JP2011046311A - 内装部材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ミシンにより表皮材にステッチを設ける際に、該表皮材の屈曲部に皺が形成されるのを防止する。
【解決手段】
表皮材50は、可撓性を有する表層50Aと、クッション性を有する裏層50Bとからなり、屈曲部56に対応する部位に、当該部位に連なる薄肉部58が設けられている。薄肉部58は、屈曲部56に向けて裏層50Bの厚みが漸次小さくなり、該屈曲部56において該裏層50Bの厚みが最小となるよう形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、屈曲する形状の装着面を備えた基材と、前記基材の装着面に合わせて屈曲部を有するよう形成されて該装着面に装着される表皮材とを備える内装部材と、この内装部材を製造する方法に関するものである。
自動車等の車両における乗員室内には、インストルメントパネル、フロアコンソール、ドアパネル等の種々内装部材が配設されている。この内装部材は、乗員室内の質感や雰囲気に大きく寄与する部材であるため、所要形状に成形された合成樹脂製の基材の外側に、表皮材を装着して質感を向上したものがある。前記表皮材は、種々材質のものが実用化されており、例えば織布製、編布製、合成樹脂製または本革製のもの等がある。
前記合成樹脂製の表皮材は、製造方法から分類すると、合成樹脂シート材から真空(圧空)成形されたもの、合成樹脂粉末からパウダースラッシュ成形されたもの、ウレタン材料からスプレー成形されたもの、等が実用化されている。そして、合成樹脂シート材から成形された表皮材は、熱可塑性エラストマ(TPO)等からなって可撓性を有する表層と、ポリプロピレンフォーム(PP発泡体)等からなってクッション性を有する裏層とからなる2層構造のものも実用化されている。なお、合成樹脂製の表皮材は、成形技術の革新および成形自由度に伴い、車両内装部材の複雑の外面意匠形状を単一の表皮材で立体成形することが可能である。また、合成樹脂製の表皮材は、本革の風合いを演出するためにシボ模様等が外表面に再現されている。
一方、前記本革製の表皮材は、質感が高いものの、素材が高価で製造コストが嵩むと共に素材数に限りがあるため、一部の高級車にのみ実施されている。そして、本革製の表皮材は、素材の本革が伸縮性および賦型性が劣るため、所要形状に裁断した複数の本革シート材を糸で相互に縫合することで、内装部材の外面意匠形状に合わせて立体形状を作り出すようになっている。すなわち、本革製の表皮材は、糸を縫って設けられるステッチを有することが特徴となっている。
なお、近年においては、ミシンを使用して糸によるステッチを設け、前記本革製の表皮材の質感を付与した合成樹脂製の表皮材も実用化されつつある。このようなステッチを設けた合成樹脂製の表皮材を備える内装部材は、例えば特許文献1に開示されている。
特公昭63−65486号公報
図7は、ステッチS1を設けた合成樹脂製の表皮材20を、基材10の外面に装着して構成される内装部材G1を、単純な形状でかつ破断して示す斜視図である。前記表皮材20は、図8(a),(b)に示すように、合成樹脂シート材から真空成形されて表層20Aおよび裏層20Bからなる積層構造をなし、逆トレー状をなす基材10の外面形状に合わせて、前面表皮部22と、この前面表皮部22に対して屈曲部26,26で屈曲した側面表皮部24とを備えている。そして表皮材20には、前面表皮部22から側面表皮部24に亘り、屈曲部26と交差して延在するステッチS1が糸Lにより設けられている。
図9および図10(a)は、ミシンMにより、前記表皮材20に前記ステッチS1を形成する作業状態を概略的に示す説明図である。表皮材20は、屈曲部26において前面表皮部22と側面表皮部24とが屈曲しているため、図10(a)に2点鎖線で示すように、該表皮材20をミシンMのテーブル30に載せると屈曲部26の裏側が該テーブル30の上面から浮いてしまう。従って、ステッチS1を形成する際には、屈曲部26の近傍をテーブル30に押付けて表皮材20を該屈曲部26で変形させ、前面表皮部22の屈曲部26近傍および側面表皮部24の屈曲部26近傍とを略平面状とする。
