JP2006105087A - 蒸気タービン及び蒸気タービン運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 軸系の振動を低減すること。
【解決手段】 水蒸気の流路を形成するケーシング2と、その水蒸気の運動をタービン軸16の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼15とを備えている。ケーシング2と動翼15とは、その水蒸気のうちの一部の水蒸気が回転軸に直交する方向Bに漏洩する隙間10を形成している。このとき、蒸気タービンは、ケーシング2の隙間10に接する壁面7に着脱可能に支持されるライナ8を更に備えている。このような蒸気タービン1は、ライナ8の形状を変更することにより、軸系3の振動が低減するように、隙間10に流れる水蒸気の流量・速度を調整することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 水蒸気の流路を形成するケーシング2と、その水蒸気の運動をタービン軸16の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼15とを備えている。ケーシング2と動翼15とは、その水蒸気のうちの一部の水蒸気が回転軸に直交する方向Bに漏洩する隙間10を形成している。このとき、蒸気タービンは、ケーシング2の隙間10に接する壁面7に着脱可能に支持されるライナ8を更に備えている。このような蒸気タービン1は、ライナ8の形状を変更することにより、軸系3の振動が低減するように、隙間10に流れる水蒸気の流量・速度を調整することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、蒸気タービン及び蒸気タービン運転方法に関し、特に、水蒸気の運動エネルギーを回転運動の機械的エネルギーに変換する蒸気タービン及び蒸気タービン運転方法に関する。
水蒸気の運動エネルギーを回転運動の機械的エネルギーに変換する蒸気タービンが知られている。その蒸気タービン101は、図10に示されているように、ケーシング102と軸系103とを備えている。ケーシング102は、概ね円筒を形成し、ボイラにより生成される水蒸気の流路を形成している。軸系103は、その水蒸気の運動エネルギーを用いて回転軸を中心に回転する。すなわち、蒸気タービン101は、その水蒸気の運動エネルギーを軸系103の回転運動の機械的エネルギーに変換する。
ケーシング102は、最後段に、最後段の動翼の一部分が収まる溝が形成されている。すなわち、ケーシング102は、内壁105と内壁106と内壁107とが形成されている。内壁106は、概ね円筒を形成し、その水蒸気を軸系103の回転軸と平行である流れ方向Aに流す流路を形成している。内壁105は、内壁106より流れ方向Aの側に配置され、内壁106により形成される円筒より形が大きい円筒を形成し、その溝の底を形成している。内壁107は、内壁105と内壁106との間に挟まれ、軸系103の回転軸に概ね垂直で平坦な面を形成し、その溝の側面を形成している。
軸系103は、最後段に、動翼115とタービン軸116とを備えている。タービン軸116は、回転軸を中心に回転可能にケーシング102に支持されている。動翼115は、水蒸気の流れ方向Aに関して内壁105が配置されている位置にタービン軸116に同体に接合されている。動翼115は、動翼本体部分114と上流側突起部分117と下流側突起部分118とから形成されている。動翼本体部分114は、ケーシング102の最後段の溝に収まらないように配置されている。動翼本体部分114は、さらに、翼を形成し、ケーシング102により形成される流路を流れ方向Aに流れる水蒸気の運動をタービン軸116の回転運動に変換する。
上流側突起部分117は、動翼本体部分114より流れ方向Aの反対方向に突出した突起であり、ケーシング102の最後段の溝に収まるように配置されている。上流側突起部分117のタービン軸116に対向する面は、内壁106が配置される円柱面に沿って配置されている。下流側突起部分118は、動翼本体部分114より流れ方向Aに突出した突起であり、ケーシング102の最後段の溝に収まるように配置されている。下流側突起部分118のタービン軸116に対向する面は、内壁106が配置される円柱面に沿って配置されている。
上流側突起部分117と内壁107との隙間110は、タービン軸116の回転軸に直交する方向Bに水蒸気が漏洩する流路を形成している。隙間110を通った水蒸気は、動翼115と内壁105との隙間を通って外部に漏洩する。
上流側突起部分117の内壁107に対向する面は、上流側突起部分117のタービン軸116に対向する面と間の角が面取りされて、上流側突起部分117には、滑らかな曲面119が形成されている。
蒸気タービン101は、さらに、フィン111、112を備えている。フィン111は、板状に形成され、タービン軸116の回転軸に垂直になるように、内壁105の上流側突起部分117に対向する部分に接合されている。フィン1112は、板状に形成され、タービン軸116の回転軸に垂直になるように、内壁105の下流側突起部分118に対向する部分に接合されている。フィン111、112は、動翼115と内壁105との隙間を通る水蒸気の抵抗となり、隙間110を漏洩する水蒸気の流量を低減する。
このような蒸気タービン101は、高圧力・高出力であるときに、動翼115で発生するトルク励振力により、および、動翼115とケーシング102とのシールで発生するシール励振力により、軸系103に不安定振動が発生することがある。その不安定振動は、蒸気タービン101の出力が大きく、または、シール差圧が大きいほど発生しやすい。シール励振力は、隙間110に発生するスワールが大きいほど顕著になる。特に、蒸気タービン101が高圧タービンであるときに、隙間110に発生するスワールが周方向に不均一となり、均一な場合に比較して軸系103の振動が大きくなる。軸系の振動を低減する蒸気タービンが望まれている。
特開平08−319804号公報には、効果的に蒸気の漏洩を抑制することを可能にするとともに、蒸気によって生ずる回転軸の不安定振動を抑制することのできるラビリンスシール装置が開示されている。そのラビリンスシール装置は、ケーシングに保持されたシールリングに、回転軸表面との間に僅かな間隙を残して回転軸の周囲を閉塞するように複数のシールフィンが配設され、また、シールフィンの間に形成された空間であるチャンバを連通するように、シールリングに複数の通路が配設されてラビリンスシール装置が構成されている。
