JP2011055655A - 直流モータ及び直流モータの製造方法 - Google Patents

直流モータ及び直流モータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】出力を低下させることなく電機子コイルによる大型化を抑制するとともに、振動を抑制することができる直流モータを提供する。
【解決手段】電機子コア12のティース21〜25は、その基端側の内側巻回部27と、該内側巻回部27の先端から延び周方向に離間するように分岐した一対の分岐ティース部26a,26bとを有し、各内側巻回部27における磁路断面積は各分岐ティース部26a,26bにおける磁路断面積の2倍よりも大きい。各内側巻回部27には、径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ内層コイル42a〜42eが集中巻にて巻回され、隣り合うティース21〜25の隣り合う2つの分岐ティース部26a,26bには、径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ外層コイル43a〜43eが分布巻にて巻回されている。また、各内層コイル42a〜42eの周方向の中心と各外層コイル43a〜43eの周方向の中心とは周方向にずれている。
【選択図】図1

Description

本発明は、直流モータ及び該直流モータの製造方法に関するものである。
従来、周方向に並設された複数の磁極を有する固定子と、該固定子と径方向に対向する電機子とを備えた直流モータがある。電機子は、放射状に延びる複数のティース(突極)を有する電機子コアを備え、該電機子コアには、周方向に隣り合うティース間の空間であるスロットを通るように複数の電機子コアが巻装されている。
例えば、特許文献1に記載された直流モータにおいては、複数の電機子コイルは、複数のティースを跨ぐように巻回される分布巻にて電機子コアに巻装されている。また、特許文献2に記載された直流モータにおいては、複数の電機子コイルは、ティース毎に集中して巻回される集中巻にて電機子コアに巻装されている。そして、一般的に、分布巻の電機子コイルを有する直流モータは、集中巻の電機子コイルを有する直流モータに比べて、電機子コアと磁極との間の磁気による加振力が小さいため、騒音及び振動の低減に有利である。一方、集中巻の電機子コイルを有する直流モータは、電機子コイルの占積率が高いため、高出力化に有利である。
特開2007−116813号公報 特開2004−88915号公報
しかしながら、電機子コイルが分布巻きで電機子コアに巻装される場合、電機子コイルにおける電機子コアの軸方向の端面よりも軸方向に突出した部位であるコイルエンド部が軸方向に重なり合うため、直流モータの大型化を招いてしまう。そして、直流モータの大型化を抑制するためにコイルエンド部の軸方向高さを抑えようとすると、電機子コイルの巻数が減少されてしまい、直流モータの出力低下を招いてしまう。
一方、電機子コアに対し電機子コイルが集中巻にて巻装された直流モータにおいては、磁極とティース(突極)との差が少ないために磁束の変動が急激となってしまい、直流モータの駆動時に電機子コアに加振力が作用して大きな振動が発生する虞があった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、出力を低下させることなく電機子コイルによる大型化を抑制するとともに、振動を抑制することができる直流モータを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、周方向に並設された複数の磁極と、周方向に並設された複数のティースを有し前記ティースの先端が前記磁極と径方向に対向される電機子コアと、前記ティースに巻回された複数の電機子コイルと、周方向に並設された複数のセグメントを有し前記電機子コアと一体回転可能に設けられた整流子と、前記セグメントに押圧接触される複数の給電ブラシと、を備えた直流モータであって、各前記ティースは、各前記ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有するとともに、各前記内側巻回部における磁路断面積は各前記分岐ティース部における磁路断面積の2倍よりも大きく、複数の前記電機子コイルは、各前記内側巻回部にそれぞれ集中巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の内層コイルと、前記内層コイルよりも外周側で隣り合う前記ティースの隣り合う2つの前記分岐ティース部にそれぞれ分布巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の外層コイルとであるとともに、各前記内層コイルの周方向の中心と各前記外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれていることをその要旨としている。
同構成によれば、外層コイルは、内層コイルよりも外周側でティースに巻回されているため、内層コイルと軸方向に重ならない。従って、内層コイル及び外層コイルのコイルエンド部が軸方向に大きくなることを抑制でき、ひいては本発明の直流モータの軸方向の大型化を抑制することができる。そして、コイルエンド部の軸方向高さを抑えるために内層コイル及び外層コイルの巻数を減少させなくてもよいため、出力を低下させることなく直流モータの軸方向の大型化を抑制することができる。また、分布巻の電機子コイルを備えた従来の直流モータと同等の大きさとする場合には、内層コイル及び外層コイルの巻数を増加させて占積率を高くできるため、直流モータの高出力化を図ることができる。更に、各内層コイルの周方向の中心と各外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれているため、集中巻の電機子コイルを備えた直流モータに比べて磁束の変動を緩やかにすることが可能である。従って、直流モータの駆動時に発生する振動を抑制することができる。
また、各ティースは、その先端部に、各ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有するため、ティースの基端部の内側巻回部に内層コイルを巻回し、周方向に隣り合うティースに跨るように周方向に隣り合う2つの分岐ティース部に外層コイルを巻回することにより、内層コイルの外周側に容易に外層コイルを形成することができるとともに、各内層コイルの周方向の中心と各外層コイルの周方向の中心とを容易に周方向にずらすことができる。更に、内層コイルは、ティースの基端部、即ち分岐していない内側巻回部に集中巻にて巻回されているため、ティースの基端部付近を高占積率とすることができる。
また更に、各ティースにおいては、内側巻回部における磁路断面積は、各分岐ティース部における磁路断面積の2倍よりも大きい。そのため、電機子コアにおいて内側巻回部のある内側での磁束量と、分岐ティース部のある外側での磁束量との差を減少させることができ、内側と外側での磁気的なアンバランスを低減させることができる。
請求項2に記載の発明は、周方向に並設された複数の磁極と、周方向に並設された複数のティースを有し前記ティースの先端が前記磁極と径方向に対向される電機子コアと、前記ティースに巻回された複数の電機子コイルと、周方向に並設された複数のセグメントを有し前記電機子コアと一体回転可能に設けられた整流子と、前記セグメントに押圧接触される複数の給電ブラシと、を備えた直流モータであって、各前記ティースは、各前記ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有し、複数の前記電機子コイルは、各前記内側巻回部にそれぞれ集中巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の内層コイルと、前記内層コイルよりも外周側で隣り合う前記ティースの隣り合う2つの前記分岐ティース部にそれぞれ分布巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の外層コイルとであるとともに、前記内層コイルは前記外層コイルよりも巻回数が多く、更に各前記内層コイルの周方向の中心と各前記外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれていることをその要旨としている。
同構成によれば、外層コイルは、内層コイルよりも外周側でティースに巻回されているため、内層コイルと軸方向に重ならない。従って、内層コイル及び外層コイルのコイルエンド部が軸方向に大きくなることを抑制でき、ひいては本発明の直流モータの軸方向の大型化を抑制することができる。そして、コイルエンド部の軸方向高さを抑えるために内層コイル及び外層コイルの巻数を減少させなくてもよいため、出力を低下させることなく直流モータの軸方向の大型化を抑制することができる。また、分布巻の電機子コイルを備えた従来の直流モータと同等の大きさとする場合には、内層コイル及び外層コイルの巻数を増加させて占積率を高くできるため、直流モータの高出力化を図ることができる。更に、各内層コイルの周方向の中心と各外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれているため、集中巻の電機子コイルを備えた直流モータに比べて磁束の変動を緩やかにすることが可能である。従って、直流モータの駆動時に発生する振動を抑制することができる。
また、各ティースは、その先端部に、各ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有するため、ティースの基端部の内側巻回部に内層コイルを巻回し、周方向に隣り合うティースに跨るように周方向に隣り合う2つの分岐ティース部に外層コイルを巻回することにより、内層コイルの外周側に容易に外層コイルを形成することができるとともに、各内層コイルの周方向の中心と各外層コイルの周方向の中心とを容易に周方向にずらすことができる。更に、内層コイルは、ティースの基端部、即ち分岐していない内側巻回部に集中巻にて巻回されているため、ティースの基端部付近を高占積率とすることができる。
また更に、内側巻回部を流れる磁束は、該内側巻回部の径方向内側の端部から隣のティースへ漏れることがあるため、内層コイルの巻回数を外層コイルの巻回数よりも多くすることにより、電機子コアにおいて内側巻回部のある内側部分と分岐ティース部のある外側部分との磁束量の差を減少させることができる。その結果、電機子コアの内側と外側での磁気的なアンバランスを低減させることができる。そして、磁気的な加振力が局所的に大きくなることを抑制して、振動の発生を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、周方向に並設された複数の磁極と、周方向に並設された複数のティースを有し前記ティースの先端が前記磁極と径方向に対向される電機子コアと、前記ティースに巻回された複数の電機子コイルと、周方向に並設された複数のセグメントを有し前記電機子コアと一体回転可能に設けられた整流子と、前記セグメントに押圧接触される複数の給電ブラシと、を備えた直流モータであって、各前記ティースは、各前記ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有し、複数の前記電機子コイルは、各前記内側巻回部にそれぞれ集中巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の内層コイルと、前記内層コイルよりも外周側で隣り合う前記ティースの隣り合う2つの前記分岐ティース部にそれぞれ分布巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の外層コイルとであるとともに、各前記外層コイルを構成する導線の線径は各前記内層コイルを構成する導線の線径よりも大きく、更に各前記内層コイルの周方向の中心と各前記外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれていることをその要旨としている。
同構成によれば、外層コイルは、内層コイルよりも外周側でティースに巻回されているため、内層コイルと軸方向に重ならない。従って、内層コイル及び外層コイルのコイルエンド部が軸方向に大きくなることを抑制でき、ひいては本発明の直流モータの軸方向の大型化を抑制することができる。そして、コイルエンド部の軸方向高さを抑えるために内層コイル及び外層コイルの巻数を減少させなくてもよいため、出力を低下させることなく直流モータの軸方向の大型化を抑制することができる。また、分布巻の電機子コイルを備えた従来の直流モータと同等の大きさとする場合には、内層コイル及び外層コイルの巻数を増加させて占積率を高くできるため、直流モータの高出力化を図ることができる。更に、各内層コイルの周方向の中心と各外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれているため、集中巻の電機子コイルを備えた直流モータに比べて磁束の変動を緩やかにすることが可能である。従って、直流モータの駆動時に発生する振動を抑制することができる。
また、各ティースは、その先端部に、各ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有するため、ティースの基端部の内側巻回部に内層コイルを巻回し、周方向に隣り合うティースに跨るように周方向に隣り合う2つの分岐ティース部に外層コイルを巻回することにより、内層コイルの外周側に容易に外層コイルを形成することができるとともに、各内層コイルの周方向の中心と各外層コイルの周方向の中心とを容易に周方向にずらすことができる。更に、内層コイルは、ティースの基端部、即ち分岐していない内側巻回部に集中巻にて巻回されているため、ティースの基端部付近を高占積率とすることができる。
また、各内層コイルは、外層コイルよりも内周側でそれぞれ1本ずつの内側巻回部に集中巻にて巻回されており、各外層コイルは、内層コイルよりも外周側でそれぞれ2つの分岐ティース部に分布巻にて巻回されているため、外層コイルは内層コイルよりも周方向に長い。そこで、外層コイルを構成する導線の線径を、内層コイルを構成する導線の線径よりも大きくすることにより、内層コイルに比べて外層コイルの抵抗値が高くなることを抑制して、内層コイルにおける電流値と外層コイルにおける電流値の差を減少させることができる。その結果、直流モータにて発生するトルクを安定させることができる。
請求項4に記載の発明は、周方向に並設された複数の磁極と、周方向に並設された複数のティースを有し前記ティースの先端が前記磁極と径方向に対向される電機子コアと、前記ティースに巻回された複数の電機子コイルと、周方向に並設された複数のセグメントを有し前記電機子コアと一体回転可能に設けられた整流子と、前記セグメントに押圧接触される複数の給電ブラシと、を備えた直流モータであって、各前記ティースは、各前記ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有し、複数の前記電機子コイルは、各前記内側巻回部にそれぞれ集中巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の内層コイルと、前記内層コイルよりも外周側で隣り合う前記ティースの隣り合う2つの前記分岐ティース部にそれぞれ分布巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の外層コイルとであるとともに、前記内層コイルは前記外層コイルよりも巻回数が多く、且つ各前記外層コイルを構成する導線の線径は各前記内層コイルを構成する導線の線径よりも大きく、更に各前記内層コイルの周方向の中心と各前記外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれていることをその要旨としている。
同構成によれば、外層コイルは、内層コイルよりも外周側でティースに巻回されているため、内層コイルと軸方向に重ならない。従って、内層コイル及び外層コイルのコイルエンド部が軸方向に大きくなることを抑制でき、ひいては本発明の直流モータの軸方向の大型化を抑制することができる。そして、コイルエンド部の軸方向高さを抑えるために内層コイル及び外層コイルの巻数を減少させなくてもよいため、出力を低下させることなく直流モータの軸方向の大型化を抑制することができる。また、分布巻の電機子コイルを備えた従来の直流モータと同等の大きさとする場合には、内層コイル及び外層コイルの巻数を増加させて占積率を高くできるため、直流モータの高出力化を図ることができる。更に、各内層コイルの周方向の中心と各外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれているため、集中巻の電機子コイルを備えた直流モータに比べて磁束の変動を緩やかにすることが可能である。従って、直流モータの駆動時に発生する振動を抑制することができる。
また、各ティースは、その先端部に、各ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有するため、ティースの基端部の内側巻回部に内層コイルを巻回し、周方向に隣り合うティースに跨るように周方向に隣り合う2つの分岐ティース部に外層コイルを巻回することにより、内層コイルの外周側に容易に外層コイルを形成することができるとともに、各内層コイルの周方向の中心と各外層コイルの周方向の中心とを容易に周方向にずらすことができる。更に、内層コイルは、ティースの基端部、即ち分岐していない内側巻回部に集中巻にて巻回されているため、ティースの基端部付近を高占積率とすることができる。
また更に、内側巻回部を流れる磁束は、該内側巻回部の径方向内側の端部から隣のティースへ漏れることがあるため、内層コイルの巻回数を外層コイルの巻回数よりも多くすることにより、電機子コアにおいて内側巻回部のある内側部分と分岐ティース部のある外側部分との磁束量の差を減少させることができる。その結果、電機子コアの内側と外側での磁気的なアンバランスを低減させることができる。そして、磁気的な加振力が局所的に大きくなることを抑制して、振動の発生を抑制することができる。
また、各内層コイルは、外層コイルよりも内周側でそれぞれ1本ずつの内側巻回部に集中巻にて巻回されており、各外層コイルは、内層コイルよりも外周側でそれぞれ2つの分岐ティース部に分布巻にて巻回されているため、外層コイルは内層コイルよりも周方向に長い。そこで、外層コイルを構成する導線の線径を、内層コイルを構成する導線の線径よりも大きくすることにより、内層コイルに比べて外層コイルの抵抗値が高くなることを抑制して、内層コイルにおける電流値と外層コイルにおける電流値の差を減少させることができる。その結果、直流モータにて発生するトルクを安定させることができる。
請求項5に記載の発明は、周方向に並設された複数の磁極と、周方向に並設された複数のティースを有し前記ティースの先端が前記磁極と径方向に対向される電機子コアと、前記ティースに巻回された複数の電機子コイルと、周方向に並設された複数のセグメントを有し前記電機子コアと一体回転可能に設けられた整流子と、前記セグメントに押圧接触される複数の給電ブラシと、を備えた直流モータであって、各前記ティースは、各前記ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有し、複数の前記電機子コイルは、各前記内側巻回部にそれぞれ集中巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の内層コイルと、前記内層コイルよりも外周側で隣り合う前記ティースの隣り合う2つの前記分岐ティース部にそれぞれ分布巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の外層コイルとであるとともに、各前記内層コイルと各前記外層コイルとの抵抗値が等しく、更に各前記内層コイルの周方向の中心と各前記外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれていることをその要旨としている。
