JP2011060730A - 車輌用前照灯 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐振動性の向上を図る。
【解決手段】 スライダー支持部34とユニット支持部36が設けられたランプハウジング2と、第1の連結部17と第2の連結部20を有しランプハウジングに対して第1の連結部を支点として任意の方向へ回動可能とされた灯具ユニット7と、第1の連結部が連結され前後方向へ移動されることにより灯具ユニットを第2の連結部を支点として略上下方向へ傾動させるスライダー26と、第2の連結部が連結され水平方向へ回動されることにより灯具ユニットを第1の連結部と第2の連結部を結ぶ軸を支点として水平方向へ回動させるローター21と、回転されることによりスライダーを前後方向へ移動させる駆動操作部31と、回転されることによりローターを水平方向へ回動させる回転操作部30とを設け、第1の連結部と第2の連結部が略上下に離隔して位置されるようにした。
【選択図】 図2
Description
本発明は車輌用前照灯に関する。詳しくは、灯具ユニットを他の部材に対して第1の連結部と第2の連結部の二つの連結部によって連結して耐振動性の向上を図る技術分野に関する。
車輌用前照灯には、例えば、カバーとランプハウジングによって構成された灯具外筐の内部に、光源を有する灯具ユニットが配置されたものがある。
車輌用前照灯の灯具ユニットは、光軸調整機構(エイミング調整機構)によって照射方向の初期位置調整(エイミング調整)が可能とされている(例えば、特許文献1参照)。このような車輌用前照灯にあっては、灯具ユニットを灯具外筐に対して左右方向(水平方向)へ回動させる所謂左右エイミング調整と、灯具ユニットを灯具外筐に対して略上下方向へ傾動させる所謂上下エイミング調整とを行うことができる。
特許文献1に記載された車輌用前照灯にあっては、灯具ユニットが前後に貫通された枠状のフレームに支持され、該フレームがネジ部を有する二つの調整軸と一つの支点軸(特許文献1にあっては、レベリング軸)を介してランプハウジングに支持されている。支点軸及び二つの調整軸は各後端部がランプハウジングに連結され、支点軸の前端部がフレームの下端部に連結され、二つの調整軸の各前端部がフレームの上端部に左右に離隔して連結されている。
車輌用前照灯において、調整軸が回転されてフレームにネジ部が捩じ込まれ又は捩じ戻されると、支点軸を支点としてフレームと灯具ユニットが一体となって水平方向へ回動又は略上下方向へ傾動され、左右エイミング調整又は上下エイミング調整が行われる。
ところで、特許文献1に記載された車輌用前照灯において、エイミング調整時には灯具ユニットがランプハウジングに対して円弧状の軌跡で移動(回動)する必要があるが、作用点、即ち、調整軸のフレームとの連結点の軌跡が直線状となってしまう。従って、エイミング時において、灯具ユニットに作用点の軌跡に対して直交する方向への負荷が生じてしまうため、この負荷を吸収するための設計上の余裕(遊び)を形成する必要がある。
ところが、灯具ユニットが上記した余裕を有する構造にされていると、車輌の走行時等に発生する振動によって、灯具ユニットが余裕の分だけ動き易くなり、灯具ユニットに位置ずれや振動が発生し易くなってしまう。
また、特許文献1に記載された車輌用前照灯にあっては、灯具ユニットがフレームに連結された支点軸及び二つの調整軸の三つの連結点を介してランプハウジングに回動自在に支持されているため、三つの連結点が灯具ユニットの重心から離隔した位置に存在し、振動を受ける位置が灯具ユニットの重心から離れた位置になってしまう。
さらに、特許文献1に記載された車輌用前照灯にあっては、灯具ユニットを支持するフレームが支点軸及び二つの調整軸を介してランプハウジングに支持される構造とされている。従って、灯具ユニットとフレームの合計した荷重が支点軸及び二つの調整軸に付与されるため、調整軸等における耐振動性の低下を来たしてしまう。
そこで、本発明車輌用前照灯は、上記した問題点を克服し、耐振動性の向上を図ることを課題とする。
