JP2011052155A - ガスハイドレートの製造方法および貯蔵方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガスハイドレートの分解抑制作用を持つ物質として、電解質が溶液中で解離したイオンを含有する原料水と、ハイドレート形成物質と、を反応させてガスハイドレートを生成するガスハイドレートの製造方法であって、前記電解質として塩化ナトリウムを添加し、前記原料水中における前記塩化物イオンの濃度を0.1mol/m3〜6.5mol/m3とすることを特徴とするガスハイドレートの製造方法。
【選択図】図1
Description
={(W1−W2)+(W1−W2)/16×5.75×18}/W1・・・(式1)
W1:ガスハイドレート重量
W2:W1のガスハイドレートを完全に分解したときの残水の重量
H0:初期ハイドレート率
Ht:t日後のハイドレート率
t:貯蔵日数
本態様にかかる製造方法によって製造された自己保存性の高いガスハイドレート(分解速度が2%以下)は、貯蔵に適した所定の大きさ、密度、形状(球状、円筒状、レンズ状、ピロー状、アーモンド状等)のペレットにすることによって、大気圧下、−20℃付近における分解速度を1%以下にすることができる。前記分解速度が1%以下である場合、1週間〜2週間程度の貯蔵期間において経済性の高い貯蔵を行うことが可能となる。
={(W1−W2)+(W1−W2)/16×5.75×18}/W1・・・(式1)
W1:ガスハイドレート重量
W2:W1のガスハイドレートを完全に分解したときの残水の重量
H0:初期ハイドレート率
Ht:t日後のハイドレート率
t:貯蔵日数
尚、前記塩化物イオンは、1種の電解質に由来するものに限られず、塩化物イオンを生成する2種以上の電解質を添加し、原料水中の塩化物イオンの濃度を所定の濃度に調製してもよい。
本発明に係るガスハイドレートの製造方法は、ガスハイドレートの分解抑制作用を持つ物質(以下、分解抑制物質と称する)として、電解質が溶液中で解離したイオンを含有する原料水と、ハイドレート形成物質とを反応させることによってガスハイドレートを生成させる。前記原料水は、前記分解抑制物質として少なくとも塩化物イオン(Cl−)を含んでいる。
図3は、ガスハイドレート粒子の断面を模式的に示した図面である。低温高圧で生成したガスハイドレート1[図3(a)]を大気圧などの分解条件におくと、表面から部分的に分解が始まり、ガスハイドレート形成物質はガス化するとともに、水膜2がガスハイドレート表面を覆う[同図(b)]。表面でのガスハイドレートの分解により熱が奪われると、ガスハイドレート表面の水膜2は氷の膜3となってガスハイドレート表面を覆う[同図(c)]。この氷の膜3がある厚さ以上まで成長すると、内部のガスハイドレートと外部との物質移動が抑制され、大気圧などの分解条件でも内部のガスハイドレートは安定する。つまり、この氷の膜3が、分解(ガス化)しようとするガスハイドレートの圧力に抗するだけの機械的強度を持つことにより、ガスハイドレートが安定化して、それ以上の分解が抑制される自己保存効果が生ずると考えられている。
前記バブリング法、噴霧法等の方法により生成されたガスハイドレートはスラリー状で得られ、水分を多く含む。当該スラリー中のガスハイドレート含有量は、通常10wt%〜90wt%である。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
純水に塩化ナトリウム(NaCl)を溶解させ、塩化物イオン濃度が0、0.17、1.0、1.7、3.4、5.1、8.6mol/m3(0、6、36、61、121、182、303ppm)の各濃度になる塩化ナトリウム水溶液を調製した。前記塩化物イオン濃度が0mol/m3の場合とは、NaCl無添加、すなわち純水を用いて生成した場合である。
(1)メタンハイドレート試料を容器に入れて重量を測定し、該容器の空重量(以下、風袋重量と称す)との差し引きによりメタンハイドレート試料重量(W1)を求める。
(2)前記容器を−20℃に所定の期間維持する。
(3)所定期間終了後、メタンハイドレート試料を完全に分解して試料容器の重量を測定し、風袋重量との差し引きにより、残水(氷)の重量(W2)を求める。
(4)前述の式(1)および式(2)に従い、ハイドレート率Hおよび分解速度(△H/日)を求める。
純水に塩化カルシウム(CaCl2)を溶解させ、塩化物イオン濃度が0、0.18、1.1、2.1、9.0mol/m3(0、6、38、73、319ppm)の各濃度になる塩化カルシウム水溶液を調製した。この溶液を原料水として用いる以外は、試験1と同様にしてメタンハイドレートを製造した。製造した各塩化物イオン濃度のガスハイドレート試料について分解速度(△H/日)を求めた。本実施例のガスハイドレートの初期ハイドレート率H0は約80〜90%であった。
