JP2011034075A - 電子写真感光体用の円筒状基体のすすぎ洗浄方法および電子写真感光体の製造方法。 - Google Patents

電子写真感光体用の円筒状基体のすすぎ洗浄方法および電子写真感光体の製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来に比べ画像出力時に画像欠陥の少ない電子写真感光体を提供する。
【解決手段】 電子写真感光体用の円筒状基体の外周面および内周面にすすぎ液を噴き当てるすすぎ洗浄において、外周側および内周側からすすぎ液の噴射を開始するタイミングを制御し、外周側からすすぎ液を噴き当てて、円筒状基体の上端面の洗浄剤を、円筒状基体の内周側に洗い流す。これによって、円筒状基体の上端面に残った洗浄剤や異物が円筒状基体の外周面に垂れることを防止することができ、円筒状基体外周面のしみや異物付着の低減が可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真感光体用の円筒状基体のすすぎ洗浄方法に関するものであり、さらには、電子写真感光体用の円筒状基体を洗浄後、その上に少なくとも感光層を形成する電子写真感光体の製造方法に関するものである。
一般に、電子写真感光体は、アルミニウムまたはその合金からなる導電性の円筒状基体の上に、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコン、有機物系材料等からなる感光層が塗布や蒸着されて形成される。
このような電子写真感光体用の円筒状基体は、感光層形成前に、円筒状基体の材料となる管材に、旋盤等を用いて所望の寸法、形状、表面状態等にする切削加工を施こす場合がある。そのため、切削加工された円筒状基体の表面には、切削油、切り粉、ダスト等の異物が付着しており、そのままの状態では円筒状基体の上に良好な感光層の形成ができない。したがって、洗浄によりそれら切削油や異物を除去し、その後、感光層を形成して電子写真感光体の作製が行われる。
電子写真感光体用の円筒状基体の洗浄方法としては、円筒状基体を洗浄剤に浸漬させ超音波振動させる方法(特許文献1参照)や、円筒状基体にシャワーノズルから高圧の洗浄剤を吐出して洗浄する方法(特許文献2参照)等が開示されている。
また、洗浄後の円筒状基体のすすぎ方法としては、円筒状基体を二酸化炭素が溶解した水に浸漬または吹き付ける方法(特許文献3参照)や、円筒状基体の内外周面にスリットノズルから純水を噴射して洗い流す方法(特許文献4参照)等が開示されている。
特開昭58−108568号公報 特開平3−154679号公報 特開平6−273955号公報 特開平7−20643号公報
背景技術に示したように、電子写真感光体用の円筒状基体の洗浄に関する技術の開示により、切削加工時に円筒状基体の外周面に付着する切削油、切り粉、ダスト等の異物の低減や洗浄しみの低減が可能となった。そして、このような洗浄方法により洗浄された円筒状基体を用いることにより、画像欠陥の少ない良好な画像が出力可能な電子写真装置が市場に提供されるようになった。
しかしながら、近年、電子写真装置のカラー化が進展し、画質に対する市場要求が従来以上の高画質、更には印刷画質へと変化してきている。このため、従来、実用上問題のなかった部分的な欠陥でも、形成画像に視覚可能なむらや画像欠陥を生じさせる可能性がある。したがって、電子写真感光体用の円筒状基体の外周面の清浄化が従来以上に求められている。
そこで、本発明の目的は、電子写真感光体用の円筒状基体の外周面および内周面を、洗浄剤による洗浄後に、すすぎ液を噴き当てるすすぎ洗浄において、円筒状基体外周面に付着する異物や洗浄剤の残渣によるしみを従来以上に低減させることが可能なすすぎ洗浄方法を提供することにある。さらに、それらを用いた電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
上述した目的を達成するため、本発明に係るすすぎ洗浄方法は、電子写真感光体用の円筒状基体を洗浄剤による洗浄後に、前記円筒状基体の外周面にすすぎ液を噴き当てるための第一のノズルおよび内周面にすすぎ液を噴き当てるための第二のノズルに対して前記円筒状基体を相対的に上昇させ、前記円筒状基体の外周面にすすぎ液を噴き当て、内周面にすすぎ液を噴き当てることで前記洗浄剤を洗い流す、すすぎ洗浄方法において、前記第一のノズルからすすぎ液を噴き当てて、前記円筒状基体の上端面の洗浄剤を、前記円筒状基体の内周側に洗い流すことを特徴とする。
さらに、本発明の電子写真感光体の製造方法は、上述の洗浄方法により洗浄された前記円筒状基体を用い、該円筒状基体の上に少なくとも感光層を形成することを特徴とする。
本発明によれば、外周側からすすぎ液を噴き当てて、電子写真感光体用の円筒状基体の上端面の洗浄剤を、円筒状基体の内周側に洗い流す。これによって、円筒状基体の上端面に残った洗浄剤や異物が外周面に垂れることを防止することができ、円筒状基体の外周面のしみ、異物付着の低減が可能となる。その結果、従来に比べ画像出力時に画像欠陥の少ない電子写真感光体を提供することが可能となる。