しかし、従来の表皮材20では、図8に示すように、屈曲部26に対応した部位において、裏層20Bの厚みが全体的に同じ(等厚)になっている。しかも、表層20Aと裏層20Bとは、屈曲部26の屈曲方向において内外の関係となっているから、裏層20Bより表層20Aの方が長くなっている。更に裏層20Bは、圧縮変形は発現し易いが、厚さ方向と交差する面方向へ引張った際の伸張変形が発現し難い。このため、図10(b)に示すように、側面表皮部24を前面表皮部22に対して略平面状となるように屈曲部26を変形させると、裏層20Bが屈曲部26で伸張変形し難いために表層20Aが屈曲部26において圧縮され、これにより該表層20Aが屈曲部26において外方へ膨らむように変形する。
従って、表皮材20の表層20Aが屈曲部26で膨らんだ状態で、該表皮材20をテーブル30と押さえ32とで上下に挟みながら縫製針34によりステッチS1を形成すると、テーブル30と押さえ32とで挟持された表層20Aの前記膨らんだ部分が押し潰されてしまう。このため、屈曲部26に沿った皺が表層50Aに形成されてしまい、内装部材G1の質感低下を招来する。また、屈曲部26において表層20Aが膨らんだ状態でステッチS1を形成した場合には、表皮材20が図8に示した元の形状に変形させると、該ステッチS1の糸Lが突っ張るようになる。従って、屈曲部26においてステッチS1が表皮材20に食い込んで皺が形成され、これによっても内装部材G1の質感低下を招来する。
そこで本発明は、前述した課題を解決するため、ミシンにより表皮材にステッチを設ける際に、該表皮材の屈曲部に皺が形成されて質感が低下するのを防止する内装部材と、この内装部材を製造する方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、
屈曲する形状の表皮装着面を備えた基材と、前記表皮装着面に合わせて屈曲部を有するよう形成されて該表皮装着面に装着される表皮材とを備える内装部材において、
前記表皮材は、
前記内装部材の表側を構成し、可撓性を有する表層と、
前記表層と前記基材の間を構成し、クッション性を有する裏層と、
前記屈曲部と交差して延在し、前記表層および裏層を糸で縫って設けられるステッチとを備え、
前記表皮材は、少なくとも前記屈曲部に対応する部位に、当該部位に連なる裏層の厚みが薄くなった薄肉部、または表層だけで構成される欠肉部が設けられたことを特徴とする。
従って、請求項1に係る発明によれば、表皮材の屈曲部において、ステッチが設けられた部位の近傍に皺が形成されておらず、内装部材の質感が低下しない。また表皮材は、屈曲部において裏層が薄肉化または欠肉化されているので、基材に表皮材を装着した際に基材の屈曲部に該表皮材の表層を沿わせ易くなり、特に基材の屈曲部が角張っている場合には、表皮材を装着しても角張った形状が再現され得る。
請求項2に記載の発明は、
前記薄肉部は、前記屈曲部に向けて前記裏層の厚みが漸次小さくなり、該屈曲部において該裏層の厚みが最小となるように形成されたことを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、基材に装着した表皮材のクッション性が屈曲部の近傍において急激に変化することがなく、表皮材の触感低下を防止し得る。
請求項3に記載の発明は、
屈曲する形状の表皮装着面を備えた基材と、前記表皮装着面に合わせて屈曲部を有するよう形成されて該表皮装着面に装着される表皮材とを備える内装部材の製造方法において、
可撓性を有する表層および該表層の裏側に設けられてクッション性を有する裏層からなる合成樹脂シート材を、真空引きされる第1成形型および該第1成形型と型閉めされる第2成形型で挟持することで、前記表皮装着面に合わせて賦形して屈曲部を形成すると共に、前記裏層の少なくとも前記屈曲部に相当する部位を押し潰して、当該部位に連なる該裏層の厚みより薄い薄肉部を有する表皮材を成形し、
