JP2006060093A - 荷重受け面の磁気シールド構造及び磁気シールドパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】荷重のない場合と同様のシールド性能が得られる荷重受け面の磁気シールド構造及び磁気シールドパネルを提供する。
【解決手段】剛性版2の荷重受け面Aに所要間隔dで複数の並列溝3を穿ち、各溝3内にそれぞれ磁性材料板5を荷重伝達がないように遊嵌させる。好ましくは、磁性材料板5の各々の長さ方向中心線Cを荷重受け面Aとほぼ平行な面上に芯合わせする。更に好ましくは、荷重受け面Aに相互に交差する方向の複数組の並列溝3x、3yの群を穿ち、複数組の溝3x、3yの群にそれぞれ磁性材料板5x、5yの群を遊嵌させる。剛性版2を剛性パネル10とし、その荷重受け面Aの並列溝3内に遊嵌させた磁性材料板3の各々の長さ方向中心線Cを荷重受け面Aとほぼ平行な面上に芯合わせして保持する保持手段12を設けて、磁気シールドパネルとしてもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は荷重受け面の磁気シールド構造及び磁気シールドパネルに関し、とくに重量機器等の荷重を受ける面に所要磁気シールド性能を付与する構造及びそれに用いる磁気シールドパネルに関する。
最近の半導体関連施設・医療施設等では、EB(Electron Beam、電子ビーム)露光装置、EB描画機、MRI(Magnetic Resonance Imaging、磁気共鳴画像診断)装置、NMR(Nuclear Magnetic Resonance、核磁気共鳴)装置、SQUID(Superconducting Quantum Interference Device、超電導量子干渉素子)利用の生体磁気測定装置等の強磁気利用装置を使用することが増えており、強磁気利用装置を環境磁気ノイズから保護して正常な動作を保証するため及び/又は強磁気利用装置の周囲の人や機器に対する磁気的影響を避けるため、磁気シールドルームに対する要求が高まっている。従来の磁気シールドルームは、例えば特許文献1や非特許文献1が開示するように、透磁率の高い磁性材料板(以下、磁性板ということがある。)によりシールド対象空間の壁面を覆う構造(以下、密閉型シールドということがある。)を基本としている。しかし密閉型シールドは、磁性板の材料特性から期待されるようなシールド効果がなかなか得られず、しかも空気や光の透過性がないという問題点がある。
これに対し本発明者等は、簾状に並べた磁性板5の群(以下、磁性簾体という。)を用いて隙間のある磁気シールド構造(以下、開放型シールドということがある。)を開発し、特許文献2に開示した。特許文献2の開放型シールドを、図6及び図7を参照して本発明の理解に必要な限度において説明する。図6(A)は、例えば厚さ0.35mm、幅25mm、長さ300mmの8枚の短冊状磁性板5を、その長さ方向中心軸Cが同一簾面Fにほぼ平行に並ぶように板厚方向に間隔d=30mmで重ねて形成した磁性簾体6の一例を示す。磁性板5の横断面の面積Smと磁性板5の比透磁率μsとの積(Sm・μs)に対する隣接板間隙dの断面積Saの割合(Sm・μs/Sa)を、その板間隙d中の磁束密度が磁性板5中の磁束密度に比し著しく小さくなるように、例えば(Sm・μs)/Sa>1となるように選択する。
