JP2011039533A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 像面での主走査方向での光量むらを抑えることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、偏向器を利用して1個の走査線を形成する光走査装置を複数有し、又は、偏向器を複数の走査線用の光線が共通に利用する光走査装置を有し、複数の光源からの光線によって複数の走査線を形成する画像形成装置に関する。そして、複数の光源として、少なくとも1つが発光点数が異なる複数の半導体レーザを備え、各半導体レーザからの、対応する偏向器への入射光線の偏光方向の、主走査方向に対する角度の絶対値が同一となるようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図36
【解決手段】 本発明は、偏向器を利用して1個の走査線を形成する光走査装置を複数有し、又は、偏向器を複数の走査線用の光線が共通に利用する光走査装置を有し、複数の光源からの光線によって複数の走査線を形成する画像形成装置に関する。そして、複数の光源として、少なくとも1つが発光点数が異なる複数の半導体レーザを備え、各半導体レーザからの、対応する偏向器への入射光線の偏光方向の、主走査方向に対する角度の絶対値が同一となるようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図36
Description
本発明は、レーザプリンタ、デジタル複写機等の画像形成装置に関する。
従来、光走査装置は、レーザプリンタ、デジタル複写機等の画像形成装置において、例えば画像データに基づく潜像を感光体に形成させる画像形成部にレーザビームを供給する光学系として広く応用されている。
このような光走査装置は、光源としての半導体レーザ素子(レーザダイオード)、このレーザダイオードから出射されたレーザビームの断面形状を所定の大きさに絞り込むなどする偏向前(光源側)光学系、この絞り込まれたレーザビームを回転多面鏡(ポリゴンミラー)により感光体(感光体ドラム)の回転軸方向、すなわち主走査方向に偏向する走査光学系、この偏向されたレーザビームを感光体の像面の主走査方向に沿ったどの位置にもほぼ同様に結像させる偏向後(像面側)光学系等により構成される。なお、像面の主走査方向と直交する方向を副走査方向とする。
このような光走査装置にあっては、感光体の像面上に達する光量のバラツキを小さく抑えることが望ましく、従来においても、光量のバラツキを小さく抑える種々の方法が提案されている。
光量のバラツキを小さく抑える方法の1種類として、レーザビームの偏光方向を利用する方法があり、その具体的方法として、偏光方向をP偏光とS偏光の間にするか若しくは円偏光とする方法がある(特許文献1〜特許文献3参照)。
例えば、特許文献1に記載されている方法は、以下の通りである。すなわち、レーザダイオードからの発散光の偏光方向と、回転多面鏡(ポリゴンミラー)の反射面に対して垂直な方向とのなす角度θを、10度≦θ≦80度としている。
しかしながら、偏光方向をP偏光とS偏光の間にするか若しくは円偏光とする方法においては、レーザビームの偏光方向が金属でできた回転多面鏡面に当ると、P波成分、S波成分で入射角に依存して位相差が生じるため、回転多面鏡が角度を変えるに従って、長軸の方向(角度)が変化していく楕円偏光となる。このため、光量を一定に保つことが難しくなる。また、通常のレンズでは、成形時、加工時の内部歪み等の影響により、偏光方向により、屈折率が異なってしまう複屈折が起こっているが、偏光方向が変わると、集光位置等も変動してしまって、結果として、結像特性が悪くなり、ビームを絞ることができない、又は、フレアが大きくなってしまう等の問題があった。
なお、偏光方向を調整可能としたものも提案されている。しかし、調整機構が必要であり、調整工数がかかる等、コストアップ要因となる。また、一般的に、レーザダイオードの放射角は、方向によって異なり、楕円ビームとなる。このため、レーザダイオードの角度そのものを光軸を中心として回転させると、被走査面上のビーム径そのものに影響を与える。
また、カラー用の画像形成装置のような複数の光源からの光線を利用する場合には、各走査線での光量むらを抑えるだけでなく、各走査線での光量を揃えることが必要であるが、従来方法として、同一特性の半導体レーザを利用する方法などであり、その方法を適用できる装置範囲が限定されていた。
本発明の目的は、複数の光源からの光線を走査線に利用している画像形成装置において、像面における各走査線の光量むらを抑えると共に、各走査線の光量比を主走査方向の位置によらずに同様にできるようにすることにある。
第1の本発明の画像形成装置は、偏向器を利用して1個の走査線を形成する光走査装置を複数有し、又は、偏向器を複数の走査線用の光線が共通に利用する光走査装置を有し、複数の光源からの光線によって複数の走査線を形成するものである。そして、上記複数の光源として、少なくとも1つが発光点数が異なる複数の半導体レーザを備え、上記各半導体レーザからの、対応する上記偏向器への入射光線の偏光方向の、主走査方向に対する角度の絶対値が同一となるようにしたことを特徴とする。
各半導体レーザからの、対応する上記偏向器への入射光線の偏光方向の、主走査方向に対する角度の絶対値が同一であるので、偏向器への入射光線のP偏光成分は、光源を問わずにほぼ同一であり、P偏光成分をS偏光成分より大きくしていると、第1の本発明について説明した理由により、各走査線での像面での光量むらが抑えられ、また、各光源からの光線による走査線間の光量比も主走査方向の位置を問わずに安定化でき、良好な画像を形成することができる。
第2の本発明の画像形成装置は、偏向器を利用して1個の走査線を形成する光走査装置を複数有し、又は、偏向器を複数の走査線用の光線が共通に利用する光走査装置を有し、複数の光源からの光線によって複数の走査線を形成する画像形成装置である。そして、上記複数の光源として、少なくとも1つが発光点数が異なる複数の半導体レーザを備え、最大の発光点数の半導体レーザに対し、他の半導体レーザの発光点数が、最大の発光点数の約数となっていることを特徴とする。
複数の半導体レーザの発光点数が上記の関係にあると、各半導体レーザからの出射光線の偏光方向を同じにすることも容易となり、各半導体レーザからの出射光線が、対応する偏向器に入射する際の偏光方向をほぼ主走査方向に揃えることも可能となり、第1の本発明について説明した理由により、各走査線での像面での光量むらが抑えられ、また、各半導体レーザからの光線による走査線間の光量比も主走査方向の位置を問わずに安定化でき、良好な画像を形成することができる。
本発明の画像形成装置によれば、像面での光量むらを抑えることができ、良好な画像を形成することができる。
以下、図面を用いて、本発明の光走査装置の好適な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。第1の実施形態は、光走査装置に特徴を有するものである。
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。第1の実施形態は、光走査装置に特徴を有するものである。
図1は、画像形成装置に利用される、第1の実施形態の光走査装置1を示す主走査方向に沿った概略平面図であり、図2は、光走査装置1の偏向前(光源側)光学系の主要要素を示す副走査方向に沿った概略断面図であり、図3は、光走査装置1の偏向後(像面側)光学系の主要要素を示す副走査方向に沿った概略断面図である。
図1〜図3において、第1の実施形態の光走査装置1は、光源としての半導体レーザ2から出射されたレーザビームを、所定の位置に配置された像面(例えば、図示しない感光体ドラム)の所定の位置に向かって所定の線速度で偏向する1個の光偏向装置3を有している。なお、以下では、光偏向装置3によりレーザビームが偏向される方向を主走査方向と呼んでいる。
光偏向装置3は、複数(例えば、12面)の平面反射鏡(面)が正多角形状に配置された多面鏡本体(ポリゴンミラー)3aと、多面鏡本体3aを主走査方向に所定の速度で回転させるモータ3b(図3参照)とを有している。
半導体レーザ2は、図1に示すように、主走査方向のほぼ平面上で、しかも、進行方向に直交する方向を偏光方向しているレーザビームLを出射するように取り付けられている。
半導体レーザ2から出射された発散性のレーザビームLは、主走査方向の絞り4が張り付けられている有限焦点レンズ5により所定の収束性が与えられた後、さらに、副走査方向の絞り6(図2参照)が張り付けられているガラスシリンダレンズ7により副走査方向のみ所定の収束性が与えられる。その後、レーザビームLは、折返しミラー8により進行方向が折曲されて光偏向装置3に入射される。光偏向装置3に入射されたレーザビームLも、図1に示すように、主走査方向のほぼ平面上で、しかも、進行方向に直交する方向を偏光方向としている。
光偏向装置3によって主走査方向に偏向されたレーザビームLは、所定の光学特性を与える結像レンズ(いわゆるfθレンズ)9や防塵ガラス10などを通過し、像面上に結像される。
偏向前光学系及び偏向後光学系の副走査方向の位置をわずかに変えており、偏向後のレーザビームLが、偏向前光学系の光学要素を通過しないようになされている。
第1の実施形態の場合、半導体レーザ(レーザダイオード)2は、その積層面が主走査方向を向いているものである。有限焦点レンズ5によって、緩やかな集光光とされたレーザビームLは、多面鏡本体(ポリゴンミラー)3aの1つの反射面よりも主走査方向に幅が広い光線として多面鏡本体3aに入射される。すなわち、いわゆるオーバーフィル方式が採用されている。半導体レーザ2から出射されたレーザビームLは、主走査方向への偏光を持たせるため、放射角は、主走査方向に小さくなっている。このため、副走査方向については、非常に大きなビーム径となってしまう。そのため、有限焦点レンズ5の像側焦点位置に置かれた副走査方向の絞り6によって副走査方向の実効ビーム径を小さくしている。
なお、副走査方向の絞り6に代え、有限焦点レンズ5とシリンダレンズ7との間に、副走査方向に、ビーム幅を圧縮するビームコンプレッサを介在させるようにしても良い。ビームコンプレッサとして、副走査方向に角度を持った入射面と出射面を持つプリズムを利用したものや、光路上流側に、副走査方向のみに正のパワーを持つレンズ、下流側に、副走査方向のみに負のパワーを持つレンズを組み合わせたものなどを利用することができる。
