JP2012222332A - 静止誘導機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気シールドの遮蔽能力を向上して静止誘導機器の小型化を図る。
【解決手段】鉄心と、鉄心に巻き回された巻線と、巻線の周側面の一部と面するように位置して、巻線から発生する漏洩磁束10の一部を遮蔽する磁気シールド140とを備える。磁気シールド140は、巻線の軸方向に延在してこの軸方向と直交する方向に積層された複数の電磁鋼板141、この複数の電磁鋼板141の周囲を囲んで複数の電磁鋼板141を挟持する導電性枠部142、および、複数の電磁鋼板141の積層方向に延在して導電性枠部142の一部と他の一部とを電気的に繋ぐ導電性橋絡部143を含む。
【選択図】図2
【解決手段】鉄心と、鉄心に巻き回された巻線と、巻線の周側面の一部と面するように位置して、巻線から発生する漏洩磁束10の一部を遮蔽する磁気シールド140とを備える。磁気シールド140は、巻線の軸方向に延在してこの軸方向と直交する方向に積層された複数の電磁鋼板141、この複数の電磁鋼板141の周囲を囲んで複数の電磁鋼板141を挟持する導電性枠部142、および、複数の電磁鋼板141の積層方向に延在して導電性枠部142の一部と他の一部とを電気的に繋ぐ導電性橋絡部143を含む。
【選択図】図2
Description
本発明は、静止誘導機器に関し、特に、変圧器およびリアクトルなどの静止誘導機器に関する。
静止誘導機器の磁気シールドを開示した先行文献として、特開平7−211558号公報(特許公報1)がある。特開平7−211558号公報(特許公報1)に記載された静止誘導機器の磁気シールドにおいては、ステーに対応する位置のタンクの内側に、短冊状に設けられた磁気シールドが取付板によって固定されている。
磁気シールドの遮蔽能力は磁気シールドを厚くするほど大きくなるが、磁気シールドを厚くすることは静止誘導機器の小型化を図るうえで障害となる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、磁気シールドの遮蔽能力を向上して小型化を図ることができる、静止誘導機器を提供することを目的とする。
本発明に基づく静止誘導機器は、鉄心と、鉄心に巻き回された巻線と、巻線の周側面の一部と面するように位置して、巻線から発生する漏洩磁束の一部を遮蔽する磁気シールドとを備える。磁気シールドは、巻線の軸方向に延在してこの軸方向と直交する方向に積層された複数の電磁鋼板、この複数の電磁鋼板の周囲を囲んで複数の電磁鋼板を挟持する導電性枠部、および、複数の電磁鋼板の積層方向に延在して導電性枠部の一部と他の一部とを電気的に繋ぐ導電性橋絡部を含む。
本発明によれば、磁気シールドの遮蔽能力を向上して静止誘導機器の小型化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態1に係る静止誘導機器について図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る静止誘導機器の構成を示す一部断面図である。図2は、本実施形態に係る静止誘導機器の磁気シールドに漏洩磁束が浸入した状態を示す斜視図である。図1においては、鉄心110およびタンク130のみ断面で示している。
図1は、本発明の実施形態1に係る静止誘導機器の構成を示す一部断面図である。図2は、本実施形態に係る静止誘導機器の磁気シールドに漏洩磁束が浸入した状態を示す斜視図である。図1においては、鉄心110およびタンク130のみ断面で示している。
図1に示すように、本発明の実施形態1に係る静止誘導機器100は、鉄心110と、鉄心110に巻き回された巻線120と、巻線120の周側面の一部と面するように位置して、巻線120から発生する漏洩磁束10の一部を遮蔽する磁気シールド140とを備える。
鉄心110、巻線120および磁気シールド140は、タンク130の内部に収納されている。タンク130は、SS400(日本工業規格)などの構造用圧延鋼材で形成されている。
鉄心110は、タンク130の底部上に設けられた鉄心受け部150上に載置されている。鉄心110は、積層された複数の電磁鋼板111から構成され、側面視において、中央に開口を有する矩形状の外形を有している。
