JP2011050387A - バクテリアの生存率に関するマーカーとしてのEF−TumRNA - Google Patents

バクテリアの生存率に関するマーカーとしてのEF−TumRNA Download PDF

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Abstract

【課題】血液、痰、及び尿のようなヒト又は動物の体液中のミコバクテリア(Mycobacteria)のようなバクテリアの検出、バクテリアを繁殖させる必要のない、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)のようなバクテリアの生存率を評価するための方法を提供する。
【解決手段】結核菌又はらい菌(M.leprae)のようなミコバクテリア種の生存率を評価するために特になバクテリアEF−Tu mRNAの増幅のためのプライマー及びプローブとして用いられうるオリゴヌクレオチド、および、増幅されたmRNAに相補的な電気化学ハック標識されたプローブ、および、結核菌、らい菌、又は大腸菌の生存率の評価のための方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、血液、痰、及び尿のようなヒト又は動物の体液中のミコバクテリア(Mycobacteria)のようなバクテリアの検出に関する。本発明は、バクテリアを繁殖させる必要のない、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)のようなバクテリアの生存率を評価するための方法を提供する。
例えば、結核菌により引き起こされる結核(TB)は、世界中の多くの国における主要な公衆衛生問題であり、発展途上国においては特に重要である。結核抑制計画は、増加した症例の荷重、肺外症例又はスメア陰性症例のような診断がより困難な患者カテゴリーへのシフト、及び結核菌の多剤耐性株の出現に直面している。改良された診断は、この世界的な公衆衛生における緊急事態を解決するための苦闘において貴重な貢献をするであろう。
本発明の方法は、特定の核酸配列の増幅に関する。
核酸増幅反応は、古典的な方法の感度及び特異性をしのぎつつ、診断のための時間を数週間から数時間に減少させることを約束する。診断における潜在的な価値の他、増幅反応は、迅速な同定及び薬剤感受性決定の可能性を提供する。DNA標的分子のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による検出可能レベルへの増幅は、ミコバクテリアを検出するための最もよく分析されている系である。
「ポリメラーゼ連鎖反応」(PCR)は、ヨーロッパ特許出願EP200362及びEP201148に記載されている。PCRは、二本鎖DNAを標的として有するサイクル過程である。PCR過程における各サイクルは、二本鎖DNA標的のその2つの相補鎖への分離で開始する。各鎖に、プライマーがアニールし、存在するDNAポリメラーゼが、プライマーがアニールしたDNA鎖に沿ってプライマーを伸長し、このようにして2つの新たなDNA二重鎖が形成される。反応混合物が加熱されると、DNA二重鎖の鎖が再び分離し、新たなPCRサイクルが開始することができる。このようにして、PCR過程は、DNA標的の多数のDNAコピーを生成させる。PCRを用いた増幅は、RNA鋳型に基づき行うこともできる。実際のPCRの前に、RNAからDNAを複写するための逆転写段階が必要となる(RT−PCR)。しかし、RT−PCRを転写物の検出に用いる場合には、mRNAに由来するPCR産物とDNAに由来するPCR産物とを区別する必要がある。RT−PCR前のDNAse処理を使用することができるが(Bitsch,A.ら,J Infect.Dis 167,740−743.,1993;Meyer,T.ら,Mol.Cell Probes.8,261−271.,1994)、混入したDNAを充分に除去できない場合がある[Bitsch,A.ら,1993]。
さらに最近、異なるクラスの核酸増幅法、即ち「転写依拠増幅技術」が開発された。この技術は、RNAポリメラーゼにより認識されるプロモーターを含む鋳型からの、多数のRNAコピーの転写を含む。該コピーが、さらなる増幅のための投入物として用いられる。そのような方法は、WO88/10315においてGingerasらにより、WO89/1050においてBurgらにより記載されている。等温転写依拠増幅技術は、EP323822(NASBA法に関する)においてDaveyらにより、EP373960においてGingerasらにより、そしてEP408295(TMA法)においてKacianらにより記載されている。転写依拠増幅反応は、熱安定酵素を用いても実施されうる。そのような熱安定法は、Toyo Boseki KKの名称で出願されたEP682121に記載されている。
いずれも16SリボソームRNAを標的とする、NASBA法[Vliet,G.M.E.van der,Schukkink,R.A.F.,Gemen,B.van,Schepers,P.and Klatser,P.R.(1993)ミコバクテリアの同定のための核酸配列基本増幅(NASBA)(Nucleic acid sequence−based amplification (NASBA) for the identification of mycobacteria.)J.Gen.Microbiol.139,2423−2429]及びもう一つの転写介在RNA増幅試験(TMA)[Jonas,V.,Alden,M.J.Curry,J.I.,Kamisango,K.,Knott,C.A.,Lankford,R.,Wolfe,J.and Moore,D.F.(1993)rRNAの増幅による痰沈殿物からの直接的な結核菌の検出及び同定(Detection and identification of Mycobacterium tuberculosis directly from sputum sediments by amplification of rRNA)J.Clin.Microbiol.31,241]のような、等温転写依拠増幅技術が、ミコバクテリアを検出するために利用されている。
