JP2011038745A - グリル - Google Patents

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Abstract

【課題】扉とグリル庫の前面に生じる隙間を無くすことができるグリルを提供する。
【解決手段】グリル開口12の内側上部に、グリル扉15の上端部の裏面に接触させ、グリル庫内の密閉性を確保するための接触部材20が設けられている。接触部材20は、グリル前板50と、該グリル前板50に対して揺動可能に支持された可動板60とから構成されている。可動板60は、グリル扉15とグリル開口12の前面との間に生じる隙間に応じて揺動し、グリル扉15の上端部の裏面に接触する。これにより、グリル扉15との間の隙間を無くすことができるので、グリル庫の密閉性を確保でき、加熱性能を向上できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、グリルに関し、詳細には、グリル庫内で被調理物を加熱するグリルに関する。
従来より、テーブルコンロやビルトインコンロに搭載されたグリルは、グリル庫内でガスを燃焼させて被調理物の調理を行うものとして一般的に利用されている。例えば、焼成庫(グリル庫)に設けた前面の開口から引出自在のグリルパン(受け皿)を設け、該グリルパンと一体に該前面の開口を閉じる扉を設けた焼成器(グリル)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなグリルでは、開口を扉で閉じた際に、扉の表面とコンロの正面パネル等の外観部品との面の一体感を保たねばならず、そのためにはグリル庫に対して扉の位置決めをする必要がある。例えば、図11に示す従来のビルトインコンロ100のように、グリル扉15の下部の両側に凹部17を設け、その凹部17に係合する突起44をグリル庫45の左右の両側壁の前側に固定された側壁43にそれぞれ設けたものがある。
このビルトインコンロ100では、グリル開口12を構成する枠の上端部には、受け皿27をグリル庫45内に収納したときに、受け皿27と一体化したグリル扉15の上端に接触させるための接触部材200が設けられている。接触部材200は、グリル開口12の上部に固定されたグリル前板150と、そのグリル前板150にビス81,82によって固定された接触板160とからなる。このような構造では、凹部17に突起44が係合することでグリル扉15の位置決めがなされ、その状態で接触板160にグリル扉15の上端の裏面が接触するようになっている。
実開平3−42915号公報
ところが、図11に示す従来のビルトインコンロ100は部品構成が大きいため、グリル扉15と接触板160との間に隙間が形成され、その隙間から煙や燃焼ガスが漏れてしまうことが懸念される。これに対し、グリル扉15を接触板160に当てることでグリル扉15の位置決めを行うことも考えられるが、グリル扉15とビルトインコンロ100の正面パネル等の外観部品との面の一体感がずれ易いという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、扉とグリル庫の前面に生じる隙間を無くすことができるグリルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のグリルは、グリル庫に設けた前面の開口から引出自在の受け皿を設け、当該受け皿と一体に前記開口を閉じる扉を設けたグリルであって、前記開口の上部に設けられ、前記受け皿を前記グリル庫内に収納したときに、前記扉の上端に当接させる接触部材を備え、前記接触部材は、前記開口の上部に設けられ、前記扉の裏面に対向するグリル前板と、当該グリル前板に対して一部が前後方向に移動可能に支持された可動板とから構成され、前記グリル前板の上端部には、前記グリル庫の前方に略直角に折り曲げられ、前記開口の上部に固定される固定部が設けられ、当該固定部の下面には下方に突出する突起が設けられ、前記グリル前板の下部には差込孔が設けられ、前記可動板は、前記扉の裏面に接離する本体部と、当該本体部の上端から前記グリル前板の表面に向かって延設された板状の上側延設部と、前記本体部の下端から前記グリル前板の表面に向かって延設された板状の下側延