JP5627387B2 - 円筒状基体の洗浄方法及びそれを用いた電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

円筒状基体の洗浄方法及びそれを用いた電子写真感光体の製造方法 Download PDF

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本発明は、円筒状基体の洗浄方法に関するものであり、更には、円筒状基体を洗浄後、その上に少なくとも水素化アモルファスシリコンで構成された光導電層(感光層)を形成する電子写真感光体の製造方法に関する。なお、水素化アモルファスシリコンを、以下「a−Si」とも表記する。
従来、電子写真感光体用の基体としては、ガラス、半導体、耐熱性合成樹脂、ステンレス、アルミニウムなど、様々の材料の使用が提案されている。その中でも、アルミニウムは、軽く、加工性が良好である点から電子写真感光体用の基体の最適な材料の1つとして、これまでに提案がなされている。
このような電子写真感光体用の基体は、電子写真感光体の帯電特性等の均一性向上を目的として、感光層の形成前に旋盤等により切削加工が施されている。そのため、切削加工された表面には、切削油、切り粉、ダスト等が付着しており、そのままの状態では基体の上に良好な感光層の形成ができない。したがって、基体の表面を洗浄することによりそれらを除去し、その後、基体の上に無機系感光層や有機系感光層を形成して電子写真感光体の作製が行われてきた。
近年、この基体の洗浄方法は、環境への配慮から、溶剤洗浄から水系洗浄へと移行してきた。具体的には、切削油を除去するための脱脂洗浄工程において、塩素系の溶剤から界面活性剤を用いた水溶液へ移行してきた。
しかし、このような界面活性剤を用いた脱脂洗浄工程後の基体の上に作製したa−Si電子写真感光体(以下「a−Si感光体」とも表記する。)を電子写真装置に設置し画像を出力すると、出力された画像上に画像欠陥が発生する場合があった。
この画像欠陥とは、画像出力の際に、基体の上の堆積膜に形成された微小な異常成長部に十分な表面電荷が保持されないため、この部分が画像上に微小な白点又は黒点となって出力される現象である。
異常成長部の発生原因の1つとして、脱脂洗浄による基体の上の切削油、切り粉、ダスト等の汚染物の除去が不十分であったり、これら汚染物が洗浄中に基体に再付着したりすることで、脱脂洗浄後の基体の上にこれらの汚染物が残留することが挙げられる。この汚染物上に堆積膜を形成して電子写真感光体を作製すると、この汚染物が起点となって堆積膜が異常成長し、その結果、電子写真感光体に異常成長部が形成される。そのため、従来から異常成長部の低減に関する技術が提案されている。
特許文献1には、脱脂洗浄槽に収容された液をオーバーフローさせる基体の洗浄方法において、オーバーフローする液の流量を大きくした後に基体を液から引き上げる技術が開示されている。特許文献1では、基体が液中に浸漬されている時の液の循環流量よりも引き上げる時の液の循環流量を多くすることにより、洗浄中に基体から除去された汚れが再度基体に付着することを抑制している。これにより、洗浄後の基体の上に堆積膜を形成し電子写真感光体を作製したときに、再付着した汚れに起因した堆積膜の異常成長部の発生が抑制可能となる。この結果、電子写真感光体を電子写真装置に設置し、画像を出力した際に、画像欠陥の少ない画像の出力が可能であると記載されている。
特開2000−237704号公報
従来技術に示したように、水系洗浄に関する技術の開示により異常成長部の低減が可能となった。そのため、このような洗浄方法で脱脂洗浄した基体を用いることにより、画像欠陥の少ない良好な画像の出力が可能となってきた。
しかし、近年、電子写真プロセスにおいては、環境に配慮しつつ、高速化、高画質化、長寿命化が更に求められている。
これを実現するためには、画像品質の低下に繋がる画像欠陥の低減が不可欠である。そのためには、画像欠陥の原因であるa−Si感光体の感光層に形成される異常成長部を従来以上に低減していくことが必要である。
基体の上の汚染物に起因して発生する異常成長部の原因の1つとしては、上述したような切削加工時に基体に付着する切削油の脱脂洗浄後の基体の表面への残留及び脱脂洗浄により除去された切削油の基体の表面への再付着が挙げられる。このため、脱脂洗浄での基体からの切削油の除去効率の更なる向上及び除去された切削油の基体への再付着の更なる抑制が、切削油に起因した異常成長部の低減のために求められている。
脱脂洗浄での基体からの切削油の除去効率を向上させるために、従来から脱脂洗浄時に超音波を導入する等の脱脂洗浄に関する技術が開示されている。しかしながら、基体からの切削油の除去効率を向上させたとしても、除去された切削油が基体へと再付着しやすい脱脂洗浄方法であれば、切削油に起因した異常成長部の低減が困難となる。このため、切削油に起因した異常成長部の低減のためには、基体からの切削油の除去効率の向上に加え、除去された切削油の基体への再付着の抑制が必要となる。
特許文献1に開示された技術では、基体を脱脂洗浄した後、脱脂洗浄槽に供給される薬液の流量を増加してから基体を脱脂洗浄槽から引き上げている。これにより、オーバーフロー量を増加させ、脱脂洗浄槽の液面に浮遊した切削油を脱脂洗浄槽の外に排出することにより、基体から除去された切削油の基体への再付着の抑制を行っている。
しかしながら、円筒状基体を脱脂洗浄する場合、基体から除去された切削油が円筒状基体の直上の液面に残留する場合があった。この理由を以下に示す。
脱脂洗浄においては、円筒状基体の表面に付着した切削油を効率よく除去するために、切削油が付着した円筒状基体の外面側での薬液の流速が速くなるように脱脂洗浄槽への薬液の供給が行われる。このとき、基体が円筒状であるため、薬液が内面側を通過するためには、円筒状基体の下端からしか入ることができない。そのため、円筒状基体の外面側での流速を速くすることで内面側の流速は遅くなり、円筒状基体の外面側と内面側で流速に差が生じてしまう。このため、脱脂洗浄槽の液面では中央から外周側へ向かっての流れが生じにくくなり、円筒状基体の直上の液面に浮遊した切削油がオーバーフローにより脱脂洗浄槽の外に排出されにくくなる。その結果、円筒状基体から除去された切削油が円筒状基体の直上の液面に残留すると考えられる。
このような円筒状基体の直上の液面に切削油が残留している状態で脱脂洗浄槽から円筒状基体を引き上げると、円筒状基体の直上の液面に残留した切削油が円筒状基体に再付着し、これが原因となって堆積膜を形成した際に異常成長部が形成される場合があった。
また、円筒状基体の直上の液面に残留する切削油をオーバーフローにより脱脂洗浄槽の外に排出し易くするために円筒状基体の内面側の流速が速くなるように薬液を供給すると、脱脂洗浄槽の底面に配置された超音波発振子が故障しやすくなる場合があった。これは、円筒状基体の内面側の流速を速くしたことで、脱脂洗浄槽に浸漬させた円筒状基体と超音波発振子との間に乱流が発生し、その結果、超音波が脱脂洗浄槽内に導入されにくくなるためだと思われる。
以上のことから、円筒状基体の脱脂洗浄において、円筒状基体からの切削油の除去効率を向上しつつ、除去された切削油の再付着を従来以上に抑制することが困難であった。このため、a−Si感光体の感光層に形成される異常成長部を従来以上に低減し、高画質の画像を出力可能な電子写真感光体を提供することが困難であった。
そこで、本発明の目的としては、円筒状基体の脱脂洗浄において、除去された切削油の再付着を従来以上に抑制し、切削油に起因した異常成長部を低減することにより、画像欠陥を低減し、良好な画質を出力可能なa−Si感光体を提供することにある。
本発明は、円筒状基体の脱脂洗浄を行うための第1の脱脂洗浄工程及び第2の脱脂洗浄工程を有する円筒状基体の洗浄方法であって、
前記第1の脱脂洗浄工程及び前記第2の脱脂洗浄工程を行うための脱脂洗浄槽界面活性剤含有する薬液を供給し、
記脱脂洗浄槽に供給される前記薬液に超音波を導入し、
記脱脂洗浄槽の下部から上部に向かって前記薬液が流れるように前記薬液を前記脱脂洗浄槽内に供給しながら前記脱脂洗浄槽の上面より前記薬液をオーバーフローさせ、
前記脱脂洗浄槽内の前記薬液への前記円筒状基体の浸漬時には、前記薬液の流速が前記円筒状基体の内面側よりも外面側の方が速くなるように前記脱脂洗浄槽内に前記薬液を供給し、
前記脱脂洗浄槽内の前記薬液に前記円筒状基体を浸漬させてから所定の時間が経過した後、前記円筒状基体の下面を前記脱脂洗浄槽内の前記薬液の液面よりも高い位置まで引き上げて、前記第1の脱脂洗浄工程を終了し、
前記円筒状基体が前記液面よりも高い位置で保持されている間に、前記オーバーフローによって前記円筒状基体から除去された油を前記薬液とともに前記脱脂洗浄槽の外に排出するために、前記薬液の流速が前記円筒状基体の外面相当位置よりも内面相当位置の方が速くなるように前記脱脂洗浄槽前記薬液を供給し、
前記円筒状基体を前記脱脂洗浄槽内の前記薬液に再度浸漬させて第2の脱脂洗浄工程を少なくとも1回
ことを特徴とする。
また、電子写真感光体の製造方法において、前記円筒状基体の洗浄方法により、円筒状基体を洗浄する工程と、
洗浄された前記円筒状基体の上にケイ素原子を含む非晶質材料で構成された光導電層を形成する工程
有することを特徴とする。
本発明によれば、円筒状基体からの切削油の除去効率を向上しつつ、除去された切削油の円筒状基体への再付着量を従来以上に低減させることができる。また、その結果、円筒状基体に堆積膜を形成した際に形成される異常成長部の抑制が可能となる。これにより、画像欠陥の発生が抑制され、良好な画質を出力可能なa−Si感光体の製造が可能となる。