同構成によれば、外層コイルは、内層コイルよりも外周側でティースに巻回されているため、内層コイルと軸方向に重ならない。従って、内層コイル及び外層コイルのコイルエンド部が軸方向に大きくなることを抑制でき、ひいては本発明の直流モータの軸方向の大型化を抑制することができる。そして、コイルエンド部の軸方向高さを抑えるために内層コイル及び外層コイルの巻数を減少させなくてもよいため、出力を低下させることなく直流モータの軸方向の大型化を抑制することができる。また、分布巻の電機子コイルを備えた従来の直流モータと同等の大きさとする場合には、内層コイル及び外層コイルの巻数を増加させて占積率を高くできるため、直流モータの高出力化を図ることができる。更に、各内層コイルの周方向の中心と各外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれているため、集中巻の電機子コイルを備えた直流モータに比べて磁束の変動を緩やかにすることが可能である。従って、直流モータの駆動時に発生する振動を抑制することができる。
また、各ティースは、その先端部に、各ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有するため、ティースの基端部の内側巻回部に内層コイルを巻回し、周方向に隣り合うティースに跨るように周方向に隣り合う2つの分岐ティース部に外層コイルを巻回することにより、内層コイルの外周側に容易に外層コイルを形成することができるとともに、各内層コイルの周方向の中心と各外層コイルの周方向の中心とを容易に周方向にずらすことができる。更に、内層コイルは、ティースの基端部、即ち分岐していない内側巻回部に集中巻にて巻回されているため、ティースの基端部付近を高占積率とすることができる。また更に、各内層コイルと各外層コイルとの抵抗値が等しいため、各内層コイルにおける電流値と各外層コイルにおける電流値とを等しくすることができ、直流モータにて発生するトルクを安定させることができる。
請求項6に記載の発明は、周方向に並設された複数の磁極と、周方向に並設された複数のティースを有し前記ティースの先端が前記磁極と径方向に対向される電機子コアと、前記ティースに巻回された複数の電機子コイルと、周方向に並設された複数のセグメントを有し前記電機子コアと一体回転可能に設けられた整流子と、前記セグメントに押圧接触される複数の給電ブラシと、を備えた直流モータであって、各前記ティースは、各前記ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有し、隣り合う前記内側巻回部間に形成される内側スロットは、隣り合う前記分岐ティース部間に形成される外側スロットよりも径方向に長く、複数の前記電機子コイルは、各前記内側巻回部にそれぞれ集中巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の内層コイルと、前記内層コイルよりも外周側で隣り合う前記ティースの隣り合う2つの前記分岐ティース部にそれぞれ分布巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の外層コイルとであるとともに、各前記内層コイルの周方向の中心と各前記外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれていることをその要旨としている。
同構成によれば、外層コイルは、内層コイルよりも外周側でティースに巻回されているため、内層コイルと軸方向に重ならない。従って、内層コイル及び外層コイルのコイルエンド部が軸方向に大きくなることを抑制でき、ひいては本発明の直流モータの軸方向の大型化を抑制することができる。そして、コイルエンド部の軸方向高さを抑えるために内層コイル及び外層コイルの巻数を減少させなくてもよいため、出力を低下させることなく直流モータの軸方向の大型化を抑制することができる。また、分布巻の電機子コイルを備えた従来の直流モータと同等の大きさとする場合には、内層コイル及び外層コイルの巻数を増加させて占積率を高くできるため、直流モータの高出力化を図ることができる。更に、各内層コイルの周方向の中心と各外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれているため、集中巻の電機子コイルを備えた直流モータに比べて磁束の変動を緩やかにすることが可能である。従って、直流モータの駆動時に発生する振動を抑制することができる。
また、各ティースは、その先端部に、各ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有するため、ティースの基端部の内側巻回部に内層コイルを巻回し、周方向に隣り合うティースに跨るように周方向に隣り合う2つの分岐ティース部に外層コイルを巻回することにより、内層コイルの外周側に容易に外層コイルを形成することができるとともに、各内層コイルの周方向の中心と各外層コイルの周方向の中心とを容易に周方向にずらすことができる。更に、内層コイルは、ティースの基端部、即ち分岐していない内側巻回部に集中巻にて巻回されているため、ティースの基端部付近を高占積率とすることができる。
また、内側スロットは、電機子コアにおいて外側スロットよりも径方向内側に位置するため、外側スロットよりも周方向に短い。そこで、内側スロットを外側スロットよりも径方向に長くすることにより、内側スロットの軸方向と直交する断面積と外側スロットの軸方向と直交する断面積との差を減少させることができる。その結果、内層コイルの巻回数が外層コイルの巻回数よりも少なくなることを抑制できるとともに、内側スロット及び外側スロットの両方のスロットにおいて高占積率化を図ることができる。そして、内層コイルによる磁束量と外層コイルによる磁束量との差を減少させて、電機子コアの内側と外側との磁気的なアンバランスを減少させることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の直流モータの製造方法であって、前記ティースと同数配置された導線を供給する巻線治具にて、各前記内側巻回部に同時に前記内層コイルを集中巻にて巻回する内層コイル巻回工程と、前記ティースと同数の前記巻線治具にて、隣り合う前記ティースの隣り合う2つの前記分岐ティース部全てに同時に前記外層コイルを分布巻にて巻回する外層コイル巻回工程と、を備えたことをその要旨としている。
同方法によれば、内層コイル巻回工程では、全ての内層コイルを同時に巻回するため、内層コイルを巻回する時間が短縮される。更に、外層コイル巻回工程では、全ての外層コイルを同時に巻回するため、外層コイルを巻回する時間が短縮される。これらのことから、電機子コアに電機子コイルを巻装する時間が短縮され、製造速度が向上する。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の直流モータの製造方法において、前記内層コイル巻回工程では、前記巻線治具は、各前記内層コイルを巻回する際の回転中心を中心として(360/前記ティースの本数)°だけ順にずれた状態で前記内側巻回部に前記導線を巻回して前記内層コイルを形成し、前記外層コイル巻回工程では、前記巻線治具は、各前記外層コイルを巻回する際の回転中心を中心として(360/前記ティースの本数)°だけ順にずれた状態で前記分岐ティース部に前記導線を巻回して前記外層コイルを形成することをその要旨としている。
同方法によれば、全ての内層コイルを同時に巻回する際に、巻線治具同士が接触することを抑制できるとともに、全ての外層コイルを同時に巻回する際に、巻線治具同士が接触することを抑制できる。
請求項9に記載の発明は、周方向に並設された複数の磁極と、周方向に並設された複数のティースを有し前記ティースの先端が前記磁極と径方向に対向される電機子コアと、前記ティースに巻回された複数の電機子コイルと、周方向に並設された複数のセグメントを有し前記電機子コアと一体回転可能に設けられた整流子と、前記セグメントに押圧接触される複数の給電ブラシと、を備え、複数の前記電機子コイルは、隣り合う2本の前記ティースの基端側にそれぞれ巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の内層コイルと、前記内層コイルよりも外周側で隣り合う2本の前記ティースにそれぞれ分布巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の外層コイルとであり、各前記内層コイルの周方向の中心と各前記外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれている直流モータの製造方法であって、前記ティースの半数と同数配置された導線を供給する巻線治具にて、隣り合う2本ずつの前記ティースの基端側に同時に前記内層コイルを巻回する内層コイル巻回工程と、前記ティースの半数と同数の前記巻線治具にて、隣り合う2本ずつの前記ティースの先端側に同時に前記外層コイルを巻回する外層コイル巻回工程と、を備えたことをその要旨としている。
同方法によれば、内層コイル巻回工程では、全ての内層コイルを同時に巻回するため、内層コイルを巻回する時間が短縮される。更に、外層コイル巻回工程では、全ての外層コイルを同時に巻回するため、外層コイルを巻回する時間が短縮される。これらのことから、電機子コアに電機子コイルを巻装する時間が短縮され、製造速度が向上する。そして、製造された直流モータにおいては、外層コイルは、内層コイルよりも外周側でティースに巻回されているため、内層コイルと軸方向に重ならない。従って、内層コイル及び外層コイルのコイルエンド部が軸方向に大きくなることを抑制でき、ひいては本方法で製造された直流モータの軸方向の大型化を抑制することができる。そして、コイルエンド部の軸方向高さを抑えるために内層コイル及び外層コイルの巻数を減少させなくてもよいため、出力を低下させることなく直流モータの軸方向の大型化を抑制することができる。また、分布巻の電機子コイルを備えた従来の直流モータと同等の大きさとする場合には、内層コイル及び外層コイルの巻数を増加させて占積率を高くできるため、直流モータの高出力化を図ることができる。更に、各内層コイルの周方向の中心と各外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれているため、集中巻の電機子コイルを備えた直流モータに比べて磁束の変動を緩やかにすることが可能である。従って、直流モータの駆動時に発生する振動を抑制することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の直流モータの製造方法において、前記内層コイル巻回工程では、前記巻線治具は、各前記内層コイルを巻回する際の回転中心を中心として(360/(前記ティースの本数/2))°だけ順にずれた状態で隣り合う2本ずつの前記ティースの基端側に前記導線を巻回して前記内層コイルを形成し、前記外層コイル巻回工程では、前記巻線治具は、各前記外層コイルを巻回する際の回転中心を中心として(360/(前記ティースの本数/2))°だけ順にずれた状態で隣り合う2本ずつの前記ティースの先端側に前記導線を巻回して前記外層コイルを形成することをその要旨としている。
同方法によれば、全ての内層コイルを同時に巻回する際に、巻線治具同士が接触することを抑制できるとともに、全ての外層コイルを同時に巻回する際に、巻線治具同士が接触することを抑制できる。
請求項11に記載の発明は、請求項7乃至請求項10の何れか1項に記載の直流モータの製造方法において、前記内層コイル巻回工程及び前記外層コイル巻回工程の少なくとも一方の工程の後に、少なくとも1つの前記巻線治具にて、短絡される前記セグメント間に前記導線を渡して短絡線を形成する短絡工程を備えることをその要旨としている。
同方法によれば、セグメント同士を短絡する短絡線は、内層コイル及び外層コイルと同様に導線にて形成されるため、導線よりなる短絡線にてセグメント同士を容易に短絡することができる。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の直流モータの製造方法において、前記内層コイル巻回工程では、前記巻線治具は、前記内層コイルを巻回した後に前記内層コイルの巻き終わりの端部をそれぞれ異なる前記セグメントに接続し、前記内層コイル巻回工程では、前記巻線治具は、前記外層コイルを巻回した後に前記外層コイルの巻き終わりの端部をそれぞれ異なる前記セグメントに接続し、前記短絡工程は、前記内層コイル及び前記外層コイルの前記セグメントに接続された前記巻き終わりの端部のうち半数の前記巻き終わりの端部を切断し、短絡される前記セグメント同士が1本の前記短絡線にてそれぞれ接続されるようにもう半数の前記巻き終わりの端部から連続して前記導線にて前記短絡線を形成することをその要旨としている。
同方法によれば、互いに短絡されるセグメント間には、短絡線はそれぞれ1本ずつ設けられるため、互いに短絡されるセグメント間に短絡線が重複して形成されない。従って、導線を節約して製造コストを低減させることができる。
本発明によれば、出力を低下させることなく電機子コイルによる大型化を抑制するとともに、振動を抑制することが可能な直流モータを提供することができる。
第1実施形態の直流モータの断面図。 第1実施形態の直流モータを平面状に展開した模式図。 (a)は電機子コアの平面図、(b)はティースの斜視図。 第1実施形態の直流モータにおけるコイルエンド部を示す模式図。 従来の分布巻の電機子コイルを備えた直流モータにおけるコイルエンド部を示す模式図。 従来の分布巻の電機子コイルを備えた直流モータの断面図。 従来の分布巻の電機子コイルを備えた直流モータを平面状に展開した模式図。 (a)は第2実施形態の直流モータの断面図、(b)は電機子コアの平面図。 第2実施形態の直流モータを平面状に展開した模式図。 第3実施形態の直流モータの断面図。 第3実施形態の直流モータを平面状に展開した模式図。 集中巻の内層コイル及び外層コイルを備えた直流モータの断面図。 集中巻の内層コイル及び外層コイルを備えた直流モータを平面状に展開した模式図。 第4実施形態の直流モータを平面状に展開した模式図。 第5実施形態の直流モータを平面状に展開した模式図。 第5実施形態の直流モータの概略図。 第5実施形態の直流モータの概略図。 従来の直流モータの概略図。 従来の直流モータを平面状に展開した模式図。 従来の直流モータの概略図。 スロットの総数及び磁極の数と問題点との関係を説明するための説明図。 (a)は第5実施形態の直流モータにおける時間と誘起電圧との関係を示すグラフ、(b)は第5実施形態の直流モータにおける時間と電機子コイルに供給される電流との関係を示すグラフ。 (a)は従来の直流モータにおける時間と誘起電圧との関係を示すグラフ、(b)は従来の直流モータにおける時間と電機子コイルに供給される電流との関係を示すグラフ。 別の形態の電機子コイルの巻回方法を説明するための模式図。 別の形態の電機子コイルの巻回方法を説明するための模式図。 別の形態の電機子コイルの巻回方法を説明するための模式図。 別の形態の電機子コイルの巻回方法を説明するための模式図。 別の形態の電機子コイルの巻回方法を説明するための模式図。 別の形態の直流モータの概略図。 別の形態の直流モータを平面状に展開した模式図。 別の形態の直流モータを平面状に展開した模式図。 別の形態の直流モータの内層コイルの態様を説明するための説明図。 別の形態の直流モータの外層コイルの態様を説明するための説明図。 別の形態の直流モータを平面状に展開した模式図。 別の形態の直流モータの内層コイルの態様を説明するための説明図。 別の形態の直流モータを平面状に展開した模式図。 別の形態の直流モータを平面状に展開した模式図。 別の形態の直流モータの断面図。 別の形態の直流モータの断面図。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本第1実施形態の直流モータM1の断面図を示す。図1に示すように、直流モータM1は、固定子1と、該固定子1の内側に配置された電機子2とを備えている。固定子1を構成する略円筒状のヨークハウジング3の内周面には、磁極としての4個のマグネット4a〜4dが固着されている。マグネット4a〜4dは、周方向に等角度間隔(本実施形態では90°間隔)となるように、且つN極とS極とが周方向に交互となるように配置されている。そして、直流モータM1は、4個のマグネット4a〜4dを有することにより磁極の数Pが「4」となっている。
図1及び図2に示すように、前記電機子2は、回転軸11と、該回転軸11に固定された電機子コア12と、同じく回転軸11に固定された略円筒状の整流子13とを備えている。この電機子2は、回転軸11が前記固定子1によって軸支されることにより、固定子1に対して回転可能に支持されている。そして、電機子コア12及び整流子13は、共に回転軸11に固定されることにより、回転軸11の回転に伴って一体回転される。電機子2が固定子1の内側に配置された状態においては、電機子コア12がマグネット4a〜4dと径方向に対向するとともに、整流子13の外周に配置された陽極側ブラシ14及び陰極側ブラシ15が同整流子13に摺接可能に押圧接触される。陽極側ブラシ14と陰極側ブラシ15とは、周方向に隣り合うマグネット4a〜4d間の間隔と同じ90°の間隔を空けて配置されている。また、陽極側ブラシ14は、N極のマグネット4aの周方向中心と対応する位置に配置されるとともに、陰極側ブラシ15は、S極のマグネット4bの周方向中心と対応する位置に配置されている。そして、電機子2には、これら陽極側ブラシ14及び陰極側ブラシ15を介して電流が供給される。
図2に示すように、整流子13は、絶縁性樹脂材料よりなる円筒状の保持部材(図示略)の外周面に並設された10個のセグメント16を備えている。尚、図2は、直流モータM1を平面状に展開した模式図である。10個のセグメント16は、保持部材の外周で略円筒状をなすように配置されており、径方向外側から前記陽極側ブラシ14及び陰極側ブラシ15が押圧接触される。本実施形態では、図2において、周方向に並設された10個のセグメント16に対し、セグメント番号「1」〜「10」を付すことにする。
また、整流子13において、同じ極のマグネットが配置される角度間隔と同じ角度間隔で配置されたセグメント16同士は、セグメント16の軸方向一端に固定された短絡部材17によって短絡(電気的に接続)されている。具体的には、固定子1において、N極の2つのマグネット4a,4c(若しくはS極の2つのマグネット4b,4d)は、180°間隔で配置されている。従って、180°間隔を開けて配置された2つのセグメント16(例えば、セグメント番号「1」のセグメント16とセグメント番号「6」のセグメント16)が短絡部材17によって互いに短絡されて同電位とされる。そして、図2には、短絡部材17によってセグメント16を短絡することにより陽極側ブラシ14及び陰極側ブラシ15が配置された状態と同じ状態になる様子を模式的に示すべく、仮想ブラシを二点鎖線にて図示している。尚、短絡部材17は、例えば、導線を用いて所定のセグメント16同士を短絡可能に構成したものである。また、短絡部材17は、銅板等の導電性板材を所定形状に打ち抜いて形成したものであってもよい。
