JP2011052645A - タービン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸線周りに回転する軸体と、前記軸体の周面に周方向に配置される複数の動翼50と、前記動翼50を囲むように形成されたケーシング10と、前記ケーシング10内の前記動翼50の上流側に、前記ケーシング10の内周に周方向に配置される複数の静翼とを備え、前記静翼を通過した流体が前記動翼50を通過するように構成されたタービン1であって、前記動翼50と前記ケーシング10との間に形成される隙間Gdにおける前記流体のリークを抑制するシール部材17が形成され、前記隙間Gdの前記シール部材17の上流側には、前記静翼を通過した流体に圧力損失を発生させ、全圧低下させる周方向流れ邪魔板70が前記ケーシング10の内周側に延在して形成されていることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
そして、シール部材を構成するシールフィンを軸体の軸方向に複数配置するとともに、シールフィンの先端を高圧流体側はストレートに、低圧流体側はテーパとすることで、各シールフィンの下流側(低圧流体側)に渦流を発生させてシールフィンを通過する流体の量を低減する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
請求項1に記載の発明は、軸線周りに回転自在に支持された軸体と、前記軸体の周面に周方向に配置され前記軸体から放射状に伸びる複数の動翼と、前記動翼を囲むように形成されたケーシングと、前記ケーシング内の前記動翼の上流側に、前記ケーシングの内周に周方向に配置され前記ケーシングの内周側に伸びる複数の静翼とを備え、前記静翼を通過した流体が前記動翼を通過するように構成されたタービンであって、前記動翼と前記ケーシングとの間に形成される隙間における前記流体のリークを抑制するシール部材が形成され、前記隙間の前記シール部材の上流側には、前記静翼を通過した流体に圧力損失を発生させ、全圧低下させる周方向流れ邪魔板が前記ケーシングの内周側に延在して形成されていることを特徴とする。
その結果、シール部材の周囲の隙間を通じて下流側に流体がリークするのを効率的に抑制して、タービンの性能を向上することができる。
また、周方向流れ邪魔板に接触した場合に、タービンの径方向に形成される線周りに周回するせん断渦と、軸線に沿う方向の線周りに周回するせん断渦の双方が形成されやすくなるので、隙間のシール部材上流側における流体の圧力損失を増大させて全圧が効率的に低下される。その結果、動翼とケーシングの間に形成される隙間を通じて流体が下流側にリークするのを効率的に抑制して、タービンの性能を向上することができる。
なお、せん断渦を効率的に発生させるうえで、周方向流れ邪魔板を、流体の平均速度ベクトル(Vθ、Vr、Vx)に垂直に配置することが好適である。(Vθ:周方向流速成分、Vr:半径方向流速成分、Vx:軸線方向流速成分)
その結果、タービンの性能を向上することができる。
以下、図1から図4を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1から図4は、この発明の第1の実施形態に係る蒸気タービン(タービン)を示す図である。
蒸気タービン1は、図1に示すように、ケーシング10と、ケーシング10に流入する蒸気Sの量と圧力を調整する調整弁20と、ケーシング10の内方に回転自在に設けられ、動力を図示しない発電機等の機械に伝達する軸体30と、ケーシング10に保持された静翼40と、軸体30に設けられた動翼50と、軸体30を軸回りに回転可能に支持する軸受部60とを備えている。
周方向流れ邪魔板70は、例えば、静翼40と同数とされ、静翼40と同じピッチで配置されている。なお、周方向流れ邪魔板70を、静翼40と同数又は静翼40の整数倍とするかどうか、また、静翼40と同ピッチとするかどうかは任意に設定可能である。
なお、図2は、蒸気タービン1の図1のA−A断面における断面を、軸体30の軸線O方向から見た図である。
これら環状静翼群と環状動翼群とは、一組一段とされている。すなわち、蒸気タービン1は、六段に構成されている。このうち、最終段における動翼50の先端部は、周方向に隣接する動翼の先端部同士と連結されておりシュラウド51と呼ばれている。
また、板部材70Aは、図4に示すように、軸線Oに沿うとともにタービン1の内周側が軸線Oに向かって延出され、軸線Oを含む面内に配置されている。
なお、図4は、タービン1の概略構成を示す部分断面図であり、図3におけるB−B断面を示す図である。
これらシールフィン17(17A〜17C)は、ステップ部52(52A〜52C)と微小隙間m(mA〜mC)を径方向に形成している。
軸受部60は、ジャーナル軸受装置61及びスラスト軸受装置62を備えており、軸体30を回転自在に支持している。
まず、調整弁20(図1参照)を開状態とすると、図示しないボイラから蒸気Sがケーシング10の内部空間に流入する。
各段の環状静翼群において静翼40を通過した蒸気Sのうち大部分の蒸気SMは、動翼50間に流入し、蒸気SMの速度エネルギーが回転エネルギーに変換されて軸体30に回転が付与される。
一方、蒸気Sのうち一部(例えば、約数%)の蒸気SLは、静翼40から流出した後、周方向成分が増大した状態で環状溝12に流入する。
環状溝12に流入した蒸気SLは、図4に示すように、板部材70Aと接触して周方向流速成分が低下させられる。
また、蒸気SLは、周方向流速等の条件によって、板部材70Aの回転方向Tの前方側においてせん断渦や乱れが発生されやすく、せん断渦や乱れが発生した場合には、蒸気SLに圧力損失が発生して、この領域(シールフィン17Aの軸方向上流側の空間)における圧力が低下する。
なお、仕事を終えた排気蒸気は、排気室19を通って図示しない復水器に送られる。