前記屈曲部を伸ばすように前記表皮材を変形させたもとで、前記表層および裏層を糸で縫って該屈曲部と交差して延在するステッチを設け、
前記ステッチを設けた表皮材を、前記基材の表皮装着面に装着することを特徴とする。
従って、請求項3に係る発明によれば、表皮材を屈曲部で変形させた際に、屈曲部において表層が膨らむように変形するのを低減し得る。よって、表皮材を屈曲部で変形させて、ミシンにより屈曲部を交差するステッチを設ける際に、屈曲部において表層に皺が形成されるのを防止でき、表層に皺が形成されることによる内装部材の質感低下を阻止し得る。
本発明に係る内装部材によれば、表皮材の屈曲部において、ステッチが設けられた部位の近傍に皺が形成されておらず、内装部材の質感が低下しない。
また、別の発明に係る内装部材の製造方法によれば、表皮材に屈曲部と交差するステッチを設ける際に該屈曲部に皺が形成されるのを防止でき、皺による内装部材の質感低下を阻止し得る。
実施例の内装部材を、破断して示す斜視図である。 (a)は、実施例の表皮材の非変形状態における屈曲部近傍の断面図であり、(b)は、(a)のA部拡大図である。 ミシンにより表皮材にステッチを設ける状態を示す説明斜視図である。 (a)は、表皮材を屈曲部で変形させてテーブルに押付け、ステッチを設けている状態を示す説明図であり、(b)は、(a)の状態における表皮材の屈曲部の拡大断面図である。 (a)は、表皮材を成形する真空成形型の構成を示す断面図であり、(b)は、真空成形型により合成樹脂シート材から表皮材を成形している状態を示す断面図である。 (a)は、屈曲部が表層だけで形成された欠肉部を設けた表皮材を示す部分断面図であり、(b)は、屈曲部が角張った形状に形成された表皮材を示す部分断面図である。 従来の内装部材を、破断して示す斜視図である。 (a)は、従来の表皮材の非変形状態における屈曲部近傍の断面図であり、(b)は、(a)のB部拡大図である。 ミシンにより表皮材にステッチを設ける状態を示す説明斜視図である。 (a)は、表皮材を屈曲部で変形させてテーブルに押付け、ステッチを設けている状態を示す説明図であり、(b)は、(a)の状態における表皮材の屈曲部の拡大断面図である。
次に、本発明に係る内装部材につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。本願の内装部材Gは、車両の乗員室内に配設されるインストルメントパネル、フロアコンソール、ドアパネル等の車両内装部材や、種々家具等の住宅内装部材等が対象とされる。このような種々内装部材は、複雑な外面意匠形状に形成されている場合が多いが、実施例では説明の便宜上、単純な形状で例示する。
図1は、実施例に係る内装部材Gを、一部破断して示す概略斜視図である。実施例の内装部材Gは、予め所定形状に成形された表皮材50を、基材40の外面に装着して構成されている。また表皮材50には、糸Lを該表皮材50に縫うことでステッチSが設けられている。
基材40は、図示しないインジェクション成形型により、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等の樹脂素材からインジェクション成形された略矩形状の板状成形部材であり、平坦で矩形をなす本体部42と、この本体部42の両側から同一方向へ折曲成形された側体部44,44とから構成されている。そして、基材40の外面は、本体部42および両側体部44,44に亘る略「コ」字形の表皮装着面46となっており、該本体部42と側体部44,44との境界が屈曲してエッジが効いた凸縁部48,48となっている。また、図1に示すように、本体部42の側体部44側は、表皮材50の厚み設定に合わせて、凸縁部48に近づくにつれて厚みが漸次大きくなるよう傾斜面46Aが形成されている。更に、各側体部44の本体部42側は、表皮材50の厚み設定に合わせて、凸縁部48に近づくにつれて厚みが暫時大きくなるように傾斜面46Bが形成されている。すなわち表皮装着面46は、表皮材50を該表皮装着面46に装着した際に、該表皮材50の外面が内装部材Gの外面意匠形状となることを前提とした形状に形成されている。