図1に示すように、前記電機子コア12は、円筒状のコアバック20と、該コアバック20の外周面から径方向外側に向かって延びる5本のティース21〜25とが一体に形成されてなるとともに、コアバック20が前記回転軸11に外嵌されることにより同回転軸11に対して固定されている。ここで、図2に示すように、前記整流子13に備えられるセグメント16の数Sは、電機子コア12に備えられるティース21〜25の数Nに基づいて設定されており、本実施形態では、S=2Nを満たすように設定されている。従って、本実施形態の整流子13に備えられるセグメント16の数Sは「10」に設定されている。
図1に示すように、5本のティース21〜25は、コアバック20に対し周方向に等角度間隔(本実施形態では72°間隔)となる位置に一体に形成されている。そして、各ティース21〜25の先端部には、周方向に離間するように二股状に分岐してなる一対の分岐ティース部26a,26bが設けられるとともに、各ティース21〜25は、先端部に分岐ティース部26a,26bが形成されることにより、軸方向から見た形状が略Y字状をなしている。そして、各ティース21〜25において分岐ティース部26a,26bよりも径方向内側となる基端部側の部位は、内側巻回部27とされている。即ち、各ティース21〜25において、一対の分岐ティース部26a,26bは、内側巻回部27の先端部から径方向外側に延びている。
各ティース21〜25に設けられた対の分岐ティース部26a,26bは、先端に向かうに連れて周方向に遠ざかるように形成されており、隣り合う2本のティース(ティース21〜25のうち周方向に隣り合う2本のティース)のうち一方のティースの分岐ティース部26aと、該分岐ティース部26aと隣り合う他方のティースの分岐ティース部26bとの間隔は、対の分岐ティース部26a,26b間の間隔よりも狭くなっている。また、図3(a)に示すように、各分岐ティース部26a,26bは、その基端側の部位がその先端側の部位に比べて内側巻回部27に対して大きく傾斜するとともに、基端から先端までその幅T1が一定に形成されている。また、前記内側巻回部27の幅T2は、各分岐ティース部26a,26bの幅T1の2倍の値よりも大きな値に設定されている。そのため、図3(b)に示すように、内側巻回部27の磁路断面積S2(即ち内側巻回部27を流れる磁束と直交する断面の面積)は、各分岐ティース部26a,26bの磁路断面積S1(即ち各分岐ティース部26a,26bを流れる磁束と直交する断面の面積)の2倍よりも大きい。
更に、図1及び図3(a)に示すように、各ティース21〜25において、それぞれ対をなす分岐ティース部26a,26bの先端部には、周方向に沿って延びる板状の延設部28が一体に形成されている。対をなす分岐ティース部26a,26bにそれぞれ形成された2つの延設部28は、分岐ティース部26a,26bの先端部から互いに近づく方向に延設されている。そして、電機子コア12に設けられた合計10個の延設部28は、周方向に等角度間隔に設けられるとともに、全体で略円筒状をなすように形成されている。
また、電機子コア12は、周方向に隣り合うティース21〜25間に、内側スロット31を有するとともに、分岐ティース部26a,26b間に第1及び第2外側スロット32a,32bを有する。各内側スロット31は、周方向に隣り合う内側巻回部27間の空間である。また、第1外側スロット32aは、各ティース21〜25において対をなす分岐ティース部26a,26b間の空間であり、第2外側スロット32bは、隣り合うティース21〜25において一方のティース(例えばティース21)の分岐ティース部26aと他方のティース(例えばティース22)の分岐ティース部26bとの間の空間である。そして、本実施形態の電機子コア12は、5本のティース21〜25を備えることから、内側スロット31を5個、第1外側スロット32aを5個、第2外側スロット32bを5個備えている。また、内側スロット31と第1外側スロット32aとは周方向にずれた位置に形成されており、各第1外側スロット32aは周方向に隣り合う内側スロット31間に位置する。尚、本実施形態では、図2に示すように、5本のティース21〜25の分岐ティース部26a,26bに対し、周方向に順にティース番号「1」〜「10」を付すことにする。ティース番号は、図2中では、分岐ティース部26a,26bの先端部に示した数字である。
図1に示すように、上記のように構成された電機子コア12には、導線41が巻回されることにより複数の電機子コイルが巻装されている。複数の電機子コイルは、各ティース21〜25の基端部側の部位である内側巻回部27にそれぞれ巻回された5個の内層コイル42a〜42eと、分岐ティース部26a,26bに巻回された5個の外層コイル43a〜43eとである。ここで、図2を参照して、電機子コア12への内層コイル42a〜42e及び外層コイル43a〜43eの巻回の順序を詳述する。尚、図2では、内層コイル42a〜42eを中線で図示し、外層コイル43a〜43eを太線で図示している。また、図2においては、内層コイル42a〜42e及び外層コイル43a〜43eを簡略化して図示しており、実際の内層コイル42a〜42e及び外層コイル43a〜43eの巻回数は、図2に図示したものとは異なる。
導線41は、まず、セグメント番号「1」のセグメント16のライザに接続され、セグメント番号「1」のセグメント16からティース21の内側巻回部27に集中巻にて複数回巻回されることにより内層コイル42aを形成する。次いで、導線41は、セグメント番号「2」のセグメント16のライザにフッキングされ、ティース21,22の合計4つの分岐ティース部26a,26bのうち中央の互いに隣り合う2つの分岐ティース部26a,26b(即ちティース番号「2」の分岐ティース部26bとティース番号「3」の分岐ティース部26a)に分布巻にて複数回巻回されることにより外層コイル43aを形成する。尚、本明細書中では、「分布巻」とは、複数のティースに跨って導線を巻回することを意味する。このとき、外層コイル43aは内層コイル42aよりも巻回数が少なくなるように形成、即ち内層コイル42aは外層コイル43aよりも巻回数が多くなるように形成されるとともに、内層コイル42aの巻回数を外層コイル43aの巻回数よりも多くすることにより、内層コイル42aの抵抗値と外層コイル43aの抵抗値とが等しくされる。また、先に巻回された内層コイル42aと後から巻回された外層コイル43aとは、径方向に互いにずれた位置に形成され、軸方向に重ならないようになっている(図1参照)。更に、同内層コイル42aの周方向の中心と同外層コイル43aの周方向の中心とは、電機子コア12の周方向に互いにずれている。
以後、同様に、導線41は、内側巻回部27と分岐ティース部26a,26bとに交互に巻回されることにより、内層コイル42b〜42eと外層コイル43b〜43eとを交互に形成していく。そして、導線41は、各内層コイル42b〜42e及び各外層コイル43b〜43eを形成する度に、周方向に並設されたセグメント16に順にフッキングされる。
即ち、導線41は、セグメント番号「3」のセグメント16のライザにフッキングされた後に、ティース22の内側巻回部27に集中巻にて複数回巻回されることにより内層コイル42bを形成し、セグメント番号「4」のセグメント16のライザにフッキングされる。次いで、導線41は、ティース22,23の合計4つの分岐ティース部26a,26bのうち中央の互いに隣り合う分岐ティース部26a,26b(即ちティース番号「4」の分岐ティース部26bとティース番号「5」の分岐ティース部26a)に分布巻にて複数回巻回されることにより外層コイル43bを形成した後に、セグメント番号「5」のセグメント16のライザにフッキングされる。次いで、導線41は、ティース23の内側巻回部27に集中巻にて複数回巻回されることにより内層コイル42cを形成した後に、セグメント番号「6」のセグメント16にフッキングされ、ティース23,24の合計4つの分岐ティース部26a,26bのうち中央の互いに隣り合う分岐ティース部26a,26b(即ちティース番号「6」の分岐ティース部26bとティース番号「7」の分岐ティース部26a)に分布巻にて複数回巻回されることにより外層コイル43cを形成する。次いで、導線41は、セグメント番号「7」のセグメント16にフッキングされた後に、ティース24の内側巻回部27に集中巻にて複数回巻回されることにより内層コイル42dを形成し、セグメント番号「8」のセグメント16にフッキングされた後に、ティース24,25の合計4つの分岐ティース部26a,26bのうち中央の互いに隣り合う分岐ティース部26a,26b(即ちティース番号「8」の分岐ティース部26aとティース番号「9」の分岐ティース部26b)に分布巻にて複数回巻回されることにより外層コイル43dを形成する。次いで、導線41は、セグメント番号「9」のセグメント16にフッキングされた後に、ティース25の内側巻回部27に集中巻にて複数回巻回されることにより内層コイル42eを形成し、セグメント番号「10」のセグメント16にフッキングされた後に、ティース25,21の合計4つの分岐ティース部26a,26bのうち中央の互いに隣り合う分岐ティース部26a,26b(即ちティース番号「10」の分岐ティース部26bとティース番号「1」の分岐ティース部26a)に分布巻にて複数回巻回されることにより外層コイル43eを形成する。そして、導線41は、セグメント番号「1」のセグメント16にフッキングされて全ての内層コイル42a〜42e及び外層コイル43a〜43eの巻装を終了する。
このように、全ての内層コイル42a〜42e及び外層コイル43a〜43eは、一本の導線41にて最初から最後まで連続して形成されるとともに、内層コイル42a〜42e及び外層コイル43a〜43eの電機子コア12への巻装は図示しない1個のフライヤを用いて自動で行われる。そして、各セグメント16のライザにフッキングされた導線41は、ヒュージング(結線)されて各セグメント16に電気的に接続され、これにより、各内層コイル42a〜42e及び各外層コイル43a〜43eの巻き始めと巻き終わりの端部が、それぞれフッキングされたセグメント16に電気的に接続される。本実施形態では、各セグメント16には、何れか1つの内層コイル42a〜42eの端部と、何れか1つの外層コイル43a〜43eの端部とがそれぞれ1本ずつ接続されている。
ここで、図6に、分布巻にて電機子コイルが巻装された従来の直流モータM10の断面図を示すとともに、図7に、直流モータM10を平面状に展開した模式図を示す。図6及び図7に示すように、直流モータM10は、略円筒状のヨークハウジング51の内周面に4個のマグネット52を固着してなる固定子53と、該固定子53の内側に該固定子53に対して回転可能に配置された電機子54とを備えている。電機子54の回転軸55に固定された電機子コア56は、回転軸55に外嵌された円筒状のコアバック56aと、該コアバック56aの外周面から径方向外側に向かって放射状に延びる10本のティース56bとが一体に形成されてなる。そして、電機子コア56は、周方向に隣り合うティース56b間に合計10個のスロット56cを有する。この電機子コア56には、10個の電機子コイル57が分布巻にて巻装されるとともに、各電機子コイル57は、1つのスロット56cを跨ぐように2本のティース56bに巻回されている。また、回転軸55には、周方向に並設された10個のセグメント58を有する整流子59が固定されるとともに、各セグメント58には、2つの電機子コイル57の端部が1本ずつ接続されている。更に、整流子59には、電機子コイル57に電流を供給するための陽極側ブラシ61及び陰極側ブラシ62が押圧接触されている。このような分布巻の電機子コイル57を備えた直流モータM10においては、図5に示すように、電機子コイル57のコイルエンド部57aが軸方向に重なり合うため、コイルエンド部57aが軸方向に大きくなってしまう。尚、コイルエンド部57aは、電機子コイル57において、電機子コア56の軸方向の端面よりも軸方向に突出した部位である。
一方、図1及び図4に示すように、本実施形態の直流モータM1においては、各内層コイル42a〜42eは、ティース21〜25の内側巻回部27に集中巻にて巻回されているため、内層コイル42a〜42e同士が径方向に互いに重なることがないとともに、内層コイル42a〜42e同士が電機子コア12の軸方向の両側で軸方向に重なり合うことがない。また、外層コイル43a〜43eは、周方向に隣り合う2本の分岐ティース部26a,26bにそれぞれ巻回されるが、各外層コイル43a〜43eは、それぞれ異なる分岐ティース部26a,26bに巻回されているため、外層コイル43a〜43e同士が径方向に互いに重なることがないとともに、周方向に隣り合う外層コイル43a〜43e同士が電機子コア12の軸方向の両側で軸方向に重なり合うことがない。更に、外層コイル43a〜43eは内層コイル42a〜42eよりも径方向外側でティース21〜25に巻回されているため、外層コイル43a〜43eと内層コイル42a〜42eとは径方向ずれており電機子コア12の軸方向の両側で軸方向に互いに重なり合わない。これらのことから、内層コイル42a〜42eのコイルエンド部45(各内層コイル42a〜42eにおいて電機子コア12の軸方向の端面よりも軸方向に突出した部位)及び外層コイル43a〜43eのコイルエンド部46(各外層コイル43a〜43eにおいて電機子コア12の軸方向の端面よりも軸方向に突出した部位)が軸方向に重なり合わないため、従来の直流モータM10の分布巻の電機子コイル57(図5参照)よりも、コイルエンド部45,46を軸方向に小さくすることができる。
上記したように、本第1実施形態によれば、以下の作用効果を有する。
(1)外層コイル43a〜43eは、内層コイル42a〜42eよりも外周側でティース21〜25に巻回されているため、内層コイル42a〜42eと軸方向に重ならない。従って、内層コイル42a〜42e及び外層コイル43a〜43eのコイルエンド部45,46が軸方向に大きくなることを抑制でき、ひいては直流モータM1の軸方向の大型化を抑制することができる。そして、コイルエンド部45,46の軸方向高さを抑えるために内層コイル42a〜42e及び外層コイル43a〜43eの巻数を減少させなくてもよいため、占積率を低下させることなく、また、出力を低下させることなく直流モータM1の軸方向の大型化を抑制することができる。また、分布巻の電機子コイルを備えた従来の直流モータと同等の大きさとする場合には、内層コイル42a〜42e及び外層コイル43a〜43eの巻数を増加させて占積率を高くできるため、直流モータM1の高出力化を図ることができる。更に、各内層コイル42a〜42eの周方向の中心と各外層コイル43a〜43eの周方向の中心とが周方向にずれているため、集中巻の電機子コイルを備えた直流モータに比べて磁束の変動を緩やかにすることができる。従って、直流モータM1の駆動時に発生する振動を抑制することができる。
(2)各ティース21〜25は、その先端部に、周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部26a,26bを有するため、ティース21〜25の基端部(即ち内側巻回部27)に内層コイル42a〜42eを巻回し、周方向に隣り合うティース21〜25に跨るように周方向に隣り合う2つの分岐ティース部26a,26bに外層コイル43a〜43eを巻回することにより、内層コイル42a〜42eの外周側に容易に外層コイル43a〜43eを形成することができる。更に、各内層コイル42a〜42eの周方向の中心と各外層コイル43a〜43eの周方向の中心とを容易に周方向にずらすことができる。また、内層コイル42a〜42eは、ティース21〜25の基端部、即ち分岐していない部分(内側巻回部27)に集中巻にて巻回されているため、ティース21〜25の基端部付近を高占積率とすることができる。更に、各ティース21〜25が、一対の分岐ティース部26a,26bを有する略Y字状をなすことにより、例えば分岐ティース部26a,26bを有さない10本のティースを備えた電機子コアに内層コイル42a〜42e及び外層コイル43a〜43eを巻回する場合に比べて、スロットの面積を大きく取ることができ、高占積率化を図ることができる。
(3)図1に示す状態において、例えばティース21とティース23とについて磁束の流れを比較すると、ティース23では、分岐ティース部26bの先端から流入した磁束は内側巻回部27と分岐ティース部26aとに分岐して流れるが、ティース21では、磁束は、一対の分岐ティース部26a,26bの先端から流入して内側巻回部27で合流してコアバック20に流れ込む。そこで、ティース21において、内側巻回部27における磁路断面積S2を、各分岐ティース部26a,26bにおける磁路断面積S1の2倍よりも大きい値に設定すると、図1に示す状態のティース21の内側巻回部27においても磁束が流れやすくなる。即ち、各ティース21〜25において、内側巻回部27における磁路断面積S2を、各分岐ティース部26a,26bにおける磁路断面積S1の2倍よりも大きい値に設定することにより、電機子2が回転された場合に、各内側巻回部27において磁束が流れやすくなる。これにより、電機子コア12において内側巻回部27のある内側での磁束量と、分岐ティース部26a,26bのある外側での磁束量との差を減少させることができ、内側と外側での磁気的なアンバランスを低減させることができる。その結果、直流モータM1の駆動時における振動の発生をより抑制することができる。
(4)ティース21〜25の基端部はコアバック20にて連結されているため、内側巻回部27を流れる磁束は、該内側巻回部27の径方向内側の端部からコアバック20を通って隣のティース21〜25へ漏れることがある。そこで、内層コイル42a〜42eの巻回数を外層コイル43a〜43eの巻回数よりも多くすることにより、電機子コア12において内側巻回部27のある内側部分と分岐ティース部26a,26bのある外側部分との磁束量の差をより減少させることができる。その結果、電機子コア12の内側と外側での磁気的なアンバランスをより低減させることができる。そして、磁気的な加振力が局所的に大きくなることを抑制して、振動の発生を更に抑制することができる。
(5)各内層コイル42a〜42eは、外層コイル43a〜43eよりも内周側でそれぞれ1本ずつの内側巻回部27に集中巻にて巻回されており、各外層コイル43a〜43eは、内層コイル42a〜42eよりも外周側でそれぞれ2つの分岐ティース部26a,26bに分布巻にて巻回されているため、外層コイル43a〜43eは内層コイル42a〜42eよりも周方向に長い。そこで、本実施形態のように、各内層コイル42a〜42eの巻回数を各外層コイル43a〜43eの巻回数よりも多くして、各内層コイル42a〜42eと各外層コイル43a〜43eとの抵抗値を等しくすると、各内層コイル42a〜42eにおける電流値と各外層コイル43a〜43eにおける電流値とを等しくすることができ、直流モータM1にて発生するトルクを安定させることができる。
(6)整流子13は、セグメント16をティース21〜25の2倍の数だけ備え、各セグメント16には、内層コイル42a〜42eの端部と外層コイル43a〜43eの端部がそれぞれ1本ずつ接続されることから、内層コイル42a〜42eと外層コイル43a〜43eとを交互に巻回していくことにより、1本の導線41で全ての内層コイル42a〜42e及び外層コイル43a〜43eを連続して形成することができる。従って、電機子コア12への内層コイル42a〜42e及び外層コイル43a〜43eの巻回を容易に行うことができる。
