JP2011042628A - アクアポリン産生促進剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クリプトキサンチン及び/又はその誘導体を含むことを特徴とするアクアポリン産生促進剤であり、好ましくはクリプトキサンチン及び/又はその誘導体がカンキツ類由来のものある。
【選択図】図1
Description
しかしながら、前記抽出物は効果を発揮させるのには大量の投与が必要であったり、オールトランスレチノイン酸は使用を続けると腎不全や肝不全を引き起こすレチノイン酸症候群を引き起こす点で安全性に問題があるなど、安全で十分な効果を奏する化合物は知られていない。
本発明のアクアポリン産生促進剤は、他のアクアポリン産生促進作用を有する物質と混合してもよく、例えば、副作用を起こさない範囲内で、合成レチノイドや他のカロテノイド、オールトランスレチノイン酸などを適宜含有させることができる。またその他の成分を添加物として含んでいても良く、特に限定されるものではないが、例えば、ビタミンCなどの各種ビタミン類や、アミノ酸およびオリゴ糖、ミネラル等などが適宜含有させることができる。
本発明のアクアポリン産生促進剤を含有する皮膚外用剤においては、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体を含有する限りはその比率については限定されないが、例えばクリプトキサンチン及び/又はその誘導体を0.00001質量%以上100質量%以下、好ましくは0.0001質量%以上80質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以上50質量%以下の割合で含有しておればよく、上記範囲であれば、十分にアクアポリン産生促進作用が得られる。
本発明のアクアポリン産生促進剤を含有する皮膚外用剤は、対象の年齢や肌の状態により異なるが、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体としての使用量が、1日あたり、約0.000001〜100gであることが好ましい。
本発明のアクアポリン産生促進剤を含有する飲食品においては、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体を含有する限りはその比率については限定されないが、例えばクリプトキサンチン及び/又はその誘導体を0.00001質量%以上100質量%以下、好ましくは0.0001質量%以上80質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以上50質量%以下の割合で含有しておればよく、上記範囲であれば、十分にアクアポリン産生促進作用が得られる。
本発明のアクアポリン産生促進剤を含有する飲食品は、摂取者の体重や年齢や肌の状態により異なるが、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体としての摂取量が、1日あたり、約0.000001〜100gであることが好ましい。
本発明のアクアポリン産生促進剤を含有する医薬品においては、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体を含有する限りはその比率については限定されないが、例えばクリプトキサンチン及び/又はその誘導体を0.00001質量%以上100質量%以下、好ましくは0.0001質量%以上80質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以上50質量%以下の割合で含有しておればよく、上記範囲であれば、十分にアクアポリン産生促進作用が得られる。
本発明のアクアポリン産生促進剤を含有する医薬品は、対象の年齢や肌の状態により異なるが、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体としての投与量が、1日あたり、約0.000001〜100gであることが好ましい。
本発明のアクアポリン産生促進剤を含有する飼料においては、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体を含有する限りはその比率については限定されないが、例えばクリプトキサンチン及び/又はその誘導体を0.00001質量%以上100質量%以下、好ましくは0.0001質量%以上80質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以上50質量%以下の割合で含有しておればよく、上記範囲であれば、十分にアクアポリン産生促進作用が得られる。
