JP2011060729A - 車輌用前照灯 - Google Patents

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裕己 柴田
Kazutami Oishi
和民 大石
Masahiro Kusaya
雅弘 草谷
Manabu Maeda
学 前田
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Abstract


【課題】 耐振動性の向上を図る。
【解決手段】 スライダー支持部44とローター支持部37が設けられたランプハウジング2と、第1の連結部17と第2の連結部20を有しランプハウジングに対して第1の連結部を支点として任意の方向へ回動可能とされた灯具ユニット7と、第1の連結部が連結され前後方向へ移動されることにより灯具ユニットを第2の連結部を支点として略上下方向へ傾動させるスライダー31と、第2の連結部が連結され水平方向へ回動されることにより灯具ユニットを第1の連結部と第2の連結部を結ぶ軸を支点として水平方向へ回動させるローター21と、回転されることによりスライダーを前後方向へ移動させる駆動操作部34と、回転されることによりローターを水平方向へ回動させる回転操作部30とを設け、第1の連結部と第2の連結部が略上下に離隔して位置されるようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は車輌用前照灯に関する。詳しくは、灯具ユニットを他の部材に対して第1の連結部と第2の連結部の二つの連結部によって連結して耐振動性の向上を図る技術分野に関する。
車輌用前照灯には、例えば、カバーとランプハウジングによって構成された灯具外筐の内部に、光源を有する灯具ユニットが配置されたものがある。
車輌用前照灯の灯具ユニットは、光軸調整機構(エイミング調整機構)によって照射方向の初期位置調整(エイミング調整)が可能とされている(例えば、特許文献1参照)。このような車輌用前照灯にあっては、灯具ユニットを灯具外筐に対して左右方向(水平方向)へ回動させる所謂左右エイミング調整と、灯具ユニットを灯具外筐に対して略上下方向へ傾動させる所謂上下エイミング調整とを行うことができる。
特許文献1に記載された車輌用前照灯にあっては、灯具ユニットが前後に貫通された枠状のフレームに支持され、該フレームがネジ部を有する二つの調整軸と一つの支点軸(特許文献1にあっては、レベリング軸)を介してランプハウジングに支持されている。支点軸及び二つの調整軸は各後端部がランプハウジングに連結され、支点軸の前端部がフレームの下端部に連結され、二つの調整軸の各前端部がフレームの上端部に左右に離隔して連結されている。
車輌用前照灯において、調整軸が回転されてフレームにネジ部が捩じ込まれ又は捩じ戻されると、支点軸を支点としてフレームと灯具ユニットが一体となって水平方向へ回動又は略上下方向へ傾動され、左右エイミング調整又は上下エイミング調整が行われる。
特開2004−227933号公報
ところで、特許文献1に記載された車輌用前照灯において、エイミング調整時には灯具ユニットがランプハウジングに対して円弧状の軌跡で移動(回動)する必要があるが、作用点、即ち、調整軸のフレームとの連結点の軌跡が直線状となってしまう。従って、エイミング時において、灯具ユニットに作用点の軌跡に対して直交する方向への負荷が生じてしまうため、この負荷を吸収するための設計上の余裕(遊び)を形成する必要がある。
ところが、灯具ユニットが上記した余裕を有する構造にされていると、車輌の走行時等に発生する振動によって、灯具ユニットが余裕の分だけ動き易くなり、灯具ユニットに位置ずれや振動が発生し易くなってしまう。
また、特許文献1に記載された車輌用前照灯にあっては、灯具ユニットがフレームに連結された支点軸及び二つの調整軸の三つの連結点を介してランプハウジングに回動自在に支持されているため、三つの連結点が灯具ユニットの重心から離隔した位置に存在し、振動を受ける位置が灯具ユニットの重心から離れた位置になってしまう。
さらに、特許文献1に記載された車輌用前照灯にあっては、灯具ユニットを支持するフレームが支点軸及び二つの調整軸を介してランプハウジングに支持される構造とされている。従って、灯具ユニットとフレームの合計した荷重が支点軸及び二つの調整軸に付与されるため、調整軸等における耐振動性の低下を来たしてしまう。