本発明のすすぎ洗浄に用いる洗浄装置を模式的に示した概略図(斜視図)である。 本発明に係るすすぎ洗浄開始から終了までの、円筒状基体の位置と円筒状基体の外周面に噴き当てられるすすぎ液および内周面に噴き当てられるすすぎ液の噴射タイミングを示す模式的な断面図である。 基体洗浄装置の一例を模式的に示した断面図である。 アモルファスシリコン感光体の層構成の一例を示す模式図である。 アモルファスシリコン感光体を作製する堆積装置の一例を模式的に示す断面図である。 本発明に係るすすぎ洗浄開始から終了までの、円筒状基体の位置と円筒状基体の外周面に噴き当てられるすすぎ液および内周面に噴き当てられるすすぎ液の噴射タイミングを示す模式的な断面図である。 比較例の、円筒状基体の位置と円筒状基体の外周面に噴き当てられるすすぎ液および内周面に噴き当てられるすすぎ液の状態を示す模式的な断面図である。 比較例の、円筒状基体の位置と円筒状基体の外周面に噴き当てられるすすぎ液および内周面に噴き当てられるすすぎ液の状態を示す模式的な断面図である。 本発明に係る、円筒状基体の位置と円筒状基体の外周面に噴き当てられるすすぎ液および内周面に噴き当てられるすすぎ液の状態を示す模式的な断面図である。 比較例の、円筒状基体の位置と円筒状基体の外周面に噴き当てられるすすぎ液および内周面に噴き当てられるすすぎ液の状態を示す模式的な断面図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
また、以下、円筒状基体の外周面に噴き当てられるすすぎ液のことを外周面すすぎ液ともいい、内周面に噴き当てられるすすぎ液のことを内周面すすぎ液ともいう。
図1は、本発明の実施形態を示す、すすぎ洗浄装置の模式的な概略図(斜視図)である。
すすぎ洗浄装置100は、円筒状基体101を載置する受台109と内周側ノズル(第二のノズル)102、外周側ノズル(第一のノズル)104、受台109の昇降機構であるモーター110およびボールネジ111により構成されている。また、内周面すすぎ液および外周面すすぎ液の噴き出しを制御するためのバルブ107および108が、すすぎ液供給配管105および106に設置されている。内周面すすぎ液および外周面すすぎ液の噴き出しタイミングは、円筒状基体101の長さおよび受台109の上昇速度から、すすぎ工程開始からの時間で制御することが好ましい。これは、内周側ノズル102、外周側ノズル104付近に円筒状基体101の上端位置を検知するセンサー等の検知手段を設置して、噴き出しタイミングを制御することも可能だが、すすぎ液の飛び散りによって誤動作する可能性があるためである。なお、円筒状基体101の長さが複数あって、円筒状基体101の上端位置が変わる場合は、それに合わせて噴き出し時間を変更すれば良い。また、円筒状基体101の長さまたは上端位置の検知手段を、すすぎ液が飛び散らない位置に設置して自動的に噴き出し時間を変更しても良い。
外周側ノズル104は、外周側すすぎ液供給配管106に設置された先端が環状となった取り付け管103に周方向にほぼ均等配置で本実施形態では6個取り付けられている。外周側ノズル104はすすぎ液が扇型に噴き出すタイプで、円筒状基体101の外周面の周方向全体にすすぎ液を噴き当てることができる。なお、外周側ノズル104は円筒状基体101の外周面の周方向全体にすすぎ液を噴き当てることができれば、ノズル形状や個数に制限は無い。例えば外周側すすぎ液供給配管106の先端に、環状の管材を設置し、その内周側にスリットを設け、管材の内周側全体からすすぎ液が噴き出すようなものでも良い。
内周側ノズル102は、内周面すすぎ液が円筒状基体101の内周面の周方向全体に噴き出すタイプのノズルが、受台109の下部から延びる内周側すすぎ液供給配管105の上端に設置されている。なお、本実施形態では、外周面すすぎ液が円筒状基体101の外周面に噴き当たるべき位置と、内周面すすぎ液が円筒状基体101の内周面に噴き当たるべき位置は同一平面に配置されている。
受台109に載置された円筒状基体101は、すすぎ洗浄が開始されると、モーター110およびボールネジ111で構成される昇降機構により上昇して、外周面すすぎ液および内周面すすぎ液の噴き当たるべき位置を通過し、すすぎ洗浄が行われる。
本実施形態では、昇降機構により円筒状基体101が上昇するが、円筒状基体101は第一のノズル(外周側ノズル104)および第二のノズル(内周側ノズル102)に対して相対的に上昇すればよい。例えば、円筒状基体101を上昇させる代わりに、あるいは上昇させるとともに、第一のノズル(外周側ノズル104)および/または第二のノズル(内周側ノズル102)を下降させてもよい。