設部とを備え、前記上側延設部には、前記突起を内側に遊挿する貫通孔が設けられ、前記下側延設部の先端部には、前記グリル前板の前記差込孔に前記グリル庫の前方から差し込まれる爪部が設けられ、前記可動板は、前記孔部に差し込まれた前記爪部を中心に軸支され、前記開口の閉塞時において、前記扉の裏面との隙間を埋めるようにして、自重により前記爪部を回転中心として前後に動くことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明のグリルは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記グリル庫の前記開口の下方には、前記扉の位置決めをする位置決め部材が設けられ、前記扉の裏面の下部の前記位置決め部材に対向する位置には、裏面から表面に向けて窪んだ凹部が設けられ、前記開口を前記扉で閉塞する際は、前記凹部の奥側の底部に、前記位置決め部材が当接することによって、前記扉の位置が決まることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明のグリルは、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記扉を前記グリル庫の奥側に引き込む引き込み機構を備え、当該引き込み機構によって前記扉が前記奥側に引き込まれ、前記扉に前記奥側への応力がかけられた状態で前記開口が前記扉で閉じられることを特徴とする。
請求項1に係るグリルでは、受け皿と扉とが一体になっているので、受け皿をグリル庫の前面の開口に押し込むことで開口が扉で閉じられる。このとき、開口の上部に設けられた接触部材に扉の上端が当接する。接触部材は、開口の上部に設けられたグリル前板と、そのグリル前板に対して一部が前後方向に移動可能に支持された可動板とからなる。可動板の下側延設部の先端に設けた爪部を、グリル前板の下部に設けた差込孔に差し込まれ、上側延設部に設けた貫通孔の内側に、グリル前板の固定部の下面から突出する突起が挿入されている。突起は貫通孔の内側に隙間を前後に空けた状態で挿入されている。この状態では、可動板は、孔部に差し込まれた爪部を中心に軸支された状態となっている。これにより、開口の閉塞時では、可動板は、扉の裏面との隙間を埋めるようにして、自重により爪部を回転中心として動く。よって、例えば、扉と開口との間に隙間を生じた場合でも、その隙間を埋めるように可動板が前後に揺動するので、接触部材の接触板と扉の裏面との密着性を高めることができる。よって、グリル庫内の煙や燃焼ガスが外部に漏れるのを防止できる。
また、請求項2に係るグリルでは、請求項1に記載の発明の効果に加え、扉を閉じる方向に押し込むと、扉の裏面下部に設けた凹部に対し、扉の裏面の下部に設けた位置決め部材が係合する。これにより、扉の位置決めが完了する。即ち、扉の位置決めを扉の下側で行い、その位置が決まることによって生じた扉と開口との隙間を可動板で無くすことができる。これにより、グリルの外観の面の一体感を保持しつつ、扉とグリル庫の前面との隙間を無くすことができる。
また、請求項3に係るグリルでは、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、扉が引き込み機構によって奥側に引き込まれることによって、奥側への応力が扉にかけられた状態で開口が閉じられる。これにより、扉と接触板との密着性をより高めることができる。こうして、煙や燃料ガスの漏出をより効果的に抑制できる。
ビルトインコンロ1の斜視図である。 ビルトインコンロ1から受け皿27及び焼き網28を引き出した状態の斜視図である。 ビルトインコンロ1から受け皿27及び焼き網28を引き出した状態の右側面図である。 ビルトインコンロ1の前側の断面図である。 接触部材20の斜視図である。 グリル前板50の斜視図である。 可動板60の斜視図である。 ビルトインコンロ1の前側の断面図(ケース1)である。 ビルトインコンロ1の前側の断面図(ケース2)である。 ビルトインコンロ1の前側の断面図(ケース3)である。 従来のビルトインコンロ100の前側の断面図である。