車輌用前照灯は、上記した課題を解決するために、灯室にそれぞれ設けられたスライダー支持部とユニット支持部を有するランプハウジングと、第1の連結部と第2の連結部を有し前記第1の連結部が前記ユニット支持部に連結されると共に前記ハウジングに対して前記第1の連結部を支点として任意の方向へ回動可能とされた灯具ユニットと、前記ランプハウジングのスライダー支持部に前後方向へ移動自在に支持され前後方向へ移動されることにより前記灯具ユニットを前記第2の連結部を支点として略上下方向へ傾動させるスライダーと、前記第2の連結部が連結されると共に前記スライダーに水平方向へ回動自在に支持され水平方向へ回動されることにより前記灯具ユニットを第1の連結部と第2の連結部を結ぶ軸を支点として水平方向へ回動させるローターと、前記ランプハウジングに対して回転可能とされると共に回転されることにより前記スライダーを前後方向へ移動させる駆動操作部と、前記ランプハウジングに対して回転可能とされると共に回転されることにより前記ローターを水平方向へ回動させる回転操作部とを備え、前記灯具ユニットの前記第1の連結部と前記第2の連結部が略上下に離隔して位置されるようにしたものである。
従って、車輌用前照灯にあっては、灯具ユニットが第1の連結部と第2の連結部を介してランプハウジングのスライド支持部とユニット支持部に支持される。
本発明車輌用前照灯は、灯室にそれぞれ設けられたスライダー支持部とユニット支持部を有するランプハウジングと、第1の連結部と第2の連結部を有し前記第1の連結部が前記ユニット支持部に連結されると共に前記ハウジングに対して前記第1の連結部を支点として任意の方向へ回動可能とされた灯具ユニットと、前記ランプハウジングのスライダー支持部に前後方向へ移動自在に支持され前後方向へ移動されることにより前記灯具ユニットを前記第2の連結部を支点として略上下方向へ傾動させるスライダーと、前記第2の連結部が連結されると共に前記スライダーに水平方向へ回動自在に支持され水平方向へ回動されることにより前記灯具ユニットを第1の連結部と第2の連結部を結ぶ軸を支点として水平方向へ回動させるローターと、前記ランプハウジングに対して回転可能とされると共に回転されることにより前記スライダーを前後方向へ移動させる駆動操作部と、前記ランプハウジングに対して回転可能とされると共に回転されることにより前記ローターを水平方向へ回動させる回転操作部とを備え、前記灯具ユニットの前記第1の連結部と前記第2の連結部が略上下に離隔して位置されるようにしたことを特徴とする。
従って、他の部材に対する灯具ユニットの連結点が略上下に位置する第1の連結部と第2の連結部の二点とされ、灯具ユニットが第1の連結部と第2の連結部を結ぶ軸を支点として水平方向へ回動されると共に第1の連結部を支点として略上下方向へ傾動されるため、車輌の走行時等に発生する振動による影響を受け難く、耐振動性の向上を図ることができる。
請求項2に記載した発明にあっては、前記第1の連結部と前記第2の連結部を結ぶ軸の近傍に前記灯具ユニットの重心が位置するようにしたので、灯具ユニットの他の部材に対する連結点となる第1の連結部と第2の連結部が灯具ユニットの重心を含む鉛直面内に位置され、耐振動性の一層の向上を図ることができる。
請求項3に記載した発明にあっては、前記スライダー支持部を前記灯具ユニットの荷重を受ける荷重保持部として設けたので、部品点数の削減及び機構の簡素化を図ることができる。
請求項4に記載した発明にあっては、前記ローターをアクチュエーターと該アクチュエーターに前後方向へ移動自在に支持され前記第2の連結部が連結されるスライド部材とによって構成し、前記スライド部材が前記アクチュエーターの駆動力によって前後方向へ移動され前記スライド部材が前後方向へ移動されることにより前記灯具ユニットが前記第1の連結部を支点として略上下方向へ傾動可能とされている。
従って、アクチュエーターがローターとしての機能を有するため、部品点数の削減及び機構の簡素化を図ることができる。
請求項5に記載した発明にあっては、前記アクチュエーターに、前記スライダー支持部に水平方向へ回動可能とされる回転ベース部を設け、前記スライド部材の前後方向への移動範囲の下方に前記回転ベース部を設けている。
