば、外部への漏洩を防止する壁面のみ等)を磁性板で覆って必要最小限のシールド性能を施す場合もあるが、一般に十分なシールド性能を確保するためには対象空間の床、壁、天井の全体を磁性板で隙間なく覆うことが必要である。従って、密閉型磁気シールドは基本的に隙間・開口のない構造であり、透視性、透光性、放熱性を確保することが難しい。
これに対し、簾状に並べた磁性板の群(以下、磁気シールド簾体という)を用いて透視性、透光性、放熱性を確保できる磁気シールド構造(以下、開放型シールド構造という)が開発されている(特許文献2〜4参照)。開放型シールド構造では、例えば図9(A)に示すように、比較的狭い幅(例えば50mm程度)の複数の短冊状磁性板(磁性シールドスティック)6を長さ方向中心軸Cが同一簾面F上にほぼ平行に並ぶように板厚方向間隔dで重ねた磁気シールド簾体7を基本構造とし、そのような複数の磁気シールド簾体7a、7b、7c、7dを各簾体7の対応する磁性板6の端縁の重ね合わせ(面接触、図中の符号9参照)によって磁気的に接合して磁気シールド簾体7の列(以下、列状簾体ということがある)8を形成する。また、その列状簾体8の一端側における磁性板6の未接合端縁を他端側の対応する磁性板6の未接合端縁と重ね合わせて接合することにより、図示例のようにシールド対象空間を囲む磁気的に閉じた環状構造とすることができる。
開放型シールド構造は、磁気シールド簾体7の短冊状磁性板6の板厚方向間隔dによって対象空間に開放性(透視性、透光性、放熱性)を与える。板厚方向間隔dは、磁性板6中の磁束の通りやすさ(磁性板のパーミアンス)が間隔d中の磁束の通りやすさ(間隔のパーミアンス)より大きくなるように、すなわち間隔dの断面積Saに対する磁性板6の断面積Smと比透磁率μsとの積(Sm・μs)の割合(Sm・μs/Sa)が1より大きくなるように設計する。実際には、その割合(Sm・μs/Sa)を要求されるシールド性能に応じて1より十分の大きくなるように選択することができる。また開放型シールド構造は、接合部の重ね合わせ(面接触)によって磁気シールド簾体7の相互間に高い磁気的連続性を確保することができ、図9(A)のように複数の磁気シールド簾体7を環状に結合した閉磁路(磁気回路)によって対象空間を囲むことにより、磁束(磁界)を磁気回路に集中させて漏洩を防ぎ、高いシールド効果を得ることができる(特許文献2参照)。従って開放型シールド構造は、密閉型シールド構造に比して開放性及び高いシールド性能という2つの特徴を備えた構造といえる。
特開平09−162585号公報 国際公開2004/084603号パンフレット 特開2006−351598号公報 特開2007−103854号公報
建築物内の電気室に磁気シールドを施す場合は、防火上の観点から空間全体を不燃材等で覆う必要があり、開放型シールド構造の開放性の特徴を生かすことができないので、上述した密閉型シールド構造を用いることが多い。しかし、従来の密閉型シールド構造は対象空間の内面に取り付ける磁性板の相互間に隙間が生じやすく、磁性板の材料特性から期待されるようなシールド性能がなかなか得られない問題点がある。すなわち、密閉型シールド構造で一般に用いる磁性板(電磁鋼板パネル)は910mm×910mm程度の大きさであり、かなりの重量(例えば45kg程度)があるため、とくに天井面に対して精度良く取り付けることが難しく、取り付けた磁性板の間に隙間が生じやすい。また、そのような隙間の発生を防ぐために、磁性板の周縁部を他の磁性板と一部重ねてビス留めする方法や磁性板の相互間に当て板を設置してビス留めする方法が採られているが、何れの方法もビス留め部分の磁性板は相互に密着させることができるものの、ビス留め以外の磁性板の周縁部分が大きく波打った状態となりやすく、やはり磁性板どうしの磁気的連続性を確保することができず、設計どおりのシールド性能が得られないこともしばしば経験されている。従って、従来の密閉型シールド構造は、磁性板間に隙間が生じることを前提としたうえで、磁性板の重ね枚数を増やしてシールド性能の劣化を防止せざるを得ず、使用する磁性板の増加によってコストアップの問題が生じうる。
これに対して電気室の磁気シールドを、上述したように高いシールド性能の開放型シールド構造として構築することも考えられる。しかし、電気室で発生する磁界は方向が一定でなく、様々な方向の磁界に対応できるシールド構造が必要となる場合が多い。図9(A)の開放型シールド構造は、短冊状磁性板6の設置方向が磁界の方向と揃っているときに大きなシールド効果を発揮するので、様々な方向の磁界に対応するためには、同図(B)のように設置方向(環状の中心軸方向)X、Y、Zの異なる複数の環状簾体8、8、8を入れ子状に組み合わせて多層構造(例えば、2層又は3層構造)とする必要がある(特許文献2参照)。開放型シールドで用いる短冊状磁性板6は幅が狭いので比較的軽量(例えば22kg程度)であるが、厚さ方向の剛性が小さいので扱いにくく、また図9(A)のように多数の短冊状磁性板6を長さ方向中心軸Cで同一簾面F上に位置合わせしながら並べる必要があり、同図(B)のような複数層の構造を組み立てるためには非常に手間がかかる。開放型シールド構造のような高い磁気的連続性を簡単に施工できる磁気シールド工法の開発が望まれている。