本発明のアクアポリン産生促進剤を含有する飼料は、対象の種や肌の状態により異なるが、例えば体重約60kgとすると、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体としての摂取量が、1日あたり、約0.000001〜100gであることが好ましい。
実施例中、β−クリプトキサンチン及び/又はその誘導体の含量の測定は、その粉体、濃縮残存物をサンプルとして用い(β―クリプトキサンチンの定量)又はその粉体、濃縮残存物を80℃、1Nの水酸化カリウム水溶液で60分処理することで全てβ―クリプトキサンチン単体に変換したものをサンプルとして用い(β―クリプトキサンチン及びその誘導体をβ―クリプトキサンチンのフリー体として定量)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により行なった。すなわち、HPLC装置として、LC−10A(島津製作所製)を用い、ResolveC18(φ3.9×150mm、ウォーターズ社製)カラムを接続し、メタノールを等量加えた試料を導入した。移動相には、メタノール:酢酸エチル=7:3、カラム温度30℃、流速1.0ml/min、検出波長450nmで分析した。
温州みかんから果汁を絞った後の残さ(みかんジュース粕、水分率約90%)800gに飲食品加工用のペクチナーゼ酵素剤であるスミチームPX(新日本化学工業株式会社製、ペクチナーゼ5,000ユニット/g、アラバナーゼ90ユニット/g)1gとセルラーゼ/ヘミセルラーゼ酵素剤であるセルラーゼY−NC(ヤクルト薬品工業株式会社製セルラーゼ30,000ユニット/g)1gを添加し、よくかき混ぜて室温8時間静置反応を行った。この反応液を遠心分離して上清を除去した後、水を添加して攪拌し、再度遠心分離により上清を除去した。この沈殿物を凍結乾燥機により乾燥し、ミキサー型粉砕機で粉砕・粉末化した。本粉末中にはβ−クリプトキサンチン及びその誘導体(β―クリプトキサンチンのフリー体換算)が0.5質量%(β―クリプトキサンチン:0.1質量%、その誘導体:0.4質量%)が含まれていた。
得られた温州みかん粉末を重量の3倍量のエタノールで抽出し、得られた抽出液をエバポレーターで減圧濃縮した。濃縮後の残存物を本発明の皮膚外用剤とした。この皮膚外用剤にはβ−クリプトキサンチン及びその誘導体(β―クリプトキサンチンのフリー体として換算)が2%(β―クリプトキサンチン:0.4質量%、その誘導体:1.6質量%)含まれていた。
β‐クリプトキサンチン(標準サンプル)を使用して正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)に対するアクアポリン3発現促進作用を確認した。以下にその詳細を示す。
NHEK(クラボウ株式会社製)を2.5×103細胞/ウェルとなるように24ウェルプレート(IWAKI社製)に播種後、37℃で5%CO2インキュベーター(ESPEC社製)で培養を行い、3日に一度培地(クラボウ株式会社製)交換を行いながら80%コンフレントになるまで培養を継続した。その後、先ほどの培地から血清を除いたものに、β−クリプトキサンチン(標準サンプル、四国八洲社製)を、培地添加後の濃度が、それぞれ0(溶媒コントロール)、1、5、10μMとなるようにDMSO(和光純薬社製)に溶解させた試料を添加し、細胞に培地を交換することで作用させた。対照群としては、すでにアクアポリン3の活性化作用が報告されているオールトランスレチノイン酸(和光純薬社製)を、培地添加後の濃度が、それぞれ0(溶媒コントロール)、1、5、10μMとなるようにDMSO(和光純薬社製)に溶解させた試料を添加し、同様の培養実験を行った。培地交換後24時間培養を行い、時間経過後培地をプレートから除去し、PBSで洗浄後、ISOGEN(ニッポンジーン社製)を各ウェル500μLずつ添加し、懸濁することで細胞中のRNAを溶解させた。その後、RNAを抽出し、逆転写酵素(タカラバイオ社製)でcDNAを作成した。
作成したcDNAを用いてリアルタイムPCR(アプライドシステムズジャパン社製)を使用してアクアポリン3の遺伝子量の定量を行った。