以下、本発明の一実施形態であるグリルを備えたビルトインコンロ1について、図面を参照して説明する。はじめに、ビルトインコンロ1の全体構造について説明する。図1に示すように、ビルトインコンロ1は、略直方体状の筐体2を備えている。筐体2の天面にはトッププレート4が設けられている。トッププレート4の左右両側には、ガスバーナ5,7が各々設けられている。それらガスバーナ5,7に挟まれる中央奥側には、とろ火用のガスバーナ6が設けられている。
ガスバーナ5,6,7の各上部周囲には、調理容器を載置するための五徳9,10,11が各々設けられている。トッププレート4の後端側には、後述するグリル庫45に連通する排気口13が設けられている。排気口13には、複数の孔を有し、グリル庫45内からの炎のあふれを抑制するための一対の安全網14a,14bが設置されている。
筐体2の中央には本発明のグリルが搭載されている。図2に示すように、筐体2の正面中央には、グリル開口12が設けられている。グリル開口12からは、器具内に設けられたグリル庫45から受け皿27及び焼き網28を出し入れができる。グリル開口12は、受け皿27の前端部に設けられた板状のグリル扉15によって開閉される。グリル扉15の上半分には、グリル庫45内を視認するためのグリル窓15Aが設けられている。その下方には、受け皿27及び焼き網28を出し入れするための取っ手部材16が設けられている。取っ手部材16には取っ手16Aが設けられている。
取っ手16Aを掴んで手前に引き出すと、グリル開口12からグリル扉15が離れ、受け皿27及び焼き網28がレール機構30によってスライド移動され、グリル庫45外に引き出される。焼き網28は受け皿27上に載置されている。受け皿27を庫外に引き出した状態において、焼き網28上に被調理物を載せたり、焼き網28上に載せられた被調理物を取り出すことができる。受け皿27はレール機構30に設けられた後述する保持枠40に着脱可能に保持されている。
次に、レール機構30の構造について、図2,図3を参照して説明する。なお、図3では、筐体2からトッププレート4(図1参照)を外した状態の断面であって、左右一対のレール機構30のうち、右側のレール機構30についてのみ図示している。レール機構30は、グリル庫45の左右の両側壁46(図3参照)の各内面の下端部に沿って各々固定された一対の固定レール31と、該一対の固定レール31の内側に沿ってグリル庫45の前後方向にスライド可能に支持された一対の第1可動レール32と、該一対の第1可動レール32の内側に沿ってグリル庫45の前後方向にスライド可能に支持された一対の第2可動レール33とからなる。
固定レール31と第1可動レール32とが互いにすれ違う間には、複数の小型ローラが並列してなるローラユニット(図示外)が配設されている。第1可動レール32と第2可動レール33とが互いにすれ違う間にも、同様のローラユニット(図示外)が配設されている。さらに、固定レール31の前端側には、第1ストッパ(図示外)が設けられている。第1可動レール32の後端側には、第1可動レール32が引き出された際に、第1ストッパに係止する第1係止部(図示外)が設けられている。これらにより、固定レール31から第1可動レール32が抜けるのを防止できる。
第1可動レール32の前端側には、第2ストッパ(図示外)が設けられている。第2可動レール33の後端側には、第2可動レール32が引き出された際に、第2ストッパに係止する第2係止部(図示外)が設けられている。これにより、第1可動レール32から第2可動レール33が抜けるのを防止できる。このような構成からなるレール機構30において、一対の第2可動レール32の前側には、受け皿27を着脱可能に保持するための保持枠40が組み付けられている。
次に、グリル庫45の前側の構造について、図4を参照して説明する。グリル庫45の左右両側の側壁46(図3参照)の前側部分には側壁43が固定されている。側壁43の外側面(グリル庫45内側の側面)の前方下部には、グリル庫45内に向けて突出する略円柱状の突起44が設けられている。突起44は、グリル扉15の取っ手部材16の左右両端の下部に各々設けられた凹部17に対応する位置に設けられている。グリル扉15を閉じる方向に移動させた場合、左右一対の凹部17と、左右一対の突起44とが互いに係合する。これにより、グリル扉15の奥方向への移動が制限され、グリル扉15の位置決めがなされる。左右の側壁43,43の各上部には、グリル庫45の上面の前方部分を構成する前枠35の下部がビス37等で固定されている。前枠35の下部には、グリル扉15の上端部の裏面に接触させ、グリル庫45内の密閉性を確保するための接触部材20が設けられている。