16S rRNA又はそれをコードする遺伝子を標的とする増幅反応は、通常、種特異的可変配列を含む保存領域に対して行われる[Vliet,G.M.E.van der,Shukkink,R.A.F.,Gemen,B.van,Schepers,P.and Klatser,P.R.(1993)ミコバクテリアの同定のための核酸配列依拠増幅(NASBA)J.Gen.Microbiol.139,2423−2429.,Jonas,V.,Alden,M.J.,Curry,J.I.,Kamisango,K.,Knott,C.A.,Lankford,R.,Wolfe,J.and Moore,D.F.(1993)rRNAの増幅による痰沈殿物からの直接的な結核菌の検出及び同定J.Clin.Microbiol.31,241]。それらは、1回の増幅反応でミコバクテリアの種を同定することができるという利点を有する。16S rRNAを標的とする転写介在RNA増幅アッセイのもう一つの利点は、細胞1個当たりの標的分子の数が±2000と多いことであり、従って感度が有利である。
RNA、特にmRNAは一般的にDNAよりもはるかに短い半減期を有するため、その検出は、薬剤耐性及び患者の伝染性の問題と関連しているミコバクテリアの生存率の評価に有用であろう[Moore,D.F.,Curry,J.I.,Knott,C.A.,and Jonas,V..(1996)抗菌療法における肺結核患者の治療応答の評価のためのrRNAの増幅(Amplification of rRNA for assessment of treatment response of pulmonary tuberculosis patients during antimicrobial therapy.)J.Clin.Microbiol.34,1745−1749.,Vliet,G.M.E.van der,Schepers,P.,Schukkink,R.A.F.,Gemen,B.van and Klatser,P.R.(1994)RNA増幅によるミコバクテリアの生存率の評価(Assessment of mycobacterial viabiliry by RNA amplification.)Antimicrob.Agents Chemother.38,1959−1965]。
欧州特許出願公開第200362号明細書 欧州特許出願公開第201148号明細書 国際公開第88/10315号 国際公開第89/1050号 欧州特許出願公開第323822号明細書 欧州特許出願公開第373960号明細書 欧州特許出願公開第408295号明細書 欧州特許出願公開第682121号明細書
Bitsch,A.ら,J Infect.Dis 167,740−743.,1993 Meyer,T.ら,Mol.Cell Probes.8,261−271.,1994 Vliet,G.M.E.van der,Schukkink,R.A.F.,Gemen,B.van,Schepers,P.and Klatser,P.R.(1993)ミコバクテリアの同定のための核酸配列基本増幅(NASBA)(Nucleic acid sequence−based amplification (NASBA) for the identification of mycobacteria.)J.Gen.Microbiol.139,2423−2429 Jonas,V.,Alden,M.J.Curry,J.I.,Kamisango,K.,Knott,C.A.,Lankford,R.,Wolfe,J.and Moore,D.F.(1993)rRNAの増幅による痰沈殿物からの直接的な結核菌の検出及び同定(Detection and identification of Mycobacterium tuberculosis directly from sputum sediments by amplification of rRNA)J.Clin.Microbiol.31,241 Moore,D.F.,Curry,J.I.,Knott,C.A.,and Jonas,V..(1996)抗菌療法における肺結核患者の治療応答の評価のためのrRNAの増幅(Amplification of rRNA for assessment of treatment response of pulmonary tuberculosis patients during antimicrobial therapy.)J.Clin.Microbiol.34,1745−1749 Vliet,G.M.E.van der,Schepers,P.,Schukkink,R.A.F.,Gemen,B.van and Klatser,P.R.(1994)RNA増幅によるミコバクテリアの生存率の評価(Assessment of mycobacterial viabiliry by RNA amplification.)Antimicrob.Agents Chemother.38,1959−1965
本発明は、伸長因子EF−TuをコードするmRNAの検出に基づく。
伸長因子EF−Tuは、(ミコ)バクテリアの翻訳に必須である。伸長因子は、翻訳の伸長段階において補助的な役割を果たし、従って細胞の代謝活性の指標である。あらゆる翻訳にEF−Tuが必要である。EF−Tuタンパク質の量は、活発に増殖する細胞においては、総タンパク質含量の50%もの高さでありうる。
EF−Tuコーディング遺伝子配列(DNA)は、バクテリア細胞の存在を検出するためのマーカーとして用いられている。
