JP2011052089A - タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来、タイヤ用ゴム組成物の耐熱性を向上させるために、タイヤ用ゴム組成物にアクリレート化合物とアルキルスルフィド架橋剤とを配合することが試みられている。しかし、この従来のタイヤ用ゴム組成物は、耐熱老化性および耐摩耗性に改善の余地があった。本発明は、耐熱老化性および耐摩耗性を大幅に向上させたタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することを課題とする。
【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対し、アクリレート化合物0.3〜5質量部および環状ポリスルフィド2〜6質量部を配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物と、該タイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、耐熱老化性および耐摩耗性を大幅に向上させたタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
従来、タイヤ用ゴム組成物の耐熱性を向上させる場合は、タイヤ用ゴム組成物にリバージョン防止剤としてアクリレート化合物と耐熱架橋剤としてアルキルスルフィド架橋剤の1,6−ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・二水和物(HTS)や1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンとを併用することが試みられている(例えば特許文献1,2を参照)。
一方、当業界においては、耐熱性に加え、耐摩耗性をも向上させたタイヤ用ゴム組成物の要求があるが、上記従来技術のタイヤ用ゴム組成物は、当該要求を満たしていない。
特開2000−63573号公報 特開2001−342293号公報
したがって本発明の目的は、耐熱老化性および耐摩耗性を大幅に向上させたタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ジエン系ゴムにアクリレート化合物および環状ポリスルフィドを特定量配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.ジエン系ゴム100質量部に対し、アクリレート化合物0.3〜5質量部および下記式1で表される環状ポリスルフィド2〜6質量部を配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
Figure 2011052089
(式1中、Rは置換もしくは非置換のC2〜C20アルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C20オキシアルキレン基又は芳香族環を含むアルキレン基を示し、nは1〜20の整数であり、xは平均2〜6の数である。)
2.前記アクリレート化合物が、分子中にアクリロイル基を3個以上有する化合物であることを特徴とする前記1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
3.前記アクリレート化合物が、ペンタエリスリトールトリアクリレートであることを特徴とする前記1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
4.前記ジエン系ゴム100質量部に対し、パーオキサイドを0.02〜2質量部配合してなることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
5.前記ジエン系ゴムが、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)のみから構成されることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
6.前記1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
7.前記1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
本発明によれば、ジエン系ゴムにアクリレート化合物および環状ポリスルフィドを特定量配合することにより、耐熱老化性および耐摩耗性を大幅に向上させたタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
空気入りタイヤの一例の部分断面図である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、乗用車用の空気入りタイヤの一例の部分断面図である。
図1において、空気入りタイヤは左右一対のビード部1およびサイドウォール2と、両サイドウォール2に連なるトレッド3からなり、ビード部1、1間に繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架され、カーカス層4の端部がビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。また、トレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
以下に説明する本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上記のようなタイヤ用の各種部材に有用であり、とくにトレッド3、さらに好ましくはトレッド3の一部を構成するキャップトレッドに有用である。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴム成分は、タイヤ用ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、ジエン系ゴム成分はその分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル基等で末端変性されていてもよい。
