JP2011038172A - 音響異方性に優れた高降伏点490MPa級溶接構造用鋼およびその製造方法 - Google Patents

音響異方性に優れた高降伏点490MPa級溶接構造用鋼およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】490MPa級の溶接構造物用の鋼材であって、高降伏点でありながら、低Pcmのため高溶接性であり、音響異方性や生産性も良好な鋼材を提供する。
【解決手段】鋼の構成を、C:0.05〜0.15%、Si:0.02〜0.50%、Mn:0.3〜2.0%、P:0.010%以下、S:0.007%以下、Nb:0.005〜0.024%、Ti:0.003〜0.030%、Al:0.060%以下、B:0.0003%以下、N:0.0010〜0.0060%を含有し、Pcmが0.27以下で、かつ、旧オーステナイト粒のアスペクト比の平均値が1.6〜4とし、その鋼を、適切な条件の制御圧延・制御冷却により製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築や橋梁をはじめとする各種の溶接構造物に用いられる鋼材であって、引張強度のレベルが490〜640MPaの、一般に50K鋼と呼ばれているクラスの鋼材を得るための鋼とその製造方法に関するものである。
建築分野等では構造物について溶接部の健全性を保証することが必要であり、超音波探傷を用いて溶接部の健全性を確認するのが一般的である。超音波探傷により溶接部の欠陥位置を正確に特定するためは、JIS3060に規定されているように、圧延方向Lと圧延直角方向Cの横波音速比が1.02以下となるような音響異方性のない鋼材が要求される。
また、近年の建築設計の方向として、地震エネルギーをダンバーや梁によって吸収し、柱は弾性範囲内で使用する、いわゆる弾性設計が主流となっており、高層化する建築物の柱部材には降伏点のより高い鋼材が要求される。
高降伏点を達成するためには、炭素当量Ceqや溶接割れ感受性指数Pcmを、高い値にすることで母材の強度を向上させたり、比較的低温での制御圧延を実施したりするといった方法をとるのが一般的である。
しかしながら、高降伏点を達成するために、組成を高Ceqもしくは高Pcmとすると溶接性が悪化する。また、低温での制御圧延は、音響異方性が顕在化することや生産性低下といった問題があり、そのような方法では、高降伏点と低音響異方性の双方を両立させることが困難であった。
そのような問題に対し、特許文献1、2には、Ti、Nbの析出効果を利用して570MPa以上の高強度を確保するとともに、熱延段階でのNb、Tiの析出を抑制し、かつ、強い集合組織を形成しないような条件で熱間圧延し、熱間圧延に引き続く加速冷却−途中停止プロセスにおいてNb、Tiを析出させ、析出強化を生かして570MPa以上の高強度を得る音響異方性に優れた鋼板を製造する技術が開示されている。
しかし、特許文献1、2は570MPa以上の高強度を確保するため、Nbの添加量が多くなり、コスト増加や、入熱量50kJ/mmを超えるような超大入熱溶接の場合、HAZ靱性を低下させるといった問題があった。
このため、高降伏点と低音響異方性の双方を両立させた鋼材において、引張強度の目標を490MPa以上としてコストの上昇を押さえ、かつ超大入熱溶接のHAZ靱性を改善した鋼材の開発が必要である。
特開2005−126819号公報 特開2007−154309号公報
そこで、本発明の課題は、490MPa級の溶接構造物用の鋼材において、高降伏点でありながら、低Ceq、低Pcmのため高溶接性であり、音響異方性や生産性も良好な鋼材を提供することである。
本発明者は、引張強さ490MPa級の溶接構造物用の鋼としての基本性能である優れた強度・靭性と溶接性を維持したまま、生産性を損なわず、また、音響異方性の劣化を抑制するための条件について検討した。
そして、鋼成分ならびに熱間での加熱−圧延−冷却に至る製造条件を限定することにより、上記課題を解決できる本発明に到達した。特に、本発明は、図1に示すように、オーステナイト粒のアスペクト比と音響異方性との関係、及び、図2に示すように、オーステナイト粒のアスペクト比と仕上げ圧延終了温度の関係を見出し、これに基づき、旧オーステナイト粒のアスペクト比や制御圧延条件を規定したものである。
そのような本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.05〜0.15%、Si:0.02〜0.50%、Mn:0.3〜2.0%、P:0.010%以下、S:0.007%以下、Nb:0.005〜0.024%、Ti:0.003〜0.030%、Al:0.060%以下、B:0.0003%以下(0を含む)、N:0.0010〜0.0060%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、次式、Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B、で表されるPcmが0.27以下で、かつ、旧オーステナイト粒のアスペクト比の平均値が1.6以上4以下であることを特徴とする、音響異方性に優れた高降伏点490MPa級溶接構造用鋼。