従って、第1の連結部と第2の連結部とスライド部材と回転ベース部が上下方向において略1直線上に並び、耐振動性の向上を図ることができる。
以下に、本発明車輌用前照灯を実施するための最良の形態について添付図面を参照して説明する。
先ず、第1の実施の形態に係る車輌用前照灯1について説明する(図1乃至図4参照)。
車輌用前照灯1は、それぞれ車体の前端部における左右両端部に取り付けられて配置されている。
車輌用前照灯1は、図1に示すように、前方に開口された凹部を有するランプハウジング2と該ランプハウジング2の開口面を閉塞するカバー3とを備えている。ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成され、該灯具外筐4の内部空間は灯室5として形成されている。
ランプハウジング2の後端部には前後に貫通された取付孔2aが形成されている。取付孔2aにはバックカバー6が取り付けられている。
ランプハウジング2の後端寄りの位置における下端寄りの位置には左右に離隔して前後に貫通された軸挿通孔2b、2cが形成されている。
灯室5には灯具ユニット7が配置されている(図1乃至図3参照)。灯具ユニット7は、レンズホルダー8と該レンズホルダー8の前端部に取り付けられた投影レンズ9とレンズホルダー8の後端部が取り付けられたブラケット10と該ブラケット10に前端部が取り付けられたリフレクター11と該リフレクター11の後端部に取り付けられた光源12とを有している。
レンズホルダー8は前後方向に貫通された略円筒状に形成された保持部8aと該保持部8aから後方へ突出された取付脚部8b、8b、・・・とから成り、該取付脚部8b、8b、・・・が周方向に離隔して設けられている。
投影レンズ9は前方側の表面が凸面に形成され後方側の表面が後方を向く平面に形成されている。投影レンズ9は後側焦点を含む焦点面上の像を反転して光源12から出射された光を前方へ投影する機能を有する。
ブラケット10は上下方向を向くベース面部13と該ベース面部13から上方へ突出された取付面部14とから成り、該取付面部14に前後に貫通された透過孔14aが形成されている。ブラケット10は取付面部14の一部が光源12から出射された光の一部を遮蔽するシェードとして機能し、透過孔14aを光源12から出射された光が前方へ向けて透過される。
ブラケット10の取付面部14の外周部にはレンズホルダー8の取付脚部8b、8b、・・・の後端部がネジ止め等によって取り付けられる。
リフレクター11は内面が反射面11aとして形成され、該反射面11aは一部を除き、例えば、略楕円球面に形成されている。反射面11aは、光源12の後述する発光部に第1焦点が一致され投影レンズ9の後側焦点に第2焦点が一致されるように形成されている。
リフレクター11は前端部がブラケット10の取付面部14の外周部にネジ止め等によって取り付けられる。
光源12は、例えば、放電バルブであり、外管12aの内部に設けられた発光部12bから光を出射する。発光部12bから出射された光は前方へ向かうか又はリフレクター11の反射面11aで反射され、投影レンズ9の後側焦点を含む焦点面上に集光され、投影レンズ9によって前方へ照明光として投影される。
ブラケット10の取付面部14における上端部の前面には第1の連結部材15がネジ止め等によって取り付けられる。第1の連結部材15は取付面部14に取り付けられる被取付部16と該被取付部16から上方へ突出された第1の連結部17とから成る。
第1の連結部17は前後方向を向く基台部17aと該基台部17aの左右両端部からそれぞれ後方へ突出された突出部17b、17bと該突出部17b、17bの後端からそれぞれ折り返され前方へ行くに従って互いに近付く方向へ傾斜された保持突部17c、17cとから成る。基台部17aの後面には上下に延びる円弧状の軸支持面17dが形成されている。第1の連結部17は突出部17b、17b及び保持突部17c、17cが弾性変形可能とされている。
