JP2011031831A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェット路面や氷雪路面上でのトラクション性の低下を抑制しつつ、ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制する空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝と、タイヤ幅方向に延びる複数の幅方向溝と、によって画定される複数のブロック20をトレッド部に備え、回転方向が定められている。ブロック20の接地面には、接地面の踏み込み側に突起部30が設けられ、突起部30の幅は、タイヤ幅方向におけるブロック20の幅の半分以上であり、ブロック20の接地面を基準とした突起部30の高さは、0.5mm以上2.0mm以下であり、タイヤ周方向における突起部30の長さは、0.5mm以上5.0mm以下であり、周方向溝又は幅方向溝のうち深い方の溝の底面を基準とした突起部20の最大突出位置までの高さは、ブロック20の接地面のうち突起部が形成されていない部分までの高さよりも高い。
【選択図】図3

Description

本発明は、トレッド部にブロックパターンを備える空気入りタイヤに関する。
ウェット路面や氷雪路面上で優れたトラクション性を発揮するために、トレッド部にブロックパターンを備える空気入りタイヤが用いられている。一般に、トレッド部にブロックを備える空気入りタイヤにおいて、ブロック内における蹴り出し側の方が踏み込み側よりも早く摩耗する偏摩耗が発生することが知られている。この偏摩耗は、蹴り出し側のブロック端付近に蹴り出し時に大きなせん断力が作用し、路面に対して滑ることにより生ずる。この偏摩耗は、ヒール・アンド・トゥ摩耗と呼ばれる。ヒール・アンド・トゥ摩耗が発生すると、走行時の騒音が大きくなる、グリップ性能が低下する、などの問題が生じる。
ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制するために、ショルダーブロックのラグ溝に段差突起部を設けた空気入りタイヤが提案されている(特許文献1)。この空気入りタイヤでは、タイヤのショルダーブロックのラグ溝内に、段差突起部を設けたため、ショルダーブロックの挙動は小さくなり、踏み込み側のブロックのエッジ近傍に集中していたせん断応力が適度に分散される構成となっている。
特開平6−297917号公報
しかしながら、ラグ溝に段差突起部を設けることにより、ショルダー領域の溝の容積が減少し、ウェット路面や氷雪路面上でのトラクション性の低下を引き起こすという問題が生じる。
本発明は、ウェット路面や氷雪路面上でのトラクション性の低下を抑制しつつ、ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝と、タイヤ幅方向に延びる複数の幅方向溝と、によって画定される複数のブロックをトレッド部に備え、回転方向が定められている。前記ブロックの接地面には、前記接地面の踏み込み側に突起部が設けられ、前記突起部の幅は、タイヤ幅方向における前記ブロックの幅の半分以上であり、前記ブロックの接地面を基準とした前記突起部の高さは、0.5mm以上2.0mm以下であり、タイヤ周方向における前記突起部の長さは、0.5mm以上5.0mm以下であり、前記周方向溝又は前記幅方向溝のうち深い方の溝の底面を基準とした前記突起部の最大突出位置までの高さは、前記ブロックの接地面のうち前記突起部が形成されていない部分までの高さよりも高いことを特徴とする。
また、前記ブロックは、踏み込み側の端部に前記突起部を備えることが好ましい。
また、前記ブロックの接地面には、前記接地面の踏み込み側に、前記突起部が複数設けられることが好ましい。
また、前記複数の突起部の各々の高さは、踏み込み側の端部に近い突起部ほど高いことが好ましい。
また、前記ブロックに設けられる突起部の数は、前記空気入りタイヤの幅方向外側に位置するブロックほど多いことが好ましい。
本発明の空気入りタイヤによれば、ウェット路面や氷雪路面上でのトラクション性の低下を抑制しつつ、ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制することができる。
第1の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドバターンの一例を示す展開図である。 第1の実施形態に係るトレッドパターンのブロックの一例を示す図である。 第1の実施形態に係るトレッドパターンのブロックの一例を示す図である。 図1に示すA−A線に沿ったブロックの断面図である。 (a)は、変形例1に係るトレッドパターンのブロックの一例を示す図であり、(b)は、変形例2に係るトレッドパターンのブロックの一例を示す図である。 第2の実施形態に係るトレッドパターンのブロックの一例を示す図である。 第3の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンの一例を示す展開図である。 従来例に係るトレッドパターンのブロックを示す図である。
