JP2011049289A - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、電気的信頼性を向上させる要求に応える配線基板を提供するものである。
【解決手段】本発明の一実施形態にかかる配線基板3は、第1樹脂層10aと、該第1樹脂層10a上面に部分的に形成された導電層11と、第1樹脂層10a上面に形成されるとともに導電層11の側面及び上面に被着された第2樹脂層10bと、を備え、導電層11は、銅からなる第1導電層11aと、該第1導電層11aと第1樹脂層10aとの間に介され、両者に当接した銅とスズとの合金からなる接着層11bと、を有し、接着層11bが第1導電層よりも厚みが小さい。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の一実施形態にかかる配線基板3は、第1樹脂層10aと、該第1樹脂層10a上面に部分的に形成された導電層11と、第1樹脂層10a上面に形成されるとともに導電層11の側面及び上面に被着された第2樹脂層10bと、を備え、導電層11は、銅からなる第1導電層11aと、該第1導電層11aと第1樹脂層10aとの間に介され、両者に当接した銅とスズとの合金からなる接着層11bと、を有し、接着層11bが第1導電層よりも厚みが小さい。
【選択図】 図2
Description
本発明は、電子機器(たとえば各種オーディオビジュアル機器、家電機器、通信機器、コンピュータ機器及びその周辺機器)等に使用される配線基板及びその製造方法に関するものである。
従来、電子機器における実装構造体としては、配線基板に電子部品を実装したものが使用されている。
特許文献1には、第1樹脂層と、該第1樹脂層上面に部分的に形成された銅からなる導電層と、前記第1樹脂層上面に形成されるとともに前記導電層を取り囲む第2樹脂層と、を備えた配線基板が記載されている。
第1及び第2樹脂層と、導電層と、は異なる熱膨張率を有する。このため、配線基板に電子部品を実装する際や実装構造体を使用する際に、配線基板に熱が印加されると、熱膨張率の違いに起因して第1及び第2樹脂層と導電層との間に熱応力が印加され、第1樹脂層及び第2樹脂層が剥離することがある。その結果、第1樹脂層上面と導電層下面との間に剥離が生じやすくなり、配線基板の電気的信頼性が低下しやすくなる。
本発明は、電気的信頼性を向上させる要求に応える配線基板を提供するものである。
本発明の一形態にかかる配線基板は、第1樹脂層と、該第1樹脂層上面に部分的に形成された導電層と、前記第1樹脂層上面に形成されるとともに前記導電層の側面及び上面に被着された第2樹脂層と、を備え、前記導電層は、銅からなる第1導電層と、該第1導電層と前記第1樹脂層との間に介され、両者に当接した銅とスズとの合金からなる接着層と、を有し、前記接着層が前記第1導電層よりも厚みが小さい。
本発明の一形態にかかる配線基板は、交互に積層された複数の樹脂層及び導電層を備え、最上層の前記樹脂層上面に形成された導電層は、銅からなる第1導電層と、該第1導電層と前記最上層の樹脂層との間に介され、両者に当接した銅とスズとの合金からなる接着層と、を有し、前記接着層が前記第1導電層よりも厚みが小さい。
本発明の一形態にかかる配線基板の製造方法は、導電体の銅からなる下面にスズを被着させる工程と、前記導電体のスズが被着した下面を、未硬化の樹脂材料を含む第1樹脂層前駆体に当接させる工程と、前記導電体及び前記第1樹脂層前駆体を加熱して前記樹脂材料を硬化させることにより、導電層と、該導電層が上面に接着した第1樹脂層を形成する工程と、前記第1樹脂層上に、前記導電層を取り囲むように第2樹脂層を形成する工程と、を備えている。
本発明の一形態にかかる配線基板及びその製造方法によれば、導電層の電気伝導度を高めつつ、第1樹脂層と導電層との接着強度を高めることができる。その結果、信号伝送特性及び電気的信頼性に優れた配線基板を得ることができる。