EP133288においては、tuf又はfus遺伝子の一方の鎖の少なくとも一部の塩基配列を含むプローブを用いた、バクテリアDNAの検出のための方法が開示されている。消化されたミコプラズマDNAと、大腸菌(E.coli)の伸長因子(EF−Tu)遺伝子tufとのサザンブロット・ハイブリダイゼーションが、ミコプラズマ株における多型を検出するための基礎として用いられた[Yogevら.FEMS Microbiol.Lett.,50(2−3),145−9,1988]。
標的配列として伸長因子Tuをコードする遺伝子(tuf)を用いた、ミコプラズマ・ツベルクローシス(Mycoplasma tuberculosis)及びミコプラズマ・ファーメンタンス(Mycoplasma fermentans)の検出のためのPCRに基づくアッセイも、記載されている[Bergら,Mol.Cell.Probes,10(1),7−14,1996及びLunebergら,J.Clin.Microbiol.31(5),1088−94,1993]。
しかし、本発明は、バクテリアの生存率に関するマーカーとしてのEF−Tu mRNAの検出に関する。
従って、本発明は、伸長因子EF−TuをコードするmRNAが核酸増幅反応における標的として用いられ、かつ該mRNAの存在及び/又は量が決定される、バクテリアの生存率の評価のための方法を提供する。
おそらく生存期間の短い、EF−TuをコードするmRNAは、(ミコ)バクテリアの細胞に極めて豊富に存在する可能性が最も高く、その減少は代謝活性の減弱を示すであろう。さらに、EF−Tuは、その必須の役割のため、全てのミコバクテリア種に存在すると推定することができ、従って、16S rRNA NASBA設計[Vliet,G.M.E.van der,Schukkink,R.A.F.,Gemen,B.van,Schepers,P.and Klatser,P.R.(1993)ミコバクテリアの同定のための核酸配列基本増幅(NASBA)J.Gen.Microbiol.139,2423−2429.]に類似した、種特異的なプライマー及び/又はプローブを用いた一般的な増幅系の開発が可能である。
インビトロ作製されたミコバクテリアEF−Tu RNAを用いたNASBAの分析感度を示す図である。 インビトロ作製されたミコバクテリアEF−Tu RNAを用いたNASBAの分析感度を示す図である。 結核菌NASBAの特異性を示す図である。 らい菌NASBAの特異性を示す図である。 生存率評価のためのNASBAの結果を示す図である。
本発明の方法により、好ましくは、NASBAのような転写依拠増幅技術が、バクテリアEF−Tu mRNAの増幅のために用いられる。RT−PCRとは対照的に、T7 RNAポリメラーゼ(Kievitsら,1991;Compton,1991)によるRNA転写に基づくNASBAは、RNAをその主要な標的として用いるため、RNAに由来する増幅産物とDNAに由来する増幅産物とを区別する必要がない。
増幅産物は、相補的な標識されたプローブを用いて検出されうる。
増幅産物の検出のための多数のプロトコルが記載されている[Klatser,PR.(1995)ミコバクテリア研究における増幅反応(Amplification reactions in mycobacteriology)J.Microbiol.Meth.23,75−87.]。増幅が開始される前に増幅反応混合物を密封することが可能であるため、好ましくは均一アッセイが用いられる。そのような系の一つ、電気化学発光(ECL)は、既にNASBAにおける増幅産物の検出への適用に成功している[Gemen,B.van,Beuningen,R.van,Nabbe,A.,Strijp,D.van,Jurriaans,S.,Lens.P.,Kievits,T.(1994)電気化学発光(ECL)標識プローブを用いた1チューブ定量的HIV−1 RNA NASBA核酸増幅アッセイ(A one−tube quantitative HIV−1 RNA NASBA nucleic acid amplification assay using electrochemiluminescent (ECL) labelled probes.)J.Viol.Methods,49,157−167.]。
本発明の方法は、結核菌又はらい菌(M.leprae)のようなミコバクテリア種の生存率を評価するために特に有用である。
本発明により、バクテリアEF−Tu mRNAの増幅のためのプライマー及びプローブとして用いられうるオリゴヌクレオチドも提供される。
本発明に係るオリゴヌクレオチドの使用は、任意の特定の増幅技術又はそれらの任意の特定の変法に限定されない。本発明に係るオリゴヌクレオチドには、多くの異なる核酸増幅技術、及び(増幅された)バクテリアEF−Tu mRNAの存在を検出するための様々な方法における用途があることは明白である。本発明のオリゴヌクレオチドは、同様に、定量的増幅法において用いられうる。そのような、定量的方法の一例は、EP525882に記載されている。
本明細書において用いられるように、「オリゴヌクレオチド」という用語は、2個又はそれ以上のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドからなる分子をさす。そのようなオリゴヌクレオチドは、プライマー及びプローブとして用いられうる。
当然、本発明のオリゴヌクレオチドの配列に基づき、オリゴヌクレオチドの類似体を調製することもできる。そのような類似体は、「PNA」(通常の核酸のリン酸糖骨格の代わりにペプチド様骨格をもつ分子)などのような代替的構造で構成されていてもよい。本発明の配列を表すこれらの代替的構造も同様に本発明の一部であることは明白である。