また、副走査方向の絞り6に代え、主走査方向にビーム幅を拡大するビームエキスパンダを設けるようにしても良い。ビームエキスパンダとして、主走査方向に角度を持った入射面と出射面を持つプリズムを利用したものや、光路上流側に、主走査方向のみに負のパワーを持つレンズ、下流側に、主走査方向のみに正のパワーを持つレンズを組み合わせたものなどを利用することができる。
以上のように、第1の実施形態は、いわゆるオーバーフィル方式を採用している光走査装置において、多面鏡本体(例えば12面のポリゴンミラー)3aに対し、入射光LがP偏光光(P波)として入射されることを特徴としている。
以下、このような特徴を採用した理由を説明する。
図4は、オーバーフィル方式における各種パラメータを、偏向器本体(ポリゴンミラー)3aと共に示す概略平面図である。なお、図4において、透過型光学素子は、結像レンズ9及び又は防塵ガラス10などを表している。
図4に示すように、オーバーフィル方式においては、入射光の一部が、入射光の幅2ωよりも小さな幅2Wの反射面にて反射される。オーバーフィル方式の偏向器3aの場合、下記の2つの理由により、偏向角(図中2ψ)が大きくなると、像面でのパワーが小さくなってしまう。
1. 仮に、入射光の強度分布が一定だとしても、入射光の内、反射される割合は、入射光の主光線と反射面の法線方向とが一致している場合が最も大きく、入射光の主光線と反射面の法線方向との間の角度がψの場合には、反射面の主走査方向投影幅としてcosψとなってしまい、投影幅が小さくなってしまう。
2. 半導体レーザ(レーザダイオード)2を光源とした場合、入射光の強度分布はガウス分布に近いものとなる。このため、主光線からずれた光線を反射する場合、すなわち、ψが大きい場合には、光量が小さくなってしまう。この様子を図5に示している。
入射光の主光線と反射面の法線方向が一致している場合には、図5(A)のハッチング部に含まれる光量が反射され、ψだけ反射面が傾いた場合には、図5(B)のハッチング部に含まれる光量だけ反射される。これらの図面からも明らかなように、回転により、ψだけ反射面が傾くようになると、光量が落ちてしまう。
今、偏向器(以下、適宜ポリゴンミラーと呼ぶ)の内接円半径をR、ポリゴンミラー面数をNN、ポリゴンミラー反射面の幅を2W、ポリゴンミラーへの最大入射角をψmax、ポリゴンミラー反射面での入射ビームのe−2半径をωとする。また、ポリゴンミラー反射面への主走査方向の入射角がOのときのポリゴンミラー面上の直線で、ポリゴンミラー回転軸に垂直な直線をy軸とし、ポリゴンミラー反射面の中点をy軸の原点(y=0)とする座標系を考える。
ポリゴンミラーの所定の面の2個のエッジ部のy座標は、ポリゴンミラーへの最大入射角が最大振り角ψmaxのときには(1)式及び(2)式で表され、ポリゴンミラーへの反射面へ垂直に入射する際には、(3)式及び(4)式で表される。
y1s=R*sin(ψmax)+W*cos(ψmax) …(1)
y1e=R*sin(ψmax)−W*cos(ψmax) …(2)
y0s=R*sin(0)+W*cos(0)=W …(3)
y0e=R*sin(0)−W*cos(0)=−W …(4)
このときのポリゴンミラー反射面で反射される光量は、入射光がほぼ平行光として近似して、ポリゴンミラーでの反射位置が、入射光の進行方向に沿って変わっても、入射光の幅が変わらないとして、ポリゴンミラーへの最大入射角が最大振り角ψmaxのときには(5)式で表され、ポリゴンミラーへの反射面へ垂直に入射する際には、(6)式で表される。
y1e=R*sin(ψmax)−W*cos(ψmax) …(2)
y0s=R*sin(0)+W*cos(0)=W …(3)
y0e=R*sin(0)−W*cos(0)=−W …(4)
このときのポリゴンミラー反射面で反射される光量は、入射光がほぼ平行光として近似して、ポリゴンミラーでの反射位置が、入射光の進行方向に沿って変わっても、入射光の幅が変わらないとして、ポリゴンミラーへの最大入射角が最大振り角ψmaxのときには(5)式で表され、ポリゴンミラーへの反射面へ垂直に入射する際には、(6)式で表される。
このタイプの光学系では、水平同期を取る期間、及び、レーザパワーを調整する期間以外は、全ての期間、画像形成に使用することができる。このため、所定の面で反射した光線が所定の位置を通ってから、次の面で反射した光線が前記所定の位置を通るまでの間の全期間を画像領域として使用すると近似して、ポリゴンミラーの有効振り角を、ψmax(=π/NN)〜ψmin(=−π/NN)とする。また、W=R×tan(π/NN)の関係がある。これらを、(5)式及び(6)式に適用し、1番振り角の大きいときの光量と、振り角0のときの光量比を計算すると、(7)式が得られる。
一方、光の偏光方向により、透過率の角度依存性が変わることが知られている。P偏光とS偏光の光が、屈折率nの平行平板に、入射角度θinで入射した際の入射面の透過率と出射面の透過率を掛けた、(平行平板からの出射光量/平行平板への入射光量)で表される透過率は、P偏光の場合には(9)式で表され、S偏光の場合には(10)式で表される。但し、入射角度θin=0のときには、(平行平板からの出射光量/平行平板への入射光量)で表される透過率は、P偏光、S偏光の場合ともに、(11)式で表される。
ここで、θinは平行平板への入射角度であり、θoutは平行平板中からの出射角度であり、これら角度間には、スネルの法則、すなわち、(12)式が成立する。
n×sin(θout)=sin(θin) …(12)
後で詳細に説明するが、通常、光走査装置では、半導体レーザの拡がり角の大きい方を主走査方向、小さい方を副走査方向に設定することにより、緩やかな収束光や発散光に変換する有限焦点レンズ(又はコリメータレンズ)を小型化し、さらに、シリンダレンズとポリゴンミラー間距離が大きくなりすぎないようにしている。一方、半導体レーザの場合、その構造上、偏光方向は、拡がり角の小さい方向に99%以上の割合で偏光している。
後で詳細に説明するが、通常、光走査装置では、半導体レーザの拡がり角の大きい方を主走査方向、小さい方を副走査方向に設定することにより、緩やかな収束光や発散光に変換する有限焦点レンズ(又はコリメータレンズ)を小型化し、さらに、シリンダレンズとポリゴンミラー間距離が大きくなりすぎないようにしている。一方、半導体レーザの場合、その構造上、偏光方向は、拡がり角の小さい方向に99%以上の割合で偏光している。
このため、通常は、ポリゴンミラーの反射面への入射は、S偏光の状態で行われるが、この場合の透過率を表す(10)式は、θinの絶対値が大きくなると透過率Tsも単調に低下する関数であることを示している。
以上のように、偏向器の面よりも主走査方向に幅が広い光線を入射させる偏向方式(オーバーフィル方式)の場合、(i)ポリゴンミラーで反射された時点で振り角が大きい方が光量が小さくなってしまう上に、(ii)S偏光でポリゴンミラーに入射させていると、透過型光学素子を通る度に、振り角が大きい方で透過率が低くなり、その結果、像面での光量むらが大きくなってしまう。
電子写真方式の現像を行う場合には、一般に、光量むらは、10%(p−p)を超えると、ディザ法や、2値誤差拡散法を使ってハーフトーンを印字した際でも、濃度むらが知覚されてしまう。1画素中で、レーザの発光時間を制御したり、光量を制御したりする、万線方式や、多値誤差拡散方式等でハーフトーン印字をする場合には、この光量むらに対する要求は、さらに厳しくなり、5%(p−p)程度のものが要求される。
図6は、ポリゴンミラー振り角に対するポリゴンミラー反射光量((7)式参照)の変化の様子を示すグラフである。なお、図6は、(入射ビームe−2の直径/ポリゴンミラー反射面幅(2W))が2、ポリゴンミラー内接円直径が24[mm]、ポリゴンミラー反射面数が12面の場合のものを示している。
図7は、屈折率が1.51の平行平板1枚での、入射角度に対する透過率変化の様子を、P偏光光と、S偏光光とのときを併記して示すグラフである。図7において、TpがP偏光、TsがS偏光の状態で平行平板へ入射している場合であるが、図示している範囲では、Tpは、ポリゴンミラー振り角が大きくなるほど透過率が大きくなっていることが判る。
これら図6及び図7から、ポリゴンミラーにS偏光のレーザビームを入射すると、その反射によるポリゴンミラー振り角に対する光量むらと、平行平板の透過よるポリゴンミラー振り角に対する光量むらとが合成されて光量むらが増大し、ポリゴンミラーにP偏光のレーザビームを入射すると、その反射によるポリゴンミラー振り角に対する光量むらと、平行平板の透過よるポリゴンミラー振り角に対する光量むらとが相殺されて光量むらが減少できることが分かる。
実際には、P偏光光の透過率は、ブリュースター角θ=arctan(n)までは、単調増加で、それ以上の角度ではかえって透過率は下がってくる。このため、少なくとも、透過型光学素子に、そのブリュースター角以下の角度で入射する場合には、ポリゴンミラー幅に対する入力ガウシアンビームのビーム径、及び、透過型光学系の枚数をうまく組み合わせることにより、偏向器の面よりも主走査方向に幅が広い光線を入射させても(オーバーフィル方式を採用しても)、光量むらを抑えることができる。
以上が、いわゆるオーバーフィル方式を採用している第1の実施形態の光走査装置において、偏向器本体(ポリゴンミラー)3aに対し、入射光LがP偏光光(P波)として入射している理由である。
上記では、偏向後光学系の透過型光学素子が1枚の平行平板であると仮定して説明したが、以下では、透過型光学素子をm枚使用するものとし、各透過型光学素子を平行平板と仮定して、どのような条件のときに、光量むらを、目標値tgttr以内に収めることができるかを検討する。なお、tgttrは、結像面での振り角最大時透過率/振り角O時透過率の目標値を表している。
ポリゴンミラーへ入射角ψで入射した光線は、平行平板へは、図4に示すように、2ψの入射角をもって入射する。ポリゴンミラーへの入射がP偏光、S偏光の場合には、その偏光方向は、光学素子上でも保たれる。他の場合は、必ずしもこれが保持はされないが、大きく変わることはないと近似して検討を進める。ポリゴンミラーへの入射角ψmax、ポリゴンミラー上での偏光方向(P偏光光)の主走査方向からの角度αの場合を考え、(12)式を(9)、(10)式に適用することにより、その場合の(平行平板からの出射光量/平行平板への入射光量)で表される透過率は、(15)式で表される。(13)式及び(14)式は、角度αが0、角度αがπ/2の場合での透過率であり、(15)式は、これら透過率の表記を利用して表している。
