JP2011042978A - 扉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】緩衝手段の緩衝力を容易に調整できる扉装置を提供する。
【解決手段】扉装置1は、開方向に向って回動して開口部2を開口させ閉方向に向って回動して開口部2を閉鎖する扉体21を備える。扉体21には、扉体21の閉方向回動速度を徐々に減速させる緩衝手段41を設ける。緩衝手段41は、複数の収納部を形成したケース体42を有する。収納部には、緩衝体受け体9に当接して扉体21の閉方向回動速度を徐々に減速させる緩衝体43を脱着可能に収納する。緩衝体43を収納する収納部の変更により、緩衝手段41の緩衝力が調整可能となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、緩衝手段の緩衝力を容易に調整できる扉装置に関する。
従来、例えば特許文献1に記載された扉装置が知られている。
この従来の扉装置は、開方向に向って回動して開口部を開口させかつ閉方向に向って回動して開口部を閉鎖する左側扉体と、この左側扉体のヒンジ側の端部に取り付けられ左側扉体の閉方向への回動時に右側扉体のヒンジ側の端面に当接して左側扉体の閉方向回動速度を徐々に減速させるエアーダンパー或いはオイルダンパー等の緩衝手段とを備えている。
特開2008−156906号公報
しかしながら、上記従来の扉装置では、確かに、開口部の閉鎖の際に両扉体に作用する衝撃力を緩衝手段で緩和できるが、例えば緩衝手段の緩衝力の調整が必要となった場合には、緩衝手段自体を交換しなければならず、緩衝力の調整には手間を要するという問題がある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、緩衝手段の緩衝力を容易に調整できる扉装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の扉装置は、開方向に向って回動して開口部を開口させ、閉方向に向って回動して前記開口部を閉鎖する扉体と、この扉体に設けられ、前記扉体の閉方向回動速度を徐々に減速させる緩衝手段とを備え、前記緩衝手段は、複数の収納部を有するケース体と、前記収納部に脱着可能に収納され、前記扉体の閉方向への回動時に被当接部に当接して前記扉体の閉方向回動速度を徐々に減速させる緩衝体とを有し、前記緩衝体を収納する前記収納部の変更により、前記緩衝手段の緩衝力が調整可能となっているものである。
請求項2記載の扉装置は、開方向に向って回動して開口部を開口させ、閉方向に向って回動して前記開口部を閉鎖する扉体と、この扉体に設けられ、前記扉体の閉方向回動速度を徐々に減速させる緩衝手段とを備え、前記緩衝手段は、複数の収納部を有するケース体と、前記収納部に脱着可能に収納され、前記扉体の閉方向への回動時に被当接部に当接して前記扉体の閉方向回動速度を徐々に減速させる緩衝体とを有し、前記収納部に収納する前記緩衝体の数の変更により、前記緩衝手段の緩衝力が調整可能となっているものである。
請求項3記載の扉装置は、開方向に向って回動して開口部を開口させ、閉方向に向って回動して前記開口部を閉鎖する扉体と、この扉体に設けられ、前記扉体の閉方向回動速度を徐々に減速させる緩衝手段と、位置変更可能な被当接部とを備え、前記緩衝手段は、収納部を有するケース体と、前記収納部に収納され、前記扉体の閉方向への回動時に前記被当接部に当接して前記扉体の閉方向回動速度を徐々に減速させる緩衝体とを有し、前記被当接部の位置変更により、前記緩衝手段の緩衝力が調整可能となっているものである。
請求項4記載の扉装置は、請求項1ないし3のいずれか一記載の扉装置において、扉体である一方側扉体に回動可能に連結された他方側扉体を備え、前記一方側扉体および前記他方側扉体の両方に緩衝手段がそれぞれ設けられ、開口部の開口時に、前記一方側扉体に設けられた前記緩衝手段の緩衝体が前記他方側扉体に設けられた前記緩衝手段の緩衝体に当接するものである。
請求項5記載の扉装置は、請求項1ないし3のいずれか一記載の扉装置において、扉体である一方側扉体に回動可能に連結された他方側扉体を備え、開口部の開口時に、前記一方側扉体に設けられた緩衝手段の緩衝体が前記他方側扉体に当接するものである。
