JP4837424B2 - ガスハイドレートペレットの製造方法および製造装置 - Google Patents

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本発明は、大気圧下において安定で保存性能に優れたガスハイドレートペレットの製造方法及び製造装置に関する。
ガスハイドレートは、水分子とガス(ハイドレート形成物質)分子からなる氷状の固体物質であり、水分子により形成されるかご状構造の内部にガス分子を取り込んだ構造の包接水和物である。このガスハイドレートは、所定の圧力と温度の下で水とガスとを反応させることにより生成し、圧力および/または温度を変化させることにより、水とガスとに解離する性質を持つ。天然ガスハイドレートの大気圧下の平衡温度条件は、約−80℃(純メタンの場合)である。
ガスハイドレートは雪のような粉粒状であり、該ガスハイドレートは、貯槽への充填率の向上や、輸送及び貯蔵中の安全性、荷役時の扱いの容易性などを図るため、粉粒状のガスハイドレート粒子を圧縮成形しペレット化されて貯蔵される。(例えば、特許文献1)
このようにペレット化されたガスハイドレートは、粉粒状のガスハイドレートに比べて保存安定性が高いことが知られている。
また、ガスハイドレートを移送・貯蔵等する温度及び圧力条件は、設備費、運転費などの経済性を考慮すると、できるだけ大気圧、0℃に近い温度に設定することが望ましい。
ここで、ガスハイドレートは、大気圧下においても、氷点下のある温度領域で、ガスハイドレートの分解が抑制されて準安定状態をとることが知られており、自己保存効果として知られている。この自己保存効果は、ガスハイドレート表面が氷によって覆われることによって、内部のガスハイドレートと外部との熱交換が遮断され、ガスハイドレートの分解条件下でも内部のガスハイドレートは安定すると考えられている。そこで、特許文献2では、ガスハイドレートの表面に氷膜を形成させて覆い、保存安定性の向上を図ることが提案されている。
特開2002−220353号公報 特開2004−197006号公報
特許文献2のガスハイドレートの製造方法によって製造されるガスハイドレートは、ガスハイドレートの核部分と、その核部分を覆う氷を成分とする殻部分とによって構成される。具体的には、前記核部分をメタンハイドレートによって形成し、該メタンハイドレートの核部分を、メタンハイドレートよりも生成条件が緩いブタンハイドレート等で形成された殻で覆い、ブタンハイドレートが分解する温度および圧力条件にすることによって、核部分であるメタンハイドレートの表面に氷殻を形成させ、ハイドレートの安定化を実現する。
しかし、前記核部分のメタンガスハイドレートを生成する工程と、前記殻部分を構成するブタンガスハイドレートを生成する工程の2段階の生成工程が必要であるため、ガスハイドレートペレットを製造するコストが全体として高くなってしまう問題がある。
本発明の課題は、保存安定性に優れ、長期間の貯蔵が可能なガスハイドレートペレットを、簡単な操作により生成することができ、且つ、低コストで製造することができるガスハイドレートペレットの製造方法及び製造装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係るガスハイドレートペレットの製造方法は、ガスハイドレートが生成する低温および高圧条件下において、粉粒体状のガスハイドレートを圧縮成形してガスハイドレートペレットを形成させる造粒工程と、前記造粒工程における温度および圧力条件のうち、主に圧力を調整することによって、前記ガスハイドレートが分解する条件を達成し、前記ガスハイドレートペレットの表面のガスハイドレートを分解させ、水とガスとを生成させる表面分解工程と、前記表面分解工程においてペレット表面に水が生成したガスハイドレートペレットを、ガスハイドレートが分解せず、且つ、水が氷る温度および圧力条件下に移動させ、前記ガスハイドレートペレット表面に氷膜を形成させる氷膜形成工程と、氷膜が形成されたガスハイドレートペレットを、当該ガスハイドレートが大気圧下で自己保存効果を示す温度条件下において大気圧まで脱圧する脱圧工程と、を含むことを特徴とする。
表面分解工程では、前記造粒工程における温度および圧力条件のうち、主に圧力を調整することによって、前記ガスハイドレートが分解する条件を達成する。その際、該ガスハイドレートの平衡曲線に基いて、ガスハイドレートの生成領域に近い温度および圧力条件で、前記ガスハイドレートペレットの表面のガスハイドレートを穏やかに分解させ、表層部分の前面にほぼ均等に水とガスとを生成させることができる。