図6(A)のように板厚方向間隔dを有する磁性簾体6は、各磁性板5の端縁14を重ね合わせて列状に結合し、図6(B)に示すように磁気的に連続した磁性簾体6の列(以下、列状簾体という。)8を形成することができる。同図は、4つの磁性簾体6a、6b、6c、6dをそれぞれ対応する磁性板5の端縁14の重ね合わせにより列状に結合し、更にその一端側における磁性板5の未結合端縁を他端側の対応する磁性板5の未結合端縁と重ね合わせ結合することにより、磁気的に閉じた環状の列状簾体6(内容積280mm×280mm×280mm)を形成した例である。
図6(B)の列状簾体8を、図8(A)に示す環状コイル(例えばヘルムホルツ・コイル)Lの中央部に設置し、コイルLの中央部に10〜100μTの一方向磁場Mを形成して磁性簾体8の内側中央部の磁気センサ24(例えばガウスメータ)で磁束密度Bを測定し、列状簾体8のシールド係数S(=シールドがない場合の磁束密度B0/シールドがある場合の磁束密度B)を算出した。また比較のため、厚さ0.35mmで幅及び長さが280mm×280mmの4枚の方形磁性板21a、21b、21c、21dにより図6(C)のような立方体形の密閉型シールド体22を作製し、同様に環状コイルLの中央部に設置して密閉型シールド体22のシールド係数Sを算出した。同図(C)の密閉型シールド体22で用いた磁性材料の重量は、同図(B)の列状簾体8で用いた磁性材料の重量とほぼ同じである。10μT、50μT、100μTにおける列状簾体8及び密閉型シールド体22のシールド係数Sを表1に示す。
表1は、列状簾体8の10〜100μTの一方向直流磁場Mに対するシールド性能が、密閉型シールド体22に比し2〜3倍程度高いことを示す。すなわち特許文献2の開放型シールドによれば、磁束漏洩が少なく密閉型シールドより高いシールド性能と通気性・透光性とを同時に備えた磁気シールド構造を構築できる。また、所要シールド効果を得るために必要な磁性材料を密閉型シールドに比して節減し、高度な磁気シールド構造を経済的・効率的に構築できる。図6(B)はシールド対象空間を列状簾体8で囲んだ例であるが、列状簾体8は必ずしも対象空間を囲む必要はなく、対象空間の任意シールド対象面に適用できる。
図7は、図6(B)に示すような3つの環状の列状簾体81、82、83を、各々の中心軸線A1、A2、A3が交差するように3層の入れ子式構造とした磁気シールド構造を示す。第1の列状簾体81の中空部に、その中心軸線A1と交差する中心軸線A2に沿って、その内径以下の外径の第2の列状簾体82を配置する。更に第2の列状簾体82の中空部に、中心軸線A1及びA2と交差する中心軸線A3に沿って、その内径以下の外径の第3の列状簾体83を配置する。図7の配置により、例えば図5(B)に示すように、シールド対象空間の天井・床・壁の6面全体に、その長さ方向中心軸Cが相互に交差する2層の磁性簾体6が積層された開放型シールド構造を構築できる。磁性簾体6を積層することにより、単層の場合に比し磁気シールド性能を高めることができる。また、例えば第3の列状簾体83の中空部に更に列状簾体8を配置することにより、4層以上のシールド構造とすることも可能である。本発明者等は、図7の3層の入れ子式開放型シールド構造体を作製し、図8(B)に示すようにシールド構造体の中央部に環状コイルLを設置し、コイルLに矢印I向きにMRI装置と同程度の直流電流を流して直流磁場Mを形成し、構造体外側における漏洩磁束を磁気センサ9で測定することにより、開放型シールド構造が受動的シールドだけでなく能動的シールドにも適用可能であることを確認することができた。図7のシールド構造については、本発明者等による国際出願PCT/JP2004/003457の明細書に詳述されている。
特開平9−162585号公報 特開2002−164686号公報 岡崎靖雄「電磁シールドとシールド材料」、日本応用磁気学会誌、第26巻第4号、2002年4月 谷良浩他「電磁鋼板の応力下における磁気特性の測定」、電気学会マグネティックス研究会資料MAG-03-I91、2003年12月