本実施形態においては、磁気シールド140がタンク130の側壁に沿って設けられている。言い換えると、磁気シールド140は、巻線120とタンク130の側壁との間に配置されている。
図1,2に示すように、磁気シールド140は、巻線120の軸方向に延在してこの軸方向と直交する方向に積層された複数の電磁鋼板141、複数の電磁鋼板141の周囲を囲んで複数の電磁鋼板141を挟持する導電性枠部142、および、複数の電磁鋼板141の積層方向に延在して導電性枠部142の一部と他の一部とを電気的に繋ぐ導電性橋絡部143を含む。
電磁鋼板141は、タンク130を構成する材料より透磁率の高い材料で形成されている。本実施形態においては、電磁鋼板141は、短冊状の形状を有し、両方の主面に絶縁層が形成されている。そのため、積層された複数の電磁鋼板141の各々は、互いに絶縁されている。
導電性枠部142および導電性橋絡部143は、タンク130を構成する材料より電気抵抗の低い金属で形成されている。本実施形態においては、導電性枠部142および導電性橋絡部143を銅で形成したが、導電性枠部142および導電性橋絡部143の材料はこれに限られず、たとえば、アルミおよび超電導線材などでもよい。
導電性枠部142および導電性橋絡部143は、必ずしも同一の材料で形成される必要はなく、たとえば、導電性枠部142を銅で形成し、導電性橋絡部143をアルミで形成してもよい。
本実施形態においては、導電性橋絡部143は、導電性枠部142のうち複数の電磁鋼板141の延在方向に延在する2つの延在部の中央部同士を接続している。また、導電性橋絡部143は、磁気シールド140と面している巻線120の周側面の一部に対して、複数の電磁鋼板141より近接して位置している。
磁気シールド140の作製方法としては、まず、導電性枠部142のうち鉛直方向下側に配置される下側水平部と、上記2つの延在部のうちの一方である左側垂直部と、導電性橋絡部143とを溶接などで接合する。
次に、複数の電磁鋼板141を積層した後、上記2つの延在部のうちの他方である右側垂直部と下側水平部と導電性橋絡部143とを溶接などで接合する。このとき、左側垂直部と右側垂直部とで、複数の電磁鋼板141を挟み込むように押圧した状態で接合する。
最後に、鉛直方向上側に配置される上側水平部と左側垂直部と右側垂直部とを溶接などで接合する。このようにすることにより、導電性枠部142で複数の電磁鋼板141を挟持することができる。なお、図面においては、導電性枠部142の継目は図示していない。
磁気シールド140を上記の方法で製作することにより、磁気シールド140を静止誘導機器100の組立場所で作製できるため、その組立場所までは磁気シールド140の構成部品を個々に搬送可能となる。そのため、予め作製した一体の磁気シールド140を組立場所まで搬送するよりも搬送時の作業性を改善できる。
以下、磁気シールド140が漏洩磁束10を遮蔽する作用について説明する。
図1,2に示すように、巻線120に電流が流されることにより、巻線120と鎖交する漏洩磁束10が発生する。タンク130の側壁の近傍に進行した漏洩磁束10は、タンク130より透磁率の高い電磁鋼板141内を通過して巻線120へ戻る。
図1,2に示すように、巻線120に電流が流されることにより、巻線120と鎖交する漏洩磁束10が発生する。タンク130の側壁の近傍に進行した漏洩磁束10は、タンク130より透磁率の高い電磁鋼板141内を通過して巻線120へ戻る。
漏洩磁束10は、電磁鋼板141の側面から電磁鋼板141内に浸入する。そのため、側面より幅の広い電磁鋼板141の主面に漏洩磁束10が浸入した場合に比較して、渦電流損を低減することができる。また、電磁鋼板141の両方の主面に絶縁層が形成されているため、渦電流が複数の電磁鋼板141に亘って流れることを防止できる。
磁気シールド140においては、導電性枠部142および導電性橋絡部143により閉回路を構成しているため、漏洩磁束10が磁気シールド140に浸入して外出することにより、漏洩磁束10を打ち消そうとする遮蔽電流20,21が発生する。なお、遮蔽電流は主な経路を流れるもののみ図示している。
本実施形態においては、導電性橋絡部143が、漏洩磁束10の磁気シールド140への浸入領域と磁気シールド140からの外出領域との境界に位置している。そのため、漏洩磁束10が磁気シールド140に浸入する浸入領域の周囲に位置する導電性枠部142および導電性橋絡部143には、漏洩磁束10の浸入を阻むように左回りに遮蔽電流20が発生する。