次に、図1および図2を用いて、本発明のすすぎ洗浄方法について説明する。図2は、すすぎ洗浄開始から終了までの、円筒状基体101の位置と外周面すすぎ液201および内周面すすぎ液202の噴射タイミングを示す模式的な断面図である。
円筒状基体101が受台109にセットされ、すすぎ洗浄が開始されると、受台109が上昇を開始する。そして、バルブ108を開けて、外周側ノズル104から外周面すすぎ液201を噴射する(図2(a))。そして、さらに円筒状基体101が上昇し、円筒状基体101の上端が外周面すすぎ液201の噴き当たるべき位置に達し、外周面すすぎ液201により、円筒状基体101の上端面および外周面のすすぎが開始される。この時、内周面すすぎ液202はまだ噴き出していない(図2(b))。さらに円筒状基体101が上昇し、円筒状基体101の上端面が内周面すすぎ液202の噴き当たるべき位置を通り過ぎた後に、内周面すすぎ液202が噴き出すようにバルブ107を開ける。すると、内周側ノズル102から内周面すすぎ液202が噴射を開始し、円筒状基体101の内周面に内周面すすぎ液が噴き当たって、円筒状基体101の内周面のすすぎが開始される(図2(c))。この状態で、さらに円筒状基体101が上昇し、円筒状基体101の下端が外周面すすぎ液201および内周面すすぎ液202の噴き当たるべき位置を通過する(図2(d))。そして、予め設定された上昇端に達すると、受台109の上昇は停止し、バルブ107およびバルブ108を閉めることで、外周面すすぎ液201および内周面すすぎ液202の噴き出しが止まって、すすぎ洗浄が終了する。
円筒状基体101の上端面に残った洗浄剤や異物が内周面すすぎ液202によって外周面に垂れて残った場合、その残渣は、洗浄後の円筒状基体101の外観では、外周面の上端から、場合によっては中央付近までしみとして見える。本発明では、外周側ノズル104から外周面すすぎ液201を噴き当てて、円筒状基体101の上端面の洗浄剤を、円筒状基体101の内周側に洗い流す。更に、外周側ノズル104から外周面すすぎ液201を噴射し、外周面すすぎ液201を円筒状基体101に噴き当てた後に、内周側ノズル102から内周面すすぎ液202の噴射を開始する。上述のタイミングに外周面すすぎ液201と内周面すすぎ液202の噴射を制御することで、円筒状基体101の上端面に残った洗浄剤や異物が、外周面すすぎ液201によって円筒状基体101の内周側にのみ洗い流され、外周面に垂れることを防止する。そして、その後、円筒状基体101の外周面および内周面に対してすすぎ液によるすすぎを行うことが実用的に最適である。
内周側ノズル102からの内周面すすぎ液202の噴射開始は、円筒状基体101の上端が内周面すすぎ液202の噴き当たるべき位置を通り過ぎた後とする。内周面すすぎ液202が円筒状基体101に噴き当たり始める位置は、円筒状基体101の上端から10mm以内で、できるだけ上端に近いことが好ましい。それ以上上端から離れると、円筒状基体101の内周面に内周面すすぎ液202が当たらない部分が多くなって、すすぎ洗浄後の後工程を汚染し、結果的に円筒状基体101の外周面を汚染してしまうことがある。また、円筒状基体101の端部内周面に段差や凹凸がある場合にも、同様に後工程の汚染による円筒状基体101の外周面の汚染を防ぐため、その部分に内周面すすぎ液202が当たるようにすることが好ましい。
上述の外周面すすぎ液201および内周面すすぎ液202の噴射タイミングとは逆に、円筒状基体101の上端に内周面すすぎ液202を噴き当て、上端面の汚れを外周面に垂れさせてから外周面全面を外周面すすぎ液201で洗い流すことも考えられる。しかし、円筒状基体101の上端が外周面すすぎ液201の噴き当たるべき位置を通り過ぎた後に外周面すすぎ液201を噴き出すと、円筒状基体101の外周面の上端付近に外周面すすぎ液201が噴き当たらず、しみが発生する。
また、外周面すすぎ液201が円筒状基体101の外周面に噴き当たるべき位置を、内周面すすぎ液202が円筒状基体101の内周面に噴き当たるべき位置に対し、円筒状基体101の長手方向で上方になるよう配置することも考えられる。このようにすると、円筒状基体101の外周面の全面を外周面すすぎ液201で洗い流すことが可能になる。しかし、この場合、外周面すすぎ液201と内周面すすぎ液202の干渉により、円筒状基体101の内周面で内周面すすぎ液202の噴き当たらない部分が大きくなり、適さない。
以上のように、外周面すすぎ液201と内周面すすぎ液202の噴射タイミングを制御することで、円筒状基体101の外周面のしみ、異物付着の低減が可能となる。
なお、外周面すすぎ液201および内周面すすぎ液202は、円筒状基体101に付着した洗浄剤や異物を十分に均等に洗い流すためには、比較的大流量・低圧であることが好ましい。