特許文献2の開放型シールドのシールド性能は、磁性簾体6における磁性板5の断面積Smと比透磁率μsとの積Sm・μsに対する板間隙dの断面積Saの割合(Sm・μs/Sa)、磁性簾体6の積層数、磁性板5の種類等によって設計できる。しかし、重量機器を設置する磁気シールドルーム等において、その荷重を受ける面(例えば床面)に磁性簾体6を配置した場合は、荷重によって磁性板5の比透磁率μsが低下し、設計通りのシールド性能が得られない場合がある。
例えば非特許文献2は、パーマロイ等の磁性板5の最大比透磁率μrについて、圧縮又は引張応力が加わると無負荷sf(stress free)時の比透磁率μr-sfに対する比透磁率の差分Δμrが増大し、荷重の大きさが10MPaに及んだ時に差分率(Δμr/μr-sf)が0.5に達することを報告している(同文献の図6参照)。この差分率(Δμr/μr-sf)をそのまま特許文献2の磁性簾体6に適用すると、荷重が10MPaに及ぶ場合に(Sm・μs/Sa)の値が半減し、設計通りのシールド性能が発揮できなくなるおそれが生じる。比透磁率μsの低下を見込んで磁性板5の断面積Smを増やす等の対策を採ることも考えられるが、高度な磁気シールド構造を経済的・効率的に構築できるという開放型シールドの利点が失われる。荷重の有無に拘わらず、設計通りのシールド性能が得られる開放型シールドの施工法の開発が望まれている。
そこで本発明の目的は、荷重のない場合と同様のシールド性能が得られる荷重受け面の磁気シールド構造及び磁気シールドパネルを提供することにある。
図1の実施例を参照するに、本発明による荷重受け面の磁気シールド構造は、剛性版2の荷重受け面A(又はB)に所要間隔dで複数の並列溝3を穿ち、各溝3内にそれぞれ磁性材料板5を荷重伝達がないように遊嵌させてなるものである。ここに「遊嵌」とは、応力の伝達を伴わない嵌合をいう。好ましくは、磁性材料板5の各々の長さ方向中心線Cを荷重受け面A(又はB)とほぼ平行な面F上に芯合わせする(図2参照)。更に好ましくは、荷重受け面A(又はB)に相互に交差する方向の複数組の並列溝3x、3yの群を穿ち、複数組の溝3x、3yの群にそれぞれ磁性材料板5x、5yの群を遊嵌させる。
また図3及び図4を参照するに、本発明による磁気シールドパネルは、荷重受け面A(又はB)を有する剛性パネル10、荷重受け面A(又はB)に所要間隔dで穿った並列溝3の群、各溝3内に荷重伝達がないように遊嵌した磁性材料板5の群、及び磁性材料板5の各々の長さ方向中心線Cを荷重受け面A(又はB)とほぼ平行な面F上に芯合わせして保持する保持手段12を備えてなるものである。好ましくは、荷重受け面A(又はB)に相互に交差する方向の複数組の並列溝3x、3yの群を穿ち、複数組の溝3x、3yの群にそれぞれ遊嵌させる複数組の磁性材料板5x、5yの群を設ける。
本発明による荷重受け面の磁気シールド構造は、剛性版の荷重受け面に所要間隔で複数の並列溝を穿ち、各溝内にそれぞれ磁性材料板を荷重伝達がないように遊嵌させるので、次の顕著な効果を奏する。
(イ)荷重受け面にかかる荷重を剛性版の所要間隔で受け、並列溝内に遊嵌させた磁性材料板への応力伝達を避けることができるので、所要間隔の磁性材料板の群により荷重のない場合と同様のシールド性能が得られる。
(ロ)荷重の有無に拘わらず磁性材料板の断面積Smと比透磁率μsと所要間隔dとによりシールド性能を設計することが可能となり、荷重印加時の磁性材料板の比透磁率低下を見込んだ過剰設計等が不要となる。