ここで、niは、ポリゴンミラー反射後のi番目の透過型光学素子の屈折率であることを示している。
ポリゴンミラー振り角0のときと、最大振り角ψmaxのときの像面での光量比は、ポリゴンミラーでの反射による光量変化を表す(7)式と、その後の透過型光学素子を透過する毎の光量変化を表す(16)式〜(18)式を、透過型光学素子(光線を透過させる光学素子;レンズや、平行平板ガラス等)の枚数回だけ掛けたものとなる。但し、レンズが樹脂でできていて、防塵用カバー平行平板、ポリゴンミラーカバーの平行平板が硝子であるとき等、屈折率の異なる透過型光学素子を使用する際には、それぞれの屈折率に対応する(16)式〜(18)式で求めた値を掛け合わせる必要がある。ポリゴンミラー反射面の光路下流側にi番目に配置される透過型光学素子の屈折率をniとおくと、像面での光量比は(19)式で表される。
この像面での光量比が、0.9から1.1の間であれば、通常の電子写真装置用の光走査装置の許容値である、光量ばらつき10%(p−p)を、0.95から1.05の間であれば、カラー出力装置等で使われる、1画素中で、レーザの発光時間を制御したり、光量を制御したりする方式でハーフトーン印字をする電子写真装置用の光走査装置の許容値である、光量ばらつき5%(p−p)を満たすことができる。
以上では、透過型光学素子を平行平板と近似して透過率を扱ってきたが、より正確な値を求めるためには、透過型光学素子(レンズなど)ヘの入射角をシミュレーションにより求め、それぞれの面での、それぞれの偏光方向に対する透過率、それぞれの面の蒸着膜、反射ミラー等の影響を含めたポリゴンミラー反射より下流側の光路の、振り角0の透過率と、最大振り角ψmax時の透過率の比を計算するか、又は、ポリゴンミラー反射直後と、像面での光量を実測して、ポリゴンミラーより下流での振り角0の透過率(像面光量/ポリゴンミラー反射直後の光量)と、最大振り角ψmax時の透過率(像面光量/ポリゴンミラー反射直後の光量)の比を求めておくことが望ましい。
ここで、ポリゴンミラー反射より下流側の光路の、振り角0の透過率と、最大振り角ψmax時の透過率の比をγとすると、ポリゴンミラー反射による光量ばらつきも考慮にいれた光量ばらつき量は、(20)式で表される。
(20)式の値が、0.9から1.1の間であれば、通常の電子写真装置用の光走査装置の許容値である、光量ばらつき10%(p−p)を、0.95から1.05の間であれば、カラー出力装置等で使われる、1画素中で、レーザの発光時間を制御したり、光量を制御したりする方式でハーフトーン印字をする電子写真装置用の光走査装置の許容値である、光量ばらつき5%(p−p)を満たすことができる。
これらの式により、解を求めるには、繰り返し計算が必要になるため、(7)式を多項式で表す。また、W/ωについて、0の近傍で4次(実際上の誤差を考慮すると4次までで十分である)までテーラー展開をし、(20)式の値、即ち、像面でのポリゴンミラー振り角0時と、振り角が最大振り角ψmax時の、ポリゴンミラー反射面の影響を含む総合透過率比(像面での光量比と等しい)が、目標値tgttrとなる解を求めると、(21)式が得られる。
この際のポリゴンミラー反射より下流側の光路の、振り角0時の透過率と、最大振り角ψmax時の透過率の比γは、シミュレーション、実測、若しくは、(16)式〜(18)式を用いて計算したそれぞれの透過率を、各透過型光学素子の透過率と近似して、それぞれを掛け合わせたものを使用する。また、目標値tgttrは、通常の電子写真装置用の光走査装置の場合には、光量ばらつきを10%(p−p)内に抑えるため、0.9から1.1の間の数、カラー出力装置等で使われる、1画素中で、レーザの発光時間を制御したり、光量を制御したりする方式でハーフトーン印字をするカラー電子写真装置用の光走査装置の場合には、光量ばらつきを5%(p−p)内に抑えるため、0.95から1.05の間の数とする。理想的なのは、もちろん、tgttr=1のときである。
図8に、(16)式〜(18)式で求めた、m枚の透過型光学素子による周辺光量/中央部光量比を、偏光方向がP波となる方向で(従って(16)式が適用される)、透過型光学素子を平行平板と近似し、その全ての屈折率をn=1.48として、透過型光学素子枚数をm、ポリゴンミラー面数がNNの組み合わせに対して示す。
上述したように、透過型光学素子にブリュースター角度以上で入射した場合には、角度が増すにつれて、透過率は落ちてきてしまう。ポリゴンミラー1面当たりの角度は、全てを画像領域として使えるとして、2π/NNであり、反射光は、この2倍の角度で偏向されるから、レンジで4π/NNだけ偏向される。光量むらを抑えるためには、透過型光学素子への入射角度を0度を中心として、±4π/NN/2=2π/NNと振り分けるのが望ましい。この2π/NNが、透過型光学素子の中で1番大きなブリュースター角よりも小さくない場合には、最大振り角時に像面での光量が落ちてしまうため、(22)式の条件式を満たす必要がある。(22)式を書き直すと、(23)式が得られるので、ポリゴンミラーの面数NNは、(23)式の条件式を満たす必要がある。
図8の場合(屈折率n=1.48)のブリュースター角度は、arctan(n)=arctan(1.48)=0.977rad=55.95となっており、面数としては、2π/arctan(n)=6.43であり、7面以上でなければならない。
図9には、図8で示したポリゴンミラー反射より下流側の光路の、振り角0時の透過率と、最大振り角ψmax時の透過率の比に対し、(21)式で、透過率比目標値tgttr=0.9とした際のポリゴンミラー反射面の長さ(2W)とポリゴンミラー反射面上e−2直径(2ω)との比の値を示している。ここで、『−』の入っている欄は、解がないところを示しており、この組み合わせでtgttr=0.9は、(21)式が適用できない範囲であることを示している。このような場合には、解が出てくるまで、tgttrを大きくしていく。図9の『−』の条件の箇所は、tgttr=0.95では解があり、ここでは、後述する図15の値を使うこととする。
図10には、図9に示したポリゴンミラー反射面の長さ(2W)/ポリゴンミラー反射面上e−2直径(2ω)に対し、(7)式により求めた、ポリゴンミラー反射による周辺光量/中央部光量(上記ビーム径のものを入れた場合)を示している。
図11には、図8の値と図10の値を掛け合わせたもの、即ち、(19)式で表される、ポリゴンミラー反射から像面までの光量むら要因を全部入れた際の、振り角0時の透過率と、最大振り角ψmax時の透過率の比を示している。なお、図11において、透過率目標値tgttr=0.9と一致していない組み合わせは、(21)式が、テーラー展開を4次までにした影響である。
目標値tgttrを1.1とした場合について、図9〜図11と同様の図を図12〜図14に示し、目標値tgttrを0.95とした場合について、図9〜図11と同様の図を図15〜図17に示し、目標値tgttrを1.05とした場合について、図9〜図11と同様の図を図18〜図20に示し、目標値tgttrを1とした場合について、図9〜図11と同様の図を図21〜図23に示している。
ここで、図12、図18の『−』の入っている欄は、解がないところを示しており、この組み合わせでtgttr=1.1、又は、tgttr=1.05は、達成できない範囲であることを示している(いくら、ポリゴンミラー反射面の長さ(2W)/ポリゴンミラー反射面上e−2直径(2ω)の値を小さくしてもこの比にはならない)。このため、『−』の入っている欄の組み合わせについては、ポリゴンミラー反射面の長さ(2W)/ポリゴンミラー反射面上e−2直径(2ω)の値の下限はなく、図9、又は、図15で示された上限があるのみとなる。
ポリゴンミラー反射面の長さ(2W)/ポリゴンミラー反射面上e−2直径(2ω)を、通常の電子写真装置用の光走査装置の場合には、光量ばらつきを10%(p−p)内に抑えるため、図9で示された上限、図12で示された下限(「−」で示されたときは下限無し)の間の値にし、カラー出力装置等で使われる、1画素中で、レーザの発光時間を制御したり、光量を制御したりする方式でハーフトーン印字をするカラー電子写真装置用の光走査装置の場合には、光量ばらつきを5%(p−p)内に抑えるため、図15で示された上限と図18で示された下限(「−」で示されたときは下限無し)の間の値とすれば、光量むらが許容範囲に入る電子写真装置用の光走査装置を提供することができる。理想の状態は、図21に示したポリゴンミラー反射面の長さ(2W)/ポリゴンミラー反射面上e−2直径(2ω)の値のときのものとなる。
図1〜図3に示した第1の実施形態の光走査装置1は、ポリゴンミラー(偏向器)3の面数NNが12であり、偏向後の透過型光学素子は、PMMAでできたfθレンズ9と、ガラスでできた防塵ガラス10であり、それぞれの屈折率は、n1=1.488とn2=1.514である。それぞれを平行平板と近似し、(16)式を用いて、それぞれの透過率を求めると、1.03と1.032とが得られ、これら透過率の積δは、δ=1.03×1.032=1.063となる。ここでは、(21)式のγ=δとおいて、反射面の長さ/ポリゴンミラー反射面上e−2直径を求めている。
tgttr>1.05のときには、(21)式では解を得られない。即ち、ポリゴンミラー反射面上e−2直径をいくら大きくしても、振り角最大時に、振り角0時の光量の5%アップしたものは得られないということである。
tgttr=0.9のときには、反射面の長さ/ポリゴンミラー反射面上e−2直径は0.29、即ち、ポリゴンミラー反射面上e−2直径は、ポリゴン反射面幅の3.48倍以上であれば、光量ばらつきを10%(p−p)以下とできる。光量むらの許容値が大きいディザ法や、2値誤差拡散法を使ってハーフトーンを印字する画像形成装置用では、ポリゴンミラー反射面上e−2直径を、ポリゴン反射面幅の3.48倍以上とすれば良い。