すすぎ液の流量は、円筒状基体101の内周面よりも外周面をより清浄化する必要がある等の理由から、外周面すすぎ液201を内周面すすぎ液202より多くすることが好ましい。但し、外周面すすぎ液201および内周面すすぎ液202の合計流量が50リットル/分以上の大流量になると、ノズルや配管の大型化、純水製造コスト/排水処理費用の増大が発生する。そのため、外周面すすぎ液201は30リットル/分以下、内周面すすぎ液202は15リットル/分以下が好ましい。逆に、小流量になると十分にすすぎができないため、外周面すすぎ液201は6リットル/分以上、内周面すすぎ液202は1.5リットル/分以上が好ましい。
すすぎ液の圧力は、低圧すぎるとすすぎ液が円筒状基体101に届かないため15kPa以上が必要である。逆に、高圧になるにしたがって、ノズル間でのすすぎ液の干渉、すすぎ液の飛び散りですすぎむらが発生する。円筒状基体101の内周面よりも外周面をより清浄化する必要があるため、外周面すすぎ液201は300kPa以下、内周面すすぎ液202は700kPa以下が好ましい。
また、外周面すすぎ液201および内周面すすぎ液202が円筒状基体101に噴き当たる角度は水平から下向き、具体的には0〜70度が好ましく、20〜50度が最適である。上向きになるとすすぎ液が噴き当たった後の円筒状基体101に汚れやすすぎ液が飛び散ってしみ、異物付着が発生する。逆に70度以上になるとすすぎ液が円筒状基体101に十分に当たらず、十分にすすぎができない。
次に、本発明の電子写真感光体製造方法により、電子写真感光体を作製する手順の一例を、図面を用いて説明する。
アルミニウム合金製の円筒状の管材に、不図示の両端・外径加工用旋盤で切削加工を施し、円筒状基体101を作製する。両端加工は、円筒状の管材の両端を切削加工し、円筒状基体101の長さ合わせ、面取り、さらには必要に応じてインロー加工を行う。外径加工は、両端加工後の円筒状の管材の外周面を切削加工し、外周面を所望の状態にしながら、外径を円筒状基体101の寸法に加工する。これらの加工時には切削油を用いるため、切削加工後の円筒状基体101の表面には、切削油、切り粉、ダスト等の異物が付着した状態である。
次に、円筒状基体101を本発明のすすぎ洗浄方法、すすぎ洗浄装置が組み込まれた基体洗浄装置で洗浄を行う。図3は基体洗浄装置300を模式的に示した断面図である。
基体洗浄装置300は、切削加工後の円筒状基体101を置くための投入ストッカー304と、3つの洗浄槽と、洗浄後の円筒状基体101を置くための排出ストッカー305と、円筒状基体101を搬送する搬送機306より構成されている。上記3つの洗浄槽は、円筒状基体101の表面に付着する切削油、切り粉、ダスト等の異物を除去する洗浄槽301と、すすぎ洗浄を行うすすぎ槽302と、乾燥を行う乾燥槽303とから構成されている。そして、各槽にはそれぞれ受台309、109、310があって、それぞれ不図示の昇降機構を備えている。また、搬送機306は、円筒状基体101の内周面の上部を保持して搬送する。さらに、搬送機306は、円筒状基体101の長さを検知する不図示のセンサーを備えている。
洗浄槽301には、洗浄槽に貯留される洗浄剤に超音波を印加するための超音波振動子308が洗浄槽301の下面に取り付けられており、超音波振動子308には超音波発振器307が接続されている。本実施形態では、洗浄槽301の洗浄剤として、純水に界面活性剤を含んだ脱脂剤を入れたものを用いている。また、洗浄槽301には、不図示の循環用のポンプ、配管、フィルター、油分離装置等が設置され、洗浄剤の清浄化が行われている。さらに、配管中には不図示の洗浄剤加熱用ヒーターが設置され、洗浄剤を適温に保って洗浄効果を高めている。
すすぎ槽302は、洗浄後の円筒状基体101をすすぎ液に一定時間浸漬させることで粗すすぎ洗浄を行う。本実施形態では、すすぎ液に純水を用いている。また、すすぎ槽302には、不図示の循環用のポンプ、配管、フィルター等が設置され、すすぎ液の清浄化が行われている。さらに、すすぎ槽302には、新液が常時供給され、供給された新液と同量のすすぎ液が槽外へ排出されている。浸漬後、すすぎ洗浄槽302の上部に設置された内周側ノズル102および外周側ノズル104から噴射するすすぎ液によりすすぎ洗浄を行う。
乾燥槽303は、すすぎ洗浄後の円筒状基体101の乾燥を行う。乾燥工程は、温風乾燥、真空乾燥、温水乾燥等いずれの乾燥方法も有効であるが、円筒状基体101の外周面のダスト低減のためには、温水による引き上げ乾燥が好ましく、本実施形態では、温水による引き上げ乾燥を行っている。また、乾燥槽303には、不図示の循環用のポンプ、配管、フィルター等が設置され、温水の清浄化が行われている。さらに、乾燥槽303には、新液が常時供給され、供給された新液と同量の温水が槽外へ排出されている。
上記の基体洗浄装置300を用いて、円筒状基体101の洗浄を以下の手順で行う。
