JP5782534B2 - アクアポリン産生促進剤 - Google Patents
アクアポリン産生促進剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5782534B2 JP5782534B2 JP2014042358A JP2014042358A JP5782534B2 JP 5782534 B2 JP5782534 B2 JP 5782534B2 JP 2014042358 A JP2014042358 A JP 2014042358A JP 2014042358 A JP2014042358 A JP 2014042358A JP 5782534 B2 JP5782534 B2 JP 5782534B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cryptoxanthin
- aquaporin
- derivative
- skin
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
しかしながら、前記抽出物は効果を発揮させるのには大量の投与が必要であったり、オールトランスレチノイン酸は使用を続けると腎不全や肝不全を引き起こすレチノイン酸症候群を引き起こす点で安全性に問題があるなど、安全で十分な効果を奏する化合物は知られていない。
本発明のアクアポリン産生促進剤は、他のアクアポリン産生促進作用を有する物質と混合してもよく、例えば、副作用を起こさない範囲内で、合成レチノイドや他のカロテノイド、オールトランスレチノイン酸などを適宜含有させることができる。またその他の成分を添加物として含んでいても良く、特に限定されるものではないが、例えば、ビタミンCなどの各種ビタミン類や、アミノ酸およびオリゴ糖、ミネラル等などが適宜含有させることができる。
本発明のアクアポリン産生促進剤を含有する皮膚外用剤においては、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体を含有する限りはその比率については限定されないが、例えばクリプトキサンチン及び/又はその誘導体を0.00001質量%以上100質量%以下、好ましくは0.0001質量%以上80質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以上50質量%以下の割合で含有しておればよく、上記範囲であれば、十分にアクアポリン産生促進作用が得られる。
本発明のアクアポリン産生促進剤を含有する皮膚外用剤は、対象の年齢や肌の状態により異なるが、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体としての使用量が、1日あたり、約0.000001〜100gであることが好ましい。
本発明のアクアポリン産生促進剤を飲食品に添加する場合は、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体の比率については限定されないが、例えばクリプトキサンチン及び/又はその誘導体を飲食品全量に対して0.00001質量%以上100質量%以下、好ましくは0.0001質量%以上80質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以上50質量%以下の割合で添加すればよく、上記範囲であれば、十分にアクアポリン産生促進作用が得られる。
本発明のアクアポリン産生促進剤を飲食品に添加する場合は、摂取者の体重や年齢や肌の状態により異なるが、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体としての摂取量が、1日あたり、約0.000001〜100gとなるように添加することが好ましい。
本発明のアクアポリン産生促進剤を含有する医薬品においては、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体を含有する限りはその比率については限定されないが、例えばクリプトキサンチン及び/又はその誘導体を0.00001質量%以上100質量%以下、好ましくは0.0001質量%以上80質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以上50質量%以下の割合で含有しておればよく、上記範囲であれば、十分にアクアポリン産生促進作用が得られる。
本発明のアクアポリン産生促進剤を含有する医薬品は、対象の年齢や肌の状態により異なるが、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体としての投与量が、1日あたり、約0.000001〜100gであることが好ましい。
本発明のアクアポリン産生促進剤を飼料に添加する場合は、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体の比率については限定されないが、例えばクリプトキサンチン及び/又はその誘導体を飼料全量に対して0.00001質量%以上100質量%以下、好ましくは0.0001質量%以上80質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以上50質量%以下の割合で添加すればよく、上記範囲であれば、十分にアクアポリン産生促進作用が得られる。
本発明のアクアポリン産生促進剤を飼料に添加する場合は、対象の種や肌の状態により異なるが、例えば体重約60kgとすると、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体としての摂取量が、1日あたり、約0.000001〜100gとなるように添加することが好ましい。
実施例中、β−クリプトキサンチン及び/又はその誘導体の含量の測定は、その粉体、濃縮残存物をサンプルとして用い(β―クリプトキサンチンの定量)又はその粉体、濃縮残存物を80℃、1Nの水酸化カリウム水溶液で60分処理することで全てβ―クリプトキサンチン単体に変換したものをサンプルとして用い(β―クリプトキサンチン及びその誘導体をβ―クリプトキサンチンのフリー体として定量)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により行なった。すなわち、HPLC装置として、LC−10A(島津製作所製)を用い、ResolveC18(φ3.9×150mm、ウォーターズ社製)カラムを接続し、メタノールを等量加えた試料を導入した。移動相には、メタノール:酢酸エチル=7:3、カラム温度30℃、流速1.0ml/min、検出波長450nmで分析した。
