JP2011041642A - 自動製パン器 - Google Patents

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Abstract

【課題】パン材料としてグルテン及び増粘剤を含ませることなく米粉を使用する場合に出来の良いパンを製造できる自動製パン器を提供する。
【解決手段】自動製パン器の制御部が実行させる製パンコースは少なくとも1種類あり、前記製パンコースには、パン材料としてグルテン及び増粘剤を含ませることなく米粉を使用する場合に実行されるべき第1の製パンコースが含まれる。前記第1の製パンコースは、酵母菌を含んだパン材料を前記攪拌部材で攪拌する攪拌処理を含み、パン材料からパン生地を調製するパン生地調製工程と、前記パン生地調製工程によって得られたパン生地を休ませる生地休め工程と、前記生地休め工程を経たパン生地のガスを抜くガス抜き工程と、前記ガス抜き工程を経たパン生地を発酵させる発酵工程と、前記発酵工程を経たパン生地を焼成する焼成工程と、を順次に連続して行うコースである。
【選択図】図8

Description

本発明は自動製パン器に関し、特に、パン材料として米粉を用いてパンを焼き上げることができる自動製パン器に関する。
従来、小麦粉をパン材料とする小麦粉パンに代わるパンとして、米粉をパン材料とする米粉パンが注目されている。米粉パンは、小麦粉パンに比べ、1)含水量が多く少ない量で腹もちがよい、2)保水体質の日本人に適している、3)小麦粉アレルギー疾患の人も安心して食することができる、等の長所がある。このような長所や米粉の用途拡大を図る等の観点から、従来、一般家庭で米粉パンを製造できる自動製パン器の開発が盛んに行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1〜3に開示されるように、米粉をパン材料として用いる場合には、パン生地内に炭酸ガスを閉じ込める粘性膜を形成してふっくら感のあるパンを焼き上げられるように、パン材料にグルテンや増粘剤(例えば植物系の多糖類からなるグアガム等からなって、パン生地に粘性を付与するもの)を含ませるのが一般的である。
また、米粉は小麦粉に比して含水率が高いものの、加水されて一旦吸水した水を長時間にわたって保持することが難しいという性質を有する。このために、米粉パンをパン材料として使用する場合には、パンの製造に要する時間をできる限り短時間とすることが望まれる。このようなことから、パン材料として米粉を使用して自動製パン器でパンを製造する場合には、従来、次のような工程でパンが製造される。
すなわち、パン材料にグルテンを含有させる場合には、例えば、捏ね−生地休め−生地丸め−成形発酵−焼成といった工程により、2時間30分程度でパンが製造される(特許文献1参照)。また、パン材料にグルテンを含ませることなく増粘剤を含ませる場合には、例えば、パン生地調製(混合及び捏ね)−成形発酵−焼成といった工程により、約2時間程度でパンが製造される(特許文献2参照)。
なお、パン材料として小麦粉を使用する場合には、例えば、捏ね−一次発酵−ガス抜き−生地休め−生地丸め−成形発酵−焼成といった工程により、3時間30分程度でパンが製造される(特許文献1参照)。これと比較すれば、従来の自動製パン器においては、米粉をパン材料として使用する場合に、一次発酵工程等を省略することによって小麦粉をパン材料として使用する場合に比べて短時間でパンを製造しているのがわかる。
特許第3913724号公報 特開2006−122021号公報 特開2006−187248号公報
ところで、近年においては、米粉パンのパン原料として使用される米粉の改善(例えば粒度分布等の改善)によって、手作業(自動製パン器を用いないとの意味である)でパンを製造する場合に、パン材料にグルテンや増粘剤を含ませることなく出来の良い(ふっくら感があり、おいいしい)米粉パンが製造されるようになってきている。
従来の常識では、パン原料として米粉を使用する場合には、グルテンや増粘剤をパン原料に含ませるのが当然とされていた。このために、従来提案されている自動製パン器においては、パン材料として米粉を使用し、パン材料にグルテンと増粘剤とのいずれも含ませない場合には、出来の良いパンが得られ難いという問題があった。
そこで、本発明の目的は、パン材料としてグルテン及び増粘剤を含ませることなく米粉を使用する場合に出来の良いパンを製造できる自動製パン器を提供することである。また、本発明の他の目的は、パン材料中におけるグルテン及び増粘剤の有無にかかわらず、パン材料として米粉を使用した場合に出来の良いパンを製造できる自動製パン器を提供することである。
上記目的を達成するために本発明の自動製パン器は、パン材料が投入される容器と、前記容器内に投入されたパン材料を攪拌する攪拌部材と、前記容器内の温度を調整する加熱部と、前記攪拌部材及び前記加熱部の動作を制御して、パン材料からパンを焼き上げるための製パンコースを実行させる制御部と、を備える自動製パン器であって、前記制御部が実行させる前記製パンコースは少なくとも1種類あり、前記製パンコースには、パン材料としてグルテン及び増粘剤を含ませることなく米粉を使用する場合に実行されるべき第1の製パンコースが含まれ、前記第1の製パンコースは、酵母菌を含んだパン材料を前記攪拌部材で攪拌する攪拌処理を含み、パン材料からパン生地を調製するパン生地調製工程と、前記パン生地調製工程によって得られたパン生地を休ませる生地休め工程と、前記生地休め工程を経たパン生地のガスを抜くガス抜き工程と、前記ガス抜き工程を経たパン生地を発酵させる発酵工程と、前記発酵工程を経たパン生地を焼成する焼成工程と、を順次に連続して行うコースであることを特徴している。