請求項6記載の扉装置は、請求項1ないし5のいずれか一記載の扉装置において、ケース体の収納部は、係合受け部を有し、緩衝体は、前記係合受け部との係合により前記緩衝体が前記収納部から抜け出ることを抑制する係合部を有するものである。
請求項7記載の扉装置は、請求項1ないし6のいずれか一記載の扉装置において、ケース体の収納部は、係合受け段部を内周面に有し、緩衝体は、前記係合受け段部との係合により前記緩衝体が前記収納部に対して回動することを規制する係合段部を外周面に有するものである。
請求項8記載の扉装置は、請求項1ないし7のいずれか一記載の扉装置において、緩衝体は、伸縮可能なオイルダンパおよびこのオイルダンパの外周面を覆うキャップを有し、前記オイルダンパが前記キャップを介して収納部に嵌合収納され、前記オイルダンパの伸縮に応じて前記キャップの先端側が前記収納部内に対して出入りするものである。
請求項1に係る発明によれば、緩衝体を収納する収納部の変更により緩衝手段の緩衝力が調整可能となっているため、緩衝手段の緩衝力を容易に調整できる。
請求項2に係る発明によれば、収納部に収納する緩衝体の数の変更により緩衝手段の緩衝力が調整可能となっているため、緩衝手段の緩衝力を容易に調整できる。
請求項3に係る発明によれば、被当接部の位置変更により緩衝手段の緩衝力が調整可能となっているため、緩衝手段の緩衝力を容易に調整できる。
請求項4に係る発明によれば、開口部の開口時に一方側扉体に設けられた緩衝手段の緩衝体が他方側扉体に設けられた緩衝手段の緩衝体に当接するため、開口部を開口させた際に両扉体に作用する衝撃力を緩和できる。
請求項5に係る発明によれば、開口部の開口時に一方側扉体に設けられた緩衝手段の緩衝体が他方側扉体に当接するため、開口部を開口させた際に両扉体に作用する衝撃力を緩和できる。
請求項6に係る発明によれば、緩衝体は係合受け部との係合により緩衝体が収納部から抜け出ることを抑制する係合部を有するため、緩衝体が収納部から不用意に抜け出ることを抑制できる。
請求項7に係る発明によれば、緩衝体は係合受け段部との係合により緩衝体が収納部に対して回動することを規制する係合段部を有するため、緩衝体が収納部に対して回動することを適切に規制できる。
請求項8に係る発明によれば、緩衝体のオイルダンパがキャップを介して収納部に嵌合収納され、オイルダンパの伸縮に応じてキャップの先端側が収納部内に対して出入りする構成であるため、オイルダンパからオイルが漏れたとしても、オイルを収納部内に保持でき、オイルが収納部外へ漏れ出ることを防止できる。
本発明の一実施の形態に係る扉装置の下方側斜視図である。 同上扉装置の下方側斜視図である。 同上扉装置の下方側斜視図である。 同上扉装置の部分断面図である。 同上扉装置の緩衝手段の斜視図である。 同上緩衝手段の分解斜視図である。 同上緩衝手段の平面図である。 同上緩衝手段の後面図である。 図8におけるA−A断面図である。 同上緩衝手段の緩衝体が緩衝体受け体に当接した状態を示す図である。 図10の場合に比べて緩衝手段の緩衝力が弱い状態を示す図である。 図10の場合に比べて緩衝手段の緩衝力が強い状態を示す図である。 2本の緩衝体を用い、図10の場合に比べて緩衝手段の緩衝力が強い状態を示す図である。 3本の緩衝体を用い、図12の場合よりも緩衝手段の緩衝力が強い状態を示す図である。 本発明の他の実施の形態に係る扉装置の部分平面図である。 (a)および(b)は、同上扉装置の下方側部分斜視図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る扉装置の下方側斜視図である。 同上扉装置の下方側斜視図である。 同上扉装置の下方側斜視図である。
本発明の一実施の形態を図1ないし図14を参照して説明する。
図1ないし図4において、1は折り戸式の扉装置で、この扉装置1は、例えば図示しない住宅用の収納装置の収納本体の前部に取り付けられ、収納装置の前面扉部分を構成する。なお、図3および図4に示す矢印方向を左右、上下および前後の方向として以下説明する。
扉装置1は、図1ないし図4に示されるように、収納装置内に対して被収納物を出し入れするための略矩形状の前面開口である開口部2を介して、互いに離間対向する上下方向長手状の左右1対の側枠5を備えている。