ブラケット10のベース面部13における下面には第2の連結部材18がネジ止め等によって取り付けられる。第2の連結部材18はベース面部13に取り付けられる被取付部19と該被取付部19から下方へ突出された第2の連結部20とから成り、該第2の連結部20は基部20aと該基部20aからそれぞれ左右に突出された連結軸部20b、20bとから成る。
第1の連結部17と第2の連結部20は略上下に位置し、第1の連結部17と第2の連結部20の間に灯具ユニット7の重心Gが位置されている(図1参照)。
第2の連結部20は、その下方に位置するローター21に連結される。ローター21は、図4に示すように、略円板状に形成された回転ベース部22と該回転ベース部22の上側の部分から側方へ突出された作用突部23と回転ベース部22の上面からそれぞれ上方へ突出された軸支持部24、24とが一体に形成されて成る。
回転ベース部22の下端部は他の部分より径が一回り小さい小径部22aとして設けられている。小径部22aには周方向に離隔して係合突部25、25、・・・が設けられている。係合突部25はその上端を支点として回転ベース部22の軸中心に離接する方向へ弾性変形可能とされ、下端部に外方へ突出された係合爪25aを有している。
作用突部23の先端面は外方へ凸の緩やかな円弧状に形成され、この先端面にギヤ部23aが形成されている。
軸支持部24、24は左右に離隔して設けられている。軸支持部24は回転ベース部22から上方へ突出された基台部24aと該基台部24aの前後両端部からそれぞれ上方へ突出された突出部24b、24bと該突出部24b、24bの上端からそれぞれ折り返され下方へ行くに従って互いに近付く方向へ傾斜された保持突部24c、24cとから成る。基台部24aの上面には左右に延びる円弧状の軸支持面24dが形成されている。軸支持部24は突出部24b、24b及び保持突部24c、24cが弾性変形可能とされている。
ローター21はスライダー26に回転自在に支持される。スライダー26は平面で見てL字状のベース面部27と該ベース面部27の左端部に設けられた軸受突部28、28とベース面部27の後端部に設けられた支持軸部29とが一体に形成されて成る。
ベース面部27の左右両側面にはそれぞれ側方へ突出された被案内突部27a、27a、27aが設けられている。ベース面部27の前端部には上下に貫通された支持孔27bが形成されている。支持孔27bは周面の下側の半部が上側の半部より径の大きい大径部27cとして形成されている。
支持軸部29は前後に貫通された筒状に形成され、内周面に図示しない螺溝部が形成されている。
スライダー26には回転操作部30が回転自在に支持されている(図1乃至図3参照)。回転操作部30は前後方向に延びる軸部30aと該軸部30aの前端部に設けられたウォーム30bと軸部30aの後端部に設けられた操作部30cとから成る。
回転操作部30は軸部30aがランプハウジング2に形成された左側の軸挿通孔2bに挿入され、ランプハウジング2に軸回り方向へ回転可能かつ軸方向へ移動不能に支持される。
回転操作部30はウォーム30bが軸受突部28、28間に位置されてローター21のギヤ部23aに噛合される。
スライダー26には駆動操作部31が螺合されている。駆動操作部31は前後方向に延びる軸部32と該軸部32の後端部に設けられた操作部33とから成り、軸部32の前端部に螺軸部32aが形成されている。
駆動操作部31は軸部32がランプハウジング2に形成された右側の軸挿通孔2cに挿入され、ランプハウジング2に軸回り方向へ回転可能かつ軸方向へ移動不能に支持される。
駆動操作部31は螺軸部32aがスライダー26の支持軸部29に挿入されて螺溝部に螺合される。
ローター21は回転ベース部22の小径部22aがスライダー26の支持孔27bに上側から挿入されることにより、スライダー26に回転自在に支持される。このとき小径部22aの挿入に伴って係合突部25、25、・・・がそれぞれ回転ベース部22の軸中心に近付く方向へ弾性変形された後に弾性復帰され、係合爪25a、25a、・・・が大径部27cに位置され回転ベース部22がスライダー26に支持される。