また、電気室の磁気シールド構造では、商用周波数の交流磁界に対して高いシールド性能を示すことが望まれる。しかし、図9(A)のような開放型シールド構造は、10Hz以下の低い周波数であれば環状の磁気回路に磁束を集中させて高いシールド性能を維持できるものの、商用周波数程度の比較的高い周波数になると電磁誘導に起因する渦電流が磁気回路に発生し、内部磁束を打ち消してシールド性能が劣化するおそれがある。電気室等で発生する様々な方向の交流磁界を対象とするためには、比較的周波数の高い交流磁界に対してもシールド性能が劣化しにくい磁気シールド構造が必要である。
そこで本発明の目的は、シールド性能の劣化が少なく且つ施工性に優れた磁気シールド工法及び構造を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、比較的周波数の高い交流磁界に対してもシールド性能が劣化しにくい磁気シールド工法及び構造を提供することにある。
図1の実施例を参照するに、本発明による磁気シールド工法は、磁気シールド対象空間1の内面1a(図6(B)参照)上に所定幅sの絶縁性受材3をその所定幅sより広い所定相互間隔Wで平行に複数段配置し、複数段の受材3の相互間隔Wにその間隔と嵌合する幅W´で所定長さLの複数の帯状磁性板10を長さ方向端縁で重ね合わせながら嵌め込み且つ嵌め込んだ帯状磁性板10を対象空間1の内面1aに固定してシールド面を形成してなるものである。
また、図1の実施例を参照するに、本発明による磁気シールド構造は、磁気シールド対象空間1の内面1a(図6(B)参照)上に所定幅sの絶縁性受材3をその所定幅sより広い所定相互間隔Wで平行に配置して形成した複数段の受材3、複数段の受材3の相互間隔Wにその間隔と嵌合する幅W´で所定長さLの複数の帯状磁性板10を長さ方向端縁で重ね合わせながら嵌め込むことにより形成した複数段の帯状磁性板10、及び複数段の帯状磁性板10を対象空間の内面1aに固定する固定具17(図6(C)及び(D)参照)を備えてなるものである。
好ましくは、図1及び図2に示すように、シールド対象空間1の第1中心軸線Xを囲む内周面1aとその第1中心軸線Xに所定間隔(W+s)で直交する複数の平行な直交面Lxとの交線上にそれぞれ所定幅sの絶縁性受材3を環状に配置して複数段の第1環状受材3xを形成し、第1環状受材3xの相互間隔Wに複数の帯状磁性板10を長さ方向端縁で重ね合わせながら環状に嵌め込むことにより、シールド対象空間1の周囲に複数段の第1環状磁気回路12x(図4(A)参照)を形成する。
更に好ましくは、図2に示すように、第1中心軸線Xと交差する第2中心軸線Y(又はZ)を囲むシールド対象空間1及び第1環状受材3xの内周面1aとその第2中心軸線Y(又はZ)に所定間隔(W+s)で直交する複数の平行な直交面Ly(又はLz)との交線上にそれぞれ所定幅sの絶縁性受材3を環状に配置して複数段の第2環状受材3y(又は3z)を形成し、第2環状受材3y(又は3z)の相互間隔Wに複数の帯状磁性板10を長さ方向端縁で重ね合わせながら環状に嵌め込むことにより、シールド対象空間1の周囲に複数段の第1環状磁気回路12xと複数段の第2環状磁気回路12y(又は12z)(図4(B)及び図4(C)参照)とを入れ子状に形成する。
望ましくは、図2に示すような第1環状受材3x又は第2環状受材3y(又は3z)の相互間隔Wに、帯状磁性板10に代えて帯状導電板14(図1参照)を長さ方向端縁で電気的に導通させながら環状に嵌め込むことにより、シールド対象空間1の周囲に複数段の環状磁気回路12x(図4参照)と複数段の環状電気回路15y(又は15z)(図5参照)とを入れ子状に形成する。
そのように環状磁気回路12x及び環状電気回路15y(又は15z)を入れ子状に形成する工法及び構造に代えて、図1及び図2のような磁気シールド構造において、帯状磁性板10をその磁性板10と同じ幅の導電板14が積層された帯状積層板(10+14)とし、その帯状積層板(10+14)を長さ方向端縁で重ね合わせながら環状に接合することにより、環状磁気回路12x(図4参照)及び環状電気回路15x(図5参照)を形成してもよい。或いは、図1及び図2のような磁気シールド構造において、帯状磁性板10を全体が絶縁被覆され且つ長さ方向端縁の絶縁被覆が剥離された電磁鋼板とし、その電磁鋼板を長さ方向端縁で重ね合わせながら環状に接合することにより、環状磁気回路12x(図4参照)及び環状電気回路15x(図5参照)を形成してもよい。
本発明による磁気シールド工法及び構造は、磁気シールド対象空間1の内面上に所定相互間隔Wで複数段の絶縁性受材3を平行に配置し、その受材3の間隔Wにその間隔と嵌合する幅W´の複数の帯状磁性板10を長さ方向端縁で接合して嵌め込み、嵌め込んだ帯状磁性板10を対象空間1の内面に固定してシールド面を形成するので、次の効果を奏する。
(イ)予め複数段の絶縁性受材3を配置したうえで、その受材3の間に帯状磁性板10を嵌め込んでシールド構造とするので、磁性板10を設計位置に簡単に位置決めして精度良く配置することができ、シールド構造の施工性の向上が図れる。
(ロ)また、複数の帯状磁性板10を受材3の間に嵌め込んだ上で、隣接する磁性板10の長さ方向端縁を重ね合わせてシールド対象空間1の内面に固定することにより、磁性板10を高い磁気的連続性で相互に接合させ、シールド性能が劣化しにくいシールド構造とすることができる。
(ハ)シールド対象空間1の内周面1aに複数段の絶縁性受材3及び帯状磁性板10を環状に配置して環状磁気回路12を形成することにより、磁界を磁気回路に集中させて漏洩を防ぎ、高いシールド効果を得ることができる。