両側枠5の上端部相互が左右方向長手状の上枠6にて連結されている。上枠6は、レール用凹溝部7を下面側に有し、このレール用凹溝部7には左右方向長手状の上案内体である上ガイドレール8が設けられている。上ガイドレール8は、左右方向長手状で互いに向き合った断面略C字状をなす前後1対で2つのレール部8aを有している。
上枠6の後部には、左右方向長手状の被当接部(ダンパ受け部)である緩衝体受け体9が上枠6に沿って上ガイドレール8と平行状に設けられている。
このL型受けレール等の緩衝体受け体9は、水平状の取付板部11を有し、この取付板部11が上枠6の後部下面に固定的に取り付けられている。取付板部11の後端部から受け板部12が下方に向って突出している。取付板部11の前後方向略中央部から立上り板部13が上方に向って突出し、この立上り板部13が上枠6の後面に接触している。立上り板部13の上端部と取付板部11の後端部とが後下り傾斜状の連結板部14にて連結されている。
なお、レール状の緩衝体受け体9は、上ガイドレール8とは別体のものであり、この緩衝体受け体9の左右方向長さ寸法は上ガイドレール8の左右方向長さ寸法と略同じである。
両側枠5の下端部相互が左右方向長手状の下案内体である下ガイドレール18にて連結されている。そして、上ガイドレール8と下ガイドレール18とが開口部2を介して上下に互いに離間対向している。
また、扉装置1は、略矩形板状の一方側扉体(扉体)である左側扉体21と、この左側扉体21に連結手段であるヒンジ23を介して上下方向の軸線を中心として回動可能に連結された他方側扉体である右側扉体22とを備えている。
つまり、扉装置1は、開方向に向って回動して開口部2の左半部を開口させかつ閉方向に向って回動して開口部2の左半部を閉鎖する左側扉体21と、開方向に向って回動して開口部2の右半部を開口させかつ閉方向に向って回動して開口部2の右半部を閉鎖する右側扉体22と、これら両扉体21,22を回動可能に連結するヒンジ23とを備えている。そして、左右1対の扉体21,22とヒンジ23とにて、折り畳み可能な折り戸20が構成されている。
折り戸20は、両扉体21,22がともに閉位置に位置する平板状の非折畳状態(非屈曲状態)となって開口部2全体を閉鎖し、両扉体21,22がともに開位置に位置する平面視略V字状の折畳状態(屈曲状態)となって開口部2全体を開口させる。
ヒンジ23は、ばね内蔵式のもので、少なくとも扉体21,22の閉方向への回動時の終期、つまり閉方向回動終期に閉位置付近で扉体21,22を閉方向に付勢し扉体21,22を閉方向に向けて閉位置まで回動させるばね等の付勢体(図示せず)を内部に有している。つまり、開口部2を閉鎖するために、操作者が手で扉体21,22を押して閉方向に回動させた場合に、扉体21,22が閉位置に到達する前の閉位置近傍で手を離しても、ヒンジ23の付勢体の付勢力によって扉体21,22が閉位置まで回動し、これら両扉体21,22にて開口部2が確実に閉鎖される。
ここで、左側扉体21と右側扉体22とは、左右対称の構成であるため、以後は左側扉体21を中心に説明する。
左側扉体21の幅方向端部である左端部、つまりヒンジ23側とは反対の側端部における上端部には、左側扉体21の回動時に上ガイドレール8にて案内されながら左右方向に移動する上被案内体31が設けられている。
上被案内体31は、左側扉体21の左端部における上端部に固定的に取り付けられた取付部材32と、この取付部材32に回動可能に設けられたローラ支持部材33と、このローラ支持部材33にて回転可能に支持され上ガイドレール8のレール部8a内に位置する前後1対の走行ローラ34とを有している。そして、左側扉体21の回動時には、走行ローラ34は、前後方向の支軸35を中心として回転しながら上ガイドレール8のレール部8aに沿って左右方向に移動する。
また、左側扉体21の左端部における下端部には、左側扉体21の回動時に下ガイドレール18にて案内されながら左右方向に移動する下被案内体36が設けられている。
下被案内体36は、左側扉体21の下端面から下方に向って突出し下端部が下ガイドレール18内に位置するピン部材37を有している。そして、左側扉体21の回動時には、ピン部材37は、下ガイドレール18に沿って左右方向に移動する。