まず、切削加工後の円筒状基体101を投入ストッカー304に載置する。次に、搬送機306で円筒状基体101を保持、搬送し、洗浄槽301の受台309に載置する。そして、洗浄槽301の洗浄剤の中に円筒状基体101を浸漬し、超音波を印加して、一定時間洗浄を行う。洗浄槽301での洗浄終了後、受台309が上昇し、搬送機306で円筒状基体101を保持、搬送し、すすぎ洗浄槽の受台109に載置する。そして、すすぎ洗浄槽302のすすぎ液の中に円筒状基体101を一定時間浸漬する。その後、受台109が上昇し、外周側ノズル104および内周側ノズル102から噴射するすすぎ液によるすすぎ洗浄が行われる。すすぎ洗浄終了後、搬送機306で円筒状基体101を保持、搬送し、乾燥槽303の受台310に載置する。そして、乾燥槽303の温水中に円筒状基体101を一定時間浸漬後、受台310が上昇し、乾燥が行われる。乾燥槽303での乾燥終了後、搬送機306で円筒状基体101を保持、搬送し、排出ストッカー305に載置し、円筒状基体101の洗浄が完了する。
次に、切削、洗浄が施された円筒状基体101を用いて、電子写真感光体を作製する。一例として、アモルファスシリコン感光体の作製について、図面を用いて説明する。
図4は、アモルファスシリコン感光体の好適な層構成の一例を示した模式的構成図である。アモルファスシリコン感光体は、円筒状基体101の外周面の上に堆積層401が設けられており、堆積層401は、基体側から順に、下部阻止層402、感光層403、表面層404から構成されている。
次に、上記の層構成のアモルファスシリコン感光体を作製する装置について説明する。
図5は、本発明の電子写真感光体を作製するために供される、13.56MHzの高周波電源を用いたRFプラズマCVD法による堆積装置500を模式的に示した断面図である。この装置は大別すると、反応容器501、反応容器の内部を減圧する為の排気装置502から構成されている。反応容器501の内部にはアースに接続された導電性の受台506の上に円筒状基体101が載置され、その上にダミー基体507が載置される。さらに、反応容器501の内部には、円筒状基体101を内部から加熱するヒーター503、原料ガス導入管505が設置されている。また、カソード電極504は導電性材料からなり、絶縁碍子508によって絶縁されている。カソード電極504はマッチングボックス511を介して高周波電源512に接続されている。また、不図示の原料ガス供給装置は原料ガス導入バルブ509を介して反応容器501の内部のガス導入管505に接続されている。
上記の堆積装置500を用いて、アモルファスシリコン感光体作製の一例を以下に示す。
まず、円筒状基体101を導電性の受台506に載置する。
次に、排気バルブ513を開いて反応容器501の内部を排気する。真空計510の読みが0.67Pa以下になった時点で原料ガス導入バルブ509を開け、加熱用の不活性ガス、一例としてアルゴンガスを原料ガス導入管505より反応容器501の内部に導入する。反応容器501の内部が所望の圧力になるように加熱用の不活性ガスのガス流量および排気装置502の排気速度を調整する。その後、不図示の温度コントローラーを作動させて円筒状基体101をヒーター503により加熱し、円筒状基体101の温度を20℃〜500℃の所定の温度に制御する。所望の温度に加熱されたところで、不活性ガスを徐々に止めると同時に、成膜用の所定の原料ガスを原料ガス供給装置から不図示のミキシングパネルにより混合した後に反応容器501の内部に徐々に導入する。原料ガスとしては、例えばSiH、Si、CH、C、NOなどの材料ガスと、またB、PHなどのドーピングガス、H、He、Arなどの希釈ガスを用いる。次に、不図示のマスフローコントローラーによって、原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、反応容器501の内部が0.1Paから数100Paの圧力を維持するよう真空計510を見ながら排気装置502の排気速度を調整する。
以上の手順によって成膜準備を完了した後、円筒状基体101に堆積層の形成を行う。内圧が安定したのを確認した後、高周波電源512を所望の電力に設定して高周波電力をカソード電極504に供給し高周波グロー放電を生起させる。このときマッチングボックス511を調整し、反射波が最小となるように調整し、高周波の入射電力から反射電力を差し引いた値を所望の値に調整する。この放電エネルギーによって反応容器501の内部に導入された各原料ガスが分解され、円筒状基体101の上に所定の堆積層が形成される。なお、堆積層の形成を行っている間は、円筒状基体101を駆動装置(不図示)によって所定の速度で回転させても良い。
所望の膜厚の堆積層が形成された後、高周波電力の供給を止め、原料ガス導入バルブ509を閉じて、反応容器501への原料ガスの流入を止め、反応容器の内部を一旦高真空に排気して堆積層の形成を終える。上記のような操作を繰り返し行うことによって、堆積層を形成し、アモルファスシリコン感光体が完成する。