次に、接触部材20の構成について、図5を参照して説明する。接触部材20は、前枠35(図4参照)の下部にスポット溶接等で固定されるグリル前板50と、該グリル前板50に対して揺動可能に支持された可動板60とから構成され、開口を下方に向けた略コの字型に構成されている。可動板60は、グリル扉15とグリル開口12の前面との間に生じる隙間に応じて揺動し、グリル扉15の上端部の裏面に接触するようになっている。以下、各構成部材について詳細に説明する。
まず、グリル前板50について、図6を参照して説明する。グリル前板50は、開口を下方に向けた略コの字型に構成されている。グリル前板50は、開口を下方に向けた略コの字型の本体片51と、該本体片51の直線状の上端部において略直角に前方に延設された固定片52とから構成されている。本体片51の左右両側から下方にそれぞれ延設された各先端部近傍には、横長の長方形状の差込孔54が各々設けられている。
一方、固定片52の左右両側には、可動板60の揺動範囲を制限するためのビス81(図5参照)を下側に貫通させた状態で固定(図4参照)するためのビス孔57,57が各々設けられている。さらに、それらビス孔57,57に挟まれる部分には、前枠35にスポット溶接で固定するための略円錐状に形成された一対の円錐台55,55が各々設けられている。円錐台55の平らになった上端部の中央には、スポット溶接するための孔55Aが設けられている。
次に、可動板60について、図7を参照して説明する。可動板60は、開口を下方に向けた略コの字型に構成されている。可動板60は、開口を下方に向けた略コの字型の本体片61と、該本体片61の直線状の上端部において略直角に後方に延設された上面片62と、本体片61の内縁部に沿って略直角に後方に延設された内側片63と、本体片61の左右両端部において略直角に後方に各々延設された側面片64,64と、本体片61の左右両側から下方にそれぞれ延びる各先端部において略直角に後方に延設された後方延設片66,66とから構成されている。
上面片62の左右両側には、平面視長方形状の貫通孔67が各々設けられている。貫通孔67には、図4に示すように、グリル前板50の固定片52のビス孔57から下方に突出するビス81の下端側が差し込まれる。上面片62の後端部であって、貫通孔67,67にそれぞれ対応する部位には、後方に向けて斜め下方に延出する傾斜片69,69が各々設けられている。後方延設片66の後端部には、後方に向けて斜め下方に延設された爪部68が各々設けられている。爪部68の長手方向略中央は階段状に折曲されている。
次に、グリル前板50に対する可動板60の組み付け方法について、図5乃至図7を参照して説明する。まず、図6に示すグリル前板50の固定片52に設けられたビス孔57にビス81を締結し、その先端側を下方に突出させる。次いで、グリル前板50の内側に対して、図7に示す可動板60の内側を合わせる。さらに、グリル前板50に設けられた一対の差込孔54,54に対して、可動板60に設けられた一対の爪部68,68を内側から差し込む。そして、可動板60を爪部68を中心に後方に回転させると、グリル前板50のビス孔57に固定されたビス81の先端に、可動板60の傾斜片69の上面が接触する。さらに、可動板60を回転させると、ビス81が傾斜片69を摺動して乗り越え、ビス81が貫通孔67に挿入される。こうして、グリル前板50に対して可動板60が組み付けられ、図5に示す接触部材20がユニットして完成する。
次に、グリル扉15でグリル開口12を閉じる際の、グリル扉15の位置決めと、グリル扉15と接触部材20との接触態様とについて説明する。図4に示すように、まず、グリル扉15をグリル庫45に向けて移動させる。すると、グリル扉15の取っ手部材16の左右両端部の下部に各々設けた凹部17の内側に、グリル庫45の左右の側壁43の外側面に各々設けた突起44が嵌り込んで係合し、グリル扉15が位置決めされる。グリル扉15の位置が決まった状態では、グリル扉15の表面と、ビルトインコンロ1の正面パネル等の外観部品との表面とが合うようになっている。よって、グリル扉15の前面と、ビルトインコンロ1の正面のパネル等との面の一体感を保持できる。この状態で、グリル扉15の上端部の裏面に対して接触部材20の可動板60が接触する。