本明細書において用いられるように、「プライマー」という用語は、ヌクレオチド及びDNA依存性又はRNA依存性ポリメラーゼのような核酸重合のための因子の存在下で、適当な条件下(例えば、緩衝液、塩、温度、及びpH)におかれた場合に、核酸鎖(鋳型又は標的配列)と相補的なプライマー伸長産物の合成の開始点として機能することができる、(例えば、制限断片として)天然に存在するか、又は合成的に作製されたオリゴヌクレオチドをさす。プライマーは、重合のための因子の存在下で伸長産物の合成をプライムするために充分な長さを有していなければならない。典型的なプライマーは、少なくとも約10ヌクレオチド長の、標的配列と実質的に相補的又は相同である配列を含むが、それよりも幾分長いプライマーが好ましい。通常、プライマーは、約15〜26ヌクレオチドを含むが、プライマーが特定のポリメラーゼのためのプロモーター配列のような付加的な配列を含む場合には特に、それより長いプライマーも使用されうる。
通常、プライマー・セットは、協同して増幅物(該プライマーを用いて増幅されるであろう配列)を定義する、少なくとも2つのプライマー、「上流」プライマーと「下流」プライマーとからなる。
主に転写依拠増幅技術における使用のため、本発明に係るオリゴヌクレオチドはプロモーター配列と連結していてもよい。「プロモーター配列」という用語は、認識された配列に結合し、RNA転写物が作製される転写の過程を開始するRNAポリメラーゼにより、特異的に認識される核酸配列の領域を定義する。原則的に、開始配列を認識することができる既知かつ利用可能なポリメラーゼが存在する任意のプロモーター配列が使用されうる。既知かつ有用なプロモーターは、バクテリオファージT3、T7、又はSP6のようなある種のバクテリオファージRNAポリメラーゼにより認識されるものである。プロモーター配列と連結したオリゴヌクレオチドは、一般的に「プロモーター・プライマー」と呼ばれる。
本発明に係るオリゴヌクレオチドは、バクテリアEF−Tu mRNAの配列と実質的に相補的であり、10〜50ヌクレオチド長であり、かつ配列番号1〜8に記された配列のうちの一つ又はそれらの相補的配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドを含む。
配列番号1及び2(の一部)を含むオリゴヌクレオチドは、結核菌のEF−Tu mRNA配列の増幅に適していることが立証されている。増幅が転写依拠増幅技術を用いて実施される場合には、該オリゴヌクレオチドの一つがプロモーター配列を含んでいてもよい。当然、そのような「プロモーター・オリゴヌクレオチド」は、同様に、本発明の技術である。配列番号9に記された配列においては、T7プロモーターが配列番号1に記された配列と連結している。本願の実験的部分において、これらの配列は、TUF15(配列番号9)及びTUF18(配列番号2)として示されている。
本発明は、らい菌由来のEF−Tu配列の増幅のためのオリゴヌクレオチド対も提供する。この対は、それぞれ、配列番号3に記された配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドと、配列番号4に記された配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドとからなる。
ここでも、転写依拠法における使用のため、オリゴヌクレオチドの一つがプロモーター配列と連結していてもよく、T7プロモーター配列が供与されたオリゴヌクレオチドが配列番号10に記されている。本願の実験的部分において、そのような対は、TUF20(配列番号10)及びTUF22(配列番号4)と呼ばれている。
本発明は、大腸菌由来のEF−Tu配列の増幅に適したオリゴヌクレオチド対をさらに提供する。
この対は、それぞれ、配列番号5に記された配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドと、配列番号6に記された配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドとからなる。
ここでも、転写依拠法における使用のため、オリゴヌクレオチドの一つがプロモーター配列と連結していてもよく、T7プロモーター配列が供給されたオリゴヌクレオチドが配列番号11に記されている。本願の実験的部分において、そのような対は、TUF27(配列番号11)及びTUF22(配列番号6)と呼ばれている。
従って、これらのオリゴヌクレオチドは、結核菌、らい菌、又は大腸菌の生存率の評価において特に有用である。
本発明の配列からなるオリゴヌクレオチドは、得られる収量又は産物に有意な程度の負の影響を与えない限りにおいて、核酸塩基の小さな欠失、付加、及び/又は置換を含んでいてもよい。本発明に係るオリゴヌクレオチドがプローブとして用いられる場合、変化はプローブのハイブリダイゼーション効率の低下をもたらすものであってはならない。
例えば、一つ又は複数のプライマーにプロモーター配列が供給されうる、転写依拠増幅技術の場合、プロモーター配列の直後へのプリン・リッチ(=G又はA)なハイブリダイズ配列の導入は、転写に対する正の効果を有しうる(C及びTが存在する場合、転写が失敗に終わることもある)。標的核酸内にそのような配列が利用可能でない場合には、オリゴヌクレオチドのプロモーター配列の最後の3個のG残基の直後にプリン・リッチな配列を挿入することができる。
本発明の配列は、DNA配列として反映される。これらの配列のRNA等価物は、同様に、本発明の一部である。
本発明に係るオリゴヌクレオチドの一部は、本発明に係るオリゴヌクレオチド対を用いて増幅された核酸の検出におけるプローブとしての使用に特に適している。プローブとして用いられる場合、該オリゴヌクレオチドには、検出可能な標識が供与されうる。様々な標識部分が当分野において既知である。該部分は、例えば、放射性化合物、検出可能酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP))、ハプテン様ビオチン、又は比色シグナル、蛍光シグナル、化学発光シグナル、もしくは電気化学発光シグナルのような検出可能なシグナルを生じることができる任意のその他の部分であり得る。