tgttr=0.95のときには、反射面の長さ/ポリゴンミラー反射面上e−2直径は0.21、即ち、ポリゴンミラー反射面上e−2直径は、ポリゴン反射面幅(反射面の長さ)の4.68倍以上であれば、光量ばらつきを5%(p−p)以下とできる。1画素中で、レーザの発光時間を制御したり、光量を制御したりする、万線方式や、多値誤差拡散方式等でハーフトーン印字をする場合には、ポリゴンミラー反射面上e−2直径をポリゴン反射面幅の4.68倍以上とすれば良い。
tgttr=1のときには、反射面の長さ/ポリゴンミラー反射面上e−2直径は0.12、即ち、ポリゴンミラー反射面上e−2直径は、ポリゴン反射面幅の8.21倍前後であれば、光量ばらつきをほぼOにできる。
図1〜図3で示す光走査装置1の構成に対し、ポリゴンミラー(偏向器)3とfθレンズ9との間に、ポリゴンミラー3の汚れ対策、防音対策としてのカバーガラス11を加えた状態を、図24〜図26に示している。
図24〜図26に示した光走査装置1Aは、ポリゴンミラー(偏向器)3の面数NNが12であり、偏向後の透過型光学素子は、ガラスでできたカバーガラス11、PMMAでできたfθレンズ9、ガラスでできた防塵ガラス10であり、それぞれの屈折率は、n1=1.514、n2=1.488、n3=1.514である。それぞれを平行平板と近似し、(16)式を用いて、それぞれの透過率を求めると、1.032と1.03と1.032とが得られ、これら透過率の積δは、δ=1.032×1.03×1.032=1.097となる。ここでも、(21)式のγ=δとおいて、反射面の長さ/ポリゴンミラー反射面上e−2直径を求めている。
tgttr>1.1のときには、(21)式では解を得られない。即ち、ポリゴンミラー反射面上e−2直径をいくら大きくしても、振り角最大時に、振り角0時の光量の10%アップしたものは得られないということである。
tgttr=0.9のときには、反射面の長さ/ポリゴンミラー反射面上e−2直径はO.33、即ち、ポリゴンミラー反射面上e−2直径は、ポリゴン反射面幅の3.04倍以上であれば、光量ばらつきを10%(p−p)以下とできる。光量むらの許容値が大きいディザ法や、2値誤差拡散法を使ってハーフトーンを印字する画像形成装置用では、ポリゴンミラー反射面上e−2直径を、ポリゴン反射面幅の3.04倍以上とすれば良い。
tgttr=0.95のときには、反射面の長さ/ポリゴンミラー反射面上e−2直径は0.26、即ち、ポリゴンミラー反射面上e−2直径は、ポリゴン反射面幅の3.88倍以上であれば、ポリゴンミラー振り角0度に対する振り角最大値の光量比を95%以上とできる。また、tgttr=1.05のときには、反射面の長さ/ポリゴンミラー反射面上e−2直径は0.07、即ち、ポリゴンミラー反射面上e−2直径は、ポリゴン反射面幅の13.93倍以下であれば、ポリゴンミラー振り角0度に対する振り角最大値の光量比を、105%以下とできる。即ち、ポリゴンミラー反射面上e−2直径/反射面の長さを、3.88倍以上、13.93倍以下とすれば、光量ばらつきを5%(p−p)以下とできる。
1画素中で、レーザの発光時間を制御したり、光量を制御したりする、万線方式や、多値誤差拡散方式等でハーフトーン印字をする場合には、ポリゴンミラー反射面上e−2直径を、ポリゴン反射面幅の3.88倍以上、13.93倍以下とすれば良い。
tgttr=1のときには、反射面の長さ/ポリゴンミラー反射面上e−2直径は0.18、即ち、ポリゴンミラー反射面上e−2直径は、ポリゴン反射面幅の5.47倍前後であれば、光量ばらつきをほぼOにできる。
上述したように、第1の実施形態の場合、像面での光量ばらつきを抑えるために、偏向器(ポリゴンミラー)3への入射光の偏光方向をその反射面の主走査方向に合わせている。即ち、入射光はP偏光光となっている。このような入射光条件を満足するように、半導体レーザ(レーザダイオード)2を実現しなければならない。
半導体レーザは、積層面と平行方向に99%以上の偏光比で偏光しており、また、偏光方向の放射角の方が、これに垂直な方向の放射角に比べて小さいのが一般的である。このような半導体レーザを用いて、その偏光方向を偏向器反射面の主走査方向と合わせる、即ち、P偏光される方向にすることにより、偏向器、及び、偏向器と像面の間の透過型光学素子に対して、P偏光で入射させることができる。
シングルビームの場合において、従来は、放射角が大きい、半導体レーザの積層面に垂直方向を主走査方向としてきたが、第1の実施形態では、これを、半導体レーザの積層面に平行な方向を主走査方向としている。このときには、有限焦点レンズ5(又はコリメータレンズ)上で主走査方向に比べて副走査方向ビーム径が大きくなってしまい、このままシリンダレンズ7にて結像させるためには、偏向器3とシリンダレンズ7の距離を大きく取る必要が出てきてしまう。
これに対応するためには、絞り(アパーチャ)6により、副走査方向の実質ビーム径を削るという方策がある。光量を無駄にしたくない場合には、絞り6によりビームを絞る代りに、副走査方向で頂角を持つプリズムや、2枚の副走査方向に正、負のパワーを持つシリンダレンズの組み合わせで構成されたビームコンプレッサーにより副走査方向のビーム幅を縮めるか、主走査方向で頂角を持つプリズムや、2枚の主走査方向に負、正のパワーを持つシリンダレンズの組み合わせで構成されたビームエキスパンダーにより主走査方向のビーム幅を拡大すれば、コストは上がるものの、光学効率を下げないでもすむ。
上述した本発明の第1の実施形態(その変形例を含む)の光走査装置によれば、偏向器への入射光の偏光方向をP偏光としているので、像面での光量ばらつきを抑えることができる。
入射光の偏光方向が他の場合であれば、金属でできた偏向器反射面に当ると、P波成分、S波成分で入射角に依存して位相差が生じるため、偏向器反射面が角度を変えるに従って、長軸の方向(角度)が変化していく楕円偏光となって、光量を一定に保つことが難しくなるが、第1の実施形態の光走査装置では、入射光がP波成分しか含まないので、このような不都合は生じない。また、通常のレンズでは、成形時、加工時の内部歪み等の影響により、偏光方向により屈折率が異なってしまう複屈折が起こっているが、偏光方向が変わると、集光位置等も変動してしまって、結果として、結像特性が悪くなり、ビームを絞る事ができない、又は、フレアが大きくなってしまう等の問題があるが、第1の実施形態の光走査装置では、偏光方向が一定であるので、このような不都合は生じない。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、光走査装置に特徴を有するものである。
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、光走査装置に特徴を有するものである。
この第2の実施形態の光走査装置は、第1の実施形態に比較すると、半導体レーザ2の構成が異なっており、半導体レーザ2以外の構成は第1の実施形態と同様である(図24〜図26参照)。即ち、第2の実施形態は、偏向器(ポリゴンミラー)3へP偏光光を入射させるために、半導体レーザ2の構成に特徴を有している。
2個の発光点を持つレーザアレイを有する半導体レーザにおいて、2個の発光点を、図27に示すように、副走査方向に並べるように配置すると、偏向器反射面上での偏光方向がS偏光となってしまう。そのため、例えば、図28に示すように、半導体レーザアレイの発光点の副走査方向ピッチに対し、発光点間隔を十分に大きくして、主走査方向へ傾けると、P偏光成分を十分大きくすることができる。
なお、発光点間隔を大きくすることにより、アレイの発光部分相互の熱干渉が起こりにくくなる等のメリットも生まれてくる。
図29は、図28の配置方法の具体例を示している。副走査方向の半導体レーザ部に対する像面の横倍率は2.11としている。像面で600dpiのピッチ42.5μmにするため、副走査方向のビーム間ピッチは20μmとしている。半導体レーザ2は、発光点間隔85μmで、副走査方向の間隔を20μmにするため、発光点同士を結んだ際の、主走査方向に対する偏光方向の傾き角αは13.6度である。これは、S偏光成分の強度が5.5%、P偏光成分の強度が94.5%であることを意味する。
以下では、第1の実施形態の変形例で説明した図24〜図26に示す光走査装置1Aに対して検討を行う。
tgttr>1.05のときには、(21)式では解を得られない。即ち、ポリゴンミラー反射面上e−2直径をいくら大きくしても、振り角最大時に、振り角0時の光量の5%アップしたものは得られないということである。
tgttr=0.9のときには、反射面の長さ/ポリゴンミラー反射面上e−2直径は0.32、即ち、ポリゴンミラー反射面上e−2直径は、ポリゴン反射面幅の3.17倍以上であれば、光量ばらつきを10%(p−p)以下とできる。光量むらの許容値が大きいディザ法や、2値誤差拡散法を使ってハーフトーンを印字する画像形成装置用では、ポリゴンミラー反射面上e−2直径を、ポリゴン反射面幅の3.17倍以上とすれば良い。
tgttr=0.95のときには、反射面の長さ/ポリゴンミラー反射面上e−2直径は0.24、即ち、ポリゴンミラー反射面上e−2直径は、ポリゴン反射面幅の4.10倍以上であれば、ポリゴンミラー振り角0度に対する振り角最大値の光量比を95%以上とできる。即ち、ポリゴンミラー反射面上e−2直径は、ポリゴン反射面幅の4.10倍以上であれば、光量ばらつきを5%(p−p)以下とできる。
1画素中で、レーザの発光時間を制御したり、光量を制御したりする、万線方式や、多値誤差拡散方式等でハーフトーン印字をする場合には、ポリゴンミラー反射面上e−2直径を、ポリゴン反射面幅の4.10倍以上とすれば良い。
tgttr=1のときには、反射面の長さ/ポリゴンミラー反射面上e−2直径は0.16、即ち、ポリゴンミラー反射面上e−2直径は、ポリゴン反射面幅の6.06倍前後であれば、光量ばらつきをほぼOにできる。
例えば、偏向器(ポリゴンミラー)3はアルミニウムでできているため、このような金属に完全なP偏光以外、若しくは、S偏光以外の光を入れると、P偏光、S偏光の各成分に位相差が生じ、幾分楕円偏光となってしまう。このケースでは、楕円偏光化の程度は小さいため、効果としては、P偏光、S偏光成分が上記のときの比であるとして計算しても大きな差はでない。ただ、P偏光成分のみを透過するために、半導体レーザと、偏向器の反射面の光路の間に、主走査方向の偏光方向成分(P偏光成分)のみを通す偏光板を置くと、さらに効果的である。
図30は、シリンダレンズ7の平面部に偏光板12を貼り付けた場合を示している。