次に、可動板60の揺動動作について、図4、図8乃至図10を参照して説明する。図4に示すように、可動板60は、その爪部68を回転中心として揺動するが、重心が回転中心よりも前側(グリル庫45の前方)にあるので自重によって前方に揺動する。そして、可動板60の貫通孔67には、グリル前板50のビス孔57(図6参照)に固定されたビス81の先端部が挿入されている。貫通孔67の内縁部と、ビス81の先端部の外周との間には所定の隙間が形成されている。よって、可動板60は、ビス81が貫通孔67の内側を前後方向に移動できる範囲内で揺動できる。
本実施形態では、グリル開口12をグリル扉15で閉じた場合、グリル扉15の下部で位置決めがなされるが、部品の寸法公差によって、グリル扉15の上部位置が前後方向にずれることがある。ここでは、グリル扉15の上部位置が基準位置に停止した場合(ケース1)、グリル扉15の上部位置が基準位置よりも手間側に停止した場合(ケース2)、グリル扉15の上部位置が基準位置よりも奥側で停止した場合(ケース3)の3つのケースを想定する。これらのケースでは、互いにグリル扉15の位置が異なるが、上述したように、可動板60は自重によって前方に揺動するので、グリル扉15の上端部の裏面に可動板60の本体片61の面を接触させることができる。以下、各ケースについて順次説明する。
・ケース1:グリル扉15の上部位置が基準位置に停止した場合
図8に示すように、位置決めされたグリル扉15が基準位置に停止した場合、グリル扉15の上端の裏面に可動板60の本体片61が接触する。これで可動板60の揺動は制限され、垂直に起立した状態でその姿勢が保持される。この状態では、グリル前板50のビス孔57に固定されたビス81の先端部は、可動板60の貫通孔67の内側において略中央に位置する。つまり、ビス81の前後に同じ幅の隙間ができている。この状態は可動板60の基本姿勢として設定される。
・ケース2:グリル扉15の上部位置が基準位置よりも手前側で停止した場合
図9に示すように、位置決めされたグリル扉15が基準位置よりも手前側で停止した場合、グリル扉15は[ケース1]に比べて前方に位置するので、可動板60は自重によって、爪部68を回転中心として前方に回転する。そして、可動板60の本体片61がグリル扉15の上端部の裏面に当接し、やや前方に傾斜した状態でその姿勢が保持される。この状態では、グリル前板50のビス孔57に固定されたビス81の先端部は、可動板60の貫通孔67の内側において後方に位置する。つまり、ビス81の前側に隙間が形成されている。このようにして、[ケース2]においてもグリル扉15との間の隙間を無くすことができるので、グリル庫45の密閉性を確保でき、加熱性能を向上できる。
・ケース3:グリル扉15の上部位置が基準位置よりも後方で停止した場合
図10に示すように、位置決めされたグリル扉15が基準位置よりも後方で停止した場合、グリル扉15は[ケース1]に比べて後方に位置するので、可動板60は、本体片61がグリル扉15の上端の裏面によって後方に押されることによって、爪部68を回転中心として後方に回転する。そして、可動板60は、その上部がやや後方に傾斜した状態でその姿勢が保持される。この状態では、グリル前板50のビス孔57に固定されたビス81の先端部は、可動板60の貫通孔67の内側において前方に位置する。つまり、ビス81の後ろ側に隙間が形成されている。このようにして、[ケース3]においてもグリル扉15との間の隙間を無くすことができるので、グリル庫45の密閉性を確保でき、加熱性能を向上できる。