ランプハウジング2の下面部における内面にはスライダー支持部34が、例えば、一体に設けられている。スライダー支持部34は上下方向を向く略板状に形成され前方及び上方に開口された支持凹部35を有している。支持凹部35の左右両側面にはそれぞれ案内溝35a、35a、35aが形成されている。
スライダー26は被案内突部27a、27a、27aがそれぞれ案内溝35a、35a、35aに摺動自在に係合されてスライダー支持部34に前後方向へ移動自在に支持される。
ランプハウジング2の上端側にはユニット支持部36が、例えば、一体に設けられている。
ユニット支持部36は、前後に延びる角材状に形成され、前面に開口された取付穴36aを有している。
ユニット支持部36にはピボット37が取り付けられる。ピボット37は前後に延びる軸部37aと該軸部37aの前端に設けられた球状部37bと軸部37aの軸方向における中間部に設けられたフランジ部37cとが一体に形成されて成る。
ピボット37は軸部37aにおけるフランジ部37cより後側の部分が取付穴36aに、例えば、圧入されることによりユニット支持部36に取り付けられる。
灯具ユニット7は第1の連結部17がピボット37の球状部37bに連結される。灯具ユニット7は球状部37bが第1の連結部17の保持突部17c、17c間に後方から挿入されることによりピボット37に連結されて支持される。このとき球状部37bの挿入に伴って突出部17b、17bと保持突部17c、17cが互いに遠去かる方向へ弾性変形された後に弾性復帰され、球状部37bが軸支持面17dと保持突部17c、17cによって保持される。
第1の連結部17が球状部37bに連結された状態においては、灯具ユニット7は球状部37bを支点として任意の方向へ回動可能とされる。従って、灯具ユニット7は、例えば、球状部37bを支点として水平方向へ回動可能とされ、また、球状部37bを支点として略上下方向へ傾動可能とされる。
また、灯具ユニット7は、第2の連結部20の連結軸部20b、20bがそれぞれ保持突部24c、24c、・・・間に上方から挿入されることによりローター21に連結されて支持される。このとき連結軸部20bの挿入に伴って突出部24b、24bと保持突部24c、24cが互いに遠去かる方向へ弾性変形された後に弾性復帰され、連結軸部20bが基台部24aの軸支持面24dと保持突部24c、24cによって保持される。
連結軸部20b、20bがローター21に連結された状態においては、灯具ユニット7は連結軸部20b、20bを支点として略上下方向へ傾動可能とされる。
上記のように、第2の連結部20がローター21に連結されることにより、灯具ユニット7の荷重がローター21及びスライダー26を介してスライダー支持部34に受けられる。
このようにスライダー支持部34はローター21及びスライダー26を介して灯具ユニット7の荷重を受ける荷重保持部としても機能するため、部品点数の削減及び機構の簡素化を図ることができる。
上記した車輌用前照灯1において、回転操作部30の操作部30cが操作されてウォーム30bが回転されると、該ウォーム30bの回転方向に応じた方向へギヤ部23aが送られてローター21がスライダー支持部34に対して回動される。ローター21が回動されると、灯具ユニット7がローター21の回動に伴って第1の連結部17と第2の連結部20を結ぶ軸を支点として水平方向へ回動される。灯具ユニット7が回動されることにより、光源12から出射され投影レンズ9を介して照射される光の照射方向が変更され、左右方向における光軸調整である所謂左右エイミング調整が行われる。このとき、第1の連結部17がピボット37の球状部37bに対して回転される。
一方、駆動操作部31の操作部33が操作されて螺軸部32aが回転されると、該螺軸部32aの回転方向に応じた方向へ支持軸部29が送られてスライダー26がスライダー支持部34に対して前後方向へ移動される。スライダー26が前後方向へ移動されると、灯具ユニット7が第1の連結部17を支点として略上下方向へ傾動される。灯具ユニット7が略上下方向へ傾動されることにより、光源12から出射され投影レンズ9を介して照射される光の照射方向が変更され、上下方向における光軸調整である所謂上下エイミング調整が行われる。このとき、第2の連結部20の連結軸部20b、20bがローター21に対して回転される。