このシリンダレンズ7は、絞り6を兼ねている円筒状の部材に取り付けられており、V溝状となったハウジング部13で支持されているため、円筒状部材の回転対称軸を中心として回動可能となっている。像面でのビーム径が最小になるように、この円筒状部材6を回転すると、シリンダレンズ7の回転中心が、主走査方向へ一致される位置関係となり、シリンダレンズ7に一体に形成された偏光板12の角度も正確に出すことができる。
なお、光線の方向が一番安定しているのが、半導体レーザ2からの光をほぼ平行にしたところであり、ここに、平面をもってきて、しかも部品点数を増やさないためには、シリンダレンズ7の平面を上流側にもってきて、この面に偏光板12を形成するのが好ましく、図30はそのようにしている。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。第3の実施形態は、画像形成装置に特徴を有するものである。
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。第3の実施形態は、画像形成装置に特徴を有するものである。
図31は、光走査装置が搭載されるカラー用の画像形成装置の構成を示す概略縦断面図である。
カラー用の画像形成装置20は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の各光走査装置21Y、21M、21C、21B及び画像形成部30を有する。イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の各光走査装置21Y、21M、21C、21Bはそれぞれ、レーザビームLY、LM、LC、LBを対応する画像形成部30の感光体ドラム22Y、22M、22C、22Bに照射して、イエロー、マゼンタ、シアン、黒成分の潜像を書き込み、これをイエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナーを現像する現像器23Y、23M、23C、23Bでトナーの像を形成する。用紙トレイ24から繰り出され、搬送ベルト25で搬送されている1つの紙上に、それぞれの感光体ドラム22Y、22M、22C、22B上のトナー像を順次、転写していき、定着器26によって、熱と圧力を使って定着し、外部に排出する。なお、感光体ドラム22Y、22M、22C、22Bには、クリーナー部や帯電器などが配置されているが、それらの説明は省略する。
イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の各光走査装置21Y、21M、21C、21Bはそれぞれ独立した構成のもので(光学素子を共通していないもので)、図31に示すように並設されており、それらの主走査方向(走査線)は平行なものとなっている。
第3の実施形態の場合、イエロー、マゼンタ、シアン用の各光走査装置21Y、21M、21Cは、第1の実施形態の構成を有する光走査装置が適用されている。即ち、半導体レーザ2(2Y、2M、2C)の向きの選定により、偏向器3への入射光をP偏光光とする光走査装置が適用されている。
一方、黒用の光走査装置21Bは、第2の実施形態の構成を有する光走査装置が適用されている。第2の実施形態で説明した中の、シリンダレンズ7に至る光路上に偏光板(図30参照)が設けられているものが適用されている。黒用の光走査装置21Bにおける半導体レーザ2(2B)は、第2の実施形態で説明したように、副走査方向に所定のピッチだけ離間している2個の発光点を有するものである。また、図30に示したように、偏光板12をシリンダレンズ7の平面に張り合わせて、シリンダレンズ7に至る光路上に偏光板を設けるようにしても良い。
この第3の実施形態の画像形成装置においては、各色成分で、偏光方向がほぼ等しいため、それぞれの主走査方向の位置で、各色の潜像を作成するビームの強度比はほぼ一定となり、色相の変化の少ないカラー画像が得られると共に、墨入れは高解像度とし、全体として高解像度に見える画像とすることができる。
即ち、それぞれ複数の走査線によって、複数色の画像を作り、それらを重ね合わせるような場合には、それぞれの画像を形成するビーム相互の強度割合が一定でなければ色相が変わってきてしまう。このため、複数のビームを走査する際には同じ偏光方向とすることが望ましい。複数のビームの偏光方向を偏向器反射面上で全てP偏光とすることにより、光量むらを低減するばかりではなく、各色の相対バランスも保てるため、色相が変化することを防ぐことができる。
また、一般に、カラー画像では、イエロー、マゼンタ、シアンと墨入れ用の黒から画像を作っている。この際に、イエロー、マゼンタ、シアンの解像度は、黒の解像度よりも落としても画質はあまり変わらないことが知られている。このため、黒用の画像を作成するビームの本数を増やし、この解像度のみを上げることは、全ての色用のビーム本数を同様に増やすものに比べ、コストを下げつつ高解像度の画像と、カラー画像を提供することに役立つ。なお、同じ解像度として、カラー画像出力速度に対し、モノクロ画像の印字速度を2倍、4倍とすることも可能となる。
なお、黒用の光走査装置21Bだけでなく、他の色成分の光走査装置21Y、21M、21Cも、第2の実施形態の光走査装置を適用するようにしても良い。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。第4の実施形態は、カラー用画像形成装置における黒用の光走査装置21Bが、第3の実施形態のものと異なっている。
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。第4の実施形態は、カラー用画像形成装置における黒用の光走査装置21Bが、第3の実施形態のものと異なっている。
図32〜図34はそれぞれ、図1〜図3に対応する図面であって、第4の実施形態における黒用の光走査装置21Bの構成を示している。
第4の実施形態における黒用の光走査装置21Bは、第2の実施形態で説明した偏光板12に代え、1/2波長板14(14B)を、半導体レーザ2(2B)から偏向器3(3B)へ至る光路上に設けたものである。図32〜図34は、1/2波長板14が、ガラスシリンダレンズ7の入射面(平面)側に接合されている例である。1/2波長板14は、直線偏光光の偏光方向を旋回させる手段として用いられている。
1/2波長板14は、高速軸が主走査方向と、入射してくる偏光方向のちょうど真中の角度(13.6度/2=6.8度)になるように配置されることにより、1/2波長板14を出た後の偏光光は、その偏光方向が主走査方向に一致する。これにより、偏向器3に対し、入射光を正確にP偏光とすることができ、光量むらの発生を抑えられると共に、各色用のユニットの主走査方向位置が同じ際の光量比を一定にし、ひいては色相を一定にすることに貢献している。
図35は、ガラスシリンダレンズ7の近傍の詳細を示す概略斜視図である。1/2波長板14であり、シリンダレンズ7の平面部に貼り付け、又は、蒸着されている。蒸着により、1/2波長板14を形成させる場合においては、蒸着材料は複屈折性物質である。シリンダレンズ7は、絞り6を兼ねている円筒状の部材に取り付けられており、V溝状となったハウジング部13で支持されているため、円筒状部材6の回転対称軸を中心として回動可能となっている。像面でのビーム径が最小になるよう、この円筒状部材6を回転すると、シリンダレンズ7の回転中心が、主走査方向へ一致される位置関係となる。
1/2波長板14は、波長板の中を光線が進む光路長に比例した位相差を与えるものである。このため、光線と波長の法線のなす角が場所によって違ってくると、場所によって位相差が異なってきてしまい、直線偏光が得られなくなってきてしまう。光線の方向が一番安定しているのが、半導体レーザ2からの光をほぼ平行にしたところであり、ここに、平面をもってきて、しかも部品点数を増やさないためには、シリンダレンズ7の平面を上流側にもってきて、この面に1/2波長板14を形成することが好ましい。
上述のように、シリンダレンズ7面に、複屈折性物質によって1/2波長板14を一体に形成し、その1/2波長板14が形成されたシリンダレンズ7を、光線の通過する光軸を回転の中心として回転可能としている。これにより、1/2波長板14の角度を、高精度部品を追加したり、調整を追加することなく、正確に出すことで、ポリゴンミラー入射ビームの偏光方向を正確に設定することが可能となる。
ところで、偏光方向を正確に制御するためには、複屈折性物質の速軸の方向を正確に出しておく必要がある。例えば、ガラス板に複屈折性物質を貼り付ける、若しくは、蒸着したようなものだと、ガラス板の自体の平行度の精度を高いものにした上で、さらに、ガラス板を位置決めするハウジング部材の精度も上げる必要があった。そうでない場合には、走査光学系の結像面の複数箇所にて、光量を測定し、その結果に基づいて、複屈折性物質がついたガラス板を回転調整する必要があった。
一方、シリンダレンズ7の加工は、円筒状の治具に、正確に溝を形成し、そこに、正確に寸法を出したガラス板をはめ込んで、この治具を回転しながら、研削、研磨加工を行う。さらに、ハウジング上に配置する際には、シリンダレンズの円筒面の中心軸が傾くと、ビームプロファイルが崩れてしまうため、高精度な走査光学系においては、これを、ビームプロファイルを見ながら、光軸を中心として調整するようになっている。シリンダレンズと、複屈折性物質を一体に形成しておけば、他に、正確に寸法を出したガラス板等を必要としない。さらに、シリンダレンズを保持するハウジングの寸法は、これが、正確に出ていなくとも、ビームプロファイル調整の際に、シリンダレンズの光軸まわりの角度が正確に合わされるため、複屈折物質の速軸方向も正確に出た状態とすることができる。
すなわち、図35のように、1/2波長板14を設けることが好ましい。
次に、1/2波長板14を、速軸が、主走査方向と、入射してくる偏光方向のちょうど真中の角度(13.6度/2=6.8度)になるように設置した理由を説明する。
1/2波長板14は、直線偏光の向きを変化させる機能を有する。1/2波長板14は、速軸と遅軸の間にπの位相差を発生するものである。速軸に対して角度α/2で入射ビームが偏光していると、出ていくビームはαだけ速軸の回りを回転する。すなわち、αだけ、偏光方向を回転させる機能を有する。