続いて、氷膜形成工程では、前記表面分解工程においてペレット表面の全面に水が生成したガスハイドレートペレットを、ガスハイドレートが分解せず、且つ、水が氷る温度および圧力条件下に移動させ、前記ガスハイドレートペレット表面に氷膜を形成させる。このことによって、ガスハイドレートが分解しない状態で全表面にほぼ均等な氷膜が形成される。
ガスハイドレートが分解しない状態で氷膜が形成されるので、アンポーラスで均一な密閉性の高い氷膜を簡単、且つ確実に形成することができ、保存安定性に優れ、長期間の貯蔵が可能なガスハイドレートペレットを得ることができる。
また、本発明によれば、氷膜を形成させるために異なるガス種を用いた分解用のガスハイドレート層を設ける必要がない。すなわち、従来例のような異なるガス種を用いた分解用のガスハイドレート層を生成させる工程を必要としないため、ガスハイドレートペレットの製造にかかるコストを低減できる。
本発明の第2の態様に係るガスハイドレートペレットの製造方法は、第1の態様において、前記表面分解工程においてガスハイドレートが分解する条件は、ガスハイドレートペレット表面のガスハイドレートの分解による吸熱反応により、該ガスハイドレートペレットの温度が低下することによって、ガスハイドレートペレット自体が、ガスハイドレートの分解条件領域から生成条件領域に変化する条件であることを特徴とする。
ガスハイドレートペレットの表面のガスハイドレートが僅かに分解して、水とガスとになると、分解熱が吸熱される。分解熱は、この分解熱が吸熱される吸熱反応により、ガスハイドレートペレット自体の温度が僅かに低下する。
本発明によれば、前記ガスハイドレートペレット自体の温度低下により、該ガスハイドレートペレットは再び該ガスハイドレートの生成領域に入ることとなり、ガスハイドレートペレットがそれ以上分解することを抑制することができる。
本発明の第3の態様に係るガスハイドレートペレットの製造方法は、第1の態様または第2の態様において、前記ガスハイドレートの構成ガス成分は単一のガス種であることを特徴とする。
本発明によれば、ガスハイドレートの構成ガス成分が単一のガス種であるので、ガスハイドレートペレット表面のガスハイドレートの分解が均一に起こるため、より均一で密閉性の高い氷膜を形成することができる。
本発明の第4の態様に係るガスハイドレートペレットの製造方法は、第1の態様から第3の態様のいずれかにおいて、前記ガスハイドレートペレットの表面のガスハイドレート分解量が、該ガスハイドレートペレットの0.1〜5wt%であることを特徴とする。
ガスハイドレートペレットの表面のガスハイドレート分解量は、該ガスハイドレートペレットの0.1〜5wt%であることが望ましい。より好ましくは、0.3〜3wt%であることが好ましい。ガスハイドレートペレットの表面のガスハイドレート分解量が少ないと、氷膜の厚みが不十分であり、保存安定性が十分ではない。また、ガスハイドレート分解量がこれよりも多いとガスハイドレートのガス包蔵量が低下する。
本発明の第5の態様に係るガスハイドレートペレット製造装置は、粉粒体状のガスハイドレートを圧縮成形してペレット状に加工するガスハイドレートペレット製造装置であって、主に圧力を調整することによって、前記ガスハイドレートが分解する条件を達成し、前記ガスハイドレートペレットの表面のガスハイドレートを分解させ、水とガスとを生成させる表面分解装置と、ガスハイドレートが分解せず、且つ、水が氷る温度および圧力条件下で、前記表面分解装置においてガスハイドレートペレット表面に生成された水を氷らせて氷膜を形成させる氷膜形成装置と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、第1の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第6の態様に係るガスハイドレートペレット製造装置は、第5の態様において、前記表面分解装置においてガスハイドレートが分解する条件は、ガスハイドレートペレット表面のガスハイドレートの分解による吸熱反応により、該ガスハイドレートペレットの温度が低下することによって、ガスハイドレートペレット自体が、ガスハイドレートの分解条件領域から生成条件領域に変化する条件に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、第2の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、ガスハイドレートペレット表面にアンポーラスで均一な密閉性のよい氷膜を確実に形成させることができ、保存安定性に優れ、長期間の貯蔵が可能なガスハイドレートペレットを、簡単、且つ低コストで製造することができる。