本発明に関わる円筒状基体の洗浄方法に用いることができる洗浄装置の模式的な概略断面図である。 本発明に関わる円筒状基体の脱脂洗浄工程を説明するための脱脂洗浄装置の模式的な概略説明図である。 電源周波数としてRF帯を用いた高周波プラズマCVD法によるa−Si感光体の製造装置を示す模式的な概略構成図である。 (a)本発明に関わる円筒状基体の洗浄方法の脱脂洗浄工程を説明するための脱脂洗浄工程フローの第1の例 (b)本発明に関わる円筒状基体の洗浄方法の脱脂洗浄工程を説明するための脱脂洗浄工程フローの第2の例 (c)本発明に関わる円筒状基体の洗浄方法の脱脂洗浄工程を説明するための脱脂洗浄工程フローの第3の例 本発明に関わる円筒状基体の洗浄方法の脱脂洗浄工程を説明するための脱脂洗浄装置の模式的な概略説明図である。 本発明に関わる円筒状基体の洗浄方法に用いることができる洗浄装置の模式的な概略断面図である。 電子写真感光体の好適な層構成の一例を示した模式的構成図である。 図2に示す脱脂洗浄槽の模式的な概略上視図(平面図)である。 図5に示す脱脂洗浄槽の模式的な概略上視図(平面図)である。 (a)流速測定に用いた流速計の模式図である。 (b)流速測定を説明するための模式図である。
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に関わる円筒状基体の洗浄方法に用いることができる洗浄装置の模式的な概略断面図である。図1に示す洗浄装置は、切削加工処理の後の円筒状基体1010を置くための洗浄前ストッカー1004と、洗浄液が貯留された3つの洗浄槽と、洗浄後の円筒状基体1010を置くための洗浄後ストッカー1005より構成されている。上記洗浄槽は、脱脂洗浄槽1001と、リンス槽1002と、乾燥槽1003とから構成されている。脱脂洗浄槽1001では、切削時に円筒状基体の表面に付着する切削油を除去する脱脂洗浄工程を行う。リンス槽1002では、リンス工程を行う。乾燥槽1003では、リンス工程後に円筒状基体の表面から水を除去し乾燥させる乾燥工程を行う。
図1の洗浄装置を用いた円筒状基体の洗浄工程の流れについてまずその概略を説明する。投入台1054上に設置された切削加工処理の後の円筒状基体1010は、搬送機構1061により脱脂洗浄槽1001へ搬送され、脱脂洗浄工程が行われる。脱脂洗浄工程終了後、円筒状基体1010は搬送機構1062により脱脂洗浄槽1001からリンス槽1002へ搬送されリンス工程が行われる。リンス工程終了後、搬送機構1063によりリンス槽1002から乾燥槽1003へ搬送され乾燥工程が行われる。乾燥工程終了後、円筒状基体1010は搬送機構1064により洗浄後ストッカー1005に搬送されて洗浄装置から搬出される。
図2を併用して洗浄工程の流れを詳しく説明する。
切削加工処理の後の円筒状基体1010は、図1に示す投入台1054の上に置かれた後、搬送機構1061により脱脂洗浄槽1001に搬送される。図2は、円筒状基体の脱脂洗浄工程を説明するための脱脂洗浄装置の模式的な概略説明図である。脱脂洗浄槽2001及び貯槽2002には、純水で希釈された界面活性剤を含む薬液が貯留されている。
薬液は、貯層2002から循環ポンプ2032により薬液供給経路2030を通過して脱脂洗浄槽2001の下部に供給された後、脱脂洗浄槽2001の上面からオーバーフローにより脱脂洗浄槽2001より排出されて再度貯槽2002へと供給される。このように、脱脂洗浄槽2001と貯槽2002の間で薬液の循環を行っている。また、オーバーフローにより脱脂洗浄槽2001より排出されて貯槽2002へと再度供給された薬液は、油水分離機2064により切削油を除去した後、再び貯槽2002へ供給される。
このとき、貯槽2002から脱脂洗浄槽2001へ供給される薬液は、ヒーター2033及び冷却機構2034からなる薬液温度制御手段により所定の温度となるように制御され、フィルター2037により薬液中のダストの除去が行われている。また、冷却機構2036により、超音波の印加に伴う脱脂洗浄槽2001に貯留された薬液の昇温を抑制し、液温を制御している。更に、貯槽2002から脱脂洗浄槽2001に供給される薬液の液量は、薬液供給経路2030の内部のバイパス経路2031に具備される開閉バルブ2038により制御され、手動バルブ2039により微調整されている。同時に、槽内循環ポンプ2061により槽内循環が行われ、脱脂洗浄槽2001に貯留された薬液中のダストをフィルター2062により除去した後に脱脂洗浄槽2001へ再度供給している。
搬送機構2050は、搬送レール2051と搬送アーム2052よりなる。搬送アーム2052は、搬送レール2051の上を移動する移動機構2053、円筒状基体2010を保持するチャッキング機構2055及びチャッキング機構2055を上下させるためのエアーシリンダー2054よりなる。
脱脂洗浄工程の流れを以下に示す。まず、搬送機構2050により洗浄前ストッカーより搬送された円筒状基体2010を受け台2053に載置する。
円筒状基体を載置した後、受け台2053が下降することにより円筒状基体2010を薬液中に浸漬させ、槽内循環ポンプ2061を停止して槽内循環を止める。円筒状基体2010が脱脂洗浄槽2001の所定の位置に設置された後、超音波発振子(超音波導入手段)2021から薬液中へと超音波を導入し、円筒状基体の表面に付着した切削油の除去を行う。所定の時間が経過した後、薬液への超音波の導入を停止し、受け台2053を上昇させることにより脱脂洗浄槽2001から円筒状基体2010を取り出して、第1の脱脂洗浄工程を終了する。
続いて、第2の脱脂洗浄工程を行う。円筒状基体を脱脂洗浄槽から引き上げた状態で、所定の時間、脱脂洗浄槽内の薬液をオーバーフローさせ、脱脂洗浄槽液面に滞留する円筒状基体2001から除去された切削油を脱脂洗浄槽の外に排出する。その後、再び、受け台2053を下降して円筒状基体2010を薬液中に再度浸漬させ、円筒状基体2010を脱脂洗浄槽2001の所定の位置に設置する。そして、超音波発振子2021から薬液中へと超音波を導入し、所定の時間が経過した後、薬液への超音波の導入を停止し、受け台2053を上昇させて脱脂洗浄槽2001から円筒状基体2010を取り出して、第2の脱脂洗浄工程を終了する。第2の脱脂洗浄工程を所定の回数行った後、受け台2053に載置された円筒状基体2010を搬送機構2050によりリンス槽に搬送する。また、第2の脱脂洗浄工程を所定の回数行った後、槽内循環ポンプ2061を起動させて、脱脂洗浄槽内の薬液のダスト除去を行う。
次に、リンス工程の流れを以下に示す。まず、図1に示す搬送機構1062により脱脂洗浄槽1001より搬送された円筒状基体1010を受け台1052に載置する。
円筒状基体を載置した後、受け台1052を下降させることで円筒状基体1010を所定の温度及び所定の導電率に制御された純水中に浸漬させ、円筒状基体1010をリンス槽1002の所定の位置に設置する。そして、所定の時間が経過した後、受け台1052を上昇させることで純水から円筒状基体を取り出して、リンス工程を終了する。受け台1052に載置された円筒状基体1010を搬送機構1063により乾燥槽1003に搬送する。
最後に、乾燥工程の流れを以下に示す。まず、図1に示す搬送機構1063によりリンス槽1002より搬送された円筒状基体1010を受け台1053に載置する。円筒状基体を載置した後、受け台1053を下降させることにより円筒状基体1010を所定の温度及び所定の導電率に制御された温純水中に浸漬させ、円筒状基体1010を乾燥槽1003の所定の位置に設置する。そして、所定の時間が経過した後、受け台1053を上昇させることにより引き上げ乾燥を行い、乾燥工程を終了する。受け台1053に載置された円筒状基体1010を搬送機構1064により洗浄後ストッカー1005へと搬送する。
本発明における円筒状基体の脱脂洗浄は、以下のような特徴を有する。
なお、本発明において、第1の脱脂洗浄工程とは、切削後の円筒状基体を脱脂洗浄槽へ導入する基体導入工程から1回目の脱脂洗浄処理をおこない、円筒状基体を脱脂洗浄槽より引上げる引上げ工程までを指す。また、第2の脱脂洗浄工程とは、第1の脱脂洗浄工程終了後の円筒状基体を脱脂洗浄槽の液面より高い位置で保持する保持工程から脂洗浄槽へ再度導入する基体導入工程、脱脂洗浄処理、円筒状基体を引上げる引上げ工程までを指す。
まず、脱脂洗浄槽内に供給される薬液は、脱脂洗浄槽の下部から上部に向かって流れ、脱脂洗浄槽の上面からオーバーフローにより脱脂洗浄槽の外に排出されるように脱脂洗浄槽に供給される。また、薬液は、円筒状基体が脱脂洗浄槽内に浸漬している時には、脱脂洗浄槽内の薬液の流速が円筒状基体の内面側よりも外面側の方が速くなるように、脱脂洗浄槽内に供給される。更に、円筒状基体が脱脂洗浄槽内に浸漬していない時には、脱脂洗浄槽中央での薬液の流速が速くなるように薬液が脱脂洗浄槽内に供給される。
そして、脱脂洗浄槽に円筒状基体を浸漬させ、所定の時間が経過した後、円筒状基体を脱脂洗浄槽の液面よりも高い位置まで引き上げて第1の脱脂洗浄工程を終了した後、円筒状基体から除去された油を薬液とともにオーバーフローにより脱脂洗浄槽の外に排出する。オーバーフローを所定の時間行った後、第1の脱脂洗浄工程により脱脂洗浄処理された円筒状基体を脱脂洗浄槽に再度浸漬させて、第2の脱脂洗浄工程を行う。
これにより、円筒状基体の表面から除去された切削油の再付着量が低減することで、円筒状基体の表面に堆積膜を形成した際に異常成長部の抑制が可能となる。この結果、画像欠陥の発生が抑制され、良好な画質を出力可能なa−Si感光体の製造が可能となる。
以下に、円筒状基体に上述した脱脂洗浄を行うことの作用について、より詳細に説明する。