そこで、本発明車輌用前照灯は、上記した問題点を克服し、耐振動性の向上を図ることを課題とする。
車輌用前照灯は、上記した課題を解決するために、灯室にそれぞれ設けられたスライダー支持部とローター支持部を有するランプハウジングと、第1の連結部と第2の連結部を有し前記ランプハウジングに対して前記第1の連結部を支点として任意の方向へ回動可能とされた灯具ユニットと、前記第1の連結部が連結されると共に前記ランプハウジングのスライダー支持部に前後方向へ移動自在に支持され前後方向へ移動されることにより前記灯具ユニットを前記第2の連結部を支点として略上下方向へ傾動させるスライダーと、前記第2の連結部が連結されると共に前記ローター支持部に水平方向へ回動自在に支持され水平方向へ回動されることにより前記灯具ユニットを第1の連結部と第2の連結部を結ぶ軸を支点として水平方向へ回動させるローターと、前記ランプハウジングに対して回転可能とされると共に回転されることにより前記スライダーを前後方向へ移動させる駆動操作部と、前記ランプハウジングに対して回転可能とされると共に回転されることにより前記ローターを水平方向へ回動させる回転操作部とを備え、前記灯具ユニットの前記第1の連結部と前記第2の連結部が略上下に離隔して位置されるようにしたものである。
従って、車輌用前照灯にあっては、灯具ユニットが第1の連結部と第2の連結部を介してランプハウジングのスライド支持部とローター支持部に支持される。
本発明車輌用前照灯は、灯室にそれぞれ設けられたスライダー支持部とローター支持部を有するランプハウジングと、第1の連結部と第2の連結部を有し前記ランプハウジングに対して前記第1の連結部を支点として任意の方向へ回動可能とされた灯具ユニットと、前記第1の連結部が連結されると共に前記ランプハウジングのスライダー支持部に前後方向へ移動自在に支持され前後方向へ移動されることにより前記灯具ユニットを前記第2の連結部を支点として略上下方向へ傾動させるスライダーと、前記第2の連結部が連結されると共に前記ローター支持部に水平方向へ回動自在に支持され水平方向へ回動されることにより前記灯具ユニットを第1の連結部と第2の連結部を結ぶ軸を支点として水平方向へ回動させるローターと、前記ランプハウジングに対して回転可能とされると共に回転されることにより前記スライダーを前後方向へ移動させる駆動操作部と、前記ランプハウジングに対して回転可能とされると共に回転されることにより前記ローターを水平方向へ回動させる回転操作部とを備え、前記灯具ユニットの前記第1の連結部と前記第2の連結部が略上下に離隔して位置されるようにしたことを特徴とする。
従って、他の部材に対する灯具ユニットの連結点が略上下に位置する第1の連結部と第2の連結部の二点とされ、灯具ユニットが第1の連結部と第2の連結部を結ぶ軸を支点として水平方向へ回動されると共に第1の連結部を支点として略上下方向へ傾動されるため、車輌の走行時等に発生する振動による影響を受け難く、耐振動性の向上を図ることができる。
請求項2に記載した発明にあっては、前記第1の連結部と前記第2の連結部を結ぶ軸の近傍に前記灯具ユニットの重心が位置するようにしたので、灯具ユニットの他の部材に対する連結点となる第1の連結部と第2の連結部が灯具ユニットの重心を含む鉛直面内に位置され、耐振動性の一層の向上を図ることができる。
請求項3に記載した発明にあっては、前記ローター支持部を前記灯具ユニットの荷重を受ける荷重保持部として設けたので、部品点数の削減及び機構の簡素化を図ることができる。
請求項4に記載した発明にあっては、前記ローターをアクチュエーターと該アクチュエーターに前後方向へ移動自在に支持され前記第2の連結部が連結されるスライド部材とによって構成し、前記スライド部材が前記アクチュエーターの駆動力によって前後方向へ移動され前記スライド部材が前後方向へ移動されることにより前記灯具ユニットが前記第1の連結部を支点として略上下方向へ傾動可能とされている。
従って、アクチュエーターがローターとしての機能を有するため、部品点数の削減及び機構の簡素化を図ることができる。
請求項5に記載した発明にあっては、前記アクチュエーターに、前記ローター支持部に水平方向へ回動自在に支持される回転ベース部を設け、前記スライド部材の前後方向における移動範囲の下方に前記回転ベース部を設けている。