なお、増粘剤は、パン材料に粘性を付与して、パン生地の内部に炭酸ガス等を閉じ込め易くするために加えられるものを指している。この増粘剤には、植物系の多糖類からなるものと、海藻系の多糖類からなるものが含まれ、好ましく使用されるものの代表例として、植物系の多糖類からなるグアガムが挙げられる。
本構成の自動製パン器では、第1の製パンコースにおいて、最終の発酵工程(焼成工程直前の発酵工程を指す)の前に、生地を休めて生地中にガスを含ませた上で、ガス抜きを行うこととしている。このガス抜きによって、パン生地の状態について、ムラのない、均一な状態を得ることができるため、出来の良い米粉パンを焼き上げることができる。なお、ここで行うガス抜き工程は、より均一な状態の生地を得るために、できる限りパン生地中のガスを抜くように徹底して行うのが好ましい。このような意味で、このガス抜き工程は、パン生地の均一状態を高めるための生地均一化工程とも言える。
従来の常識では、米粉を使用する場合(特に、グルテン及び増粘剤を含ませることなく米粉を使用する場合によく当てはまることである)には、パン生地中の炭酸ガスが抜け易く、最終の発酵工程の前に徹底してガスを抜くということは考えられなかった。この点、本発明者らは、グルテン及び増粘剤を含ませることなく使用することが推奨される米粉を用いて鋭意検討した結果、上述した、生地を休めて生地中にガスを含ませた上でガス抜き工程(生地均一化工程)を行うことによって、出来の良い米粉パンを焼き上げることを見出し、本発明に至ったものである。
上記構成の自動製パン器において、前記パン生地調製工程は、前記容器に予め投入しておいた酵母菌を含んだパン材料を、前記攪拌部材で攪拌する攪拌処理を行う工程であるのが好ましい。これにより、パン生地調製工程を単純なものとできる。ただし、前記生地調製工程には、酵母菌以外のパン材料が投入された前記容器に酵母菌を投入する酵母菌投入処理と、前記酵母菌投入処理によって投入された前記酵母菌を含むパン材料を攪拌する攪拌処理と、が含まれることとしてもよい。このようなパン生地調製工程の具体例として、例えば、酵母菌以外のパン材料を予め容器に投入しておき、一旦、パン材料を攪拌した後に攪拌を止めて酵母菌を投入し、その後、酵母菌を含むパン材料を攪拌するという構成が挙げられる。
上記構成の自動製パン器において、前記第1の製パンコースは、パン材料としてグルテンを含ませることなく増粘剤を含ませた米粉を使用する場合にも兼用される製パンコースであることとしてもよい。
本構成によれば、パン材料としてグルテンを含ませることなく米粉を使用する場合について、増粘剤の有無にかかわらず、同一の製パン工程とできるために、製パン工程の選択が複雑とならず、ユーザにとって使い勝手の良いものとなる。
上記構成の自動製パン器において、前記制御部が実行させる前記製パンコースには、前記第1の製パンコースの他に、パン材料としてグルテンを含ませて米粉を使用する場合に実行されるべき第2の製パンコースが含まれ、前記第2の製パンコースは、酵母菌を含んだパン材料を前記攪拌部材で攪拌する攪拌処理を含み、パン材料からパン生地を調製するパン生地調製工程と、前記パン生地調製工程によって得られたパン生地を休ませる生地休め工程と、前記生地休め工程を経たパン生地を丸める生地丸め工程と、前記生地丸め工程を経たパン生地を発酵させる発酵工程と、前記発酵工程を経たパン生地を焼成する焼成工程と、を順次に連続して行うコースであることとしてもよい。
本構成によれば、パン材料に米粉を使用する場合において、パン材料中にグルテンが含まれるか否かで、第1の製パンコースと第2の製パンコースを選択して、パンを焼き上げることが可能となる。すなわち、本構成の自動製パン器があれば、パン材料に含まれる成分に応じて製パンコースを使い分けることで、米粉をパン材料として使用する場合に広く出来の良いパンを製造することが可能となる。
前記第1の製パンコースのガス抜き工程、及び、前記第2の製パンコースの生地丸め工程は、前記攪拌部材を回転することによって行われ、前記攪拌部材の回転は、前記ガス抜き工程の場合の方が前記生地丸め工程の場合よりも高速であることとしてもよい。
本構成によれば、ガス抜き処理では、ガスを徹底して抜くために攪拌部材を高速で回転する。一方で、生地丸め処理では、パン生地をできるだけ傷めないように攪拌部材を低速で回転する。このために、本構成の自動製パン器によれば、出来の良い米粉パンを得やすい。
上記構成の自動製パン器において、前記第1の製パンコースが実行される場合と、前記第2の製パンコースが実行される場合とで、使用すべき前記攪拌部材の種類が異なるように設けられていることとしてもよい。
本構成によれば、第1の製パンコースと第2の製パンコースとで使用する攪拌部材を異なるものとしている。このように、各製パンコースに対応して最適な攪拌部材を用いるように構成することで、より出来の良いパンを焼き上げることが可能となる。
本発明の自動製パン器によると、パン材料としてグルテン及び増粘剤を含ませることなく米粉を使用する場合に、出来の良いパンを製造できる。また、本発明の自動製パン器によると、パン材料中におけるグルテン及び増粘剤の有無にかかわらず、パン材料として米粉を使用した場合に、広く出来の良いパンを製造することも可能となる。
本実施形態の自動製パン器の構成を示す図で、蓋を閉じた状態の垂直断面図 本実施形態の自動製パン器の構成を示す図で、蓋を開いた状態の垂直断面図 本実施形態の自動製パン器が備える操作部の構成を示す正面図 本実施形態の自動製パン器の電気的構成を示すブロック図 本実施形態の自動製パン器が備える攪拌羽根について説明するための図で、攪拌羽根の構成を示す概略斜視図 本実施形態の自動製パン器で小麦粉食パンを製造する場合の製パン工程表 本実施形態の自動製パン器で米粉食パン(グルテン含む)を製造する場合の製パン工程表 本実施形態の自動製パン器で米粉食パン(グルテン及び増粘剤を含まない)を製造する場合の製パン工程表 本発明に適用可能なパン生地調製工程の変形例を示す図