本発明に係るオリゴヌクレオチドと(増幅された)標的核酸とのハイブリッドは、当業者に既知のその他の方法によっても検出されうる。ミコバクテリアEf−Tu配列の検出のためのプローブとして特に適当な本発明に係るオリゴヌクレオチドは、配列番号7及び8に記された配列から本質的になる(実験的部分において、該配列は、それぞれTUF25及びTUF26として記されている)。
一方が捕捉プローブとして用いられ、他方が検出可能標識で標識されていてもよい、サンドイッチ・ハイブリダイゼーション・アッセイにおいて、これらのプローブを共に用いることができる。
試料中のミコバクテリアEF−Tu mRNAの検出のための試験キットも、同様に、本発明の一部である。そのようなキットは、以下のものを含みうる。
本発明に係るオリゴヌクレオチド対、及び検出可能な標識が供与された、増幅された核酸配列の少なくとも一部と実質的に相補的な核酸配列を含む少なくとも一つのオリゴヌクレオチド、並びに適当な増幅試薬。
これらの試薬は、例えば、増幅反応の実施のために適当な酵素である。例えばNASBAによる使用に適用されるキットは、適当な量の逆転写酵素、RNaseH及びT7RNAポリメラーゼを含みうる。該酵素は、緩衝溶液に含まれてキットに存在してもよいが、凍結乾燥組成物、例えば凍結乾燥球状粒子として提供されてもよい。そのような凍結乾燥粒子は、PCT出願第EP95/01268号に開示されている。キットは、増幅反応の実施に適した緩衝組成物をさらに備えていてもよい。該緩衝剤は、キットが目的とする特定の増幅技術のため、そしてキットに供給された特定のオリゴヌクレオチドの使用のため、最適化されうる。NASBAのような転写依拠増幅技術において、該緩衝剤は、例えば、(PCT出願第US90/04733号に開示されているような)増幅反応を増強するDMSOを含む。
さらに、キットには、増幅進行の確認として、そして増幅進行の失敗による偽陰性試験結果の発生を予防するため、内部対照が供給されてもよい。転写依拠増幅技術における内部対照の使用は、PCT出願EP第93/02248号に記載されている。最適な対照配列は、増幅反応において標的核酸と競合しないように選択される。キットは、増幅の前に生物学的標本から核酸を単離するための試薬を含んでいてもよい。核酸の単離のための適当な方法は、EP389063に開示されている。
実施例:
実施例1:
結核菌、らい菌、及び大腸菌のEF−Tu mRNAの増幅のためのプライマー及びプローブの選択:
RNAの起源。表1は、本実施例及び以下の実施例において記載された実験において用いられたRNAの起源を示す。培養可能なミコバクテリアは、ローエンスタイン・ジェンセン(Lowenstein−Jensen)斜面において2〜3週間増殖させた。らい菌は、世界保健機関の推奨に従い[WHO Expert Committee on Leprosy.(1988)Sixth Report Tech.Rep.Ser.8.768.World Health Organizaion,Geneva]、実験的に感染させたアルマジロの脾組織から単離した。ヒト及び/又は動物の試料に見出されうるか、又はミコバクテリアと密接に関連するその他のバクテリア(表1参照)を、対照として用いた。アクチノミセス・イスラエリ(Activomyces israelii)に関しては、凍結乾燥されたバクテリアを用いた。インビトロRNAの作製に用いられた株は以下に記載されている。
Figure 2011050387
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Figure 2011050387
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核酸(NA)の単離。全ての実施例に記載された実験を実施するため、本発明者らが以前に記載したようにして核酸を単離した[Vliet,G.M.E.van der,Schepers,P.,Schukkink,R.A.F.,Gemen,B.van and Klatser,P.R.(1994)RNA増幅によるミコバクテリアの生存率の評価Antimicrob.Agents Chemother.38,1959−1965.]。要約すると、全てのバクテリア株を、以前に記載されたような第4Mcfarland硫酸バリウム比濁計標準の濁度当量に調整した[Verstijnen,C.P.H.J.,H.M.Ly,K.Polman,C.Richter,S.P.Smits,S.Y.Maselle,P.Peerbooms,D.Rienthong,N.Montreewasuwat,S.Koanjanart,D.D.Trach,S.Kuijper,and A.H.J.Kolk(1991)初期培養物からのミコバクテリアの同定のためのモノクローナル抗体を用いた酵素結合イムノソルベント・アッセイJ.Clin.Microbiol.29,1372−1375.]。50μlの希釈された試料は、約10個の生存ミコバクテリアを含むことが、コロニー形成単位の数を計数することにより決定された(らい菌に関しては行われていない)。Boomら(1990)により記載された「プロトコルY/SC」に従い、この量を溶解及びNA単離に用いた[Boom,R.,C.J.A.Sol,M.M.M.Salimans,C.L.Jansen,P.M.E.Wertheim−Van Dillen and J.Van der Noordaa(1990).核酸の精製のための迅速かつ簡便な方法J.Clin.Microbiol.28,495−503.]。50μl又は100μlのRNaseを含まないHOを用いてシリカからNAを溶離させ、−20℃で保存した。