(7)全ての電機子コイルが分布巻にて巻装された従来の直流モータでは、電機子コアの軸方向の端面上でコイルエンド部が重なり合うことにより、電機子コイルが軸方向に大きくなることがある。すると、電機子コイルを構成する導線の長さが長くなるため、巻線抵抗が大きくなる虞がる。しかし、本実施形態の直流モータM1においては、内層コイル42a〜42eのコイルエンド部45及び外層コイル43a〜43eのコイルエンド部46は軸方向に重なり合わないため、巻線抵抗が大きくなることを抑制できる。
(8)内層コイル42a〜42eのコイルエンド部45及び外層コイル43a〜43eのコイルエンド部46は軸方向に重なり合わないため、全ての電機子コイルが分布巻にて巻装された従来の直流モータに比べて、電機子2のバランスが良好となる。従って、直流モータM1の駆動時における電機子2の振動をより抑制することができる。
(9)各分岐ティース部26a,26bの先端部には、周方向に沿って延びる板状の延設部28が一体に形成されている。従って、この延設部28によって、外層コイル43a〜43eの径方向外側へのはみ出しが防止される。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。尚、本第2実施形態では、上記第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付してその説明を省略する。
図8(a)は、本第2実施形態の直流モータM2の断面図、図9は、直流モータM2を平面状に展開した模式図を示す。本第2実施形態の直流モータM2は、上記第1実施形態の直流モータM1と比較すると電機子の構成が異なる。図8(a)及び図9に示すように、固定子1の内側に配置された電機子81は、回転軸11と、該回転軸11に固定された電機子コア82と、同じく回転軸11に固定された略円筒状の整流子83とを備えている。電機子81は、回転軸11が固定子1によって軸支されることにより、固定子1に対して回転可能に指示されている。そして、電機子81が固定子1の内側に配置された状態においては、電機子コア82がマグネット4a〜4dと径方向に対向するとともに、整流子83の外周に配置された陽極側ブラシ14及び陰極側ブラシ15が同整流子83に摺接可能に押圧接触される。
図9に示すように、整流子83は、絶縁性樹脂材料よりなる円筒状の保持部材(図示略)の外周面に並設された12個のセグメント16を備えている。本実施形態では、図9において、周方向に並設された12個のセグメント16に対し、セグメント番号「1」〜「12」を付すことにする。また、整流子83において、同じ極の磁極が配置される角度間隔と同じ角度間隔で配置されたセグメント16同士は、セグメント16の軸方向の一端に固定された短絡部材85によって短絡されている。即ち、固定子1においてN極の2つのマグネット4a,4cは、180°間隔で配置されているため、180°間隔を開けて配置された2つのセグメント16(例えば、セグメント番号「1」のセグメント16とセグメント番号「7」のセグメント16)が短絡部材85によって互いに短絡されて同電位とされる。そして、図9には、短絡部材85によってセグメント16を短絡することにより陽極側ブラシ14及び陰極側ブラシ15が配置された状態と同じ状態になる様子を模式的に示すべく、仮想ブラシを二点鎖線にて図示している。
図8(a)に示すように、前記電機子コア82は、円筒状のコアバック20と、該コアバック20の外周面から径方向外側に向かって延びる6本のティース91〜96とが一体に形成されてなる。ここで、前記整流子83に備えられるセグメント16の数Sは、上記第1実施形態と同様に電機子コア82に備えられるティース91〜96の数Nに基づいて設定されており、S=2Nを満たすように設定されている。従って、本実施形態の整流子83に備えられるセグメント16の数Sは「12」に設定されている。
5本のティース91〜96は、コアバック20に対し周方向に等角度間隔(本実施形態では60°間隔)となる位置に一体に形成されるとともに、各ティース91〜96は、上記第1実施形態の各ティース21〜25と同様の形状をなしている。即ち、各ティース91〜96の先端部には、上記第1実施形態と同様の一対の分岐ティース部26a,26bが設けられるとともに、各ティース91〜96において分岐ティース部26a,26bよりも径方向内側となる基端部側の部位が内側巻回部27とされている。更に、各ティース91〜96において、それぞれ対をなす分岐ティース部26a,26bの先端部には延設部28が一体に形成されている。また、電機子コア82は、周方向に隣り合うティース91〜96の内側巻回部27間に内側スロット31を有するとともに、分岐ティース部26a,26b間に第1及び第2外側スロット32a,32bを有する。本実施形態の電機子コア82は、ティース91〜96を6本備えることから、内側スロット31を6個、第1外側スロット32aを6個、第2外側スロット32bを6個備えている。また、電機子コア82において、内側スロット31と第1外側スロット32aとは周方向にずれた位置に形成されており、各第1外側スロット32aは周方向に隣り合う内側スロット31間に位置する。
また、図8(b)に示すように、電機子コア82においては、ティース91〜96は、内側スロット31が第1及び第2外側スロット32a,32bよりも径方向に長くなるように形成されている。即ち、内側スロット31の径方向長さをL1、第1外側スロット32aの径方向長さをL2、第2外側スロット32bの径方向長さをL3とすると、電機子コア82は、L1>L2且つL1>L3を満たすように形成されている。そのため、各ティース91〜96において分岐が始まる部位、即ち分岐ティース部26a,26bの基端は、各ティース91〜96の径方向の中央よりも外周側に位置する。
図8(a)に示すように、上記のように構成された電機子コア82には、導線41が巻回されることにより複数の電機子コイルが巻装されている。複数の電機子コイルは、各ティース91〜96の基端部側の部位である内側巻回部27にそれぞれ巻回された6個の内層コイル102a〜102fと、分岐ティース部26a,26bに巻回された6個の外層コイル103a〜103fとである。
ここで、図9を参照して、電機子コア82への内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103fの巻回の順序を詳述する。尚、本実施形態では、図9に示すように、6本のティース91〜96の分岐ティース部26a,26bに対し、周方向に順にティース番号「1」〜「12」を付すことにする。ティース番号は、図9中では、分岐ティース部26a,26bの先端部に示した数字である。また、図9では、内層コイル102a〜102fを中線で図示し、外層コイル103a〜103fを太線で図示するとともに、内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103fを簡略化して図示している。
本実施形態では、180°間隔で配置された2つのフライヤを同時に作動させ、2本の導線41で全ての内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103fを巻回する。一方のフライヤでは、導線41は、まず、セグメント番号「1」のセグメント16のライザに接続され、次いで、ティース91の内側巻回部27に集中巻にて複数回巻回されて内層コイル102aを形成する。そして、導線41は、セグメント番号「2」のセグメント16のライザにフッキングされ、その後、内層コイル102aが巻回されたティース91の隣のティース96の内側巻回部27に集中巻にて複数回巻回されて内層コイル102fを形成する。次いで、導線41は、セグメント番号「9」のセグメント16のライザにフッキングされた後に、内層コイル102fが巻回されたティース96の隣のティース95の内側巻回部27に集中巻にて複数回巻回されて内層コイル102eを形成し、その後、セグメント番号「10」のセグメント16にフッキングされる。次いで、導線41は、ティース95,96の互いに隣り合う分岐ティース部26a,26b(即ちティース番号「10」の分岐ティース部26bとティース番号「11」の分岐ティース部26a)に分布巻にて複数回巻回されることにより外層コイル103eを形成する。このとき、外層コイル103eは、先に巻回された内層コイル102a,102e,102fと径方向に互いにずれた位置に形成され、軸方向に重ならないよう形成される。次いで、導線41は、セグメント番号「11」のセグメント16のライザにフッキングされた後に、直前に形成した外層コイル103eと周方向に隣り合う位置、即ちティース94,95の互いに隣り合う分岐ティース部26a,26b(即ちティース番号「8」の分岐ティース部26bとティース番号「9」の分岐ティース部26a)に分布巻にて複数回巻回されることにより外層コイル103dを形成する。次いで、導線41は、セグメント番号「6」のセグメント16のライザにフッキングされた後に、直前に形成した外層コイル103dと周方向に隣り合う位置、即ちティース93,94の互いに隣り合う分岐ティース部26a,26b(即ちティース番号「6」の分岐ティース部26bとティース番号「7」の分岐ティース部26a)に分布巻にて複数回巻回されることにより外層コイル103cを形成する。そして、導線41は、セグメント番号「7」のセグメント16にフッキングされ、一方のフライヤにおける電機子コイルの巻回は終了する。
このように、一方のフライヤでは、周方向に連続して並ぶ3本のティース91,96,95の内側巻回部27に連続して内層コイル102a,102f,102eを巻回した後に、内層コイル102a,102f,102eが巻回された3本のティースを含む周方向に連続して並ぶ4本のティース96,95,94,93の6つの分岐ティース部26a,26bに対し連続して周方向に順に3つの外層コイル103e,103d,103cを巻回する。このとき、同フライヤは、各内層コイル102a,102f,102e及び各外層コイル103e,103d,103cを形成する度に、導線41をセグメント16にフッキングしている。他方のフライヤも同様に、セグメント番号「7」のセグメント16のライザに導線41を接続した後に周方向に連続して並ぶ3本のティース94,93,92の内側巻回部27に連続して内層コイル102d,102c,102bを巻回し、次いで、内層コイル102d,102c,102bが巻回された3本のティースを含む周方向に連続して並ぶ4本のティース93,92,91,96の6本の分岐ティース部26a,26bに対し連続して周方向に順に3つの外層コイル103b,103a,103fを巻回する。尚、他方のフライヤにおいても、各内層コイル102d,102c,102b及び各外層コイル103b,103aを形成する度に、導線41を、セグメント番号「8」,「3」,「4」,「5」,「12」のセグメント16のライザに順にフッキングしている。そして、他方のフライヤは、セグメント番号「1」のセグメント16に導線41を接続すると、電機子コイルの巻回を終了する。尚、本実施形態では、各内層コイル102a〜102f及び各外層コイル103a〜103fは、それぞれその巻回数が等しい。
そして、各セグメント16のライザにフッキングされた導線41は、ヒュージング(結線)されて各セグメント16に電気的に接続され、これにより、各内層コイル102a〜102f及び各外層コイル103a〜103fの巻き始めと巻き終わりの端部がそれぞれフッキングされたセグメント16に電気的に接続される。本実施形態では、各セグメント16には、内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103fの端部のうちの何れか2本ずつが接続されている。詳述すると、セグメント番号「1」,「4」,「7」,「10」の4個のセグメント16には、ティース91〜96のうち周方向に隣り合うティースに巻回された内層コイル及び外層コイルの端部がそれぞれ1本ずつ接続されている。また、12個のセグメント16からセグメント番号「1」,「4」,「7」,「10」のセグメント16を除いた8個のセグメント16のうち、半数の4個のセグメント16(本実施形態ではセグメント番号「2」,「3」,「8」,「9」のセグメント16)には、内層コイル102a〜102fのうち周方向に隣り合う2つの内層コイルの端部が2本ずつ接続されている。そして、もう半数の4個のセグメント16(本実施形態ではセグメント番号「5」,「6」,「11」,「12」のセグメント16)には、外層コイル103a〜103fのうち周方向に隣り合う2つの外層コイルの端部が2本ずつ接続されている。
図8(a)に示すように、本実施形態の直流モータM2においては、上記第1実施形態と同様に、内層コイル102a〜102fは、ティース91〜96の内側巻回部27に集中巻にて巻回されているため、内層コイル102a〜102f同士が電機子コア82の軸方向の両側で軸方向に重なり合うことがない。また、外層コイル103a〜103fは、周方向に隣り合う2本の分岐ティース部26a,26bにそれぞれ巻回されるが、各外層コイル103a〜103fは、それぞれ異なる分岐ティース部26a,26bに巻回されているため、周方向に隣り合う外層コイル103a〜103f同士が電機子コア82の軸方向の両側で軸方向に重なり合うことがない。更に、外層コイル103a〜103fは内層コイル102a〜102fよりも径方向外側でティース91〜96に巻回されているため、外層コイル103a〜103fと内層コイル102a〜102fとは径方向ずれており電機子コア82の軸方向の両側で軸方向に互いに重なり合わない。これらのことから、内層コイル102a〜102fのコイルエンド部104(各内層コイル102a〜102fにおいて電機子コア82の軸方向の端面よりも軸方向に突出した部位)及び外層コイル103a〜103fのコイルエンド部105(各外層コイル103a〜103fにおいて電機子コア82の軸方向の端面よりも軸方向に突出した部位)が軸方向に重なり合わないため、コイルエンド部104,105を軸方向に小さくすることができる。
上記したように、本第2実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)〜(3),(7)〜(9)と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果を有する。
(1)内側スロット31は、電機子コア82において第1及び第2外側スロット32a,32bよりも径方向内側に位置するため、第1及び第2外側スロット32a,32bよりも周方向に短い。そこで、内側スロット31を第1及び第2外側スロット32a,32bよりも径方向に長くすることにより、内側スロット31の軸方向と直交する断面積と第1及び第2外側スロット32a,32bの軸方向と直交する断面積との差を減少させることができる。その結果、内層コイル102a〜102fの巻回数が外層コイル103a〜103fの巻回数よりも少なくなることを抑制できるとともに、導線41が挿通される内側スロット31及び第1外側スロット32aの両方のスロットにおいて高占積率化を図ることができる。そして、内層コイル102a〜102fによる磁束量と外層コイル103a〜103fによる磁束量との差を減少させて、電機子コア82の内側と外側との磁気的なアンバランスを減少させることができる。その結果、直流モータM2において、振動の発生を抑制することができる。
(2)整流子83は、セグメント16をティース91〜96の2倍の12個だけ備えている。そして、12個のセグメントのうち4個のセグメント16には、ティース91〜96のうち周方向に隣り合うティースに巻回された内層コイル及び外層コイルの端部がそれぞれ1本ずつ接続されている。更に、残りの8個のセグメント16のうち半数の4個のセグメント16には、内層コイル102a〜102fのうち周方向に隣り合う2つの内層コイルの端部が2本ずつ接続され、もう半数の4個のセグメント16には、外層コイル103a〜103fのうち周方向に隣り合う2つの外層コイルの端部が2本ずつ接続されている。従って、2個のフライヤを同時に用いて、内層コイル102a〜102fを巻回した後に外層コイル103a〜103fを巻回することにより、各フライヤにおいて1本の導線41で連続して内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103fを巻回することができる。このように、2個のフライヤを同時に用いることにより、内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103fの巻回に要する時間を短縮することができ、直流モータM2の生産性を向上させることができる。
(第3実施形態)
以下、本発明を具体化した第3実施形態を図面に従って説明する。尚、本第3実施形態では、上記第1及び第2実施形態と同様の構成には同じ符号を付してその説明を省略する。
図10は、本第3実施形態の直流モータM3の断面図、図11は、直流モータM3を平面状に展開した模式図を示す。本第3実施形態の直流モータM3は、上記第1実施形態の直流モータM1及び上記第2実施形態の直流モータM2と比較すると、固定子に備えられるマグネット(磁極)の数及び電機子の構成が異なる。
図10に示すように、固定子131は、ヨークハウジング3の内周面に固着された磁極としての6個のマグネット132a〜132fを有する。6個のマグネット132a〜132fは、周方向に等角度間隔(本実施形態では60°間隔)となるように、且つN極とS極とが周方向に交互となるように配置されている。そして、直流モータM3は、6個のマグネット132a〜132fを有することにより磁極の数Pが「6」となっている。
図10及び図11に示すように、固定子131の内側に配置された電機子141は、回転軸11と、該回転軸11に固定された電機子コア142と、同じく回転軸11に固定された略円筒状の整流子143とを備えている。電機子141は、回転軸11が固定子1によって軸支されることにより、固定子131に対して回転可能に支持されている。そして、電機子141が固定子131の内側に配置された状態においては、電機子コア142がマグネット132a〜132fと径方向に対向するとともに、整流子143の外周に配置された陽極側ブラシ14及び陰極側ブラシ15が同整流子143に摺接可能に押圧接触される。陽極側ブラシ14と陰極側ブラシ15とは、周方向に隣り合うマグネット132a〜132f間の間隔の奇数倍の間隔を空けて配置されており、本実施形態では60°の3倍である180°の間隔を空けて配置されている。また、陽極側ブラシ14は、図10における下側のN極のマグネット132dの周方向中心と対応する位置に配置されるとともに、陰極側ブラシ15は、図10における上側のS極のマグネット132aの周方向中心と対応する位置に配置されている。
図11に示すように、整流子143は、絶縁性樹脂材料よりなる円筒状の保持部材(図示略)の外周面に並設された24個のセグメント16を備えている。本実施形態では、図10において、周方向に並設された24個のセグメント16に対し、セグメント番号「1」〜「24」を付すことにする。また、整流子143において、同じ極の磁極が配置される角度間隔と同じ角度間隔で配置されたセグメント16同士は、セグメント16の軸方向の一端に固定された短絡部材145によって短絡されている。即ち、固定子131においてN極のマグネット132b,132d,132fは、120°間隔で配置されているため、120°間隔を開けて配置された3つのセグメント16(例えば、セグメント番号「1」のセグメント16とセグメント番号「9」のセグメント16とセグメント番号「17」のセグメント16)が短絡部材145によって互いに短絡されて同電位とされる。そして、図11には、短絡部材145によってセグメント16を短絡することにより陽極側ブラシ14及び陰極側ブラシ15が配置された状態と同じ状態になる様子を模式的に示すべく、仮想ブラシを一点鎖線にて図示している。