(自動製パン器の概略構成)
以下、本発明の自動製パン器の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の自動製パン器の構成を示す図で、蓋を閉じた状態の垂直断面図である。図2は、本実施形態の自動製パン器の構成を示す図で、蓋を開いた状態の垂直断面図である。図3は、本実施形態の自動製パン器が備える操作部の構成を示す正面図である。図4は、本実施形態の自動製パン器の電気的構成を示すブロック図である。図1、図2、図3及び図4を参照して、本実施形態の自動製パン器1の概略構成について説明する。
自動製パン器1は、本体10と本体の蓋20とを備える。本体10の内部には上面が開口した焼成室11が設けられ、この上面開口を蓋20が閉ざす。焼成室11にはパン容器30が入れられる。蓋20は自動製パン器1の背面側において本体10に蝶番軸21で連結され、蝶番軸21を中心として垂直面内で回動する。蓋20には、前端より少し後方に寄った位置に、透明合成樹脂のレンズをはめ込んだ覗き窓20aが設けられている。
焼成室11は、水平断面矩形の周側壁11aと底壁11bとを備え、底壁11bの焼成室中央にあたる箇所にはパン容器支持部12が固定されている。パン容器支持部12の内部は、底壁11bに形成された開口部を通じ、焼成室11側に露出する。パン容器支持部12は、パン容器30の底面に固定された筒状の台座31をバヨネット結合で連結してパン容器30を支える役割を担う。また、パン容器支持部12は、パン容器30内に取り付けられる攪拌羽根32(本発明の攪拌部材の実施形態である)に、羽根取付軸33を介して動力を伝える回転軸13を支持する役割も担う。パン容器支持部12の下面から突き出した回転軸13の下端にはプーリ14が固定される。プーリ14は底壁11bの下面に固定されたモータ15の出力軸プーリ16にベルト17で連結されている。
また、焼成室11の内部にはパン容器30を包囲するように加熱装置40(本発明の加熱部の実施形態である)が配置され、これにより、パン容器30に投入されたパン材料或るいはパン生地を加熱する。加熱装置40はシーズヒータ41により構成されている。シーズヒータ41には耐熱ケーブル42を通じて電流が供給される。
パン容器30はバケツのような形状をしており、口縁部には手提げ用のハンドル(図示せず)が取り付けられている。パン容器30の水平断面形状は、四隅を丸めた矩形であり、その中心で攪拌羽根32が回転する。攪拌羽根32は、台座31の中心に軸支された羽根取付軸33の上端部に単なるはめ込みで取り付けられており、工具を用いることなく着脱することができる。このため、異なる種類の攪拌羽根32に容易に交換可能である。
羽根取付軸33は回転軸13より動力を伝達されるものであるが、その動力伝達手段としては台座31に囲い込まれるカップリング34が用いられる。すなわち、カップリング34を構成する2部材のうち、一方は回転軸33の下端に固定され、他方は回転軸13の上端に固定される。
台座31の外周面には、パン容器支持部12の内周面に形成された突起35aと共に周知のバヨネット結合部を構成する突起35bが形成されている。パン容器30を、突起35aと35bが干渉しない角度に保ちつつ、台座31をパン容器支持部12の中に落とし込み、パン容器30をひねって突起35aの下に突起35bを係合させれば、パン容器30は上方に抜けなくなり、同時にカップリング34の連結も達成される。パン容器30のひねり方向は攪拌羽根32の回転方向に一致させてあるので、攪拌羽根32が回転してもパン容器30が外れることはない。ここでは、パン容器30のひねり方向と攪拌羽根32の回転方向は、共に上から見て時計方向に設定されている。
本体10の前部上方には操作部22が配置される。図3に示すように、操作部22は、液晶表示パネルからなる表示部50と、スタートキー51と、とりけしキー52と、小麦コースキー53と、小麦ゼロ/米粉コースキー54と、小麦ゼロコースランプ54aと、天然酵母コースキー55と、調理コースキー56と、時刻/予約時間/調理時間設定キー57a、57bと、予約キー58と、予約ランプ58aと、を備える。小麦ゼロコースランプ54a及び予約ランプ58aはいずれもLED(Light Emitting Diode) からなる。
表示部50は、自動製パン器1が電源ONの状態にあるかどうか、現在時刻、各種コースキー53〜55の選択状況、調理キー56により選択した調理コースの種類、スタートキー51による製パン作業(製パンコース)のスタート、とりけしキー52による選択の解除や製パン作業中止、時刻/予約時間/調理時間設定キー57a、57bでセットしたパンや生地の完成予定時間、製パン作業時に発生したエラーを示すエラーメッセージなどの情報を表示する。
スタートキー52は、自動製パン器1を電源ONまたは電源OFFの状態にするために、また、製パン作業(生地づくりやジャム・スープづくりの作業であることもある)をスタートさせるのに用いる。とりけしキー53は、各種選択や設定を取り消したり、実行中の作業を中止したりするのに用いる。
小麦コースキー53は、パンや生地を製造する場合の材料として小麦粉を使用する場合に用いられるキーである。本実施形態の自動製パン器1においては、小麦コースキー53によって、例えば、「食パン」、「おいそぎ」(食パンを短時間で製造するコース)、「焼色濃」(食パンの焼き色を濃く製造するコース)、「グルメパン」、「フランスパン」、「パン生地」、「ピザ生地」、「ヌードル」、「ケーキ」といったコースを選択することができるようになっている。