よって、蒸気Sのエネルギーを効率よく回転エネルギーに変換することで、高性能な蒸気タービンを提供することができる。
なお、シュラウド51をステップ状に形成するのに代えて、平坦状に形成してもよい。
次に、図5を参照して、この発明の第2の実施形態について説明する。
図5は、この発明の第2の実施形態に係る蒸気タービン2の概略構成を示す部分断面図であり、図3におけるB−B断面を示す図である。
蒸気タービン2の周方向流れ邪魔板70は、平板状に形成された板部材70Bからなり、板部材70Bは板部材70Aと同様の構成とされている。
なお、図5において、図1〜図4と同様の構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
その結果、タービンの性能を向上することができる。
次に、図6を参照して、この発明の第3の実施形態について説明する。
図6は、この発明の第3の実施形態に係る蒸気タービン3の要部拡大断面図であり、図1における要部Iの拡大断面図である。
なお、図6において、図1〜図4と同様の構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
次に、図8を参照して、この発明の第4の実施形態について説明する。
図8は、この発明の第4の実施形態に係る蒸気タービン4の要部拡大断面図であり、図1における要部Iの拡大断面図である。
なお、図8において、図1〜図4と同様の構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
その結果、タービンの性能を向上することができる。
次に、図9を参照して、この発明の第5の実施形態について説明する。
図9は、この発明の第5の実施形態に係る蒸気タービン5の要部拡大断面図であり、図1における要部Iの拡大断面図である。
なお、図9において、図1〜図4と同様の構成要素については、同一の符号を付し、説明を省略する。
網状体70Eは、例えば、複数のステンレス線材を直交する方向に配列した網目構造を有する構成とされており、線材と線材の間を通じて蒸気Sが流通可能とされている。
その結果、タービンの性能を向上することができる。
また、上記実施の形態においては、周方向流れ邪魔板70が、平板状に形成される場合について説明したが、例えば、曲面を有する構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、周方向流れ邪魔板70がケーシング10に溶接固定される場合について説明したが、ロー付やリベット、ボルト等で固定してもよいし、ケーシング10と一体成形してもよい。
また、周方向流れ邪魔板70が径方向に延出する場合について説明したが、流体の周方向流れに対してせん断渦や乱れを生成させて圧力損失を発生させるものであれば、周方向流れ邪魔板70は、内周側が径方向に対して回転方向Tの前方側又は後方側に傾斜した向きに配置してもよい。
また、上述した実施の形態では、復水式の蒸気タービンに本発明を適用したが、他の型式の蒸気タービン、例えば、二段抽気タービン、抽気タービン、混気タービン等のタービン型式に本発明を適用することができる。
また、上記実施の形態においては、シール部材が、ケーシング10の内周側に伸びるシールフィン17により構成される場合について説明したが、例えば、ラビリンス構造や、他の構成によるシール部材を用いてもよい。
1、2、3、4、5 蒸気タービン(タービン)
10 ケーシング
17、17A、17B、17C シールフィン
30 軸体
40 静翼
50 動翼
70、70A、70B、70C 板部材(周方向流れ邪魔板)
70D 多孔板部材(周方向流れ邪魔板)
70E 網状体(周方向流れ邪魔板)
Claims (7)
- 軸線周りに回転自在に支持された軸体と、
前記軸体の周面に周方向に配置され前記軸体から放射状に伸びる複数の動翼と、
前記動翼を囲むように形成されたケーシングと、
前記ケーシング内の前記動翼の上流側に、前記ケーシングの内周に周方向に配置され前記ケーシングの内周側に伸びる複数の静翼と、を備え、
前記静翼を通過した流体が前記動翼を通過するように構成されたタービンであって、
前記動翼と前記ケーシングとの間に形成される隙間における前記流体のリークを抑制するシール部材が形成され、前記隙間の前記シール部材の上流側には、前記静翼を通過した流体に圧力損失を発生させ、全圧低下させる周方向流れ邪魔板が前記ケーシングの内周側に延在して形成されていることを特徴とするタービン。 - 請求項1に記載のタービンであって、
前記周方向流れ邪魔板は、
前記軸線を含む面内に形成されていることを特徴とするタービン。 - 請求項1に記載のタービンであって、
前記周方向流れ邪魔板は、
前記軸線の軸方向における前記流体の下流側が、前記軸線を含む面よりも前記軸体の回転方向後方側に向かって形成されていることを特徴とするタービン。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のタービンであって、
前記周方向流れ邪魔板は、
板状体により構成されていることを特徴とするタービン。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のタービンであって、
前記周方向流れ邪魔板は、
開口部が形成された板状体により構成されていることを特徴とするタービン。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のタービンであって、
前記周方向流れ邪魔板は、
複数の孔が形成された多孔板状体により構成されていることを特徴とするタービン。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のタービンであって、
前記周方向流れ邪魔板は、
網状体により構成されていることを特徴とするタービン。
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