本発明において、ガスハイドレートの種類に特に制限はない。すなわち、所定の圧力、温度条件でガスハイドレートを形成するものであればガス(ハイドレート形成物質)の種類は特に限定されず、例えば、天然ガスまたはその構成成分であるメタン、エタン、プロパン、ブタン等の単独の炭化水素ガスもしくはそれらの混合ガス;バイオガスまたはその構成成分である単独の二酸化炭素、メタン、硫化水素等のガスもしくはそれらの混合ガス;あるいは燃焼排ガスまたはその構成成分である単独の酸素、窒素、二酸化炭素、NOx、SOx等もしくはそれらの混合ガスなどを対象とすることができる。
まず、ガスハイドレートの生成方法について説明する。
ガスハイドレートは、通常、高圧・低温条件の下で生成される。生成方法として、以下の方式が良く知られている。原料ガスを高圧に充填した反応容器の上部から冷却した水を噴霧することにより、水滴が原料ガス中を落下する際に水滴表面にガスハイドレートを生成させる、いわゆる「水噴霧方式」や、原料ガスを水中に気泡として導入(バブリング)することにより、原料ガスの気泡が水中を上昇する際に気泡表面にガスハイドレートを生成させる、いわゆる「バブリング方式」等である。
これらの公知のガスハイドレート生成方法によって、ガスハイドレートが生成される。生成されたガスハイドレートは、スラリー状であり、水分を多く含み、そのガスハイドレート含有量は20〜40wt%である。このガスハイドレート含有量は、輸送・貯蔵または多様な用途に使用するために、十分なガス包蔵量ではないため、更にガスと接触させて反応させることにより、ガスハイドレート含有量を高め、ガス包蔵量の大きな、高濃度のガスハイドレートを生成させる。生成された高濃度のガスハイドレートは粉粒体である。
前記粉粒体のガスハイドレートを造粒装置により圧縮成形し、ペレット状に加工することによって、ガスハイドレートペレットが形成される。このガスハイドレートペレットの製造方法について、以下の実施例1においてより詳細に説明する。
[実施例1]
本実施例では、メタンガスハイドレートを例に挙げて説明する。図1は、本実施例に係るガスハイドレートペレット製造装置の概略図である。
図1のガスハイドレートペレット製造装置1は、密閉された空間の温度および圧力を調整することができる表面分解装置11と、同様に密閉された空間の温度および圧力を調整することができる氷膜形成装置12とを備えている。
表面分解装置11には、造粒装置10において、粉粒体状のガスハイドレートが圧縮成形されて形成されたガスハイドレートペレット2aが送られるように構成されている。
まず、造粒工程において、粉粒体状のメタンガスハイドレートを造粒装置10を用いて圧縮成形し、メタンガスハイドレートペレットを形成させる。造粒装置10としては、2つのローラによって構成される公知のペレタイザー等を用いることができる。造粒工程は、メタンガスハイドレートが生成する低温および高圧条件下で行われる。本実施例では、2℃、5.4MPaに設定されている。
ガスハイドレートペレットの大きさや形状は任意であるが、例えば平均径が数mm〜数十cm程度、好ましくは2mm〜50mm程度の球状や、同程度の大きさのブロック状などに成形することができる。
前記造粒工程において形成されたメタンガスハイドレートペレット2aは、表面分解装置11内に移動される。前記メタンガスハイドレートペレット2aが、表面分解装置11内に移動される際には、表面分解装置11内は、前記造粒装置10内と同温同圧条件である2℃、5.4MPaに予め設定されている。
次に、メタンガスハイドレートペレット2aの表面分解工程を行う。
表面分解工程では、表面分解装置11内を、主に圧力を調整することによって、メタンガスハイドレートが分解する条件にして、メタンガスハイドレートペレット2aの表面を分解させ、水とガスとを生成させ、該ペレット表面に水が生成されたガスハイドレートペレット2bを形成させる。
このとき、メタンガスハイドレートが分解する温度および圧力条件は、当該メタンガスハイドレートの平衡曲線に基いて決定し、メタンガスハイドレートの分解領域であるが、メタンガスハイドレートの生成領域に近い条件とすることが望ましい。本実施例では2℃、3MPaに設定されている。
表面分解装置11内の温度は一定(2℃)のまま、圧力を調整し、5.4MPaから3MPaに下げることによって、前記メタンガスハイドレートペレット2aの表面のメタンガスハイドレートを穏やかに分解させ、水とメタンガスとを生成させ、該ペレット表面に水の層が生成されたガスハイドレートペレット2bを形成させる。