実施例1で得た皮膚外用剤を使用して実施例2と同様の実験を行った。すなわち誘導体を含むβ−クリプトキサンチン濃度2質量%(β―クリプトキサンチンのフリー体換算)、及びβ―クリプトキサンチンを、培地に添加したときの濃度が、それぞれ0(溶媒コントロール)、1、5、10μMとなるように調製した試料を培地に添加した。対照群としては、すでにアクアポリン3の活性化作用が報告されているオールトランスレチノイン酸(和光純薬社製)を、培地に添加したときの濃度が、それぞれ0(溶媒コントロール)、1、5、10μMとなるようにDMSO(和光純薬社製)に溶解し調製した試料を添加し、同様の培養実験を行った。この培養液を使用してアクアポリン3の発現量の測定を行った。培養・測定方法は実施例2と同様である
実施例2の結果を受け、より生体に近いモデルである3次元ヒト皮膚モデル(TOYOBO社製)を使用して実施例2と同様の実験を行った。今回は経皮吸収作用のモデルということで、3次元ヒト皮膚モデルのカップにβ−クリプトキサンチン(標準サンプル、四国八洲社製)又はオールトランスレチノイン酸(和光純薬社製)が0(溶媒コントロール)、1、5、10μMとなるように調製した溶液、
PBS 75%
1,3−ブチレングリコール 20%
界面活性剤 3%
試薬溶解液 2%
を一日6時間200μl塗布を行い、時間経過後にPBSで洗浄し、培養を行った。塗布は毎日行い、3日間培養を行った。その後、中央部の細胞をバイオプシーパンチで分離し、細胞のみを回収し、実施例2で用いたのと同様の方法でcDNAを作成した。
実施例3の結果を受け、実施例4と同様により生体に近いモデルである3次元ヒト皮膚モデルを使用して実験を行った。本実験は試薬溶解液を実施例1で作成した皮膚外用剤溶液に変えたほかは実施例4と同様であり、フリー体換算でのβ−クリプトキサンチン濃度も実施例4の0(溶媒コントロール)1、5、10μMになるように調製を行った。
実施例1の抽出物を使用して以下の処方例を作成した。ただし、この処方例をもって本発明の範囲を限定するものではない。
処方例1 乳液
抽出物 1.00%
ショ糖脂肪酸エステル 3.00%
グリセリン 12.00%
スクアラン 6.00%
ジメチルシリコーンオイル 24.00%
ポリプロピレングリコール 1.00%
増粘剤 0.06%
脱イオン水 47.62%
防腐剤 0.20%
エタノール 5.00%
0.1%水酸化ナトリウム水溶液 0.12%
処方例1の乳液と、処方例1から抽出物を抜いた乳液(プラセボ)を用いて女性26人(35〜54才)を対象に1ヶ月間の二重盲検法を用いた使用試験を行った。試験期間中温州みかん、柿、マンゴーなどβ-クリプトキサンチンを多く含む食品の摂取は禁止し、塗布は夜間に0.5g/日を上腕内側に行うこととした。試用期間終了後、コルネオメーター(CK社製)を使用して塗布部分の水分量の変化を試験の前後で測定を行った。なお試験前の両群間には水分量の有意な差は見られなかった。
Claims (8)
- クリプトキサンチン及び/又はその誘導体を含有することを特徴とするアクアポリン産生促進剤。
- クリプトキサンチン及び/又はその誘導体がカンキツ類由来のものである請求項1記載のアクアポリン産生促進剤。
- カンキツ類が温州みかんである請求項2記載のアクアポリン産生促進剤。
- 皮膚のしみ、皺、肌荒れ、たるみなど、老化に伴っておきる皮膚の増悪の改善、又は保湿性の低下や体液分泌の低下などが原因となって発生するドライマウス、ドライアイ、鼻腔乾燥に伴う出血、皮膚乾燥による掻痒感、気道乾燥による咳及び痰、肺水腫、脳浮腫、白内障、唾液分泌不全、メタボリックシンドローム、アトピー性皮膚炎、乾癬、乾皮症、魚鱗癬の治療又は予防に用いられる請求項1〜3記載のアクアポリン産生促進剤。
- 請求項1〜4にいずれかに記載のアクアポリン産生促進剤を含有する皮膚外用剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のアクアポリン産生促進剤を含有する飲食品。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のアクアポリン産生促進剤を含有する医薬品。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のアクアポリン産生促進剤を含有する飼料。
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