さらに、左側扉体21の左端近傍の上端部における後面側(裏面側)には、左側扉体21の閉方向回動終期に左側扉体21の閉方向回動速度を徐々に減速させるユニット状の緩衝装置である緩衝手段(後付けタイプの直動式折り戸用ソフトクローザ)41が設けられている。すなわち例えば1つの緩衝手段41が左側扉体21の上端部左端側に上被案内体31に近接して後付けにより取り付けられている。
緩衝手段41は、図5ないし図9に示されるように、水平方向である左右方向に並ぶ複数、例えば3つの収納部44を有するケース体42と、収納部44に脱着可能に嵌合収納され左側扉体21の閉方向への回動時の終期、つまり閉方向回動終期に緩衝体受け体9の受け板部12に当接してその受け板部12に沿って摺動しかつその受け板部12から受ける力で縮みながら左側扉体21の閉方向回動速度を徐々に減速させる伸縮可能な緩衝体43とを有している。
なお、図5ないし図9では、1つの緩衝体43が3つの収納部44のうちのいずれか1つの収納部44、例えば中央の収納部44に収納された状態が示されている。
ケース体42は、鉛直状で略矩形状の第1取付板部46と、この第1取付板部46の上端部から前方に向って突出し水平状で前端を頂点とした略3角形状をなす第2取付板部47とを有している。
第1取付板部46には取付用孔48が形成され、この取付用孔48からねじ(図示せず)が左側扉体21にねじ込まれることにより第1取付板部46が左側扉体21の後面の所定部位に固定的に取り付けられている。第2取付板部47には取付用孔49が形成され、この取付用孔49からねじ(図示せず)が左側扉体21にねじ込まれることにより第2取付板部47が左側扉体21の上面の所定部材に固定的に取り付けられている。
第1取付板部46の左右端部から左右1対の側板部51が後方に向って突出し、これら両側板部51の上端部相互が、連なった3つの同一形状の収納部44にて連結されている。
収納部44は、後面に開口面52を有してこの開口面52から後方に向って開口する略円筒状で、前後方向にやや長手状のものである。収納部44は、上端部に平板部分54を有し、この平板部分54には前後方向長手状で細長矩形状の長孔55が上下面に貫通して形成されている。平板部分54のうち長孔55の後端と臨んだ部分が、鉛直面状の抜け止め用の係合受け部56となっている。平板部分54の後端部下面には、前下り傾斜状の案内面57が形成されている。
また、収納部44は、内周面下部に互いに離間対向する回り止め用の左右1対の係合受け段部58を有している。この係合受け段部58は、前後方向長手状で、収納部44の内周面に収納部44の全長にわたって形成されている。なお、中央の収納部44の下端部と第1取付板部46の左右方向中央部との間には、略3角形状の補強板部59が設けられている。
緩衝体43は、例えば前後方向に伸縮可能な緩衝本体部であるオイルダンパ(ダンパ部)61と、このオイルダンパ61が内部に摺動可能に嵌入されこのオイルダンパ61の円筒面状の外周面を覆う覆い部であるキャップ62と、オイルダンパ61およびキャップ62間に配設されたワッシャ63とにて構成されている。
そして、オイルダンパ61がキャップ62を介してケース体42の収納部44に嵌脱可能に嵌合収納され、このオイルダンパ61の伸縮に応じてキャップ62の先端側(後端側)が収納部44内に対して出入りする。
ここで、オイルダンパ61は、図9に示されるように、略円筒状の筒状部材66と、この筒状部材66内に封入された流体であるオイル(図示せず)と、このオイルからの抵抗を受けながら筒状部材66に対して相対的に移動してこの筒状部材66内に対して出入りする略棒状の棒状部材67と、この棒状部材67の基端部および筒状部材66間に配設され棒状部材67を出方向に付勢し棒状部材67の先端側を筒状部材66から突出させるコイルばね等の付勢部材68とを有している。なお、付勢部材68の付勢力は、ヒンジ23の付勢体の付勢力に比べて弱く設定されている。
筒状部材66は、外周面が円筒面状をなす円筒部71を有し、この円筒部71の前端開口が円形状の前端板部72にて閉鎖され、この前端板部72の中央部には挿通孔73が形成され、また、円筒部71の後端開口が円形状の後端板部74にて閉鎖されている。