表皮材50は、内装部材Gの外側に露出して外面を構成する表層50Aと、この表層50Aに裏側に形成されて前記基材40に装着面46に密着する裏層50Bとからなり、これら表層50Aおよび裏層50Bをラミネートした積層構造をなしている。この表皮材50は、図5に示す真空成形型60を利用して、2層に形成された合成樹脂シート材Fから所定の外面意匠形状に成形され、基材40の外面形状に合わせて、本体部42に整合する前面表皮部52と、各側体部44,44に整合する側面表皮部54,54とを備えている。各側面表皮部54,54は、前面表皮部52に対して折曲した状態に形成されており、該前面表皮部52と各側面表皮部54,54との境界部が、基材40の各凸縁部48,48に整合する屈曲部56,56となっている。また表皮材50は、少なくとも屈曲部56,56に対応する部位に、当該部位に連なる裏層50Bの厚みが薄くなった薄肉部58が設けられている。
表層50Aは、塩化ビニルや熱可塑性エラストマ(TPO)等からなり、耐候性や耐摩耗性等に優れると共に、可撓性を有して弾性変形が可能な範囲が大きくなっている。この表層50Aの厚みT1は、0.3mm〜1.0mmとされるが、柔軟性や耐久性等を考慮すると0.4〜0.6mmのものが好適に使用される。なお前記屈曲部56は、図2(b)に示すように、表層50Aに小さなRが付与されて曲面状となっている。
裏層50Bは、10〜30倍の発泡倍率で成形されたポリプロピレンフォーム(PP発泡体)等からなり、適度のクッション性を有していて圧縮変形が可能となっている。そして裏層50Bは、表皮材50の各屈曲部56に対応する薄肉部58における厚みが、該薄肉部58以外の部位における厚みより薄くなっている。すなわち裏層50Bは、図2に示すように、前面表皮部52の裏側および側面表皮部54の裏側において、前記屈曲部56から所定の距離H(例えば10〜30mm)に離間した位置を境界として、この境界位置から屈曲部56側は、薄肉部58に対応する変厚部分51Aとして、該屈曲部56に向けて厚みが漸次小さくなるように形成されている。また裏層50Bは、前記境界位置から屈曲部56と反対側が、等厚部分51Bとして、厚みが全体的に略同一となっている。そして、薄肉部58における裏層50Bは、前記屈曲部56の裏側において厚みが最も薄くなっている。
なお、等厚部分51Bにおける裏層50Bの厚みT2は、1.5mm〜4.0mmとなっている。また、屈曲部56の裏側における裏層50Bの厚みT3は、1.0mm以下(1.0mm≧T3≧0)とされ、可能な限り薄くすることが望ましい。このように、裏層50Bの屈曲部56に相当する部位の厚みT3を1.0mm以下に薄肉化することで、ミシンMによりステッチS1を設ける際に表皮材50をテーブル30上に押さえ付けると、表層50Aが変形するに際して裏層50Bの厚みによる影響が少ないので、屈曲部56において該表層50Aが外方へ膨らむ変形が少なくなる。
図5は、2層構造の合成樹脂シート材Fから実施例の表皮材50を成形する真空成形型60を示す説明図である。この真空成形型60は、図5(a)に示すように、表皮材50における表層50Aの外面形状を規定する凹状の第1成形面64を備えた第1成形型62と、該表皮材50における裏層50Bの外面形状を規定する凸状の第2成形面68を備えた第2成形型66とを備えている。そして、第1成形面64の凹縁部64Aと第2成形面68の凸縁部68Aとにより表皮材50の屈曲部56が成形され、これら凹縁部64Aと凸縁部68Aとのクリアランス調整により、薄肉部58における裏層50Bの厚み調整が可能となっている。すなわち、第2成形面68に、凸縁部68Aに近づくにつれて第1成形面64へ近接する傾斜面68B,68Bを設けることにより、第1成形型62と第2成形型66とを型閉めした際の第1成形面64および第2成形面68のクリアランスが、凸縁部68Aおよび凹縁部64Aに近づくに従って小さくなっている。