小麦ゼロ/米粉コースキー54は、パンや生地を製造する場合の材料として、小麦粉ではなく米粉を使用する場合に用いられるキーである。小麦ゼロ/米粉コースキー54は、米粉コースと小麦ゼロコースとが選択できるようになっており、小麦ゼロコースが選択された場合に、小麦ゼロコースランプ54aが点灯する。また、小麦ゼロ/米粉コースキー54によって、例えば「パン生地」、「ピザ生地」、「ヌードル」、「ケーキ」といったコースが選択できるようになっている。
なお、米粉コースは、パン材料として米粉を使用する場合であって、パン材料中にグルテンを含ませる場合に選択されるコースである。また、小麦ゼロコースは、パン材料として米粉を使用する場合であって、パン材料中にグルテンを含ませない場合に選択されるコースである。更に説明を付け加えると、小麦ゼロコースは、パン材料中にグアガム等の増粘剤が含まれる場合であろうとなかろうと、パン材料中にグルテンが含まれなければ、選択されるコースである。
天然酵母パンコースキー55は、パン原料として小麦粉を使用し、元種を水と混合して得られる天然酵母で発酵を行わせる「天然酵母パンコース」を選択するときに用いられる。
調理コースキー56は、ジャムやスープづくりを行うためのコースを選択できるように設けられている。
時刻/予約時間/調理時間設定キー57a、57bは、現在時刻、パン生地が出来上がるまでの予約時間、調理時間を合わせるために用いられるキーである。また、予約キー58は、出来上がり時間を予約する時に押すためのキーであり、予約が行われると予約ランプ58aが点灯する。
焼成室11の周側壁11aの前面と本体10の正面側外殻との間の空間には、自動製パン器1の動作全体を制御する制御装置18が配置される。この制御装置18は、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/O(input/output)回路部等からなるマイクロコンピュータ(マイコン)181と、このマイコン181に電気的に接続されたモータ駆動回路182及びヒータ駆動回路183と、を備えている。また、制御装置18が備えるマイコン181には、上述した操作部22の各種キーやランプが電気的に接続されている。更に、マイコン181には、焼成室11の内側に配置され、焼成室11内の温度を検出する温度センサ19が電気的に接続されている。
モータ駆動回路182は、マイコン181からの指令の下で、攪拌羽根32を回転させるモータ15の駆動を制御する回路である。ヒータ駆動回路183は、温度センサ19からの情報を受け取るマイコン181からの指令の下で、加熱装置40の動作を制御する回路である。マイコン181は、操作部22からの入力信号に基づいてROM等に格納された製パンコース(生地、ジャム、スープづくりのコースの場合もあり得る)に係るプログラムを読み出す。そして、マイコン181は、モータ駆動回路182を介して攪拌羽根32の回転、及び、ヒータ駆動回路183を介して加熱装置40の加熱動作を制御しながら、自動製パン器1に製パンコースを実行させる。なお、制御装置18は、本発明の制御部の実施形態である。
以上が本実施形態の自動製パン器1の概略構成である。自動製パン器1は、単に食パンを製造する以外に、様々な付加的なコース(例えば、短時間で食パンを製造するコース、特殊なパン(焼色濃、フランスパン、グルメパン、天然酵母を用いたパン)を製造するコース、各種生地、ヌードル、ケーキ、ジャム、及びスープを製造するコース)を有する。しかし、本実施形態の自動製パン器は、パン材料としてグルテン及び増粘剤(例えばグアガム)を含ませることなく米粉を使用した場合にも、出来の良い食パンが製造できる点に特徴を有する。このため、以下ではこの点が理解できるように、本実施形態の自動製パン器1によって実行される製パンコース(パン材料からパンを焼き上げるためのコース)について説明する。すなわち、本発明とは直接関係がない、上述の付加的なコースについての説明は省略する。
(自動製パン器によって実行される製パンコースについて)
1.パン材料として小麦粉を使用する場合の製パンコース(製パンコース(A))
まず、パン材料として小麦粉を用いて食パンを製造する場合に、自動製パン器1で実行される製パンコース(製パンコース(A))について説明する。なお、この場合、パン材料には、小麦粉の他に、水、酵母菌(例えばドライイースト)、砂糖、塩、油脂(例えばバター)等が含まれる。なお、砂糖、塩、油脂等の調味料は、それぞれ、入れても入れなくてもよい。
製パンコースを開始するにあたっては、パン容器30に設けられる羽根取付軸33に攪拌羽根32を取り付ける。そして、所定の量の水をパン容器30に入れた後、所定量の小麦粉、砂糖、塩、パターを入れる。最後に、ドライイーストを水に触れないようにパン容器30に入れた後に、パン容器30を焼成室11に入れてパン容器支持部12に取り付け、羽根取付軸33を回転軸13に連結して蓋20を閉じる。この後、操作部22の小麦コースキー53によって、「食パン」を選択し、スタートキー51を押すと、製パンコース(A)が開始される。
ここで、製パンコース(A)に使用される攪拌羽根32について説明しておく。本実施形態の自動製パン器1においては、複数種類の攪拌羽根32が用意されている。パン材料として小麦粉を使用して食パンを製造する場合(製パンコース(A)の場合)、図5(a)に示すような第1の攪拌羽根32aが使用される。
第1の攪拌羽根32aは、羽根取付軸33に取り付けられるように、第1の貫通孔321を有する第1の取付部322を備える。この第1の取付部322と一体となって第1の羽根部323が設けられる。この第1の羽根部323は、第1の取付部322とつながる略矩形状の第1平板部323aと、第1平板部323aに対して折れ曲がった状態でつながる略台形状の第2平板部323bとからなる。第1の攪拌羽根32aは、パン容器30内で回転されることにより、パン容器30内に投入されたパン材料を混合すると共に、パン材料がパン生地に転じていく過程で、パン材料(生地)をパン容器30の内壁にたたきつける作用を発揮する。