棒状部材67は、筒状部材66内でオイルからの抵抗を受けながら筒状部材66に対して相対的に移動する円板状のピストン部76を基端部に有し、このピストン部76からピストンロッド部77が前方に向って突出している。ピストン部76の外周面と円筒部71の内周面との間にオイルが流れる隙間75がある。また、ピストン部76と後端板部74との間に、付勢部材68が配設されている。ピストンロッド部77は、挿通孔73に摺動可能に挿通され、先端側である前端側が筒状部材66外に突出し、その前端面77aが収納部44の受け面78に当接している。つまり、図9から明らかなように、緩衝体43の伸縮時には、ケース体42の収納部44の受け面78に当接して位置決めされた棒状部材67に対してオイルダンパ61の筒状部材66がキャップ62と一体となって移動し、その結果、キャップ62の先端側が収納部44内に対して出入りする。
キャップ62は、内周面が円筒面状をなす円筒部81を有し、この円筒部81の後端開口が円形状の端板部82にて閉鎖され、また、円筒部81の前端開口は開口している。そして、円筒部81内にオイルダンパ61の筒状部材66が前端開口から嵌入され、この筒状部材66の前端部のみがキャップ62外に露出している。つまり、筒状部材66の円筒部71の外周面の略全体がキャップ62の円筒部81にて覆われ、筒状部材66の後端板部74がキャップ62の端板部82にて覆われ、筒状部材66の前端板部72のみがキャップ62外に位置する。また、後端板部74と端板部82とにてワッシャ63が挟持されている。
なお、キャップ62の端板部82にて緩衝体43の先端部が構成され、この緩衝体43の先端部が左側扉体21の閉方向回動終期に緩衝体受け体9の受け板部12に当接する当接部43aとなっている。この当接部43aの外周側は湾曲面状に形成されている。
また、キャップ62は、円筒部81の上面に上方に向って突出状に形成されケース体42の収納部44の長孔55内に位置する抜け止め用の突出状の係合部83を有している。この突出状の係合部83は、前方に向って徐々に突出量が減少する山形状に形成されている。
そして、係合部83は、ケース体42の収納部44の係合受け部56との係合により、緩衝体43のキャップ62がケース体42の収納部44から抜け出ることを抑制する。その一方、緩衝体43を収納部44から抜き取る際には、緩衝体43のキャップ62を後方へ強く引っ張って所定以上の力を加えると、係合部83と係合受け部56との係合が解除される。
なお、緩衝体43を収納部44に嵌合収納する際には、緩衝体43のキャップ62を前方へ押して所定以上の力を加えると、係合部83が収納部44の案内面57にて案内されつつ平板部分54の後端部下面を通って長孔55内に導入される。
さらに、キャップ62は、円筒部81の外周面下部に形成された回り止め用の左右1対の係合段部85を外周面下部に有している。この係合段部85は、前後方向長手状で、円筒部81の全長にわたって形成されている。
そして、係合段部85は、ケース体42の収納部44の係合受け段部58との係合により、緩衝体43のキャップ62がケース体42の収納部44に対して周方向に回動することを規制する。このため、キャップ62の係合部83がケース体42の収納部44の係合受け部56との対向位置からずれることがなく、係合部83と係合受け部56との係合による抜け止め機能が確保される。
また、緩衝体43の伸縮時に、キャップ62は、収納部44の係合受け段部58にて下方から支持された状態で、この係合受け段部58に沿って摺動する。
次に、扉装置1の作用等を説明する。
開口部2を開口させる際には、扉体21,22を開方向へ回動させ、折り戸20を非折畳状態から折畳状態にする。
そして、開口部2の開口時には、図1に示すように、左側扉体21に設けられた緩衝手段41の緩衝体43の当接部43aが、右側扉体22に設けられた緩衝手段41の緩衝体43の当接部43aに当接し、両緩衝体43が扉体21,22に作用する衝撃力を吸収する。その結果、開口部2を開口させた際に扉体21,22に作用する衝撃力が緩和される。
また、開口部2を閉鎖する際には、扉体21,22を閉方向へ回動させ、折り戸20を折畳状態から非折畳状態にする。
ここで、扉体21,22を閉方向へ回動させた場合、その閉方向回動終期において、扉体21,22がヒンジ23の付勢体から付勢力を受けるが、緩衝手段41が所望の緩衝力をもって緩衝作用を発揮して扉体21,22の閉方向回動速度を徐々に減速させ、扉体21,22に作用する衝撃力を吸収する。その結果、折り戸20は、ヒンジ23の付勢体の付勢力に基づいてゆっくりと非折畳状態となって開口部2を閉鎖する。