(ハ)磁性材料板の各々の長さ方向中心線を荷重受け面とほぼ平行な面上に芯合わせすることにより、所要板厚方向間隔の磁性簾体を形成することができ、従来の磁性簾体の場合と同様のシールド性能の設計が可能となる。
(ニ)荷重受け面には相互に交差する方向に複数組の並列溝を穿つことができ、各溝内にそれぞれ交差する方向の磁性材料板を遊嵌させることにより、シールド性能を更に高めてシールド対象磁場に応じて最適な磁気シールド構造を設計することができる。
(ホ)並列溝付きの剛性パネルと各溝内に遊嵌する磁性材料板とを組み合わせた磁気シールドパネルを形成し、各パネルの磁性材料板の端縁を相互に重ね合わせて列状に結合することにより、広い荷重受け面に対しても容易に磁気シールドを施工することが可能となる。
図1は、図5に示すような磁気シールドルーム20a、20bの重量機器等が設置される床基盤1上に本発明を適用した実施例を示す。図示例の床基盤1は、例えば厚さ300mm程度のコンクリート製スラブである。図5(A)は、天井及び側壁が磁性板で覆われた従来の密閉型シールドルーム20aの床に本発明を適用した例であり、同図(B)は、図7を参照して上述したように天井・床・側壁の6面全体に磁性簾体6を設けた開放型シールドルーム20bの床に本発明を適用した例である。ただし、本発明は床への適用に限定されず、荷重を受ける壁・天井等に適用することも可能である。
図示例の磁気シールド構造は、床基盤1と対向する荷重受け面Aを有し且つその荷重受け面Aに所要間隔dで複数の並列溝3が穿たれた剛性版2と、各溝3内に荷重伝達がないように遊嵌して荷重受け面Aと交差する磁性板5の群とを有する。例えば、床基盤1上に板厚方向の間隔dで床面とほぼ平行な簾面Fの磁性簾体6(図2参照)を形成するように磁性板5の群を配置し、その磁性板5の上方から荷重受け面Aの並列溝3にそれぞれ磁性板5が遊嵌するように剛性版2を床基盤1上に載置する。図示例では床基盤1と対応する大きさの単独の剛性版2を載置しているが、剛性版2の大きさは施工性等に応じて任意に選択できる。例えば、図3に示すように、比較的小面積の荷重受け面Aを有する複数の剛性版2を相互に隣接させて床基盤1上に載置してもよい。
図示例では、磁気シールド性能を高めるため、床基盤1上に2組の磁性板5xの群及び磁性板5yの群を格子状に配置して2層の磁性簾体6x、6yを積層し、それに応じて剛性版2の荷重受け面Aにそれぞれ磁性簾体6x、6yと遊嵌する格子状の2組の並列溝3x及び3yを設けている。ただし、本発明は1組の磁性板5の群を有するものであれば足り、剛性版2の荷重受け面Aには1組の並列溝3があれば足りる。また、磁気シールド性能を更に高める必要がある場合は、床基盤1上に3組以上の磁性板5の群を積層・配置して3層以上の磁性簾体6を設けることができる。
図2(A)は2層の磁性簾体6x、6yの形成方法を示す。図示例の磁性簾体6xは、複数の所定幅Wxの磁性板5xをその長さ方向中心軸Cxが床基盤1とほぼ平行な簾面Fx上に、所要板厚方向間隔dxでほぼ平行に並ぶように重ねて形成する。例えば、図5(A)のように床基盤1の周縁に設けた適当な固定用枠体又は支持枠体25により、各磁性板5xが荷重受け面Aと交差するように各磁性板5xの端縁14を支持する。ただし、各磁性板5xの中心軸Cxの回りの角度位置は磁性板5x毎に相違していてもよい。図5(B)のように側壁に磁性簾体を設けた開放型シールドルーム20bの場合は、各磁性板5xの端縁14を側壁の磁性簾体の端縁〈下端縁)と結合して支持することができる。また、後述する剛性版2の並列溝3内に、剛性版2への荷重が伝達されないように各磁性板5xを支持する適当な位置決め部材等を設けてもよい。各磁性板5xの板間隔dxは必ずしも全て同じである必要はなく、磁性板5xの位置によって板間隔dxが相違してもよい。