しみがある円筒状基体101を用いて電子写真感光体を作製し、その電子写真感光体を使って画像出力を行うと、画像むらが発生する場合がある。特に、CVD法によって作製されるアモルファスシリコンで形成された感光体は、他の電子写真感光体に比べ、円筒状基体101のしみが堆積層の欠陥の原因になりやすいため、画像むらが起きやすい。したがって、本発明はアモルファスシリコンで形成された電子写真感光体用の円筒状基体の洗浄に特に有効である。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。なお、以下の説明では上述した実施形態において示したのと同じ部分に対しては、同じ符号を用いて説明する。
また、以下の実施例および比較例では、感光体の円筒状基体101の材料となる管材には、外径寸法80.5mm、内径寸法74mm、長さ360mmのアルミニウム合金製を使用した。上記管材を旋盤(エグロ社製SD550)にて、外径粗加工、端面、インロー加工を施し、外径寸法80.2mm、長さ358mmとし、両端に深さ13mm、内径寸法75.7mmのインロー部を形成した。さらに、インロー部を基準として、旋盤(エグロ社製RL500)にて外周面に鏡面加工を施し、外径寸法を79.95mmとした円筒状基体101を作製した。旋盤での加工には、切削油として炭化水素系合成油ポリブデン(商品名;日石ポリブデンLV−7)を用いた。
また、円筒状基体101の洗浄では、洗浄槽301は、アルミ用低侵食低起泡性液状脱脂剤(ヘンケルジャパン(株)社、商品名;almeco CT−29)を純水で30倍に希釈した洗浄剤を用い、40℃に加熱した。そして、円筒状基体101を浸漬させ、周波数26kHz、出力480Wの超音波を印加して120秒間洗浄した。すすぎ槽302では、すすぎ液に常温の純水を用い、円筒状基体101を100秒間浸漬させた。また、外周面すすぎ液201および内周面すすぎ液202にも、常温の純水を用いた。乾燥槽303では、純水を50℃に加熱した温水を用いた。そして、円筒状基体101を20秒間浸漬させた後、600mm/分の速度で温水から引き上げ乾燥させた。
(実施例1)
外周面すすぎ液201と内周面すすぎ液202が円筒状基体101に噴き当たるべき位置を円筒状基体101の長手方向で同位置に配置し、円筒状基体101をすすぎ槽302ですすぎ液に浸漬後、受台109を1800mm/分の速度で上昇させた。そして、図2に示すように、受台109の上昇開始と同時に外周側ノズル104から外周面すすぎ液201を噴き出し始めた。その後、円筒状基体101の上端が内周面すすぎ液202の噴き当たるべき位置を通り過ぎた後に、内周側ノズル102から内周面すすぎ液202の噴射を開始した。そして、外周面すすぎ液201および内周面すすぎ液202を噴き出しながら円筒状基体101を通過(上昇)させ、すすぎ洗浄を行った。内周面すすぎ液202が円筒状基体101に噴き当たり始める位置は、円筒状基体101の上端から10mm下方とした。
なお、外周側ノズル104には、スプレーイングシステムス社製フラッドジェットスプレーノズル・K型・流量サイズ10を用い、ノズル1個あたりの流量を2リットル/分(圧力は20kPa)とした。このノズルを6個、取り付け管103に取り付け、外周面すすぎ液201の総流量は12リットル/分とした。内周側ノズル102には、スプレーイングシステムス社製デフレクトジェット・スプレーノズル・偏向スプレー型・流量サイズ0.75を用い、流量を3リットル/分(圧力は80kPa)とした。
その後、図5に示す堆積装置501を用いて、円筒状基体101の上に、表1に示す条件で、図4に示す層構成のアモルファスシリコン感光体を作製した。
Figure 2011034075
作製したアモルファスシリコン感光体に関して、「外観」「白ポチ」の評価を以下のように実施した。
「外観」の評価
目視にてアモルファスシリコン感光体の外観を観察し、基体起因のしみの有無で評価した。評価結果は以下のようにランク付けした。
A・・・しみ無し。
B・・・上端のみしみが有る。
C・・・上端から中央にしみが有る。
「白ポチ」の評価
アモルファスシリコン感光体をキヤノン社製複写機iR5000に設置し、A3サイズの全面を黒く塗りつぶした原稿を複写して得られた画像を観察し、感光体1周分当たりの、直径0.10mm以上の白ポチ(画像欠陥の部分)の個数を数えた。評価は比較例1で得られた結果を100とした時の、相対評価で実施した。つまり、評価結果は数字が小さいほど良い。評価結果は以下のようにランク付けした。
A・・・70未満
B・・・70以上90未満
C・・・90以上110未満(変化なし)
D・・・110以上(悪化)
結果を表2に示す。
(実施例2)
図6に示すように、外周面すすぎ液201が円筒状基体101の外周面に噴き当たるべき位置を、内周面すすぎ液202が円筒状基体101の内周面に噴き当たるべき位置より、円筒状基体101の長手方向で下方に配置した。