従来の蒸気タービンにおいては、設計上の規制などでバッフル板の外径が十分に大きく確保できないような場合は、バッフル板内側の圧力が外側の圧力に比べて低い場合が生じる。このような場合にはバッフル板外側の大きなスワールを持つ蒸気がバッフル板の内側に流入してスワール防止装置が十分に機能しないことがある。特開平10−061407号公報に開示されている流体機械のスワール防止装置は、ロータ軸と車室との間の隙間に設けられたラビリンスシールのディスク側に旋回防止ブロックを介して環状のバッフル板を取付けて形成される流体機械のスワール防止装置におけるバッフル板の内側外周近傍に案内羽根を流体のスワール方向に沿って装着している。
特開2000−097350号公報には、蒸気タービン等のターボ回転機械に用いられる自動調整シールにおいて、機械の起動から停止に至る一連の動きに応じてラビリンスシールの隙間を自動的に変化させ、流体の漏れを極力防止するようにしたものが開示されている。そのターボ回転機械の自動調整シールは、固定シールリングと可動シールリングの合せ面を水平方向に延びる平坦面で形成し、ここに可動シールリングの垂直方向の移動を案内するガイドピンを設け、前記可動シールリングの周方向断面形状はラビリンスブロックが高圧側に突き出し部を有しスラスト面より低圧側に突き出し部を有しない非対称形に構成したことにより、各シールリング間にこじれ等の発生するおそれはなく、また、定格運転時に作用する作動流体の圧力は無駄な抵抗を受けることなく敏速に機能し、効果的なシール機能を達成し、加えて小型化、コンパクト化に貢献することができる。
本発明の課題は、軸系の振動を低減する蒸気タービン及び蒸気タービン運転方法を提供することにある。
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明による蒸気タービン(1)は、水蒸気の流路を形成するケーシング(2)と、その水蒸気の運動をタービン軸(16)の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼(15)とを備えている。ケーシング(2)と動翼(15)とは、その水蒸気のうちの一部の水蒸気が回転軸に直交する方向(B)に漏洩する隙間(10)を形成している。このとき、蒸気タービンは、ケーシング(2)の隙間(10)に接する壁面(7)に着脱可能に支持されるライナ(8)を更に備えている。このような蒸気タービン(1)は、ライナ(8)の形状を変更することにより、軸系(3)の振動が低減するように、隙間(10)に流れる水蒸気の流量・速度を調整することができる。
本発明による蒸気タービン(21)は、水蒸気の流路を形成するケーシング(2)と、水蒸気の運動をタービン軸(16)の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼(15)とを備えている。ケーシング(2)と動翼(15)とは、水蒸気のうちの一部の水蒸気が回転軸に直交する方向(B)に漏洩する隙間(22)を形成している。動翼(17)の隙間(22)に接する面(24)は、動翼(17)の流路に接する面と角を形成して隣り合う。蒸気タービン(21)は、隙間(22)に流れる水蒸気の速度または流量を低減して、軸系(3)の振動を低減することができる。
本発明による蒸気タービン(31)は、水蒸気の流路を形成するケーシング(2)と、水蒸気の運動をタービン軸(16)の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼(15)とを備えている。ケーシング(2)と動翼(15)とは、水蒸気のうちの一部の水蒸気が回転軸に直交する方向(B)に漏洩する隙間(32)を形成している。動翼(15)の隙間(32)に接する面は、回転軸から遠ざかるにつれて、すなわち、方向(B)を進むにつれて隙間(32)の断面が大きくなるように形成される。蒸気タービン(31)は、隙間(32)に流れる水蒸気の速度を低減して、軸系(3)の振動を低減することができる。
本発明による蒸気タービン(41)は、水蒸気の流路を形成するケーシング(2)と、水蒸気の運動をタービン軸(16)の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼(15)とを備えている。ケーシング(2)と動翼(15)とは、水蒸気のうちの一部の水蒸気が回転軸に直交する方向(B)に漏洩する隙間(42)を形成している。本発明による蒸気タービン(41)は、ケーシング(2)のタービン軸(16)に対向する面(5)に形成される複数のフィン(44、45)を備えている。複数のフィン(44、45)は、流路の下流側方向(A)に進むにつれて大きくなるように形成される。蒸気タービン(41)は、隙間(42)に流れる水蒸気の速度または流量を低減して、軸系(3)の振動を低減することができる。
本発明による蒸気タービン(51)は、水蒸気の流路を形成するケーシング(2)と、水蒸気の運動をタービン軸(16)の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼(15)とを備えている。ケーシング(2)と動翼(15)とは、水蒸気のうちの一部の水蒸気が回転軸に直交する方向(B)に漏洩する隙間(52)を形成している。ケーシング(2)の隙間(52)に接する壁面(7)は、凹面である。蒸気タービン(51)は、隙間(52)に流れる水蒸気の速度を低減して、軸系(3)の振動を低減することができる。
本発明による蒸気タービン(61)は、水蒸気の流路を形成するケーシング(2)と、水蒸気の運動をタービン軸(16)の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼(15)とを備えている。ケーシング(2)と動翼(15)とは、水蒸気のうちの一部の水蒸気が回転軸に直交する方向(B)に漏洩する隙間(62)を形成している。本発明による蒸気タービン(61)は、ケーシング(2)のタービン軸(16)に対向する面(5)に形成される複数のフィン(64、65)を備えている。複数のフィン(64、65)は、それぞれ、先端が根元より流路の上流側方向に配置される。蒸気タービン(61)は、隙間(62)に流れる水蒸気の速度または流量を低減して、軸系(3)の振動を低減することができる。