前記分解によって生成した水は、該メタンガスハイドレートペレット2bの表面を均一に覆うように存在する。分解ガスであるメタンガスは表面分解装置11から抜き出され、前述の粉粒体のメタンガスハイドレートの生成を行う造粒装置10より前段の装置(図示せず)に戻され、再利用される。
表面分解装置11内において、メタンガスハイドレートペレット2aが表面分解工程に供され、分解によって生じた均一な水の層で覆われたメタンガスハイドレートペレット2bが形成される時間は、当該表面分解装置11の容量及び、表面分解装置11内に送られるメタンガスハイドレートペレット2aの量によって決められる。
前記表面分解工程によって、ペレット表面が均一に水で覆われたメタンガスハイドレートペレット2bは、速やかに氷膜形成装置12に移動され、氷膜形成工程が行われる。
氷膜形成装置12内は、メタンガスハイドレートが分解せず、且つ、水が氷る温度および圧力条件に予め設定されている。氷膜形成装置12内の圧力は、前記表面分解装置11内の圧力とほぼ同圧であることが望ましい。本実施例では、−20℃、3MPaに設定されている。
メタンガスハイドレートペレット2bが、水の氷点以下である氷膜形成装置12に移動されると、ペレット表面の水が氷り、メタンガスハイドレートペレット2bの表面に均一な氷膜が形成されたメタンガスハイドレートペレット2cが生成される。その際、メタンガスハイドレートが分解しない条件になっているので、当該氷膜は均一でアンポーラスな膜になる。
表面に均一な氷膜が形成されたメタンガスハイドレートペレット2cが生成された後、氷膜形成装置12内を大気圧する脱圧工程が行われる。この時の氷膜形成装置12内の温度は、メタンガスハイドレートが大気圧下で自己保存効果を示す温度である−20℃に設定される。尚、メタンガスハイドレートペレット2cの貯蔵も−20℃で行われる。
本実施例では、氷膜形成工程における温度条件を、メタンハイドレートが大気圧下での自己保存効果を発現する温度と同じ−20℃に設定したため、氷膜形成装置12内の温度を変えることなく、脱圧することができる。
氷膜形成装置12内において、−20℃、大気圧に保持されたメタンガスハイドレートペレット2cは、該氷膜形成装置12内と同温同圧条件に設定された貯槽13に移動され、貯蔵される。
次に、本実施例の作用について説明する。
本実施例における表面分解工程では、表面分解装置11内の温度を、造粒装置10内と同じ条件の同じ温度に設定し、圧力を変化させることによって、該表面分解装置11内をメタンガスハイドレートが分解する条件に調整する。
該表面分解装置11内は、当該メタンガスハイドレートの平衡曲線に基いて決定し、メタンガスハイドレートの分解領域であるが、メタンガスハイドレートの生成領域に近い条件に調整される。このことによって、メタンガスハイドレートペレット2aの表面のメタンガスハイドレートを穏やかに分解させ、水とメタンガスとを生成させ、該ペレット表面に均一な水の層が生成されたガスハイドレートペレット2bを形成させることができる。
本実施例では、メタンガスハイドレートの平衡曲線に基いて圧力を変化させて、前記表面分解装置11内の条件を調整することができる。メタンガスハイドレートペレット2aの表面のメタンガスハイドレートが僅かに分解して、水とメタンガスとになると、分解熱が吸熱される。分解熱は、ガスハイドレートのガス種によって異なるが、メタンガスの場合は、440kJ/kgであり、この分解熱が吸熱される吸熱反応により、メタンガスハイドレートペレット自体の温度が僅かに低下する。
本実施例のメタンハイドレートペレット2aの重量は1個3gである。
ペレット表面の分解ガスハイドレート量は、ペレット重量の0.8%となる0.025gであった。これにより、ガスハイドレートの分解熱11Jが吸熱され、ペレット自体の温度は緩やかに1.8℃低下し、0.2℃になった。
このメタンガスハイドレートペレット自体の温度低下により、当該ペレットは再びメタンガスハイドレートの生成領域に入ることとなり、それ以上のメタンガスハイドレートペレット2aの分解は抑制することができる。
そのため、メタンガスハイドレートの分解を制御することが容易であり、ペレット表面のメタンガスハイドレートの分解を必要最小限に抑えることができる。
氷膜形成工程では、前記表面分解工程においてペレット表面に均一な水の層が生成されたメタンガスハイドレートペレット2bを、メタンガスハイドレートが分解せず、且つ、水が氷る温度および圧力条件下に移動させ、前記メタンガスハイドレートペレット2bの表面の均一な水の層を氷らせ、均一な氷膜を形成させる。
メタンガスハイドレートが分解しない状態で氷膜が形成されるので、アンポーラスで均一な密閉性の高い氷膜を簡単、且つ確実に形成することができ、保存安定性に優れ、長期間の貯蔵が可能なメタンガスハイドレートペレット2cを得ることができる。