従って、第1の連結部と第2の連結部とスライド部材と回転ベース部が上下方向において略1直線上に並び、耐振動性の向上を図ることができる。
以下に、本発明車輌用前照灯を実施するための最良の形態について添付図面を参照して説明する。
先ず、第1の実施の形態に係る車輌用前照灯1について説明する(図1乃至図4参照)。
車輌用前照灯1は、それぞれ車体の前端部における左右両端部に取り付けられて配置されている。
車輌用前照灯1は、図1に示すように、前方に開口された凹部を有するランプハウジング2と該ランプハウジング2の開口面を閉塞するカバー3とを備えている。ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成され、該灯具外筐4の内部空間は灯室5として形成されている。
ランプハウジング2の後端部には前後に貫通された取付孔2aが形成されている。取付孔2aにはバックカバー6が取り付けられている。
ランプハウジング2の後端寄りの位置には上下に離隔して前後に貫通された軸挿通孔2b、2cが形成されている。
灯室5には灯具ユニット7が配置されている(図1乃至図3参照)。灯具ユニット7は、レンズホルダー8と該レンズホルダー8の前端部に取り付けられた投影レンズ9とレンズホルダー8の後端部が取り付けられたブラケット10と該ブラケット10に前端部が取り付けられたリフレクター11と該リフレクター11の後端部に取り付けられた光源12とを有している。
レンズホルダー8は前後方向に貫通された略円筒状に形成された保持部8aと該保持部8aから後方へ突出された取付脚部8b、8b、・・・とから成り、該取付脚部8b、8b、・・・が周方向に離隔して設けられている。
投影レンズ9は前方側の表面が凸面に形成され後方側の表面が後方を向く平面に形成されている。投影レンズ9は後側焦点を含む焦点面上の像を反転して光源12から出射された光を前方へ投影する機能を有する。
ブラケット10は上下方向を向くベース面部13と該ベース面部13から上方へ突出された取付面部14とから成り、該取付面部14に前後に貫通された透過孔14aが形成されている。ブラケット10は取付面部14の一部が光源12から出射された光の一部を遮蔽するシェードとして機能し、透過孔14aを光源12から出射された光が前方へ向けて透過される。
ブラケット10の取付面部14の外周部にはレンズホルダー8の取付脚部8b、8b、・・・の後端部がネジ止め等によって取り付けられる。
リフレクター11は内面が反射面11aとして形成され、該反射面11aは一部を除き、例えば、略楕円球面に形成されている。反射面11aは、光源12の後述する発光部に第1焦点が一致され投影レンズ9の後側焦点に第2焦点が一致されるように形成されている。
リフレクター11は前端部がブラケット10の取付面部14の外周部にネジ止め等によって取り付けられる。
光源12は、例えば、放電バルブであり、外管12aの内部に設けられた発光部12bから光を出射する。発光部12bから出射された光は前方へ向かうか又はリフレクター11の反射面11aで反射され、投影レンズ9の後側焦点を含む焦点面上に集光され、投影レンズ9によって前方へ照明光として投影される。
ブラケット10の取付面部14における上端部の前面には第1の連結部材15がネジ止め等によって取り付けられる。第1の連結部材15は取付面部14に取り付けられる被取付部16と該被取付部16から上方へ突出された第1の連結部17とから成り、該第1の連結部17は上下に延びる軸部17aと該軸部17aの上端に設けられた球状部17bとから成る。
ブラケット10のベース面部13における下面には第2の連結部材18がネジ止め等によって取り付けられる。第2の連結部材18はベース面部13に取り付けられる被取付部19と該被取付部19から下方へ突出された第2の連結部20とから成り、該第2の連結部20は基部20aと該基部20aからそれぞれ左右に突出された連結軸部20b、20bとから成る。
第1の連結部17と第2の連結部20は略上下に位置し、第1の連結部17と第2の連結部20の間に灯具ユニット7の重心Gが位置されている(図1参照)。
第2の連結部20は、その下方に位置するローター21に連結される。ローター21は、図4に示すように、略円板状に形成された回転ベース部22と該回転ベース部22の上端部から側方へ突出された作用突部23と回転ベース部22の上面からそれぞれ上方へ突出された軸支持部24、24とが一体に形成されて成る。