(2)さらに、質量%で、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜1.0%、Cr0.05〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、V:0.01〜0.20%、Mg:0.0002〜0.0030%、Ca:0.0003〜0.0030%、REM:0.0003〜0.0050%のうち1種または2種以上含有することを特徴とする、(1)に記載の音響異方性に優れた高降伏点490MPa級溶接構造用鋼。
(3)上記(1)または(2)に記載の化学成分を有する鋼からなる鋳片を連続鋳造法により作製し、該鋳片をAc3点以上、1250℃以下に加熱後、900℃以上の再結晶温度域において累積圧下率で30%以上の熱間圧延を行い、続いて30秒以上空冷した後、840℃から870℃までの未再結晶温度域において累積圧下率で20%以上60%以下の熱間圧延を行い、840℃以上で熱間圧延を完了させた後、750℃以上の温度から5℃/s以上の冷却速度で650℃以下まで冷却することを特徴とする音響異方性に優れた高降伏点490MPa級溶接構造用鋼の製造方法。
(4)(3)に記載の製造方法において、前記冷却した鋼を、400〜650℃で焼戻し処理を施すことを特徴とする、音響異方性に優れた高降伏点490MPa級溶接構造用鋼の製造方法。
本発明によれば、旧オーステナイト粒のアスペクト比を1.6以上4.0以下にし、制御圧延と加速冷却を組み合わせた手法(TMCP)を活用することで、低Ceq、低Pcmでかつ音響異方性および生産性が良好な高降伏点鋼材の製造が可能となる。
また、本発明によれば、高降伏点化によって、設計耐力が上昇することで鋼材使用量の削減が可能となり、経済的であるとともに、さらに、本発明では降伏強度は従来の490MPa級鋼より上昇しているが、引張強度は従来鋼と同等であり、高強度側の溶接材料を使用する必要がなく、溶接施工性も従来鋼と同等である。
オーステナイト粒のアスペクト比と音響異方性を示す図である。 オーステナイト粒のアスペクト比と仕上げ圧延終了温度の関係を示す図である。
以上のような本発明について、以下、詳細に説明する。
まず、本発明で、鋼組成を上記のように規定した理由について説明する。なお、含有量の%は質量%を意味する。
Cは母材及び溶接部の強度を確保するため0.05%以上の含有が必要である。但し、Cが多すぎると母材及び溶接熱影響部(HAZ:Heat Affected Zone)の靭性を低下させるとともに溶接性を劣化させるので、その上限を0.15%とした。Cのより好ましい範囲は、0.12〜0.14%である。
Siは脱酸のために鋼に含有される。そのために下限を0.02%以上とした。但し、多すぎると溶接性およびHAZ靭性が劣化するので上限を0.50%とした。Siのより好ましい範囲は、0.10〜0.30%である。
Mnは母材及び溶接部の強度、靭性を確保するために不可欠である。そのために下限を0.3%とした。但し、Mnが多すぎるとHAZ靭性を劣化させ、スラブの中心偏析を助長し、溶接性を劣化させるので上限を2.0%とした。
Pは不純物元素であり、良好な母材とHAZの材質を確保するために0.010%以下に低減する必要がある。
Sは不純物元素であり、Sの低減はMnSの低減を通じて母材及びHAZの板厚方向材質を向上させるため0.007%以下とした。
Nbは、焼き入れ性を向上させることにより母材の強度を向上させるために有効な元素であることから0.005%以上添加する。しかし、Nbを多く添加するとHAZ中に島状マルテンサイトが生成しやすくなり、HAZ靭性を大きく低下させることがあるので、Nbの上限を0.024%とした。
Nbのより好ましい範囲は、0.008〜0.020%である。
TiはHAZ組織の微細化に有効なTi系酸化物およびTiNを形成するために0.003%以上必要である。酸化物に加えてTiNも最大限に活用することにより、1350℃以下のスラブ加熱において、強力なピンニング効果を発現させ、γ粒の粗大化を抑制する。Tiの上限は、過剰のTiCの析出によるHAZ脆化を防止するため0.030%とした。
Tiのより好ましい範囲は、0.008〜0.015%である。
Alは脱酸元素として用いられるが、多量に含有すると母材靭性及び溶接部靭性の低下を招くため上限を0.060%とした。
Bは、焼入性を高め、強度を得るために添加する場合もあるが、490MPa級鋼では必ずしも必要ではなく、含有量が0.0003%以上になると、同じ鋼種の厚鋼板を大量生産した際、母材やHAZで固溶B量の変動が増加して製品ごとの材質ばらつきが大きくなるため、添加する場合でもこれを上限とする。
NはTiNを形成してHAZ靭性を向上させるために必須の元素である。十分な量のTiNを確保するため下限を0.0010%とした。上限は、固溶NによるHAZの脆化を防止するため0.0060%とした。