(ニ)また、第1の絶縁性受材3及び帯状磁性板10を配置したシールド対象空間1の内周面1aに、更に第2の絶縁性受材3及び帯状磁性板10を異なる中心軸線方向で環状に配置して第2の環状磁気回路12を入れ子状に形成することにより、様々な方向の磁界に対応できるシールド構造とすることができる。
(ホ)第1又は第2の帯状磁性板10に代えて帯状導電板14を環状に嵌め込み、対象空間1の周囲に環状磁気回路12xと環状電気回路15yとを入れ子状に配置することにより、比較的周波数の高い交流磁界に対してもシールド性能が劣化しにくい磁気シールド構造とすることができる。
(ヘ)また、第1及び/又は第2の帯状磁性板10に代えて同じ幅の導電板14が積層された帯状積層板(10+14)を用い、対象空間1の周囲に環状磁気回路12x及び環状電気回路15xを配置することにより、すべての方向の磁界に対応可能な磁気シールド構造の施工コストの低減を図ることができる。
(ト)電気室の磁気シールドのみならず、医療施設・研究施設等の建築物における強磁気利用装置(MRI装置・NMR装置等)を使用する建築物内空間の磁気シールドにも適用可能であり、直流変動、交流等の様々な磁界のシールドにも応用できる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態及び実施例を説明する。
本発明による磁気シールド構造の一実施例の説明図である。 複数の環状磁気回路を入れ子状に形成する本発明の実施例の説明図である。 全体が絶縁被覆された電磁鋼板を用いて環状磁気回路及び環状電気回路を構成する工法の説明図である。 シールド対象空間の周囲に入れ子状に形成する環状磁気回路の説明図である。 シールド対象空間の周囲に入れ子状に形成する環状電気回路の説明図である。 本発明による磁気シールド工法の説明図である。 図6に続く本発明による磁気シールド工法の他の説明図である。 帯状磁性板の長さ方向端縁の重ね合わせ方法の説明図である。 従来の開放型シールド構造の説明図である。
図1は、本発明の磁気シールド構造を建築物内のシールド対象空間1に適用したシールド空間1の実施例を示す。図示例は、対象空間1内で発生する主にY方向及びZ方向の磁界を対象とし、対象空間1の中心点Oを通るX方向軸線(以下、中心軸線Xという)を囲む内周面1aに帯状磁性板10を環状に配置してシールド面としたものである。具体的には、図2に示すように、対象空間1の中心軸線Xと所定間隔(W+s)で直交する複数の平行な直交面Lxを想定し、対象空間1の中心軸線Xを囲む内周面1aと各直交面Lxとの交線上にそれぞれ所定幅sの絶縁性受材3を環状に配置して複数段の環状受材3xを形成し、その環状受材3xの相互間隔Wに複数の帯状磁性板10を長さ方向端縁で重ね合わせながら環状に嵌め込み、対象空間1の中心軸線Xを囲む内周面1aに複数段の環状磁気回路12xを形成する(図4(A)参照)。
図6を参照して、図1のシールド構造を構築する工法を説明する。先ず、図6(A)及び図6(B)に示すように、シールド対象空間1の中心軸線Xを囲む各内周面1a上に、その内周面1aのX軸方向幅(高さ)全体にわたる長さで所定幅s1の下地材2を所定間隔W1(例えば455mmピッチ)で組み上げ、その下地材2上に所定幅s(例えば55mm)の絶縁性受材3をY軸方向及びZ軸方向の環状に所定相互間隔W(例えば400mmピッチ)で複数段平行に配置して取り付ける。下地材2は、受材3及び帯状磁性板10の重量を支持できる剛性のものであれば足り、例えば軽鉄下地材、木材、ベークライト等の樹脂材その他の一般建材とすることができる。受材3は、その相互間隔Wに嵌め込む帯状磁性板10との電気的導通を避けるため、例えば木材、樹脂材等の絶縁性のものとし、ビス等の適当な固定具4を用いて下地材2に取り付ける。なお、下地材2は本発明に必須のものではなく、対象空間1の内周面1a上に絶縁性受材3を直接取り付けることが可能であれば、下地材2を省略してもよい。また、受材3はその全体が絶縁性である必要はなく、磁性板10と接触する面(又は部位)が絶縁されていれば足り、例えばその接触面(又は部位)に絶縁材を設けた導電性受材としてもよい。
次に、図6(C)及び図6(D)に示すように、環状に配置した絶縁性受材3の相互間隔Wにそれぞれ、その間隔Wに嵌合する幅W´で所定長さLの複数の帯状磁性板10a、10b、……を長さ方向端縁で相互に重ね合わせながらY軸方向及びZ軸方向に嵌め込んで間隔Wを覆い、重ね合わせた各帯状磁性板10a、10b、……の長さ方向端縁をビス等の固定具17によってシールド対象空間1の内面1aに固定すると共に相互に結合して環状に接合する。各帯状磁性板10の幅(嵌合幅)W´は、受材3の相互間隔Wと実質上同じ大きさとするが、施工性を考慮して、受材3の所定間隔Wより1〜2%小さくすることが望ましい(例えば、所定間隔W=400mmに対し、磁性板10の幅W´を4〜8mm程度小さくする)。好ましくは、各帯状磁性板10の所定長さLを下地材2の所定間隔W1の整数倍に下地材の所定幅s1を加えた大きさ(=n×W1+s1)とし、複数の磁性板10a、10b、……の長さ方向端縁を下地材2に位置合わせして嵌め込むと共に隣接する磁性板10a、10b、……の長さ方向端縁を重ね合わせ、その重ね合わせ部分を固定具17によって下地材2に堅固に固定する(図8(A)及び図8(B)参照)。所定長さLの磁性板10には、予め固定位置に合わせて固定具17を挿入する貫通孔を予め設けておくことができる。複数の帯状磁性板10を長さ方向端縁で環状に接合することにより、図4(A)に示すように、シールド対象空間1の内周面1aに複数段の環状磁気回路12xを形成することができる。