一方、漏洩磁束10が磁気シールド140から外出する外出領域の周囲に位置する導電性枠部142および導電性橋絡部143には、漏洩磁束10の外出を阻むように右回りに遮蔽電流21が発生する。
導電性橋絡部143を上記の境界位置に配置することにより、漏洩磁束10の浸入および外出の両方を効率よく阻むことができるため、磁気シールド140の遮蔽能力を向上することができる。ただし、導電性橋絡部143の位置は上記に限られず、上記の境界位置からずれていてもよい。
遮蔽電流20,21により漏洩磁束10の一部を打ち消すことにより、電磁鋼板141が磁束で飽和するために必要な漏洩磁束10の量を増加させることができる。言い換えると、磁気シールド140の遮蔽能力を向上させることができる。
よって、同じ遮蔽能力を有する従来の磁気シールドと比較して、磁気シールド140においては複数の電磁鋼板141の幅を小さくすることができる。その結果、薄型の磁気シールド140を採用することにより、タンク130を小さくして静止誘導機器100の小型化を図ることができる。
なお、磁気シールド140においては、導電性枠部142が複数の電磁鋼板141を挟持する機能を有しているため、従来の磁気シールドと比較して同じ部品点数で高い遮蔽能力を有している。
上記のように、漏洩磁束10がタンク130の側壁に浸入することを磁気シールド140で抑制することにより、タンク130に漏洩磁束10が浸入した場合と比較して、鉄損を低減して漏洩磁束10による発熱損失を大きく低減できる。
また、導電性枠部142および導電性橋絡部143を電気抵抗の低い材料で形成しているため、遮蔽電流20,21によるジュール熱損失も低減できる。
なお、本実施形態においては、磁気シールド140をタンク130の側壁に配置したが、磁気シールド140の配置はこれに限られず、漏洩磁束10が及ぶ金属製構造物の巻線120側に配置されていればよい。
以下、本発明の実施形態2に係る静止誘導機器について説明する。本実施形態は、導電性橋絡部143の位置のみ実施形態1に記載の静止誘導機器100と異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
(実施形態2)
図3は、本発明の実施形態2に係る静止誘導機器の磁気シールドの構造を示す斜視図である。図4は、本実施形態に係る静止誘導機器の磁気シールドに漏洩磁束が浸入した状態を示す斜視図である。図4においては、簡単のため、複数の電磁鋼板141を図示していない。
図3は、本発明の実施形態2に係る静止誘導機器の磁気シールドの構造を示す斜視図である。図4は、本実施形態に係る静止誘導機器の磁気シールドに漏洩磁束が浸入した状態を示す斜視図である。図4においては、簡単のため、複数の電磁鋼板141を図示していない。
図3に示すように、本発明の実施形態2に係る静止誘導機器の磁気シールド140aにおいては、導電性橋絡部143が、複数の電磁鋼板141とタンク130の側壁との間に位置している。言い換えると、導電性橋絡部143が、巻線120の周側面の一部に対して複数の電磁鋼板141より離れて位置している。
このように導電性橋絡部143を配置することにより、漏洩磁束10によって導電性橋絡部143の表面に流れる渦電流損を低減できる。その結果、実施形態1の磁気シールド140の漂遊損と比較して、磁気シールド140aの漂遊損を低くすることができる。
また、複数の電磁鋼板141とタンク130の側壁との間の隙間が、導電性橋絡部143の厚みの分だけ増加するため、複数の電磁鋼板141とタンク130の側壁との間の磁気抵抗が高くなる。その結果、電磁鋼板141内を流れる漏洩磁束10が、タンク130の側壁に流れ込みにくくなるため、磁気シールド140aの遮蔽能力が増加したことになる。
特に、タンク130を一般構造用圧延鋼材などの強磁性体で構成した場合、電磁鋼板141とタンク130の側壁との間に隙間がなければ、電磁鋼板141内の磁束密度が大きくなるに従って電磁鋼板141の比透磁率が低下して、相対的にタンク130内を磁束が通りやすくなる。この場合、電磁鋼板141が磁束で飽和する前に漏洩磁束10がタンク130内に侵入して、タンク130で渦電流が発生する可能性が高くなる。そのため、電磁鋼板141とタンク130の側壁との間の隙間を増して、磁気シールド140aの遮蔽能力を増加させることによる効果は大きい。