本発明は、以上の元素を基本成分とするが、必要に応じて、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Ca、REMの1種または2種以上を含有することができる。基本成分に、これらの元素を更に添加する目的は、本発明における鋼の優れた特徴を損なうことなく、強度、靭性などの特性を更に向上させるためであり、その添加量は自ずと制限されるべき性質のものである。以下これらの元素の添加理由について説明する。
Cu、Niは過剰に添加しなければ、溶接性、HAZ靭性に悪影響を及ぼすことなく、母材の強度、靭性を向上させる。これらの効果を発揮させるためには最低0.05%以上必要である。但し過剰な添加は溶接性、HAZ靭性を劣化させるため、上限を1.0%とした。
Cr、Moは母材の強度及び靭性を向上させる。これらの効果を発揮させるためには最低0.05%以上必要である。但し過剰な添加は母材、溶接部の靭性及び溶接性の劣化を招くため、上限を1.0%とした。
VはNbとほぼ同等の効果があるが、Nbに比べてその効果は小さい。Vは焼入れ性にも影響を及ぼし、上記元素と同様、組織制御の観点から添加するものである。Nbと同様の効果は0.01未満では効果が少なく、上限は0.20%まで許容できる。
MgはAlと共に超微細酸化物を構成してTiNと複合し、HAZでピンニング効果を担う。そのために0.0002%のMgが必要である。Mgが0.0002%未満になると超微細Mg酸化物の個数が不足して、TiとMgを含有するピンニング粒子確保することが困難である。Mgが0.0030%を超えても超微細酸化物の個数は飽和するため、これを上限とした。
Ca、REMを添加するのは延伸介在物(MnS)の形態を制御して母材およびHAZの板厚方向特性を向上させる。これらの効果を発揮するためには最低0.0003%以上必要である。しかし、多量の添加は鋼の清浄度を悪化させるため、添加量の上限はCa,REMそれぞれ0.0030%、0.0050%を上限とした。CaとREMはほぼ同等の効果を有するため、いずれか1種を上記範囲で添加すればよい。
本発明では、個々の成分の含有範囲を以上のように限定しても、成分系全体が適切でないと優れた溶接性は得られない。このため、下式で表されるPcmを0.27以下とする。
Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Bは、各元素の質量%で表される含有量である。含有していない元素は、0として計算する。
Pcmは0.27%を超えると従来鋼材の溶接予熱温度より高い温度での予熱が必要となり、溶接施工管理が煩雑となることから0.27%以下とした。
さらに、本発明では、図1に示すように、音響異方性の点から旧オーステナイト粒のアスペクト比の平均値を4以下とする。アスペクト比の平均値の下限は、母材靭性を考慮し1.6とした。
なお、旧オーステナイト粒のアスペクト比の測定は、鋼板表面から板厚/4部位において圧延面に平行に試料を採取し、採取した試料表面にナイタール腐食を施し、光学顕微鏡を用いて100〜500倍で組織を撮影し、旧オーステナイト粒のサイズを測定することにより行った。
次に、旧オーステナイト粒のアスペクト比の平均値を上記の範囲とするとともに、上述したような降伏強度や引張強度などの要求特性を満足するための製造条件について説明する。
本発明では、上記成分よりなる鋳片を連続鋳造によって作製し、それを加熱した後、熱間圧延を施す。
加熱温度は、組織をオーステナイト化させるためAc3点以上の温度とする。しかし、加熱温度が高すぎると、オーステナイト粒径の粗大化を招き、靭性を悪化させるので1250℃以下とした。
熱間圧延に際しては、900℃以上の再結晶温度域において累積圧下率で30%以上の熱間圧延を行い、続いて30秒以上空冷した後、840℃から870℃までの未再結晶温度域において累積圧下率で20%以上60%以下の熱間圧延を行い、840℃以上で熱間圧延を終了する。なお、再結晶温度域における熱間圧延の累積圧下率は、60%以下が望ましい。
900℃以上の再結晶温度域において累積圧下率で30%以上の熱間圧延を行うのは、細粒化を行うためである。また再結晶の回復時間を確保するため空冷時間を30秒以上確保することとした。
840℃から870℃までの未再結晶温度域での累積圧下率は母材靭性及び音響異方性を考慮して20%以上60%以下とした。
熱間圧延の終了温度は、旧オーステナイト粒のアスペクト比にとって重要である。
図2に、後述の実施例のデータを用いて作成した、オーステナイト粒のアスペクト比と仕上げ圧延終了温度の関係を示す。
図2には、オーステナイト粒のアスペクト比は、仕上げ圧延終了温度に依存することが示されており、オーステナイト粒のアスペクト比を1.6以上4以下として音響異方性を確保するためには、仕上げ圧延終了温度を840℃以上930℃以下の範囲とするのがよいことがわかる。
熱間圧延終了後、750℃以上の温度から5℃/s以上の冷却速度で650℃以下まで冷却する。
冷却開始温度は、組織を微細化し強度靭性を確保する加速冷却の効果を得るべく750℃以上とした。750℃を下回るとフェライトが析出し始め、強度低下や靭性を劣化させる。