帯状磁性板10は、例えば方向性電磁鋼板、無方向性電磁鋼板、パーマロイ、軟電磁鋼板、アモルファス合金、液体急冷箔帯を結晶化させた微結晶磁性材料等の比透磁率μsの高い軟磁性材料板とすることができ、例えばそれらの薄板の複数枚を板厚方向に積層した積層板としてもよい。磁化容易方向が一定の磁性板(例えば方向性電磁鋼板)を用いる場合は、その磁化容易方向を磁性板10の長さ方向(シールド対象方向であるY軸方向及びZ軸方向)に一致させて用いる。磁性板10の厚さは例えば3〜4mm程度であり、厚さ方向の剛性が小さいために取り扱いが難しい場合もあるが、予め複数段の絶縁性受材3を配置したうえで、その受材3の間隔Wに磁性板10を載置して嵌め込むことにより、磁性板10を容易に設計どおり位置決めすることができ、磁性板10の施工性の向上を図ることができる。
また、帯状磁性板10の下地材2又はシールド対象空間1の内周面1aへの固定方法は、下地材2又は内周面1aが絶縁性であれば直接固定してもよいが、軽鉄下地材等の導電性下地材2を用いた場合は、下地材2と帯状磁性板10との電気的導通を避けるため、磁性板10を絶縁しつつ下地材2に固定する。例えば、磁性板10と下地材2とを木材や硬質ゴム等の適当な絶縁プレート(又はシート)18を介して固定する。固定具17自体が導電性であれば、固定具17によって磁性板10と下地材2とが電気的に導通しうるが、そのような点接触による導通の影響は小さいので無視できる。或いは、絶縁プレート18を下地材2に固定して一体とし、固定具17の挿入端を絶縁プレート18で留めることにより、固定具17を介した磁性板10と下地材2との導通を避けることができる。磁性板10と下地材2との間に木材や硬質ゴム等を介在させることにより、固定具17による固定力を分散させ、磁性板10の変形等を防止する効果も期待できる。なお、図示例では隣接する帯状磁性板10の重ね合わせ部分のみを下地材2に固定しているが、その他の部分においても磁性板10を固定具17で下地材2に固定することにより、磁性板10の下地材2に対する固定度を高めることができる。
本発明の磁気シールド構造は、複数の帯状磁性板10を長さ方向端縁において従来の密閉型シールド構造と同様に環状に接合して環状磁気回路12xを形成するが、各磁性板10の受材3と接する幅方向端縁は従来の開放型シールド構造と同様に固定せずに受材3を介して上段又は下段の磁性板10と対向させる。この意味で、本発明の磁気シールド構造は、密閉型シールド構造と開放型シールド構造とを組み合わせたものと考えることができる。図4(A)に示すように、シールド対象空間1の内周面1aに形成された複数段の環状磁気回路12xの間に所定幅wの環状受材3xが介在することになるが、磁性板10の幅W´を受材3xの所定幅sよりも広くし、受材3xの幅sに対する磁性板10の幅W´と透磁率μsとの積(μs・W´)の割合(=μs・W´/s)を1より大きくすれば、従来の開放型シールド構造と同様に磁束を環状磁気回路12xに集中させ、磁気回路12xの間に存在する受材3xの影響を避けることができる。受材3xの幅sに対する磁性板10の幅W´の割合(W´/s)は、要求されるシールド性能及び帯状磁性板10の施工性に応じて適宜選択可能であるが、施工性の観点からは7以上の割合とすることが望ましい。
図8は、複数の帯状磁性板10の長さ方向端縁を相互に重ね合わせて接合する方法の一例を示す。同図(B)は、全体が同じ厚さの帯状磁性板10を用い、隣接する2枚の磁性板10の長手方向端縁を重ね合わせて下地材2と位置合わせし、その重ね合わせ部分を貫通する固定具17によって隣接する磁性板10を一緒に下地材2に固定する方法である。この方法では、重ね合わせ部分が他の部分に対して突出するが、施工は容易である。重ね合わせ部分の突出が問題となる場合は、同図(A)に示すように、2枚以上の磁性薄板を長さ方向中心軸で位置合わせして板厚方向に積層した積層板を用い、各磁性薄板の長さ方向端縁を不揃いとして凹凸が形成された帯状磁性板10を用いてもよい。隣接する磁性板10の長手方向端縁の凹凸を下地材2と位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせ部分を貫通する固定具17によって隣接する磁性板10を下地材2に固定する。何れの方法であっても隣接する磁性板10の長さ方向端縁を面接触させて磁気的連続性を確保できるが、同図(A)の方法による場合は接合部分に他の部分より厚さの減じる部分が発生しうるので、図6(C)に示すように各段における磁性板10の接合位置を千鳥状に配置し、各段の接合位置が同じ直線状に並ばないようにすることが望ましい。
図8(G)及び図8(F)は、環状磁気回路12xのコーナー部における帯状磁性板10の接合方法の一例を示す。例えば同図(G)に示すように、異なる角度で突き合わせた磁性板10の長手方向端縁に、両磁性板1にまたがるL型の磁性アングル16を重ね合わせ、その重ね合わせ部分を貫通する固定具17によって下地材2に固定する。また同図(F)に示すように、同図(A)のような積層板を用いる場合は、各磁性板10の長さ方向端縁をコーナー部で付き合わせることにより凹部を形成し、その凹部にL型の磁性アングル16を嵌め込むことにより両磁性板10と重ね合わせて下地材2に固定する。同図(F)のようにコーナー部に凹部を形成して磁性アングル16を嵌め込むことより、同図(G)のような磁性アングル16の突出を避け、コーナー部を他の部分と連続した平面状とすることができる。何れの接合方法によってもコーナー部において帯状磁性板10を面接触させて磁気的連続性を確保し、図4(A)の矢印に示すようにY方向及びZ方向の磁束を複数段の環状磁気回路12xに集中させて漏洩を防ぐシールド効果が得られる。