この第4の実施形態の黒用の光走査装置21Bは、第2の実施形態の光走査装置1Aの適用を変形したものであり、半導体レーザ2からの出射光の偏光方向は、主走査方向に対して13.6度だけ傾いている。従って、1/2波長板14を、速軸が、主走査方向と、入射してくる偏光方向のちょうど真中の角度(13.6度/2=6.8度)になるように設置することにより、1/2波長板14からの出射光の偏光方向を主走査方向に一致させることができる。
この第4の実施形態においても、第3の実施形態と同様に、各色成分について、偏向器への入射光の偏光方向が揃っているので(P偏光)、同様な効果を得ることができる。
第3の実施形態及び第4の実施形態に共通する技術思想を説明する。
第3の実施形態及び第4の実施形態は、複数の光源を持ち、少なくとも1つの光源の発光点数が他とは異なる半導体レーザを含み、偏向器の反射面上での全ての光線の偏光方向の、主走査方向に対する角度の絶対値が同一となるようにした画像形成装置である。
従来は、同じ半導体レーザを、同じ方向(多くの場合主走査方向)が広がり角が大きくなる方向に配置して使用していたため、同じ方向に並べて使用していたため、光量むらは発生しにくかったが、ビーム本数が異なる場合の対応は考えられていなかった。
なお、第1の実施形態で上述した各種の式から明らかなように、偏向器反射面への入射光の偏光方向の角度の絶対値が同じであれば、像面での偏向角に対する光量ばらつきは同様になる。
また、黒用の光走査装置21Bだけ、波長板(又は偏光板)を入れたものを適用するようにしたのは、以下の考え方による。
高価な波長板の数を最低にするには、1つだけ、他と異なるものと組み合わせるのが良い。
1つの発光点を持つレーザの場合には、何を重視するかにより、(i)偏向前光学系小型化重視の場合には、偏光方向を副走査方向にするような構成を採用し、(ii)入射光の一部を反射面で反射する場合で光量ばらつきを最小にする場合には、偏光方向を主走査方向近辺にするような構成が望ましい。
一方、半導体レーザアレイの偏光方向は、レーザアレイの発光点間隔と、副走査方向の配置時のピッチ(これは、偏向前、偏向後光学系の副走査方向横倍率と、像面での副走査方向の設定ビームピッチにより決まる)により決まる。このため、レーザアレイの偏光方向は自由に設定可能とし、波長板により1つの発光点を持つレーザから出る偏光方向に合わせるようにする。
以上のようにするのが、偏向前光学系を最も小型化できる。波長板の数を最低にするには、1つだけ、他と異なるものと組み合わせるのが良い。
なお、イエロー、マゼンタ、シアン用の光走査装置21Y、21M、21Cに、偏光板や波長板を適用しても良いことは勿論である(後述する第5の実施形態参照)。
また、波長板として、1/4波長板を適用して偏光方向を操作することも考えられる。
しかしながら、1/4波長板ではなく、1/2波長板を使うことで、円偏光のときに問題となる、レンズ内の複屈折による結像特性の劣化を抑えることができる。円偏光の場合、高速で偏光方向が変わっており、複屈折があると、時間により、焦点位置が変わってしまう。1ドットを形成する間にこれが起こると、感光体上で蓄積されるエネルギーの分布がひろがってしまう。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。第5の実施形態も、上述した図31に示すようなカラー用の画像形成装置に関するものである。
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。第5の実施形態も、上述した図31に示すようなカラー用の画像形成装置に関するものである。
第5の実施形態においては、黒用の光走査装置21Bだけでなく、イエロー、マゼンタ、シアン用の各光走査装置21Y、21M、21Cも、概ね図35に示すような1/2波長板14を備える構成を有する。
また、第5の実施形態においては、黒用の光走査装置21Bの半導体レーザ2(2B)は、図36(A)に示すような構成(レーザ姿勢)のものであり、一方、イエロー、マゼンタ、シアン用の各光走査装置21Y、21M、21Cの半導体レーザ2(2Y、2M、2C)は、図36(B)に示すような構成(レーザ配置)のものである。
黒用の光走査装置21Bの半導体レーザ2Bにおいては、2個の発光点間隔が例えば、20μmであり、出射光の偏光方向は副走査方向である。イエロー、マゼンタ、シアン用の各光走査装置21Y、21M、21Cの半導体レーザ2Y、2M、2Cの出射光の偏光方向も同じ副走査方向としている。なお、黒用の半導体レーザ2Bの発光点数と、イエロー、マゼンタ、シアン用の半導体レーザ2Y、2M、2Cの発光点数との関係は、最大の発光点数のレーザアレイに対し、その他のレーザアレイの発光点数が、その約数となっているという関係がある。イエロー、マゼンタ、シアン用の半導体レーザ2Y、2M、2Cの発光点数を黒用と同じにしても良い。
上述のように、この第5の実施形態では、黒用の光走査装置21Bだけでなく、イエロー、マゼンタ、シアン用の各光走査装置21Y、21M、21Cも、シリンダレンズ7(7Y、7M、7C、7B)の入射面側に、1/2波長板14(14Y、14M、14C、14B)を接合している(図35参照)。
1/2波長板14(14Y、14M、14C、14B)は、速軸が主走査方向と、入射してくる偏光方向のちょうど真中の角度(90度/2=45度)になるように配置されており、従って、1/2波長板14(14Y、14M、14C、14B)を出た後は、偏光方向が主走査方向に一致する。これにより、偏向器3(3Y、3M、3C、3B)に対して全てのビームがP偏光となり、偏向前光学系の小型化、光量ばらつきの低減、各ユニットの同じ主走査方向位置での光量比の均一化を達成することができる。
以上の構成を採用した理由を説明する。
半導体レーザ2の偏光方向は、放射角が小さい方と同じ向きである。半導体レーザ2からの出射光の内、主走査方向に片側Θmainの放射角内のものを使用するとすると、焦点距離fのコリメータレンズ、若しくは、有限焦点レンズ5を通した後の主走査方向のビームの幅ωmainは、(25)式で表される。この(25)式は、同じωを得るためには、Θが大きい方がfを小さくでき、コリメータレンズ、若しくは、有限焦点レンズ5の小型化が可能であることを示している。
ωmain≒f ×tan(Θmain) …(25)
さらに、副走査方向のコリメータレンズ若しくは有限焦点レンズ(シリンダレンズ7)を通した後のビームの幅は、(26)式で表される。
さらに、副走査方向のコリメータレンズ若しくは有限焦点レンズ(シリンダレンズ7)を通した後のビームの幅は、(26)式で表される。
ωsub≒f ×tan(Θsub) …(26)
このビームを、所定の収束角Θsubpol(像面での副走査ビーム径は、この収束角と偏向後光学系の副走査方向倍率によって決まるため、偏向後光学系、及び、副走査方向ビーム径が決まるとΘsubpolが決まる)にて、偏向器3の反射面上に集光させるための距離、即ち、シリンダレンズ7から偏向器3の反射面までの距離Lcyl-polは、(27)式で与えられる。この(27)式は、Θsubが小さい方がシリンダレンズ−偏向器間距離を小さくできることを示している。
このビームを、所定の収束角Θsubpol(像面での副走査ビーム径は、この収束角と偏向後光学系の副走査方向倍率によって決まるため、偏向後光学系、及び、副走査方向ビーム径が決まるとΘsubpolが決まる)にて、偏向器3の反射面上に集光させるための距離、即ち、シリンダレンズ7から偏向器3の反射面までの距離Lcyl-polは、(27)式で与えられる。この(27)式は、Θsubが小さい方がシリンダレンズ−偏向器間距離を小さくできることを示している。
Lcyl-pol ≒ωsub/tan(Θsubpol)
≒f ×tan(Θsub)/tan(Θsubpol) …(27)
以上より、Θmainは大きい方、Θsubは小さい方が小型化に有利であることが判る。このような方向に半導体レーザ2を向けると偏光方向は副走査方向を向いてしまう。半導体レーザ2は、発光角が大きい方を主走査方向に向け(このとき、偏光方向が副走査方向となる)、偏光方向を主走査方向とするために、1/2波長板14を、入射ビームの偏光方向に対し、速軸が45度だけ傾く状態で配置すれば、小型化しつつ偏光方向を偏向器反射面で、P偏光とすることができる。
≒f ×tan(Θsub)/tan(Θsubpol) …(27)
以上より、Θmainは大きい方、Θsubは小さい方が小型化に有利であることが判る。このような方向に半導体レーザ2を向けると偏光方向は副走査方向を向いてしまう。半導体レーザ2は、発光角が大きい方を主走査方向に向け(このとき、偏光方向が副走査方向となる)、偏光方向を主走査方向とするために、1/2波長板14を、入射ビームの偏光方向に対し、速軸が45度だけ傾く状態で配置すれば、小型化しつつ偏光方向を偏向器反射面で、P偏光とすることができる。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態を説明する。第6の実施形態も、上述した図31に示すようなカラー用の画像形成装置に関するものである。第6の実施形態は、上述した第3の実施形態の改良である。
次に、本発明の第6の実施形態を説明する。第6の実施形態も、上述した図31に示すようなカラー用の画像形成装置に関するものである。第6の実施形態は、上述した第3の実施形態の改良である。
上述した第3の実施形態は、黒用の光走査装置21Bの半導体レーザ(半導体レーザアレイ)が2個の発光点を有し、2個の発光点を結ぶ方向が出射光の偏光方向となっており、主走査方向に対して、13.6度だけ傾いたものであるが、一方、イエロー、マゼンタ、シアン用の各光走査装置21Y、21M、21Cの半導体レーザは、発光点が1個であり、出射光の偏光方向が主走査方向に一致しているものである。
これに対して、この第6の実施形態は、図37(A)及び図37(B)に示すように、黒用の光走査装置21Bの半導体レーザは第3の実施形態のものと同様であるが、イエロー、マゼンタ、シアン用の各光走査装置21Y、21M、21Cの半導体レーザも、1個の発光点からの出射光の偏光方向が主走査方向に対して、13.6度だけ傾いたものである。すなわち、イエロー、マゼンタ、シアン用の各光走査装置21Y、21M、21Cのシングルビームの半導体レーザは、その偏光方向が、黒用の半導体レーザ(半導体レーザアレイ)の偏光方向と同じになるように、その積層面の方向を設定している。
これにより、コストアップ要因となる、波長板や偏光板を用いることなく、偏光方向が同じとなり、主走査方向の同じ位置同士でのパワー比が同じとなり、色相が場所によりばらつくのを防ぐことができる。