また、氷膜を形成させるために異なるガス種を用いた分解用のガスハイドレート層を設ける必要がない。そのため、メタンガスハイドレートペレット2cの製造にかかるコストを低減できる。
本実施例においては、ガスハイドレートの構成ガス成分が単一のガス種(メタン)であるので、ペレット表面のメタンガスハイドレートの分解が均一に起こるため、より均一で密閉性の高い氷膜を形成することができ、ガスハイドレートペレットの保存性を大きく向上させることができる。
尚、単一なガス種ではなく複数のガス種で構成されたガスハイドレートについても、表面分解工程の圧力、氷膜形成工程の温度、圧力をそれ用に適合させることによって、同様にガスハイドレートペレット表面にアンポーラスで均一な密閉性のよい氷膜を確実に形成させることができ、保存安定性に優れ、長期間の貯蔵が可能なガスハイドレートペレットを、簡単、且つ低コストで製造することができる。
本発明は、ガスハイドレートが生成する低温および高圧条件下において、粉粒体状のガスハイドレートを圧縮成形し、ペレット状に形成されたガスハイドレートペレットの製造方法およびその製造装置に利用可能である。
本実施例に係るガスハイドレートペレット製造装置の概略図である。
符号の説明
1 ガスハイドレートペレット製造装置、
2a、2b、2c メタンガスハイドレートペレット、
10 造粒装置、 11 表面分解装置、 12 氷膜形成装置、
13 貯槽

Claims (6)

  1. ガスハイドレートが生成する低温および高圧条件下において、粉粒体状のガスハイドレートを圧縮成形してガスハイドレートペレットを形成させる造粒工程と、
    前記造粒工程における温度および圧力条件のうち、主に圧力を調整することによって、前記ガスハイドレートが分解する条件を達成し、前記ガスハイドレートペレットの表面のガスハイドレートを分解させ、水とガスとを生成させる表面分解工程と、
    前記表面分解工程においてペレット表面に水が生成したガスハイドレートペレットを、ガスハイドレートが分解せず、且つ、水が氷る温度および圧力条件下に移動させ、前記ガスハイドレートペレット表面に氷膜を形成させる氷膜形成工程と、
    氷膜が形成されたガスハイドレートペレットを、当該ガスハイドレートが大気圧下で自己保存効果を示す温度条件下において大気圧まで脱圧する脱圧工程と、
    を含むことを特徴とする、ガスハイドレートペレットの製造方法。
  2. 請求項1において、前記表面分解工程においてガスハイドレートが分解する条件は、ガスハイドレートペレット表面のガスハイドレートの分解による吸熱反応により、該ガスハイドレートペレットの温度が低下することによって、ガスハイドレートペレット自体が、ガスハイドレートの分解条件領域から生成条件領域に変化する条件であることを特徴とする、ガスハイドレートペレットの製造方法。
  3. 請求項1または2において、前記ガスハイドレートの構成ガス成分は単一のガス種であることを特徴とする、ガスハイドレートペレットの製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項において、前記ガスハイドレートペレットの表面のガスハイドレート分解量が、該ガスハイドレートペレットの0.1〜5wt%であることを特徴とする、ガスハイドレートペレットの製造方法。
  5. ガスハイドレートが生成する低温および高圧条件下において、粉粒体状のガスハイドレートを圧縮成形してペレット状に加工されたガスハイドレートペレットが導入され、主に圧力を調整することによって、前記ガスハイドレートが分解する条件を達成し、前記ガスハイドレートペレットの表面のガスハイドレートを分解させ、水とガスとを生成させる表面分解装置と、
    前記表面分解装置において分解されてペレット表面に水が生成されたガスハイドレートペレットが導入され、該ガスハイドレートが分解せず、且つ、水が氷る温度および圧力条件下で、前記ガスハイドレートペレット表面に生成された水を氷らせて氷膜を形成させる氷膜形成装置と、
    を備えていることを特徴とする、ガスハイドレートペレット製造装置。
  6. 請求項5において、前記表面分解装置においてガスハイドレートが分解する条件は、ガスハイドレートペレット表面のガスハイドレートの分解による吸熱反応により、該ガスハイドレートペレットの温度が低下することによって、ガスハイドレートペレット自体が、ガスハイドレートの分解条件領域から生成条件領域に変化する条件に設定されていることを特徴とする、ガスハイドレートペレット製造装置。
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