建築物内の電気室の磁気シールドのように、対象空間1のY方向及びZ方向の磁界だけでなくX方向の磁界もシールド対象とする場合は、対象空間1の中心点Oを通るY方向軸線(以下、中心軸線Yという)を囲む内周面1aにも帯状磁性板10を環状に配置し、上述した複数段の環状磁気回路12を異なる中心軸線方向で入れ子状に組み合わせることにより、あらゆる方向の磁界に対応可能な磁気シールド構造とすることができる。すなわち、図2を参照するに、対象空間1の中心軸線Yと所定間隔(W+s)で直交する複数の平行な直交面Lyを想定し、環状磁気回路(第1の環状磁気回路)12xが形成された対象空間1の内周面と各直交面Lyとの交線上にそれぞれ所定幅sの絶縁性受材3を環状に配置して複数段の環状受材3yを形成し、その環状受材3yの相互間隔Wに複数の帯状磁性板10を長さ方向端縁で重ね合わせながら環状に嵌め込むことにより、シールド対象空間1の周囲に複数段の環状磁気回路12x(図4(A)参照)と複数段の環状磁気回路12y(図4(B)参照、第2の環状磁気回路)とを入れ子状に形成する。
図7を参照して、入れ子状のシールド構造を構築する工法を説明する。図7では、図6において環状磁気回路(第1の環状磁気回路)12xが形成された対象空間1の内周面に、それに続いて入れ子状の環状電器回路(第2の環状磁気回路)12yを形成する。先ず、図7(A)及び図7(B)において、図6(A)及び図6(B)の場合と同様に、シールド対象空間1の中心軸線Yを囲む各内周面1aに、その内周面1aのY軸方向幅(高さ)全体にわたる長さの下地材2を所定間隔W1(例えば455mmピッチ)で組み上げ、その下地材2上に所定幅s(例えば55mm)の絶縁性受材3をX軸方向及びZ軸方向の環状に所定相互間隔W(例えば400mmピッチ)で複数段平行に配置して取り付ける。ただし、既にY軸方向の絶縁性受材3が配置されている対象空間1の内周面については、その受材3を下地材2として利用することができる。すなわち、図7(A)に示すように、Y軸方向に配置された受材3上に所定相互間隔WでX軸方向及びZ軸方向の受材3を環状に配置して取り付ければよい。このように既設の受材3を下地材2として利用するため、図1及び図2(A)における下地材2の幅s1を受材3の幅sと一致させ(s1=s)、下地材2の間隔W1を受材3の幅sと相互間隔Wとの合計値と一致させておくことが望ましい(W1=s+W)。X軸方向及びZ軸方向の受材3も、例えば木材、樹脂材等の絶縁性のものとし、ビス等の適当な固定具4を用いて下地材2及び既設の受材3に取り付けることができる。
次いで、図7(C)及び図7(D)に示すように、X軸方向及びZ軸方向に環状に配置した複数段の受材3の相互間隔Wにそれぞれ、その間隔Wに嵌合する幅W´で所定長さLの複数の帯状磁性板10c、10d、……を長さ方向端縁で重ね合わせながらX軸方向及びZ軸方向に嵌め込んで間隔Wを覆い、重ね合わせた帯状磁性板10c、10d、……の長さ方向端縁を固定具17によって下地材2又は既存の受材3に固定すると共に相互に結合して環状に接合する。この場合も、図6(C)及び図6(D)の場合と同様に、隣接する磁性板10c、10d、……の長さ方向端縁を下地材2又は既存の受材3に位置合わせして嵌め込むと共に重ね合わせ、図8に示すように重ね合わせ部分を下地材2にビス等の固定具17によって固定する。複数の磁性板10c、10d、……を磁気的に連続させながら環状に接合することにより、シールド対象空間1の内周面1aに図4(A)のような複数段の環状磁気回路12xと図4(B)のような複数段の環状磁気回路12yとを入れ子状に形成し、図4(A)及び図4(B)の矢印に示すようにX方向、Y方向、Z方向の何れの磁束も環状磁気回路12x、12yに集中させて漏洩を防ぐシールド効果を得ることができる。
更に、対象空間1の中心点Oを通るZ方向軸線(以下、中心軸線Zという)を囲む内周面1aにも帯状磁性板10を環状に配置し、3層以上の環状磁気回路12を異なる中心軸線方向で入れ子状に組み合わせることも可能である。すなわち、図2に示すように、対象空間1の中心軸線Zと所定間隔(W+s)で直交する複数の平行な直交面Lzを想定し、環状磁気回路(第1の環状磁気回路)12x及び環状磁気回路(第2の環状磁気回路)12yが形成された対象空間1の内周面と各直交面Lzとの交線上にそれぞれ所定幅sの絶縁性受材3を環状に配置して複数段の環状受材3zを形成し、その環状受材3zの相互間隔Wに複数の帯状磁性板10を長さ方向端縁で重ね合わせながら環状に嵌め込んで磁気的に連続させることにより、シールド対象空間1の周囲に環状磁気回路12x、12yと環状磁気回路12z(図4(C)参照、第3の環状磁気回路)とを入れ子状に形成する。3層以上の環状磁気回路12を異なる中心軸線方向で入れ子状に組み合わせることにより、対象空間1の天井・床・壁面の6面全体にそれぞれ2層の磁気回路12が配置されたシールド構造を構築し、図4(A)〜(C)の矢印に示すようにX方向、Y方向、Z方向の何れの磁束も2層の磁気回路12に集中させて漏洩を防ぐことにより高いシールド性能を得ることができる。