回転ベース部22の外周面には周方向に延びる被支持溝22aが形成されている。
作用突部23の先端部には矩形の枠状取付部25が設けられ、該枠状取付部25には前後に貫通された取付孔25aが形成されている。
軸支持部24、24は左右に離隔して設けられている。軸支持部24は回転ベース部22から上方へ突出された基台部24aと該基台部24aの前後両端部からそれぞれ上方へ突出された突出部24b、24bと該突出部24b、24bの上端からそれぞれ折り返され下方へ行くに従って互いに近付く方向へ傾斜された保持突部24c、24cとから成る。基台部24aの上面には左右に延びる円弧状の軸支持面24dが形成されている。軸支持部24は突出部24b、24b及び保持突部24c、24cが弾性変形可能とされている。
ローター21の枠状取付部25にはナット部材26が取り付けられる。ナット部材26は矩形状のフランジ部27と該フランジ部27からそれぞれ前方へ突出された係合突部28、28とフランジ部27から後方へ突出された被挿入部29とから成る。
係合突部28、28は上下に離隔し互いに離接する方向へ弾性変形可能とされている。係合突部28、28にはそれぞれ上方又は下方へ突出された係合爪28a、28aが設けられている。ナット部材26の内部には前後に貫通された図示しない螺溝部が形成されている。
ナット部材26は係合突部28、28が取付孔25aに後方から挿入されることにより枠状取付部25に取り付けられる。このとき係合突部28、28の挿入に伴って該係合突部28、28が互いに近付く方向へ弾性変形された後に弾性復帰され、係合爪28a、28aとフランジ部27がそれぞれ枠状取付部25の前後両面に係合されてナット部材26が枠状取付部25に取り付けられる。
ナット部材26には回転操作部30が螺合される。回転操作部30は前後方向に延びる軸部30aと該軸部30aの後端に設けられた操作部30bとから成り、軸部30aの先端側に螺軸部30cが形成されている。
回転操作部30は軸部30aがランプハウジング2に形成された下側の軸挿通孔2cに挿入され、ランプハウジング2に軸回り方向へ回転可能かつ軸方向へ移動不能に支持される。
回転操作部30は軸部30aがナット部材26の被挿入部29から挿入され、螺軸部30cが螺溝部に螺合される。
灯具ユニット7の上方にはスライダー31が位置されている(図1乃至図3参照)。スライダー31は前後に長いブロック状の本体部32と該本体部32の前面から前方へ突出された軸支持部33とから成る。スライダー31の左右両側面にはそれぞれ外方へ突出され前後に延びる被支持突部31a、31aが設けられている。
本体部32の前面には上下に延びる半円弧状の軸支持面32aが形成されている。本体部32には前後に延び後面に開口された螺穴32bが形成されている。
軸支持部33は本体部32の前面における左右両端部からそれぞれ前方へ突出された突出部33a、33aと該突出部33a、33aの前端から折り返され後方へ行くに従って互いに近付く方向へ傾斜された保持突部33b、33bとから成る。軸支持部33は本体部32に対して弾性変形可能とされている。
スライダー31には駆動操作部34が螺合されている。駆動操作部34は前後方向に延びる軸部35と該軸部35の後端に設けられた操作部36とから成り、軸部35の前端部に螺軸部35aが形成されている。
駆動操作部34は軸部35がランプハウジング2に形成された上側の軸挿通孔2bに挿入され、ランプハウジング2に軸回り方向へ回転可能かつ軸方向へ移動不能に支持される。
駆動操作部34は螺軸部35aがスライダー31の螺穴32bに挿入されて螺合される。
ランプハウジング2の下面部における内面にはローター支持部37が、例えば、一体に設けられている。ローター支持部37は上下方向を向く板状のベース部38と該ベース部38の左右両端部にそれぞれ設けられた結合部39、39とから成る。
ベース部38の前端部には前方及び上方に開口され略半円形の部分を有する支持凹部40が形成されている。支持凹部40の周縁の上半部は下半部より内側に突出された支持突部40aとして設けられている。
結合部39、39は前後に延びる角材状に形成され、それぞれ前面に開口されたネジ止め穴39a、39aを有している。