以下、本発明の実施形態3に係る静止誘導機器について説明する。本実施形態は、導電性橋絡部143の数のみ実施形態2に記載の静止誘導機器と異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
(実施形態3)
図5は、本発明の実施形態3に係る静止誘導機器の磁気シールドの構造を示す斜視図である。図6は、本実施形態に係る静止誘導機器の磁気シールドに漏洩磁束が浸入した状態を示す斜視図である。図6においては、簡単のため、複数の電磁鋼板141を図示していない。
図5は、本発明の実施形態3に係る静止誘導機器の磁気シールドの構造を示す斜視図である。図6は、本実施形態に係る静止誘導機器の磁気シールドに漏洩磁束が浸入した状態を示す斜視図である。図6においては、簡単のため、複数の電磁鋼板141を図示していない。
図5に示すように、本発明の実施形態3に係る静止誘導機器の磁気シールド140bは、互いに間隔を置いて位置する2つの導電性橋絡部143a,143bを有する。図5,6に示すように、磁気シールド140bに経路の異なる2つの漏洩磁束11,12が浸入している。
導電性橋絡部143aは、漏洩磁束11の磁気シールド140bへの浸入領域と磁気シールド140bからの外出領域との境界に位置している。また、導電性橋絡部143bは、漏洩磁束12の磁気シールド140bへの浸入領域と磁気シールド140bからの外出領域との境界に位置している。
磁気シールド140bは、導電性枠部142および導電性橋絡部143a,143bにより閉回路を構成しているため、漏洩磁束11,12が磁気シールド140bに浸入して外出することにより、漏洩磁束11,12を打ち消そうとする遮蔽電流22,23,24が発生する。なお、遮蔽電流は主な経路を流れるもののみ図示している。
本実施形態においては、漏洩磁束11が磁気シールド140bに浸入する浸入領域の周囲に位置する導電性枠部142および導電性橋絡部143aには、漏洩磁束11の浸入を阻むように左回りに遮蔽電流22が発生する。また、漏洩磁束12が磁気シールド140bに浸入する浸入領域の周囲に位置する導電性枠部142および導電性橋絡部143bには、漏洩磁束12の浸入を阻むように左回りに遮蔽電流24が発生する。
一方、漏洩磁束11,12が磁気シールド140bから外出する外出領域の周囲に位置する導電性枠部142および導電性橋絡部143a,143bには、漏洩磁束11,12の外出を阻むように右回りに遮蔽電流23が発生する。
導電性橋絡部143a,143bを上記の境界位置に配置することにより、漏洩磁束11,12の浸入および外出の両方を効率よく阻むことができるため、磁気シールド140bの遮蔽能力を向上することができる。ただし、導電性橋絡部143a,143bの位置は上記に限られず、上記の境界位置からずれていてもよい。
このように、複数の導電性橋絡部を設けることにより、複数の経路の漏洩磁束を1つの磁気シールドで遮蔽することができる。なお、配置される導電性橋絡部の数は、漏洩磁束の経路の数に合わせて適宜決定される。
以下、本発明の実施形態4に係る静止誘導機器について説明する。本実施形態は、導電性枠部が絶縁部を有することのみ実施形態2に記載の静止誘導機器と異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
(実施形態4)
図7は、本発明の実施形態4に係る静止誘導機器の磁気シールドの構造を示す斜視図である。図7に示すように、本発明の実施形態4に係る静止誘導機器の磁気シールド140cは、導電性枠部142aのうち複数の電磁鋼板141の延在方向に延在する延在部に、この延在方向に伸びる絶縁部144を有する。
図7は、本発明の実施形態4に係る静止誘導機器の磁気シールドの構造を示す斜視図である。図7に示すように、本発明の実施形態4に係る静止誘導機器の磁気シールド140cは、導電性枠部142aのうち複数の電磁鋼板141の延在方向に延在する延在部に、この延在方向に伸びる絶縁部144を有する。
本実施形態においては、絶縁部144はスリットで構成されている。導電性枠部142aに絶縁部144を設けることにより、漏洩磁束10によって導電性枠部142aに発生する渦電流の経路を小さくして、渦電流損を低減することができる。