以上説明したように、本実施形態のグリルでは、グリル開口12の内側上部に、グリル扉15の上端部の裏面に接触させ、グリル庫45内の密閉性を確保するための接触部材20が設けられている。接触部材20は、グリル前板50と、該グリル前板50に対して揺動可能に支持された可動板60とから構成されている。可動板60は、グリル扉15とグリル開口12の前面との間に生じる隙間に応じて揺動し、グリル扉15の上端部の裏面に接触する。これにより、グリル扉15との間の隙間を無くすことができるので、グリル庫45の密閉性を確保でき、加熱性能を向上できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、グリル扉15をグリル開口12の前面に確実に密着させるために、受け皿27を保持する保持枠40をグリル庫45の奥側に引き込んで、奥側にテンションをかけた状態で、グリル開口12をグリル扉15で閉じることができる「引き込み機構」を設けることによって、本発明の効果をさらに向上させることができる。奥側に引き込む機構として、例えば、保持枠40の後端部に係合部を設け、グリル庫45の奥側の壁面に被係合部を設け、互いに係合させることによって、グリル扉15を奥側に引き込むようにしてもよい。この場合、グリル扉15をグリル開口12の前面に確実に密着させることができる。
この他にも、レール機構30において、例えば、第1可動レール32の後端部と、グリル庫45の奥側とに磁石を各々設け、磁石の互いに引きつけ合う力を利用することによって、グリル扉15が奥側に引き込まれるようにしてもよい。これにより、グリル扉15をグリル開口12の前面に確実に密着させることができる。なお、磁石の数、固定位置等はこれに限らず種々の変更が可能である。
なお、上記実施形態は、レール機構30を備えたものであるが、レール機構がないグリルにおいても本発明の適用が可能である。
1 ビルトインコンロ
2 筐体
12 グリル開口
20 接触部材
27 受け皿
30 レール機構
17 凹部
43 側壁
44 突起
45 グリル庫
50 グリル前板
51 本体片
52 固定片
54 差込孔
57 ビス孔
60 可動板
61 本体片
62 上面片
66 後方延設片
67 貫通孔
68 爪部
81 ビス

Claims (3)

  1. グリル庫に設けた前面の開口から引出自在の受け皿を設け、当該受け皿と一体に前記開口を閉じる扉を設けたグリルであって、
    前記開口の上部に設けられ、前記受け皿を前記グリル庫内に収納したときに、前記扉の上端に当接させる接触部材を備え、
    前記接触部材は、
    前記開口の上部に設けられ、前記扉の裏面に対向するグリル前板と、
    当該グリル前板に対して一部が前後方向に移動可能に支持された可動板と
    から構成され、
    前記グリル前板の上端部には、前記グリル庫の前方に略直角に折り曲げられ、前記開口の上部に固定される固定部が設けられ、
    当該固定部の下面には下方に突出する突起が設けられ、
    前記グリル前板の下部には差込孔が設けられ、
    前記可動板は、
    前記扉の裏面に接離する本体部と、
    当該本体部の上端から前記グリル前板の表面に向かって延設された板状の上側延設部と、
    前記本体部の下端から前記グリル前板の表面に向かって延設された板状の下側延設部と
    を備え、
    前記上側延設部には、前記突起を内側に遊挿する貫通孔が設けられ、
    前記下側延設部の先端部には、前記グリル前板の前記差込孔に前記グリル庫の前方から差し込まれる爪部が設けられ、
    前記可動板は、前記孔部に差し込まれた前記爪部を中心に軸支され、前記開口の閉塞時において、前記扉の裏面との隙間を埋めるようにして、自重により前記爪部を回転中心として前後に動くことを特徴とするグリル。
  2. 前記グリル庫の前記開口の下方には、前記扉の位置決めをする位置決め部材が設けられ、
    前記扉の裏面の下部の前記位置決め部材に対向する位置には、裏面から表面に向けて窪んだ凹部が設けられ、
    前記開口を前記扉で閉塞する際は、前記凹部の奥側の底部に、前記位置決め部材が当接することによって、前記扉の位置が決まることを特徴とする請求項1に記載のグリル。
  3. 前記扉を前記グリル庫の奥側に引き込む引き込み機構を備え、
    当該引き込み機構によって前記扉が前記奥側に引き込まれ、前記扉に前記奥側への応力がかけられた状態で前記開口が前記扉で閉じられることを特徴とする請求項1又は2に記載のグリル。
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