まず、切削加工により鏡面加工された円筒状基体の表面には、切削時に使用する切削油が多量に付着している。脱脂洗浄工程においては、切削時に円筒状基体の表面に付着した切削油を円筒状基体の表面から効率的に除去する必要がある。そのため、切削後の円筒状基体を脱脂洗浄処理するときは、円筒状基体の切削加工面側である外面側での薬液の供給量を多くする、すなわち、供給される薬液の流速を速くすることで、円筒状基体の表面に付着した切削油を効率的に除去することが可能となる。
脱脂洗浄処理により円筒状基体の表面から除去された切削油は、脱脂洗浄槽の液面に浮遊する。切削油が脱脂洗浄槽の液面に浮遊したまま、脱脂洗浄処理後の円筒状基体を脱脂洗浄槽より引き上げると、円筒状基体に浮遊した切削油が再付着してしまう。このため、脱脂洗浄槽の下部から上部への薬液の流れを形成し、脱脂洗浄槽上面からオーバーフローにより脱脂洗浄槽の外に排出することにより、脱脂洗浄槽の液面に浮遊する切削油の再付着を低減することが可能となる。
しかしながら、円筒状基体の場合、円筒状基体の表面に付着した切削油の除去効率を上げるために円筒状基体の外面側での薬液の流速を速くし、同時に円筒状基体の内面側の流速を速くすることは困難である。この理由を以下に示す。円筒状基体の場合、円筒状基体の内面側への薬液の導入は、一般的には円筒状基体の下端側からおこなわれる。そのため、円筒状基体の内面側の薬液の流速を上げるためには、円筒状基体の下端側から薬液を多量に導入する必要があるが、基体が円筒状であるため、円筒状基体の外面側に比べ内面側への薬液の導入は難しい。このような理由により、円筒状基体の外面の流速を速くしつつ、内面側の流速も速くすることは困難である。また、円筒状基体の下端側から薬液を多量に導入すると、円筒状基体の下端と脱脂洗浄槽の底面との間で乱流が発生する場合がある。このように脱脂洗浄槽の底面付近で乱流が発生すると、脱脂洗浄処理で切削油の除去効率向上のために超音波を使用する場合、超音波を薬液中に導入することが困難となるため切削油の除去効率向上が得られ難くなるばかりか、超音波発振子が破損する場合もある。
このような理由により、円筒状基体を脱脂洗浄する場合は、円筒状基体の外面側での薬液の流速よりも円筒状基体の内面側の薬液の流速が遅くなってしまう。このような円筒状基体の外面側と内面側での薬液の流速の差が生じると、円筒状基体の直上の脱脂洗浄槽の液面には円筒状基体の表面から除去された切削油が滞留しやすくなる。円筒状基体の直上の脱脂洗浄槽の液面に円筒状基体の表面から除去された切削油が滞留していると、脱脂洗浄処理後に円筒状基体を引き上げる際に、液面に滞留していた切削油が円筒状基体に再付着してしまう。
そこで、まず、脱脂洗浄処理を行った後、円筒状基体を一度、脱脂洗浄槽の液面よりも高い位置まで引き上げる。そして、脱脂洗浄槽内に円筒状基体が浸漬していない状態で、脱脂洗浄槽中央での薬液の流速が速くなるように薬液を脱脂洗浄槽内に供給する。これにより、脱脂洗浄槽の液面で中央から外周側への薬液の流れを形成し、脱脂洗浄処理中に円筒状基体の直上の液面に滞留していた切削油を脱脂洗浄槽の外に排出しやすくする。その後、引き上げ時に切削油が再付着した脱脂洗浄処理後の円筒状基体を脱脂洗浄槽に再度浸漬させて脱脂洗浄処理を行う。
上述した脱脂洗浄工程を行うことで、1回目の脱脂洗浄処理後に円筒状基体を脱脂洗浄槽より引き上げた際に再付着した切削油を円筒状基体より再度除去することが可能となる。また、円筒状基体が脱脂洗浄槽内に浸漬していない状態でオーバーフローすることにより、第1の脱脂洗浄工程で円筒状基体の直上の液面に滞留していた切削油を脱脂洗浄槽の外により多く排出することが可能となる。そのため、第2の脱脂洗浄工程後に円筒状基体を引き上げた際、円筒状基体への切削油の再付着を更に低減することが可能となる。
一般的には、脱脂洗浄後の基体が同じ脱脂洗浄槽によって再度脱脂洗浄処理されることはない。その理由は、脱脂洗浄処理により清浄化された円筒状基体を再度、切削油を除去した薬液中に浸漬することにより、切削油が基体の表面に再付着する場合があるからである。しかしながら、円筒状基体を脱脂洗浄処理する場合、脱脂洗浄槽に再度導入することにより再付着する切削油の量よりも、円筒状基体引上げ時に再付着する切削油の量の方が多い傾向がある。
このため、上述した脱脂洗浄処理を行うことで、円筒状基体の表面から除去された切削油の再付着量が低減し、円筒状基体の表面に堆積膜を形成した際に異常成長部の抑制が可能となり、画像欠陥の抑制が可能となる。
本発明において、第2の脱脂洗浄工程を少なくとも1回行った後、円筒状基体の表面に皮膜を形成するための皮膜形成工程を行い、皮膜形成された円筒状基体を純水で処理するリンス工程を行うことが好ましい。
特に、円筒状基体の材料として純度が99.9%以下のアルミニウムを使用する場合は、脱脂洗浄工程後の円筒状基体に皮膜形成することなく純水によるリンス工程を行うと円筒状基体の表面に多数のピットが形成される。このような多数のピットが形成された円筒状基体の上に堆積膜を形成すると、ピット起因の異常成長部が形成される。そのため、円筒状基体の材料として、純度の低いアルミニウムを使用する場合は、第2の脱脂洗浄工程を少なくとも1回行った後、皮膜形成工程により円筒状基体の表面に皮膜を形成し、その後、リンス工程を行うことが好ましい。
純度の低いアルミニウムを材料とした円筒状基体の表面に切削油が付着していると、円筒状基体の表面に皮膜形成処理を行ったとしても前記切削油が付着している部分の皮膜形成が不十分となる。そのため、皮膜形成工程後のリンス工程において、リンス処理を行った結果、皮膜形成が不十分な部分にピットが形成されてしまう場合がある。そこで、第2の脱脂洗浄工程を少なくとも1回行った後に皮膜形成工程を行うことで、脱脂洗浄工程における円筒状基体への切削油の再付着を低減し、円筒状基体の表面の皮膜形成が不十分となる部分を低減することができる。この結果、ピット起因の異常成長部が低減し、画像欠陥がより良好な電子写真感光体の作製が可能となる。
図4(a)は、本発明に関わる脱脂洗浄工程を説明するための脱脂洗浄工程フローの第1の例である。第1の例では、図4(a)に示すように、円筒状基体が脱脂洗浄槽に浸漬しているとき、所定の時間が経過する前(図中AからCの間)の薬液の供給量F1よりも、所定の時間が経過した後(図中CからBの間)の薬液の供給量F2を多くすることが好ましい。なお、「薬液の供給量」とは、「単位時間当たりの薬液の供給量」を意味する。
図4(a)は、第1の脱脂洗浄工程と第2の脱脂洗浄工程を1回ずつ行った後、リンス工程を行うときの脱脂洗浄工程フローである。また、図4(a)では、第2の脱脂洗浄工程における基体導入工程以降に関して、第1の脱脂洗浄工程と同じ条件で行った場合の例である。
脱脂洗浄処理の途中で脱脂洗浄槽に供給される薬液の供給量を増加させることによる作用を以下に示す。円筒状基体の脱脂洗浄が進むにつれ、脱脂洗浄槽の液面に円筒状基体の表面より除去された切削油が多くなっていく。F2をF1よりも多くすることにより、脱脂洗浄処理が進んだ後にオーバーフロー量を増加させることで、脱脂洗浄槽の液面に滞留した多量の切削油をより効率良く脱脂洗浄槽の外に排出することが可能となり、円筒状基体への切削油の再付着が抑制可能となる。なお、「オーバーフロー量」とは、「単位時間当たりのオーバーフロー量」を意味する。
また、脱脂洗浄処理の初期に、脱脂洗浄槽に供給される薬液の供給量を低下させると、薬液の流れによる円筒状基体の表面に付着した切削油の除去効率は低下するものの、脱脂洗浄能力の高い超音波を薬液中に効率よく導入することが可能となる。そのため、脱脂洗浄槽に供給される薬液の供給量を低下させても、超音波により切削油の除去効率の向上が可能となる。
以上のことから、F2をF1より多くすることにより、円筒状基体の表面からの切削油の除去効率の向上と、除去された切削油の脱脂洗浄槽の外への排出効率の向上とが両立可能となり、その結果として円筒状基体への切削油の再付着を低減することが可能となる。この結果、画像欠陥がより良好な電子写真感光体の作製が可能となる。
また、皮膜形成工程を行う場合においても、F2をF1より多くすることにより、脱脂洗浄工程後の円筒状基体の表面に付着した切削油を低減することが可能となる。そのため、更にピット起因の異常成長部が低減し、画像欠陥がより少ない良好な電子写真感光体の作製が可能となる。
上述した理由より、少なくとも1回の脱脂洗浄処理において、脱脂洗浄槽に円筒状基体を浸漬させる時間の半分以上が経過した後に、薬液の供給量をF1からF2に増加させることが更に好ましい。
1回の脱脂洗浄処理で脱脂洗浄槽に円筒状基体を浸漬させる時間に関して、図4(a)を用いて説明する。本発明において円筒状基体を浸漬させる時間とは以下のように定義する。まず、円筒状基体が載置された受け台を下降させて円筒状基体を脱脂洗浄槽内に浸漬させ、円筒状基体が脱脂洗浄槽内の所定の位置に設置された時点(A)を開始時点とする。また、受け台を上昇させることにより脱脂洗浄槽から円筒状基体を排出し始める時点(B)を終了時点とする。そして、その開始時点(A)と終了時点(B)の間を円筒状基体を浸漬させる時間と定義する。
また、第1の例において、1回の脱脂洗浄処理で脱脂洗浄槽に円筒状基体を浸漬させる時間とは、第1の脱脂洗浄工程における脱脂洗浄処理の時間、及び第2の脱脂洗浄工程での脱脂洗浄処理の時間であり、図4(a)では、第1の脱脂洗浄工程におけるAからBまでの時間と、第2の脱脂洗浄工程におけるAからBまでの時間とを指す。
更に、薬液の供給量をF1からF2に変更する時点をCとすると、脱脂洗浄処理時間において、脱脂洗浄槽にF1の流量が供給されている時間t1はAからCまでの時間である。また、脱脂洗浄槽にF2の流量が供給されている時間t2はCからBまでの時間であり、t2には、薬液の供給量をF1からF2へ変化させる時間も含んでいる。