以下に、本発明の一実施形態に係る配線基板を含む実装構造体を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示した実装構造体1は、例えば各種オーディオビジュアル機器、家電機器、通信機器、コンピュータ装置又はその周辺機器などの電子機器に使用されるものである。この実装構造体1は、電子部品2及び配線基板3を含んでいる。
電子部品2は、例えばIC又はLSI等の半導体素子であり、配線基板3に半田等のバンプ4を介してフリップチップ実装されている。この電子部品2は、母材が、例えばシリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム砒素リン、窒化ガリウム又は炭化珪素等の半導体材料により形成されている。電子部品2としては、例えば、平均厚み、すなわち厚みの平均値が0.1mm以上1mm以下のものを使用することができる。
配線基板3は、コア基板5とコア基板5の両側に形成された一対の配線層6とを含んでいる。
コア基板5は、配線基板3の強度を高めつつ一対の配線層6間の導通を図るものであり、平均厚みが例えば0.3mm以上1.5mm以下に形成されている。このコア基板5は、基体7、スルーホールT、スルーホール導体8、及び絶縁体9を含んでいる。
基体7は、例えば樹脂により形成され、樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、芳香族液晶ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂又はポリエーテルケトン樹脂等を使用することができる。
また、基体7は、樹脂に被覆された基材を含んでも構わない。基材としては、繊維により構成された織布若しくは不織布又は繊維を一方向に配列したものを使用することができる。繊維としては、例えばガラス繊維、樹脂繊維、炭素繊維又は金属繊維等を使用することができる。また、基体7の熱膨張率は、例えば1ppm/℃以上16ppm/℃以下に設定されている。かかる熱膨張率は、ISO11359‐2:1999に準ずる。
基体7には、該基体7を厚み方向(Z方向)に貫通する複数のスルーホールTが設けられており、スルーホールTの内壁に沿ってスルーホール導体8が円筒状に形成されている。スルーホール導体8は、コア基板5の上下の配線層6を電気的に接続するものであり、例えば銅、銀、金、アルミニウム、ニッケル又はクロム等の導電材料により形成されたものを使用することができる。円筒状のスルーホール導体8の内部には、絶縁体9が柱状に形成されている。絶縁体9は、後述するビア導体12の支持面を形成するものであり、例えばポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂又はビスマレイミドトリアジン樹脂等の樹脂材料により形成されたものを使用することができる。
一方、コア基板5の両側には、上述した如く、一対の配線層6が形成されている。配線層6は、複数の樹脂層10と、基体7上又は樹脂層10間又は樹脂層10上に形成された複数の導電層11と、樹脂層10を貫通する複数のビア孔Vと、ビア孔Vの内部に形成された複数のビア導体12と、を含んでいる。導電層11及びビア導体12は、互いに電気的に接続されており、配線部を構成している。この配線部は、接地用配線、電力供給用配線及び/又は信号用配線を含む。
複数の樹脂層10は、導電層11を支持する支持部材として機能するだけでなく、導電層11同士の短絡を防ぐ絶縁部材として機能するものであり、平均厚みが例えば10μm以上50μm以下となるように形成されている。樹脂層10としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、芳香族液晶ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂又はポリエーテルケトン樹脂等樹脂等の樹脂材料により形成されたものを使用することができ、熱膨張率が例えば0ppm/℃以上60ppm/℃以下に設定されたものを使用することができる。