冷却終了温度は組織を微細化し強度靭性を確保する加速冷却の効果を得るべく650℃以下とした。強度を調整する上では、一般的に薄手では高温側、厚手になるほど、より加速冷却の効果が必要となるため、低温側の停止温度となる。
冷却速度は加速冷却の効果を得るため5℃/s以上とした。
以下、本発明の実施例を説明するが、実施例で採用した条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するための一条件例であり、本発明は、この例に限定されるものではない。
表1に示す種々の鋼成分のスラブを、転炉−連続鋳造の工程により作製し、このスラブを、表2に示す製造条件(加熱温度、オーステナイト(γ)再結晶温度域の累積圧下率、γ再結晶温度域での圧延後の空冷時間、γ未再結晶温度域の累積圧下率、圧延終了温度、冷却速度)にて加工・熱処理して厚さ20〜100mmの鋼板を製造した。得られた鋼板から試験片を採取し、その強度、降伏比(YR)、靭性および溶接性(斜めy形溶接割れ試験)を調査した。
本発明の鋼板(発明例)は、すべて良好な特性を有する。これに対し、鋼成分あるいは製造条件が本発明によらない比較例は、いずれかの特性が劣っている。
比較例9は、鋼のC量が高いためPcmも高く、γ未再結晶温度域における累積圧下量も小さく、靭性及び溶接性が劣る。比較例10は、鋼成分は本発明範囲内にあるものの、圧延終了温度が低く、アスペクト比が満足せず、結果、音響異方性が満足しない。比較例11は、鋼のMn量が高く強度オーバーとなる。比較例12は、鋼のNb量が高く、γ未再結晶温度域における累積圧下量も本発明範囲を超えており、アスペクト比が満足せず、その結果、音響異方性が満足しない。
比較例13〜16は、成分的には本発明範囲内にあるものの製造条件のいずれかが本発明の範囲を満たしていない例である。比較例13はγ未再結晶温度域における累積圧下量大きく、圧延終了温度が低いため、アスペクト比が満足せず、結果、音響異方性が満足しない。比較例14は加熱温度が高く、組織が粗粒となり、靭性が満足しない。比較例15はγ再結晶温度域の累積圧下量が不足し、組織が粗粒となり、靭性が満足しない。比較例16はγ再結晶温度域圧延後の空冷時間が不足し、組織の細粒化が進んだ結果、アスペクト比及び、音響異方性が満足しない。
Figure 2011038172
Figure 2011038172
本発明により、鋼板を安価に製造することができるので、その産業上の利用可能性は大きい。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C:0.05〜0.15%、
    Si:0.02〜0.50%、
    Mn:0.3〜2.0%、
    P :0.010%以下、
    S :0.007%以下、
    Nb:0.005〜0.024%、
    Ti:0.003〜0.030%、
    Al:0.060%以下、
    B :0.0003%以下(0を含む)、
    N :0.0010〜0.0060%
    を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、次式、
    Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
    で表されるPcmが0.27以下で、かつ、旧オーステナイト粒のアスペクト比の平均値が1.6以上4以下であることを特徴とする、音響異方性に優れた高降伏点490MPa級溶接構造用鋼。
  2. さらに、質量%で、
    Cu:0.05〜1.0%、
    Ni:0.05〜1.0%、
    Cr0.05〜1.0%、
    Mo:0.05〜1.0%、
    V :0.01〜0.20%、
    Mg:0.0002〜0.0030%、
    Ca:0.0003〜0.0030%、
    REM:0.0003〜0.0050%
    のうち1種または2種以上含有することを特徴とする、請求項1に記載の音響異方性に優れた高降伏点490MPa級溶接構造用鋼。
  3. 請求項1または2に記載の化学成分を有する鋼からなる鋳片を連続鋳造法により作製し、該鋳片をAc3点以上、1250℃以下に加熱後、900℃以上の再結晶温度域において累積圧下率で30%以上の熱間圧延を行い、続いて30秒以上空冷した後、840℃から870℃までの未再結晶温度域において累積圧下率で20%以上60%以下の熱間圧延を行い、840℃以上で熱間圧延を完了させた後、750℃以上の温度から5℃/s以上の冷却速度で650℃以下まで冷却することを特徴とする音響異方性に優れた高降伏点490MPa級溶接構造用鋼の製造方法。
  4. 請求項3に記載の製造方法において、前記冷却した鋼を、400〜650℃で焼戻し処理を施すことを特徴とする、音響異方性に優れた高降伏点490MPa級溶接構造用鋼の製造方法。
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