すなわち、図2および図10に示すように、扉体21,22の閉方向回動終期に、扉体21,22が閉位置に到達する直前の時点で、緩衝手段41の緩衝体43の当接部43aが緩衝体受け体9の受け板部12に当接する。
この当接後、扉体21,22がヒンジ23の付勢体の付勢力に基づいて閉方向へさらに回動すると、緩衝体43は、緩衝体受け体9の受け板部12に沿って摺動しながら、この受け板部12から受ける押圧力で縮む。
このとき、オイルダンパ61の棒状部材67がオイルの抵抗力および付勢部材68の付勢力に抗して筒状部材66に対して相対的に移動し、キャップ62の先端側が収納部44内に入り込む。
こうして緩衝体43が扉体21,22の閉方向回動速度を徐々に減速させ、扉体21,22がヒンジ23の付勢体の付勢力によって閉方向回動終期において閉位置近傍から閉位置までゆっくりと回動、つまり閉動作する。
なお、ヒンジ23の付勢体の付勢力に抗して扉体21,22を開方向へ回動させると、オイルダンパ61の棒状部材67が付勢部材68の付勢力によって筒状部材66に対して相対的に移動し、キャップ62の先端側が収納部44内から突出し、緩衝体43がもとの状態に復帰する。
ところで、扉装置1は、緩衝体43を収納する収納部44の変更により、緩衝手段41の緩衝力が調整可能となっている。すなわち例えば複数の収納部44の中から選択された一の収納部44に収納された緩衝体43を他の収納部44に入れ替えることにより、緩衝手段41の緩衝力(扉体の閉方向回動速度の減速状態)が調整可能となっている。
図11には、緩衝手段41の緩衝力が前記図10の場合に比べて弱い状態(ダンパ効き弱調整状態)が示されている。この場合、3つの収納部44のうちの内側(ヒンジ23側)の収納部44に緩衝体43が収納されている。
このため、図10の場合に比べて閉位置に接近した位置に扉体21,22が到達した時点で、緩衝体43の当接部43aが緩衝体受け体9の受け板部12に当接する。なお、図11の場合における緩衝体43の伸縮方向(a方向)と受け板部12に対する直交方向(b方向)とがなす角度βは、図10の場合におけるその角度αに比べて小さい。
また、図12には、緩衝手段41の緩衝力が前記図10の場合に比べて強い状態(ダンパ効き強調整状態)が示されている。この場合、3つの収納部44のうちの外側(ヒンジ23側とは反対側)の収納部44に緩衝体43が収納されている。
このため、図10の場合に比べて閉位置から離反した位置に扉体21,22が到達した時点で、緩衝体43の当接部43aが緩衝体受け体9の受け板部12に当接する。なお、図12の場合における緩衝体43の伸縮方向(a方向)と受け板部12に対する直交方向(b方向)とがなす角度γは、図10の場合におけるその角度αに比べて大きい。
また、扉装置1は、収納部44に収納する緩衝体43の数の変更により、緩衝手段41の緩衝力(扉体の閉方向回動速度の減速状態)が調整可能となっている。すなわち例えば複数の収納部44に対応する複数、例えば3つの緩衝体43を備え、収納部44に対して収納する緩衝体43の数を変更することにより、緩衝手段41の緩衝力が調整可能となっている。
図13には、緩衝手段41の緩衝力が前記図10の場合に比べて強い状態が示されている。この場合、3つの収納部44のうちのいずれか2つの収納部44に緩衝体43がそれぞれ収納されている。
また、図14には、緩衝手段41の緩衝力が前記図13の場合よりも強い状態が示されている。この場合、3つの収納部44のすべてに緩衝体43がそれぞれ収納されている。
このように、上記扉装置1によれば、緩衝体43を収納する収納部44の変更および収納部44に収納する緩衝体43の数の変更により、緩衝手段41の緩衝力が調整可能となっているため、緩衝手段41自体を交換することなく、緩衝手段41の緩衝力を容易かつ適切に調整できる。
また、開口部2の開口時に左側扉体21に設けられた緩衝手段41の緩衝体43の当接部43aが右側扉体22に設けられた緩衝手段41の緩衝体43の当接部43aに当接するため、開口部2を開口させた際に両扉体21,22に作用する衝撃力を緩和でき、衝撃音の発生等を防止できる。
さらに、緩衝体43のキャップ62はケース体42の収納部44の係合受け部56との係合により緩衝体43が収納部44から抜け出ることを抑制する突出状の係合部83を上面に有するため、緩衝体43が収納部44から不用意に抜け出ることを抑制できる。