以下、製パンコース(A)の詳細について主に図6を参照しながら説明する。図6は、本実施形態の自動製パン器で小麦粉食パンを製造する場合の製パン工程表である。なお、図6の例に限らず、本明細書に登場する具体的な時間、温度、攪拌羽根の回転数はあくまでも一つの例であり、発明の内容を限定するものではない。
製パンコース(A)が開始されると、まず、パン容器30に投入されたパン材料からパン生地を調製するパン生地調製工程が行われる。このパン生地調製工程は、具体的には、パン容器30に投入されたパン材料を攪拌する攪拌処理を行う工程である。この攪拌処理は、制御装置18がモータ15の駆動を制御し、第1の攪拌羽根32aを回転させることによって行われる。また、この攪拌処理において、制御装置18は、必要に応じて加熱装置40を制御して焼成室11の温度を上げるようにする。
攪拌処理において、第1の攪拌羽根32aはパターン1(回転数10.8rpm)で30秒間回転し、次いでパターン2(回転数18.0rpm)で1分間回転し、次いでパターン3(回転数54rpm)で30秒間回転し、最後に定格回転数(180rpm)で10分間連続回転する。このように攪拌羽根の回転数を制御するのは、パン材料中の粉成分の飛散を抑制するためである。
第1の攪拌羽根32aの回転により、パン容器30中のパン材料は攪拌され、粘度の高いパン生地(dough)に転じて行く。そして、第1の攪拌羽根32aが、パン生地へと転じて行くパン材料を振り回してパン容器30の内壁にたたきつけることにより、パン材料を練り上げる「捏ね」の要素が加わることになる。すなわち、この攪拌処理は、「捏ね」の要素も含んでいる。
パン生地調製工程が完了すると、続いてパン生地を発酵させる一次発酵工程が行われる。この一次発酵工程では、制御装置18が加熱装置40を制御し、焼成室11の温度が所定の温度に維持される。この一次発酵工程では第1の攪拌羽根32aの回転は止まっている。この一次発酵工程は、具体的には32℃で48分50秒間行われる。
一次発酵工程が完了すると、続いてパン生地中に含まれるガスを抜くガス抜き工程が行われる。このガス抜き工程では、制御装置18がモータ15の駆動を制御して、第1の攪拌羽根32aを回転させる。また、このガス抜き工程では、焼成室11の温度を所定の温度に維持すべく、制御装置18は加熱装置40の制御も行う。このガス抜き工程は具体的には、第1の攪拌羽根32aを定格回転数(180rpm)で10秒間連続回転し、これによりパン生地の中に溜まったガスを抜く。
ガス抜き工程が完了すると、続いてパン生地を休ませる生地休め工程(ベンチタイム;「ねかし」と呼ばれることもある)が行われる。このベンチタイムにおいては、焼成室11の温度を所定の温度(32℃)に維持すべく、制御装置18は加熱装置40を制御する。このベンチタイムでは第1の攪拌羽根32aの回転は止まっている。ベンチタイムは、具体的には35分30秒間行われる。
生地休め工程が完了すると、続いてパン生地を丸める生地丸め工程が行われる。この生地丸め工程では、制御装置18がモータ15の駆動を制御し、第1の攪拌羽根32aを回転させる。本実施形態の生地丸め工程では、第1の攪拌羽根32aが、定格回転数(180rpm)の2割未満の回転数で2分間以下の時間、回転するようにしている。これは、生地をソフトに丸めてふくらみ具合の良いパンを得るためである。具体的には、パターン1(回転数10.8rpm)で前半30秒間の回転を行い、パターン2(回転数18.0rpm)で後半1分間の回転を行う設定となっている。なお、パターン2の回転数18.0rpmはパターン1の回転数10.8rpmの1.5倍以上2倍未満の範囲にある。
生地丸め工程が完了すると、続いてパン生地を再度発酵させる成型発酵工程が行われる。この成型発酵工程では、制御装置18が加熱装置40を制御し、焼成室11の温度が所定の温度に維持される。この成型発酵工程では第1の攪拌羽根32aの回転は止まっている。この成型発酵工程は、具体的には38℃で1時間行われる。
成型発酵工程が完了すると、続いてパン生地を焼成する焼成工程が行われる。この焼成工程では、制御装置18が加熱装置40を制御し、所定の温度パターンで焼成室11内を昇温する。この焼成工程においては、パン生地が所定の温度で所定の時間焼成される。この焼成工程では第1の攪拌羽根32aの回転は止まっている。この焼成工程は、具体的には120℃で47分間行われる。
パンが焼き上がると、操作パネル22の表示部50に製パン完了のサインが出るか、或いは製パン完了の報知音が鳴る。これにより、使用者(ユーザ)は製パン作業の終了を検知して、図2のように蓋20を開けてパン容器30と共に完成品のパンBを取り出す。なお、この製パンコース(A)に要するトータル時間は、3時間25分となる。
2.パン材料としてグルテンを含ませて米粉を使用する場合の製パンコース(製パンコース(B))
次に、パン材料としてグルテンを含ませて米粉を使用し、食パンを製造する場合に、自動製パン器1で実行される製パンコースについて説明する。説明にあたって、先に説明した製パンコース(A)と重複する内容については簡単に記載、もしくは省略する。なお、この製パンコース(B)は、本発明の第2の製パンコースの実施形態である。
製パンコース(B)においては、パン材料には、米粉、グルテン、水、酵母菌(例えばドライイースト)、砂糖、塩、油脂(例えばバター)等が含まれる。なお、製パンコース(A)の場合と同様に、砂糖、塩、油脂等の調味料は、それぞれ、入れても入れなくてもよい。