尚、上記には、ユニット支持部36とピボット37が上方に位置されスライダー26とスライダー支持部34が下方に位置された例を示したが、逆に、スライダー26とスライダー支持部34が上方に位置されユニット支持部36とピボット37が下方に位置されるように構成することも可能である。
次に、第2の実施の形態に係る車輌用前照灯1Aについて説明する(図5及び図6参照)。
尚、以下に示す車輌用前照灯1Aは、上記した車輌用前照灯1と比較して、エイミング調整に加えて車載物の重量に応じて変化される光軸の向きを調整する所謂レベリング調整を行うことが可能であることが相違する。従って、車輌用前照灯1Aについては、車輌用前照灯1と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については車輌用前照灯1における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略するか、又は、必要に応じて簡単に説明する。 車輌用前照灯1Aは灯具ユニット7を有している(図5参照)。
第2の連結部20は、その下方に位置するローター21Aに連結される。ローター21Aはアクチュエーター38と該アクチュエーター38に前後方向へ移動自在に支持されたスライド部材39とから成る(図6参照)。
アクチュエーター38は内部に図示しない駆動モーターが配置された駆動部40と該駆動部40の前端側に設けられた部材支持部41と該部材支持部41の下面側に設けられ外形が略円形状に形成された回転ベース部42とが一体に形成されて成る。
駆動部40には駆動モーターによって前後方向へ移動される駆動駒40aが設けられ、該駆動駒40aはスライド部材39に連結される。
駆動部40の左側面における前端部には外方へ凸の緩やかな円弧状に形成された面が形成され、この面にギヤ部40bが形成されている。
部材支持部41は底面部41aと該底面部41aの左右両端部からそれぞれ上方へ突出された側面部41b、41bとから成り、該側面部41b、41bの上端寄りの位置には案内溝41c、41cが形成されている。
回転ベース部42の下端部は他の部分より径が一回り小さい小径部42aとして設けられている。小径部42aには周方向に離隔して係合突部43、43、・・・が設けられている。係合突部43はその上端を支点として回転ベース部42の軸中心に離接する方向へ弾性変形可能とされ、下端部に外方へ突出された係合爪43aを有している。
スライド部材39は移動ベース44と該移動ベース44から上方へ突出された軸支持部45、45とが一体に形成されて成る。
移動ベース44は底板部44aと該底板部44aの左右両端部からそれぞれ上方へ突出された側板部44b、44bと該側板部44b、44bの上端部からそれぞれ外方へ突出された被案内部44c、44cとから成る。
軸支持部45、45は底板部44aから上方へ突出され、左右に離隔して設けられている。軸支持部45は底板部44aから上方へ突出された基台部45aと該基台部45aの前後両端部からそれぞれ上方へ突出された突出部45b、45bと該突出部45b、45bの上端からそれぞれ折り返され下方へ行くに従って互いに近付く方向へ傾斜された保持突部45c、45cとから成る。基台部45aの上面には左右に延びる円弧状の軸支持面45dが形成されている。軸支持部45は突出部45b、45b及び保持突部45c、45cが弾性変形可能とされている。
スライド部材39は被案内部44c、44cがそれぞれ案内溝41c、41cに摺動自在に係合されてアクチュエーター38の部材支持部41に前後方向へ移動自在に支持される。
スライド部材39が部材支持部41に支持された状態において、スライド部材39の底板部44aの後端部に駆動部40の駆動駒40aが連結される。従って、スライド部材39は駆動部40の駆動モーターによって前後方向へ移動される駆動駒40aの移動に伴って前後方向へ移動される。