本発明による蒸気タービン(71)は、水蒸気の流路を形成するケーシング(2)と、水蒸気の運動をタービン軸(16)の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼(15)とを備えている。ケーシング(2)と動翼(15)とは、水蒸気のうちの一部の水蒸気が回転軸に直交する方向(B)に漏洩する隙間(72)を形成している。本発明による蒸気タービン(71)は、ケーシング(2)の隙間(72)に接する壁面(7)に支持される抵抗体(74)を備えている。抵抗体(74)は、隙間(72)を漏洩する一部の水蒸気の流れに抵抗を与える。蒸気タービン(71)は、隙間(72)に流れる水蒸気の速度または流量を低減して、軸系(3)の振動を低減することができる。
抵抗体(74)は、ワイヤーメッシュまたは多孔質である物質であることが好ましい。
本発明による蒸気タービン(81)は、水蒸気の流路を形成するケーシング(2)と、水蒸気の運動をタービン軸(16)の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼(15)とを備えている。ケーシング(2)と動翼(15)とは、水蒸気のうちの一部の水蒸気が回転軸に直交する方向(B)に漏洩する隙間(82)を形成している。本発明による蒸気タービン(81)は、ケーシング(2)の隙間(82)に接する壁面(7)にノズル(84)を備えている。ノズル(84)は、隙間(82)の断面を変更する。蒸気タービン(81)は、ノズル(84)を駆動することにより、軸系(3)の振動が低減するように、隙間(82)に流れる水蒸気の流量・速度を調整することができる。
隙間(82)は、複数の隙間に分割され、ノズルは、複数のノズル部分(85−1〜85−4)から形成されている。複数のノズル部分(85−1〜85−4)は、その複数の隙間の断面をそれぞれ変更する。このとき、蒸気タービン(81)は、隙間(82)に発生するスワールを減速または均一化することができ、軸系(3)の振動を低減することができる。
本発明による蒸気タービン運転方法は、本発明による蒸気タービン(1)を運転する方法であり、互いに厚さが異なる複数のライナの各々をライナ(8)として蒸気タービン(1)に搭載して試運転するステップと、複数のライナ(8)のうち蒸気タービン(1)の振動が小さいライナをライナ(8)として蒸気タービン(1)に搭載して運転するステップとを備えていることが好ましい。
本発明による蒸気タービン及び蒸気タービン運転方法によれば、軸系の振動を低減することができる。
図面を参照して、本発明による蒸気タービンの実施の形態を記載する。その蒸気タービン1は、図1に示されているように、ケーシング2と軸系3とを備えている。ケーシング2は、概ね円筒を形成し、ボイラにより生成される水蒸気の流路を形成している。軸系3は、その水蒸気の運動エネルギーを用いて回転軸を中心に回転する。すなわち、蒸気タービン1は、その水蒸気の運動エネルギーを軸系3の回転運動の機械的エネルギーに変換する。
ケーシング2は、最後段に、最後段の動翼の一部分が収まる溝が形成されている。すなわち、ケーシング2は、内壁5と内壁6と内壁7とが形成されている。内壁6は、概ね円筒を形成し、その水蒸気を軸系3の回転軸と平行である流れ方向Aに流す流路を形成している。内壁5は、内壁6より流れ方向Aの側に配置され、内壁6により形成される円筒より形が大きい円筒を形成し、その溝の底を形成している。内壁7は、内壁5と内壁6との間に挟まれ、軸系3の回転軸に概ね垂直で平坦な面を形成し、その溝の側面を形成している。
軸系3は、最後段に、動翼15とタービン軸16とを備えている。タービン軸16は、回転軸を中心に回転可能にケーシング2に支持されている。動翼15は、水蒸気の流れ方向Aに関して内壁5が配置されている位置にタービン軸16に同体に接合されている。動翼15は、動翼本体部分14と上流側突起部分17と下流側突起部分18とから形成されている。動翼本体部分14は、ケーシング2の最後段の溝に収まらないように配置されている。動翼本体部分14は、さらに、翼を形成し、ケーシング2により形成される流路を流れ方向Aに流れる水蒸気の運動をタービン軸16の回転運動に変換する。
上流側突起部分17は、動翼本体部分14より流れ方向Aの反対方向に突出した突起であり、ケーシング2の最後段の溝に収まるように配置されている。上流側突起部分17のタービン軸16に対向する面は、内壁6が配置される円柱面に沿って配置されている。下流側突起部分18は、動翼本体部分14より流れ方向Aに突出した突起であり、ケーシング2の最後段の溝に収まるように配置されている。下流側突起部分18のタービン軸16に対向する面は、内壁6が配置される円柱面に沿って配置されている。
上流側突起部分17と内壁7との隙間10は、タービン軸16の回転軸に直交する方向Bに水蒸気が漏洩する流路を形成している。隙間10を通った水蒸気は、動翼15と内壁5との隙間を通って外部に漏洩する。
上流側突起部分17の内壁7に対向する面は、上流側突起部分17のタービン軸16に対向する面と間の角が面取りされて、上流側突起部分17には、滑らかな曲面19が形成されている。
蒸気タービン1は、さらに、ライナ8を備えている。ライナ8は、円盤状に形成され、内壁7に着脱可能に接合されている。このため、蒸気タービン1は、ライナ8を厚さが異なるライナに置換することにより、隙間10の断面の大きさを変更することができる。蒸気タービン1は、さらに、ライナ8を形状が異なるライナに置換することにより、隙間10の形状を変更することができる。
蒸気タービン1は、さらに、フィン11、12を備えている。フィン11は、板状に形成され、タービン軸16の回転軸に垂直になるように、内壁5の上流側突起部分17に対向する部分に接合されている。フィン12は、板状に形成され、タービン軸16の回転軸に垂直になるように、内壁5の下流側突起部分18に対向する部分に接合されている。フィン11、12は、動翼15と内壁5との隙間を通る水蒸気の抵抗となり、隙間10を漏洩する水蒸気の流量を低減する。
本発明による蒸気タービン運転方法の実施の形態は、蒸気タービン1を用いて実行され、ライナ8の厚さ調節する動作と、蒸気タービン1を運転する動作とを備えている。