温州みかんから果汁を絞った後の残さ(みかんジュース粕、水分率約90%)800gに飲食品加工用のペクチナーゼ酵素剤であるスミチームPX(新日本化学工業株式会社製、ペクチナーゼ5,000ユニット/g、アラバナーゼ90ユニット/g)1gとセルラーゼ/ヘミセルラーゼ酵素剤であるセルラーゼY−NC(ヤクルト薬品工業株式会社製セルラーゼ30,000ユニット/g)1gを添加し、よくかき混ぜて室温8時間静置反応を行った。この反応液を遠心分離して上清を除去した後、水を添加して攪拌し、再度遠心分離により上清を除去した。この沈殿物を凍結乾燥機により乾燥し、ミキサー型粉砕機で粉砕・粉末化した。本粉末中にはβ−クリプトキサンチン及びその誘導体(β―クリプトキサンチンのフリー体換算)が0.5質量%(β―クリプトキサンチン:0.1質量%、その誘導体:0.4質量%)が含まれていた。
得られた温州みかん粉末を重量の3倍量のエタノールで抽出し、得られた抽出液をエバポレーターで減圧濃縮した。濃縮後の残存物を本発明の皮膚外用剤とした。この皮膚外用剤にはβ−クリプトキサンチン及びその誘導体(β―クリプトキサンチンのフリー体として換算)が2%(β―クリプトキサンチン:0.4質量%、その誘導体:1.6質量%)含まれていた。
β‐クリプトキサンチン(標準サンプル)を使用して正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)に対するアクアポリン3発現促進作用を確認した。以下にその詳細を示す。
NHEK(クラボウ株式会社製)を2.5×103細胞/ウェルとなるように24ウェルプレート(IWAKI社製)に播種後、37℃で5%CO2インキュベーター(ESPEC社製)で培養を行い、3日に一度培地(クラボウ株式会社製)交換を行いながら80%コンフレントになるまで培養を継続した。その後、先ほどの培地から血清を除いたものに、β−クリプトキサンチン(標準サンプル、四国八洲社製)を、培地添加後の濃度が、それぞれ0(溶媒コントロール)、1、5、10μMとなるようにDMSO(和光純薬社製)に溶解させた試料を添加し、細胞に培地を交換することで作用させた。対照群としては、すでにアクアポリン3の活性化作用が報告されているオールトランスレチノイン酸(和光純薬社製)を、培地添加後の濃度が、それぞれ0(溶媒コントロール)、1、5、10μMとなるようにDMSO(和光純薬社製)に溶解させた試料を添加し、同様の培養実験を行った。培地交換後24時間培養を行い、時間経過後培地をプレートから除去し、PBSで洗浄後、ISOGEN(ニッポンジーン社製)を各ウェル500μLずつ添加し、懸濁することで細胞中のRNAを溶解させた。その後、RNAを抽出し、逆転写酵素(タカラバイオ社製)でcDNAを作成した。
作成したcDNAを用いてリアルタイムPCR(アプライドシステムズジャパン社製)を使用してアクアポリン3の遺伝子量の定量を行った。
実施例1で得た皮膚外用剤を使用して実施例2と同様の実験を行った。すなわち誘導体を含むβ−クリプトキサンチン濃度2質量%(β―クリプトキサンチンのフリー体換算)、及びβ―クリプトキサンチンを、培地に添加したときの濃度が、それぞれ0(溶媒コントロール)、1、5、10μMとなるように調製した試料を培地に添加した。対照群としては、すでにアクアポリン3の活性化作用が報告されているオールトランスレチノイン酸(和光純薬社製)を、培地に添加したときの濃度が、それぞれ0(溶媒コントロール)、1、5、10μMとなるようにDMSO(和光純薬社製)に溶解し調製した試料を添加し、同様の培養実験を行った。この培養液を使用してアクアポリン3の発現量の測定を行った。培養・測定方法は実施例2と同様である
実施例2の結果を受け、より生体に近いモデルである3次元ヒト皮膚モデル(TOYOBO社製)を使用して実施例2と同様の実験を行った。今回は経皮吸収作用のモデルということで、3次元ヒト皮膚モデルのカップにβ−クリプトキサンチン(標準サンプル、四国八洲社製)又はオールトランスレチノイン酸(和光純薬社製)が0(溶媒コントロール)、1、5、10μMとなるように調製した溶液、
PBS 75%
1,3−ブチレングリコール 20%
界面活性剤 3%
試薬溶解液 2%
を一日6時間200μl塗布を行い、時間経過後にPBSで洗浄し、培養を行った。塗布は毎日行い、3日間培養を行った。その後、中央部の細胞をバイオプシーパンチで分離し、細胞のみを回収し、実施例2で用いたのと同様の方法でcDNAを作成した。
実施例3の結果を受け、実施例4と同様により生体に近いモデルである3次元ヒト皮膚モデルを使用して実験を行った。本実験は試薬溶解液を実施例1で作成した皮膚外用剤溶液に変えたほかは実施例4と同様であり、フリー体換算でのβ−クリプトキサンチン濃度も実施例4の0(溶媒コントロール)1、5、10μMになるように調製を行った。
実施例1の抽出物を使用して以下の処方例を作成した。ただし、この処方例をもって本発明の範囲を限定するものではない。
処方例1 乳液
抽出物 1.00%
ショ糖脂肪酸エステル 3.00%
グリセリン 12.00%
スクアラン 6.00%
ジメチルシリコーンオイル 24.00%
ポリプロピレングリコール 1.00%
増粘剤 0.06%
脱イオン水 47.62%
防腐剤 0.20%
エタノール 5.00%
0.1%水酸化ナトリウム水溶液 0.12%
処方例1の乳液と、処方例1から抽出物を抜いた乳液(プラセボ)を用いて女性26人(35〜54才)を対象に1ヶ月間の二重盲検法を用いた使用試験を行った。試験期間中温州みかん、柿、マンゴーなどβ-クリプトキサンチンを多く含む食品の摂取は禁止し、塗布は夜間に0.5g/日を上腕内側に行うこととした。試用期間終了後、コルネオメーター(CK社製)を使用して塗布部分の水分量の変化を試験の前後で測定を行った。なお試験前の両群間には水分量の有意な差は見られなかった。
Claims (3)
- クリプトキサンチン及び/又はクリプトキサンチンの脂肪酸エステルを含有するドライマウス若しくはドライアイの治療又は予防のためのアクアポリン産生促進剤。
- クリプトキサンチン及び/又はクリプトキサンチンの脂肪酸エステルがカンキツ類由来のものである請求項1記載のアクアポリン産生促進剤。