本発明の磁気シールド構造は、予め配置した複数段の絶縁性受材3の間に帯状磁性板10を嵌め込むことで精度よく位置決めすることができ、施工性の向上を図ることができる。また、隣接する磁性板10の長さ方向端縁を面接触させて磁気的に連続した環状磁気回路12とすることにより、その環状磁気回路12に磁束を集中させて漏洩を防ぐことができ、シールド性能が劣化しにくいシールド構造とすることができる。更に、シールド対象空間1の周囲に複数の環状磁気回路12を異なる中心軸線方向で入れ子状に配置するとすることにより、電気室で発生するようなあらゆる方向の磁界に対応可能な磁気シールド構造とすることができる。
こうして本発明の目的である「シールド性能の劣化が少なく且つ施工性に優れた磁気シールド工法及び構造」の提供が達成できる。
なお、図示例の磁気シールドでは、シールド対象空間1を囲む内周面(4面)に環状の絶縁性受材3及び帯状磁性板10を配置して環状磁気回路12を形成する工法及び構造を基本としているが、従来の閉鎖型シールド構造と同様に、対象空間1から漏洩する磁界が小さい場合又はあまり高度なシールド性能が要求されない対象空間1であれば、対象空間1の床、壁、天井の一面のみ又はその一部分のみに本発明を適用することも可能である。その場合は、シールド対象空間1のシールド対象内面1a上に所定幅sの絶縁性受材3を所定相互間隔Wで平行に複数段配置し、その相互間隔Wにそれぞれ帯状磁性板10を長さ方向端縁で重ね合わせながら嵌め込んで対象空間1の内面に固定することにより、その内面1aをシールド面とすればよい。
以上、シールド対象空間1の周囲に複数の環状磁気回路12を入れ子状に配置する本発明の磁気シールド構造について説明したが、対象空間1の周囲に環状磁気回路12と共に環状電気回路15とを入れ子状に配置することにより、交流磁界に対してもシールド性能の劣化が小さい磁気シールド構造とすることが可能である。上述したように本発明の磁気シールド構造は磁束を複数段の磁気回路12に集中させて漏洩を防ぐものであり、直流磁界・交流磁界の何れにも対応可能であるが、例えば建築物内の電気室等で発生する交流磁界をシールド対象とした場合に周波数が高くなると、電磁誘導によって磁気回路12内に磁束の変化を妨げる方向の渦電流が発生し、その渦電流が内部磁束の変化を打ち消して磁束の集中を妨げることにより磁気回路12のシールド性能が劣化するおそれがある。
直流磁界や低周波数の交流磁界だけでなく比較的高周波数の交流磁界をも対象とするような磁気シールド構造とする場合に、シールド対象空間1の周囲に図5に示すような環状電気回路15を環状磁気回路12と共に配置しておけば、交流磁界の電磁誘導によって環状電気回路15内に誘導電流(渦電流)が流れ、その誘導電流で生じる磁界との相互作用によって交流磁界を打ち消すシールド効果が得られる。従って、周波数の高い交流磁界に対する環状磁気回路12のシールド性能が劣化した場合でも、その劣化を環状電気回路15のシールド効果によって補うことにより、シールド構造全体のシールド性能の劣化を小さく抑えることが期待できる。
図5(A)は、シールド対象空間1の周囲に配置する環状電気回路15の一例を示し、図1において対象空間1の中心軸線Xを囲む内周面1aに帯状磁性板10に代えて帯状導電板14を長さ方向端縁で電気的に導通させながら環状に配置し、対象空間1の中心軸線Xを囲む内周面1aに複数段の環状電気回路15xを形成したものである。このような環状電気回路15xは、図6及び図7を参照して上述した環状磁気回路12x(図4(A)参照)の工法と同様に、対象空間1の中心軸線Xを囲む内周面1aに絶縁性受材3を環状に配置して複数段の環状受材3xを形成し、その環状受材3xの相互間隔Wにそれぞれ、その間隔Wに嵌合する幅W´で所定長さLの複数の帯状導電板14を長さ方向端縁で電気的に導通させながら環状に嵌め込むことにより形成することができる。帯状導電板14の長さ方向端縁の導通方法は、図8に示した帯状磁性板10と同様に導電板14の長さ方向端縁を重ね合わせる方法としてもよいが、導電性ペースト、金属メッシュその他の適当な導電プレートを介して隣接する導電板14の長さ方向端縁を突き合せる方法としてもよい。図5(A)の環状電気回路15xは、同図に矢印で示すようにX方向の磁界を打ち消すシールド効果を有している。
また図5(B)及び図5(C)は、上述した環状磁気回路12y、12z(図4(B)及び図4(C)参照)の帯状磁性板10に代えて、対象空間1の中心軸線Y又は中心軸線Zを囲む内周面1aに形成した複数段の環状受材3x、3yの相互間隔Wに帯状導電板14を長さ方向端縁で電気的に導通させながら環状に配置し、対象空間1の中心軸線Y又は中心軸線Zを囲む内周面1aに複数段の環状電気回路15y、15zを形成したものである。図5(B)の環状電気回路15yは同図に矢印で示すようにY方向の磁界を打ち消すシールド効果を有しており、図5(C)の環状電気回路15zはZ方向の磁界を打ち消すシールド効果を有している。