入射光幅が、ポリゴンミラー反射面幅よりも大きい場合で、透過光学系枚数が少なく、S偏光成分を除いて、透過型光学系での偏向角に対する透過率増大率を大きくしたい場合には、S偏光成分のみを削除するために、全ての色成分について、半導体レーザと、偏向器の反射面の光路の間に、主走査方向の偏光方向成分のみを通す偏光板を置くと、コストアップはしてしまうが性能的にはさらに効果的である。なお、偏光板に代え、1/2波長板を利用するようにしても良い。
また、黒用の光走査装置21Bの半導体レーザ(半導体レーザアレイ)からの出射光の偏光方向が、主走査方向に対して、13.6度だけ傾いている場合において、イエロー、マゼンタ、シアン用の各光走査装置21Y、21M、21Cの半導体レーザからの出射光の偏光方向が主走査方向に対して、−13.6度だけ傾けるようにしても、上記と同様な効果を得ることができる。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態を説明する。第7の実施形態も、上述した図31に示すようなカラー用の画像形成装置に関するものである。第7の実施形態は、上述した第6の実施形態のカラー用の画像形成装置に比較して、高速の画像形成にも対応できるカラー用の画像形成装置に関する。
次に、本発明の第7の実施形態を説明する。第7の実施形態も、上述した図31に示すようなカラー用の画像形成装置に関するものである。第7の実施形態は、上述した第6の実施形態のカラー用の画像形成装置に比較して、高速の画像形成にも対応できるカラー用の画像形成装置に関する。
黒用の光走査装置21Bの半導体レーザ(半導体レーザアレイ)は、図38(A)に示すように、等間隔に配置されている4個の発光点を有し、4個の発光点を結ぶ方向が出射光の偏光方向となっており、主走査方向に対して、13.6度だけ傾いたものである。一方、イエロー、マゼンタ、シアン用の各光走査装置21Y、21M、21Cの半導体レーザ(半導体レーザアレイ)は、図38(B)に示すように、2個の発光点を有し、2個の発光点を結ぶ方向が出射光の偏光方向となっており、主走査方向に対して、13.6度(なお、−13.6度でも良い)だけ傾いたものである。
黒用の半導体レーザアレイの発光点ピッチも、イエロー、マゼンタ、シアン用の半導体レーザアレイの発光点ピッチも等しくなされている。
偏光方向が同じなので、主走査方向の同じ位置同士での各色成分間のパワー比が同じとなり、色相が場所によりばらつくのを防ぐことができる。
この第7の実施形態も、半導体レーザアレイの発光点数が、少なくとも1つの光走査装置では他と異なり、最大の発光点数の半導体レーザアレイに対し、その他の半導体レーザアレイの発光点数が、その約数となっている。
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態を説明する。第8の実施形態も、上述した図31に示すようなカラー用の画像形成装置に関するものである。第8の実施形態も、上述した第7の実施形態と同様に、高速の画像形成にも対応できるものである。
次に、本発明の第8の実施形態を説明する。第8の実施形態も、上述した図31に示すようなカラー用の画像形成装置に関するものである。第8の実施形態も、上述した第7の実施形態と同様に、高速の画像形成にも対応できるものである。
黒用の光走査装置21Bの半導体レーザ(半導体レーザアレイ)は、図39(A)に示すように、等間隔(ピッチが50μm)に配置されている4個の発光点を有し、4個の発光点を結ぶ方向が出射光の偏光方向となっており、主走査方向に対して、23.6度だけ傾いたものである。一方、イエロー、マゼンタ、シアン用の各光走査装置21Y、21M、21Cの半導体レーザ(半導体レーザアレイ)は、図39(B)に示すように、ピッチが85μmである2個の発光点を有し、2個の発光点を結ぶ方向が出射光の偏光方向となっており、主走査方向に対して、13.6度(なお、−13.6度でも良い)だけ傾いたものである。
黒用の光走査装置21Bにおいては、上述した図35に示すようなシリンダレンズ7に1/2波長板14が接合されている。なお、イエロー、マゼンタ、シアン用の各光走査装置21Y、21M、21Cは、1/2波長板を備えていない。
ここで、黒用の光走査装置21Bにおける1/2波長板14(14B)は、速軸がイエロー、マゼンタ、シアン用の偏光方向と、入射してくる偏光方向のちょうど真中の角度((23.6度+13.6度)/2=18.6度)になるように配置されている。これにより、黒用のビームも、偏向器3(3B)に入射する時点では、イエロー、マゼンタ、シアンと同じ方向に偏向方向を向けることができる。このため、1/2波長板14を出た後は、全ての色成分について偏光方向が全て一致している。これにより、各色成分について、主走査方向の同じ位置同士でのパワー比が同じとなり、色相が場所によりばらつくのを防ぐ。
上述のように、黒用の光走査装置21Bにおける1/2波長板14は、シリンダレンズ7の平面側に一体的に形成されていることが、部品点数削減、波長板の角度を正確に出せるという意味で望ましい。なお、シリンダレンズ7及び偏向器3間であれば、他の位置であっても良い。
なお、黒用の光走査装置21Bにおける1/2波長板14(14B)の角度は、上記の例に限定されず、以下のようにしても良い。即ち、1/2波長板14(14B)は、速軸がイエロー、マゼンタ、シアン用の偏光方向を主走査方向に対して対称移動したものと、入射してくる偏光方向のちょうど真中の角度((23.6度−13.6度)/2=5度)になるように配置されていてもよい。この場合、黒用ビームの偏光方向は、他の色のものは、主走査方向に対し角度の絶対値は同じで主走査方向に対し、対称な傾きとなる。
このように、偏向器反射面への入射光の偏光方向が黒用のみ異なっていても、S偏光成分とP偏光成分との比は同じとなるため、途中に、大きくS偏光成分と、P偏光成分の位相をずらす素子を置かなければ、この方法によっても、像面で同じような光量分布を得ることができる。
なお、副走査方向の倍率が同じ場合でも、半導体レーザの発光点数が異なるようなときには、半導体レーザの発光点ピッチが異なるものを使用することがある。この際には、この実施形態のように、発光点を結ぶ線と、主走査方向のなす角が異なってきてしまう。このようなときには、少ない発光点数を持つ半導体レーザから出る光路の配置されたシリンダレンズに、波長板を形成し、波長板の長軸の方向を、他の半導体レーザからの光線と、偏向器反射面で同じ方向に偏光角を持つように設定することにより、光量むらを抑えることができる。
(他の実施形態)
上述した第3〜第8の実施形態においては、色成分毎に別個独立な光走査装置を有するカラー用の画像形成装置に本発明を適用した場合を示したが、光走査装置の一部構成を複数の色成分で共通に利用する形式のカラー用の画像形成装置にも、本発明を適用することができる。
上述した第3〜第8の実施形態においては、色成分毎に別個独立な光走査装置を有するカラー用の画像形成装置に本発明を適用した場合を示したが、光走査装置の一部構成を複数の色成分で共通に利用する形式のカラー用の画像形成装置にも、本発明を適用することができる。
例えば、偏向器を1つのみでレーザビームを2方向から入射させ、かつ、ポリゴンミラー面を2面使用し、偏向後光学系はそれぞれの光線に対するものを使用する光走査装置を適用した画像形成装置や、偏向器を1つのみ使用し、偏向後光学素子の一部、もしくは、全部を共用するような光走査装置を適用した画像形成装置についても、本発明の技術思想を適用でき、上記各実施形態と同様な効果を得ることができる。
即ち、偏向器の反射面の主走査方向の幅よりも、主走査方向に幅が小さい光線を入射させ、偏向器の反射面にて反射、偏向させ、透過型光学部材を含む光学手段により被走査面上にビームを結像させる光走査装置(いわゆるアンダーフィル方式の光走査装置)であっても、主走査方向の位置による光量比を均一に保つという意味では、上述した実施形態の、偏向器への入射光を概ねP偏光光(主走査方向に対する角度の絶対値を同じ場合などを含む)にすることにより得られる効果は同等である。但し、ポリゴンミラー反射面への入射光の偏光方向を主走査方向にしてしまうと、ポリゴンミラー振り角が大きい方で、像面パワーが大きくなってしまう。この場合、P偏光光とするよりも、この軸を40度近辺に揃えると、ポリゴンミラーを含め、金属ミラーでの反射で、P偏光成分とS偏光成分の位相差の発生が所定の条件(ポリゴンミラー偏向角が大きくないときや、途中での金属面による反射により発生する位相差が±180度に近いとき等)となるときには光量むらが抑えられる。
また、その他の実施形態のような光走査装置においては、偏向器を共有しているため、副走査方向の走査線移動量は同じである。このため、第7、第8の実施形態に示したような、発光点数が異なるレーザアレイ同士を組み合わせた方式では、最小の発光点数と同じ数の発光点数だけを使い、後はデータを書き込まないようにする必要がある(なお、イエロー、マゼンタ、シアン用ビームの発光点が1で、黒が半導体レーザアレイの場合にはこのような問題は起こらない)。この場合には、カラーの高解像度化は期待できないが、モノクロモード(黒モード)のときのみ、高速印字できるというメリットがある。
これを回避するためには、第7、第8の実施形態において、イエロー、マゼンタ、シアン用の偏向前光学系の副走査方向横倍率を2倍とする方法がある。このためには、偏向器の上流のシリンダレンズ焦点距離と、ポリゴンミラー反射点からシリンダレンズ像側主点間距離を2倍とすれば良い。この方法のメリットは、同じ発光点間隔のレーザアレイを使用できるところである。
さらに、記述したいくつかの実施形態で述べた中で、同じ偏光方向のみを透過する偏光板12、若しくは、同じ速軸方向の1/2波長板14を使用する場合には、全てのビームが通過する素子、例えば、副走査方向にパワーを持ったシリンダレンズとポリゴンミラーの間に置かれたポリゴンミラーカバーガラス等に、偏光板、若しくは、1/2波長板を貼り付け若しくは蒸着することにより、部品点数を削減することも可能となる。