また、製パンコース(B)を開始するにあたっての準備段階は、製パンコース(A)と同様である。製パンコース(B)は、小麦ゼロ/米粉コースキー54で、米粉コースの「食パン」を選択して、スタートキー51を押すことによって開始される。なお、製パンコース(B)で使用される攪拌羽根32は、製パンコース(A)で使用される攪拌羽根と同じ第1の攪拌羽根32aである。
以下、製パンコース(B)の詳細について主に図7を参照しながら説明する。図7は、本実施形態の自動製パン器で米粉食パン(グルテン含む)を製造する場合の製パン工程表である。
製パンコース(B)が開始されると、まず、パン容器30に投入されたパン材料からパン生地を調製するパン生地調製工程が行われる。このパン生地調製工程は、具体的には、パン容器30に投入されたパン材料を攪拌する攪拌処理を行う工程である。この攪拌処理においては、制御装置18によって、第1の攪拌羽根32aの回転動作が制御される。この攪拌処理では、第1の攪拌羽根32aはパターン1(回転数10.8rpm)で30秒間回転し、次いでパターン2(回転数18.0rpm)で1分間回転し、次いでパターン3(回転数54rpm)で30秒間回転し、最後に定格回転数(180rpm)で13分間連続回転する。なお、この攪拌処理を行うにあたって、制御装置18は、必要に応じて加熱装置40の制御も行う。また、この攪拌処理は、「捏ね」の要素も含んでいる。
パン生地調製工程が完了すると、続いてパン生地を休ませる生地休め工程(ベンチタイム)が行われる。このベンチタイムは、32℃で26分30秒間行われる。なお、この生地休め工程においては、パン生地の発酵が進んでガスが発生する。
生地休め工程が完了すると、続いてパン生地を丸める生地丸め工程が行われる。この生地丸め工程は、製パンコース(A)における生地丸め工程と同様に行われ、パターン1(回転数10.8rpm)で前半30秒間の第1の攪拌羽根32aの回転を行い、パターン2(回転数18.0rpm)で後半1分間の第1の攪拌羽根32aの回転を行う。
生地丸め工程が完了すると、続いてパン生地を発酵させる成型発酵工程が行われる。この成型発酵工程は、38℃で57分間行われる。
成型発酵工程が完了すると、続いてパン生地を焼成する焼成工程が行われる。この焼成工程は、具体的には125℃で50分間行われる。
この製パンコース(B)に要するトータル時間は、2時間30分となる。製パンコース(B)では、製パンコース(A)における一次発酵工程及びガス抜き工程を省略するコースとなっている。また、適宜、各工程に要する時間の短縮を図っている。このような製パンに要する時間の短時間化を図るのは、パン材料として米粉を使用する場合、米粉が一旦吸収した水を長時間にわたって保持できないという性質を有することを考慮するものである。そして、製パンコース(B)のように米粉パンを製造することによって、出来の良いパンを得ることができる。
3.パン材料としてグルテン及び増粘剤を含ませることなく米粉を使用する場合の製パンコース(製パンコース(C))
次に、パン材料としてグルテン及び増粘剤を含ませることなく米粉を使用し、食パンを製造する場合に、自動製パン器1で実行される製パンコースについて説明する。説明にあたって、先に説明した製パンコース(A)、(B)と重複する内容については簡単に記載、もしくは省略する。なお、この製パンコース(C)は、本発明の第1の製パンコースの実施形態である。
製パンコース(C)においては、パン材料には、米粉(これは、グルテン及び増粘剤を含ませることなく使用することが推奨された米粉である)、水、酵母菌(例えばドライイースト)、砂糖、塩、油脂(例えばバター)等が含まれる。繰り返し強調するが、ここでは、パン材料中に、グルテンや増粘剤といったパン生地内に炭酸ガスを閉じ込めるに十分な粘性膜を形成するために必要となる材料は含まれない。なお、製パンコース(A)、(B)の場合と同様に、砂糖、塩、油脂等の調味料は、それぞれ、入れても入れなくてもよい。
製パンコース(C)を開始するにあたっての準備段階は、製パンコース(A)と同様である。製パンコース(C)は、小麦ゼロ/米粉コースキー54で、小麦ゼロコースの「食パン」を選択して、スタートキー51を押すことによって開始される。なお、製パンコース(C)で使用される攪拌羽根32は、図5(b)に示す第2の攪拌羽根32bである。
第2の攪拌羽根32bは、羽根取付軸33に取り付けられるように、第2の貫通孔324を有する第2の取付部325を備える。この第2の取付部325と一体となって第2の羽根部326が設けられる。この第2の羽根部326は略矩形状の平板からなり、第1の攪拌羽根32aの第1の羽根部323より大きく形成されている。この第2の攪拌羽根32bは、パン材料を内側に取り込んで攪拌する機能を備え、第1の攪拌羽根32aに比べ、パン材料(生地)をパン容器30の内壁にたたきつける機能は低い。すなわち、第2の攪拌羽根32bは第1の攪拌羽根32aに比べて、捏ねの機能は低い。
以下、製パンコース(C)の詳細について主に図8を参照しながら説明する。図8は、本実施形態の自動製パン器で米粉食パン(グルテン及び増粘剤を含まない)を製造する場合の製パン工程表である。
製パンコース(C)が開始されると、まず、パン容器30に投入されたパン材料からパン生地を調製するパン生地調製工程が行われる。このパン生地調製工程は、具体的には、パン容器30に投入されたパン材料を攪拌する攪拌処理を行う工程である。この攪拌処理においては、制御装置18によって、第2の攪拌羽根32bの回転動作が制御される。この攪拌処理では、第2の攪拌羽根32bはパターン1(回転数10.8rpm)で30秒間回転し、次いでパターン2(回転数18.0rpm)で1分間回転し、次いでパターン3(回転数54rpm)で30秒間回転し、最後に定格回転数(180rpm)で5分間連続回転する。なお、この攪拌処理を行うにあたって、制御装置18は、必要に応じて加熱装置40の制御も行う。