「1回の脱脂洗浄処理で脱脂洗浄槽に円筒状基体を浸漬させる時間の半分以上が経過した後に薬液の供給量をF1からF2に増加させる」とは、t1とt2の和に対するt2の比が0.5以下となる条件で薬液の供給量をF1からF2に増加させることを意味する。
本発明において、F1とF2の関係はF1よりもF2を多くすれば異常成長部の低減に効果が得られるが、F1/F2を0.3以上0.7以下の範囲とすることがより好ましい。
図4(b)は、本発明に関わる脱脂洗浄工程を説明するための脱脂洗浄工程フローの第2の例である。第2の例では、図4(b)に示すように、円筒状基体の下面を脱脂洗浄槽の液面よりも高い位置まで引き上げてその位置で保持している間に脱脂洗浄槽に供給される薬液の供給量をF3としたとき、F2よりF3を多くすることが好ましい。図4(b)では、第1の脱脂洗浄工程と第2の脱脂洗浄工程を1回ずつ行った後、リンス工程を行うときの脱脂洗浄工程フローである。また、図4(b)に示すように、第2の脱脂洗浄工程における基体導入工程以降に関しては、第1の脱脂洗浄工程と同様である。
円筒状基体を脱脂洗浄槽の液面よりも高い位置まで引き上げた後に、脱脂洗浄槽に供給される薬液の供給量を増加させることにより、脱脂洗浄処理中に円筒状基体の直上の液面に浮遊していた切削油を更に効率よく脱脂洗浄槽の外に排出することが可能となる。そのため、第2の脱脂洗浄工程の開始時に脱脂洗浄槽液面に浮遊する切削油がより低減し、第2の脱脂洗浄工程の終了時に円筒状基体を引き上げた際に円筒状基体の表面への切削油の再付着がより低減可能となる。この結果、画像欠陥がより良好な電子写真感光体の作製が可能となる。
また、皮膜形成工程を行う場合においても、F3をF2より多くすることにより、脱脂洗浄工程後の円筒状基体の表面の付着物が更に低減するため、更にピット起因の異常成長部が低減し、画像欠陥がより良好な電子写真感光体の作製が可能となる。
図4(b)に示すA、B、C、t1およびt2は、図4(a)に示すA、B、C、t1およびt2と同意である。
第2の脱脂洗浄工程における円筒状基体を脱脂洗浄槽の液面より高い位置で保持する保持工程の時間に関して、図4(b)を用いて説明する。第2の例において、保持工程の時間を以下のように定義する。まず、円筒状基体が載置された受け台を上昇させ、円筒状基体の底面を脱脂洗浄槽の液面よりも高い位置まで引き上げ、所定の位置に設置された時点をDとする。また、受け台に載置された円筒状基体を脱脂洗浄槽へ下降し始める時点をGと定義する。
第2の例において、薬液の供給量をF2からF3へ変化させるために要する時間と脱脂洗浄槽に供給量F3の薬液が供給されている時間との合計がt3であり、図4(b)ではDからGまでの時間を指す。
第2の例において、F2とF3の関係はF2よりもF3を多くすれば異常成長部の低減に効果が得られる。特にF2/F3を0.2以上0.8以下の範囲とすることがより好ましい。
図4(c)は、本発明に関わる脱脂洗浄工程を説明するための脱脂洗浄工程フローの第3の例である。第3の例では、図4(c)に示すように、引上げ工程中に脱脂洗浄槽に供給される薬液の供給量F4はF2よりも少ない。つまり、円筒状基体の表面の一部が脱脂洗浄槽の液面を通過している際の薬液の供給量F4はF2よりも少ない。また、F2はF3よりも少ない。第3の例も、図4(c)に示すように第1の脱脂洗浄工程と第2の脱脂洗浄工程を1回ずつ行った後に、リンス工程を行う。また、図4(c)に示すように、第2の脱脂洗浄工程における基体導入工程以降に関しては、第1の脱脂洗浄工程と同様である。
円筒状基体の表面に薬液の滴が付着し、これが乾燥することによって、円筒状基体の表面に薬液が固着する場合がある。このような薬液が固着した部分に堆積膜が形成されると、固着した薬液に起因した異常成長部が形成される場合がある。
脱脂洗浄槽への薬液の供給量を低減することにより、脱脂洗浄槽の液面を安定化させることが可能となる。このような液面が安定した状態で円筒状基体を脱脂洗浄槽から引き上げることで、薬液の表面張力により円筒状基体の表面への薬液の残留を抑制することが可能となる。
この結果、円筒状基体の表面に残留した薬液が乾燥することによる薬液の固着を抑制可能となるため、画像欠陥がより良好な電子写真感光体の作製が可能となる。
また、皮膜形成工程を行う場合においても、F4をF2より少なくすることにより、脱脂洗浄工程後の円筒状基体の表面の付着物が更に低減するため、更にピット起因の異常成長部が低減し、画像欠陥がより良好な電子写真感光体の作製が可能となる。
第3の例において、薬液の供給量をF2からF4へ変化させるために要する時間と脱脂洗浄槽に供給量F4の薬液が供給されている時間の合計がt4であり、図2(c)ではBからDまでの時間を指す。
第3の例において、F2とF4の関係はF2よりもF4を少なくすれば円筒状基体への薬液の固着低減に効果が得られるが、F4をF1以下とすることがより好ましい。
脱脂洗浄槽に供給される薬液の供給量を制御する薬液供給手段に関しては、特に制限はない。脱脂洗浄槽への薬液の供給量に応じて図5に示す脱脂洗浄槽に具備されるような複数の薬液供給経路(5030、5040)のいずれかを選択して供給量を制御しても良い。また、複数の薬液供給経路(5030、5040)を両方とも用いて供給量を制御しても良い。更に、図2及び図5に示す脱脂洗浄槽に具備されるような薬液供給経路(2030、5030、5040)内のバイパス経路を用いて脱脂洗浄槽への薬液の供給量を制御してもよい。
図2に示す脱脂洗浄槽に具備されるバイパス経路を用いた薬液供給制御手段について説明する。
図2には、貯槽2002から脱脂洗浄槽2001へ供給される薬液の供給量を制御するために、薬液供給経路2030の内部に第1バイパス経路2131、第2バイパス経路2132、第3バイパス経路2133、第4バイパス経路2134が具備されている。
各バイパス経路には開閉バルブ2038と手動バルブ2039が設けられ、各バイパス経路に具備された開閉バルブ2038の開閉により、貯槽2002から脱脂洗浄槽2001への薬液の供給量の増減が可能である。更に、各バイパス経路に具備された手動バルブ2039の開度を調整することにより、貯槽2002から脱脂洗浄槽2001への薬液の供給量の微調整が可能である。
図2に示すような脱脂洗浄装置において、脱脂洗浄槽2001への薬液の供給量制御は例えば以下のようにしてなされる。
例えば、脱脂洗浄槽2001に供給する薬液の供給量をF1とするには、第1バイパス経路2131の開閉バルブを閉め、第2、第3及び第4バイパス経路(2132、2133、2134)の開閉バルブを開けることで薬液を供給する。
次に、F2にするには、第1及び第2バイパス経路(2131、2132)の開閉バルブを閉め、第3及び第4バイパス経路(2133、2134)の開閉バルブを開けることでF1よりも供給量を増加させる。
そして、F4にするには、第1、第2、第3及び第4バイパス経路(2131、2132、2133、2134)の開閉バルブを開けることでF1よりも供給量を減少させる。
最後に、F3にするには、第1、第2、第3及び第4バイパス経路(2131、2132、2133、2134)の開閉バルブを閉めることでF2よりも供給量を増加させる。
脱脂洗浄槽へ供給される薬液の供給量を複数回変化させる場合、このようなバイパス経路を用いることで各々の脱脂洗浄槽へ供給される薬液の供給量を調整することが容易である。
本発明において、第2の脱脂洗浄工程においては、脱脂洗浄槽内の薬液中に超音波を導入しない方が好ましい。
この理由を以下に示す。薬液中に超音波を導入することにより、円筒状基体に付着した切削油を効率よく除去することが可能である。これは、薬液中に超音波を導入することで薬液中にキャビティ−が発生し、このキャビティーの生成−消滅のサイクルにおける膨張と収縮の速度差により円筒状基体に付着した切削油が円筒状基体の表面から除去されるためである。
しかしながら、切削油が円筒状基体の表面にない場合には、キャビティーからのエネルギーが円筒状基体の表面へ直接影響を与えてしまう。そのため、切削油が除去された円筒状基体の表面に超音波を導入して洗浄を行うと、超音波の影響により円筒状基体の表面が荒れてしまう。
このような荒れてしまった部分に堆積膜が形成されると、異常成長部が形成される場合がある。
超音波を導入した脱脂洗浄工程を複数回行うと、脱脂洗浄工程の回数が進むほど、切削油が除去された円筒状基体の表面が超音波の影響を受ける。そのため、第2の脱脂洗浄工程においては、脱脂洗浄槽内の薬液中に超音波を導入しないことにより、超音波の影響による円筒状基体の表面の荒れを抑制することが可能となり、表面の荒れに起因した異常成長部の低減が可能となる。
本発明において、第2の脱脂洗浄工程の回数に関しては特に制限は無い。
但し、脱脂洗浄槽に供給される薬液の液温を35℃以上50℃以下に制御した場合、第2の脱脂洗浄工程の回数は1回以上3回以下にすることが好ましい。脱脂洗浄槽に供給される薬液の液温を高くすると、薬液に含有される界面活性剤の脱脂洗浄能力が向上するため、薬液の液温を15℃以上にすることが好ましく、35℃以上にすることが特に好ましい。しかしながら、脱脂洗浄槽に供給される薬液の液温を高くすると、脱脂洗浄槽に浸漬させた円筒状基体の温度も高くなっていく。更に、脱脂洗浄工程の回数を増加すると、円筒状基体の温度は更に上昇し、脱脂洗浄槽の薬液の液温に近づいていく。円筒状基体の温度が高くなると、円筒状基体の表面に薬液の滴が付着した場合、薬液の乾燥が速くなり薬液の固着が発生しやすくなるため、薬液の液温を50℃以下にすることが好ましい。
上述した理由により、脱脂洗浄槽に供給される薬液の液温を35℃以上50℃以下に制御することが好ましく、その際に第2の脱脂洗浄工程の回数を1回以上3回以下にすることにより、薬液の固着が抑制でき、これに起因した異常成長部の形成も抑制可能となる。