また、緩衝体43のキャップ62はケース体42の収納部44の係合受け段部58との係合により緩衝体43が収納部44に対して周方向に回動することを規制する左右1対の係合段部85を外周面に有するため、緩衝体43が収納部44に対して回動することを適切に規制できる。
さらに、緩衝体43のオイルダンパ61がキャップ62を介して収納部44に嵌合収納され、オイルダンパ61の伸縮に応じてキャップ62の先端側が収納部44内に対して出入りする構成であるため、オイルダンパ61のピストンロッド部77の外周面と筒状部材66の挿通孔73の周面との間の隙間からオイルが漏れたとしても、オイルを収納部44内に保持でき、オイルが収納部44外へ漏れ出ることを防止できる。
なお、上記実施の形態では、緩衝体受け体9が上ガイドレール8とは別体で上枠6に設けられた構成について説明したが、例えば緩衝体受け体9が上ガイドレール8に一体に設けられた構成でもよい。
また、緩衝体受け体9は、レール状のものでその左右方向長さ寸法が上ガイドレール8の左右方向長さ寸法と略同じであるものには限定されず、例えば扉体21,22の閉方向回動終期に緩衝体43の当接部43aが当接して摺動する大きさを有するものであればよく、上ガイドレール8に対して部分的なものでもよい。
さらに、扉装置1は、図15および図16(a)・(b)に示すように、上ガイドレール8とは別体の被当接部である緩衝体受け体9が上枠6に前後方向に位置変更可能に設けられ、その緩衝体受け体9の前後方向の位置変更により緩衝手段41の緩衝力(扉体の閉方向回動速度の減速状態)が調整可能となっている構成でもよい。
この緩衝体受け体9には前後方向長手状の長孔91が形成され、この長孔91からねじ(図示せず)が上枠6にねじ込まれることにより緩衝体受け体9が上枠6に取り付けられている。そして、ねじを一旦緩めることで、緩衝体受け体9を上ガイドレール8に対して長孔91の分だけ前後方向に位置変更可能である。
図16(a)に示す状態では、緩衝体受け体9の前端部と上ガイドレール8の後端部とが接触している。
そして、例えば緩衝体受け体9を上ガイドレール8に対して後方へ位置変更し、緩衝体受け体9の前端部と上ガイドレール8の後端部との間に間隙92を形成した際には、緩衝手段41の緩衝力が図16(a)の場合に比べて弱い状態(ダンパ効き弱調整状態)となる。
なお、例えば図4に示す緩衝体受け体9を上ガイドレール8に対して前後方向に位置変更可能とし、その緩衝体受け体9の前後方向の位置変更により緩衝手段41の緩衝力の調整が可能となるようにしてもよい。
また、例えば緩衝体受け体9を前後方向に位置変更させるための操作レバー等の操作手段を設け、この操作手段の操作により緩衝体受け体9が前後方向に位置変更するようにしてもよい。
さらに、扉装置1は、左右1対の扉体21,22の両方に緩衝手段41がそれぞれ設けられた構成には限定されず、例えば図17ないし図19に示すように、左右1対の扉体21,22のいずれか一方のみに、すなわち例えば左側扉体21のみに緩衝手段41が設けられた構成でもよい。
この場合、開口部2の開口時には、左側扉体21に設けられた緩衝手段41の緩衝体43の当接部43aが右側扉体22の後面の所定部位である被当接面93に当接し、その緩衝手段41が扉体21,22に作用する衝撃力を吸収する。その結果、開口部2を開口させた際に扉体21,22に作用する衝撃力が緩和され、衝撃音の発生等が防止される。なお、図示しないが、右側扉体22のみに緩衝手段41を設けた構成でもよい。
また、例えば緩衝手段41の緩衝力を調整する際に、例えば収納部44に収納されていた一のオイルダンパ61を緩衝力が異なる他のオイルダンパ61に交換してもよい。他のオイルダンパ61とは、例えば一のオイルダンパ61と比べて、オイルの粘性が異なるものや、オイルが流れる隙間75の大きさが異なるもの等である。
さらに、緩衝体43の緩衝本体部は、直動式ダンパであるオイルダンパ61には限定されず、例えばエアダンパ等でもよい。
また、ケース体42は、水平方向である左右方向に連続して並ぶ3つの収納部44を有するものには限定されず、例えば2つの収納部44を有するものや、少なくとも3つ以上、例えば4つ或いは5つの収納部44を有するもの等でもよい。
さらに、扉装置1は、左右1対の扉体21,22を有する折り戸20を備えた構成には限定されず、例えば回動可能な1枚の扉体からなる開戸を備えた構成等でもよい。