ローター支持部37には押さえ板41が結合される。押さえ板41は前後方向を向く横長のパネル部42と該パネル部42から後方へ突出された押さえ部43とが一体に形成されて成る。
パネル部42の左右両端部にはそれぞれ前後に貫通されたネジ挿通孔42a、42aが形成されている。
押さえ部43には後方に開口された略半円形の部分が形成され、この部分の周縁の上半部は下半部より内側に突出された支持突部43aとして設けられている。
ローター支持部37の支持凹部40には、略半円形の部分にローター21の回転ベース部22が配置され、該回転ベース部22の被支持溝22aに支持突部40aが挿入される。支持凹部40に回転ベース部22が配置された状態において、押さえ板41がローター支持部37に前側から結合され、支持突部43aが回転ベース部22の被支持溝22aに挿入される。従って、ローター21は被支持溝22aに支持突部40aと支持突部43aが挿入されてローター支持部37及び押さえ板41に回転自在に支持される。
押さえ板41のネジ挿通孔42a、42aにはそれぞれ取付ネジ100、100が挿通されてローター支持部37のネジ止め穴39a、39aに螺合され、押さえ板41がローター支持部37に結合される。
ローター21がローター支持部37と押さえ板41に支持された状態においては、作用突部23の枠状取付部25がローター支持部37の側方に位置される。
ランプハウジング2の上端側にはスライダー支持部44が、例えば、一体に設けられている。
スライダー支持部44は、前後に延びる略角筒状に形成され、側板部45、45と該側板部45、45の各上端部を連結する天板部46と側板部45、45の下端部から互いに近付く方向へ突出された底板部47、47とから成る。側板部45、45の内面にはそれぞれ前後に延びる支持溝45a、45aが形成されている。底板部47、47間は前後に延びるスリット47aとして形成されている。
スライダー支持部44にはスライダー31が前後方向へ移動自在に支持される。スライダー31は被支持突部31a、31aがそれぞれ支持溝45a、45aに摺動自在に係合されスライダー支持部44に前後方向へ移動自在に支持される。
灯具ユニット7は第1の連結部17の軸部17aがスリット47aに前方から挿入され球状部17bがスライダー31の保持突部33b、33b間に前方から挿入されることによりスライダー31に連結されて支持される。このとき球状部17bの挿入に伴って突出部33a、33aと保持突部33b、33bが互いに遠去かる方向へ弾性変形された後に弾性復帰され、球状部17bが本体部32の軸支持面32aと保持突部33b、33bによって保持される。
球状部17bがスライダー31に連結された状態においては、灯具ユニット7は球状部17bを支点としてスライダー31に対して任意の方向へ回動可能とされる。従って、灯具ユニット7は、例えば、球状部17bを支点として水平方向へ回動可能とされ、また、球状部17bを支点として略上下方向へ傾動可能とされる。
また、灯具ユニット7は、第2の連結部20の連結軸部20b、20bがそれぞれ保持突部24c、24c、・・・間に上方から挿入されることによりローター21に連結されて支持される。このとき連結軸部20bの挿入に伴って突出部24b、24bと保持突部24c、24cが互いに遠去かる方向へ弾性変形された後に弾性復帰され、連結軸部20bが基台部24aの軸支持面24dと保持突部24c、24cによって保持される。
上記のように、第2の連結部20がローター21に連結されることにより、灯具ユニット7の荷重がローター21を介してローター支持部37に受けられる。
このようにローター支持部37はローター21を介して灯具ユニット7の荷重を受ける荷重保持部としても機能するため、部品点数の削減及び機構の簡素化を図ることができる。
連結軸部20b、20bがローター21に連結された状態においては、灯具ユニット7は連結軸部20b、20bを支点として略上下方向へ傾動可能とされる。
上記した車輌用前照灯1において、回転操作部30の操作部30bが操作されて螺軸部30cが回転されると、該螺軸部30cの回転方向に応じた方向へナット部材26が送られてローター21がローター支持部37に対して回動される。ローター21が回動されると、灯具ユニット7がローター21の回動に伴って第1の連結部17と第2の連結部20を結ぶ軸を支点として水平方向へ回動される。灯具ユニット7が回動されることにより、光源12から出射され投影レンズ9を介して照射される光の照射方向が変更され、左右方向における光軸調整である所謂左右エイミング調整が行われる。このとき、第1の連結部17の球状部17bがスライダー31に対して回転される。