そして、受台109の上昇開始と同時に外周側ノズル104から外周面すすぎ液201の噴射を開始し(図6(a))、円筒状基体101の上端が外周面すすぎ液201の噴き当たるべき位置を通り過ぎる(図6(b))。そして、円筒状基体101の上端が内周面すすぎ液202の噴き当たるべき位置を通り過ぎた後、内周側ノズル102から内周面すすぎ液202の噴射を開始した(図6(c))。そして、外周面すすぎ液201および内周面すすぎ液202を噴き出しながら円筒状基体101を通過させ(図6(d))、円筒状基体101のすすぎ洗浄を行った。
得られた円筒状基体101を用いて、実施例1と同様にアモルファスシリコン感光体を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1に対して、内周面すすぎ液202の噴射開始タイミングを遅らせた。具体的には、内周面すすぎ液202が円筒状基体101に噴き当たり始める位置を、円筒状基体101の上端から30mm下方とした。
得られた円筒状基体101を用いて、実施例1と同様にアモルファスシリコン感光体を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例1に対して、外周側ノズル104を変更し(同型の流量サイズ5)、外周面すすぎ液201の総流量を6リットル/分、圧力を20kPaとした。そして、実施例1と同様に円筒状基体101のすすぎ洗浄を行った。
得られた円筒状基体101を用いて、実施例1と同様にアモルファスシリコン感光体を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例1に対して、外周側ノズル104を変更し(同型の流量サイズ2.5)、外周面すすぎ液201の総流量を12リットル/分、圧力を300kPaとした。そして、実施例1と同様に円筒状基体101のすすぎ洗浄を行った。
得られた円筒状基体101を用いて、実施例1と同様にアモルファスシリコン感光体を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例6)
実施例1に対して、内周側ノズル102を変更し(同型の流量サイズ0.37)、内周面すすぎ液202の流量を1.5リットル/分、圧力を80kPaとした。そして、実施例1と同様に円筒状基体101のすすぎ洗浄を行った。
得られた円筒状基体101を用いて、実施例1と同様にアモルファスシリコン感光体を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例1に対して、内周側ノズル102を変更し(同型の流量サイズ0.37)、内周面すすぎ液202の流量を4.5リットル/分、圧力を700kPaとした。そして、実施例1と同様に円筒状基体101のすすぎ洗浄を行った。
得られた円筒状基体101を用いて、実施例1と同様にアモルファスシリコン感光体を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例8)
図9に示すように、外周面すすぎ液201が円筒状基体101の外周面に噴き当たるべき位置を、内周面すすぎ液202が円筒状基体101の内周面に噴き当たるべき位置より円筒状基体101の長手方向で上方に配置したすすぎ洗浄装置を用いて、すすぎ洗浄を行った。
そして、受台109の上昇開始と同時に外周側ノズル104から外周面すすぎ液201を噴き出し始めた(図9(a))。円筒状基体101の上端が内周面すすぎ液202の噴き当たるべき位置を通り過ぎた後、内周側ノズル102から内周面すすぎ液202の噴射を開始した(図9(b))。その後、円筒状基体101に外周面すすぎ液201が噴き当たり(図9(c))、外周面すすぎ液201および内周面すすぎ液202を噴き出しながら円筒状基体101を通過させ、すすぎ洗浄を行った。
得られた円筒状基体101を用いて、実施例1と同様にアモルファスシリコン感光体を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1に対して、内周面すすぎ液202の噴射開始タイミングを、外周面すすぎ液201の噴射開始タイミングと同じにした。つまり、円筒状基体101の上昇開始と同時に外周面すすぎ液201および内周面すすぎ液202を噴き出し始め(図7(a))、円筒状基体101の上端が内周面すすぎ液202の噴き当たるべき位置を通り過ぎる前に、内周面すすぎ液202を噴き出してすすぎ洗浄を行った。
得られた円筒状基体101を用いて、実施例1と同様にアモルファスシリコン感光体を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例2と同様に、図8に示すように外周面すすぎ液201が円筒状基体101の外周面に噴き当たるべき位置を、内周面すすぎ液202が円筒状基体101の内周面に噴き当たるべき位置より、円筒状基体101の長手方向で下方に配置した。そして、内周面すすぎ液202の噴射開始タイミングを、外周面すすぎ液201の噴射開始と同じにした。したがって、円筒状基体101の上端が内周面すすぎ液202の噴き当たるべき位置を通り過ぎる前に、内周面すすぎ液202の噴き出しを始めた(図8(a)、(b))。