1 扉装置
2 開口部
9 被当接部である緩衝体受け体
21 扉体としての一方側扉体である左側扉体
22 他方側扉体である右側扉体
41 緩衝手段
42 ケース体
43 緩衝体
44 収納部
56 係合受け部
58 係合受け段部
61 オイルダンパ
62 キャップ
83 係合部
85 係合段部

Claims (8)

  1. 開方向に向って回動して開口部を開口させ、閉方向に向って回動して前記開口部を閉鎖する扉体と、
    この扉体に設けられ、前記扉体の閉方向回動速度を徐々に減速させる緩衝手段とを備え、
    前記緩衝手段は、
    複数の収納部を有するケース体と、
    前記収納部に脱着可能に収納され、前記扉体の閉方向への回動時に被当接部に当接して前記扉体の閉方向回動速度を徐々に減速させる緩衝体とを有し、
    前記緩衝体を収納する前記収納部の変更により、前記緩衝手段の緩衝力が調整可能となっている
    ことを特徴とする扉装置。
  2. 開方向に向って回動して開口部を開口させ、閉方向に向って回動して前記開口部を閉鎖する扉体と、
    この扉体に設けられ、前記扉体の閉方向回動速度を徐々に減速させる緩衝手段とを備え、
    前記緩衝手段は、
    複数の収納部を有するケース体と、
    前記収納部に脱着可能に収納され、前記扉体の閉方向への回動時に被当接部に当接して前記扉体の閉方向回動速度を徐々に減速させる緩衝体とを有し、
    前記収納部に収納する前記緩衝体の数の変更により、前記緩衝手段の緩衝力が調整可能となっている
    ことを特徴とする扉装置。
  3. 開方向に向って回動して開口部を開口させ、閉方向に向って回動して前記開口部を閉鎖する扉体と、
    この扉体に設けられ、前記扉体の閉方向回動速度を徐々に減速させる緩衝手段と、
    位置変更可能な被当接部とを備え、
    前記緩衝手段は、
    収納部を有するケース体と、
    前記収納部に収納され、前記扉体の閉方向への回動時に前記被当接部に当接して前記扉体の閉方向回動速度を徐々に減速させる緩衝体とを有し、
    前記被当接部の位置変更により、前記緩衝手段の緩衝力が調整可能となっている
    ことを特徴とする扉装置。
  4. 扉体である一方側扉体に回動可能に連結された他方側扉体を備え、
    前記一方側扉体および前記他方側扉体の両方に緩衝手段がそれぞれ設けられ、
    開口部の開口時に、前記一方側扉体に設けられた前記緩衝手段の緩衝体が前記他方側扉体に設けられた前記緩衝手段の緩衝体に当接する
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の扉装置。
  5. 扉体である一方側扉体に回動可能に連結された他方側扉体を備え、
    開口部の開口時に、前記一方側扉体に設けられた緩衝手段の緩衝体が前記他方側扉体に当接する
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の扉装置。
  6. ケース体の収納部は、係合受け部を有し、
    緩衝体は、前記係合受け部との係合により前記緩衝体が前記収納部から抜け出ることを抑制する係合部を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載の扉装置。
  7. ケース体の収納部は、係合受け段部を内周面に有し、
    緩衝体は、前記係合受け段部との係合により前記緩衝体が前記収納部に対して回動することを規制する係合段部を外周面に有する
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一記載の扉装置。
  8. 緩衝体は、伸縮可能なオイルダンパおよびこのオイルダンパの外周面を覆うキャップを有し、
    前記オイルダンパが前記キャップを介して収納部に嵌合収納され、
    前記オイルダンパの伸縮に応じて前記キャップの先端側が前記収納部内に対して出入りする
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一記載の扉装置。
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