本発明において、第1の脱脂洗浄工程、第2の脱脂洗浄工程で超音波を薬液中に導入する場合、脱脂洗浄槽に円筒状基体を浸漬させた後に超音波を薬液中に導入し、薬液への超音波の導入を停止した後に脱脂洗浄槽から円筒状基体を引き上げることが好ましい。
脱脂洗浄槽への円筒状基体の導入時及び脱脂洗浄槽からの円筒状基体の引き上げ時は、脱脂洗浄槽内の薬液の流れが大きく変化する。このような薬液の流れが大きく変化した状態で超音波を薬液中に導入していると、超音波発振子が故障する場合がある。そのため、脱脂洗浄槽への円筒状基体の導入時及び脱脂洗浄槽からの円筒状基体の引き上げ時には、薬液への超音波の導入を停止した方が好ましい。
次に、本発明で用いられる洗浄装置での各洗浄工程について詳細に説明する。
<脱脂洗浄工程>
脱脂洗浄工程で用いられる薬液に溶解させる界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、またはそれらの混合したもの等、特に制限はない。そのなかでも、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、燐酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤、または脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
脱脂洗浄工程で用いられる薬液中の界面活性剤の濃度は、濃すぎると引き上げ時に円筒状基体の表面に付着した薬液が固着しやすくなる。そのため、薬液に含有される界面活性剤の濃度範囲は、0.1wt%以上20wt%以下が好ましい。
脱脂洗浄工程で薬液中に導入する超音波の周波数範囲は、円筒状基体に付着した切削油を効率よく除去するために10kHz以上100kHz以下とすることが好ましい。また、使用する超音波の出力の範囲は、同様の理由により0.1W/L以上1kW/L以下にすること好ましい。
<リンス工程>
脱脂洗浄槽での脱脂洗浄工程後、円筒状基体の表面から洗剤を除去するためにリンス槽により円筒状基体の表面の清浄化を行うリンス工程を有することが好ましい。
リンス方法に関しては、円筒状基体の表面を適切に清浄化できればいずれの形式でも可能であるが、ディップ形式とシャワー形式を組み合わせて使用することが好ましい。シャワー形式でアルミニウム基体の表面に水を吹き付ける場合には、水の圧力は、2kg・f/cm以上、300kg・f/cm以下が好ましい。
<乾燥工程>
リンス工程後は、円筒状基体の表面及び内面を乾燥させるための乾燥工程を設けることが好ましい。乾燥工程は、温風乾燥、真空乾燥、温水乾燥等いずれの乾燥方法も有効であるが、円筒状基体の表面へのリンス槽内又は乾燥槽内の洗浄水の付着を低減するためには、温水による引き上げ乾燥が好ましい。
温水乾燥における水の温度は、乾燥性の点から、30℃以上90℃以下が好ましい。引き上げ乾燥する際の引き上げ速度は、100mm/分以上2000mm/分以下の範囲にすることが好ましい。
<皮膜形成工程>
円筒状基体の材料として、純度の低いアルミニウムを使用する場合には、アルミニウム表面に部分的に露出したSi、Fe、Cu原子が多い部分が、その周囲にある通常のアルミニウムの部分と局所的な電池を形成して、特に純水等では腐食が促進される。したがって、インヒビターを添加して基体の表面に皮膜を形成し、アルミニウム基体が純水等に接触する前に皮膜を形成することが好ましい。
皮膜形成工程で用いられるインヒビターとしては、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩等が挙げられいずれも可能であるが、ケイ酸塩が特に好ましい。ケイ酸塩では、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム等が好適なものとして挙げられる。
皮膜形成槽に供給される洗浄水に含まれるケイ酸塩の濃度は、高すぎるとケイ酸塩の液滴が乾燥して固着しやく、低すぎると皮膜形成効果が小さくなってしまう。よって、ケイ酸塩の濃度は0.05%以上2%以下にすることが好ましい。
以下、図面に従って本発明に関わる電子写真感光体について説明する。
図7は、本発明に関わる電子写真感光体の好適な層構成の一例を示した模式的構成図である。電子写真感光体は、円筒状のアルミニウム基体7001の上に光受容層7000が設けられており、光受容層7000は、基体側から順に、電荷注入阻止層7002、光導電層7003、表面層7004から構成されている。光導電層7003はケイ素原子を含む非晶質材料で構成されていることが好ましい。
本発明において、円筒状基体の材質としてアルミニウムを用いる場合は、アルミニウムを母体とするものであればいずれも可能であるが、通常、純度99.5%以上のアルミニウムが用いられる。また、純度が99.99%(4N)を超える高純度のアルミニウムを母材としたアルミニウム基体であれば、図1のような皮膜形成槽がない洗浄装置が好ましく、それよりも低い純度であれば図6のような皮膜形成槽6006を有する洗浄装置が好ましい。
次に、本発明に関わる電子写真感光体の形成手順を、プラズマCVD法で形成する場合を例として図面を用いて詳細に説明する。
図3は、電源周波数としてRF帯を用いた高周波プラズマCVD法による感光体製造装置の一例を、模式的に示した構成図である。この装置は、大別すると、堆積装置3100、原料ガス供給装置3200、反応容器3110の中を減圧するための排気装置(図示せず)から構成されている。堆積装置3100は、碍子3121、カソード電極3111から構成され、高周波マッチングボックス3115を介して高周波電源3120がカソード電極3111に接続されている。また、反応容器3110の中には円筒状基体3112を載置する載置台3123、基体加熱用ヒーター3113、原料ガス導入管3114が設置されている。反応容器3110は排気バルブ3118を介して排気装置(図示せず)に接続され、真空排気可能となっている。原料ガス供給装置3200は、原料ガスのボンベ3221〜3225とバルブ3231〜3235、3241〜3245、3251〜3255、圧力調整器3261〜3265及び、マスフローコントローラ3211〜3215から構成される。各原料ガスのボンベはバルブ3260を介して反応容器3110の中の原料ガス導入管3114に接続されている。
この装置を用いた堆堆膜の形成は、例えば以下のような手順によって行われる。
まず、反応容器3110の中に円筒状基体3112を設置し、例えば真空ポンプの如き排気装置(図示せず)により反応容器3110の中を排気する。続いて、基体加熱用ヒーター3113により円筒状基体3112の温度を200℃乃至350℃の所定の温度に制御する。
次に、堆積層形成用の原料ガスを、原料ガス供給装置3200により流量制御し、反応容器3110の中に導入する。そして、真空計3119の表示を見ながら排気バルブ3118を操作し所定の圧力に設定する。
以上のようにして堆積膜形成の準備が完了した後、以下に示す手順で各層の形成を行う。
圧力が安定したところで、高周波電源3120を所望の電力に設定して、高周波マッチングボックス3115を通じてカソード電極3111に高周波電力を供給し高周波グロー放電を生起させる。
この放電エネルギーによって反応容器3110の中に導入された各原料ガスが分解され、円筒状基体3112の上に所定のケイ素原子を主成分とする堆積層が形成される。所望の層厚の形成が行われた後、高周波電力の供給を止め、ガス供給装置の各バルブを閉じて反応容器3110への各原料ガスの流入を止め、堆積層の形成を終える。
同様の操作を、原料ガスの流量、圧力、高周波電力等の条件を変えながら複数回繰り返すことによって、所望の多層構造の電子写真感光体が形成される。
また、堆積層形成の均一化を図るために、堆積層形成を行っている間は、円筒状基体3112を駆動装置(不図示)によって所定の速度で回転させることも有効である。
すべての堆積層形成が終わった後、リークバルブ3117を開き、反応容器3110の中を大気圧として、円筒状基体3112を取り出す。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
<切削工程1>
外径84.00mm、長さ381mm、肉厚3mmの円筒状のアルミニウム基体(神戸製鋼製 アルミニウム純度:4N)に対して以下の手順により表面加工を行った。
表面加工は、精密切削用のエアダンパー付旋盤(PNEUMO PRECISION INC.製)を用いて行った。エアダンパー付旋盤に、ダイヤモンドバイト(商品名:ミラクルバイト、東京ダイヤモンド工具製作所製)を、アルミニウム基体の中心線に対して5°のすくい角を得るようにセットした。次に、この旋盤の回転フランジに、アルミニウム基体を真空チャックし、付設したノズルから切削油を円筒状基体に噴霧しながら、同じく付設した真空ノズルから切り粉の吸引を併用しつつ、外径が83.92〜83.98mmとなるように鏡面切削を施した。切削油として炭化水素系合成油ポリブデン(商品名;日石ポリブデンLV−7)を用いた。周速1000m/分、送り速度0.01mm/回転Rの条件で行った。
<洗浄条件1>
まず、図2に示す脱脂洗浄装置において、円筒状基体が脱脂洗浄槽に浸漬されている時及び円筒状基体が浸漬されていない時、それぞれの円筒状基体の外面位置と内面位置での脱脂洗浄槽の薬液の流速を後述する流速測定法にて測定した。このとき、薬液供給手段により脱脂洗浄槽に供給される薬液の供給量は10L/分となるように、薬液供給制御手段により調整した。
なお、以下、円筒状基体が脱脂洗浄槽に浸漬されている時の円筒状基体の外面位置での流速をVO1、内面位置での流速をVI1、円筒状基体が浸漬されていない時の円筒状基体の外面相当位置での流速をVO2、内面相当位置での流速をVI2と表記する。