ローター21Aはスライダー26に回転自在に支持される。ローター21Aは回転ベース部42の小径部42aがスライダー26の支持孔27bに上側から挿入されることにより、スライダー26に回転自在に支持される。このとき小径部42aの挿入に伴って係合突部43、43、・・・がそれぞれ回転ベース部42の軸中心に近付く方向へ弾性変形された後に弾性復帰され、係合爪43a、43a、・・・が大径部27cに位置され回転ベース部42がスライダー26に支持される。
回転操作部30はウォーム30bが軸受突部28、28間に位置されてアクチュエーター38のギヤ部40bに噛合される。
灯具ユニット7は、第2の連結部20の連結軸部20b、20bがそれぞれ保持突部45c、45c、・・・間に上方から挿入されることによりスライド部材39に連結されて支持される。このとき連結軸部20bの挿入に伴って突出部45b、45bと保持突部45c、45cが互いに遠去かる方向へ弾性変形された後に弾性復帰され、連結軸部20bが基台部45aの軸支持面45dと保持突部45c、45cによって保持される。
連結軸部20b、20bがスライド部材39に連結された状態においては、灯具ユニット7は連結軸部20b、20bを支点として略上下方向へ傾動可能とされる。
上記のように、第2の連結部20がスライド部材39に連結されることにより、灯具ユニット7の荷重がローター21A及びスライダー26を介してローター支持部37に受けられる。
このようにローター支持部37はローター21A及びスライダー26を介して灯具ユニット7の荷重を受ける荷重保持部としても機能するため、部品点数の削減及び機構の簡素化を図ることができる。
上記した車輌用前照灯1Aにおいて、回転操作部30の操作部30cが操作されてウォーム30bが回転されると、該ウォーム30bの回転方向に応じた方向へギヤ部40bが送られてローター21Aがスライダー支持部34に対して回動される。ローター21Aが回動されると、灯具ユニット7がローター21Aの回動に伴って第1の連結部17と第2の連結部20を結ぶ軸を支点として水平方向へ回動される。灯具ユニット7が回動されることにより、光源12から出射され投影レンズ9を介して照射される光の照射方向が変更され、左右方向における光軸調整である所謂左右エイミング調整が行われる。このとき、第1の連結部17がピボット37の球状部37bに対して回転される。
一方、駆動操作部31の操作部33が操作されて螺軸部32aが回転されると、上下エイミング調整が行われる。
また、上記した車輌用前照灯1Aにおいて、アクチュエーター38によってスライド部材39が前後方向へ移動されると、灯具ユニット7が第1の連結部17の球状部37bを支点として略上下方向へ傾動され、車載物の重量に応じて変化される光軸の向きを調整する所謂レベリング調整が行われる。
上記したように、車輌用前照灯1Aにあっては、ローター21Aをアクチュエーター38と第2の連結部20が連結されるスライド部材39とによって構成しているため、エイミング調整の他にレベリング調整を行うことができる。
また、ローター21Aをアクチュエーター38と第2の連結部20が連結されるスライド部材39とによって構成し、アクチュエーター38がローター21Aとしての機能を有するようにしているため、部品点数の削減及び機構の簡素化を図ることができる。
さらに、アクチュエーター38の回転ベース部42を第2の連結部20が連結されるスライド部材39の前後方向における移動範囲の下方に設けているため、灯具ユニット7の第1の連結部17と第2の連結部20とスライド部材39と回転ベース部42が上下方向において略1直線上に並び、耐振動性の向上を図ることができる。
以上に記載した通り、車輌用前照灯1、1Aにあっては、他の部材に対する灯具ユニット7の連結点が略上下に位置する第1の連結部17と第2の連結部20の二点とされ、光軸調整時(エイミング調整時)に灯具ユニット7が第1の連結部17と第2の連結部20を結ぶ軸を支点として水平方向へ回動されると共に第2の連結部20を支点として略上下方向へ傾動される。
従って、車輌の走行時等に発生する振動による影響を受け難く、耐振動性の向上を図ることができる。