例えばX軸方向の交流磁界を対象とする場合は、図5(A)の環状電気回路15xと図4(B)及び/又は図4(C)の環状磁気回路12y、12zとを異なる中心軸線方向で入れ子状に組み合わせる。交流磁界の周波数が高く、環状磁気回路12y、12zのシールド性能が劣化した場合でも、環状電気回路15xのシールド効果によって環状磁気回路12y、12zの劣化を補うことにより、X軸方向の交流磁界に対してシールド性能が劣化しにくいシールド構造とすることができる。同様にして、Y軸方向の交流磁界を対象とする場合は図5(B)の環状電気回路15yと図4(A)及び/又は図4(C)の環状磁気回路12x、12zとを異なる中心軸線方向で入れ子状に組み合わせ、Z軸方向の交流磁界を対象とする場合は図5(C)の環状電気回路15zと図4(A)及び/又は図4(B)の環状磁気回路12x、12yとを異なる中心軸線方向で入れ子状に組み合わせることにより、それぞれY軸方向又はZ軸方向の交流磁界に対してシールド性能が劣化しにくいシールド構造とすることができる。望ましくは、図5(A)〜(C)の環状電気回路15x、15y、15zと図4(A)〜(C)の環状磁気回路12x、12y、12zとを全て入れ子状に組み合わせて6層の入れ子状とすることにより、X方向、Y方向、Z方向の何れの交流磁界に対してもシールド性能の低下が小さいシールド構造とする。
図4及び図5は、シールド対象空間1の周囲に独立した回路として環状磁気回路12及び環状電気回路15を配置する場合であるが、例えば図6及び図7のような環状磁気回路12を構築する工法において、帯状磁性板10に代えてその磁性板10と同じ幅の導電板14が積層された帯状積層板(10+14)を用い、シールド対象空間1の内周面1aに形成した複数段の環状受材3xの相互間隔Wに帯状積層板(10+14)を長さ方向端縁で重ね合わせながら環状に接合することにより、環状磁気回路12と環状電気回路15とを同じ工程で一体的に構築することも可能である。すなわち、図4の環状磁気回路12x(又は12y、12z)と図5の環状電気回路15x(又は15y、15z)とをそれぞれ一体的な構造とし、X方向、Y方向、Z方向の何れの交流磁界に対してもシールド性能が低下しにくいシールド構造を3層の入れ子状によって構築することができる。この場合は、帯状積層板(10+14)の長さ方向端縁の重ね合わせによって電気的な導通が得られるように、各積層板(10+14)を導電板14が接触するように重ね合わせ、又は導電性ペースト、金属メッシュ等の適当な導電プレートを介して重ね合わせることができる。
更に、電磁鋼板(方向性及び無方向性の電磁鋼板を含む。以下、同じ)のように帯状磁性板10自体が導電性を有している場合は、その磁性板10の導電性を利用して環状磁気回路12と環状電気回路15とを同時一体的に構築することも可能である。通常の電磁鋼板は全体が絶縁被覆されているので、図3(A)に示すように電磁鋼板製の帯状磁性板10を長さ方向端縁で重ね合わせた環状磁気回路12では、その接合部において誘導電流が絶縁されるので環状電気回路15を構成することができず、交流磁界を打ち消すシールド効果は得られない。逆に、絶縁された各帯状磁性板10内に渦電流が磁束を打ち消す方向に流れ、磁性板10による磁気シールド効果の阻害要因となりうる。図3(B)に示すように、電磁鋼板の帯状磁性板10の長さ方向端縁に絶縁被覆が剥離された被覆剥離部10aを形成し、その被覆剥離部10aで帯状磁性板10を電気的に導通させながら環状に接合すれば、磁気的に連続した環状磁気回路12と誘導電流が一様方向にループ状に流れる環状電気回路15とを一体的に構成し、交流磁界を打ち消すシールド効果が期待できる。
図8(C)及び図8(D)は、電磁鋼板の長さ方向端縁に被覆剥離部10aを設けた帯状磁性板10を長さ方向に接合して環状電気回路15を形成する方法の一例を示し、図8(H)及び(I)は、その環状電気回路15のコーナー部における帯状磁性板10の接合方法の一例を示す。帯状磁性板10の被覆剥離部10aは、例えば長さ方向端縁における重ね合わせ面(接触面)の一部のみに設ければ足りるが、環状電気回路15に大きな誘導電流を発生させてシールド効果を高めるためには、比較的広い面積とすることが望ましい。図8(D)及び図8(I)は、長さ方向端縁に比較的広い面積の被覆剥離部10aを設けた電磁鋼板を帯状磁性板10として用い、そのような磁性板10を同図(B)及び(G)と同様に長手方向端縁で重ね合わせ又は突き合せたうえで絶縁プレート18を介して下地材2に固定する実施例を示す。隣接する帯状磁性板10を磁気的に接合させつつ被覆剥離部10aで電気的に導通させることができる。
また、図8(C)及び図8(H)は、長さ方向端縁に比較的広い面積の被覆剥離部10aを設けた電磁鋼板の薄板を長さ方向中心軸で位置合わせして板厚方向に積層すると共に長さ方向端縁に不揃いの凹凸が形成された帯状磁性板10を用いた実施例である。そのような複数の磁性板10を、同図(A)及び(F)と同様に長手方向端縁の凹凸を重ね合わせ又は突き合せながら下地材2に固定し、被覆剥離部10aで電気的に導通させながら接合すれば、シールド対象空間1の周囲に環状磁気回路12と環状電気回路15とを同時一体的に形成することができる。また、図8のような被覆剥離部10付き電磁鋼板を用いて図2のような3層の入れ子状のシールド構造を構成すれば、X方向、Y方向、Z方向の何れの交流磁界に対してもシールド性能が低下しにくい効果が得られる。なお、被覆剥離部10aの重ね合わせだけで十分な電気的導通が得られない場合は、図8(E)に示すように、導電性ペースト、金属メッシュその他の適当な導電プレート19を介して被覆剥離部10aを重ね合わせることにより、環状電気回路15の導通を高め、環状電気回路15による交流磁界を打ち消すシールド効果の向上が期待できる。