これらのジエン系ゴムの中でも、本発明の効果の点からジエン系ゴムはSBRのみから構成されることが好ましい。
(アクリレート化合物)
本発明で使用されるアクリレート化合物は、例えば、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ビス(4−アクリロキシ)ポリエトキシフェニルプロパンオリゴエステルジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、オリゴエステルポリアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジ(テトラメチロールメタン)ペンタメタクリレート、ジ(テトラメチロールメタン)トリメタクリレート等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、本発明でいうアクリレート化合物とは、アクリレート化合物またはメタクリレート化合物を意味し、以下の明細書中においても同様の意味として該用語を用いている。
本発明で使用されるアクリレート化合物は、本発明の効果の点から、分子中にアクリロイル基を3個以上有する化合物が好ましく、とくに、ペンタエリスリトールトリアクリレートが好ましい。
(環状ポリスルフィド)
本発明で使用される環状ポリスルフィドは、下記式1で表される。
Figure 2011052089
(式1中、Rは置換もしくは非置換のC2〜C20アルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C20オキシアルキレン基又は芳香族環を含むアルキレン基を示し、nは1〜20の整数であり、xは平均2〜6の数である。)
環状ポリスルフィドは、式:X−R−X(式中、Xは、それぞれ独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、好ましくは塩素、臭素のハロゲン原子を表し、Rは、置換もしくは非置換のC2〜C20のアルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C20のオキシアルキレン基又は芳香族環を含むアルキレン基、好ましくは前記置換もしくは非置換のC2〜C18、更に好ましくはC4〜C10のアルキレン基を示し、これらの置換基としてはフェニル、ベンジル、ビニル、シリル、エポキシ、イソシアネートなどがあげられる)のジハロゲン化合物とアルカリ金属多硫化物M−Sx−M(式中、Mはアルカリ金属、例えばナトリウム、カリウム、リチウムなどであり、xは2〜6の整数、好ましくは3〜5である)とを、親水性溶媒又は親水性及び親油性溶媒性非相溶性混合溶媒中で2相系で反応させることによるか、又はM−Sx−Mの溶液(溶媒としては水及びC1 〜C4 脂肪族アルコールを用いることができ、水の使用が最も好ましい)中にX−R−XをM−Sx−MとX−R−Xとが界面で反応するような速度で添加して反応させることによって、製造される(特開2002−293783号公報参照)。なお、後者の方法でX−R−Xの添加速度が速すぎると、X−R−Xの濃度が高くなり、界面以外での反応も起こり、分子間の反応が優先され鎖状になるので好ましくない。従って、M−Sx−MとX−R−Xの反応をできるだけ不均一系で界面だけで反応させることが環状ポリスルフィドを得るのに好ましい。
前記一般式X−R−X及び式1の基Rとしては、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、1,2−プロピレンなどの直鎖又は分岐鎖のアルキレン基があげられ、これらのアルキレン基はフェニル基、ベンジル基などの置換基で置換されていてもよい。基Rとしては更にオキシアルキレン基を含むアルキレン基、例えば基(CH2CH2O)p及び基(CH2)q(式中、pは1〜5の整数であり、qは0〜2の整数である)が任意に結合したオキシアルキレン基を含むアルキレン基とすることができる。好ましい基Rは
−CH2CH2OCH2CH2−,−(CH2CH2O)2CH2CH2−,
−(CH2CH2O)3CH−CH2−,−(CH2CH2O)4CH2CH2−,
−(CH2CH2O)5CH2CH2−,−(CH2CH2O)2CH2−,
−CH2CH2OCH2OCH2CH2−であり、特にxは平均として3〜5が好ましく、3.5〜4.5が更に好ましい。nは好ましくは1〜15の整数であり、更に好ましくは1〜10、一層好ましくは1〜5の整数である。
前記ジハロゲン化合物と前記アルカリ金属多硫化物との反応は、当量反応であり、実用的には両化合物を0.95:1.0〜1.0:0.95(当量比)で反応させ、好ましくは50〜120℃、更に好ましくは70〜100℃の温度で実施する。
本発明に用いる親水性溶媒又は親水性/親油性溶媒の非相溶性混合溶媒については特に限定はなく、実際の反応系においては、親水性溶媒単独又は非相溶で2相を形成する任意の混合溶媒系を用いることができる。具体的には、例えば親水性溶媒としては、水の他、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール類をあげることができ、これらは任意の混合物として使用することもできる。またこれらの親水性溶媒と混合して使用される親油性溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ジオキサン、ジブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類などをあげることができ、これらは任意の混合物として使用することもできる。
前記ジハロゲン化合物と前記アルカリ金属多硫化物との親水性溶媒中で又は非相溶性混合溶媒系で反応させる界面での反応は、当量反応であり、実用的には両化合物を0.95:1〜1:0.95(当量比)で反応させ、反応温度は好ましくは50〜120℃、更に好ましくは70〜100℃である。反応させるジハロゲン化合物は、2種類以上のジハロゲン化合物であることが好ましい。よって、ジハロゲン化合物としては例えばジクロロエチルホルマール及びジクロロエタンの混合物と、金属多硫化物として、例えば多流化ソーダとを反応させるのが好ましい。