<実施形態1>
以下、本実施形態の空気入りタイヤについて、詳細に説明する。
本実施形態の空気入りタイヤは、JATMA YEAR BOOK 2008(日本自動車タイヤ協会規格)のC章に規定されているトラック及びバス用の重荷重用タイヤに適用することができる。重荷重用タイヤの他、A章に規定されている乗用車用タイヤ、B章に規定されている小形トラック用タイヤに適用することもできる。
まず、図1を参照して、本実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンを説明する。図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンの一例を示す展開図である。図1の縦方向はタイヤ周方向を示す。本実施形態の空気入りタイヤは回転方向が定められており、図1の下方向はタイヤ回転方向を示す。また、図1の横方向はタイヤ幅方向を示す。また、CLはタイヤ赤道線を示す。図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝10と、タイヤ幅方向に延びる複数の幅方向溝12と、によって画定される複数のブロック20をトレッド部に備える。ブロック20が路面と接地する面(以下、「ブロックの接地面」と呼ぶ。)の踏み込み側には、突起部30が設けられる。
ここで、周方向溝10は、図1に示されるようにタイヤ赤道線CLと平行な溝に限定されない。周方向溝10は、例えば、タイヤ赤道線CLに対して35度以内の角度で傾斜する溝も含む。また、周方向溝10の幅は、5mm以上である。
また、幅方向溝12は、図1に示されるように、タイヤ赤道線CLに直交する方向(タイヤ幅方向)と平行な溝に限定されない。幅方向溝12は、例えば、タイヤ幅方向に対して35度以内の角度で傾斜する溝も含む。また、幅方向溝12の幅は、2mm以上である。
また、本実施形態では、周方向溝10と幅方向溝12の深さは同じとするが、溝の深さを異ならせてもよい。
ここで、図2を参照して、ブロック20が備える突起部30について詳細に説明する。図2は、図1に示すトレッドパターンのブロック20の一例を示す図である。本実施形態のブロック20の形状は直方体であり、タイヤ周方向の長さが50mm、タイヤ幅方向の長さ(ブロック幅)が35mm、ブロック20の高さ(溝の深さ)が20mmである。
以下の説明では、ブロック20の接地面のうち、ブロック20を回転方向の前方と後方の領域に2等分したときに、ブロック20が先に接地する側の領域を踏み込み側領域22と呼ぶ。また、ブロック20の接地面のうち、ブロック20を回転方向の前方と後方の領域に2等分したときに、ブロック20が後に接地する側の領域を蹴り出し側領域24と呼ぶ。なお、ブロック20の2等分とは、タイヤ回転方向におけるブロック20の両端の中点を結んでできる中線により分割することをいう。図2において、点線は上述した中線を示す。
本実施形態において、ブロック20の接地面には、踏み込み側領域22に突起部30が設けられている。図2に示される例では、ブロック20には、タイヤ周方向において、踏み込み側領域22の中心に突起部30が設けられる。突起部30は、幅方向溝12と平行に設けられる。また、タイヤ周方向に沿った突起部30の断面形状は半円形である。
突起部30の幅Wは、タイヤ幅方向におけるブロック20の幅の半分以上である。また、ブロック20の接地面を基準とした突起部30の高さHは、0.5mm以上2.0mm以下である。また、タイヤ周方向における突起部30の長さLは、0.5mm以上5.0mm以下である。また、周方向溝10(又は幅方向溝12)の底面を基準とした突起部30の最大突出位置までの高さは、ブロック20の接地面のうち突起部30が形成されていない部分までの高さよりも高い。
上述したように、本実施形態では周方向溝10と幅方向溝12の深さを同じであるため、周方向溝10の底面、又は幅方向溝12の底面のいずれかを高さの基準とする。周方向溝10と幅方向溝12の深さが異なる場合は、深い方の溝の底面を高さの基準とする。
本実施形態によれば、ウェット路面や氷雪路面上でのトラクション性の低下を抑制しつつ、ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制することができる。
また、図3に示すように、ブロック20が、踏み込み側領域22のうち最もタイヤ回転方向に位置する端部(以下、「踏み込み側端部」と呼ぶ。)に突起部30を備えることがより好ましい。すなわち、突起部30の踏み込み側の端部がブロック20の踏み込み側の端部に一致するように突起部30を備えるとよい。
本実施形態の空気入りタイヤは、ブロック20の踏み込み側領域22に上述した突起部30を備えるため、以下に説明するように、ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制することができる。図4を参照して、本実施形態によりヒール・アンド・トゥ摩耗が抑制されるメカニズムを説明する。
図4は、図1に示すA−A線に沿ったブロック20の断面図である。図4には、幅方向溝12を挟んでタイヤ周方向に隣接する2つのブロック20A,20Bが示されている。ブロック20Aは、踏み込み側領域22Aに突起部30Aを備える。また、ブロック20Bは、踏み込み側領域22Bに突起部30Bを備える。
本実施形態では、周方向溝10の底面を基準とした突起部30Bの最大突出位置までの高さは、ブロック20Bの接地面のうち突起部30Bが形成されていない部分までの高さよりも高い。そのため、突起部30Bが設けられる位置の接地圧は、ブロック20Bの接地面のうち突起部30Bが形成されていない部分の接地圧よりも高くなる。また、本実施形態では、ブロック20Bが踏み込み側領域22Bに突起部30Bを備える。そのため、ブロック20Bが備える突起部30Bにより、幅方向溝12を挟んでタイヤ回転方向に隣接するブロック20Aの蹴り出し側領域24Aの接地圧が低くなる。これにより、ブロック20Aの蹴り出し側領域24Aが地面から離れるときに生じる地面との滑りによる摩耗エネルギーが低下し、ヒール・アンド・トゥ摩耗が抑制される。
(変形例1)
第1の実施形態の変形例1のブロック20の一例を図5(a)に示す。本変形例では、突起部30の幅が、タイヤ幅方向におけるブロック20の幅の半分以上であり、かつ、ブロック20の幅未満である。突起部30の幅がブロック20の幅未満である場合、タイヤ幅方向において突起部30が設けられる位置は特に限定されない。しかし、突起部30が設けられる位置にブロック20の中心が位置するように、突起部30が設けられることが好ましい。
(変形例2)
第1の実施形態の変形例2のブロック20の一例を図5(b)に示す。本変形例では、突起部30は、タイヤ幅方向に分断されて設けられる。図5(b)に示す例では、ブロック20の幅の45%の突起部30C、30Dが、所定の間隔を空けてタイヤ幅方向に隣接して設けられる。本変形例の突起部30C,30Dのように、タイヤ幅方向に分断された個々の突起部の幅がブロック20の幅の半分未満であっても、タイヤ幅方向に隣接して設けられる複数の突起部の幅の和がブロック20の幅の半分以上であれば、ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制する効果を有する。そのため、タイヤ幅方向において突起部30が分断されて設けられている場合は、分断された複数の突起部の幅の和が、ブロック20の幅の半分以上であることが好ましい。
(他の変形例)
本実施形態では、上述したようにタイヤ周方向における突起部30の断面形状は半円形である。しかし、突起部30の形状は特に限定されるものではない。例えば、タイヤ周方向における断面形状が、三角形、長方形、正方形、台形となる突起部30をブロック20に設けてもよい。
また、本実施形態では、上述したようにブロック20は直方体である。しかし、ブロック20の形状は特に限定されるものではない。例えば、ブロック20の接地面が曲率を持つ形状であってもよい。また、ブロック20の接地面の形状は、長方形に限られない。ブロック20の接地面の形状は、例えば、平行四辺形、台形、その他の多角形でもよい。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態のブロック20が備える突起部について詳細に説明する。本実施形態のトレッドパターンの概略は、説明した第1の実施形態と同様である。図6は、本実施形態におけるブロック20の一例を示す図である。本実施形態のブロック20は、踏み込み側領域22に、突起部を複数備える。図6に示されるように、本実施形態では、ブロック20は、踏み込み側領域22に、5つの突起部30〜34を備える。5本の突起部30〜34は、踏み込み側領域22に等間隔に設けられる。ブロック20の踏み込み側領域22に、複数の突起部が設けられることにより、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制することができる。
なお、突起部の数は特に限定されるものではないが、3〜10とすることが好ましい。
また、複数の突起部の各々の高さは、踏み込み側端部に近い突起部ほど高くすることが好ましい。すなわち、突起部30〜34の高さをそれぞれH〜Hとすると、H≧H≧H≧H≧H、かつ、H>Hとすることが好ましい。これにより、ブロックの接地圧分布が適正化され、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制することができる。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンを説明する。図7は、本実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。図7に示されるように、本実施形態に係る空気入りタイヤは、タイヤ幅方向において外側に位置するブロックほど、多くの突起部を備える。図7に示される例では、タイヤ赤道線CLの最も近くに位置するブロック20は、1つの突起部30を備える。また、次にタイヤ幅方向において次に外側に位置するブロック20は、2つの突起部30,31を備える。また、タイヤ幅方向において最も外側に位置するブロック20は、3つの突起部30,31,32を備える。
タイヤ幅方向においてタイヤ赤道線CLから離れるほど、ヒール・アンド・トゥ摩耗が大きくなるため、本実施形態のように、タイヤ幅方向において外側に位置するブロックほど多くの突起部を備えることにより、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制することができる。
以下、本発明の効果をより明確にするために行った従来例、実施例、比較例に係る空気入りタイヤを用いて行った試験結果について説明する。タイヤサイズは、295/80R22.5であり、JATMA YEAR BOOK 2008(日本自動車タイヤ協会規格)に規定された空気圧の条件下、2−D4のテスト車両の総輪に空気入りタイヤを装着した。使用荷重は、JATMA YEAR BOOK 2008(日本自動車タイヤ協会規格)で規定される荷重に調整した。
このテスト車両を30000km走行させ、走行後に耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性を測定した。具体的には、ブロックに発生したヒール・アンド・トゥ摩耗の大きさを測定し、測定した数値を指数化することにより、耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性を測定した。より具体的には、踏み込み側端部において、突起部を含まないブロックの高さをD、蹴り出し側端部におけるブロックの高さをDとすると、(D−D)/Dで定義される段差比率を指数化した。
また、時速60kmにおいてWET制動試験を行い、トラクション性を評価した。具体的には、ウェット路面における制動距離の3回の平均値を指数化することにより、トラクション性を評価した。
(従来例、実施例1,2)
まず、従来例、実施例1,2を用いて、突起部30の有無の効果を調べる試験を行った。
図8は、従来例のブロック20を示す図である。図8に示されるように、従来例のブロック20は突起部を備えない点を除いて、以下に説明する実施例と同じである。以下の実施例や比較例における耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性(耐H&T摩耗性)を示す指数は、従来例のブロック20を用いた場合の指数を基準とする。従来例のブロック20を用いた場合の耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性の指数を100とする。耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性の指数が高いほどヒール・アンド・トゥ摩耗が生じにくいことを意味する。
図2は、実施例1のブロック20を示す図である。図2を参照して説明したように、実施例1のブロック20は、タイヤ周方向において、踏み込み側領域22の中心に突起部30を備える。突起部30の幅Wは、ブロックの幅と等しい。また、ブロック20の接地面を基準とした突起部30の高さHは、1.0mmである。また、タイヤ周方向における突起部30の長さLは、1.0mmである。
図3は、実施例2のブロック20を示す図である。図3を参照して説明したように、実施例2のブロック20は、踏み込み側端部に突起部30を備える。突起部30の幅W、高さH、長さLは、実施例1と同じである。
従来例、実施例1,2における耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性の試験結果を表1に示す。

表1の結果から、ブロック20が踏み込み側領域22に突起部30を備えることにより、従来例と比較して、ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制できることが分かった。特に、ブロック20が、踏み込み側端部に突起部30を備えることにより、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制できる。
また、表1には記されていないが、従来例と比較して、実施例1,2のトラクション性が低下することはなかった。これは、周方向溝10、幅方向溝12が従来例と実施例1,2とで変わらないためである。
(実施例3,4、比較例1)
次に、実施例3,4、比較例1を用いて、突起部30の幅Wの効果を調べる試験を行った。
図5(a)は、実施例3のブロック20を示す図である。図5(a)に示されるように、実施例3のブロック20は、踏み込み側端部に突起部30を備える。突起部30の幅Wは、ブロックの幅の半分(50%)である。突起部30の高さH、長さLは、実施例2と同じである。突起部30は、ブロック20の幅方向の中心に位置する。
実施例4の突起部30は、幅Wがブロックの幅の70%である。その他は、実施例3と同じである。
比較例1の突起部30は、幅Wがブロックの幅の40%である。その他は、実施例3と同じである。
比較例1、実施例3,4における耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性の試験結果を表2に示す。

表2の結果から、突起部30の幅Wがブロック20の幅の半分以上であることにより、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制できることが分かった。特に、実施例2〜4を比較すると、突起部30の幅Wが大きくなるほど、ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制する効果が特に大きくなることが分かった。
また、表2には記されていないが、従来例と比較して、実施例3,4のトラクション性が低下することはなかった。
(実施例5,6、比較例2,3)
次に、実施例5,6、比較例2,3を用いて、突起部30の高さHの効果を調べる試験を行った。
比較例2のブロック20は、実施例2と同様に、踏み込み側端部に突起部30を備える。突起部30の高さHは、0.4mmである。突起部30の幅W、長さLは、実施例2と同じである。
実施例5の突起部30は、高さHが0.5mmである。それ以外は、実施例2と同じである。
実施例6の突起部30は、高さHが2.0mmである。それ以外は、実施例2と同じである。
比較例3の突起部30は、高さHが2.5mmである。それ以外は、実施例2と同じである。
比較例2,3、実施例2,5,6における耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性の試験結果を表3に示す。

表3の結果から、突起部30の高さHが0.5mm以上であることにより、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制できることが分かった。突起部30の高さHが0.5mm未満であると、突起部30を設けた位置における接地圧を十分に高めることができず、幅方向溝12を挟んで隣接するブロック20の蹴り出し側領域24の接地圧を低減させる効果が弱まるためである。
また、表3には記されていないが、従来例と比較して、実施例5,6のトラクション性が低下することはなかった。しかし、突起部30の高さHを2.0mmよりも大きくした比較例3においては、従来例と比較してトラクション性が低下した。そのため、突起部30の高さHは、2.0mm以下であることが好ましい。
(実施例7〜9、比較例4,5)
次に、実施例7〜9、比較例4,5を用いて、タイヤ周方向における突起部30の長さLの効果を調べる試験を行った。
比較例4のブロック20は、実施例2と同様に、踏み込み側端部に突起部30を備える。タイヤ周方向における突起部30の長さLは、0.4mmである。突起部30の幅W、高さHは、実施例2と同じである。
実施例7の突起部30は、タイヤ周方向の長さLが0.5mmである。それ以外は、比較例4と同じである。
実施例8の突起部30は、タイヤ周方向の長さLが2.0mmである。それ以外は、比較例4と同じである。
実施例9の突起部30は、タイヤ周方向の長さLが5.0mmである。それ以外は、比較例4と同じである。
比較例5の突起部30は、タイヤ周方向の長さLが6.0mmである。それ以外は、比較例4と同じである。
比較例4,5、実施例2,7〜9における耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性の試験結果を表4に示す。

表4の結果から、タイヤ周方向の突起部30の長さLが0.5mm以上であることにより、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制できることが分かった。タイヤ周方向の突起部30の長さLが0.5mm未満であると、突起部30を設けた位置における接地圧を十分に高めることができず、その結果、幅方向溝12を挟んで隣接するブロック20の蹴り出し側領域24の接地圧を低減させる効果が弱まるためである。
また、表4には記されていないが、従来例と比較して、実施例7〜9のトラクション性が低下することはなかった。しかし、タイヤ周方向の突起部30の長さLが5.0mmよりも大きい比較例5においては、従来例と比較してトラクション性が低下した。そのため、タイヤ周方向の突起部30の長さLは、5.0mm以下であることが好ましい。
(実施例10,11)
次に、実施例10,11を用いて、複数の突起部を設けることの効果を調べる実験を行った。
図6は、実施例10のブロック20を示す図である。図6に示されるように、実施例10のブロック20は、踏み込み側領域22に、5つの突起部30〜34を備える。5本の突起部30〜34は、踏み込み側領域22に等間隔に設けられる。突起部30〜34の幅Wは、いずれもブロックの幅と等しい。また、突起部30〜34の高さHは、いずれも1.0mmである。また、タイヤ周方向における突起部30〜34の長さLは、いずれも2.0mmである。
実施例11のブロック20は、実施例10と同様に、踏み込み側領域22に、5つの突起部30〜34を備える。実施例11の5つの突起部30〜34の各々の高さは、踏み込み側端部に近い突起部ほど高い。突起部30〜34の高さをそれぞれH〜Hとすると、実施例11では、H=2.0mm、H=1.8mm、H=1.5mm、H=1.2mm、H=1.0mmである。
実施例10,11における耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性の試験結果を表5に示す。

表5の結果から、ブロック20の踏み込み側領域22に、複数の突起部を設けることにより、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制できることが分かった。特に、複数の突起部の各々の高さを踏み込み側端部に近い突起部ほど高くすることにより、ブロックの接地圧分布が適正化され、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制できることが分かった。
また、表5には記されていないが、従来例と比較して、実施例10,11のトラクション性が低下することはなかった。
また、他の実施例として、H=2.0mm、H=2.0mm、H=1.5mm、H=1.5mm、H=1.0mmとした場合にも、実施例11と同様の効果が確認された。
10 周方向溝
12 幅方向溝
20 ブロック
22 踏み込み側領域
24 蹴り出し側領域
30,31,32,33,34 突起部

Claims (5)

  1. タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝と、タイヤ幅方向に延びる複数の幅方向溝と、によって画定される複数のブロックをトレッド部に備え、回転方向が定められた空気入りタイヤであって、
    前記ブロックの接地面には、前記接地面の踏み込み側に突起部が設けられ、
    前記突起部の幅は、タイヤ幅方向における前記ブロックの幅の半分以上であり、
    前記ブロックの接地面を基準とした前記突起部の高さは、0.5mm以上2.0mm以下であり、
    タイヤ周方向における前記突起部の長さは、0.5mm以上5.0mm以下であり、
    前記周方向溝又は前記幅方向溝のうち深い方の溝の底面を基準とした前記突起部の最大突出位置までの高さは、前記ブロックの接地面のうち前記突起部が形成されていない部分までの高さよりも高いことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ブロックは、踏み込み側の端部に前記突起部を備える、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ブロックの接地面には、前記接地面の踏み込み側に、前記突起部が複数設けられる、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記複数の突起部の各々の高さは、踏み込み側の端部に近い突起部ほど高い、請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ブロックに設けられる突起部の数は、前記空気入りタイヤの幅方向外側に位置するブロックほど多い、請求項3又は4に記載の空気入りタイヤ。
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