製パンコース(C)では、製パンコース(B)の場合に比べて、定格回転数における攪拌時間が短い。これは、製パンコース(C)における攪拌処理では、主に、パン容器30に投入した材料の混合を狙っており、製パンコース(A)や(B)の場合と違って、この攪拌処理において捏ねの効果をあまり期待していないからである。この攪拌処理後のパン材料は流動性を有している。
パン生地調製工程が完了すると、続いてパン生地を休ませる生地休め工程(ベンチタイム)が行われる。このベンチタイムは、32℃で40分間行われる。なお、この生地休め工程においては、パン生地の発酵が進んでガスが発生する。
生地休め工程が完了すると、続いてパン生地内の気泡を抜くガス抜き工程が行われる。このガス抜き工程では、第2の攪拌羽根32bが定格回転数(180rpm)で30秒間回転される。ここでのガス抜きは、できる限りパン生地内の気泡を抜き、パン生地がムラのない均一な生地状態となるように行う必要があり、製パンコース(A)のガス抜き処理(これは、製パンコース(C)とは異なるタイミングで行うものである点に注意)よりも更に強力に行われる。すなわち、製パンコース(A)に比べて、ガス抜きコースの時間が3倍となっている。
ところで、パン材料として米粉を使用する場合には、パン生地内に炭酸ガスを閉じ込め難いために、最終の発酵工程(成型発酵工程)前に、わざわざパン生地内のガスを抜く処理を行うということは、従来では考えられなかった。寧ろ、ふくらみのあるパンを焼き上げるために、特許文献2(これはグルテンの代わりに増粘剤を含むものである)に示されるように、パン生地内のガスが必要以上に抜けないように、パン生地調製工程でパン生地を得た後は、連続して発酵工程を行うのが好ましいとされていた。
また、パン材料にグルテンを含む場合には、最終の発酵工程の前に生地丸め工程を行う(製パンコース(B)参照)。この生地丸め工程においても、パン生地の炭酸ガスは抜けるが、これはあくまでもパン生地を丸めるために行う工程である。そして、例えば、特許文献3にも示されるように、最終の発酵工程前に行う生地丸め工程は、ふくらみのあるパンを得るために、パン生地を傷めないように攪拌羽根の回転は低速で行うのが好ましいというのが一般的な考え方であった。
この点、本発明者らは、グルテン及び増粘剤を含ませることなく使用することが推奨される米粉を用いて、従来の常識にとらわれることなく鋭意検討した。そして、その結果、パン生地調整工程で得られたパン生地を一旦休め、このパン生地を休めている間にパン生地中にガスを含ませ(そのような意味で、この生地休め工程は発酵工程とも言える)、その後、パン生地内のガスをできるだけ抜いて生地の均一化を図ることで、出来の良いパンを焼き上げられることを見出した。
ガス抜き工程が完了すると、続いてパン生地を発酵させる成型発酵工程が行われる。この成型発酵工程は、38℃で30分30秒間行われる。
成型発酵工程が完了すると、続いてパン生地を焼成する焼成工程が行われる。この焼成工程は、具体的には140℃で47分間行われる。
この製パンコース(C)に要するトータル時間は、2時間5分となる。この場合も、製パンコース(B)と同様に、製パンコース(A)における一部の工程(一次発酵工程等)を省略し、製パンに要する時間が短縮されている。このため、米粉特有の性質(米粉が一旦吸収した水を長時間にわたって保持できないという性質)にもかかわらず、出来の良いパンを得ることができる。
上述のように、本実施形態の自動製パン器1の製パンコース(C)は、パン材料としてグルテン及び増粘剤を含ませることなく米粉を使用して食パンを焼き上げるのに適したコースとして開発したものであるが、本実施形態の自動製パン器1は、更に工夫が施されている。すなわち、製パンコース(C)における、攪拌羽根32の回転条件や各工程に要する時間等の条件を好適化することによって、製パンコース(C)は、グルテンの代わりにグアガム等の増粘剤を含ませた米粉をパン材料として使用する場合にも、所望の食パンを焼き上げられるようになっている。このため、本実施形態の自動製パン器1では、パン材料としてグルテンを含ませて米粉を使用して食パンを製造する場合には、米粉コースを選択すればよく、パン材料としてグルテンを含ませることなく米粉を使用(この場合、増粘剤が含まれていても含まれていなくてもよい)して食パンを製造する場合には、小麦ゼロコースを選択すれば良いようになっている。
これは、パン材料として米粉を使用する場合に、(1)グルテンを含ませる場合、(2)グルテンの代わりに増粘剤を含ませる場合、(3)グルテンも増粘剤も含ませない場合、と、3つの製パンコースを用意すると、ユーザが混乱する可能性があることを考慮するものである。すなわち、製パンコースがあまりに多いとユーザは、どのコースを使用すれば良いか迷ってしまうものと考えられる。このため、(1)から(3)について纏められるものを検討した結果、(2)と(3)とを纏めて、ユーザにとって使い勝手の良い自動製パン器としたものである。
(その他)
以上、本発明の実施態様につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
例えば、以上に示した実施形態では、パン生地調製工程が、パン容器30に予め投入しておいた酵母菌を含んだパン材料を、攪拌羽根32で攪拌する攪拌処理を行う工程であることとした。しかし、このパン生地調製工程は、酵母菌を含んだパン材料を攪拌部材(攪拌羽根32)で攪拌する攪拌処理を含み、パン材料からパン生地を調製する工程であれば、その構成は本実施形態の構成に限定されるものではない。