一方、駆動操作部34の操作部36が操作されて螺軸部35aが回転されると、該螺軸部35aの回転方向に応じた方向へ螺穴32bが送られてスライダー31がプレート21のスライダー支持部44に対して前後方向へ移動される。スライダー31が前後方向へ移動されると、灯具ユニット7が第2の連結部20を支点として略上下方向へ傾動される。灯具ユニット7が略上下方向へ傾動されることにより、光源12から出射され投影レンズ9を介して照射される光の照射方向が変更され、上下方向における光軸調整である所謂上下エイミング調整が行われる。このとき、第1の連結部17の球状部17bがスライダー31に対して回転される。
尚、上記には、ローター21が下方に位置しスライダー31が上方に位置された例を示したが、逆に、ローター21が上方に位置しスライダー31が下方に位置されるように構成することも可能である。
次に、第2の実施の形態に係る車輌用前照灯1Aについて説明する(図5及び図6参照)。
尚、以下に示す車輌用前照灯1Aは、上記した車輌用前照灯1と比較して、エイミング調整に加えて車載物の重量に応じて変化される光軸の向きを調整する所謂レベリング調整を行うことが可能であることが相違する。従って、車輌用前照灯1Aについては、車輌用前照灯1と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については車輌用前照灯1における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略するか、又は、必要に応じて簡単に説明する。 車輌用前照灯1Aは灯具ユニット7を有している(図5参照)。
第2の連結部20は、その下方に位置するローター21Aに連結される。ローター21Aはアクチュエーター48と該アクチュエーター48に前後方向へ移動自在に支持されたスライド部材49とから成る(図6参照)。
アクチュエーター48は内部に図示しない駆動モーターが配置された駆動部50と該駆動部50の前端側に設けられた部材支持部51と該部材支持部51の下面側に設けられ外形が略円形状に形成された回転ベース部52と駆動部50から側方へ突出された作用突部53とが一体に形成されて成る。
駆動部50には駆動モーターによって前後方向へ移動される駆動駒50aが設けられ、該駆動駒50aはスライド部材49に連結される。
部材支持部51は底面部51aと該底面部51aの左右両端部からそれぞれ上方へ突出された側面部51b、51bとから成り、該側面部51b、51bの上端寄りの位置には前後に延びる案内溝51c、51cが形成されている。
回転ベース部52の外周面には周方向に延びる被支持溝52aが形成されている。回転ベース部52はスライド部材49の前後方向における移動範囲の下方に設けられている。
作用突部53の先端部には矩形の枠状取付部54が設けられ、該枠状取付部54には前後に貫通された取付孔54aが形成されている。
スライド部材49は移動ベース55と該移動ベース55から上方へ突出された軸支持部56、56とが一体に形成されて成る。
移動ベース55は底板部55aと該底板部55aの左右両端部からそれぞれ上方へ突出された側板部55b、55bと該側板部55b、55bの上端部からそれぞれ外方へ突出された被案内部55c、55cとから成る。
軸支持部56、56は底板部55aから上方へ突出され、左右に離隔して設けられている。軸支持部56は底板部55aから上方へ突出された基台部56aと該基台部56aの前後両端部からそれぞれ上方へ突出された突出部56b、56bと該突出部56b、56bの上端からそれぞれ折り返され下方へ行くに従って互いに近付く方向へ傾斜された保持突部56c、56cとから成る。基台部56aの上面には左右に延びる円弧状の軸支持面56dが形成されている。軸支持部56は突出部56b、56b及び保持突部56c、56cが弾性変形可能とされている。
スライド部材49は被案内部55c、55cがそれぞれ案内溝51c、51cに摺動自在に係合されてアクチュエーター48の部材支持部51に前後方向へ移動自在に支持される。