前記反応において触媒は必要ではないが、場合によって触媒として4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、クラウンエーテルなどを用いることができる。例えば、(CH34+Cl-,(CH34+Br-,(C494+Cl-,(C494+Br-,C1225+(CH33Br-,(C494+Br-,CH3+(C653-,C1633+(C493Br-,15−crown−5,18−crown−6,ベンゾ−18−crown−6等を用いることができる。特にアルキレン骨格の環状ポリスルフィドを製造する場合には、触媒の使用が好ましい。
(パーオキサイド)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、残留アクリレート化合物を減少させ、耐熱老化性を向上させる観点から、パーオキサイドを配合することが好ましい。
パーオキサイドとしては、とくに制限されないが、例えばアシルパーオキサイド類(例えば、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド)、ケトンパーオキサイド類(例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド)、パーオキシエステル類(例えば、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシフタレート)、アルキルパーオキサイド類(例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン)、ハイドロパーオキサイド類(例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド)等が挙げられる。
パーオキサイドは、例えばジエン系ゴム100質量部に対し、例えば0.02〜2質量部、好ましくは0.2〜2質量部、さらに好ましくは0.2〜1質量部配合することができる。パーオキサイドが0.02質量部未満であると、所望の効果が小さい。2質量部を超えると、架橋密度が増加し、耐摩耗性が悪化する傾向となる。
(充填剤)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、各種充填剤を配合することができる。充填剤としてはとくに制限されず、用途により適宜選択すればよいが、例えばカーボンブラック、無機充填剤等が挙げられる。無機充填剤としては、例えばシリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等を挙げることができる。中でもカーボンブラック、シリカが好ましい。
充填剤は、例えばジエン系ゴム100質量部に対し、例えば50〜120質量部、好ましくは70〜100質量部配合することができる。充填剤が50質量部以上であることにより、耐摩耗性および弾性率を向上させることができる。充填剤が120質量部以下であることにより、加工性、耐摩耗性を向上させることができる。
なお、充填剤としてシリカを使用する場合、シリカに対して例えば5〜10質量%のシリカカップリング剤を使用することができる。シリカカップリング剤の種類は、公知のものの中から適宜選択すればよい。
カーボンブラックのDBP吸収量は、90〜160cm/100g、CTAB吸着比表面積は、90〜140m/gが好ましい。シリカのCTAB吸着比表面積は、100〜220m/gが好ましい。なお、DBP吸収量およびCTAB吸着比表面積はJIS K6217に準拠して測定した値である。
(タイヤ用ゴム組成物の配合割合)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、アクリレート化合物を0.3〜5質量部および前記式1で表される環状ポリスルフィドを2〜6質量部配合してなる。
アクリレート化合物が0.3質量部未満であると、所望の効果を発現させることができない。逆に5質量部を超えるとゴム中に残留しているアクリレート化合物が熱老化時にゴムと反応し、耐熱老化性が悪化する。
環状ポリスルフィドが2質量部未満であると、耐熱老化性が悪化し、また弾性率も悪化してしまう。逆に6質量部を超えると、架橋密度が増加し耐摩耗性が悪化する。なお、環状ポリスルフィドと硫黄とを併用してもよい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、アクリレート化合物のさらに好ましい上記配合割合は、1〜3質量部である。環状ポリスルフィドのさらに好ましい上記配合割合は、3〜5質量部である。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、タイヤに使用される部材の中でも、アンダートレッド、キャップトレッド、サイドウォール、リムクッションに有用であり、とくに耐熱老化性および耐摩耗性が向上していることから、キャップトレッドに有用である。
また本発明のタイヤ用ゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに使用することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
環状ポリスルフィドの合成
環状ポリスルフィドは、特開2002−293783号公報の実施例2の方法にしたがい合成した。前記式1において、R=(CH22O(CH2)O(CH22、x(平均)=4及びn=1〜2の環状ポリスルフィドが得られた。
従来例、実施例1〜8および比較例1〜7
サンプルの調製
表1〜2に示す配合(質量部)において、加硫系(環状ポリスルフィド、加硫促進剤、硫黄)を除く成分を1.5リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、ミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物を同バンバリーミキサーに再度入れ、加硫系を加えて混練し、タイヤ用ゴム組成物を得た。次に得られたタイヤ用ゴム組成物を所定の金型中で170℃で10分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を調製した。得られた加硫ゴム試験片について以下に示す試験法で物性を測定した。
