JP2016059262A

JP2016059262A - 直流モータ

Info

Publication number: JP2016059262A
Application number: JP2015166027A
Authority: JP
Inventors: 敏弘森本; Toshihiro Morimoto
Original assignee: Asmo Co Ltd
Current assignee: Asmo Co Ltd
Priority date: 2014-09-04
Filing date: 2015-08-25
Publication date: 2016-04-21
Also published as: US20160072345A1; CN105406628A; US9812911B2; CN105406628B; DE102015114711A1

Abstract

【課題】出力特性を維持しながら、火花摩耗によるブラシ寿命の低下を防止し得る直流モータを提供する。
【解決手段】多数のティース１１を備えたコア１０と、各ティースの先端部に設けられた二股状の分岐部１２と、各ティースの基端部に巻回される内側巻線１３と、各ティースの分岐部と隣り合うティースの分岐部との間に巻回される外側巻線１４とを備えた直流モータにおいて、内側巻線１３の巻数と外側巻線１４の巻数を、内側巻線と外側巻線のインダクタンスが揃うように調整した。
【選択図】図１

Description

この発明は、電機子コアの各ティースに、径方向に２層の電機子コイルを巻装する直流モータに関するものである。

直流モータの一種類として、電機子コアの多数のティースの先端部に二又状の分岐ティースを形成し、各ティースの基端部に内層コイルを巻回し、隣り合うティースの分岐ティース間に外層コイルを巻回した二層構造の電機子コイルを備えたものがある。

このような直流モータでは、二層構造の電機子コイルにより、出力トルクを確保しながら、大型化及び振動の抑制を図ることが可能となる。
特許文献１には、二層構造の電機子コイルを備えた直流モータが開示されている。

特開２０１１−５５６５５号公報

特許文献１に開示された直流モータでは、電機子コイルを二層構造とすることにより、一層構造の集中巻の電機子コイルと巻数を同一としたとき、コイルのインダクタンスを１／４とすることができる。

しかし、内層コイルのインダクタンスが外層コイルのインダクタンスより大きくなる。このため、ブラシが整流子を介して内層コイルから離れるときにブラシと整流子のセグメントとの間で発生する火花は、ブラシが整流子を介して外層コイルから離れるときにブラシと整流子のセグメントとの間で発生する火花より大きくなる。

すると、内層コイルから離れる際に接続されていたセグメントで火花摩耗が大きくなるため、整流子に周方向に段差が生じてブラシの寿命が短くなるとともに、電磁ノイズも発生しやすくなるという問題点がある。

この発明の目的は、出力特性を維持しながら、火花摩耗によるブラシ寿命の低下を防止し得る直流モータを提供することにある。

上記課題を解決する直流モータは、多数のティースを備えたコアと、前記各ティースの先端部に設けられた二股状の分岐部と、前記各ティースの基端部に巻回される内側巻線と、前記各ティースの分岐部と、隣り合うティースの分岐部との間に巻回される外側巻線とを備えた直流モータにおいて、前記内側巻線の巻数と前記外側巻線の巻数を、前記内側巻線と外側巻線のインダクタンスが揃うように調整した。

この構成によれば、内側巻線と外側巻線のインダクタンスが揃えられる。
上記直流モータおいて、前記内側巻線で生成される第一の磁路には、隣り合うティース間の第一の隙間を介在させ、前記外側巻線で生成される第二の磁路には、前記分岐部の間の第二の隙間と前記分岐部と固定子との離間距離とを介在させ、前記離間距離は前記第一及び第二の隙間より大きい距離を備え、前記内側巻線の巻数を、前記外側巻線の巻数より少なくした。

この構成によれば、内側巻線のインダクタンスが外側巻線のインダクタンスより大きくなるとき、内側巻線の巻数を、前記外側巻線の巻数より少なくしてインダクタンスが揃えられる。

上記直流モータにおいて、前記内側巻線の巻数を減少させるとともに、前記外側巻線の巻数を増大させた。
この構成によれば、内側巻線の巻数を減少させるとともに、前記外側巻線の巻数を増大させてインダクタンスが揃えられる。

上記直流モータにおいて、前記内側巻線の巻数の減少分と、前記外側巻線の巻数の増大分を等しくした。
この構成によれば、内側巻線と外側巻線のインダクタンスが揃えられ、且つ直流モータの出力特性が維持される。