図10に示すように、前記電機子コア142は、筒状のコアバック20と、該コアバック20の外周面から径方向外側に向かって延びる8本のティース151〜158とが一体に形成されてなる。ここで、本実施形態では、電機子コア142に備えられるティース151〜158の数Nは、磁極の数Pに基づいてN=P±2(但し、P=4のときN=6)を満たすように設定されており、磁極の数Pが「6」であることに基づいて、ティース151〜158の数Nは「8」に設定されている。また、前記整流子143に備えられるセグメント16の数Sは、磁極の数P及びティース151〜158の数Nに基づいて設定されており、「S=N×(P/2)」を満たすように設定されている。従って、本実施形態の整流子143に備えられるセグメント16の数Sは「24」に設定されている。
8本のティース151〜158は、コアバック20に対し周方向に等角度間隔(本実施形態では45°間隔)となる位置に一体に形成されるとともに、各ティース151〜158は上記第1実施形態の各ティース21〜25と同様の形状をなしている。即ち、各ティース151〜158の先端部には、上記第1実施形態と同様の一対の分岐ティース部26a,26bが設けられるとともに、各ティース151〜158において分岐ティース部26a,26bよりも径方向内側となる基端部側の部位が内側巻回部27とされている。そして、各分岐ティース部26a,26bは、基端から先端までその幅T1が一定に形成されるとともに、内側巻回部27の幅T2は、各分岐ティース部26a,26bの幅T1の2倍の値よりも大きな値に設定されている。更に、各ティース151〜158において、それぞれ対をなす分岐ティース部26a,26bの先端部には延設部28が一体に形成されている。
また、電機子コア142は、周方向に隣り合うティース151〜158間に、内側スロット31を有するとともに、分岐ティース部26a,26b間に第1及び第2外側スロット32a,32bを有する。本実施形態の電機子コア142は、ティース151〜158を8本備えることから、内側スロット31を8個、第1外側スロット32aを8個、第2外側スロット32bを8個備えている。また、電機子コア142において、内側スロット31と第1外側スロット32aとは周方向にずれた位置に形成されており、各第1外側スロット32aは周方向に隣り合う内側スロット31間に位置する。
図10及び図11に示すように、上記のように構成された電機子コア142には、導線41が巻回されることにより複数の電機子コイルが巻装されている。複数の電機子コイルは、各ティース151〜158の基端部側の部位である内側巻回部27にそれぞれ巻回された8個の内層コイル162a〜162hと、分岐ティース部26a,26bに巻回された8個の外層コイル163a〜163hとである。尚、図11では、内層コイル162a〜162hを中線で図示し、外層コイル163a〜163hを太線で図示している。
電機子コア142には、まず、各ティース151〜158の内側巻回部27にそれぞれ内層コイル162a〜162hが集中巻にて巻回される。その後、周方向に隣り合うティース151〜158の周方向に隣り合う2つの分岐ティース部26a,26b(即ち、隣り合う2つのティースにおける一方のティースの分岐ティース部26aと該分岐ティース部26aと隣り合う他方のティースの分岐ティース部26b)に、それぞれ外層コイル163a〜163hが分布巻にて巻回される。尚、全ての内層コイル162a〜162hは、その巻回方向が同じであるとともに、各外層コイル163a〜163hは、各内層コイル162a〜162hと同方向に巻回される。また、先に巻回された内層コイル162a〜162hと後から巻回された外層コイル163a〜163hとは、径方向に互いにずれた位置に形成され、軸方向に重ならないようになっている。更に、各内層コイル162a〜162hの周方向の中心と各外層コイル163a〜163hの周方向の中心とは、電機子コア142の周方向に互いにずれており、周方向に交互に且つ周方向に等角度間隔になっている。また更に、各内層コイル162a〜162hは、各外層コイル163a〜163hよりも巻回数が多いとともに、各内層コイル162a〜162hの巻回数を外層コイル163a〜163hの巻回数よりも多くすることにより、各内層コイル162a〜162hの抵抗値と各外層コイル163a〜163hの抵抗値とを等しくしている。
そして、8個の内層コイル162a〜162hの巻き始めの端部は、周方向に2つ置きの8個のセグメント16にそれぞれ接続されるとともに、内層コイル162a〜162hの巻き終わりの端部は、各内層コイル162a〜162hから周方向に約120°(図10において各ティースから時計方向に約120°)進んだ位置にある外層コイル163a〜163hの巻き始めの端部とそれぞれ接続される。これにより、各内層コイル162a〜162hは、周方向に約120°離れた位置にある各外層コイル163a〜163hとそれぞれ直列に結合されている。更に、各外層コイル163a〜163hの巻き終わりの端部は、各外層コイル163a〜163hが巻回された2つの分岐ティース部26a,26bのうち一方の分岐ティース部26aを有するティース151〜158に巻回された内層コイル162a〜162hの巻き始めの端部が接続されたセグメント16にそれぞれ接続されている。従って、周方向に2つ置きの8個のセグメント16(即ち、セグメント番号「2」,「5」,「8」,「11」,「14」,「17」,「20」,「23」のセグメント16)には、内層コイル162a〜162hの巻き始めの端部と、外層コイル163a〜163hの巻き終わりの端部とが1本ずつ接続されている。
そして、本実施形態の電機子141においては、直列に結合された内層コイルと外層コイル(例えば、内層コイル162aと外層コイル163d)は、互いの周方向の中心が、同じ磁極のマグネット間の間隔(S極のマグネット132a,132c,132e間(若しくはN極のマグネット132b,132d,132f間)の間隔)である120°に近い間隔を有する。尚、図10には、上側のS極のマグネット132aの周方向の中心を通る中心線X1、右下のS極のマグネット132cの周方向の中心を通る中心線X2、内層コイル162aの周方向の中心を通る中心線Y1及び外層コイル163dの周方向の中心を通る中心線Y2を図示している。
図10に示すように、本実施形態の直流モータM3においては、上記第1実施形態と同様に、内層コイル162a〜162hは、ティース151〜158の内側巻回部27に集中巻にて巻回されているため、内層コイル162a〜162h同士が電機子コア142の軸方向の両側で軸方向に重なり合うことがない。また、外層コイル163a〜163hは、周方向に隣り合う2本の分岐ティース部26a,26bにそれぞれ巻回されるが、各外層コイル163a〜163hは、それぞれ異なる分岐ティース部26a,26bに巻回されているため、周方向に隣り合う外層コイル163a〜163h同士が電機子コア142の軸方向の両側で軸方向に重なり合うことがない。更に、外層コイル163a〜163hは内層コイル162a〜162hよりも径方向外側でティース151〜158に巻回されているため、外層コイル163a〜163hと内層コイル162a〜162hとは径方向ずれており電機子コア142の軸方向の両側で軸方向に互いに重なり合わない。これらのことから、内層コイル162a〜162hのコイルエンド部164(各内層コイル162a〜162hにおいて電機子コア142の軸方向の端面よりも軸方向に突出した部位)と、外層コイル163a〜163hのコイルエンド部165(各外層コイル163a〜163hにおいて電機子コア142の軸方向の端面よりも軸方向に突出した部位)とが軸方向に重なり合わないため、コイルエンド部164,165を軸方向に小さくすることができる。
ここで、図12に、内層コイル及び外層コイルが共に集中巻とされた直流モータM11の断面図を示すとともに、図13は、直流モータM11を平面状に展開した模式図を示す。尚、図12及び図13に示す直流モータM11においては、本実施形態の直流モータM3と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図12及び図13に示すように、この直流モータM11を構成する電機子171の電機子コア172は、筒状のコアバック20の外周面から径方向外側に向かって放射状に延びる8個のティース181〜188を備えている。各ティース181〜188の基端側の部位には、内層コイル191a〜191hがそれぞれ巻回されるとともに、各ティース181〜188の先端側の部位には、外層コイル192a〜192hがそれぞれ巻回されている。そして、8個の内層コイル191a〜191hの巻き始めの端部は、周方向に2つ置きの8個のセグメント16にそれぞれ接続されるとともに、内層コイル191a〜191hの巻き終わりの端部は、各内層コイル191a〜191hから周方向に120°進んだ位置にある外層コイル192a〜192hの巻き始めの端部とそれぞれ接続されている。これにより、各内層コイル191a〜191hは、周方向に120°離れた位置にある各外層コイル192a〜192hとそれぞれ直列に結合されている。更に、各外層コイル192a〜192hの巻き終わりの端部は、同じティース151〜158にそれぞれ巻回された内層コイル191a〜191hの巻き始めの端部が接続されたセグメント16にそれぞれ接続されている。従って、周方向に2つ置きの8個のセグメント16(即ち、セグメント番号「2」,「5」,「8」,「11」,「14」,「17」,「20」,「23」のセグメント16)には、内層コイル191a〜191hの巻き始めの端部と、外層コイル192a〜192hの巻き終わりの端部とが1本ずつ接続されている。
この直流モータM11では、陽極側ブラシ14はN極のマグネット132dの周方向中心と対応する位置に配置されるとともに、陰極側ブラシ15はS極のマグネット132aの周方向中心と対応する位置に配置されており、更に、120°間隔を開けて配置された3つのセグメント16同士が短絡部材145によって互いに短絡されて同電位とされている。従って、各内層コイル191a〜191hは、その周方向の中心と、各マグネット132a〜132fの周方向の中心とが一致する位置に配置された場合に整流される。即ち、径方向に対向する2箇所で内層コイル191a〜191hの整流が行われる。
一般的に、径方向に対向する2箇所で整流を行う直流モータでは、電流変動による磁気的な加振力が整流中の2つの電機子コイルに対応した2箇所に集中しやすいことが知られている。また、整流中の電機子コイルと次に整流が行われる電機子コイルとを直列に結合すると、この磁気的な加振力を分散して電機子の振動を低減できることが知られている。そして、図12に示す直流モータM11では、整流中の内層コイル191aと、該内層コイル191aの次に整流が行われる外層コイル192dとが直列に結合されており、電機子171の振動の低減が図られている。
しかし、直流モータM11におけるティース181〜188の数Nは「8」であるため、図12において整流中の内層コイル191aが巻回されたティース181と、該内層コイル191aと直列に結合された外層コイル192dが巻回されたティース184とは135°をなすため、各コイル191a,192dの周方向の中心を通る中心線Y11,Y12のなす角度は135°である。更に、内層コイル191aと径方向に対向するS極のマグネット132aと、外層コイル192dと径方向に対向するS極のマグネット132cとのなす角度(即ち、マグネット132a,132cの周方向の中心を通る中心線X11,X12のなす角度)は120°である。従って、整流中の内層コイル191aと直列に結合され次に整流が行われる外層コイル192dの周方向の中心は、該外層コイル192dと径方向に対向するS極のマグネット132cの周方向の中心に対してずれてしまう。そのため、直流モータM11は、振動低減効果が小さくなってしまうという問題がある。
一方、図10に示すように、本実施形態の直流モータM3においては、各ティース151〜158の先端部には、周方向に離間するように分岐した一対の分岐ティース部26a,26bがそれぞれ設けられている。そして、各外層コイル163a〜163hは、周方向に隣り合う2本のティースに跨るように分岐ティース部26a,26bにそれぞれ巻回されているため、各外層コイル163a〜163hは、各内層コイル162a〜162hに対し周方向にずれている。従って、例えば、図10において整流中の内層コイル162aと直列に接続され次に整流が行われる外層コイル163cは、ティース153,154に跨るように分岐ティース部26a,26bに巻回されることにより、その周方向の中心が、ティース153とティース154との間に位置する。よって、図12に示す直流モータM11における外層コイル192dの周方向の中心に比べて、直流モータM3における外層コイル163cの周方向の中心は、径方向に対向するS極のマグネット132cの周方向の中心に近づく。その結果、本実施形態の直流モータM3は、直流モータM11よりも電機子141の回転軸11の振動低減効果が大きくなる。
上記したように、本第3実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)〜(9)と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果を有する。
(1)直流モータM3は、磁極の数PがP=6であり、ティース151〜158の数NがN=8であり、セグメントの数SがS=24である。従って、内層コイル162a〜162h及び外層コイル163a〜163hを備えた直流モータM3において、直流モータM3の駆動時に電機子コア142に作用するラジアル方向の力を極めて小さくすることができ(特開2004−88916号公報、特開2003−259582号公報参照)、直流モータM3における振動をより低減することができる。
(2)電流変動による磁気的な加振力を4箇所に分散させることができ、整流時の電機子141の振動を一層低減することができる。また、ヨークハウジング3の変形モードを、2次モードよりも高次の変形モードとすることができ、ヨークハウジング3の共振を回避しやすくなる。
(第4実施形態)
以下、本発明を具体化した第4実施形態を図面に従って説明する。尚、本第4実施形態では、上記第1乃至第3実施形態と同様の構成には同じ符号を付してその説明を省略する。
図14は、本第4実施形態の直流モータM4を平面状に展開した模式図を示す。この直流モータM4は、上記第3実施形態の直流モータM3と比較すると、電機子201を構成する外層コイルの構成が異なる。
電機子コア142には、上記第3実施形態と同様に8個の内層コイル202a〜202h及び8個の外層コイル203a〜203hが巻装されている。そして、周方向に隣り合うティースに跨るように周方向に隣り合う2つの分岐ティース部26a,26bに巻回された各外層コイル203a〜203hは、分岐ティース部26a,26bの基端側に巻回された内側コイル211a〜211hと分岐ティース部26a,26bの先端側に巻回された外側コイル212a〜212hとの2つの部位から構成されている。尚、図14では、内層コイル202a〜202hを中線で図示し、内側コイル211a〜211hを一点鎖線で図示し、外側コイル212a〜212hを太線で図示している。また、各内層コイル202a〜202h、各内側コイル211a〜211h及び各外側コイル212a〜212hを簡略化して図示している。
図14に示すように、電機子コア142には、まず、各ティース151〜158の内側巻回部27に内層コイル202a〜202hが集中巻にてそれぞれ巻回される。尚、全ての内層コイル202a〜202hは、その巻回方向が同じである。その後、周方向に隣り合うティース151〜158の周方向に隣り合う分岐ティース部26a,26b(即ち、隣り合う2つのティースにおける一方のティースの分岐ティース部26aと該分岐ティース部26aと隣り合う他方のティースの分岐ティース部26b)の基端側の部分に、内側コイル211a〜211hが分布巻にてそれぞれ巻回される。このとき、各内側コイル211a〜211hは、各内層コイル202a〜202hと逆方向に巻回される。その後、内側コイル211a〜211hが巻回された2つずつの分岐ティース部26a,26bの先端側の部位に、外側コイル212a〜212hが分布巻にてそれぞれ巻回される。このとき、各外側コイル212a〜212hは、内側コイル211a〜211hと同じ方向(即ち内層コイル202a〜202hと逆方向)に巻回される。尚、先に巻回された内層コイル202a〜202hと後から巻回された外層コイル203a〜203h(即ち内側コイル211a〜211h及び外側コイル212a〜212h)とは、径方向に互いにずれた位置に形成され、軸方向に重ならないようになっている。更に、各内層コイル202a〜202hの周方向の中心と各外層コイル203a〜203hの周方向の中心とは、電機子コア142の周方向に互いにずれており、周方向に交互に且つ周方向に等角度間隔になっている。また、各内層コイル202a〜202hの電気抵抗は、各内側コイル211a〜211hのうち1つ内側コイルの電気抵抗と各外側コイル212a〜212hのうち1つの外側コイルの電気抵抗との和と等しくなっている。
そして、各内側コイル211a〜211hの巻き始めの端部は、周方向に2つ置きの8個のセグメント16にそれぞれ接続されるとともに、各内側コイル211a〜211hの巻き終わりの端部は、各内側コイル211a〜211hから、隣り合うマグネット132a〜132f間の間隔と略等しい間隔(即ち約60°)だけ離れた位置にある内層コイル202a〜202hの巻き始めの端部とそれぞれ接続される。また、各内層コイル202a〜202hの巻き終わりの端部は、各内層コイル202a〜202hから約60°離れた位置にある外側コイル212a〜212hの巻き始めの端部とそれぞれ接続されている。そして、各外側コイル212a〜212hの巻き終わりの端部は、同じ分岐ティース部26a,26bに巻回された各内側コイル211a〜211hの巻き始めの端部が接続されたセグメント16にそれぞれ接続されている。従って、周方向に2つ置きの8個のセグメント16(即ち、セグメント番号「2」,「5」,「8」,「11」,「14」,「17」,「20」,「23」のセグメント16)には、内側コイル211a〜211hの巻き始めの端部と、外側コイル212a〜212hの巻き終わりの端部とが1本ずつ接続されている。
このように、本実施形態の電機子201においては、各内層コイル202a〜202hと、各内層コイル202a〜202hが巻回されたティース151〜158の周方向の両側のティースのうち一方のティースに巻回された内側コイル211a〜211hと、他方のティースに巻回された外側コイル212a〜212hとの3つずつのコイルがそれぞれ直列に結合されている。そして、直列に結合された3つのコイルは、隣り合うマグネット132a〜132fの間隔と略等しい間隔(即ち約60°)ごとに配置されている。これにより、直流モータM4においては、各内層コイル202a〜202h、各内側コイル211a〜211h及び各外側コイル212a〜212hの整流時に電機子201に作用する磁気的な加振力を6箇所に分散させることができる。
上記したように、本第4実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)〜(3),(6)〜(9)と同様の作用効果及び上記第3実施形態の(1)と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果を有する。