樹脂層10は、フィラー13を含有していることが望ましい。その結果、樹脂層10の熱膨張率を低減させることができる。フィラー13としては、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、又は水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、等のセラミック材料により形成されたものを用いることができ、熱膨張率が例えば−5ppm/℃以上10ppm/℃以下に設定されたものを用いることができる。
なお、図2に示すように、ある1層の樹脂層10を第1樹脂層10aとし、該第1樹脂層10上面に形成された樹脂層10を第2樹脂層10bとする。
複数の導電層11は、樹脂層10を介して厚み方向(Z方向)に互いに離間しており、平均厚みが、例えば2μm以上20μm以下に設定されている。導電層11は、図2に示すように、銅からなる第1導電層11aと、該第1導電層11aと第1樹脂層10aとの間に介され、両者に当接した銅とスズとの合金からなる接着層11bと、を含む。第1導電層11aにおける銅の含有量は、例えば99%以上に設定されている。また、接着層11bにおける銅の含有量は、例えば1%以上70%以下に設定されており、接着層11bにおけるスズの含有量は、例えば30%以上99%以下に設定されている。また、導電層11の熱膨張率は、例えば14ppm/℃以上18ppm/℃以下に設定されている。
なお、複数の導電層11の内、第1樹脂層10a上面に形成された導電層11は、該第1樹脂層10a上面に部分的に形成されており、第2樹脂層10bに取り囲まれている。
導電層11に電気的に接続されるビア導体12は、厚み方向に互いに離間した導電層11同士を相互に接続するものであり、コア基板5に向って幅狭となる柱状に形成されている。ビア導体12としては、例えば銅、銀、金、アルミニウム、ニッケル又はクロムの導電材料により形成されたものを使用することができ、熱膨張率が例えば14ppm/℃以上18ppm/℃以下に設定されたものを使用することができる。
ところで、配線基板3に熱が印加された場合、第1樹脂層10a及び第2樹脂層10bと、導電層11と、の熱膨張率の違いに起因して、第1樹脂層10aと第2樹脂層10bとが剥離することがある。また、第1樹脂層10aと導電層11との接着強度を高めるため、第1樹脂層10aの表面粗さを大きくすると、第1樹脂層10a上面の凹凸に起因して、平面方向(XY平面方向)にて隣接する導電層11同士が短絡しやすくなる。
一方、本実施形態の配線基板3においては、銅からなる第1導電層11aと第1樹脂層10aとの間に、両者に当接した銅とスズとの合金からなる接着層11bが介されており、接着層11bは第1導電層11aよりも厚みが小さい。それ故、スズは樹脂との化学的な親和性が銅よりも高く、電気伝導度が銅よりも低いため、導電層11の電気伝導度を高めつつ、接着層11bにより導電層11と第1樹脂層10aとの接着強度を高め、導電層11と第1樹脂層10aとの剥離を低減することができる。その結果、信号伝送特性及び電気的信頼性に優れた配線基板3を提供することができる。
また、本実施形態の配線基板3においては、表面粗さを大きくすることなく導電層11と第1樹脂層10aとの接着強度を高めることができるため、第1樹脂層10a上面の表面粗さを低減することができる。それ故、第1樹脂層10a上面の凹凸に起因した平面方向(XY平面方向)にて隣接する導電層11同士の短絡を低減できるため、隣接する導電層11同士をより近接させることにより、高密度配線の配線基板3を提供することができる。
なお、第1樹脂層10aの表面粗さは、Ra(算術平均粗さ)が0.1μm以上2μm以下に設定されていることが望ましい。また、Rz(十点平均高さ)が0.02μm以上0.5μm以下に設定されていることが望ましい。なお、表面粗さは、ISO4287:1997に準ずる。
接着層11bは、平均厚みが例えば5nm以上100nm以下に設定されている。また、接着層11bの平均厚みは、導電層11の平均厚みの例えば0.1%以上10%以下に設定されている。なかでも、接着層11bは、平均厚みが20nm以下に設定されていることが望ましい。その結果、導電層11と第1樹脂層10aとの接着強度を高めつつ、導電層11の電気伝導率を高めることができる。