磁性簾面6xに積層する磁性簾体6yは、磁性板5xの長さ方向中心軸Cxと交差する方向の長さ方向中心線Cyの複数の所定幅Wyの磁性板5yを、その長さ方向中心軸Cyが床基盤1及び磁性簾面Fxとほぼ平行な簾面Fy上に、所要板厚方向間隔dyでほぼ平行に並ぶように重ねて形成する。各磁性板5yの端縁14も、各磁性板5yと荷重受け面Aとが交差するように、例えば図5に示す固定用枠体又は支持枠体25又は側壁の磁性簾体によって支持することができる。各磁性板5yの中心軸Cyの周りの角度位置及び各磁性板5yの板間隔dyは、磁性板5y毎に相違してもよい。
複数の磁性簾体6x、6yを積層する磁気シールド構造では、各磁性簾体6x、6yの磁性板5x、5yの中心線Cx、Cyの向き(以下、簾体向きということがある。)の選択により、シールド性能を調節することが可能である。本発明者等の実験によれば、図示例のように2層の磁性簾体6x、6yの簾体向きを相互に直交させて積層することによりシールド性能を最も高めることができるが、要求されるシールド性能に応じて簾体6x、6yの簾体向きを適当な交差角度としてシールド性能を調節することができる。また、磁性簾体6x、6yを積層する磁気シールド構造では、隣接する磁性簾体6x、6yの間に空隙層を介在させることにより、磁性材料の使用量を増やさずにシールド性能を向上させることも可能である。
図示例の剛性版2は、例えばコンクリート製、金属製又は樹脂製の剛性パネルとすることができる。剛性版2の床基盤1と対向する荷重受け面Aに、磁性簾体6xの板厚方向間隔dxに対応する間隔の並列溝3xと、磁性簾体6yの板厚方向間隔dyに対応する間隔の並列溝3yとを、各磁性簾体6x、6yの簾体向きに対応する交差角度で形成する。図示例では並列溝3x、3yを直交向きに穿ち、全ての溝3x、3yの深さpを磁性簾体6x(磁性板5x)の所定幅Wxと磁性簾体6y(磁性板5y)の所定幅Wyとの和以上(p≧Wx+Wy)としているが、並列溝3xの深さpは磁性簾体6x(磁性板5x)の所定幅Wx以上であればよい。各溝3x、3yの幅は、各磁性板5x、5yの厚さと中心軸Cx、Cyの周りの角度位置とを考慮して、磁性板5x、5yが接触しない適当な大きさとする。剛性版2をコンクリート製とする場合は、現場で上述した並列溝3x、3yの形状にコンクリートを打設してもよい。
図示例の剛性版2を、荷重受け面Aの並列溝3x、3yと各磁性簾体6x、6yの磁性板5x、5yとを位置合わせしつつ下降させて床基盤1上に載置することにより、図2(B)の断面図に示すように各磁性板5x、5yを並列溝3x、3yに遊嵌させ、2層の磁性簾体6x、6yを並列溝3x、3y内に包含させる。磁性簾体6x、6yを剛性版2の並列溝3x、3yに遊嵌させることにより、図1の矢印で示すように剛性版2に荷重Gが加わったとしても、床基盤1の反力がこの荷重Gと平衡するので磁性簾体6x、6yへの応力の伝達を避けることができる。従って、荷重Gの印加により磁性板5x、5yの比透磁率μsが低下するおそれがなく、荷重Gの有無に拘わらず磁性簾体6x、6yの設計通りのシールド性能を長期間安定的に維持できる。
こうして本発明の目的である「荷重のない場合と同様のシールド性能が得られる荷重受け面の磁気シールド構造及び磁気シールドパネル」の提供が達成できる。