ライナ8の厚さ調節する動作では、互いに厚さが異なる複数のライナの各々を蒸気タービン1に取り付けて蒸気タービン1を試運転する。その試運転中には、軸系3の振動が計測され、その計測結果は、蒸気タービン1に取り付けられたライナに対応付けて記録される。その複数の試運転が全て終わった後に、複数のライナのうちから軸系3の振動が最も小さい計測結果に対応するライナが選択される。
蒸気タービン1を運転する動作では、ライナ8の厚さ調節する動作により選択されたライナをライナ8として蒸気タービン1に取り付られる。その後に、蒸気タービン1は、発電のために、運転される。
蒸気タービン1は、運転中に隙間10を漏洩する水蒸気の運動により、シール励振力が発生して軸系3が振動する。隙間10を流れる水蒸気は、隙間10の断面積により流量または速度が変化し、軸系3の振動の状態は、隙間10を流れる水蒸気の流量または速度により変化する。本発明による蒸気タービン運転方法によれば、蒸気タービン1は、適切な厚さのライナ8を搭載することにより、隙間10を流れる水蒸気の流量または速度を低減することができ、シール励振力を低減させて軸系3の振動を低減させることができる。
図2は、本発明による蒸気タービンの実施の他の形態を示している。その蒸気タービン21は、既述の実施の形態における蒸気タービン1の隙間10が形状の異なる他の隙間に置換されている。すなわち、蒸気タービン21は、ケーシング2と軸系3とを備えている。ケーシング2は、概ね円筒を形成し、ボイラにより生成される水蒸気の流路を形成している。軸系3は、その水蒸気の運動エネルギーを用いて回転軸を中心に回転する。すなわち、蒸気タービン21は、その水蒸気の運動エネルギーを軸系3の回転運動の機械的エネルギーに変換する。
ケーシング2は、最後段に、最後段の動翼の一部分が収まる溝が形成されている。すなわち、ケーシング2は、内壁5と内壁6と内壁23とが形成されている。内壁6は、概ね円筒を形成し、その水蒸気を軸系3の回転軸と平行である流れ方向Aに流す流路を形成している。内壁5は、内壁6より流れ方向Aの側に配置され、内壁6により形成される円筒より形が大きい円筒を形成し、その溝の底を形成している。内壁23は、内壁5と内壁6との間に挟まれ、軸系3の回転軸に概ね垂直で平坦な面を形成し、その溝の側面を形成している。
軸系3は、最後段に、動翼15とタービン軸16とを備えている。タービン軸16は、回転軸を中心に回転可能にケーシング2に支持されている。動翼15は、水蒸気の流れ方向Aに関して内壁5が配置されている位置にタービン軸16に同体に接合されている。動翼15は、動翼本体部分14と上流側突起部分17と下流側突起部分18とから形成されている。動翼本体部分14は、ケーシング2の最後段の溝に収まらないように配置されている。動翼本体部分14は、さらに、翼を形成し、ケーシング2により形成される流路を流れ方向Aに流れる水蒸気の運動をタービン軸16の回転運動に変換する。
上流側突起部分17は、動翼本体部分14より流れ方向Aの反対方向に突出した突起であり、ケーシング2の最後段の溝に収まるように配置されている。上流側突起部分17のタービン軸16に対向する面は、内壁6が配置される円柱面に沿って配置されている。下流側突起部分18は、動翼本体部分14より流れ方向Aに突出した突起であり、ケーシング2の最後段の溝に収まるように配置されている。下流側突起部分18のタービン軸16に対向する面は、内壁6が配置される円柱面に沿って配置されている。
上流側突起部分17と内壁23との隙間22は、タービン軸16の回転軸に直交する方向Bに水蒸気が漏洩する流路を形成している。隙間22を通った水蒸気は、動翼15と内壁5との隙間を通って外部に漏洩する。
上流側突起部分17の内壁23に対向する面24は、面取りされないで、上流側突起部分17のタービン軸16に対向する面と間には角が形成されている。
蒸気タービン21は、さらに、フィン11、12を備えている。フィン11は、板状に形成され、タービン軸16の回転軸に垂直になるように、内壁5の上流側突起部分17に対向する部分に接合されている。フィン12は、板状に形成され、タービン軸16の回転軸に垂直になるように、内壁5の下流側突起部分18に対向する部分に接合されている。フィン11、12は、動翼15と内壁5との隙間を通る水蒸気の抵抗となり、隙間22を漏洩する水蒸気の流量を低減する。
このような蒸気タービン21によれば、上流側突起部分17のタービン軸16に対向する面と面24と間の角により運転中に隙間22を漏洩する水蒸気の流れが悪くなり、シール励振力を低減させて軸系3の振動を低減させることができる。
図3は、本発明による蒸気タービンの実施のさらに他の形態を示している。その蒸気タービン31は、既述の実施の形態における蒸気タービン1の隙間10が形状の異なる他の隙間に置換されている。すなわち、蒸気タービン31は、ケーシング2と軸系3とを備えている。ケーシング2は、概ね円筒を形成し、ボイラにより生成される水蒸気の流路を形成している。軸系3は、その水蒸気の運動エネルギーを用いて回転軸を中心に回転する。すなわち、蒸気タービン31は、その水蒸気の運動エネルギーを軸系3の回転運動の機械的エネルギーに変換する。
ケーシング2は、最後段に、最後段の動翼の一部分が収まる溝が形成されている。すなわち、ケーシング2は、内壁5と内壁6と内壁33とが形成されている。内壁6は、概ね円筒を形成し、その水蒸気を軸系3の回転軸と平行である流れ方向Aに流す流路を形成している。内壁5は、内壁6より流れ方向Aの側に配置され、内壁6により形成される円筒より形が大きい円筒を形成し、その溝の底を形成している。内壁33は、内壁5と内壁6との間に挟まれ、軸系3の回転軸に概ね垂直で平坦な面を形成し、その溝の側面を形成している。
軸系3は、最後段に、動翼15とタービン軸16とを備えている。タービン軸16は、回転軸を中心に回転可能にケーシング2に支持されている。動翼15は、水蒸気の流れ方向Aに関して内壁5が配置されている位置にタービン軸16に同体に接合されている。動翼15は、動翼本体部分14と上流側突起部分17と下流側突起部分18とから形成されている。動翼本体部分14は、ケーシング2の最後段の溝に収まらないように配置されている。動翼本体部分14は、さらに、翼を形成し、ケーシング2により形成される流路を流れ方向Aに流れる水蒸気の運動をタービン軸16の回転運動に変換する。