(1)各内層コイル202a〜202hは、外層コイル203a〜203hよりも内周側でそれぞれ1本ずつの内側巻回部27に集中巻にて巻回されており、各外層コイル203a〜203hは、内層コイル202a〜202hよりも外周側でそれぞれ2つの分岐ティース部26a,26bに分布巻にて巻回されているため、外層コイル203a〜203hは内層コイル202a〜202hよりも周方向に長い。そこで、本実施形態のように、各内層コイル202a〜202hと各外層コイル203a〜203hとの抵抗値を等しくすると、各内層コイル202a〜202hにおける電流値と各外層コイル203a〜203hにおける電流値とを等しくすることができ、直流モータM4にて発生するトルクを安定させることができる。
(2)電流変動による磁気的な加振力を6箇所に分散させることができ、整流時の電機子201の振動をより一層低減することができる。また、ヨークハウジング3の変形モードを、2次モードよりも高次の変形モードとすることができ、ヨークハウジング3の共振を回避しやすくなる。
(第5実施形態)
以下、本発明を具体化した第5実施形態を図面に従って説明する。尚、本第5実施形態では、上記第1乃至第4実施形態と同様の構成には同じ符号を付してその説明を省略する。
図15は、本第5実施形態の直流モータM9を平面状に展開した模式図を示す。本実施形態の直流モータM9は、上記第2実施形態の直流モータM2とほぼ同じ構成をなしている。詳述すると、図16に示すように、直流モータM9は、固定子1と、該固定子1の内側に回転可能に配置された電機子81とを備えている。固定子1は、ヨークハウジング3の内周面に固定された4個のマグネット4a〜4dを有することから、直流モータM9の磁極の数Pは「4」となっている。また、4個のマグネット4a〜4dは周方向に等角度間隔に設けられており、各マグネット4a〜4dの開角度θ1(回転軸11の回転中心を中心とした各マグネット4a〜4dの周方向の範囲に該当する角度)は90°となっている。
前記電機子81を構成する回転軸11は、その軸方向の両端部が固定子1によって回転可能に支持されるとともに、該回転軸11には、上記第2実施形態の直流モータM2に備えられた電機子コア82と同じ電機子コア82が一体回転可能に固定されている。この電機子コア82は、それぞれ先端部に一対の分岐ティース部26a,26bを有する6本のティース91〜96を備えることにより、内側巻回部27間の内側スロット31を6個、分岐ティース部26a,26b間の第1及び第2外側スロット32a,32bを6個ずつ備えている。また、電機子コア82において、連続した1つの空間である内側スロット31と第2外側スロット32bとを1つの複合スロット34とすると、電機子コア82は、導線41を挿通して内層コイル102a〜102fを巻回するための複合スロット34(即ち隣り合うティース91〜96間の空間)を6個、導線41を挿通して外層コイル103a〜103fを形成するための第1外側スロット32a(即ち各ティース91〜96における対をなす分岐ティース部26a,26b間の空間)を6個備えている。即ち、電機子コア82は、電機子コイル(即ち内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103f)を巻装するために実際に導線41が挿通されるスロットを合計12個備えており、該スロットの総数Mが磁極の数P(即ち「4」)の3倍となっている。
図15及び図16に示すように、電機子コア82に巻装された各内層コイル102a〜102fは、それぞれ各ティース91〜96の基端側の部位である内側巻回部27にそれぞれ集中巻にて巻回されている。また、電機子コア82に巻装された外層コイル103a〜103fは、周方向に隣り合う2本の分岐ティース部26a,26bにそれぞれ巻回されるが、各外層コイル103a〜103fは、それぞれ異なる分岐ティース部26a,26bに巻回されているため、周方向に隣り合う外層コイル103a〜103f同士が電機子コア82の軸方向の両側で軸方向に重なり合うことがない。更に、外層コイル103a〜103fは内層コイル102a〜102fよりも径方向外側でティース91〜96に巻回されているため、外層コイル103a〜103fと内層コイル102a〜102fとは径方向ずれており電機子コア82の軸方向の両側で軸方向に互いに重なり合わない。従って、各内層コイル102a〜102f及び各外層コイル103a〜103fのコイルピッチP1(回転軸11の回転中心を中心とした各コイルの周方向の範囲に該当する角度)は60°となる。尚、図16には、代表として外層コイル103aのみを図示している。
また、図15及び図17に示すように、前記回転軸11に固定され電機子81を構成する整流子83は、周方向に並設された12個のセグメント16を備えており、セグメント16の数Sは磁極の数P(即ち「4」)の3倍となっている。そして、各セグメント16には、電機子コア82の内側巻回部27に巻回された内層コイル102a〜102fの端部がそれぞれ1本ずつ接続されるとともに、分岐ティース部26a,26bに巻回された外層コイル103a〜103fの端部がそれぞれ1本ずつ接続されている。
整流子83の外周には、2個の陽極側ブラシ501及び2個の陰極側ブラシ502が配置されている。略四角柱状をなす陽極側ブラシ501と陰極側ブラシ502とは、周方向に交互に配置されるとともに、整流子83側の先端面が、整流子83の外周に設けられたセグメント16に摺接可能に押圧接触される。尚、陽極側ブラシ501及び陰極側ブラシ502においては、その先端面が整流子83のセグメント16に摺接する摺接部となる。
各陽極側ブラシ501及び各陰極側ブラシ502は、その周方向の幅w1が、セグメント16の周方向の幅w2の半分の幅に設定されている。そして、各陽極側ブラシ501は、N極のマグネット4a,4cの周方向の略中心と対応する位置にそれぞれ配置されるとともに、各陰極側ブラシ502は、S極のマグネット4b,4dの周方向の略中心と対応する位置にそれぞれ配置されている。通常、陽極側ブラシ及び陰極側ブラシは、各ブラシの周方向の中心がマグネットの磁極中心線(マグネットの周方向の中央を通り径方向に延びる直線)上に位置する通常位置に配置される。しかし、本実施形態の直流モータM9においては、陽極側ブラシ501と陰極側ブラシ502とは、マグネット4a〜4dの周方向の中心を通る磁極中心線X3〜X6上の通常位置から周方向に沿って相反する方向にシフトして配置されている。即ち、図17において上側に配置されたN極のマグネット4aに対応して配置された陽極側ブラシ501は、マグネット4aの磁極中心線X3上の通常位置から時計方向にシフトして配置されるとともに、図17において下側に配置されたN極のマグネット4cに対応して配置された陽極側ブラシ501は、マグネット4cの磁極中心線X5上の通常位置から時計方向にシフトして配置されている。そして、これら2つの陽極側ブラシ501における反時計方向側の端面は、それぞれ磁極中心線X3,X5上に位置している。一方、図17において右側に配置されたS極のマグネット4bに対応して配置された陰極側ブラシ502は、マグネット4bの磁極中心線X4上の通常位置から反時計方向にシフトして配置されるとともに、図17において左側に配置されたS極のマグネット4dに対応して配置された陰極側ブラシ502は、マグネット4dの磁極中心線X6上の通常位置から反時計方向にシフトして配置されている。そして、これら2つの陰極側ブラシ502における時計方向側の端面は、それぞれ磁極中心線X4,X6上に位置している。従って、これら陽極側ブラシ501及び陰極側ブラシ502を電機子81に電流が供給されて該電機子81が回転されると、電機子81の回転に伴って陽極側ブラシ501と陰極側ブラシ502とにおいて交互に整流が行われる。
ここで、図18及び図20に、分布巻にて電機子コイルが巻装された従来の直流モータM12の概略図を示すとともに、図19に、直流モータM12を平面状に展開した模式図を示す。図18乃至図20に示すように、直流モータM12は、略円筒状のヨークハウジング601の内周面に4個のマグネット602を固着してなる固定子603と、該固定子603の内側に該固定子603に対して回転可能に配置された電機子604とを備えている。電機子604の回転軸605に固定された電機子コア606は、回転軸605に外嵌された円筒状のコアバック606aと、該コアバック606aの外周面から径方向外側に向かって放射状に延びる12本のティース606bとが一体に形成されてなる。そして、電機子コア606は、周方向に隣り合うティース606b間に合計12個のスロット606cを有する。この電機子コア606には、12個の電機子コイル607が分布巻にて巻装されている。各電機子コイル607は、複数のスロットを跨ぐように3本のティース606bに巻回されている。尚、図19には、12個の電機子コイル607のうち代表として2個のみを図示し、図20には、12個の電機子コイル607のうち代表として1つのみを図示している。また、回転軸605には、周方向に並設された12個のセグメント608を有する整流子609が固定されるとともに、各セグメント608には、2つの電機子コイル607の端部が1本ずつ接続されている。更に、整流子609の周囲には、電機子コイル607に電流を供給するための2個の陽極側ブラシ701及び2個の陰極側ブラシが配置されている。陽極側ブラシ701及び陰極側ブラシ702は、その周方向の幅がセグメント608の周方向の幅と等しく形成されるとともに、その先端面が整流子609のセグメント608に摺接可能に押圧接触されている。そして、陽極側ブラシ701と陰極側ブラシ702とは、周方向に交互に配置されるとともに、4つのマグネット602の周方向の中心を通る磁極中心線(図18において一点鎖線にて図示)上に各ブラシ701,702の周方向の中心がそれぞれ配置される通常位置に配置されている。
このような従来の直流モータM12は、本実施形態の直流モータM9と同様に、スロットの数及び電機子コイルの数が「12」となっている。また、図20に示すように、直流モータM12におけるマグネット602の開角度θ2も、直流モータM9における各マグネット4a〜4dの開角度θ1と同様に90°となっている。しかし、この直流モータM12では、各電機子コイル607は、それぞれ3本のティース606bに巻回されているため、各電機子コイル607のコイルピッチP2(回転軸11の回転中心を中心とした各コイルの周方向の範囲に該当する角度)は90°である。即ち、本実施形態の直流モータM9は、分布巻にて巻装された電機子コイル607を備えた従来の直流モータM12に比べて、コイルピッチP1(図16参照)が小さくなっている。そのため、従来の直流モータM12では、図23(a)に示すように整流区間において誘起電圧が発生して図23(b)に示すように不足整流が生じるが、本実施形態の直流モータM9では、図22(a)に示すように整流区間において誘起電圧の発生が抑えられ、その結果、図22(b)に示すように不足整流が生じることが抑制されて整流が良好に行われる。
また、図21に示すように、スロットの総数Mが磁極の数Pで割り切れる場合には、陽極側ブラシと陰極側ブラシとで同時に整流が行われることになるため、電流リップル(電流波形)の山数が少なく、電流リップルが大きくなる(電流波形の変動が大きくなる)傾向にあることがわかる。電流リップルが大きくなると、駆動時における直流モータの振動・騒音が大きくなってしまう。
そして、本実施形態の直流モータM9(図21において太線で囲んだ部位に該当)は、磁極の数Pが「4」であるとともに、スロットの総数Mが「12」であり、スロットの総数Mが磁極の数Pで割り切れる。しかし、本実施形態の直流モータM9では、陽極側ブラシ501と陰極側ブラシ502とは、マグネット4a〜4dの周方向の中心を通る磁極中心線X3〜X6上の通常位置から周方向に沿って相反する方向にシフトして配置されることにより、陽極側ブラシ501と陰極側ブラシ502とにおいて交互に整流が行われるように構成されている。そのため、スロットの総数Mが磁極の数Pで割り切れる構成であっても、図15及び図19に図示した電流波形を見てわかるように、直流モータM9では、従来の直流モータM12に比べて電流値の変化量が小さく抑えられ、電流リップルが小さくなるため、駆動時の振動・騒音の発生が抑制される。
上記したように、本第5実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)〜(3),(7)〜(9)と同様の作用効果、及び上記第2実施形態の(1)と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果を有する。
(1)直流モータM9は、複合スロット34及び第1外側スロット32aの合計(即ちスロットの総数M)が磁極の数Pで割り切れる構成であるが、陽極側ブラシ501による整流と陰極側ブラシ502による整流とが交互に行われる。従って、陽極側ブラシ701及び陰極側ブラシ702において同時に整流が行われる構成の直流モータM12に比べて、駆動時における電流値の変化量を小さくすることができ、振動・磁気音を低減させることができる。
尚、本発明の各実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第1実施形態の直流モータM1における内層コイル42a〜42e及び外層コイル43a〜43eの巻回方法は、第1実施形態において記載した方法に限らない。例えば、図24乃至図27に示すように内層コイル42a〜42e及び外層コイル43a〜43eを巻回してもよい。図24乃至図27に示す巻回方法では、まず、内層コイル42a〜42eを形成する内層コイル巻回工程が行われる。内層コイル巻回工程では、電機子コア12の周囲に導線41を供給する図示しないノズルが、ティース21〜25と同数の5つ配置される。そして、図24に示すように、5つのノズルから供給される導線41が、周方向に1つ置きのセグメント16に接続される。尚、図24においては、5つのノズルによる巻き始めの位置を「○」にて図示している。その後、5つのノズルによって、5本のティース21〜25の内側巻回部27に同時に内層コイル42a〜42eが巻回され、更に内層コイル42a〜42eの巻き終わりの端部が周方向に1つ置きの異なるセグメント16にそれぞれ接続される。尚、各内層コイル42a〜42eの巻き終わりの端部は、それぞれその巻き始めの端部が接続されたセグメント16と隣り合うセグメント16に接続される。詳しくは、第1のノズルは、セグメント番号「2」のセグメント16に導線41を接続した後にティース21の内側巻回部27に内層コイル42aを巻回し、セグメント番号「1」のセグメント16に内層コイル42aの巻き終わりの端部を接続する。また第2のノズルは、セグメント番号「4」のセグメント16に導線41を接続した後にティース22の内側巻回部27に内層コイル42bを巻回し、セグメント番号「3」のセグメント16に内層コイル42bの巻き終わりの端部を接続する。また第3のノズルは、セグメント番号「6」のセグメント16に導線41を接続した後にティース23の内側巻回部27に内層コイル42cを巻回し、セグメント番号「5」のセグメント16に内層コイル42cの巻き終わりの端部を接続する。また第4のノズルは、セグメント番号「8」のセグメント16に導線41を接続した後にティース24の内側巻回部27に内層コイル42dを巻回し、セグメント番号「7」のセグメント16に内層コイル42dの巻き終わりの端部を接続する。また第5のノズルは、セグメント番号「10」のセグメント16に導線41を接続した後にティース25の内側巻回部27に内層コイル42eを巻回し、セグメント番号「9」のセグメント16に内層コイル42eの巻き終わりの端部を接続する。
次に、図25に示すように、第1切断工程が行われ、セグメント番号「7」のセグメント16に接続された内層コイル42dの巻き終わりの端部、及びセグメント番号「9」のセグメント16に接続された内層コイル42eの巻き終わりの端部が切断される。尚、図25乃至図27では、導線41が切断された部位を「×」にて図示している。
次に、第1短絡工程が行われ、第1乃至第3のノズルが、セグメント番号「1」,「3」,「5」の3つのセグメント16にそれぞれ接続された3つの内層コイル42a〜42cの巻き終わりの端部から連続して導線41にて短絡線17a〜17cを形成する。即ち、第1のノズルは、セグメント番号「1」のセグメント16から180°離間した位置にあるセグメント番号「6」のセグメント16まで導線41を渡して短絡線17aを形成した後に導線41を切断する。そして、第2のノズルは、セグメント番号「3」のセグメント16から180°離間した位置にあるセグメント番号「8」のセグメント16まで導線41を渡して短絡線17bを形成した後に導線41を切断する。更に、第3のノズルは、セグメント番号「5」のセグメント16から180°離間した位置にあるセグメント番号「10」のセグメント16まで導線41を渡して短絡線17cを形成した後に導線41を切断する。この第1短絡工程が行われる間、第4及び第5のノズルは停止している。
次に、図26に示すように、外層コイル43a〜43eを形成する外層コイル巻回工程が行われる。外層コイル巻回工程では、まず、5つのノズルから供給される導線41が、周方向に1つ置きのセグメント16に接続される。その後、5つのノズルによって、隣り合うティース21〜25に跨るように隣り合う2つの分岐ティース部26a,26b全てに同時に外層コイル43a〜43eが巻回され、更に外層コイル43a〜43eの巻き終わりの端部が周方向に5つ置きの異なるセグメント16にそれぞれ接続される。尚、各外層コイル43a〜43eの巻き終わりの端部は、それぞれその巻き始めの端部が接続されたセグメント16と隣り合うセグメント16に接続される。詳しくは、第1のノズルは、セグメント番号「2」のセグメント16に導線41を接続した後に外層コイル43aを巻回し、セグメント番号「3」のセグメント16に外層コイル43aの巻き終わりの端部を接続する。また第2のノズルは、セグメント番号「4」のセグメント16に導線41を接続した後に外層コイル43bを巻回し、セグメント番号「5」のセグメント16に外層コイル43bの巻き終わりの端部を接続する。また第3のノズルは、セグメント番号「6」のセグメント16に導線41を接続した後に外層コイル43cを巻回し、セグメント番号「7」のセグメント16に外層コイル43cの巻き終わりの端部を接続する。また第4のノズルは、セグメント番号「8」のセグメント16に導線41を接続した後に外層コイル43dを巻回し、セグメント番号「9」のセグメント16に外層コイル43dの巻き終わりの端部を接続する。また第5のノズルは、セグメント番号「10」のセグメント16に導線41を接続した後に外層コイル43eを巻回し、セグメント番号「1」のセグメント16に外層コイル43eの巻き終わりの端部を接続する。
次に、第2切断工程が行われ、セグメント番号「1」のセグメント16に接続された外層コイル43eの巻き終わりの端部、セグメント番号「3」のセグメント16に接続された外層コイル43aの巻き終わりの端部、及びセグメント番号「5」のセグメント16に接続された外層コイル43bの巻き終わりの端部が切断される。
次に、図27に示すように、第2短絡工程が行われ、第3及び第4のノズルが、セグメント番号「7」,「8」の2つのセグメント16にそれぞれ接続された2つの外層コイル43c,43dの巻き終わりの端部から連続して導線41にて短絡線17d,17eを形成する。即ち、第3のノズルは、セグメント番号「7」のセグメント16から180°離間した位置にあるセグメント番号「2」のセグメント16まで導線41を渡して短絡線17dを形成した後に導線41を切断する。そして、第4のノズルは、セグメント番号「9」のセグメント16から180°離間した位置にあるセグメント番号「4」のセグメント16まで導線41を渡して短絡線17eを形成した後に導線41を切断する。この第1短絡工程が行われる間、第1乃至第3,第5のノズルは停止している。この第2短絡工程が終了すると電機子コア12への電機子コイルの巻回が終了する。尚、第1切断工程、第1短絡工程、第2切断工程及び第2短絡工程が短絡工程に該当する。