こうして本発明の他の目的である「比較的周波数の高い交流磁界に対してもシールド性能が劣化しにくい磁気シールド工法及び構造」の提供が達成できる。
1…磁気シールド対象空間 1a…対象空間の内面
2…下地材 3…絶縁性受材
4…固定具 6…短冊状磁性板(磁気シールドスティック)
7…磁気シールド簾体 8…列状簾体
9…重ね合せ部
10…帯状磁性板 10a…被覆剥離部
11…シールド面 12…環状磁気回路
14…導電板 15…環状電気回路
16…磁性アングル 17…固定具
18…絶縁プレート 19…導電プレート
19…導電アングル

Claims (12)

  1. 磁気シールド対象空間の内面上に所定幅の絶縁性受材を当該所定幅より広い所定相互間隔で平行に複数段配置し、前記複数段の受材の相互間隔に当該間隔と嵌合する幅で所定長さの複数の帯状磁性板を長さ方向端縁で重ね合わせながら嵌め込み且つ嵌め込んだ帯状磁性板を前記内面に固定してシールド面を形成してなる磁気シールド工法。
  2. 請求項1の工法において、前記シールド対象空間の第1中心軸線を囲む内周面と当該第1中心軸線に所定間隔で直交する複数の平行な直交面との交線上にそれぞれ前記所定幅の受材を環状に配置して複数段の第1環状受材を形成し、前記第1環状受材の相互間隔に前記複数の帯状磁性板を長さ方向端縁で重ね合わせながら環状に嵌め込むことによりシールド対象空間の周囲に複数段の第1環状磁気回路を形成してなる磁気シールド工法。
  3. 請求項2の工法において、前記第1中心軸線と交差する第2中心軸線を囲むシールド対象空間及び第1環状受材の内周面と当該第2中心軸線に所定間隔で直交する複数の平行な直交面との交線上にそれぞれ前記所定幅の受材を環状に配置して複数段の第2環状受材を形成し、前記第2環状受材の相互間隔に前記複数の帯状磁性板を長さ方向端縁で重ね合わせながら環状に嵌め込むことによりシールド対象空間の周囲に複数段の第1環状磁気回路と複数段の第2環状磁気回路とを入れ子状に形成してなる磁気シールド工法。
  4. 請求項3の工法において、前記第1又は第2環状受材の相互間隔に、前記帯状磁性板に代えて帯状導電板を長さ方向端縁で電気的に導通させながら環状に嵌め込むことによりシールド対象空間の周囲に複数段の環状磁気回路と複数段の環状電気回路とを入れ子状に形成してなる磁気シールド工法。
  5. 請求項2又は3の工法において、前記帯状磁性板を当該磁性板と同じ幅の導電板が積層された帯状積層板とし、当該帯状積層板を長さ方向端縁で重ね合わせながら環状に接合することにより環状磁気回路及び環状電気回路を形成してなる磁気シールド工法。
  6. 請求項2又は3の工法において、前記帯状磁性板を全体が絶縁被覆され且つ長さ方向端縁の絶縁被覆が剥離された電磁鋼板とし、当該電磁鋼板を長さ方向端縁で重ね合わせながら環状に接合することにより環状磁気回路及び環状電気回路を形成してなる磁気シールド工法。
  7. 磁気シールド対象空間の内面上に所定幅の絶縁性受材を当該所定幅より広い所定相互間隔で平行に配置して形成した複数段の受材、前記複数段の受材の相互間隔に当該間隔と嵌合する幅で所定長さの複数の帯状磁性板を長さ方向端縁で重ね合わせながら嵌め込むことにより形成した複数段の帯状磁性板、及び前記複数段の帯状磁性板を前記内面に固定する固定具を備えてなる磁気シールド構造。
  8. 請求項7の構造において、前記シールド対象空間の第1中心軸線を囲む内周面と当該第1中心軸線に所定間隔で直交する複数の平行な直交面との交線上にそれぞれ前記所定幅の受材を環状に配置して複数段の第1環状受材を形成し、前記第1環状受材の相互間隔に前記複数の帯状磁性板を長さ方向端縁で重ね合わせながら環状に嵌め込むことによりシールド対象空間の周囲に複数段の第1環状磁気回路を形成してなる磁気シールド構造。
  9. 請求項8の構造において、前記第1中心軸線と交差する第2中心軸線を囲むシールド対象空間及び第1環状受材の内周面と当該第2中心軸線に所定間隔で直交する複数の平行な直交面との交線上にそれぞれ前記所定幅の受材を環状に配置して複数段の第2環状受材を形成し、前記第2環状受材の相互間隔に前記複数の帯状磁性板を長さ方向端縁で重ね合わせながら環状に嵌め込むことによりシールド対象空間の周囲に複数段の第1環状磁気回路と複数段の第2環状磁気回路とを入れ子状に形成してなる磁気シールド構造。
  10. 請求項8の構造において、前記第1又は第2環状受材の相互間隔に、前記帯状磁性板に代えて帯状導電板を長さ方向端縁で電気的に導通させながら環状に嵌め込むことによりシールド対象空間の周囲に複数段の環状磁気回路と複数段の環状電気回路とを入れ子状に形成してなる磁気シールド構造。
  11. 請求項8又は9の構造において、前記帯状磁性板を当該磁性板と同じ幅の導電板が積層された帯状積層板とし、当該帯状積層板を長さ方向端縁で重ね合わせながら環状に接合することにより環状磁気回路及び環状電気回路を形成してなる磁気シールド構造。
  12. 請求項8又は9の構造において、前記帯状磁性板を全体が絶縁被覆され且つ長さ方向端縁の絶縁被覆が剥離された電磁鋼板とし、当該電磁鋼板を長さ方向端縁で重ね合わせながら環状に接合することにより環状磁気回路及び環状電気回路を形成してなる磁気シールド構造。
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