絶縁部144は、導電性枠部142aの他の部分に設けられてもよいが、遮蔽電流の流れを妨げないように設けられることが好ましい。また、導電性橋絡部143に、複数の電磁鋼板141の延在方向に伸びる絶縁部を設けてもよい。
絶縁部144の形態はスリットに限られず、たとえば、導電性枠部142aの延在部を、両主面に絶縁層を有する複数の金属製薄板を積層して構成することにより、この絶縁層を絶縁部144としてもよい。
さらに、たとえば、導電性枠部142aの延在部を、表面に絶縁層が形成された細線を束ねた電線で構成することにより、この絶縁層を絶縁部144としてもよい。電線が一定間隔でよられたより線である場合、導電性枠部142aおよび導電性橋絡部143を流れる遮蔽電流の電流密度分布が平均化され、導電性枠部142aおよび導電性橋絡部143で発生するジュール熱損失が低減できるためより好ましい。
以下、本発明の実施形態5に係る静止誘導機器について説明する。本実施形態は、複数の磁気シールドが隣接して配置されていることのみ実施形態2に記載の静止誘導機器と異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
(実施形態5)
図8は、本発明の実施形態5に係る静止誘導機器の磁気シールドの構造を示す斜視図である。図8に示すように、本発明の実施形態5に係る静止誘導機器の磁気シールド140は、タンク130の側壁に、互いに所定の間隔を置いて3つ配置されている。
図8は、本発明の実施形態5に係る静止誘導機器の磁気シールドの構造を示す斜視図である。図8に示すように、本発明の実施形態5に係る静止誘導機器の磁気シールド140は、タンク130の側壁に、互いに所定の間隔を置いて3つ配置されている。
本実施形態においても、タンク130の側壁で発生する渦電流損を低減することができる。また、導電性枠部142および導電性橋絡部143により磁気シールド140を薄型化できるため、タンク130を小さくして静止誘導機器100の小型化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態6に係る静止誘導機器について説明する。本実施形態は、磁気シールドの配置される位置および鉄心をタング支えで支持していることのみ実施形態2に記載の静止誘導機器と異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
(実施形態6)
図9は、本発明の実施形態6に係る静止誘導機器の磁気シールドの構造を示す一部断面図である。図9に示すように、本発明の実施形態6に係る静止誘導機器の磁気シールド170は、巻線120と鉄心110との間に配置されて鉄心110を支持しているタング支え160の底面に沿うように配置されている。言い換えると、磁気シールド170は、巻線120とタング支え160との間に配置されている。
図9は、本発明の実施形態6に係る静止誘導機器の磁気シールドの構造を示す一部断面図である。図9に示すように、本発明の実施形態6に係る静止誘導機器の磁気シールド170は、巻線120と鉄心110との間に配置されて鉄心110を支持しているタング支え160の底面に沿うように配置されている。言い換えると、磁気シールド170は、巻線120とタング支え160との間に配置されている。
タング支え160は、断面逆T字状の形状を有しており、金属製部材で構成されている。タング支え160のうち水平方向に配置されている水平支持部の上面に、鉄心110を構成する複数の電磁鋼板111が積層されている。
図9に示すように、磁気シールド170は、巻線120の軸方向に延在してこの軸方向と直交する方向に積層された複数の電磁鋼板171、複数の電磁鋼板171の周囲を囲んで複数の電磁鋼板171を挟持する導電性枠部172、および、複数の電磁鋼板171の積層方向に延在して導電性枠部172の一部と他の一部とを電気的に繋ぐ導電性橋絡部173を含む。
電磁鋼板171は、タング支え160を構成する材料より透磁率の高い材料で形成されている。本実施形態においては、電磁鋼板171は、短冊状の形状を有し、両方の主面に絶縁層が形成されている。そのため、積層された複数の電磁鋼板171の各々は、互いに絶縁されている。
導電性枠部172および導電性橋絡部173は、タング支え160を構成する材料より電気抵抗の低い金属で形成されている。本実施形態においては、導電性枠部172および導電性橋絡部173を銅で形成したが、導電性枠部172および導電性橋絡部173の材料はこれに限られず、たとえば、アルミおよび超電導線材などでもよい。