このようにすると、内層コイル巻回工程では、全ての内層コイル42a〜42eを同時に巻回するため、内層コイル42a〜42eを巻回する時間が短縮される。更に、外層コイル巻回工程では、全ての外層コイル43a〜43eを同時に巻回するため、外層コイル43a〜43eを巻回する時間が短縮される。これらのことから、電機子コア12に電機子コイルを巻装する時間が短縮され、製造速度が向上する。また、セグメント16同士を短絡する短絡線17a〜17eは、内層コイル42a〜42e及び外層コイル43a〜43eと同様に導線41にて形成されるため、導線41よりなる短絡線17a〜17eにてセグメント16同士を容易に短絡することができる。更に、互いに短絡されるセグメント16間には、短絡線17a〜17eはそれぞれ1本ずつ設けられるため、互いに短絡されるセグメント16間に短絡線が重複して形成されない。従って、導線41を節約して製造コストを低減させることができる。
尚、第1切断工程及び第2切断工程において切断される内層コイル42a〜42e及び外層コイル43a〜43eは、図24乃至図27に示す例に限らない。第1切断工程及び第2切断工程において、内層コイル42a〜42e及び外層コイル43a〜43eのセグメント16に接続された巻き終わりの端部のうち半数の巻き終わりの端部を切断し、第1及び第2短絡工程において、短絡されるセグメント16同士が1本の短絡線17a〜17eにてそれぞれ接続されるようにもう半数の巻き終わりの端部から連続して導線41にて短絡線17a〜17eを形成すればよい。
また、図28に示すように、内層コイル巻回工程では、第1〜第5のノズルN1〜N5は、各内層コイル42a〜42eを巻回する際の回転中心O1〜O5を中心として(360/ティースの本数)°だけ順にずれた状態で内側巻回部27に導線41を巻回して内層コイル42a〜42eを形成してもよい。図28は、電機子コア12を平面状に展開してティース21〜25の先端側から見た図である。即ち、5本のティース21〜25を有する電機子コア12に電機子コアを巻回する場合には、第1〜第5のノズルN1〜N5は、72°ずつ順にずれた状態で内層コイル42a〜42eを巻回してもよい。詳しくは、第1〜第5のノズルN1〜N5は、図28において最も左に位置するティース21に対して配置された第1のノズルN1から、ティース22に対して配置された第2のノズルN2、ティース23に対して配置された第3のノズルN3、ティース24に対して配置された第4のノズルN4、ティース25に対して配置された第5のノズルN5まで、各ノズルN1〜N5の内層コイル42a〜42eの巻回時の回転中心O1〜O5を中心として時計方向に72°ずつ順にずれた状態で内層コイル42a〜42eを巻回してもよい。このようにすると、全ての内層コイル42a〜42eを同時に巻回する際に、ノズルN1〜N5同士が接触することを抑制できる。また、外層コイル巻回工程においても、第1〜第5のノズルN1〜N5は、各外層コイル43a〜43eを巻回する際の回転中心を中心として(360/ティースの本数)°だけ順にずれた状態で外層コイル43a〜43eを形成してもよい。このようにすると、全ての外層コイル43a〜43eを同時に巻回する際に、ノズルN1〜N5同士が接触することを抑制できる。
・上記第2実施形態では、内側スロット31の径方向の長さL1は、第1外側スロット32aの径方向の長さL2及び第2外側スロット32bの径方向の長さL2よりも長く設定されている。しかしながら、内側スロット31の径方向の長さL1は、第1外側スロット32aの径方向の長さL2及び第2外側スロット32bと同等に形成されてもよい。このことは、上記第5実施形態の直流モータM9においても同様である。
・上記第1実施形態では、各内層コイル42a〜42eと各外層コイル43a〜43eとは、抵抗値が等しくなるように形成されている。しかしながら、各内層コイル42a〜42eは、各外層コイル43a〜43eよりも巻回数を多くした場合に、各外層コイル43a〜43eと抵抗値が等しくならなくてもよい。このようにしても、上記第1実施形態の(4)と同様の作用効果を得ることができる。このことは、第3実施形態の直流モータM3及び第4実施形態の直流モータM4についても同様である。
・上記第1実施形態の直流モータM1において、外層コイル43a〜43eを、内層コイル42a〜42eを構成する導線よりも線径の大きい導線41にて巻回してもよい。各内層コイル42a〜42eは、外層コイル43a〜43eよりも内周側でそれぞれ1本ずつの内側巻回部27に集中巻にて巻回されており、各外層コイル43a〜43eは、内層コイル42a〜42eよりも外周側でそれぞれ2つの分岐ティース部26a,26bに分布巻にて巻回されている。そのため、外層コイル43a〜43eは内層コイル42a〜42eよりも周方向に長い。そこで、外層コイル43a〜43eを構成する導線41の線径を、内層コイル42a〜42eを構成する導線41の線径よりも大きくすることにより、内層コイル42a〜42eに比べて外層コイル43a〜43eの抵抗値が高くなることを抑制して、内層コイル42a〜42eにおける電流値と外層コイル43a〜43eにおける電流値の差を減少させることができる。その結果、直流モータM1にて発生するトルクを安定させることができる。このことは、第2乃至第5実施形態についても同様である。
・上記第1実施形態では、内層コイル42a〜42eの巻回数は、外層コイル43a〜43eの巻回数よりも多いが、外層コイル43a〜43eの巻回数と同じであってもよい。このことは、第3実施形態の直流モータM3及び第4実施形態の直流モータM4についても同様である。また、第2実施形態の直流モータM2において、内層コイル102a〜102fの巻回数を外層コイル103a〜103fの巻回数よりも多くしてもよい。このようにすると、上記第1実施形態の(4)と同様の作用効果を得ることができる。このことは、第5実施形態の直流モータM9についても同様である。
・上記第1実施形態では、各ティース21〜25においては、内側巻回部27における磁路断面積S2は、各分岐ティース部26a,26bにおける磁路断面積S1の2倍よりも大きい。しかしながら、各ティース21〜25において、内側巻回部27における磁路断面積S2は、各分岐ティース部26a,26bにおける磁路断面積S1の2倍の値に設定されてもよい。このようにしても、電機子コア12において内側巻回部27のある内側での磁束量と、分岐ティース部26a,26bのある外側での磁束量との差を減少させることができ、内側と外側での磁気的なアンバランスを低減させることができる。その結果、直流モータM1の駆動時における振動の発生をより抑制することができる。このことは、上記第2乃至第5実施形態についても同様である。
・上記第5実施形態の直流モータM9においては、陽極側ブラシ501及び陰極側ブラシ502の周方向の幅w1(各ブラシにおけるセグメント16に摺接する摺接部の周方向の幅)は、セグメント16の周方向の幅w2の半分の幅に設定されている。しかしながら、陽極側ブラシ501と陰極側ブラシ502とは、マグネット4a〜4dの周方向の中心を通る磁極中心線X3〜X6上の通常位置から周方向に沿って相反する方向にシフトして配置され、電機子81の回転に伴って陽極側ブラシ501と陰極側ブラシ502とにおいて交互に整流が行われるのであれば、その周方向の幅w1は、セグメント16の周方向の幅w2の半分の幅より小さい値に設定されてもよいし、セグメント16の周方向の幅w2の半分の幅より大きい値に設定されてもよい。このようにすると、上記第5実施形態と同様に、電機子81の回転に伴って陽極側ブラシ501と陰極側ブラシ502とにおいて交互に整流が行われるため、従来のモータよりも電流リップルが小さく抑えられ、トルクリップルが低下されることから、駆動時の振動・騒音の発生を抑制することができる。また、陽極側ブラシ501と陰極側ブラシ502とを通常位置から周方向に沿って相反する方向にシフトして配置し、陽極側ブラシ501と陰極側ブラシ502とにおいて交互に整流が行われるようにする場合、陽極側ブラシ501及び陰極側ブラシ502におけるセグメント16に摺接する摺接部の周方向の幅をセグメント16の周方向の幅w2の半分以下とすると、振動・騒音の発生の抑制に加えて、トルクの上昇を図ることができる。更に、陽極側ブラシ501及び陰極側ブラシ502の摺接部の周方向の幅をセグメント16の周方向の幅w2の半分とすると、振動・騒音の発生の抑制及びトルクの上昇を図ることができる上、上記のように陽極側ブラシ501及び陰極側ブラシ502が交互に整流を行う構成とした場合において供給電流を最大限に大きくすることができる。
・図29及び図30に示すように、上記第5実施形態の直流モータM9において、陽極側ブラシ501及び陰極側ブラシ502の周方向の一方側に各陽極側ブラシ501及び各陰極側ブラシ502に比べて抵抗の大きい高抵抗ブラシ801を配置してもよい。詳述すると、各高抵抗ブラシ801は、各陽極側ブラシ501及び各陰極側ブラシ502の先端面(摺接部)と周方向に隣接するとともに、マグネット4a〜4dの磁極中心線X3〜X6上の通常位置から隣接する各ブラシ501,502がシフトされた方向と反対方向にシフトして配置されている。このようにすると、各陽極側ブラシ501及び各陰極側ブラシ502がセグメント16と接触する際、及び離間する際の火花の発生を抑制することができる。
・第5実施形態の直流モータM9のように、スロットの総数Mが磁極の数Pで割り切れる直流モータにおいて、整流中の内層コイルと次に整流が行われる外層コイルとを直列に接続した構成としてもよい。このようにすると、電機子の振動をより低減することができる。また、同構成の直流モータにおいて、陽極側ブラシと陰極側ブラシとを、マグネットの周方向の中心を通る磁極中心線上の通常位置から周方向に沿って相反する方向にシフトして配置すると、陽極側ブラシによる整流と陰極側ブラシによる整流とが交互に行われるようになるため、駆動時における電流値の変化量を小さくすることができ、振動・磁気音を更に低減させることができる。更に、各陽極側ブラシ及び各陰極側ブラシの先端面(摺接部)と隣接するとともに、隣接する各ブラシが前記通常位置からシフトされた方向と反対方向にシフトして配置された高抵抗ブラシを設けることにより、各ブラシがセグメントと接触する際、及び離間する際の火花の発生を抑制することができる。
・上記第4実施形態のように、各外層コイル203a〜203hを、各内側コイル211a〜211h及び各外側コイル212a〜212hの2つのコイルから構成する場合、内層コイル202a〜202h及び外層コイル203a〜203hの接続の態様は上記第4実施形態のものに限らない。例えば、図31に示すように内層コイル202a〜202h及び外層コイル203a〜203hを形成してもよい。図31に示す直流モータM5においては、図32に示すように、各ティース151〜158の内側巻回部27に巻回された各内層コイル202a〜202hの巻き始めと巻き終わりの端部は、周方向に8つおきの2つのセグメント16にそれぞれ接続されている。従って、2つおきのセグメント16(即ち、セグメント番号「2」,「5」,「8」,「11」,「14」,「17」,「20」,「23」のセグメント16)には、それぞれ内層コイル202a〜202hの巻き始めと巻き終わりの端部が1本ずつ接続されている。また、図33に示すように、内側コイル211a〜211h及び外側コイル212a〜212hは、内層コイル202a〜202hと巻回方向が逆向きとなっている。そして、各内側コイル211a〜211hの巻き始めの端部は、2つおきのセグメント16(即ち、セグメント番号「2」,「5」,「8」,「11」,「14」,「17」,「20」,「23」のセグメント16)に接続されるとともに、各内側コイル211a〜211hの巻き終わりの端部は、各内側コイル211a〜211hから周方向に135°離れた位置にある外側コイル212a〜212hの巻き始めの端部にそれぞれ接続されている。更に、外側コイル212a〜212hの巻き終わりの端部は、同じ分岐ティース部26a,26bに巻回された内側コイル211a〜211hの巻き始めの端部が接続されたセグメント16にそれぞれ接続されている。このようにしても、上記第4実施形態と同様に、磁気的な加振力を6箇所に分散させることができる。
また、例えば、図34に示す直流モータM6では、内側コイル211a〜211h及び外側コイル212a〜212hは、図33に示す例と同様に巻回されている。そして、各内層コイル202a〜202hは、図35に示すように、その巻き初めと巻き終わりの端部が、周方向に隣り合う2つのセグメント16にそれぞれ接続されている。このようにしても、上記第4実施形態と同様に、磁気的な加振力を6箇所に分散させることができる。
・上記第2実施形態では、2つのフライヤを用いて、内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103fを電機子コア82に巻装する。しかしながら、各内層コイル102a〜102f及び各外層コイル103a〜103fの端部を、図36に示すようにセグメント16に接続することにより、1つのフライヤを用いて1本の導線41で全ての内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103fを電機子コア82に巻装することができる。この場合、全ての内層コイル102a〜102fを巻回した後に、外層コイル103a〜103fを巻回する。詳述すると、導線41は、セグメント番号「1」のセグメント16に接続された後、ティース91の内側巻回部27に内層コイル102aを巻回し、セグメント番号「2」のセグメント16に接続される。次いで、導線41は、ティース番号「2」の分岐ティース部26b及びティース番号「3」の外層コイル103aと磁気的に等価位置にある内層コイル102fを形成する。このとき、内層コイル102fは、外層コイル103fと磁極は逆となるため、同外層コイル103fとは巻回方向が逆向きとなる。尚、図36に図示した矢印は、各内層コイル102a〜102f及び各外層コイル103a〜103fの巻回方向を示している。以後、導線41によって、内層コイル102b,102d,102c,102eが順に形成されるとともに、各内層コイル102b,102d,102c,102eを形成する度に、導線41は、セグメント番号「3」〜「7」のセグメント16に順に接続される。そして、セグメント番号「7」のセグメント16に接続された導線41は、外層コイル103b,103d,103c,103e,103a,103fを順に形成するとともに、各外層コイル103b,103d,103c,103e,103a,103fを形成する度に、導線41は、セグメント番号「8」〜「12」,「1」のセグメント16に順に接続される。そして、外層コイル103fの巻回後に、導線41が、セグメント番号「1」のセグメントに接続されると全ての内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103fの巻装が終了する。従って、12個のセグメントのうち、2個のセグメント16には、内層コイル及び外層コイルの端部が1本ずつ接続され、残りの10個のセグメント16のうち半数の5個のセグメント16には、内層コイルの端部が2本ずつ接続され、もう半数の5個のセグメント16には、外層コイルの端部が2本ずつ接続される。このように全ての内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103fを1本の導線41で連続して巻回すると、内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103fの巻回にかかる時間を短くすることができ、生産性を向上させることができる。
尚、上記したように1本の導線41にて全ての内層コイル及び外層コイルを電機子コアに巻回するためには、ティースの数Nを磁極の数Pの奇数倍とする必要がある。例えば、磁極の数PがP=4であってティースの数NがN=12の直流モータ、又は、磁極の数PがP=6であってティースの数NがN=18の直流モータが挙げられる。
・(360/(P/2))°間隔に位置する(P/2)個のセグメント16同士を短絡する短絡線を介して、複数のセグメント16のうち2個のセグメント16に内層コイルの端部及び外層コイルの端部が1本ずつ接続され、残りのセグメント16のうち半数のセグメント16に2つの内層コイルの端部が1本ずつ接続され、もう半数のセグメント16に2つの外層コイルの端部が1本ずつ接続されるように構成してもよい。図37に示す例では、短絡線301〜306は、180°間隔に位置する2個のセグメント16同士を短絡するものである。そして、内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103fを巻回する際には、セグメント番号「1」のセグメント16に接続された導線41は、内層コイル102aを形成した後に、セグメント番号「2」のセグメント16にフッキングされる。その後、導線41は、短絡線302を形成しつつセグメント番号「8」のセグメント16まで導かれて同セグメント16にフッキングされた後に、内層コイル102cを形成する。以後、導線41は、短絡線301,303〜306を形成しつつ、内層コイル102c,102b,102d,102f,102e、外層コイル103b,103d,103c,103e,103a,103fを順に連続して形成する。これにより、短絡線301〜306を介して、12個のセグメント16のうち2個のセグメント16に内層コイルの端部及び外層コイルの端部が1本ずつ接続され、残りの10個のセグメント16のうち半数の5個のセグメント16に2つの内層コイルの端部が1本ずつ接続され、もう半数の5個のセグメント16に2つの外層コイルの端部が1本ずつ接続される。このようにすると、短絡線301〜306も含めて全ての内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103fを1本の導線41で連続して巻回することができる。そして、短絡線301〜306も含めて全ての内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103fを1本の導線41で連続して巻回すると、内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103fの巻回時に連続して短絡線301〜306も形成されるため、別途短絡部材を形成して配置する場合に比べて製造工程の数が減少される。従って、直流モータの生産性が向上する。
・上記第2実施形態では、2つのフライヤを用いて、内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103fを電機子コア82に巻装する。しかしながら、3つ以上のフライヤを用いて内層コイル102a〜102f及び外層コイル103a〜103fの電機子コア82への巻装を行ってもよい。この場合、整流子に備えられる複数のセグメント16のうちn個(nは2以上の偶数)のセグメント16には、内層コイルの端部及び外層コイルの端部が1本ずつ接続され、残りのセグメント16のうち半数のセグメント16には、2つの内層コイルの端部が1本ずつ接続され、もう半数のセグメント16には、2つの外層コイルの端部が1本ずつ接続される。そして、複数のフライヤを同時に用いると、102a〜102f及び外層コイル103a〜103fの巻回に要する時間を短縮することができ、直流モータM2の生産性を向上させることができる。