なお、剛性版2はシールドルーム20a、20bの床面全体に設ける必要はなく、重量機器等が設置される箇所に部分的に設ければ足りる。また、剛性版2の並列溝3x、3yを介して通気性や放熱性、透光性等を確保することができ、必要に応じて強度に影響を与えない範囲内で剛性版2に貫通孔を設けることもできるので、磁性簾体6x、6yを剛性版2の並列溝3x、3yに遊嵌させた場合でも、高いシールド性能と通気性・透光性とを同時に備えた開放型シールドの利点を維持することができる。更に、図示例では床基盤1上に載置する剛性版2に並列溝3x、3yを形成しているが、可能であれば床基盤1を剛性版2としてその荷重受け面(表面)に並列溝3x、3yを形成し、床基盤1の並列溝3x、3yに磁性簾体6x、6yを荷重伝達がないように遊嵌させて本発明の磁気シールド構造とすることも可能である。
図3は、剛性パネル10の荷重受け面Aに設けた並列溝3内に磁性簾体6を保持した本発明の磁気シールドパネル9の実施例を示す。図示例の磁気シールドパネル9は、剛性パネル10の荷重受け面Aに所要間隔dで並列溝3の群を穿ち、各溝3内に磁性板5を群荷重伝達がないように遊嵌させ、保持手段12により各磁性板5の長さ方向中心線Cを荷重受け面Aとほぼ平行な面F上に芯合わせして保持したものである。各磁性板5の中心線Cを同じ面F上に芯合わせすることにより、並列溝3内に内蔵された磁性簾体6を形成する。図示例では、並列溝3内に荷重伝達のないように磁性板5を支持する位置合わせ部材を保持手段12としているが、並列溝3内に磁性板5の位置合わせ用のスリット等を形成して保持手段12としてもよい。並列溝3内に磁性板5の遊嵌を助けるための割出し手段(図示せず)を設けてもよい。
剛性パネル10の一例は、例えば水平断面矩形のコンクリート製、金属製又は樹脂製パネルである。図示例の剛性パネル10は、図1の剛性版2と同様に荷重受け面Aに相互に交差する方向の複数組の並列溝3x、3yが設け、各並列溝3x、3yにそれぞれ磁性板5x、5yを遊嵌させて2層の磁性簾体6x、6yを内蔵させている。ただし、本発明の磁気シールドパネル9は1組の並列溝3と1組の磁性簾体6とを有するものであれば足りる。好ましくは、各並列溝3x、3yに遊嵌させる磁性簾体6x、6yの両端を荷重受け面Aの端縁から突出させ、相互に隣接して配置する各剛性パネル10の磁性簾体6x、6yの端縁を重ね合わせて結合する。なお図示例のパネル10は、剛性パネル10の四周側面を溝3の半割り形状とし、隣接する剛性パネル10の位置合わせの便を図っている。
例えば工場で剛性パネル10の並列溝3内に磁性簾体6を遊嵌させ、磁性簾体6が内蔵された磁気シールドパネル9として現場に搬送して据付ける。複数の磁気シールドパネル9を、図5に示すシールドルーム20a、20bの床基盤1上に相互に隣接させて敷設することにより、上述した磁気シールド構造を簡単に且つ迅速に施工することができる。図示例の符号11は、剛性パネル10の表面に設けたフローリング材、絨毯、ビニールタイル、塗装等の床仕上げ材を示す。なお、図示例では、剛性パネル10の荷重受け面Aを床基盤1に対向させて載置しているが、荷重受け面Bを床基盤1に対向させて載置する方法も考えられる。また、並列溝3内に遊嵌する磁性板5を取り外し可能とし、要求される磁気シールド性能に応じて磁気シールドパネル9に内蔵する磁性板5の数や種類を調節可能とすることができる。
図4は、本発明の磁気シールドパネル9の他の実施例を示す。この例では、図5に示す磁気シールドルーム20bの床を、床基盤1上に高さ調節可能な支持脚16で床板15及び床仕上げ材11を支持した二重床構造とし、二重床の床下空隙に磁性簾体6を配置している。二重床の重量機器を載置する部分を二重床と同じ高さの磁気シールドパネル9で置き換え、磁気シールドパネル9に内蔵された磁性簾体6の端縁を床下空隙に配置した磁性簾体6の端縁と重ね合わせて結合する。単独又は一方向に並べた磁気シールドパネル9を、アングル部材17及びボルト・ナット18の組み合わせ等の固定手段により床基盤1に固定する。この磁気シールドパネル9は、少数の部材により独立の重量磁気機器を安全に磁気遮蔽すると共に機械的に安定な姿勢で支持する。