導電性枠部172および導電性橋絡部173は、必ずしも同一の材料で形成される必要はなく、たとえば、導電性枠部172を銅で形成し、導電性橋絡部173をアルミで形成してもよい。
本実施形態においては、導電性橋絡部173は、導電性枠部172のうち複数の電磁鋼板171の延在方向に延在する2つの延在部の中央部同士を接続している。また、導電性橋絡部173は、磁気シールド170と面している巻線120の周側面の一部に対して、複数の電磁鋼板171より離れて位置している。
磁気シールド170においては、導電性枠部172および導電性橋絡部173により閉回路を構成しているため、巻線120から発生する漏洩磁束が磁気シールド170に浸入して外出することにより、その漏洩磁束を打ち消そうとする遮蔽電流が発生する。
遮蔽電流により漏洩磁束の一部を打ち消すことにより、電磁鋼板171が磁束で飽和するために必要な漏洩磁束の量を増加させることができる。言い換えると、磁気シールド170の遮蔽能力を向上させることができる。よって、同じ遮蔽能力を有する従来の磁気シールドと比較して、磁気シールド170においては複数の電磁鋼板171の幅を小さくすることができる。
巻線120と磁気シールド170との間の距離は、巻線120と磁気シールド170との間の絶縁距離を確保できるように決定されている。そのため、複数の電磁鋼板171の幅を小さくして磁気シールド170が薄型化されることにより、巻線120の巻線径を小さくすることが可能になる。その結果、巻線120の全長を短くすることができるため、巻線120の製造コストの削減、および、巻線120におけるジュール熱損失の低減を図ることができる。また、巻線径が小さくなることにより、タンク130を小さくして静止誘導機器の小型化を図ることができる。
なお、鉄心110上部においても、同様の構成で製作されることがある。この場合も巻線120とタング支え160との間に磁気シールド170を配置することにより、同様の効果を得ることができる。
また、タング支え160を有さない静止誘導機器においては、鉄心110と巻線120との間に磁気シールド170を配置することにより、同様の効果を得ることができる。
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
10,11,12 漏洩磁束、20,21,22,23,24 遮蔽電流、100 静止誘導機器、110 鉄心、111,141,171 電磁鋼板、120 巻線、130 タンク、140,140a,140b,140c,170 磁気シールド、142,142a,172 導電性枠部、143,143a,143b,173 導電性橋絡部、144 絶縁部、150 鉄心受け部、160 タング支え。
Claims (5)
- 鉄心と、
前記鉄心に巻き回された巻線と、
前記巻線の周側面の一部と面するように位置して、前記巻線から発生する漏洩磁束の一部を遮蔽する磁気シールドと
を備え、
前記磁気シールドは、前記巻線の軸方向に延在して該軸方向と直交する方向に積層された複数の電磁鋼板、該複数の電磁鋼板の周囲を囲んで前記複数の電磁鋼板を挟持する導電性枠部、および、前記複数の電磁鋼板の積層方向に延在して前記導電性枠部の一部と他の一部とを電気的に繋ぐ導電性橋絡部を含む、静止誘導機器。 - 前記導電性橋絡部が、前記漏洩磁束の前記磁気シールドへの浸入領域と前記磁気シールドからの外出領域との境界に位置している、請求項1に記載の静止誘導機器。
- 前記導電性橋絡部が、前記巻線の前記一部に対して前記複数の電磁鋼板より離れて位置している、請求項1または2に記載の静止誘導機器。
- 前記磁気シールドが、互いに間隔を置いて位置する複数の前記導電性橋絡部を有する、請求項1から3のいずれかに記載の静止誘導機器。
- 前記導電性枠部のうち前記複数の電磁鋼板の延在方向に延在する延在部に、該延在方向に伸びる絶縁部を有する、請求項1から4のいずれかに記載の静止誘導機器。
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JPWO2014185267A1 (ja) * | 2013-05-13 | 2017-02-23 | 三菱電機株式会社 | 静止誘導機器 |
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