従って、表皮材50は、図5(a)に示すように、第1成形型62と第2成形型66とを離間させて真空成形型60を型開きしたもとで、表層50Aおよび裏層50Bの各々が全体的に等厚である前記合成樹脂シート材Fを、該表層50Aが第1成形面64を指向すると共に該裏層50Bが第2成形面68を指向するようにセットする。そして、(図5(b))に示すように、第1成形型62より真空引きすると共に、該第1成形型62と第2成形型66とを近接移動させて真空成形型を型閉めし、第1成形面64と第2成形面68とで合成樹脂シート材Fを厚み方向から挟持する。この際に、表層50Aは殆ど圧縮変形せず、主にクッション性を有する裏層50Bが圧縮変形するので、前面表皮部52と側面表皮部54,54とが屈曲部56,56で屈曲する形状で、裏層50Bが各屈曲部56に向けて漸次薄くなると共に該屈曲部56で最も薄くなった薄肉部58を有する表皮材50が成形される。
ステッチSは、図1および図3に示したように、既存のミシンMにより一般的に実施されている縫製方法により、前記真空成形型60で成形された表皮材50に設けられるもので、該表皮材50の外面を飾る糸Lよりなる。そして、実施例の内装部材Gでは、ステッチSが、前面表皮部52から側面表皮部54に亘って屈曲部56と交差して延在するよう設けられている。
屈曲部56と交差するようにステッチSを設ける際には、図4(a)に示すように、屈曲部56の近傍部分をミシンMのテーブル30に上方から押付けて、該屈曲部56を伸ばすように表皮材50を変形させ、該屈曲部56を通過するようにステッチSを設ける。この際に、実施例の表皮材50では、前述したように、屈曲部56に対応する部位に裏層50Bを薄くした薄肉部58が設けられているので、屈曲部56で表層50Aが変形する際に、裏層50Bの厚みにより影響が少ない。従って、表皮材50がテーブル30と押さえ32とで挟まれても、表層50Aが外方へ膨らむように変形することが抑えられる。よって、表皮材20をテーブル30と押さえ32とで上下から挟んでも、表層50Aに屈曲部56に沿った皺が形成されない。
前述のように表皮材50に対してステッチSを設けたら、別工程でインジェクション成形した基材40の表皮装着面46に、裏層50Bを表皮装着面46に対向させた向きで、接着剤や両面テープ等により表皮材50を装着する。この際に、基材40の各凸縁部48,48に、表皮材50の各屈曲部56,56が整合する。
従って、実施例の内装部材Gによれば、次のような作用効果を奏する。
(1)表皮材50の屈曲部56,56において、ステッチSが設けられた部位およびその近傍に皺が形成されておらず、内装部材Gの質感が低下しない。
(2)表皮材50は、屈曲部56に対応する部位に裏層50Bを薄肉にした薄肉部58を設けたので、基材40に表皮材50を装着した際に基材の凸縁部48に該表皮材50の表層50Aを沿わせ易くなる。そして、基材40の凸縁部48が角張った形状に形成されている場合には、表皮材50を表皮装着面46に装着した際に、屈曲部56を角張った形状とし得る。
(3)表皮材50の裏層50Bは、薄肉部58に対応する変厚部分51Aを設けたことにより、基材40に装着した表皮材50のクッション性が屈曲部56の近傍において急激に変化することがなく、基材40に装着した表皮材50を外方から押しても弾力性に違和感がないので、表皮材50の触感低下を防止し得る。
(4)ステッチSを設ける際に表皮材50の屈曲部56に皺が形成されないので、該ステッチSの形成位置を自由に設定することができる。
また、実施例の内装部材の製造方法によれば、次のような作用効果を奏する。
(1)表皮材50の屈曲部56に対応する部位に、裏層50Bの厚みを薄くした薄肉部58を設けたので、屈曲部56を伸ばすように表皮材50を変形させて、ミシンMにより表皮材50に屈曲部56と交差するステッチSを設ける際に、屈曲部56に沿った皺が表層50Aに形成され難く、ステッチSを設ける作業を原因として皺が形成されることによる内装部材Gの質感低下を防止し得る。