本発明の磁気シールド構造は、例えば半導体関連施設・医療施設等において、強磁気利用装置の受動的及び/又は能動的磁気シールドに広く適用できる。また、変電所における電力幹線やトランス、建築物のコンピュータルームや電気室等に対して受動的及び/又は能動的磁気シールドを付与する場合にも利用できる。
本発明の磁気シールド構造の一実施例の説明図である。 図1の磁気シールド構造における磁性材料板の配置図及び部分的断面図である。 本発明の磁気シールド構造の他の実施例の説明図である。 本発明の磁気シールド構造の更に他の実施例の説明図である。 本発明の磁気シールド構造を用いたシールドルームの説明図である。 簾型磁気シールド方法の説明図である。 本発明の磁気シールド構造を用いたシールドルームの構成方法の説明図である。 簾型磁気シールドのシールド性能計測方法の説明図である。
符号の説明
1…床基盤 2…剛性版(パネル)
3…溝
5…磁性材料板(磁性板) 6…磁性簾体
7…積層磁性簾体 8…列状磁性簾体
9…磁気シールドパネル
10…剛性パネル 11…仕上げ材
12…保持手段 14…磁性材料板の端部
15…床板 16…支持脚
17…アングル部材 18…ボルト・ナット
20…磁気シールドルーム 21…方形磁性板
22…磁気シールド体
24…磁気センサ 25…支持枠体
A、B…荷重受け面 C…長さ方向中心線
d…間隔 F…簾面
G…荷重 I…電流
L…電流担体(コイル) M…磁場
S…シールド係数

Claims (8)

  1. 剛性版の荷重受け面に所要間隔で複数の並列溝を穿ち、前記各溝内にそれぞれ磁性材料板を荷重伝達がないように遊嵌させてなる荷重受け面の磁気シールド構造。
  2. 請求項1の磁気シールド構造において、前記磁性材料板の各々の長さ方向中心線を荷重受け面とほぼ平行な面上に芯合わせしてなる荷重受け面の磁気シールド構造。
  3. 請求項1又は2の磁気シールド構造において、前記磁性材料板を、前記溝の長さ方向に延在する短冊状磁性材料板としてなる荷重受け面の磁気シールド構造。
  4. 請求項1から3の何れかの磁気シールド構造において、前記荷重受け面に相互に交差する方向の複数組の前記並列溝の群を穿ち、前記複数組の溝の群にそれぞれ前記磁性材料板の群を遊嵌させてなる荷重受け面の磁気シールド構造。
  5. 荷重受け面を有する剛性パネル、前記荷重受け面に所要間隔で穿った並列溝の群、前記各溝内に荷重伝達がないように遊嵌した磁性材料板の群、及び前記磁性材料板の各々の長さ方向中心線を荷重受け面とほぼ平行な面上に芯合わせして保持する保持手段を備えてなる磁気シールドパネル。
  6. 請求項5の磁気シールドパネルにおいて、前記磁性材料板を、前記溝内の長さ方向に延在する短冊状磁性材料板としてなる磁気シールドパネル。
  7. 請求項5又は6の磁気シールドパネルにおいて、前記荷重受け面に相互に交差する方向の複数組の前記並列溝の群を穿ち、前記複数組の溝の群にそれぞれ遊嵌させる複数組の磁性材料板の群を設け、なる磁気シールドパネル。
  8. 請求項5から7の何れかの磁気シールドパネルにおいて、前記剛性パネルをコンクリート製、金属製又は樹脂製としてなる磁気シールドパネル。
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