・上記各実施形態では、電機子コア12,82,142は、何れもティースの先端部に分岐ティース部26a,26bを備えている。しかしながら、ティースは、分岐ティース部26a,26bを備えない構成とされてもよい。この場合、直流モータは、磁極の数Pが4以上の偶数、ティースの数NがN=2×(P±2)(但しP=4のときN=12)、セグメント16の数SがS=((P/2)×N)とされる。そして、各内層コイルは、隣り合う2本ずつのティースの基端側にそれぞれ巻回される。更に、外層コイルは、隣り合う2つの内層コイルが巻回された4本のティースのうち中央の隣り合う2本のティースの先端側にそれぞれ巻回される。また、(360/(P/2))°間隔に位置する(P/2)個のセグメント16同士が短絡部材にて短絡されるとともに、複数のセグメント16のうちティースと同数の周方向に等角度間隔に配置されたセグメント16に、内層コイル及び外層コイルの端部が1本ずつ接続される。例えば、図38に示す直流モータM7の電機子コア401は、円筒状のコアバック20の外周面から径方向外側に向かって放射状に延びる16本のティース402を備えている。そして、周方向に隣り合う2本ずつのティース402の基端側には、それぞれ内層コイル403a〜403hが巻回されるとともに、隣り合う2つの内層コイルが巻回された4本のティース402のうち中央の隣り合う2本のティース402の先端側に、外層コイル404a〜404hがそれぞれ巻回されている。尚、各内層コイル403a〜403h及び各外層コイル404a〜404hの端部は、上記第3実施形態の内層コイル162a〜162h及び外層コイル163a〜163hと同様に整流子83のセグメント16に接続されている。このようにすると、磁極の数Pが4以上の偶数であり、ティースの数NがN=2×(P±2)(但しP=4のときN=12)であり、セグメントの数SがS=((P/2)×N)であるため、直流モータM7の駆動時に電機子コア401に作用するラジアル方向の力を極めて小さくすることができ、直流モータM7における振動をより低減することができる(特開2004−88916号公報、特開2003−259582号公報参照)。
また、この直流モータM7を製造する際、図24乃至図27に図示した方法と同様の方法で内層コイル403a〜403h及び外層コイル404a〜404hの巻回を行ってもよい。即ち、ティース402の半数の8つ(即ち形成する内層コイル403a〜403hと同数)のノズルを用いて内層コイル403a〜403hを同時に巻回する内層コイル巻回工程と、8つのノズルを用いて外層コイル404a〜404hを同時に巻回する外層コイル巻回工程とを行って直流モータM7を製造してもよい。このようにすると、内層コイル403a〜403h及び外層コイル404a〜404hを巻回する時間が短縮される。その結果、電機子コア401に電機子コイル(即ち内層コイル403a〜403h及び外層コイル404a〜404h)を巻装する時間が短縮され、製造速度が向上する。そして、製造された直流モータM7においては、外層コイル404a〜404hは、内層コイル403a〜403hよりも外周側でティースに巻回されているため、内層コイル403a〜403hと軸方向に重ならない。従って、内層コイル403a〜403h及び外層コイル404a〜404hのコイルエンド部が軸方向に大きくなることを抑制でき、ひいては製造した直流モータM7の軸方向の大型化を抑制することができる。そして、コイルエンド部の軸方向高さを抑えるために内層コイル403a〜403h及び外層コイル404a〜404hの巻数を減少させなくてもよいため、出力を低下させることなく直流モータM7の軸方向の大型化を抑制することができる。また、分布巻の電機子コイルを備えた従来の直流モータと同等の大きさとする場合には、内層コイル403a〜403h及び外層コイル404a〜404hの巻数を増加させて占積率を高くできるため、直流モータM7の高出力化を図ることができる。更に、各内層コイル403a〜403hの周方向の中心と各外層コイル404a〜404hの周方向の中心とが周方向にずれているため、集中巻の電機子コイルを備えた直流モータに比べて磁束の変動を緩やかにすることが可能である。従って、直流モータM7の駆動時に発生する振動を抑制することができる。
また、図28に示す例と同様に、直流モータM7を製造する際の内層コイル巻回工程では、8つのノズルは、各内層コイル403a〜403hを巻回する際の回転中心を中心として(360/(ティースの本数/2))°だけ順にずれた状態でティース402の基端側に導線41を巻回して内層コイル403a〜403hを形成してもよい。このことは、外層コイル巻回工程においても同様である。このようにすると、全ての内層コイル403a〜403hを同時に巻回する際に、ノズル同士が接触することを抑制できるとともに、全ての外層コイル404a〜404hを同時に巻回する際に、ノズル同士が接触することを抑制できる。
・上記第1乃至第4実施形態では、直流モータM1〜M4は、陽極側ブラシ14及び陰極側ブラシ15を1つずつ備えている。しかしながら、直流モータM1〜M4は、陽極側ブラシ14及び陰極側ブラシ15を複数個ずつ備えてもよい。
・固定子1,131に備えられる磁極(マグネット)の数P及び電機子コア12,82,142に備えられるティースの数Nは、適宜変更してもよい。但し、N=P±2とすると、より大きな振動低減効果を得ることができる(特開2004−88916号公報、特開2003−259582号公報参照)。例えば、図39に示す直流モータM8は、上記第1実施形態の固定子1を備えるとともに、上記第3実施形態の電機子141を備えることにより、磁極の数PがP=4、ティースの数NがN=8となっている。
4a〜4d,132a〜132f…磁極としてのマグネット、12,82,142,401…電機子コア、13,83,143…整流子、14,501…給電ブラシとしての陽極側ブラシ、15,502…給電ブラシとしての陰極側ブラシ、16…セグメント、17a〜17e…短絡線、21〜25,91〜96,151〜158,402…ティース、26a,26b…分岐ティース部、27…内側巻回部、31…内側スロット、32a…外側スロットとしての第1外側スロット、32b…外側スロットとしての第2外側スロット、41…導線、42a〜42e,102a〜102f,162a〜162h,202a〜202h,403a〜403h…電機子コイルとしての内層コイル、43a〜43e,103a〜103f,163a〜163h,203a〜203h,404a〜404h…電機子コイルとしての外層コイル、N1〜N5…巻線治具としてのノズル、O1〜O5…回転中心、S1…分岐ティース部における磁路断面積、S2…内側巻回部における磁路断面積。

Claims (12)

  1. 周方向に並設された複数の磁極と、
    周方向に並設された複数のティースを有し前記ティースの先端が前記磁極と径方向に対向される電機子コアと、
    前記ティースに巻回された複数の電機子コイルと、
    周方向に並設された複数のセグメントを有し前記電機子コアと一体回転可能に設けられた整流子と、
    前記セグメントに押圧接触される複数の給電ブラシと、
    を備えた直流モータであって、
    各前記ティースは、各前記ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有するとともに、各前記内側巻回部における磁路断面積は各前記分岐ティース部における磁路断面積の2倍よりも大きく、
    複数の前記電機子コイルは、各前記内側巻回部にそれぞれ集中巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の内層コイルと、前記内層コイルよりも外周側で隣り合う前記ティースの隣り合う2つの前記分岐ティース部にそれぞれ分布巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の外層コイルとであるとともに、各前記内層コイルの周方向の中心と各前記外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれていることを特徴とする直流モータ。
  2. 周方向に並設された複数の磁極と、
    周方向に並設された複数のティースを有し前記ティースの先端が前記磁極と径方向に対向される電機子コアと、
    前記ティースに巻回された複数の電機子コイルと、
    周方向に並設された複数のセグメントを有し前記電機子コアと一体回転可能に設けられた整流子と、
    前記セグメントに押圧接触される複数の給電ブラシと、
    を備えた直流モータであって、
    各前記ティースは、各前記ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有し、
    複数の前記電機子コイルは、各前記内側巻回部にそれぞれ集中巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の内層コイルと、前記内層コイルよりも外周側で隣り合う前記ティースの隣り合う2つの前記分岐ティース部にそれぞれ分布巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の外層コイルとであるとともに、前記内層コイルは前記外層コイルよりも巻回数が多く、更に各前記内層コイルの周方向の中心と各前記外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれていることを特徴とする直流モータ。
  3. 周方向に並設された複数の磁極と、
    周方向に並設された複数のティースを有し前記ティースの先端が前記磁極と径方向に対向される電機子コアと、
    前記ティースに巻回された複数の電機子コイルと、
    周方向に並設された複数のセグメントを有し前記電機子コアと一体回転可能に設けられた整流子と、
    前記セグメントに押圧接触される複数の給電ブラシと、
    を備えた直流モータであって、
    各前記ティースは、各前記ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有し、
    複数の前記電機子コイルは、各前記内側巻回部にそれぞれ集中巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の内層コイルと、前記内層コイルよりも外周側で隣り合う前記ティースの隣り合う2つの前記分岐ティース部にそれぞれ分布巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の外層コイルとであるとともに、各前記外層コイルを構成する導線の線径は各前記内層コイルを構成する導線の線径よりも大きく、更に各前記内層コイルの周方向の中心と各前記外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれていることを特徴とする直流モータ。
  4. 周方向に並設された複数の磁極と、
    周方向に並設された複数のティースを有し前記ティースの先端が前記磁極と径方向に対向される電機子コアと、
    前記ティースに巻回された複数の電機子コイルと、
    周方向に並設された複数のセグメントを有し前記電機子コアと一体回転可能に設けられた整流子と、
    前記セグメントに押圧接触される複数の給電ブラシと、
    を備えた直流モータであって、
    各前記ティースは、各前記ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有し、
    複数の前記電機子コイルは、各前記内側巻回部にそれぞれ集中巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の内層コイルと、前記内層コイルよりも外周側で隣り合う前記ティースの隣り合う2つの前記分岐ティース部にそれぞれ分布巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の外層コイルとであるとともに、前記内層コイルは前記外層コイルよりも巻回数が多く、且つ各前記外層コイルを構成する導線の線径は各前記内層コイルを構成する導線の線径よりも大きく、更に各前記内層コイルの周方向の中心と各前記外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれていることを特徴とする直流モータ。
  5. 周方向に並設された複数の磁極と、
    周方向に並設された複数のティースを有し前記ティースの先端が前記磁極と径方向に対向される電機子コアと、
    前記ティースに巻回された複数の電機子コイルと、
    周方向に並設された複数のセグメントを有し前記電機子コアと一体回転可能に設けられた整流子と、
    前記セグメントに押圧接触される複数の給電ブラシと、
    を備えた直流モータであって、
    各前記ティースは、各前記ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有し、
    複数の前記電機子コイルは、各前記内側巻回部にそれぞれ集中巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の内層コイルと、前記内層コイルよりも外周側で隣り合う前記ティースの隣り合う2つの前記分岐ティース部にそれぞれ分布巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の外層コイルとであるとともに、各前記内層コイルと各前記外層コイルとの抵抗値が等しく、更に各前記内層コイルの周方向の中心と各前記外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれていることを特徴とする直流モータ。
  6. 周方向に並設された複数の磁極と、
    周方向に並設された複数のティースを有し前記ティースの先端が前記磁極と径方向に対向される電機子コアと、
    前記ティースに巻回された複数の電機子コイルと、
    周方向に並設された複数のセグメントを有し前記電機子コアと一体回転可能に設けられた整流子と、
    前記セグメントに押圧接触される複数の給電ブラシと、
    を備えた直流モータであって、
    各前記ティースは、各前記ティースの基端側で径方向に延びる内側巻回部と、該内側巻回部の先端から延び周方向に離間するように分岐して二股状をなす一対の分岐ティース部とを有し、
    隣り合う前記内側巻回部間に形成される内側スロットは、隣り合う前記分岐ティース部間に形成される外側スロットよりも径方向に長く、
    複数の前記電機子コイルは、各前記内側巻回部にそれぞれ集中巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の内層コイルと、前記内層コイルよりも外周側で隣り合う前記ティースの隣り合う2つの前記分岐ティース部にそれぞれ分布巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の外層コイルとであるとともに、各前記内層コイルの周方向の中心と各前記外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれていることを特徴とする直流モータ。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の直流モータの製造方法であって、
    前記ティースと同数配置された導線を供給する巻線治具にて、各前記内側巻回部に同時に前記内層コイルを集中巻にて巻回する内層コイル巻回工程と、
    前記ティースと同数の前記巻線治具にて、隣り合う前記ティースの隣り合う2つの前記分岐ティース部全てに同時に前記外層コイルを分布巻にて巻回する外層コイル巻回工程と、
    を備えたことを特徴とする直流モータの製造方法。
  8. 請求項7に記載の直流モータの製造方法において、
    前記内層コイル巻回工程では、前記巻線治具は、各前記内層コイルを巻回する際の回転中心を中心として(360/前記ティースの本数)°だけ順にずれた状態で前記内側巻回部に前記導線を巻回して前記内層コイルを形成し、
    前記外層コイル巻回工程では、前記巻線治具は、各前記外層コイルを巻回する際の回転中心を中心として(360/前記ティースの本数)°だけ順にずれた状態で前記分岐ティース部に前記導線を巻回して前記外層コイルを形成することを特徴とする直流モータの製造方法。
  9. 周方向に並設された複数の磁極と、
    周方向に並設された複数のティースを有し前記ティースの先端が前記磁極と径方向に対向される電機子コアと、
    前記ティースに巻回された複数の電機子コイルと、
    周方向に並設された複数のセグメントを有し前記電機子コアと一体回転可能に設けられた整流子と、
    前記セグメントに押圧接触される複数の給電ブラシと、
    を備え、
    複数の前記電機子コイルは、隣り合う2本の前記ティースの基端側にそれぞれ巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の内層コイルと、前記内層コイルよりも外周側で隣り合う2本の前記ティースにそれぞれ分布巻にて巻回されて径方向に互いに重なることなく周方向に並ぶ複数の外層コイルとであり、各前記内層コイルの周方向の中心と各前記外層コイルの周方向の中心とが周方向にずれている直流モータの製造方法であって、
    前記ティースの半数と同数配置された導線を供給する巻線治具にて、隣り合う2本ずつの前記ティースの基端側に同時に前記内層コイルを巻回する内層コイル巻回工程と、
    前記ティースの半数と同数の前記巻線治具にて、隣り合う2本ずつの前記ティースの先端側に同時に前記外層コイルを巻回する外層コイル巻回工程と、
    を備えたことを特徴とする直流モータの製造方法。
  10. 請求項9に記載の直流モータの製造方法において、
    前記内層コイル巻回工程では、前記巻線治具は、各前記内層コイルを巻回する際の回転中心を中心として(360/(前記ティースの本数/2))°だけ順にずれた状態で隣り合う2本ずつの前記ティースの基端側に前記導線を巻回して前記内層コイルを形成し、
    前記外層コイル巻回工程では、前記巻線治具は、各前記外層コイルを巻回する際の回転中心を中心として(360/(前記ティースの本数/2))°だけ順にずれた状態で隣り合う2本ずつの前記ティースの先端側に前記導線を巻回して前記外層コイルを形成することを特徴とする直流モータの製造方法。
  11. 請求項7乃至請求項10の何れか1項に記載の直流モータの製造方法において、
    前記内層コイル巻回工程及び前記外層コイル巻回工程の少なくとも一方の工程の後に、少なくとも1つの前記巻線治具にて、短絡される前記セグメント間に前記導線を渡して短絡線を形成する短絡工程を備えることを特徴とする直流モータの製造方法。
  12. 請求項11に記載の直流モータの製造方法において、
    前記内層コイル巻回工程では、前記巻線治具は、前記内層コイルを巻回した後に前記内層コイルの巻き終わりの端部をそれぞれ異なる前記セグメントに接続し、
    前記内層コイル巻回工程では、前記巻線治具は、前記外層コイルを巻回した後に前記外層コイルの巻き終わりの端部をそれぞれ異なる前記セグメントに接続し、
    前記短絡工程は、前記内層コイル及び前記外層コイルの前記セグメントに接続された前記巻き終わりの端部のうち半数の前記巻き終わりの端部を切断し、短絡される前記セグメント同士が1本の前記短絡線にてそれぞれ接続されるようにもう半数の前記巻き終わりの端部から連続して前記導線にて前記短絡線を形成することを特徴とする直流モータの製造方法。
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