(2)ステッチSを設けた後に表皮材50を元の形状に変形させても、該ステッチS1における糸Lの突っ張りが少ない。よって、表層50Aに、ステッチSによる皺が形成され難く、内装部材G1の質感低下を招来することを防止し得る。
(3)表皮材50の屈曲部56における裏層50Bの厚みは、該表皮材50を成形する真空成形型60の第1成形面64および第2成形面68のクリアランス調整により、簡単かつ自由に変更することが可能である。
(変更例)
(1)表皮材50の屈曲部56に対応する部位は、成形上の制約がなければ、図6(a)に示すように、表層50Aだけで構成された欠肉部59としてもよい。すなわち欠肉部59では、裏層50Bの厚みT3=0となっている。この場合には、表層50Aだけの変形により、表皮材50が屈曲部56で変形するようになり、縫製後に元の形状に戻しても表層50AにステッチSによる皺が形成されることを防止することができる。
(2)実施例および変更例では、屈曲部56が、小さなRが付与された曲面状をなす表皮材50を例示したが、前記屈曲部56は、図6(b)に示すように、角張った形状に形成されたものであってもよい。
(3)実施例では、単純な形状の内装部材を例示したが、該内装部材は様々な外面意匠形状のものが対象とされる。
(4)実施例では、シングルタイプのステッチSを例示したが、このステッチSはこれに限らず、ダブルステッチや、様々な形態のものが実施可能である。
(5)表皮材50の薄肉部58は、全体が同じ厚みとしてもよい。この場合には、裏層50Bの変厚部分51Aは、等厚部分51Bより厚みが薄くなった等厚部分として形成される。
(6)表皮材50の薄肉部58または欠肉部59は、屈曲部56の長さ方向に沿って全体的に設けるようにしてもよいが、少なくともミシンMのテーブル30と押さえ32とにより挟まれる部分だけを薄肉化するようにしてもよい。
40 基材,46 表皮装着面,50 表皮材,50A 表層,50B 裏層,56 屈曲部
58 薄肉部,59 欠肉部,62 第1成形型,64 第2成形型,F 合成樹脂シート材
G 内装部材,S ステッチ

Claims (3)

  1. 屈曲する形状の表皮装着面を備えた基材と、前記表皮装着面に合わせて屈曲部を有するよう形成されて該表皮装着面に装着される表皮材とを備える内装部材において、
    前記表皮材は、
    前記内装部材の表側を構成し、可撓性を有する表層と、
    前記表層と前記基材の間を構成し、クッション性を有する裏層と、
    前記屈曲部と交差して延在し、前記表層および裏層を糸で縫って設けられるステッチとを備え、
    前記表皮材は、少なくとも前記屈曲部に対応する部位に、当該部位に連なる裏層の厚みが薄くなった薄肉部、または表層だけで構成される欠肉部が設けられた
    ことを特徴とする内装部材。
  2. 前記薄肉部は、前記屈曲部に向けて前記裏層の厚みが漸次小さくなり、該屈曲部において該裏層の厚みが最小となるように形成された請求項1記載の内装部材。
  3. 屈曲する形状の表皮装着面を備えた基材と、前記表皮装着面に合わせて屈曲部を有するよう形成されて該表皮装着面に装着される表皮材とを備える内装部材の製造方法において、
    可撓性を有する表層および該表層の裏側に設けられてクッション性を有する裏層からなる合成樹脂シート材を、真空引きされる第1成形型および該第1成形型と型閉めされる第2成形型で挟持することで、前記表皮装着面に合わせて賦形して屈曲部を形成すると共に、前記裏層の少なくとも前記屈曲部に相当する部位を押し潰して、当該部位に連なる該裏層の厚みより薄い薄肉部を有する表皮材を成形し、
    前記屈曲部を伸ばすように前記表皮材を変形させたもとで、前記表層および裏層を糸で縫って該屈曲部と交差して延在するステッチを設け、
    前記ステッチを設けた表皮材を、前記基材の表皮装着面に装着する
    ことを特徴とする内装部材の製造方法。
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