- カンキツ類が温州みかんである請求項1記載のアクアポリン産生促進剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014042358A JP5782534B2 (ja) | 2014-03-05 | 2014-03-05 | アクアポリン産生促進剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014042358A JP5782534B2 (ja) | 2014-03-05 | 2014-03-05 | アクアポリン産生促進剤 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009192501A Division JP5534747B2 (ja) | 2009-08-21 | 2009-08-21 | アクアポリン産生促進剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014144960A JP2014144960A (ja) | 2014-08-14 |
JP5782534B2 true JP5782534B2 (ja) | 2015-09-24 |
Family
ID=51425508
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014042358A Active JP5782534B2 (ja) | 2014-03-05 | 2014-03-05 | アクアポリン産生促進剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5782534B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104815265A (zh) * | 2015-05-18 | 2015-08-05 | 新希望六和饲料股份有限公司 | 用于治疗牛肺水肿的药物组合物及其制备方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007091693A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-12 | Oriza Yuka Kk | 保湿用組成物 |
JP2008297214A (ja) * | 2007-05-29 | 2008-12-11 | Unitika Ltd | 美肌作用を有する組成物 |
-
2014
- 2014-03-05 JP JP2014042358A patent/JP5782534B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014144960A (ja) | 2014-08-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5534747B2 (ja) | アクアポリン産生促進剤 | |
US20140148504A1 (en) | Novel use of flavone-based compound | |
CN111568821B (zh) | 包括用冠突曲霉菌株固体发酵的发酵人参提取物的用于改善皮肤美容的组合物 | |
JP6888835B2 (ja) | 発酵物及びその製造方法 | |
JP2006296255A (ja) | 穀物酵素分解物及びその製造方法、並びに機能性物品 | |
JPWO2008013219A1 (ja) | クリプトキサンチンの高吸収性経口投与組成物 | |
KR20190079514A (ko) | 알로에 발효물을 유효성분으로 함유하는 피부 보습용 화장료 조성물 | |
CN111434652A (zh) | 新型双尿嘧啶、其用途及其制备方法 | |
JP5775662B2 (ja) | ヒアルロン酸合成促進剤 | |
JP2010254591A (ja) | 皮膚外用剤及びその製造方法 | |
JP6096943B2 (ja) | 飲食品組成物 | |
JP2008297214A (ja) | 美肌作用を有する組成物 | |
JP6049381B2 (ja) | 養蜂産品を含むグネツム組成物 | |
JP2000191494A (ja) | 美容および健康向け組成物 | |
KR102283527B1 (ko) | 곡류 발효 추출물을 유효성분으로 함유하는 화장료 조성물 | |
KR102283526B1 (ko) | 해조류 발효 추출물을 유효성분으로 함유하는 화장료 조성물 | |
JP5782534B2 (ja) | アクアポリン産生促進剤 | |
JP2008013531A (ja) | コラーゲン産生促進剤及びそれを含む美容用飲食品 | |
JP5951077B2 (ja) | ヒアルロン酸合成促進剤 | |
JP2006104090A (ja) | 抗骨粗鬆症組成物 | |
JP2016034910A (ja) | サイトケラチン増加作用を呈するカロチノイド誘導体及びその製造方法 | |
KR102212343B1 (ko) | 마리안 플럼 추출물을 유효성분으로 함유하는 피부 항노화 및 보습용 조성물 | |
KR102106440B1 (ko) | 블루베리 및 흑미 추출물 배양 유산균을 포함하는 피부상태 개선용 조성물 | |
JP7300121B2 (ja) | 抗糖化用組成物、及び抗糖化用組成物の製造方法 | |
JP5886512B2 (ja) | 植物性スフィンゴ脂質及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150324 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20150330 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20150331 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150707 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150717 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5782534 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |