JP5775662B2 - ヒアルロン酸合成促進剤 - Google Patents
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Description
該皮膚外用剤においては、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体を含有する限りはその比率については限定されないが、例えばクリプトキサンチン及び/又はその誘導体を0.00001質量%以上100質量%以下、好ましくは0.0001質量%以上80質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以上50質量%以下の割合で含有しておればよく、上記範囲であれば、十分にヒアルロン酸合成促進作用が得られる。
該ヒアルロン酸合成促進剤を配合した皮膚外用剤は、対象の年齢や肌の状態により異なるが、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体としての摂取量が、1日あたり、約0.000001〜100gであることが好ましい。
該ヒアルロン酸合成促進剤を配合した飲食品においては、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体を含有する限りはその比率については限定されないが、例えばクリプトキサンチン及び/又はその誘導体を0.00001質量%以上100質量%以下、好ましくは0.0001質量%以上80質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以上50質量%以下の割合で含有しておればよく、上記範囲であれば、十分にヒアルロン酸合成促進作用が得られる。
該ヒアルロン酸合成促進剤を配合した飲食品は、摂取者の体重や年齢や肌の状態により異なるが、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体としての摂取量が、1日あたり、約0.000001〜100gであることが好ましい。
本発明のヒアルロン酸合成促進用医薬品においては、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体を含有する限りはその比率については限定されないが、例えばクリプトキサンチン及び/又はその誘導体を0.00001質量%以上100質量%以下、好ましくは0.0001質量%以上80質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以上50質量%以下の割合で含有しておればよく、上記範囲であれば、十分にヒアルロン酸合成促進作用が得られる。
本発明のヒアルロン酸合成促進用医薬品は、対象の年齢や肌の状態により異なるが、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体としての投与量が、1日あたり、約0.000001〜100gであることが好ましい。
飼料の形態としては、ペットフード、家畜飼料、養殖魚用飼料などに用いることができる。
またペットフードとして用いる場合には、上記飲食品と同じ形態のものを用いても何ら問題がない。
該ヒアルロン酸合成促進剤を配合した飼料においては、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体を含有する限りはその比率については限定されないが、例えばクリプトキサンチン及び/又はその誘導体を0.00001質量%以上100質量%以下、好ましくは0.0001質量%以上80質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以上50質量%以下の割合で含有しておればよく、上記範囲であれば、十分にヒアルロン酸合成促進作用が得られる。
該ヒアルロン酸合成促進剤を配合した飼料においては、、対象の種や肌の状態により異なるが、例えば体重約60kgとすると、クリプトキサンチン及び/又はその誘導体としての摂取量が、1日あたり、約0.000001〜100gであることが好ましい。
実施例中、β−クリプトキサンチン及び/又はその誘導体の含量の測定は、その粉体、濃縮残存物をサンプルとして用い(β―クリプトキサンチンの定量)又はその粉体、濃縮残存物を80℃、1Nの水酸化カリウム水溶液で60分処理することで全てβ―クリプトキサンチン単体に変換したものをサンプルとして用い(β―クリプトキサンチン及びその誘導体をβ―クリプトキサンチンのフリー体として定量)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により行なった。すなわち、HPLC装置として、LC−10A(島津製作所製)を用い、ResolveC18(φ3.9×150mm、ウォーターズ社製)カラムを接続し、メタノールを等量加えた試料を導入した。移動相には、メタノール:酢酸エチル=7:3、カラム温度30℃、流速1.0ml/min、検出波長450nmで分析した。
温州みかんから果汁を絞った後の残さ(みかんジュース粕、水分率約90%)800gに飲食品加工用のペクチナーゼ酵素剤であるスミチームPX(新日本化学工業株式会社製、ペクチナーゼ5,000ユニット/g、アラバナーゼ90ユニット/g)1gとセルラーゼ/ヘミセルラーゼ酵素剤であるセルラーゼY−NC(ヤクルト薬品工業株式会社製セルラーゼ30,000ユニット/g)1gを添加し、よくかき混ぜて室温8時間静置反応を行った。この反応液を遠心分離して上清を除去した後、水を添加して攪拌し、再度遠心分離により上清を除去した。この沈殿物を凍結乾燥機により乾燥し、ミキサー型粉砕機で粉砕・粉末化した。本粉末中にはβ−クリプトキサンチン及びその誘導体(β―クリプトキサンチンのフリー体換算)が0.5質量%(β―クリプトキサンチン:0.1質量%、その誘導体:0.4質量%)含まれていた。
得られた温州みかん粉末を重量の3倍量のエタノールで抽出し、得られた抽出液をエバポレーターで減圧濃縮した。濃縮後の残存物を本発明のヒアルロン酸合成促進剤とした。このヒアルロン酸合成促進剤にはβ−クリプトキサンチン及びその誘導体(β―クリプトキサンチンのフリー体として換算)が2質量%(β―クリプトキサンチン:0.4質量%、その誘導体:1.6質量%)含まれていた。
β‐クリプトキサンチン(標準サンプル)を使用して正常ヒト表皮角化細胞(ヒアルロン酸合成酵素3)と正常ヒト皮膚繊維芽細胞(ヒアルロン酸合成酵素2)に対するヒアルロン酸合成酵素の発現作用を確認した。以下にその詳細を示す。
正常ヒト表皮角化細胞(クラボウ株式会社製)と正常ヒト皮膚繊維芽細胞(クラボウ株式会社製)とをそれぞれで24ウェルプレート(IWAKI社製)に播種後、37℃で5%CO2インキュベーター(ESPEC社製)で培養を行い、3日に一度専用の培地(クラボウ株式会社製)交換を行いながら60%コンフレントになるまで培養を継続した。その後、β−クリプトキサンチン(標準サンプル、四国八洲社製)を、培地に添加したときの濃度が、それぞれ0(溶媒コントロール)、5、10、50μMとなるようにDMSO(和光純薬社製)に溶解し、培地に添加させ、培地を交換することで細胞に作用させた。対照群としては、すでにヒアルロン酸の合成促進作用が報告されているN−アセチルグルコサミンを、培地に添加したときの濃度が、それぞれ0(溶媒コントロール)、5、10、50μMとなるように精製水に溶解し、培地に添加させ、同様の培養実験を行った。培地交換後24時間培養を行い、時間経過後培地をプレートから除去し、PBSで洗浄後、ISOGEN(ニッポンジーン社製)を各ウェル500μLずつ添加し、懸濁することで細胞中のRNAを溶解させた。その後、RNAを抽出し、逆転写酵素(タカラバイオ社製)でcDNAを作成した。
作成したcDNAを用いてリアルタイムPCR(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を使用してヒアルロン酸合成酵素2、3の遺伝子量の定量を行った。なお、それぞれの酵素に対するPrimerをPrimer Express(アプライドバイオシステムズジャパン社製)を基に設計し、シグマアルドリッチジャパンにて合成を行った。
またPCR反応用の酵素はSYBR Premix Ex−tag II(タカラバイオ社製)を使用し、反応時間は95℃15秒×1サイクル、95℃15秒・60℃1分×40サイクルを行うことで遺伝子量を相対的に測定した。
β−クリプトキサンチン又はN−アセチルグルコサミンを添加し培養した時のヒアルロン酸合成酵素3の発現結果を図1に示す。正常ヒト表皮角化細胞ではβ−クリプトキサンチン添加量が5μM以上の場合、ヒアルロン酸合成酵素3の発現量が溶媒コントロールに比べて有意に上昇した。またN−アセチルグルコサミンを添加した場合も添加量が10μM以上で有意に上昇したが、β−クリプトキサンチンよりも発現上昇は低かった。