ヒト胎盤NAは、同様にして単離された(Dr.H.Smits,Department of Virology,Academic Medical Hospital(オランダ、アムステルダム)より提供された)。270ngのNAを含む2μlを試験した。この量は、約4×10個の二倍体ヒト細胞に相当する。ヒトNAの他のバッチは、Pharmacia(スウェーデン、ウプサラ)から商業的に入手した。
実施例2:
結核菌、らい菌、及び大腸菌のEf−Tu mRNAの増幅におけるNASBAの感度及び特異性:
プライマー及びプローブの選択。この研究において用いられたプライマー及びプローブを表2に挙げる。
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結核菌(GenBank登録番号X63539)、らい菌(GenBank登録番号D13869)、大腸菌(GenBank登録番号J01717)、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)(GenBank登録番号M17788)、及びストレプトミセス・コエリカラー(Streptomices coelicolor)(GenBank登録番号X77039)のEf−Tu遺伝子の公開されたヌクレオチド配列を、適当なハードウェアにインストールされたソフトウェア・プログラムGCG(米国国立衛生研究所)を用いて整列させた。縮重プライマーTUF4及びTUF7(表2)は、表1に列挙された全ての生物から、PCRによりEf−Tu遺伝子の764bpDNA断片を増幅するために選択された。PCRは、75mMトリスHCl、pH9.0、20mM(NHSO、0.01%(v/v)Tween20、4mM MgCl、0.2mMの各dNTP、125ngの各プライマー、及び1U/反応のGoldstar DNAポリメラーゼ(Eurogentec、ベルギー)を用いて実施された。PCRは、94℃3分間のインキュベーションにより開始され、その後94℃1.15分、55℃1分、72℃2分のサイクルが35回行われた。C.ベルファンティ、H.インフルエンザ、S.アウレウス、S.ニューモニエ、及びH.サピエンスを除く、表1に列挙された生物のDNAの作製されたPCR断片は、過剰のプライマーを除去するためMicroSpin Sephacryl 300 HRカラム(Pharmacia)を用いて精製された。精製された断片は、Autocycle Sequencing Kit(Pharmacia)及びA.L.F.自動DNAシーケンサー(Pharmacia)を適用することにより、プライマーTUF3F、4F、及び8Fを用いて、直接的に配列決定された。配列は、DNASISソフトウェア・プログラム(Pharmacia)を用いることにより編集され、その後PCGeneソフトウェア・プログラムを用いてクラスタル・アラインメント(clustal alignments)が作製された。
プライマー及びプローブの選択。表3は、クラスタル・アラインメントに基づき決定されたEf−Tu配列の7つの可変領域を示す。これらの可変領域から、異なる生物のEf−Tu mRNAの種特異的検出を可能にするプライマー及びプローブを選択することが可能である(表4)。
表5は、NASBAによる結核菌、らい菌、及び大腸菌のEf−Tu mRNAの特異的増幅のためのプライマー及びプローブの選択の基礎となった、Ef−Tu配列の7つの可変領域のうちの2つ(領域IV及びVI)のクラスタル・アラインメントを示す。これらの2つの区域を選択するための基準は、種特異的プライマー、属特異的プローブ、及び±200ヌクレオチド長の増幅すべき断片が入手可能であることであった。
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これらのアラインメントに基づき、結核菌(TUF15及び18)、らい菌(TUF20及び22)、及び大腸菌(TUF27及び28)について、NASBAにおける使用のための種特異的プライマーを選択した。電気化学発光(ECL)によるミコバクテリアRNAアンプリコンの検出のため、属共通の捕捉プローブTUF25及び検出プローブTUF26を選択した。プローブTUF25は、らい菌のEf−Tu配列とは相同であるが、結核菌とは相同でない。差異は、一個のヌクレオチドである(G→A;表2参照)。しかし、この差異は、結核菌由来のRNAから作製されたアンプリコンの検出に影響を与えなかった。大腸菌RNAアンプリコンの検出のため、本発明者らは、特異的な捕捉プローブTUF29及び検出プローブTUF30を用いた。
領域IVにおいて、結核菌のEf−Tuの公開された配列[GenBank登録番号X63539]との1ヌクレオチドの差異が見出された。M.ツベルクローシス・コンプレックスに属する株のいずれにおいても、855位にCが見出されなかった。しかし、プライマーの位置は、この不一致が増幅反応に影響を与えないような方法で選択された。
実施例3:
EF−Tu mRNAの増幅による大腸菌の特異性及び感度の試験
インビトロRNAの単離
前記のようにして、プライマー・セットTUF4及びTUF7(表2)を用いたPCRを介して、結核菌H37Rv、らい菌、及び大腸菌のEF−Tu遺伝子の764bp断片(表1)を増幅した。製造業者の指示に従いTAクローニング・キット(Invitrogen)を用いて増幅産物をpCRIIベクターにクローニングした。正しい方向、大きさ、及び特異性で挿入配列を有する適当なクローンの選択が、制限酵素分析及びPCRにより決定された。
制限酵素BamHI及びHindIIIによるプラスミドの直鎖化の後、ポリリンカー領域内にクローニングされた挿入配列を、SP6/T7転写キット(Boehringer Mannheim)を用いてT7プロモーター部位から転写した。RQI DNAse(Promega)による消化によりDNA鋳型を除去し、製造業者のプロトコルに従いQiagenからのRNeasyキットによりRNAを精製した。標準的な手順に従い、アガロースゲル電気泳動及びジゴキシゲニン標識プローブTUF24を用いたノーザンブロッティングにより純度を確認した。260nmにおける吸光度を測定することにより、インビトロRNAを定量した。
RNA増幅
以前の記載[Vliet,G.M.E.van der,Schepers,P.,Schukkink,R.A.F.,Gemen,B.van and Klatser,P.R.(1994)RNA増幅によるミコバクテリア生存率の評価Antimicrob.Agents Chemother.38,1959−1965]に本質的に従い、NASBA技術により、結核菌、らい菌、及び大腸菌のEF−Tu mRNAのそれぞれ203、197、及び198ヌクレオチドの断片を増幅した。20μlの反応混合物は、40mMトリスHCl、pH8.5、12mM MgCl、70mM KCl、5mM DTT、1.5Mソルビトール、2.1mgのBSA、1mMの各dNTP、2mMのATP、CTP、UTP、1.5mMのGTP、及び0.5mM ITP、15%(v/v)DMSO、0.2mMのプライマー1及びプライマー2、0.08U RNaseH、32U T7RNAポリメラーゼ、6.4U AMV−RTポリメラーゼ、及びRNA標的からなっていた。RNA標的の等温増幅を、41℃で2.0時間これらの試料をインキュベートすることにより実施した。
増幅されたRNAの検出を、以前の記載[Gemen,B.van,Beuningen,R.van,Nabbe,A.,Strijp,D.van,Jurriaans,S.,Lens.P.,Kievits,T.(1994)電気化学発光(ECL)標識プローブを用いた1チューブ定量的HIV−1 RNA NASBA核酸増幅アッセイJ.Viol.Methods,49,1]に、5μlのNASBA増幅RNAをRNaseを含まない水で20倍に希釈するか、又は未希釈で使用するというわずかな改変を加え、ECL検出アッセイにおける溶液内ハイブリダイゼーションにより行った。NASBA産物の捕捉には5’−ビオチン化プローブを用いた。用いた検出プローブは、標識されたトリス[2,2−ビピリジン]ルテニウム[II]複合体であった。この標識は、電極の表面で起こる化学反応の結果として光を放出する。カットオフ値は3000に設定した。ECL検出アッセイは0から10の規模で測定した。
増幅の対照
NA抽出及び増幅の間に持ち越された混入物を確認するため、各実験に陰性対照(水のみ)を含ませた。これらの対照試料は、前記と同様にして抽出され、NASBAにより増幅された。
ミコバクテリアNASBAの感度及び特異性
NASBAの感度の決定のため、37℃で液体Tween/アルブミン培地において結核菌ATCC35801を増殖させた。培養開始時の濃度は8.10バクテリア/mlであった。420nmにおける吸光度を測定することにより、バクテリアの増殖をモニターした。培養の13日後、試料を採取し、溶解緩衝液で希釈した[Boom,R.,C.J.A.Sol,M.M.M.Salimans,C.L.Jansen,P.M.E.Wertheim−Van Dillen and J.Van der Noordaa(1990)核酸の精製のための迅速かつ簡便な方法J.Clin.Microbiol.28,495−503]。溶解緩衝液で段階希釈物を作製し、RNAを精製し[Boom,R.,C.J.A.Sol,M.M.M.Salimans,C.L.Jansen,P.M.E.Wertheim−Van Dillen and J.Van der Noordaa(1990)核酸の精製のための迅速かつ簡便な方法J.Clin.Microbiol.28,495−503]、陽性NASBAシグナルを与える最も高い希釈率を決定するため、各希釈物をNASBAで試験した。さらに、インビトロRNA(前記参照)の段階希釈物を用いて、NASBAの分析感度を決定した。NASBAの特異性を、異なる生物由来の精製されたRNAを用いて決定した(表1、前記参照)。
大腸菌NASBAの感度及び特異性
大腸菌をルリア・ブロス(LB)液体培地で37℃で18時間増殖させた。このようにして得られた懸濁液を新鮮な培地(1:200)(OD600nm=0.015)に接種し、旋回振とう機中で37℃で3時間15分間インキュベートした(OD600nm=0.430)。段階希釈物を作製し、mRNAを前記のようにして精製した。さらに、同希釈物をLB寒天プレートに播き、それを37℃で18時間インキュベートした後、コロニーを計数した。
インビトロRNA(前記参照)の段階希釈物を用いて、NASBAの分析感度を決定した。
結果:
NASBAの感度。インビトロ作製されたEf−Tu RNAを用いたNASBAの分析感度を、図1a及び1bに図示する。結核菌NASBA及びらい菌NASBAの両方が、50分子のRNAを検出した(図1a)。検出のための出発材料としてバクテリアを用いた場合の結核菌NASBAの検出限界は、12,000であった(結果は示していない)。
大腸菌NASBAの分析感度は100分子であることが示された(図1b)。検出のための出発材料としてバクテリアを用いた場合の大腸菌NASBAの検出限界は、0.4であった(結果は示していない)。
NASBAの特異性。結核菌NASBA及びらい菌NASBAの特異性を、それぞれ図2及び3に図示する。
結核菌NASBAは、M.ツベルクローシス・コンプレックスに属するバクテリアから精製されたRNAにのみ特異性を示した。さらに、図2に図示されるように、結核菌NASBAは、相同なインビトロ作製されたEF−Tu RNAを標的として用いた場合に、陽性反応を示した。
らい菌NASBAは、らい菌RNA及びその相同なインビトロ作製されたRNAにのみ特異性を示した。
実施例4:
大腸菌の生存率試験