純水に塩化カルシウム(CaCl2)を溶解させ、塩化物イオン濃度を2.8mol/m3(100ppm)に調製した原料水を用い、試験2と同様の方法によってメタンガスハイドレートを生成した。反応容器から生成したメタンハイドレートを砕いて取り出し、砕かれたメタンガスハイドレートを篩がけにより、0.5mm〜1.0mm、1.0mm〜4.0mm、4.0mm〜6.7mm、6.7mm〜20.0mm、および20mmを超える大きさに分類し、それぞれの粒径について分解速度を求めた。試験3の結果を図2に示す。
試験1および試験2で生成したガスハイドレートの粒径レベル(4mm〜6.7mm)においては、その分解速度が2%以下であれば、該ガスハイドレートに対して造粒工程を行い、約20mm径以上のペレットにすることによって前記1%以下の分解速度を達成し、前記貯蔵期間における高い保存性を実現することができると考えられる。
Claims (4)
- ガスハイドレートの分解抑制作用を持つ物質として、電解質が溶液中で解離したイオンを含有する原料水と、ハイドレート形成物質と、を反応させてガスハイドレートを生成するガスハイドレートの製造方法であって、
前記電解質として塩化ナトリウムを添加し、前記原料水中における前記塩化物イオンの濃度を0.1mol/m3〜6.5mol/m3とすることを特徴とするガスハイドレートの製造方法。 - ガスハイドレートの分解抑制作用を持つ物質として、電解質が溶液中で解離したイオンを含有する原料水と、ハイドレート形成物質と、を反応させてガスハイドレートを生成するガスハイドレートの製造方法であって、
前記電解質として塩化カルシウムを添加し、前記原料水中における前記塩化物イオンの濃度を0.1mol/m3〜5.0mol/m3とすることを特徴とするガスハイドレートの製造方法。 - ガスハイドレートの分解抑制作用を持つ物質として、電解質が溶液中で解離したイオンを含有する原料水と、ハイドレート形成物質と、を反応させてガスハイドレートを生成するガスハイドレートの製造方法であって、
前記イオンは少なくとも塩化物イオンを含み、
前記原料水中における前記塩化物イオンの濃度は、生成したガスハイドレートについて、以下の式(1)および式(2)に基づいて求められる、大気圧下、−20℃付近における分解速度(△H/日)が、目標とする所定の分解速度以下となるように設定されていることを特徴とするガスハイドレートの製造方法。
ハイドレート率(H)
={(W1−W2)+(W1−W2)/16×5.75×18}/W1・・・(式1)
W1:ガスハイドレート重量
W2:W1のガスハイドレートを完全に分解したときの残水の重量
分解速度(△H/日)=(H0−Ht)/t・・・(式2)
H0:初期ハイドレート率
Ht:t日後のハイドレート率
t:貯蔵日数 - ガスハイドレートを貯蔵槽内に貯蔵するガスハイドレートの貯蔵方法であって、
前記貯蔵槽内の圧力は大気圧であり、
前記貯蔵槽内の温度は−23℃以上0℃未満の範囲内であり、
前記ガスハイドレートは、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載されたガスハイドレートの製造方法によって製造されたガスハイドレートであることを特徴とするガスハイドレートの貯蔵方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014081006A (ja) * | 2012-10-15 | 2014-05-08 | Osaka Univ | ガスハイドレートの貯蔵方法及びガスハイドレートの貯蔵装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003343798A (ja) * | 2002-05-30 | 2003-12-03 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 天然ガスの保管方法、輸送方法および輸送システム |
JP2004002754A (ja) * | 2002-03-28 | 2004-01-08 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | ガスハイドレート、およびその製造方法、並びにガスハイドレートの分解抑制剤 |
-
2009
- 2009-09-03 JP JP2009203822A patent/JP2011052155A/ja active Pending
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