次に、図1に示す洗浄装置及び図2に示す脱脂洗浄装置により、表1に示す洗浄条件及び表2に示す脱脂洗浄条件にて切削工程1で表面加工された円筒状基体を洗浄した。なお、表2は表1の※を含む。
なお、洗浄条件1においては、第1の脱脂洗浄工程と第2の脱脂洗浄工程を各々1回行っているため、脱脂洗浄槽への円筒状基体の浸漬回数は2回である。
また、表2に記載の保持工程、導入工程、脱脂洗浄処理及び引上げ工程に関しては、図4(c)と同様の脱脂洗浄工程フローで行った。すなわち、導入工程はGからAの間、脱脂洗浄処理はAからBの間、引上げ工程はBからDの間、保持工程はDからGの間を指している。そして、脱脂洗浄槽への薬液の供給量は、第1の脱脂洗浄工程及び第2の脱脂洗浄工程における保持工程、導入工程、脱脂洗浄処理及び引上げ工程のいずれにおいても、10L/分の一定量とした。
脱脂洗浄槽1001、リンス槽1002、乾燥槽1003の大きさは、縦400mm、横400mm、高さ793mmである。
脱脂洗浄槽1001に供給される薬液は、界面活性剤としてアルミ用侵食低起泡性液状脱脂剤(ヘンケルジャパン(株)社、商品名;almeco CT−29)を純水で30倍に希釈したものを用い、脱脂洗浄槽1001に供給される供給量は10L/分とした。また、リンス槽1002には純水を供給し、リンス槽1002に供給される供給量は12L/分とした。乾燥槽1003にも純水を供給し、乾燥槽に供給される供給量は5L/分とした。
乾燥槽1003では、円筒状基体を純水中に浸漬させた後、500mm/分の速度でゆっくり引き上げながら温水引き上げ乾燥を行った。
Figure 0005627387
※の条件は、別表に示す。
Figure 0005627387
(流速測定)
脱脂洗浄槽内の流速の測定は、図10(a)に示す流速計を用いて行った。図10(b)に示すように、脱脂洗浄槽10001に円筒状基体10002を所定の位置に浸漬させた後、流速計10006,10007を円筒状基体の上端面より80mm沈めた位置に設置した。流速計10006は脱脂洗浄槽の断面における中心位置に設置し、流速計10007は中心位置から120mm離れた位置に設置した。脱脂洗浄槽10001の中に薬液を10L/分で供給し、そのときの流速計10006の回転数と流速計10007の回転数を測定した。なお、脱脂洗浄槽の断面における中心位置を円筒状基体の内面側、中心位置から120mm離れた位置を円筒状基体の外面側と記載する。
次に、円筒状基体10002を脱脂洗浄槽より引き上げた状態で、円筒状基体浸漬時と同じ位置に流速計を設置した。そして、円筒状基体浸漬時と同様に、脱脂洗浄槽中に薬液を10L/分で供給し、そのときの円筒状基体の内面側相当位置に設置した流速計10006の回転数と外面側相当位置に設置した流速計10007の回転数を測定した。
そして、円筒状基体浸漬時及び円筒状基体引き上げ時の円筒状基体の内面側に設置した流速計の回転数と外面側に設置した流速計の回転数の比が1.0:3.0及び3.0:1.0となるように薬液供給経路10004から供給する薬液供給量の分布を調整した。
脱脂洗浄槽に供給する薬液の供給量の分布は、図8に示す脱脂洗浄槽8003へ薬液を供給するための薬液供給経路8001に設けられた薬液供給孔8002の配置を調整することによりおこなった。具体的な調整方法は、円筒状基体8004の表面に垂直方向で薬液供給経路8001の断面における重心を通る線を基準線とし、基準線からの仰角を調整して薬液供給孔8002の配置位置を変更し、薬液供給量の分布の調整を行った。
<洗浄条件2>
図5に示す脱脂洗浄装置を用いた以外は、洗浄条件1と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。図5に示す脱脂洗浄槽に供給される薬液は、第1の薬液供給経路5030及び第2の薬液供給経路5040の2つの供給経路により供給され、各々の供給経路で脱脂洗浄槽に供給される薬液の供給量を調整することが可能となっている。但し、脱脂洗浄槽におけるVO1、VI1、VO2及びVI2は、表3に示すように調整した。
調整方法を以下に示す。図9は、図5に示す脱脂洗浄槽の上視図である。
図9に示す第1の薬液供給経路9001及び第2の薬液供給経路9006に設けられた薬液供給孔9002、9007を洗浄条件1と同様に配置位置の角度を調整し、薬液供給量の分布の調整を行った。同時に、第1の薬液供給経路5030に具備されたバイパス経路5031及び第2の薬液供給経路5040に具備されたバイパス経路5041を用いて脱脂洗浄槽に供給される薬液の供給量の制御を行い、薬液供給量の分布の調整を行った。
Figure 0005627387
<洗浄条件3>
洗浄条件2と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件3でのVO1、VI1、VO2、VI2を表3に示す。詳細には、洗浄条件3におけるVO1を洗浄条件2−1におけるVI1、洗浄条件3におけるVI1を洗浄条件2−1におけるVO1となるように、第1薬液供給経路及び第2薬液供給経路のバイパス経路及び薬液供給孔の角度を調整した。同様に、洗浄条件3におけるVO2を洗浄条件2−1におけるVI2、洗浄条件3におけるVI2を洗浄条件2−1におけるVO2となるように調整した。
<洗浄条件4>
洗浄条件2−1と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件4でのVO1、VI1、VO2、VI2を表3に示す。詳細には、洗浄条件4におけるVO1、VI1は洗浄条件2−1と、洗浄条件4におけるVO2、VI2は洗浄条件3と同じになるように調整した。
<洗浄条件5>
洗浄条件2−1と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件5でのVO1、VI1、VO2、VI2を表3に示す。詳細には、洗浄条件5におけるVO1、VI1は洗浄条件3と、洗浄条件5におけるVO2、VI2は洗浄条件2−1と同じになるように調整した。
<洗浄条件6>
洗浄条件2−1と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件6でのVO1、VI1、VO2、VI2を表3に示す。詳細には、洗浄条件6においては、脱脂洗浄工程を表4に示す脱脂洗浄条件を用いて行った。なお、表4は表1の※を含む。また、洗浄条件6においては、第1の脱脂洗浄工程のみを行い、第2の脱脂洗浄工程は行っていない。
Figure 0005627387
<洗浄条件7>
洗浄条件3と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件7でのVO1、VI1、VO2、VI2を表3に示す。詳細には、洗浄条件7においては、洗浄条件6と同様に、脱脂洗浄工程を表4に示す脱脂洗浄条件を用いて行った。なお、表4は表1の※を含む。また、洗浄条件7においても、第1の脱脂洗浄工程のみを行い、第2の脱脂洗浄工程は行っていない。
[実施例1]
洗浄条件1の条件で洗浄された円筒状基体及び洗浄条件2の条件で洗浄された円筒状基体を用いて、図3に示すRF帯の高周波電源を用いたプラズマ処理装置により表5に示す条件でa−Si電子写真感光体を各々3本ずつ作製した。但し、洗浄条件1の条件で洗浄された円筒状基体を用いて作製されたa−Si電子写真感光体を電子写真感光体No.1とした。また、洗浄条件2−1の条件で洗浄された円筒状基体を用いて作製されたa−Si電子写真感光体を電子写真感光体No.2−1とした。他の洗浄条件で洗浄された円筒状基体を用いて作製されたa−Si電子写真感光体にも同様に洗浄条件No.と対応した電子写真感光体No.をつけた。
Figure 0005627387
実施例1で作製されたa−Si電子写真感光体の異常成長部の数を下記に示す異常成長部の数の測定法により評価した。これら評価結果を表6に示す。
[比較例1]
洗浄条件を洗浄条件3、洗浄条件4、洗浄条件5、洗浄条件6、又は洗浄条件7に変える以外は実施例1と同様にしてa−Si電子写真感光体を各洗浄条件で3本ずつ作製した。但し、洗浄条件3の条件で洗浄された円筒状基体を用いて作製されたa−Si電子写真感光体を電子写真感光体No.3とした。他の洗浄条件で洗浄された円筒状基体を用いて作製されたa−Si電子写真感光体にも同様に洗浄条件No.に対応させて電子写真感光体No.をつけた。
比較例1で作製されたa−Si電子写真感光体の異常成長部の数を実施例1と同様に評価した。これら評価結果を表6に示す。
(異常成長部数の評価)
異常成長部の数の測定は、作製されたa−Si電子写真感光体をラインセンサCCD(竹中システム機器株式会社製、TL−7400CL)を用いて、電子写真感光体の表面全域をスキャンし、長径10μm以上の異常成長部の数を測定した。同様に合計3本の電子写真感光体を測定して得られた異常成長部の数の平均値をその条件における異常成長部の数とした。そして、比較例1の電子写真感光体No.4の異常成長部の数に対する各a−Si電子写真感光体の異常成長部の数の比率(%)を求め、異常成長部の数を評価した。
評価においては、異常成長部の数が比較例1における電子写真感光体No.4の異常成長部の数に対して30%未満をA、30%以上40%未満をB、40%以上50%未満をC、50%以上60%未満をD、60%以上70%未満をE、70%以上80%未満をF、80%以上90%未満をG、90%以上100%未満をH、100%以上120%未満をI、120%以上をJとした。なお、異常成長部数の評価においては、AからHの範囲であれば本発明の効果が得られていると判断した。
実施例1及び比較例1の評価結果を表6に示す。なお、表中では、円筒状基体を脱脂洗浄槽の所定の位置に設置している状態を浸漬状態と表記し、また、円筒状基体を脱脂洗浄槽より引き上げた状態を引上げ状態と表記する。