図40は、ポリゴンミラーカバーガラス15に、偏光板12、若しくは、1/2波長板14を接合した状態を示している。複数光源2Y、2M、2C、2Bからの光をそれぞれ異なる位置、角度を持ちながら、1つのポリゴンミラー3へ入射させるものであるが、このポリゴンミラー入射前に、ポリゴンミラーカバーガラス15があり、このカバーガラス15に偏光板12若しくは1/2波長板14を接合する。これにより、精度は、シリンダレンズ7に偏光板12若しくは1/2波長板14を取り付ける場合よりも落ちてしまうものの、コスト的には、有利になり、半導体レーザがアレイでも、1つの発光点をもつものでも、偏光方向さえ揃えておけば、共通の偏光板12若しくは1/2波長板14にて、ポリゴンミラー入射光の偏光方向を任意に設定可能となる。
また、偏光板ではなく、1/4波長板を光路中に挿入すれば、主走査方向の場所によるむら、結像特性劣化というデメリットは発生するが、これが、許容範囲内であれば、入射光の偏光方向にかかわらず、出射光が円偏光となり、異なるビーム同士の、同じ場所での光量比は均一に保つことができる。
さらに、半導体レーザの角度がそれぞればらついているときには、波長板14の代わりに、偏光板12をポリゴンミラー入射前のポリゴンミラーカバーガラス15に貼り付けておくことが好ましい。
以下では、各色成分毎に独立の光走査装置を有する場合であっても(図31参照)、偏向器を、色成分が異なる複数ビームで共用するタイプの光走査装置を有する場合であっても、偏向器の回転速度が同一であり、しかも、各色成分ごとの光源の中に、発光点数が異なる半導体レーザアレイを含むときに、同一の光学部品(例えば偏向前光学系のシリンダレンズ)を用いながら、高解像度化が可能で、しかも、光量むらを抑えることができる方法を述べる。この方法とは、最大の発光点数の半導体レーザアレイに対し、その他のレーザアレイ発光点数が約数となっており、かつ、最大の発光点数以外の発光点数を有する半導体レーザアレイの発光点間ピッチは、最大発光点数の半導体レーザアレイの発光点間ピッチの、(最大発光点数/当該半導体レーザアレイの発光点数)倍となっていれば良い。
このときには、図41(A)及び図41(B)に示すように、各色成分の光源からの出射光の偏光方向は同じとなり、また、1つのポリゴンミラー面で走査された光線と、次の面で走査された光線の副走査方向距離が同じ場合でも、それぞれの光線での副走査方向ピッチはそれぞれの光線毎に均一にできる。
図41(A)及び図41(B)の例では、黒用の半導体レーザアレイの発光点間ピッチ20μmの2(=黒用の発光点数4/その他の発光点数2)倍に、イエロー、マゼンタ、シアン用の半導体レーザアレイの発光点間ピッチ40μmが選定されている。
また、カラー用の光走査装置では、通常、色ずれ等を発生させないために、偏向後光学系は、設計的に同一のレンズを使用するか若しくは同一のレンズを共用して使用するため、偏向後光学系での副走査方向横倍率は同一である。ここでは、これをβpostとする。異なる発光点数Narray1、Narray2、発光点間隔LARRY1、LARRY2(図41(A)及び図41(B)参照)を持つ第1の半導体レーザアレイと第2の半導体レーザアレイからの光を偏向器に導く偏向前光学系の副走査方向横倍率をβpre1、βpre2とし、主走査方向に対する、発光点を結んだ線の角度の絶対値をθarray(偏光方向を同じとするため同じ絶対値とする)とすると、像面でのビーム間隔(副走査方向のピッチ)はそれぞれ、(28)式及び(29)式で表される。
βpost×βpre1×LARRY1×sin(θarray) …(28)
βpost×βpre2×LARRY2×sin(θarray) …(29)
偏向器の回転数を同じとすると、第1の半導体レーザアレイによって発光点数(Narray1)本の走査線を作る間に、第2の半導体レーザアレイによって発光点数(Narray2)本の走査線を作ることになり、副走査方向のピッチの比((29)式に対する(28)式の比)が、Narray2/Narray1であれば、全ての発光点を有効に使用しながら、同じ副走査方向の速度で潜像を作成することができる。一つの偏向器で複数の走査線を形成する際には、この条件が必要であることは言うまでもないが、それぞれの偏向器の回転の位相を合わせることにより(1個の偏向器の場合には当然に位相は合っている)、また、その回転数を正確に合わせることにより(1個の偏向器の場合には当然に位相は合っている)、その主走査方向の位置ずれを抑える際にも、この条件は非常に有利である。この条件を書き直すと、(30)式が得られ、(30)式を整理して簡単にすると、(31)式が得られる。
βpost×βpre2×LARRY2×sin(θarray) …(29)
偏向器の回転数を同じとすると、第1の半導体レーザアレイによって発光点数(Narray1)本の走査線を作る間に、第2の半導体レーザアレイによって発光点数(Narray2)本の走査線を作ることになり、副走査方向のピッチの比((29)式に対する(28)式の比)が、Narray2/Narray1であれば、全ての発光点を有効に使用しながら、同じ副走査方向の速度で潜像を作成することができる。一つの偏向器で複数の走査線を形成する際には、この条件が必要であることは言うまでもないが、それぞれの偏向器の回転の位相を合わせることにより(1個の偏向器の場合には当然に位相は合っている)、また、その回転数を正確に合わせることにより(1個の偏向器の場合には当然に位相は合っている)、その主走査方向の位置ずれを抑える際にも、この条件は非常に有利である。この条件を書き直すと、(30)式が得られ、(30)式を整理して簡単にすると、(31)式が得られる。
Narray1×βpost×βpre1×LARRY1×sin(θarray)
=Narray2×βpost×βpre2×LARRY2×sin(θarray) …(30)
Narray1×βpre1×LARRY1=Narray2×βpre2×LARRY2 …(31)
すなわち、この(31)式に示す条件を満たしていれば、それぞれの光源を有効に使いつつ、それぞれの色の解像度を最高にすることができる。
=Narray2×βpost×βpre2×LARRY2×sin(θarray) …(30)
Narray1×βpre1×LARRY1=Narray2×βpre2×LARRY2 …(31)
すなわち、この(31)式に示す条件を満たしていれば、それぞれの光源を有効に使いつつ、それぞれの色の解像度を最高にすることができる。
1…光走査装置、2…半導体レーザ、3…光偏向装置、4…主走査方向の絞り、5…有限焦点レンズ、6…副走査方向の絞り、7…ガラスシリンダレンズ、8…折返しミラー、9…結像レンズ、10…防塵ガラス、20…カラー用の画像形成装置、21Y、21M、21C、21B…イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の光走査装置。
Claims (9)
- 偏向器を利用して1個の走査線を形成する光走査装置を複数有し、又は、偏向器を複数の走査線用の光線が共通に利用する光走査装置を有し、複数の光源からの光線によって複数の走査線を形成する画像形成装置において、
上記複数の光源として、少なくとも1つが発光点数が異なる複数の半導体レーザを備え、
上記各半導体レーザからの、対応する上記偏向器への入射光線の偏光方向の、主走査方向に対する角度の絶対値が同一となるようにした
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
上記各光源からの出射光線の偏光方向を主走査方向に対する角度の絶対値を同一にし、 上記各半導体レーザからの、対応する上記偏向器への入射光線の偏光方向の、主走査方向に対する角度の絶対値を同一とした
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
少なくとも一部の上記半導体レーザからの光路中に波長板を介在させ、上記各半導体レーザからの、対応する上記偏向器への入射光線の偏光方向の、主走査方向に対する角度の絶対値を揃えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3に記載の画像形成装置において、
2つ以上の発光点を持つ1つの半導体レーザと、1つの発光点を持つ複数の半導体レーザを有し、2つ以上の発光点を持つ上記半導体レーザからの光路中に上記波長板を介在させたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3に記載の画像形成装置において、
発光点が最も多い1つの半導体レーザと、他の複数の半導体レーザを有し、発光点が最も多い上記半導体レーザの光路中に上記波長板を介在させたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
少なくとも一部の上記半導体レーザからの光路中に偏光板を介在させ、上記各半導体レーザからの、対応する上記偏向器への入射光線の偏光方向の、主走査方向に対する角度の絶対値を揃えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
上記複数の光源として、少なくとも、発光点数がNarray1の第1の光源と、発光点数がNarray2の第2の光源とを有し、上記第1の光源における発光点間隔をLARRY1、上記第2の光源における発光点間隔をLARRY2とすると共に、上記第1の光源からの光を上記偏向器に導く偏向前光学系の副走査方向横倍率をβpre1、上記第2の光源からの光を上記偏向器に導く偏向前光学系の副走査方向横倍率をβpre2としたとき、
Narray1×βpre1×LARRY1=Narray2×βpre2×LARRY2
を満たすことを特徴とする画像形成装置。 - 偏向器を利用して1個の走査線を形成する光走査装置を複数有し、又は、偏向器を複数の走査線用の光線が共通に利用する光走査装置を有し、複数の光源からの光線によって複数の走査線を形成する画像形成装置において、
上記複数の光源として、少なくとも1つが発光点数が異なる複数の半導体レーザを備え、
最大の発光点数の半導体レーザに対し、他の半導体レーザの発光点数が、最大の発光点数の約数となっている
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8に記載の画像形成装置において、
最大の発光点数以外の発光点数を有する他の半導体レーザの発光点間ピッチが、最大発光点数の半導体レーザアレイの発光点間ピッチの、(最大発光点数/当該他の半導体レーザの発光点数)倍になっていることを特徴とする画像形成装置。
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