得られた円筒状基体101を用いて、実施例1と同様にアモルファスシリコン感光体を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例8に対して、内周面すすぎ液202の噴射開始タイミングを早め、外周面すすぎ液201の噴射開始タイミングと同じにした(図10(a))。つまり、円筒状基体101の上昇開始と同時に外周面すすぎ液201および内周面すすぎ液202を噴き出し始め、円筒状基体101の上端が内周面すすぎ液202の噴き当たるべき位置を通り過ぎる前に、内周面すすぎ液202を噴き出し始めた。そして、外周面すすぎ液201および内周面すすぎ液202を噴き出しながら円筒状基体101を通過させてすすぎ洗浄を行った(図10(b)、(c))。
得られた円筒状基体101を用いて、実施例1と同様にアモルファスシリコン感光体を作製し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2011034075
表2から、外観では、各実施例は、比較例1のアモルファスシリコン感光体の上端付近にあったしみが無くなっている。これは、各実施例は、円筒状基体101の上端に外周面すすぎ液201のみが当たり、内周面すすぎ液202は当たらない構成であるからである。
一方、比較例1および比較例3のアモルファスシリコン感光体の上端付近にあったしみは、内周面すすぎ液202によって、円筒状基体101の上端の汚れが外周面に垂れることによって発生しているものである。比較例2では、内周面すすぎ液202が円筒状基体101に噴き当たるまで、内周面すすぎ液202が外周面すすぎ液201と干渉するため(図8(b))、その間は外周面のすすぎが十分でなく、比較例1よりもさらにしみの程度は悪くなっていた。
白ポチに関しては、各実施例は、比較例1に対して同等以上に改善している。特に実施例1、2は良好であり、外周面すすぎ液および内周面すすぎ液は大流量・低圧が望ましいと言える。実施例3は、内周面すすぎ液202の噴射開始タイミングが遅く、円筒状基体101の内周面に内周面すすぎ液202が噴き当たっていない部分が多い。実施例8は、円筒状基体101の上端が外周面すすぎ液201に噴き当たるべき位置に達するまで(図9(c))、外周面すすぎ液201と内周面すすぎ液202とが干渉し(図9(b))、円筒状基体101内周面のすすぎが十分でない。これらのために、汚れが乾燥槽に持ち込まれ、円筒状基体101の外周面に異物が付着したものと思われる。
100 すすぎ洗浄装置
101 円筒状基体
102 内周側ノズル(第二のノズル)
104 外周側ノズル(第一のノズル)
105 内周側すすぎ液供給配管
109 受台
201 外周面すすぎ液
202 内周面すすぎ液

Claims (5)

  1. 電子写真感光体用の円筒状基体を洗浄剤による洗浄後に、前記円筒状基体の外周面にすすぎ液を噴き当てるための第一のノズルおよび内周面にすすぎ液を噴き当てるための第二のノズルに対して前記円筒状基体を相対的に上昇させ、前記円筒状基体の外周面にすすぎ液を噴き当て、内周面にすすぎ液を噴き当てることで前記洗浄剤を洗い流す、すすぎ洗浄方法において、
    前記第一のノズルからすすぎ液を噴き当てて、前記円筒状基体の上端面の洗浄剤を、前記円筒状基体の内周側に洗い流すことを特徴とする電子写真感光体用の円筒状基体のすすぎ洗浄方法。
  2. 前記第一のノズルからすすぎ液を噴射し、前記第一のノズルから噴射されたすすぎ液を前記円筒状基体の外周面に噴き当てた後に、前記第二のノズルからすすぎ液の噴射を開始することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体用の円筒状基体のすすぎ洗浄方法。
  3. 前記第二のノズルから噴射したすすぎ液が前記円筒状基体に噴き当たるべき位置は、前記円筒状基体の上端から10mm以内であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体用の円筒状基体のすすぎ洗浄方法。
  4. 前記電子写真感光体は、アモルファスシリコンで形成された感光体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体用の円筒状基体のすすぎ洗浄方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のすすぎ洗浄方法により洗浄された前記円筒状基体を用い、該円筒状基体の上に少なくとも感光層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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