図9は、本発明に適用可能なパン生地調製工程の変形例を示す図である。すなわち、パン生地調製工程は、例えば、図9(a)に示すように、酵母菌を含まないパン材料を攪拌羽根で攪拌する攪拌処理(この処理は、材料の混合の意味合いが強いが、場合によっては「ねり」や「捏ね」と表現されるものである)と、攪拌処理後に攪拌羽根を停止してパン材料を休ませ(ねかし)つつ、酵母菌を投入する酵母菌投入処理と、酵母菌投入処理後に攪拌羽根を回転して、酵母菌を含むパン材料を攪拌する攪拌処理(この処理も、場合によっては「ねり」や「捏ね」と表現される)と、をこの順で連続して行う工程であってもよい。
また、図9(b)に示すように、酵母菌を含まないパン原料を所定の時間だけ放置するねかし処理と、ねかし処理後にパン材料を攪拌しながら所定のタイミングで酵母菌を投入し、酵母菌を含んだパン材料を攪拌する攪拌処理を行う工程であってもよい。ここでの攪拌処理は、場合によっては「ねり」や「捏ね」と表現されるものである。また、この攪拌処理は、本発明の酵母菌投入処理も含んだ処理となっている。
なお、上述の酵母菌投入処理は、例えば、自動製パン器に酵母菌を自動的に投入する機能を設けて実行するのが好ましい。
また、以上に示した実施形態では、自動製パン器1が複数の製パン工程を実行できる構成とした。しかし、本発明は、パン材料としてグルテン及び増粘剤を含ませることなく米粉を使用する場合に、出来の良いパンを製造できる自動製パン器を提供することを目的の1つとしている。このために、本発明の実施形態として、例えば、上述の製パンコース(C)のみを実行させることができる自動製パン器等としても構わない。
また、上述のように、本発明では、成型発酵工程を行う前にできる限り炭酸ガスを抜くために、攪拌羽根32bをできる限り高速回転としている。しかし、攪拌羽根32bの回転数を、生地丸め工程と同様の回転数として時間を長くする等してもよい。ただし、製パン工程に要する時間は短時間であるのが好ましいので、本実施形態のように、ガス抜き工程における攪拌羽根の回転は、できる限り高速回転とするのが好ましい。
本発明は、主として一般家庭で使用される自動製パン器に好適である。
1 自動製パン器
18 制御装置(制御部)
30 パン容器
32 攪拌羽根(攪拌部材)
32a 第1の攪拌羽根
32b 第2の攪拌羽根
40 加熱装置(加熱部)

Claims (7)

  1. パン材料が投入される容器と、
    前記容器内に投入されたパン材料を攪拌する攪拌部材と、
    前記容器内の温度を調整する加熱部と、
    前記攪拌部材及び前記加熱部の動作を制御して、パン材料からパンを焼き上げるための製パンコースを実行させる制御部と、
    を備える自動製パン器であって、
    前記制御部が実行させる前記製パンコースは少なくとも1種類あり、
    前記製パンコースには、パン材料としてグルテン及び増粘剤を含ませることなく米粉を使用する場合に実行されるべき第1の製パンコースが含まれ、
    前記第1の製パンコースは、酵母菌を含んだパン材料を前記攪拌部材で攪拌する攪拌処理を含み、パン材料からパン生地を調製するパン生地調製工程と、前記パン生地調製工程によって得られたパン生地を休ませる生地休め工程と、前記生地休め工程を経たパン生地のガスを抜くガス抜き工程と、前記ガス抜き工程を経たパン生地を発酵させる発酵工程と、前記発酵工程を経たパン生地を焼成する焼成工程と、を順次に連続して行うコースであることを特徴とする自動製パン器。
  2. 前記パン生地調製工程は、前記容器に予め投入しておいた酵母菌を含んだパン材料を、前記攪拌部材で攪拌する攪拌処理を行う工程であることを特徴とする請求項1に記載の自動製パン器。
  3. 前記パン生地調製工程には、酵母菌以外のパン材料が投入された前記容器に酵母菌を投入する酵母菌投入処理と、前記酵母菌投入処理によって投入された前記酵母菌を含むパン材料を攪拌する攪拌処理と、が含まれることを特徴とする請求項1に記載の自動製パン器。
  4. 前記第1の製パンコースは、パン材料としてグルテンを含ませることなく増粘剤を含ませた米粉を使用する場合にも兼用される製パンコースであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の自動製パン器。
  5. 前記制御部が実行させる前記製パンコースには、前記第1の製パンコースの他に、パン材料としてグルテンを含ませて米粉を使用する場合に実行されるべき第2の製パンコースが含まれ、
    前記第2の製パンコースは、酵母菌を含んだパン材料を前記攪拌部材で攪拌する攪拌処理を含み、パン材料からパン生地を調製するパン生地調製工程と、前記パン生地調製工程によって得られたパン生地を休ませる生地休め工程と、前記生地休め工程を経たパン生地を丸める生地丸め工程と、前記生地丸め工程を経たパン生地を発酵させる発酵工程と、前記発酵工程を経たパン生地を焼成する焼成工程と、を順次に連続して行うコースであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の自動製パン器。
  6. 前記第1の製パンコースのガス抜き工程、及び、前記第2の製パンコースの生地丸め工程は、前記攪拌部材を回転することによって行われ、
    前記攪拌部材の回転は、前記ガス抜き工程の場合の方が前記生地丸め工程の場合よりも高速であることを特徴とする請求項5に記載の自動製パン器。
  7. 前記第1の製パンコースが実行される場合と、前記第2の製パンコースが実行される場合とで、使用すべき前記攪拌部材の種類が異なるように設けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の自動製パン器。
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