Figure 0005627387
表6の結果より、脱脂洗浄工程において第2の脱脂洗浄工程を行い、更に、浸漬状態の時には円筒状基体の外面側の流速を速くし、且つ、引上げ状態の時には脱脂洗浄槽の中央部の流速を速くすることにより、異常成長部の数が低減できることが確認できた。
<洗浄条件8>
洗浄条件1と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件8においては、図6に示す洗浄装置及び図2に示す脱脂洗浄装置を用い、表7に示す洗浄条件及び表2に示す脱脂洗浄条件を用いた。なお、表2は表7の※を含む。
Figure 0005627387
※の条件は、別表に示す。
<切削工程2>
外径84.00mm、長さ381mm、肉厚3mmの円筒状のアルミニウム基体(神戸製鋼製 アルミニウム純度:3N)を用い、切削工程1と同様に表面加工を施した。
<洗浄条件9>
洗浄条件8と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件9においては、切削工程2で表面加工された円筒状基体を用いた。
<洗浄条件10>
洗浄条件9と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件10においては、表7に示す洗浄条件及び表8に示す脱脂洗浄条件を用いた。なお、表8は表7の※を含む。表8に示す脱脂洗浄工程では、第1の脱脂洗浄工程を行った後、第2の脱脂洗浄工程の1回目、2回目を順次行うものである。そのため、脱脂洗浄槽への円筒状基体の浸漬回数は合計で3回となる。
Figure 0005627387
<洗浄条件11>
洗浄条件9と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件11においては、表7に示す洗浄条件及び表9に示す脱脂洗浄条件を用いた。なお、表9は表7の※を含む。表9に示す脱脂洗浄工程では、第1の脱脂洗浄工程を行った後、第2の脱脂洗浄工程の1回目、2回目、3回目を順次行うものである。そのため、脱脂洗浄槽への円筒状基体の浸漬回数は合計で4回となる。
Figure 0005627387
<洗浄条件12>
洗浄条件9と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件12においては、表7に示す洗浄条件及び表10に示す脱脂洗浄条件を用いた。なお、表10は表7の※を含む。
Figure 0005627387
[実施例2]
洗浄条件を洗浄条件8、9、10、11、12に変えた以外は実施例1と同様にしてa−Si電子写真感光体を各洗浄条件で3本ずつ作製した。洗浄条件8の条件で洗浄された円筒状基体を用いて作製されたa−Si電子写真感光体を電子写真感光体No.8とした。他の洗浄条件で洗浄された円筒状基体を用いて作製されたa−Si電子写真感光体にも同様に洗浄条件No.と対応した電子写真感光体No.をつけた。
実施例2で作製されたa−Si電子写真感光体の異常成長部の数を実施例1と同様に評価した。これら評価結果を表11に示す。
Figure 0005627387
表11の結果から、円筒状基体の材質として純度が4Nのアルミニウムを使用した場合、皮膜形成処理の有無による差は見られず、異常成長部の数は良好な値を維持することが確認できた。また、皮膜形成処理を有する洗浄条件において、アルミニウムの純度を3Nとしても4Nとの差は見られず、異常成長部の数は良好な値を維持することが確認できた。
更に、第2の脱脂洗浄工程の回数を増やしても異常成長部の数は良好な値を維持することが確認できた。
そして、脱脂工程において、超音波を常時ONにしても、脱脂洗浄処理中のみONにした場合と比べ、異常成長部の数には変化が見られず、良好な値を維持することが確認できた。しかしながら、超音波を常時ONしていると、円筒状基体の導入時及び引上げ時に脱脂洗浄槽での乱流に起因した異常音の発生が確認でき、装置の安定性に問題があることが確認できた。
<洗浄条件13>
洗浄条件9と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件13においては、表7に示す洗浄条件及び表12及び表13に示す脱脂洗浄条件を用いた。なお、表12は表7の※を含む。
Figure 0005627387
Figure 0005627387
[実施例3]
洗浄条件を洗浄条件13−1、13−2、13−3、13−4に変えた以外は実施例1と同様にしてa−Si電子写真感光体を各洗浄条件で3本ずつ作製した。洗浄条件13−1の条件で洗浄された円筒状基体を用いて作製されたa−Si電子写真感光体を電子写真感光体No.13とした。同様に、洗浄条件13−2、13−3、13−4の条件で洗浄された円筒状基体を用いて作製されたa−Si電子写真感光体を各々電子写真感光体No.14、15、16とした。
実施例3で作製されたa−Si電子写真感光体の異常成長部の数を実施例1と同様に評価した。これら評価結果を表14に示す。
Figure 0005627387
表14に示すように、電子写真感光体No.13、No.15、No.16の異常成長部数は、電子写真感光体No.9、No.14の異常成長部数よりも少ない。
かかる表14の結果から、脱脂洗浄工程において、脱脂洗浄槽に供給される薬液の供給量を脱脂洗浄処理途中に増加させることにより、即ち、F2>F1とすることにより、異常成長部の数が更に低減することが確認できた。
また、電子写真感光体No.15の異常成長部数は、電子写真感光体No.13の異常成長部数よりも更に少ない。かかる結果から、脱脂洗浄槽に供給される薬液の供給量の増加を1回の脱脂洗浄工程の後半以降で行うことにより、即ち、t1>t2とすることにより、異常成長部の数がより一層低減することが確認できた。
<洗浄条件14>
洗浄条件9と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件14においては、表7に示す洗浄条件並びに、表15及び表16に示す脱脂洗浄条件を用いた。なお、表15は表7の※を含む。
Figure 0005627387
Figure 0005627387
[実施例4]
洗浄条件を洗浄条件14−1、14−2、14−3、14−4に変えた以外は実施例1と同様にしてa−Si電子写真感光体を各洗浄条件で3本ずつ作製した。洗浄条件14−1の条件で洗浄された円筒状基体を用いて作製されたa−Si電子写真感光体を電子写真感光体No.17とした。同様に、洗浄条件14−2、14−3、14−4の条件で洗浄された円筒状基体を用いて作製されたa−Si電子写真感光体を各々電子写真感光体No.18、19、20とした。
実施例4で作製されたa−Si電子写真感光体の異常成長部の数を実施例1と同様に評価した。これら評価結果を表17に示す。
Figure 0005627387
表17に示すように、電子写真感光体No.17の異常成長部数は、電子写真感光体No.15の異常成長部数よりも少ない。このことより、F1<F2とし、かつF2<F3とすることによって、異常成長部の数がより低減することが確認された。
また、表17に示すように、電子写真感光体No.18の異常成長部数は、電子写真感光体No.17と同程度である。かかる結果より、F1<F2とし、かつF2>F4とすることによって、電子写真感光体No.17と同程度、異常成長部の数が低減することが確認された。
さらに、表17に示すように、電子写真感光体No.19、20の異常成長部数は、電子写真感光体No.17、18の異常成長部数よりも少ない。かかる結果より、F1<F2とし、F2>F4とし、かつF2<F3とすることによって、電子写真感光体No.17、18よりも更に、異常成長部の数が低減することが確認された。
なお、F3は、円筒状基体の下面を脱脂洗浄槽の液面よりも高い位置まで引き上げた後の脱脂洗浄槽に供給される薬液の供給量を示す。
また、F4は、引上げ工程中に脱脂洗浄槽に供給される薬液の供給量、つまり、円筒状基体の表面の一部が脱脂洗浄槽の液面を通過している際の薬液の供給量を示す。
<洗浄条件15>
第2の脱脂洗浄工程において脱脂洗浄処理中は超音波の導入をOFFにする以外は、洗浄条件14−4と同様に円筒状基体の洗浄を行った。
<洗浄条件16>
洗浄条件9と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件16においては、表7に示す洗浄条件及び表18に示す脱脂洗浄条件を用いた。なお、表18は表7の※を含む。
Figure 0005627387
<洗浄条件17>
洗浄条件9と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件17においては、表7に示す洗浄条件及び表19に示す脱脂洗浄条件を用いた。なお、表19は表7の※を含む。
Figure 0005627387
[実施例5]
洗浄条件を洗浄条件15、16、17に変えた以外は実施例1と同様にしてa−Si電子写真感光体を各洗浄条件で3本ずつ作製した。洗浄条件15の条件で洗浄された円筒状基体を用いて作製されたa−Si電子写真感光体を電子写真感光体No.21とした。同様に、洗浄条件16の条件で洗浄された円筒状基体を用いたa−Si電子写真感光体を電子写真感光体No.22、洗浄条件17の条件で洗浄された円筒状基体を用いたa−Si電子写真感光体を電子写真感光体No.23とした。
実施例5で作製されたa−Si電子写真感光体の異常成長部の数を実施例1と同様に評価した。これら評価結果を表20に示す。
Figure 0005627387