上流側突起部分17は、動翼本体部分14より流れ方向Aの反対方向に突出した突起であり、ケーシング2の最後段の溝に収まるように配置されている。上流側突起部分17のタービン軸16に対向する面は、内壁6が配置される円柱面に沿って配置されている。下流側突起部分18は、動翼本体部分14より流れ方向Aに突出した突起であり、ケーシング2の最後段の溝に収まるように配置されている。下流側突起部分18のタービン軸16に対向する面は、内壁6が配置される円柱面に沿って配置されている。
上流側突起部分17と内壁33との隙間32は、タービン軸16の回転軸に直交する方向Bに水蒸気が漏洩する流路を形成している。隙間32を通った水蒸気は、動翼15と内壁5との隙間を通って外部に漏洩する。
上流側突起部分17の内壁33に対向する面34は、ステップ状に形成され、内壁5に近づくにつれて内壁33から遠ざかるように形成され、隙間32の断面が内壁5に近づくにつれて大きくなるように形成されている。
蒸気タービン31は、さらに、フィン11、12を備えている。フィン11は、板状に形成され、タービン軸16の回転軸に垂直になるように、内壁5の上流側突起部分17に対向する部分に接合されている。フィン12は、板状に形成され、タービン軸16の回転軸に垂直になるように、内壁5の下流側突起部分18に対向する部分に接合されている。フィン11、12は、動翼15と内壁5との隙間を通る水蒸気の抵抗となり、隙間32を漏洩する水蒸気の流量を低減する。
このような蒸気タービン31は、面34により隙間32を漏洩する水蒸気の速度を低減し、シール励振力を低減させて軸系3の振動を低減させることができる。
図4は、本発明による蒸気タービンの実施のさらに他の形態を示している。その蒸気タービン41は、ケーシング2と軸系3とを備えている。ケーシング2は、概ね円筒を形成し、ボイラにより生成される水蒸気の流路を形成している。軸系3は、その水蒸気の運動エネルギーを用いて回転軸を中心に回転する。すなわち、蒸気タービン41は、その水蒸気の運動エネルギーを軸系3の回転運動の機械的エネルギーに変換する。
ケーシング2は、最後段に、最後段の動翼の一部分が収まる溝が形成されている。すなわち、ケーシング2は、内壁5と内壁6と内壁43とが形成されている。内壁6は、概ね円筒を形成し、その水蒸気を軸系3の回転軸と平行である流れ方向Aに流す流路を形成している。内壁5は、内壁6より流れ方向Aの側に配置され、内壁6により形成される円筒より形が大きい円筒を形成し、その溝の底を形成している。内壁43は、内壁5と内壁6との間に挟まれ、軸系3の回転軸に概ね垂直で平坦な面を形成し、その溝の側面を形成している。
軸系3は、最後段に、動翼15とタービン軸16とを備えている。タービン軸16は、回転軸を中心に回転可能にケーシング2に支持されている。動翼15は、水蒸気の流れ方向Aに関して内壁5が配置されている位置にタービン軸16に同体に接合されている。動翼15は、動翼本体部分14と上流側突起部分17と下流側突起部分18とから形成されている。動翼本体部分14は、ケーシング2の最後段の溝に収まらないように配置されている。動翼本体部分14は、さらに、翼を形成し、ケーシング2により形成される流路を流れ方向Aに流れる水蒸気の運動をタービン軸16の回転運動に変換する。
上流側突起部分17は、動翼本体部分14より流れ方向Aの反対方向に突出した突起であり、ケーシング2の最後段の溝に収まるように配置されている。上流側突起部分17のタービン軸16に対向する面は、内壁6が配置される円柱面に沿って配置されている。下流側突起部分18は、動翼本体部分14より流れ方向Aに突出した突起であり、ケーシング2の最後段の溝に収まるように配置されている。下流側突起部分18のタービン軸16に対向する面は、内壁6が配置される円柱面に沿って配置されている。
上流側突起部分17と内壁43との隙間42は、タービン軸16の回転軸に直交する方向Bに水蒸気が漏洩する流路を形成している。隙間42を通った水蒸気は、動翼15と内壁5との隙間を通って外部に漏洩する。
上流側突起部分17の内壁43に対向する面は、上流側突起部分17のタービン軸16に対向する面と間の角が面取りされて、上流側突起部分17には、滑らかな曲面19が形成されている。
蒸気タービン41は、さらに、フィン44、45を備えている。フィン44は、タービン軸16の回転軸に垂直な複数の板から形成され、内壁5の上流側突起部分17に対向する部分に接合されている。その複数の板は、流れ方向Aに進むにつれて大きくなるように形成されている。フィン45は、タービン軸16の回転軸に垂直な複数の板から形成され、内壁5の下流側突起部分18に対向する部分に接合されている。その複数の板は、流れ方向Aに進むにつれて大きくなるように形成されている。
このようなフィン44、45は、既述の実施の形態におけるフィン11、12より動翼15と内壁5との隙間を通る水蒸気の流量を低減することができる。この結果、蒸気タービン41は、隙間42を漏洩する水蒸気の流量をより低減し、シール励振力を低減させて軸系3の振動を低減させることができる。
図5は、本発明による蒸気タービンの実施のさらに他の形態を示している。その蒸気タービン51は、ケーシング2と軸系3とを備えている。ケーシング2は、概ね円筒を形成し、ボイラにより生成される水蒸気の流路を形成している。軸系3は、その水蒸気の運動エネルギーを用いて回転軸を中心に回転する。すなわち、蒸気タービン51は、その水蒸気の運動エネルギーを軸系3の回転運動の機械的エネルギーに変換する。
ケーシング2は、最後段に、最後段の動翼の一部分が収まる溝が形成されている。すなわち、ケーシング2は、内壁5と内壁6と内壁53とが形成されている。内壁6は、概ね円筒を形成し、その水蒸気を軸系3の回転軸と平行である流れ方向Aに流す流路を形成している。内壁5は、内壁6より流れ方向Aの側に配置され、内壁6により形成される円筒より形が大きい円筒を形成し、その溝の底を形成している。内壁53は、内壁5と内壁6との間に挟まれ、軸系3の回転軸に概ね垂直で平坦な面より凹んだ凹面を形成し、その溝の側面を形成している。
軸系3は、最後段に、動翼15とタービン軸16とを備えている。タービン軸16は、回転軸を中心に回転可能にケーシング2に支持されている。動翼15は、水蒸気の流れ方向Aに関して内壁5が配置されている位置にタービン軸16に同体に接合されている。動翼15は、動翼本体部分14と上流側突起部分17と下流側突起部分18とから形成されている。動翼本体部分14は、ケーシング2の最後段の溝に収まらないように配置されている。動翼本体部分14は、さらに、翼を形成し、ケーシング2により形成される流路を流れ方向Aに流れる水蒸気の運動をタービン軸16の回転運動に変換する。
上流側突起部分17は、動翼本体部分14より流れ方向Aの反対方向に突出した突起であり、ケーシング2の最後段の溝に収まるように配置されている。上流側突起部分17のタービン軸16に対向する面は、内壁6が配置される円柱面に沿って配置されている。下流側突起部分18は、動翼本体部分14より流れ方向Aに突出した突起であり、ケーシング2の最後段の溝に収まるように配置されている。下流側突起部分18のタービン軸16に対向する面は、内壁6が配置される円柱面に沿って配置されている。
上流側突起部分17と内壁53との隙間52は、タービン軸16の回転軸に直交する方向Bに水蒸気が漏洩する流路を形成している。隙間52を通った水蒸気は、動翼15と内壁5との隙間を通って外部に漏洩する。内壁53は、凹面であることにより、内壁5に近づくにつれて上流側突起部分17から遠ざかるように形成されている。このため、隙間32の断面は、内壁5に近づくにつれて大きくなるように形成されている。
上流側突起部分17の内壁53に対向する面は、上流側突起部分17のタービン軸16に対向する面と間の角が面取りされて、上流側突起部分17には、滑らかな曲面19が形成されている。
蒸気タービン51は、さらに、フィン11、12を備えている。フィン11は、板状に形成され、タービン軸16の回転軸に垂直になるように、内壁5の上流側突起部分17に対向する部分に接合されている。フィン12は、板状に形成され、タービン軸16の回転軸に垂直になるように、内壁5の下流側突起部分18に対向する部分に接合されている。フィン11、12は、動翼15と内壁5との隙間を通る水蒸気の抵抗となり、隙間52を漏洩する水蒸気の流量を低減する。
このような蒸気タービン31は、壁面53により隙間52を漏洩する水蒸気の速度を低減し、シール励振力を低減させて軸系3の振動を低減させることができる。
図6は、本発明による蒸気タービンの実施のさらに他の形態を示している。その蒸気タービン61は、ケーシング2と軸系3とを備えている。ケーシング2は、概ね円筒を形成し、ボイラにより生成される水蒸気の流路を形成している。軸系3は、その水蒸気の運動エネルギーを用いて回転軸を中心に回転する。すなわち、蒸気タービン61は、その水蒸気の運動エネルギーを軸系3の回転運動の機械的エネルギーに変換する。
ケーシング2は、最後段に、最後段の動翼の一部分が収まる溝が形成されている。すなわち、ケーシング2は、内壁5と内壁6と内壁63とが形成されている。内壁6は、概ね円筒を形成し、その水蒸気を軸系3の回転軸と平行である流れ方向Aに流す流路を形成している。内壁5は、内壁6より流れ方向Aの側に配置され、内壁6により形成される円筒より形が大きい円筒を形成し、その溝の底を形成している。内壁63は、内壁5と内壁6との間に挟まれ、軸系3の回転軸に概ね垂直で平坦な面を形成し、その溝の側面を形成している。
軸系3は、最後段に、動翼15とタービン軸16とを備えている。タービン軸16は、回転軸を中心に回転可能にケーシング2に支持されている。動翼15は、水蒸気の流れ方向Aに関して内壁5が配置されている位置にタービン軸16に同体に接合されている。動翼15は、動翼本体部分14と上流側突起部分17と下流側突起部分18とから形成されている。動翼本体部分14は、ケーシング2の最後段の溝に収まらないように配置されている。動翼本体部分14は、さらに、翼を形成し、ケーシング2により形成される流路を流れ方向Aに流れる水蒸気の運動をタービン軸16の回転運動に変換する。
上流側突起部分17は、動翼本体部分14より流れ方向Aの反対方向に突出した突起であり、ケーシング2の最後段の溝に収まるように配置されている。上流側突起部分17のタービン軸16に対向する面は、内壁6が配置される円柱面に沿って配置されている。下流側突起部分18は、動翼本体部分14より流れ方向Aに突出した突起であり、ケーシング2の最後段の溝に収まるように配置されている。下流側突起部分18のタービン軸16に対向する面は、内壁6が配置される円柱面に沿って配置されている。
上流側突起部分17と内壁63との隙間62は、タービン軸16の回転軸に直交する方向Bに水蒸気が漏洩する流路を形成している。隙間62を通った水蒸気は、動翼15と内壁5との隙間を通って外部に漏洩する。
上流側突起部分17の内壁63に対向する面は、上流側突起部分17のタービン軸16に対向する面と間の角が面取りされて、上流側突起部分17には、滑らかな曲面19が形成されている。
蒸気タービン61は、さらに、フィン64、65を備えている。フィン64は、複数の板から形成され、内壁5の上流側突起部分17に対向する部分に接合されている。その複数の板は、互いに大きさが概ね等しく、先端が根元より流れ方向Aの反対側に配置されている。フィン65は、複数の板から形成され、内壁5の下流側突起部分18に対向する部分に接合されている。その複数の板は、互いに大きさが概ね等しく、先端が根元より流れ方向Aの反対側に配置されている。
このようなフィン64、65は、既述の実施の形態におけるフィン11、12より動翼15と内壁5との隙間を通る水蒸気の流量を低減することができる。この結果、蒸気タービン61は、隙間62を漏洩する水蒸気の流量をより低減し、シール励振力を低減させて軸系3の振動を低減させることができる。
図7は、本発明による蒸気タービンの実施のさらに他の形態を示している。その蒸気タービン71は、ケーシング2と軸系3とを備えている。ケーシング2は、概ね円筒を形成し、ボイラにより生成される水蒸気の流路を形成している。軸系3は、その水蒸気の運動エネルギーを用いて回転軸を中心に回転する。すなわち、蒸気タービン71は、その水蒸気の運動エネルギーを軸系3の回転運動の機械的エネルギーに変換する。
ケーシング2は、最後段に、最後段の動翼の一部分が収まる溝が形成されている。すなわち、ケーシング2は、内壁5と内壁6と内壁73とが形成されている。内壁6は、概ね円筒を形成し、その水蒸気を軸系3の回転軸と平行である流れ方向Aに流す流路を形成している。内壁5は、内壁6より流れ方向Aの側に配置され、内壁6により形成される円筒より形が大きい円筒を形成し、その溝の底を形成している。内壁73は、内壁5と内壁6との間に挟まれ、軸系3の回転軸に概ね垂直で平坦な面を形成し、その溝の側面を形成している。
軸系3は、最後段に、動翼15とタービン軸16とを備えている。タービン軸16は、回転軸を中心に回転可能にケーシング2に支持されている。動翼15は、水蒸気の流れ方向Aに関して内壁5が配置されている位置にタービン軸16に同体に接合されている。動翼15は、動翼本体部分14と上流側突起部分17と下流側突起部分18とから形成されている。動翼本体部分14は、ケーシング2の最後段の溝に収まらないように配置されている。動翼本体部分14は、さらに、翼を形成し、ケーシング2により形成される流路を流れ方向Aに流れる水蒸気の運動をタービン軸16の回転運動に変換する。
上流側突起部分17は、動翼本体部分14より流れ方向Aの反対方向に突出した突起であり、ケーシング2の最後段の溝に収まるように配置されている。上流側突起部分17のタービン軸16に対向する面は、内壁6が配置される円柱面に沿って配置されている。下流側突起部分18は、動翼本体部分14より流れ方向Aに突出した突起であり、ケーシング2の最後段の溝に収まるように配置されている。下流側突起部分18のタービン軸16に対向する面は、内壁6が配置される円柱面に沿って配置されている。
上流側突起部分17と内壁73との隙間72は、タービン軸16の回転軸に直交する方向Bに水蒸気が漏洩する流路を形成している。隙間72を通った水蒸気は、動翼15と内壁5との隙間を通って外部に漏洩する。
上流側突起部分17の内壁73に対向する面24は、上流側突起部分17のタービン軸16に対向する面と間の角が面取りされて、上流側突起部分17には、滑らかな曲面が形成されている。
蒸気タービン71は、さらに、ワイヤーメッシュ74を備えている。ワイヤーメッシュ74は、金属により形成される線材が網目織りされたものであり、内壁73の全面に接合されて支持されて隙間72に充填されている。このため、蒸気タービン71は、隙間72を通る水蒸気の流れの抵抗となり、その水蒸気を減速させることができる。なお、ワイヤーメッシュ74は、流体の流れの抵抗となるような他の物質に置換することができ、たとえば、多孔質である金属に置換することができる。
蒸気タービン71は、さらに、フィン11、12を備えている。フィン11は、板状に形成され、タービン軸16の回転軸に垂直になるように、内壁5の上流側突起部分17に対向する部分に接合されている。フィン12は、板状に形成され、タービン軸16の回転軸に垂直になるように、内壁5の下流側突起部分18に対向する部分に接合されている。フィン11、12は、動翼15と内壁5との隙間を通る水蒸気の抵抗となり、隙間72を漏洩する水蒸気の流量を低減する。
このような蒸気タービン71によれば、ワイヤーメッシュ74が隙間72を漏洩する水蒸気の速度を低減し、シール励振力を低減させて軸系3の振動を低減させることができる。蒸気タービン71は、さらに、ワイヤーメッシュ74が隙間72に発生する水蒸気のスワールを減速または均一化させ、シール励振力を低減させて軸系3の振動を低減させることができる。
図8は、本発明による蒸気タービンの実施のさらに他の形態を示している。その蒸気タービン81は、ケーシング2と軸系3とを備えている。ケーシング2は、概ね円筒を形成し、ボイラにより生成される水蒸気の流路を形成している。軸系3は、その水蒸気の運動エネルギーを用いて回転軸を中心に回転する。すなわち、蒸気タービン81は、その水蒸気の運動エネルギーを軸系3の回転運動の機械的エネルギーに変換する。
ケーシング2は、最後段に、最後段の動翼の一部分が収まる溝が形成されている。すなわち、ケーシング2は、内壁5と内壁6と内壁83とが形成されている。内壁6は、概ね円筒を形成し、その水蒸気を軸系3の回転軸と平行である流れ方向Aに流す流路を形成している。内壁5は、内壁6より流れ方向Aの側に配置され、内壁6により形成される円筒より形が大きい円筒を形成し、その溝の底を形成している。内壁83は、内壁5と内壁6との間に挟まれ、軸系3の回転軸に概ね垂直で平坦な面を形成し、その溝の側面を形成している。
軸系3は、最後段に、動翼15とタービン軸16とを備えている。タービン軸16は、回転軸を中心に回転可能にケーシング2に支持されている。動翼15は、水蒸気の流れ方向Aに関して内壁5が配置されている位置にタービン軸16に同体に接合されている。動翼15は、動翼本体部分14と上流側突起部分17と下流側突起部分18とから形成されている。動翼本体部分14は、ケーシング2の最後段の溝に収まらないように配置されている。動翼本体部分14は、さらに、翼を形成し、ケーシング2により形成される流路を流れ方向Aに流れる水蒸気の運動をタービン軸16の回転運動に変換する。
上流側突起部分17は、動翼本体部分14より流れ方向Aの反対方向に突出した突起であり、ケーシング2の最後段の溝に収まるように配置されている。上流側突起部分17のタービン軸16に対向する面は、内壁6が配置される円柱面に沿って配置されている。下流側突起部分18は、動翼本体部分14より流れ方向Aに突出した突起であり、ケーシング2の最後段の溝に収まるように配置されている。下流側突起部分18のタービン軸16に対向する面は、内壁6が配置される円柱面に沿って配置されている。
上流側突起部分17と内壁83との隙間82は、タービン軸16の回転軸に直交する方向Bに水蒸気が漏洩する流路を形成している。隙間82を通った水蒸気は、動翼15と内壁5との隙間を通って外部に漏洩する。
上流側突起部分17の内壁83に対向する面24は、上流側突起部分17のタービン軸16に対向する面と間の角が面取りされて、上流側突起部分17には、滑らかな曲面が形成されている。
蒸気タービン81は、さらに、ノズル84を備えている。ノズル84は、内壁83支持されている。ノズル84は、図示されていない駆動装置を備え、その駆動装置により駆動されて蒸気タービン81の運転中に隙間82の断面積を変更することができる。
蒸気タービン81は、さらに、フィン11、12を備えている。フィン11は、板状に形成され、タービン軸16の回転軸に垂直になるように、内壁5の上流側突起部分17に対向する部分に接合されている。フィン12は、板状に形成され、タービン軸16の回転軸に垂直になるように、内壁5の下流側突起部分18に対向する部分に接合されている。フィン11、12は、動翼15と内壁5との隙間を通る水蒸気の抵抗となり、隙間82を漏洩する水蒸気の流量を低減する。