スライド部材49が部材支持部51に支持された状態において、スライド部材49の底板部55aの後端部に駆動部50の駆動駒50aが連結される。従って、スライド部材49は駆動部50の駆動モーターによって前後方向へ移動される駆動駒50aの移動に伴って前後方向へ移動される。
ローター21Aの枠状取付部54にはナット部材26が取り付けられる。
ランプハウジング2の下面部における内面にはローター支持部37が、例えば、一体に設けられている。
ローター支持部37の支持凹部40には、略半円形の部分にローター21Aの回転ベース部52が配置され、該回転ベース部52の被支持溝52aに支持突部40aが挿入される。支持凹部40に回転ベース部52が配置された状態において、押さえ板41がローター支持部37に前側から結合され、支持突部43aが回転ベース部52の被支持溝52aに挿入される。従って、ローター21Aは被支持溝52aに支持突部40aと支持突部43aが挿入されてローター支持部37及び押さえ板41に回転自在に支持される。
ローター21Aがローター支持部37と押さえ板41に支持された状態においては、作用突部53の枠状取付部54がローター支持部37の側方に位置される。
灯具ユニット7は、第2の連結部20の連結軸部20b、20bがそれぞれ保持突部56c、56c、・・・間に上方から挿入されることによりスライド部材49に連結されて支持される。このとき連結軸部20bの挿入に伴って突出部56b、56bと保持突部56c、56cが互いに遠去かる方向へ弾性変形された後に弾性復帰され、連結軸部20bが基台部56aの軸支持面56dと保持突部56c、56cによって保持される。
連結軸部20b、20bがローター21Aに連結された状態においては、灯具ユニット7は連結軸部20b、20bを支点として略上下方向へ傾動可能とされる。
上記のように、第2の連結部20がローター21Aに連結されることにより、灯具ユニット7の荷重がローター21Aを介してローター支持部37に受けられる。
このようにローター支持部37はローター21Aを介して灯具ユニット7の荷重を受ける荷重保持部としても機能するため、部品点数の削減及び機構の簡素化を図ることができる。
上記した車輌用前照灯1Aにおいて、回転操作部30の操作部30bが操作されて螺軸部30cが回転されると、該螺軸部30cの回転方向に応じた方向へナット部材26が送られてローター21Aがローター支持部37に対して回動される。ローター21Aが回動されると、灯具ユニット7がローター21Aの回動に伴って第1の連結部17と第2の連結部20を結ぶ軸を支点として水平方向へ回動される。灯具ユニット7が回動されることにより、光源12から出射され投影レンズ9を介して照射される光の照射方向が変更され、左右方向における光軸調整である所謂左右エイミング調整が行われる。このとき、第1の連結部17の球状部17bがスライダー31に対して回転される。
一方、駆動操作部34の操作部36が操作されて螺軸部35aが回転されると、上下エイミング調整が行われる。
また、上記した車輌用前照灯1Aにおいて、アクチュエーター48によってスライド部材49が前後方向へ移動されると、灯具ユニット7が第1の連結部17の球状部17bを支点として略上下方向へ傾動され、車載物の重量に応じて変化される光軸の向きを調整する所謂レベリング調整が行われる。
上記したように、車輌用前照灯1Aにあっては、ローター21Aをアクチュエーター48と第2の連結部20が連結されるスライド部材49とによって構成しているため、エイミング調整の他にレベリング調整を行うことができる。
また、ローター21Aをアクチュエーター48と第2の連結部20が連結されるスライド部材49とによって構成し、アクチュエーター48がローター21Aとしての機能を有するようにしているため、部品点数の削減及び機構の簡素化を図ることができる。
さらに、アクチュエーター48の回転ベース部52を第2の連結部20が連結されるスライド部材49の前後方向における移動範囲の下方に設けているため、灯具ユニット7の第1の連結部17と第2の連結部20とスライド部材49と回転ベース部52が上下方向において略1直線上に並び、耐振動性の向上を図ることができる。