上記直流モータにおいて、前記コアを備えた電機子には、前記各内側巻線及び外側巻線に接続されるセグメントを有する整流子を備え、前記固定子には前記整流子に摺接して、前記各内側巻線及び外側巻線に直流電流を供給するブラシを備えた。

この構成によれば、ブラシから整流子を介して内側巻線及び外側巻線に直流電流を供給するとき、整流子とブラシとの間に発生する火花の大きさが揃えられる。

本発明によれば、直流モータの出力特性を維持しながら、火花摩耗によるブラシ寿命の低下を防止することができる。

一実施形態の直流モータを示す断面図である。内側巻線で生成される磁路を示す説明図である。外側巻線で生成される磁路を示す説明図である。

以下、直流モータの一実施形態を図面に従って説明する。図１に示す直流モータは、固定子１と、その固定子１の内側で回転可能に支持される電機子２とで構成される。
固定子１は、略円筒状のヨークハウジング３の内周面に、３個のＮ極の磁石４と、３個のＳ極の磁石５とが周方向に交互に配設されて、６極の磁極が形成されている。

前記電機子２は、前記ヨークハウジング３の径方向中心に位置する回転軸６を備え、その回転軸の両端部がヨークハウジング３に回転可能に支持されている。ヨークハウジング３内で回転軸６の一端部には回転軸６と一体に回転する整流子７が設けられている。そして、整流子７は周方向に等間隔に配設された２４個のセグメント８を備えている。

前記整流子７の周囲において、回転軸６を中心として対向する位置には、先端が前記整流子７に摺接する一対のブラシ９が設けられている。そして、外部から供給される直流電流がブラシ９を介して整流子７の対向するセグメント８に順次供給される。

前記回転軸６の軸方向中間部には、回転軸と一体に回転するコア１０が設けられている。コア１０には、ヨークハウジング３の内周面に向かって延びる１２本のティース１１が形成されている。各ティース１１は、隣り合うティースとの間隔が等間隔となるように形成されるとともに、先端部には二股状の分岐部１２がそれぞれ設けられている。

各ティース１１の分岐部１２の先端部は、互いに近づく方向に延設されている。そして、図２及び図３に示すように、隣り合うティース１１の分岐部１２間の第一の間隙ｔ１と、各ティース１１の分岐部１２間の第二の間隙ｔ２とが同一となるように形成され、この実施形態では３ｍｍに設定されている。

また、各ティース１１の分岐部１２とヨークハウジング３の内周面との離間距離ｄは前記第一及び第二の間隙ｔ１，ｔ２より大きい距離が設定され、この実施形態では４．７ｍｍに設定されている。

前記各ティース１１には２層構造の電機子巻線が巻回されている。各ティース１１の基端部には、集中巻にて内側巻線１３が巻回され、各ティース１１の分岐部１２と隣り合うティース１１の分岐部１２との間に分布巻にて外側巻線１４が巻回されている。

そして、各内側巻線１３と外側巻線１４は、それぞれ前記整流子７のセグメント８に接続され、ブラシ９に直流電流が供給されたとき、各内側巻線１３及び外側巻線１４に供給される直流電流に基づいて電機子２が回転される。

前記各内側巻線１３と外側巻線１４の巻数は、内側巻線１３の巻数が外側巻線１４の巻数より少ない巻数となっている。図２に示すように、内側巻線１３に直流電流が流れるときに生成される第一の磁路ｍｇｗ１には、３ｍｍの空気層である第一の間隙ｔ１が１箇所存在する。

これに対し、外側巻線１４に直流電流が流れるときに生成される第二の磁路ｍｇｗ２には、３ｍｍの空気層である第二の間隙ｔ２が１箇所存在する磁路と、ティース１１の分岐部１２から磁石４，５の内周面までの空気層及び磁石４，５の径方向の厚みを合算した離間距離ｄが４．７ｍｍで構成される磁路とが並列に生成される。前記離間距離ｄは、言い換えれば分岐部１２の径方向外側面からヨークハウジング３の内周面までの距離である。