接着層11bにおけるスズの含有量は、5%以上50%以下に設定されていることが望ましい。そその結果、導電層11と第1樹脂層10aとの接着強度を高めつつ、導電層11の電気伝導率を高めることができる。
導電層11の下面は、接着層11bにより被覆されていることが望ましい。その結果、導電層11と第1樹脂層10aとの接着強度をより高めることができる。
また、接着層11bのスズは、有機珪素化合物(シランカップリング剤)を介して第1樹脂層10aの樹脂と化学的に結合していることが望ましい。その結果、導電層11と第1樹脂層10aとの接着強度をより高めることができる。なお、有機珪素化合物としては、例えば反応性の異なる2種類の官能基を有するものを用いることができ、例えばγ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン又はN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を用いることができる。
また、第1樹脂層10aは、導電層11と当接する上面に、フィラー13を含まない樹脂部10azを有することが望ましい。その結果、スズと当接する樹脂の量を増加させることにより、第1樹脂層10aと導電層11との接着強度をより高めることができる。また、樹脂部10azはフィラー13を含まないことから絶縁性が高いため、樹脂部10azにより第1樹脂層10aの絶縁性を高め、第1樹脂層10aを介した導電層11同士の短絡を低減できる。なお、樹脂部10azの平均厚みは、0.1μm以上2μm以下に設定されていることが望ましい。また、樹脂部10azの平均厚みは、第1樹脂層10aの平均厚みの1%以上5%以下に設定されていることが望ましい。
また、導電層11は、第1導電層11a上に銅からなる第2導電層11cを有し、第1導電層11aと第2導電層11cとの間には、ニッケルクロム合金、チタン、モリブデン、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ又はタンタル等を含む介在層が介されていることが望ましい。その結果、第1導電層11aと第2導電層11cとの接着強度を高め、両者の剥離を抑制することができる。なお、第2導電層11cにおける銅の含有量は、例えば99%以上に設定されている。
また、導電層11は、ビア導体12との角部Cに接着層11bを有することが望ましい。その結果、接着層11により角部Cにおける機械的強度が向上するため、導電層11のクラックを低減することができる。また、角部Cにおいて、接着層11bに含まれるスズは、ビア導体12の銅と金属間化合物を形成していることが望ましい。その結果、角部Cにおける導電層11及びビア導体12の接着強度を向上させることができ、導電層11及びビア導体12の間のクラックを低減できる。
また、図3に示すように、最上層の樹脂層10上面に形成された導電層11は、銅からなる第1導電層11aと、該第1導電層11aと最上層の樹脂層10との間に介され、両者に当接した銅とスズとの合金からなる接着層11bと、を有する。その結果、上述した如く、接着層11bにより導電層11と最上層の樹脂層10aとの接着強度を高め、導電層11と最上層の樹脂層10aとの剥離を低減することができる。また、最上層の樹脂層10上面の表面粗さを低減することにより、導電層11同士の短絡を低減しつつより近接させることができるため、最も高密度配線が要求される最上層の樹脂層10上面において、高密度配線が可能な配線基板3を提供することができる。
なお、最上層の樹脂層10上面に形成された導電層11は、上述した第1樹脂層10a上面に形成された導電層11と同様の構成を有することが望ましい。また、最上層の樹脂層10は、上述した第1樹脂層10aと同様の構成を有することが望ましい。
かくして、上述した実装構造体1は、配線基板3を介して供給される電源や信号に基づいて電子部品2を駆動若しくは制御することにより、所望の機能を発揮する。
次に、上述した実装構造体1の製造方法を、図4から図13に基づいて説明する。
(1)図4aに示すように、コア基板5を準備する。具体的には、以下のように行う。