以上に記載した通り、車輌用前照灯1、1Aにあっては、他の部材に対する灯具ユニット7の連結点が略上下に位置する第1の連結部17と第2の連結部20の二点とされ、光軸調整時(エイミング調整時)に灯具ユニット7が第1の連結部17と第2の連結部20を結ぶ軸を支点として水平方向へ回動されると共に第2の連結部20を支点として略上下方向へ傾動される。
従って、車輌の走行時等に発生する振動による影響を受け難く、耐振動性の向上を図ることができる。
また、第1の連結部17と第2の連結部20の間に灯具ユニット7の重心Gが位置するようにされているため、灯具ユニット7の他の部材に対する連結点となる第1の連結部17と第2の連結部20が灯具ユニット7の重心Gを含む鉛直面内に位置され、耐振動性の一層の向上を図ることができる。
上記した発明を実施するための最良の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
図2乃至図4と共に本発明車輌用前照灯の第1の実施の形態を示すものであり、本図は、概略縦断面図である。 内部構成を示す分解斜視図である。 内部構成を示す斜視図である。 ローター支持部及びローター等を一部を分解して示す拡大斜視図である。 図6と共に本発明車輌用前照灯の第2の実施の形態を示すものであり、本図は、内部構成を示す分解斜視図である。 ローターを示す拡大斜視図である。
1…車輌用前照灯、2…ランプハウジング、5…灯室、7…灯具ユニット、17…第1の連結部、20…第2の連結部、21…ローター、30…回転操作部、31…スライダー、34…駆動操作部、37…ローター支持部、44…スライダ支持部、1A…車輌用前照灯、21A…ローター、48…アクチュエーター、49…スライド部材、52…回転ベース部

Claims (5)

  1. 灯室にそれぞれ設けられたスライダー支持部とローター支持部を有するランプハウジングと、
    第1の連結部と第2の連結部を有し前記ランプハウジングに対して前記第1の連結部を支点として任意の方向へ回動可能とされた灯具ユニットと、
    前記第1の連結部が連結されると共に前記ランプハウジングのスライダー支持部に前後方向へ移動自在に支持され前後方向へ移動されることにより前記灯具ユニットを前記第2の連結部を支点として略上下方向へ傾動させるスライダーと、
    前記第2の連結部が連結されると共に前記ローター支持部に水平方向へ回動自在に支持され水平方向へ回動されることにより前記灯具ユニットを第1の連結部と第2の連結部を結ぶ軸を支点として水平方向へ回動させるローターと、
    前記ランプハウジングに対して回転可能とされると共に回転されることにより前記スライダーを前後方向へ移動させる駆動操作部と、
    前記ランプハウジングに対して回転可能とされると共に回転されることにより前記ローターを水平方向へ回動させる回転操作部とを備え、
    前記灯具ユニットの前記第1の連結部と前記第2の連結部が略上下に離隔して位置されるようにした
    ことを特徴とする車輌用前照灯。
  2. 前記第1の連結部と前記第2の連結部を結ぶ軸の近傍に前記灯具ユニットの重心が位置するようにした
    ことを特徴とする請求項1に記載の車輌用前照灯。
  3. 前記ローター支持部を前記灯具ユニットの荷重を受ける荷重保持部として設けた
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輌用前照灯。
  4. 前記ローターをアクチュエーターと該アクチュエーターに前後方向へ移動自在に支持され前記第2の連結部が連結されるスライド部材とによって構成し、
    前記スライド部材が前記アクチュエーターの駆動力によって前後方向へ移動され前記スライド部材が前後方向へ移動されることにより前記灯具ユニットが前記第1の連結部を支点として略上下方向へ傾動可能とされた
    ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の車輌用前照灯。
  5. 前記アクチュエーターに、前記ローター支持部に水平方向へ回動自在に支持される回転ベース部を設け、
    前記スライド部材の前後方向における移動範囲の下方に前記回転ベース部を設けた
    ことを特徴とする請求項4に記載の車輌用前照灯。
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