β−クリプトキサンチン又はN−アセチルグルコサミンを添加し培養した時のヒアルロン酸合成酵素2の発現結果を図2に示す。正常ヒト皮膚繊維芽細胞ではβ−クリプトキサンチン添加量が10μM以上の場合、ヒアルロン酸合成酵素2の発現量が溶媒コントロールに比べて有意に上昇した。N−アセチルグルコサミンを添加した場合も添加量が50μM以上で有意に上昇したが、β−クリプトキサンチンよりも発現上昇は低かった。
実施例1で得たヒアルロン酸合成促進剤を基に実施例2と同様の実験を行った。すなわち誘導体を含むβ−クリプトキサンチン濃度2質量%(β―クリプトキサンチンのフリー体として換算)を、培地に添加したときの濃度が、それぞれ0(溶媒コントロール)、5、10、50μMとなるように試料を培地に添加した。対照群としては、すでにヒアルロン酸の合成促進作用が報告されているN−アセチルグルコサミンを精製水に溶解し、培地に添加したときの濃度が、それぞれ、0(溶媒コントロール)、5、10、50μMとなるように試料を添加し、同様の培養実験を行った。この培養液を使用してヒアルロン酸合成酵素2,3の量の測定を行った。培養・測定方法は実施例2と同様である。
実施例1で作成したヒアルロン酸合成促進剤又はN−アセチルグルコサミンを添加し培養した時のヒアルロン酸合成酵素2の発現の結果を図4に示す。誘導体を含むβ−クリプトキサンチンで培養した場合も、N―アセチルグルコサミンで培養した図2と同様に、ヒアルロン酸合成酵素2の発現が上昇していた。N―アセチルグルコサミンと誘導体を含む皮膚外用剤による培養の間にはヒアルロン酸合成酵素2の発現量の有意な差は見られず、ヒアルロン酸合成促進剤中に含有される誘導体もフリー体と同様にヒアルロン酸合成酵素2の発現量を上昇させた。
実施例2で培養した正常ヒト表皮角化細胞の培養上清を回収し、分泌されたヒアルロン酸をヒアルロン酸のELIZAキット(コスモ・バイオ社製)を用いて定量した結果を図5に示す。その結果β−クリプトキサンチン含有培地で培養した細胞ではいずれの濃度でもN−アセチルグルコサミンよりもヒアルロン酸量が上昇していた。
実施例3で培養した正常ヒト表皮角化細胞の培養上清を回収し、分泌されたヒアルロン酸を実施例4と同様の方法にて定量した結果を図6に示す。その結果、誘導体を含むβ−クリプトキサンチン含有培地で培養した細胞では、いずれの濃度でも、βークリプトキサンチン(標準サンプル)を用いた実施例4と同様に、N−アセチルグルコサミンよりもヒアルロン酸量が上昇していた。
実施例1で得られた抽出物を使用して以下の処方例を作成したが、本発明はこの処方によって限定されるものではない。
処方例1 保湿クリーム
抽出物 1.00%
脱イオン水 67.80%
乳化安定剤 0.80%
グリセリン 2.00%
界面活性剤 5.00%
キサンタガム 0.20%
ジノナン酸 6.00%
ミリスチン酸オクタドデシル 3.00%
イソステアリン酸イソステアリル 4.00%
イソノナン酸イソノニル 5.00%
防腐剤 0.50%
セトステアリルアルコール 0.50%
シクロペンタシロキサン 2.00%
小麦粉エキス 2.00%
香料 0.20%
処方例1の保湿クリームと、保湿クリームから抽出物を除いたプラセボを用いて二重盲検試験を実施した。女性33人(43〜54才)を対象に2週間の二重盲検法を用いた使用試験を行った。試験期間中温州みかん、柿、マンゴーなどβ−クリプトキサンチンを多く含む食品の摂取は禁止し、塗布は夜間に0.5g/日を上腕内側に行うこととした。試用期間終了後、キュートメーター(CK社製)を使用して塗布部分の肌弾力性の変化を試験の前後で測定を行った。また塗布部分の張りや感触が良くなったかどうかをVASスケールによってアンケートを実施した。
Claims (3)
- クリプトキサンチン及び/又はその誘導体を含有することを特徴とするヒアルロン酸合成促進剤を含有するヒアルロン酸合成促進用医薬品。
- クリプトキサンチン及び/又はその誘導体がかんきつ類由来のものである請求項1記載のヒアルロン酸合成促進用医薬品。
- かんきつ類が温州みかんである請求項2記載のヒアルロン酸合成促進用医薬品。
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