まず、基体7を準備する。基体7は、例えば、未硬化樹脂と基材とを含む複数の樹脂シートを積層し、加熱加圧して未硬化樹脂を硬化させることにより、作製することができる。なお、未硬化は、ISO472:1999に準ずるA‐ステージ又はB‐ステージの状態である。
次に、基体7をその厚み方向に貫通したスルーホールTを複数形成する。スルーホールTは、例えばドリル加工やレーザー加工等により形成することができる。
次に、スルーホールTの内壁に導電材料を被着させて、円筒状のスルーホール導体8を形成する。また、基体7の上面及び下面に導電材料を被着させて、導電材料層を形成する。導電材料の被着は、例えば無電解めっき、蒸着法、CVD法又はスパッタリング法等により行われる。
次に、円筒状のスルーホール導体8の内部に、樹脂材料等を充填し、絶縁体9を形成する。
次に、導電材料を絶縁体9の露出部に被着させた後、導電層材料層をパターニングすることにより、導電層11を形成する。導電材料の被着は、例えば無電解めっき法、蒸着法、CVD法又はスパッタリング法等により被着される。また、導電材料層のパターニングは、例えば、従来周知のフォトリソグラフィー技術、エッチング等を用いて行われる。
以上のようにして、コア基板5を作製することができる。
(2)図4bに示すように、導電層11上に、未硬化の第1樹脂層前駆体10axを形成する。第1樹脂層樹脂層10axは、例えば、未硬化の樹脂を導電層11上に配置し、該樹脂を加熱することにより形成される。かかる加熱は、樹脂の硬化開始温度未満で行われることが望ましい。
(3)図4c及び図5に示すように、銅はく11dと、銅はく11dの下面に形成されたニッケルクロム合金、チタン、モリブデン、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ又はタンタル等からなる介在層11eと、介在層11eの下面に形成された銅からなる第1導電層11aと、第1導電層の下面に形成されたスズからなる接着層11bと、を有する導電体11xを準備する。具体的には以下のように行う。
まず、銅はく11dを準備する。次に、スパッタリング法又は蒸着法等により、銅はく11dの下面に介在層11eを形成する。次に、スパッタリング法、蒸着法又は無電解めっき法等により、介在層11eの下面に第1導電層11aを形成する。次に、置換めっき法により、第1導電層11aの下面の銅をスズに置換し、接着層11bを形成する。次に、シランカップリング剤で処理することにより、接着層11bの下面に有機珪素化合物を化学的に結合させる。
ここで、置換めっき法を用いて接着層11bを形成することにより、接着層11bの平均厚みを、例えば5nm以上100nm以下、更には20nm以下と薄く形成することができるため、配線基板3の導電層11と第1樹脂層10aとの接着強度を高めつつ、導電層11に含まれる銅の割合を高めて、導電層11の電気伝導性を高めることができる。また、置換めっき法を用いて接着層11bを形成することにより、接着層11bの平均厚みをより均一に形成することができるため、接着層11の下面をより平坦に形成することができる。また、置換めっき法を用いて接着層11bを形成することにより、第1導電層11aの下面全体を接着層11bにより被覆することができるため、導電体11xにおける第1導電層11aの銅の酸化や局部的な孔食を抑制できる。
以上のようにして、導電体11xを作製することができる。
(4)図6乃至9に示すように、第1導電層11aが接着層を介して接着した第1樹脂層10aを形成する。具体的には、以下のように行う。
まず、図6及び図7に示すように、導電体11xの接着層11bを第1樹脂層前駆体10axに当接させる。次に、図8に示すように、導電体11x及び第1樹脂層前駆体10axを第1樹脂層前駆体10axの樹脂の硬化開始温度以上熱分解温度未満にて上下方向に加熱加圧することにより、第1樹脂層前駆体10axの樹脂を硬化させて第1樹脂層10aにするとともに第1樹脂層10aに接着層11bを介して導電体11xを接着させる。次に、図9に示すように、水溶液を用いた湿式法により銅はく11dをエッチングした後、異なる水溶液を用いた湿式法により介在層11eをエッチングして、第1樹脂層10a上に形成された第1導電層11a及び接着層11bから銅はく11d及び介在層11eを除去する。
なお、湿式法に用いる水溶液としては、塩酸及び硫酸の混合液、過酸化水素水及び水酸化ナトリウム水溶液の混合液、塩化第2鉄水溶液、塩化第2銅水溶液又は硫酸銅水溶液等、エッチングする金属に適した水溶液を適宜選択して用いることができる。また、硬化開始温度は、樹脂が、ISO472:1999に準ずるC‐ステージの状態となる温度である。また、熱分解温度は、ISO11358:1997に準ずる熱重量測定において、樹脂の質量が5%減少する温度である。
ここで、図7及び図8に示すように、第1樹脂層前駆体10axを上下方向に加熱加圧した際、第1樹脂層前駆体10axの樹脂が流動するとともにフィラーが沈下するため、導電体11xと当接する第1樹脂層10aの上面にフィラー13を含まない樹脂部10azを形成することができる。
また、第1樹脂層前駆体10axを上下方向に加熱加圧した際、接着層11bに含まれるスズと、接着層11bに当接した第1導電層11aの下面に含まれる銅と、が合金化するため、接着層11bは、スズと銅の合金により形成される。
また、介在層11eをエッチングした際、第1導電層10a上面に微量の介在層11eが残存することがある。残存した介在層11eは、配線基板3の導電層11において、第1導電層10aと第2導電層10bとの間に介された介在層を構成する。
以上のようにして、第1導電層11aが接着層11bを介して上面に接着した第1樹脂層10aを形成することができる。
(5)図10乃至図13aに示すように、導電層11及びビア導体12を形成する。具体的には、以下のように行う。
まず、図10に示すように、第1樹脂層10a、第1導電層11a及び接着層11bにビア孔Vを形成し、ビア孔V内にコア基板5上の導電層11の少なくとも一部を露出させる。ビア孔Vの形成は、例えば、レーザー加工により行うことができる。レーザー加工の際に生じる炭化した樹脂は、デスミア処理を行うことにより除去することができる。
次に、図11に示すように、第1導電層11a上に第2導電層11cを形成するとともに、ビア孔Vにビア導体12を形成する。第2導電層11c及びビア導体12は、例えば無電解めっきを行った後、電気めっきを行うことにより形成することができる。また、第2導電層11Cは、例えばレジストを用いることにより、所望の形状に形成する。
次に、図12及び図13aに示すように、露出した第1導電層11a及び接着層11bをエッチングして除去することにより、所望の形状の導電層11を形成することができる。かかるエッチングは、例えば湿式法により行うことができ、かかる湿式法に用いる水溶液としては、塩酸及び硫酸の混合液、過酸化水素水及び水酸化ナトリウム水溶液の混合液、塩化第2鉄水溶液、塩化第2銅水溶液又は硫酸銅水溶液等、エッチングする金属に適した水溶液を適宜選択して用いることができる。
ここで、ビア孔V形成の際、接着層11bがビア孔V内壁の上部に露出する。それ故、ビア孔Vにビア導体12を形成すると、配線基板3の製造工程又は電子部品2の実装工程等における加熱により、角部Cにおいて接着層11bのスズがビア導体12の銅と金属間化合物を形成するため、接着層11bとビア導体12との接着強度を向上させることができる。
また、第1導電層11a及び接着層11bをエッチングする際、接着層11bはスズを含むことから、銅からなる第1導電層11aと比較してエッチングに対する耐性が高いため、導電層11下面の面積をより大きく形成することができ、導電層11と第1樹脂層10aとの接着強度を高めることができる。
以上のようにして、導電層11及びビア導体12を形成することができる。
(6)図13bに示すように、(2)乃至(5)の工程を繰り返すことにより、第2樹脂層10b、導電層11及びビア導体12を形成することにより、配線層6を形成する。
以上のようにして、配線基板3を作製することができる。
(7)配線基板3にバンプ4を介して電子部品2をフリップチップ実装することにより、図1に示す実装構造体1を作製することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良、組み合わせ等が可能である。
例えば、上述した実施形態において、2層の樹脂層により配線層を形成した構成を例に説明したが、樹脂層は3層以上であっても構わない。
1 実装構造体
2 電子部品
3 配線基板
4 バンプ
5 コア基板
6 配線層
7 基体
8 スルーホール導体
9 絶縁体
10 樹脂層
10a 第1樹脂層
10ax 第1樹脂層前駆体
10ay 樹脂部
10b 第2樹脂層
11 導電層
11a 第1導電層
11b 接着層
11c 第2導電層
11d 銅はく
11e 介在層
11x 導電体
12 ビア導体
13 フィラー
T スルーホール
V ビア孔
C 角部
2 電子部品
3 配線基板
4 バンプ
5 コア基板
6 配線層
7 基体
8 スルーホール導体
9 絶縁体
10 樹脂層
10a 第1樹脂層
10ax 第1樹脂層前駆体
10ay 樹脂部
10b 第2樹脂層
11 導電層
11a 第1導電層
11b 接着層
11c 第2導電層
11d 銅はく
11e 介在層
11x 導電体
12 ビア導体
13 フィラー
T スルーホール
V ビア孔
C 角部
Claims (10)
- 第1樹脂層と、該第1樹脂層上面に部分的に形成された導電層と、前記第1樹脂層上面に形成されるとともに前記導電層の側面及び上面に被着された第2樹脂層と、を備え、
前記導電層は、銅からなる第1導電層と、該第1導電層と前記第1樹脂層との間に介され、両者に当接した銅とスズとの合金からなる接着層と、を有し、
前記接着層が前記第1導電層よりも厚みが小さいことを特徴とする配線基板。 - 請求項1に記載の配線基板において、
前記導電層の下面は、前記接着層により被覆されていることを特徴とする配線基板。 - 請求項1に記載の配線基板において、
前記接着層のスズは、有機珪素化合物を介して前記第1樹脂層の樹脂と化学的に結合していることを特徴とする配線基板。 - 請求項1に記載の配線基板において、
前記第1樹脂層は、樹脂とフィラーとを含み、
前記第1樹脂層は、前記導電層と当接する上面に前記フィラーを含まない樹脂部を有することを特徴とする配線基板。 - 請求項1に記載の配線基板と、
前記配線基板上に搭載され、前記導電層と電気的に接続された電子部品と、
を備えたことを特徴とする実装構造体。 - 交互に積層された複数の樹脂層及び導電層を備え、
最上層の前記樹脂層上面に形成された導電層は、銅からなる第1導電層と、該第1導電層と前記最上層の樹脂層との間に介され、両者に当接した銅とスズとの合金からなる接着層と、を有し、
前記接着層が前記第1導電層よりも厚みが小さいことを特徴とする配線基板。 - 導電体の銅からなる下面にスズを被着させる工程と、
前記導電体のスズが被着した下面を、未硬化の樹脂材料を含む第1樹脂層前駆体に当接させる工程と、
前記導電体及び前記第1樹脂層前駆体を加熱して前記樹脂材料を硬化させることにより、導電層と、該導電層が上面に接着した第1樹脂層を形成する工程と、
前記第1樹脂層上に、前記導電層を取り囲むように第2樹脂層を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする配線基板の製造方法。 - 請求項7に記載の配線基板の製造方法において、
前記スズを被着させる工程は、
前記導電体下面の銅をスズに置換することにより、導電体の下面にスズを被着させる工程を有することを特徴とする配線基板の製造方法。 - 請求項7に記載の配線基板の製造方法において、
第1樹脂層を形成する工程は、
前記導電体及び前記第1樹脂層前駆体を加熱して、前記導電体の下面にて銅とスズとを合金化させつつ前記樹脂材料を硬化させることにより、下面に銅とスズとの合金からなる接着層を有する導電層と、該導電層が上面に接着した第1樹脂層を形成する工程を有することを特徴とする配線基板の製造方法。 - 請求項7に記載の配線基板の製造方法により得られた配線基板に、電子部品を搭載するとともに、該電子部品を前記導電層に電気的に接続させる工程を備えたことを特徴とする実装構造体の製造方法。
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