図9は、ノズル84を示している。ノズル84は、タービン軸16の回転軸を中心とする円の半径により互いに合同である複数のノズル部分85−1〜85−4に分割されている。ノズル部分85−1〜85−4は、それぞれ、独立に駆動されることができ、たとえば、ノズル部分85−1、85−2、85−4は、隙間82を広くするように開放し、ノズル部分85−3は、隙間82を狭くするように閉鎖することができる。
蒸気タービン1は、運転中にノズル84が駆動され、隙間72を漏洩する水蒸気の速度が低減し、または、その水蒸気のスワールが減速または均一化するように、ノズル部分85−1〜85−4の開度が調整される。このような動作により、蒸気タービン1は、シール励振力を低減させて軸系3の振動を低減させることができる。
1 :蒸気タービン
2 :ケーシング
3 :軸系
5 :内壁
6 :内壁
7 :内壁
8 :ライナ
10:隙間
11:フィン
12:フィン
14:動翼本体部分
15:動翼
16:タービン軸
17:上流側突起部分
18:下流側突起部分
19:面
2 :ケーシング
3 :軸系
5 :内壁
6 :内壁
7 :内壁
8 :ライナ
10:隙間
11:フィン
12:フィン
14:動翼本体部分
15:動翼
16:タービン軸
17:上流側突起部分
18:下流側突起部分
19:面
Claims (12)
- 水蒸気の流路を形成するケーシングと、
前記水蒸気の運動をタービン軸の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼とを具備し、
前記ケーシングと前記動翼とは、前記水蒸気のうちの一部の水蒸気が前記回転軸に直交する方向に漏洩する隙間を形成し、
更に、
前記ケーシングの前記隙間に接する壁面に着脱可能に支持されるライナ
を具備する蒸気タービン。 - 水蒸気の流路を形成するケーシングと、
前記水蒸気の運動をタービン軸の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼とを具備し、
前記ケーシングと前記動翼とは、前記水蒸気のうちの一部の水蒸気が前記回転軸に直交する方向に漏洩する隙間を形成し、
前記動翼の前記隙間に接する面は、前記動翼の前記流路に接する面と角を形成して隣り合う
蒸気タービン。 - 水蒸気の流路を形成するケーシングと、
前記水蒸気の運動をタービン軸の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼とを具備し、
前記ケーシングと前記動翼とは、前記水蒸気のうちの一部の水蒸気が前記回転軸に直交する方向に漏洩する隙間を形成し、
前記動翼の前記隙間に接する面は、前記回転軸から遠ざかるにつれて前記隙間の前記方向に垂直である断面が大きくなるように形成される
蒸気タービン。 - 水蒸気の流路を形成するケーシングと、
前記水蒸気の運動をタービン軸の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼とを具備し、
前記ケーシングと前記動翼とは、前記水蒸気のうちの一部の水蒸気が前記回転軸に直交する方向に漏洩する隙間を形成し、
更に、
前記ケーシングの前記タービン軸に対向する面に形成される複数のフィンを具備し、
前記複数のフィンは、前記流路の下流側方向に進むにつれて大きくなるように形成される
蒸気タービン。 - 水蒸気の流路を形成するケーシングと、
前記水蒸気の運動をタービン軸の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼とを具備し、
前記ケーシングと前記動翼とは、前記水蒸気のうちの一部の水蒸気が前記回転軸に直交する方向に漏洩する隙間を形成し、
前記ケーシングの前記隙間に接する壁面は、凹面である
蒸気タービン。 - 水蒸気の流路を形成するケーシングと、
前記水蒸気の運動をタービン軸の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼とを具備し、
前記ケーシングと前記動翼とは、前記水蒸気のうちの一部の水蒸気が前記回転軸に直交する方向に漏洩する隙間を形成し、
更に、
前記ケーシングの前記タービン軸に対向する面に形成される複数のフィンを具備し、
前記複数のフィンは、それぞれ、先端が根元より前記流路の上流側方向に配置される
蒸気タービン。 - 水蒸気の流路を形成するケーシングと、
前記水蒸気の運動をタービン軸の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼とを具備し、
前記ケーシングと前記動翼とは、前記水蒸気のうちの一部の水蒸気が前記回転軸に直交する方向に漏洩する隙間を形成し、
更に、
前記ケーシングの前記隙間に接する壁面に支持される抵抗体を具備し、
前記抵抗体は、前記一部の水蒸気の流れに抵抗を与える
蒸気タービン。 - 請求項7において、
前記抵抗体は、ワイヤーメッシュである
蒸気タービン。 - 請求項7において、
前記抵抗体は、多孔質である物質である
蒸気タービン。 - 水蒸気の流路を形成するケーシングと、
前記水蒸気の運動をタービン軸の回転軸を中心に回転する回転運動に変換する動翼とを具備し、
前記ケーシングと前記動翼とは、前記水蒸気のうちの一部の水蒸気が前記回転軸に直交する方向に漏洩する隙間を形成し、
更に、
前記ケーシングの前記隙間に接する壁面にノズルを具備し、
前記ノズルは、前記隙間の断面を変更する
蒸気タービン。 - 請求項10において、
前記隙間は、複数の隙間に分割され、
前記ノズルは、複数のノズル部分から形成され、
前記複数のノズル部分は、前記複数の隙間の断面をそれぞれ変更する
蒸気タービン。 - 請求項1に記載されている蒸気タービンを運転する蒸気タービン運転方法であり、
互いに厚さが異なる複数のライナの各々を前記ライナとして前記蒸気タービンに搭載して試運転するステップと、
前記複数のライナのうち前記蒸気タービンの振動が小さいライナを前記ライナとして前記蒸気タービンに搭載して運転するステップ
とを具備する蒸気タービン運転方法。
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