また、第1の連結部17と第2の連結部20の間に灯具ユニット7の重心Gが位置するようにされているため、灯具ユニット7の他の部材に対する連結点となる第1の連結部17と第2の連結部20が灯具ユニット7の重心Gを含む鉛直面内に位置され、耐振動性の一層の向上を図ることができる。
さらに、車輌用前照灯1、1Aにあっては、エイミング調整を行うための回転操作部30と駆動操作部31がともにランプハウジング2の下方側に支持されているため、エイミング調整を容易に行うことができる。
加えて、エイミング調整を行うための機構であるローター21とスライダー26又はローター21Aとアクチュエーター38が灯室5の下方側に配置されているため、灯室5における配置スペースの効率化が図られ、車輌用前照灯1、1Aの小型化を図ることができる。
上記した発明を実施するための最良の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
1…車輌用前照灯、2…ランプハウジング、5…灯室、7…灯具ユニット、17…第1の連結部、20…第2の連結部、21…ローター、26…スライダー、30…回転操作部、31…駆動操作部、34…スライダー支持部、36…ユニット支持部、1A…車輌用前照灯、21A…ローター、38…アクチュエーター、39…スライド部材、42…回転ベース部
Claims (5)
- 灯室にそれぞれ設けられたスライダー支持部とユニット支持部を有するランプハウジングと、
第1の連結部と第2の連結部を有し前記第1の連結部が前記ユニット支持部に連結されると共に前記ハウジングに対して前記第1の連結部を支点として任意の方向へ回動可能とされた灯具ユニットと、
前記ランプハウジングのスライダー支持部に前後方向へ移動自在に支持され前後方向へ移動されることにより前記灯具ユニットを前記第2の連結部を支点として略上下方向へ傾動させるスライダーと、
前記第2の連結部が連結されると共に前記スライダーに水平方向へ回動自在に支持され水平方向へ回動されることにより前記灯具ユニットを第1の連結部と第2の連結部を結ぶ軸を支点として水平方向へ回動させるローターと、
前記ランプハウジングに対して回転可能とされると共に回転されることにより前記スライダーを前後方向へ移動させる駆動操作部と、
前記ランプハウジングに対して回転可能とされると共に回転されることにより前記ローターを水平方向へ回動させる回転操作部とを備え、
前記灯具ユニットの前記第1の連結部と前記第2の連結部が略上下に離隔して位置されるようにした
ことを特徴とする車輌用前照灯。 - 前記第1の連結部と前記第2の連結部を結ぶ軸の近傍に前記灯具ユニットの重心が位置するようにした
ことを特徴とする請求項1に記載の車輌用前照灯。 - 前記スライダー支持部を前記灯具ユニットの荷重を受ける荷重保持部として設けた
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輌用前照灯。 - 前記ローターをアクチュエーターと該アクチュエーターに前後方向へ移動自在に支持され前記第2の連結部が連結されるスライド部材とによって構成し、
前記スライド部材が前記アクチュエーターの駆動力によって前後方向へ移動され前記スライド部材が前後方向へ移動されることにより前記灯具ユニットが前記第1の連結部を支点として略上下方向へ傾動可能とされた
ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の車輌用前照灯。 - 前記アクチュエーターに、前記スライダー支持部に対して水平方向へ回動可能とされる回転ベース部を設け、
前記スライド部材の前後方向への移動範囲の下方に前記回転ベース部を設けた
ことを特徴とする請求項4に記載の車輌用前照灯。
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2009
- 2009-09-14 JP JP2009212336A patent/JP2011060730A/ja active Pending
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