LB液体培地で37℃で18時間大腸菌を増殖させた。このようにして得られた懸濁液を新鮮な培地に接種し(1:1000)(OD600nm=0.001)に接種し、旋回振とう機中で37℃で4時間インキュベートした。次に、懸濁液を二等分した。一方には、殺菌のための抗生物質:アンピシリン、リファンピリン、及びカナマイシン(それぞれ50μg/ml)の混合物を添加した。もう一方は未処理のままにしておいた。両者を37℃でさらに3時間30分間インキュベートした。30分毎に、600nmにおけるODをモニターし、各培養物から100の試料を採取し900の溶解緩衝液に添加した。mRNAを前記のようにして精製した(9)。さらに、試料(100)をLB寒天プレートに重層することにより、大腸菌の生存率をモニターした。37℃で18時間インキュベートした後、コロニーを計数した。
大腸菌を未処理のまま増殖させた場合、NASBAシグナルは増加し、その最大レベルに達した(図4)。しかし、対数増殖期の大腸菌培養物に抗生物質を添加した場合には、NASBAシグナルは抗生物質の添加の1時間後に減少した。このNASBAにより測定されたmRNAの減少は、生存数の減少と一致していた(図4)。

Claims (16)

  1. 伸長因子EF−TuをコードするmRNAが核酸増幅反応における標的として用いられ、かつ該mRNAの存在及び/又は量が決定される、バクテリアの生存率の評価のための方法。
  2. 核酸増幅反応が転写依拠増幅反応である、請求項1に記載の方法。
  3. 転写依拠増幅反応がNASBAである、請求項2に記載の方法。
  4. 増幅されたmRNAが、相補的な標識されたプローブを用いて検出される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. プローブに電気化学発光標識が供与されている、請求項に4記載の方法。
  6. バクテリアがミコバクテリア(Micobacteria)である、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. ミコバクテリアエの種が結核菌(M.tuberculosis)又はらい菌(M.leprae)である、請求項6に記載の方法。
  8. 10〜50ヌクレオチド長であり、かつ配列番号1〜8に記された配列のうちの一つ又はそれらの相補的配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドを含む、バクテリアEF−Tu mRNA配列の配列と実質的に相補的なオリゴヌクレオチド。
  9. それぞれ、配列番号1に記された配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドと、配列番号2に記された配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドとからなる、結核菌のEF−Tu遺伝子内の配列の増幅のためのオリゴヌクレオチド対。
  10. それぞれ、配列番号3に記された配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドと、配列番号4に記された配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドとからなる、らい菌のEF−Tu遺伝子内の配列の増幅のためのオリゴヌクレオチド対。
  11. それぞれ、配列番号5に記された配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドと、配列番号6に記された配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドとからなる、大腸菌(E.coli)のEF−Tu遺伝子内の配列の増幅のためのオリゴヌクレオチド対。
  12. それぞれ請求項9、10、又は11に記載のオリゴヌクレオチド対がEf−Tu mRNAを増幅するために用いられ、かつ増幅された核酸の存在及び/又は量が検出される、結核菌、らい菌、又は大腸菌の生存率の評価のための方法。
  13. 配列番号7に記された配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドを有する捕捉プローブと、配列番号8に記された配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドを有する標識された検出プローブとを用いたサンドイッチ・ハイブリダイゼーション・アッセイを用いて、結核菌又はらい菌の生存率が評価され、かつ増幅された核酸の検出が実施される、請求項12に記載の方法。
  14. 配列番号12に記された配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドを有する捕捉プローブ、及び配列番号13に記された配列の少なくとも10個の連続するヌクレオチドを有する標識された検出プローブを用いたサンドイッチ・ハイブリダイゼーション・アッセイを用いて、大腸菌の生存率が評価され、かつ増幅された核酸の検出が実施される、請求項12に記載の方法。
  15. −請求項9又は10に記載のオリゴヌクレオチド対、
    −検出可能な標識が供与された、増幅された核酸配列の少なくとも一部と実質的に相補的な核酸配列を含む少なくとも一つのオリゴヌクレオチド、
    −適当な増幅試薬
    を含む、試料中のミコバクテリアEF−Tu mRNAの検出のための試験キット。
  16. −請求項11に記載のオリゴヌクレオチド対、
    −検出可能な標識が供与された、増幅された核酸配列の少なくとも一部と実質的に相補的な核酸配列を含む少なくとも一つのオリゴヌクレオチド、
    −適当な増幅試薬
    を含む、試料中の大腸菌バクテリアEF−Tu mRNAの検出のための試験キット。
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