すると、内側巻線１３と外側巻線１４の巻き数が同一であるとき、内側巻線１３のインダクタンスは外側巻線１４のインダクタンスより大きくなる。
この実施形態では、内側巻線１３のインダクタンスと外側巻線１４のインダクタンスの差を小さくするために、内側巻線１３の巻数を外側巻線１４の巻数より少なくしている。さらに、内側巻線１３の巻数の減少分を補うように、外側巻線１４の巻数を増大させている。

次に、上記のように構成された直流モータの作用を説明する。
外部からブラシ９に直流電流が供給されると、セグメント８を介して内側巻線１３及び外側巻線１４に順次供給される直流電流に基づいて生成される磁界と、固定子１の磁石４，５により生成されている磁界の作用により、電機子２に回転力が発生して回転軸６が回転される。

このとき、内側巻線１３と外側巻線１４のインダクタンスがほぼ等しいので、ブラシ９と内側巻線１３に接続されるセグメント８との間で発生する火花の大きさと、ブラシ９と外側巻線１４に接続されるセグメント８との間で発生する火花の大きさはほぼ等しくなる。

上記のように構成された直流モータでは、次に示す効果を得ることができる。
（１）２層構造の電機子巻線を備えた直流モータにおいて、内側巻線１３のインダクタンスと外側巻線１４のインダクタンスがほぼ一致するように、内側巻線１３の巻数を外側巻線１４の巻数より少なくした。従って、内側巻線１３に接続されるセグメント８とブラシ９との間で発生する火花の大きさと、外側巻線１４に接続されるセグメント８とブラシ９との間で発生する火花の大きさとをほぼ一致させることができる。

なお、内側巻線１３の巻数を外側巻線１４の巻数より少なくするにあたり、単純に巻数を少なくするのではなく、内側巻線１３の巻数の減少分を補うように、外側巻線１４の巻数を増大させる。このような構成により、内側巻線１３と外側巻線１４の巻数に相対的な差を設けてインダクタンスを一致させたことで、総合的な巻数を減少させることなく、モータの出力特性を維持することができる。

（２）火花の大きさを揃えることにより、火花摩耗によるセグメント８の表面での段差の発生を防止して、ブラシ９及び整流子７の寿命を延ばすことができる。
（３）ブラシ９とセグメント８との間で発生する火花を抑制することができる。従って、火花による電磁ノイズに起因して発生するラジオノイズを抑制することができる。

上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・内側巻線と外側巻線のインダクタンスを揃えるように、内側巻線の巻数のみを減らし、あるいは外側巻線の巻数のみを増加するようにしてもよい。

１…固定子、２…電機子、７…整流子、８…セグメント、９…ブラシ、１０…コア、１１…ティース、１２…分岐部、１３…内側巻線、１４…外側巻線、ｍｇｗ１…第一の磁路、ｍｇｗ２…第二の磁路、ｔ１…第一の隙間、ｔ２…第二の隙間、ｄ…離間距離。

Claims

多数のティースを備えたコアと、
前記各ティースの先端部に設けられた二股状の分岐部と、
前記各ティースの基端部に巻回される内側巻線と、
前記各ティースの分岐部と、隣り合うティースの分岐部との間に巻回される外側巻線とを備えた直流モータにおいて、
前記内側巻線の巻数と前記外側巻線の巻数を、前記内側巻線と外側巻線のインダクタンスが揃うように調整したことを特徴とする直流モータ。
前記内側巻線で生成される第一の磁路には、隣り合うティース間の第一の隙間を介在させ、前記外側巻線で生成される第二の磁路には、前記分岐部の間の第二の隙間と前記分岐部と固定子との離間距離とを介在させ、前記離間距離は前記第一及び第二の隙間より大きい距離を備え、前記内側巻線の巻数を、前記外側巻線の巻数より少なくしたことを特徴とする請求項１記載の直流モータ。
前記内側巻線の巻数を減少させるとともに、前記外側巻線の巻数を増大させたことを特徴とする請求項２記載の直流モータ。
前記内側巻線の巻数の減少分と、前記外側巻線の巻数の増大分を等しくしたことを特徴とする請求項３記載の直流モータ。
前記コアを備えた電機子には、前記各内側巻線及び外側巻線に接続されるセグメントを有する整流子を備え、前記固定子には前記整流子に摺接して、前記各内側巻線及び外側巻線に直流電流を供給するブラシを備えたことを特徴とする請求項２乃至４のいずれか１項に記載の直流モータ。