耐熱老化性:JIS K6251(3号ダンベル使用)にしたがい、ギアオーブンにて80℃96時間老化した後の3号ダンベルを、室温にて引張試験を実施し、100%変形モジュラス(M100@老化)を測定する。さらに、何も処理しない3号ダンベルを室温にて引張試験を実施し、100%変形モジュラス(M100@ブランク)を測定する。100%変形モジュラスの老化による変化率(M100@老化/M100@ブランク)を耐熱老化性の指標とした。従来例の値を100として指数表示した。値が小さいほうが耐熱老化性に優れる。
耐摩耗性:ランボーン摩耗試験機(岩本製作所(株)製)を使用して荷重5kg(=49N)、スリップ率25%、時間10分、室温の条件で摩耗量を測定した。従来例の値を100として指数表示した。値が小さいほうが耐摩耗性に優れる。
結果を表1〜2に併せて示す。なお表2では従来例と実施例1のデータも併記した。
Figure 2011052089
Figure 2011052089
*1:SBR(日本ゼオン(株)製、Nipol 1502)
*2:BR(日本ゼオン(株)製、Nipol BR 1220)
*3:カーボンブラック(東海カーボン(株)製、シーストKH)
*4:シリカ(日本シリカ工業(株)製、ニップシールVN3)
*5:シリカカップリング剤(デグッサ社製、Si69)
*6:ZnO(正同化学工業(株)製、酸化亜鉛3種)
*7:ステアリン酸(日油(株)製、ビーズステアリン酸NY)
*8:アロマオイル(昭和シェル(株)製、デソレックス3号)
*9:アクリレート(サートマー社製、SR534、化合物名=ペンタエリスリトールトリアクリレート)
*10:環状ポリスルフィド(上記のようにして合成した環状ポリスルフィド)
*11:HTS(フレキシス社製、HTS、化合物名=1,6−ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・二水和物)
*12:KA9188(バイエル社製商品名、化合物名=1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)
*13:硫黄(細井化学工業(株)製、油処理硫黄)
*14:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製、ノクセラーCZ−G)
*15:パーオキサイド(日油(株)製、パークミルD40、有効パーオキサイド量40%、化合物名=ジクミルパーオキサイド、表では有効パーオキサイド量として表示した。)
上記の表から明らかなように、実施例1〜8で調製されたタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴムにアクリレート化合物および環状ポリスルフィドを特定量配合しているので、代表的な従来例に対し、耐摩耗性および耐熱老化性が改善されている。とくに、表2において、パーオキサイドを配合した実施例4〜7は、耐摩耗性および/または耐熱老化性が一層改善されている。
これに対し、比較例1は、環状ポリスルフィドを配合していないので、耐熱老化性が悪化している。比較例2および3は、環状ポリスルフィドを配合せずにその替わりにアルキルスルフィド架橋剤の1,6−ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・二水和物または1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンを配合したものの、耐摩耗性および耐老化性を同時に改善することができない。比較例4はアクリレート化合物の配合割合が本発明で規定する下限未満であるので、耐摩耗性および耐熱老化性に改善が見られない。比較例5はアクリレート化合物の配合割合が本発明で規定する上限を超えているので、耐熱老化性が悪化した。比較例6は、環状ポリスルフィドの配合割合が本発明で規定する下限未満であるので、耐熱老化性が悪化した。比較例7は環状ポリスルフィドの配合割合が本発明で規定する上限を超えているので、耐摩耗性および耐熱老化性が悪化した。
1 ビード部
2 サイドウォール
3 トレッド
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層

Claims (7)

  1. ジエン系ゴム100質量部に対し、アクリレート化合物0.3〜5質量部および下記式1で表される環状ポリスルフィド2〜6質量部を配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2011052089
    (式1中、Rは置換もしくは非置換のC2〜C20アルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C20オキシアルキレン基又は芳香族環を含むアルキレン基を示し、nは1〜20の整数であり、xは平均2〜6の数である。)
  2. 前記アクリレート化合物が、分子中にアクリロイル基を3個以上有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記アクリレート化合物が、ペンタエリスリトールトリアクリレートであることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記ジエン系ゴム100質量部に対し、パーオキサイドを0.02〜2質量部配合してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記ジエン系ゴムが、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)のみから構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
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