表20に示すように、電子写真感光体No.21、22、23の異常成長部数は、電子写真感光体No.20の異常成長部数よりも少ない。このことより、第2の脱脂洗浄工程における脱脂洗浄処理中に脱脂洗浄槽に超音波を導入しない方が異常成長部の数が低減することが確認できた。
また、第2の脱脂洗浄工程の回数を増加させても、上記効果が同様に得られることも確認できた。
<洗浄条件18>
洗浄条件16と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件18においては、脱脂洗浄槽に供給される薬液の液温を35℃に制御した。
<洗浄条件19>
洗浄条件17と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件19においては、脱脂洗浄槽に供給される薬液の液温を35℃に制御した。
<洗浄条件20>
洗浄条件16と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件20においては、脱脂洗浄槽に供給される薬液の液温を50℃に制御した。
<洗浄条件21>
洗浄条件17と同様に切削加工が終了した円筒状基体を洗浄した。
但し、洗浄条件21においては、脱脂洗浄槽に供給される薬液の液温を50℃に制御した。
[実施例6]
洗浄条件を洗浄条件18、19、20、21に変えた以外は実施例1と同様にしてa−Si電子写真感光体を各洗浄条件で3本ずつ作製した。洗浄条件18の条件で洗浄された円筒状基体を用いて作製されたa−Si電子写真感光体を電子写真感光体No.24とした。同様に、洗浄条件19の条件で洗浄された円筒状基体を用いたa−Si電子写真感光体を電子写真感光体No.25、洗浄条件20の条件で洗浄された円筒状基体を用いたa−Si電子写真感光体を電子写真感光体No.26とした。更に、洗浄条件21の条件で洗浄された円筒状基体を用いたa−Si電子写真感光体を電子写真感光体No.27とした。
実施例6で作製されたa−Si電子写真感光体の異常成長部の数を実施例1と同様に評価した。これら評価結果を、表21に示す。
Figure 0005627387
表21の結果により、脱脂洗浄工程において、脱脂洗浄槽に供給される薬液の液温を35℃以上50℃以下としたとき、第2の脱脂洗浄工程の回数を1回以上3回以下にすることで、異常成長部の数が低減することが確認できた。
1001、2001、5001、6001、8001、9001、10001 ‥ 脱脂洗浄槽
1002、6002 ‥ リンス槽
1003、6003 ‥ 乾燥槽
1004、6004 ‥ 洗浄前ストッカー
1005、6005 ‥ 洗浄後ストッカー
1010、2010、5010、6010、8010、9010、10010 ‥ 円筒状基体
1021、2021、5021、6021、8005 ‥ 超音波振動子
1022、2022、5022、6022 ‥ 超音波発振器
1041、6041 ‥ 処理部
1042、6042 ‥ 基体搬送機構
1051、6051 ‥ 投入台
1052、2050、5050、6052 ‥ 搬送機構
1053、2053、5053、6053 ‥ 受け台
1054、6054 ‥ シャッター
2002、5002 ‥ 貯槽
2030、8001 ‥ 薬液供給経路
2031 ‥ 薬液供給経路のバイパス経路
2032 ‥ 薬液供給経路の循環ポンプ
2033、5033 ‥ ヒーター
2034、5034 ‥ 冷却機構
2035、5035 ‥ 槽の冷却機構
2036、5036 ‥ チラー
2037、2062、5037、5062 ‥ フィルター
2038 ‥ 薬液供給経路のバイパス経路の開閉バルブ
2039 ‥ 薬液供給経路のバイパス経路の手動バルブ
2060、5060 ‥ 槽内循環経路
2061、5061 ‥ 槽内循環ポンプ
2063、5063 ‥ 液面調整機構
2064、5064 ‥ 油水分離機
2051、5051 ‥ 搬送レール
2052、5052 ‥ 搬送アーム
2053、5053 ‥ 移動機構
2054、5054 ‥ エアーシリンダー
2055、5055 ‥ チャッキング機構
3100 ‥ 堆積装置
3110 ‥ 反応容器
3111 ‥ カソード電極
3112 ‥ 円筒状基体
3113 ‥ 基体加熱用ヒーター
3114 ‥ ガス導入管
3115 ‥ 高周波マッチングボックス
3116 ‥ ガス配管
3117 ‥ リークバルブ
3118 ‥ メインバルブ
3119 ‥ 真空計
3120 ‥ 高周波電源
3121 ‥ 絶縁材料
3123 ‥ 受け台
3200 ‥ ガス供給装置
3211〜3215 ‥ マスフローコントローラ
3221〜3225 ‥ ボンベ
3231〜3235 ‥ バルブ
3241〜3245 ‥ 流入バルブ
3251〜3255 ‥ 流出バルブ
3260 ‥ 補助バルブ
3261〜3265 ‥ 圧力調整器
5030、9001 ‥ 第1の薬液供給経路
5031 ‥ 第1の薬液供給経路のバイパス経路
5032 ‥ 第1の薬液供給経路の循環ポンプ
5038 ‥ 第1の薬液供給経路のバイパス経路の開閉バルブ
5039 ‥ 第1の薬液供給経路のバイパス経路の手動バルブ
5040、9006 ‥ 第2の薬液供給経路
5041 ‥ 第2の薬液供給経路のバイパス経路
5042 ‥ 第2の薬液供給経路の循環ポンプ
5048 ‥ 第2の薬液供給経路のバイパス経路の開閉バルブ
5049 ‥ 第2の薬液供給経路のバイパス経路の手動バルブ
6006 ‥ 皮膜形成槽
7000 ‥ 光受容層
7001 ‥ 基体
7002 ‥ 下部阻止層電荷注入阻止層
7003 ‥ 光導電層
7004 ‥ 表面層
8002、9002 ‥ 第1の薬液供給経路の薬液供給孔
9007 ‥ 第2の薬液供給経路の薬液供給孔

Claims (10)

  1. 円筒状基体の脱脂洗浄を行うための第1の脱脂洗浄工程及び第2の脱脂洗浄工程を有する円筒状基体の洗浄方法であって、
    前記第1の脱脂洗浄工程及び前記第2の脱脂洗浄工程を行うための脱脂洗浄槽界面活性剤含有する薬液を供給し、
    記脱脂洗浄槽に供給される前記薬液に超音波を導入し、
    記脱脂洗浄槽の下部から上部に向かって前記薬液が流れるように前記薬液を前記脱脂洗浄槽内に供給しながら前記脱脂洗浄槽の上面より前記薬液をオーバーフローさせ、
    前記脱脂洗浄槽内の前記薬液への前記円筒状基体の浸漬時には、前記薬液の流速が前記円筒状基体の内面側よりも外面側の方が速くなるように前記脱脂洗浄槽内に前記薬液を供給し、
    前記脱脂洗浄槽内の前記薬液に前記円筒状基体を浸漬させてから所定の時間が経過した後、前記円筒状基体の下面を前記脱脂洗浄槽内の前記薬液の液面よりも高い位置まで引き上げて、前記第1の脱脂洗浄工程を終了し、
    前記円筒状基体が前記液面よりも高い位置で保持されている間に、前記オーバーフローによって前記円筒状基体から除去された油を前記薬液とともに前記脱脂洗浄槽の外に排出するために、前記薬液の流速が前記円筒状基体の外面相当位置よりも内面相当位置の方が速くなるように前記脱脂洗浄槽前記薬液を供給し、
    前記円筒状基体を前記脱脂洗浄槽内の前記薬液に再度浸漬させて第2の脱脂洗浄工程を少なくとも1回
    ことを特徴とする円筒状基体の洗浄方法。
  2. 前記第2の脱脂洗浄工程を少なくとも1回行った後、前記円筒状基体の表面に皮膜を形成する皮膜形成工程、及び表面に皮膜形成された前記円筒状基体を純水で処理するリンス工程をう請求項1に記載の円筒状基体の洗浄方法。
  3. 前記第1の脱脂洗浄工程において、前記脱脂洗浄槽内の前記薬液に前記円筒状基体を浸漬したときの前記脱脂洗浄槽に供給される前記薬液の供給量をF1とし、前記脱脂洗浄槽内の前記薬液に前記円筒状基体を浸漬させてから前記所定の時間が経過した後の前記脱脂洗浄槽に供給される前記薬液の供給量をF2としたとき、F1<F2となるように前記脱脂洗浄槽内に供給される前記薬液の供給量を制御る請求項1又は2に記載の円筒状基体の洗浄方法。
  4. 前記脱脂洗浄槽内の前記薬液に前記円筒状基体を浸漬させる時間の半分以上が経過した後に、前記脱脂洗浄槽への前記薬液の供給量を前記F1から前記F2に増加させる請求項3に記載の円筒状基体の洗浄方法。
  5. 記円筒状基体の下面を前記脱脂洗浄槽内の前記薬液の液面よりも高い位置まで引き上げた後の前記脱脂洗浄槽に供給される前記薬液の供給量をF3としたとき、F2<F3とする請求項3又は4に記載の円筒状基体の洗浄方法。
  6. 前記円筒状基体の下面が前記脱脂洗浄槽内の前記薬液の液面よりも高い位置になるまで前記円筒状基体を前記脱脂洗浄槽から引き上げているときであって、前記円筒状基体の表面の一部が前記脱脂洗浄槽内の前記薬液の液面を通過している際の前記脱脂洗浄槽に供給される前記薬液の供給量をF4としたとき、F2>F4とする請求項3のいずれか1項に記載の円筒状基体の洗浄方法。
  7. 前記第2の脱脂洗浄工程においては前記脱脂洗浄槽内の前記薬液超音波導入しない請求項16のいずれか1項に記載の円筒状基体の洗浄方法。
  8. 記脱脂洗浄槽に供給された前記薬液の液温を35℃以上50℃以下に制御し、前記第2の脱脂洗浄工程の回数を1回以上3回以下にする請求項17のいずれか1項に記載の円筒状基体の洗浄方法。
  9. 前記脱脂洗浄槽に供給された前記薬液への超音波の導入を停止した状態で前記脱脂洗浄槽から前記円筒状基体を引き上げる請求項18のいずれか1項に記載の円筒状基体の洗浄方法。
  10. 請求項19のいずれか1項に記載の円筒状基体の洗浄方法により、円筒状基体を洗浄する工程と、
    洗浄された前記円筒状基体の上にケイ素原子を含む非晶質材料で構成された光導電層を形成する工程
    有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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