JP2011031468A - 顔料インク用攪拌システム - Google Patents

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Abstract

【課題】顔料インク用攪拌システムにおいて、インク容器内の顔料インクに機械的振動等を外部から顔料インクに作用させることなく顔料インクを攪拌できること。
【解決手段】各メインインクタンク26A〜26Fにおけるインク袋の外周部の両面にそれぞれ、交流電圧が印加される平坦な形状の小電極40および大電極42が、向かい合って当接され、小電極40の表面積Aと大電極42の表面積Bとが大きく異なるようにするために大電極42の表面積Bは、例えば、メインインクタンク26Aの最も表面積の広い面の表面積と同一の面積に設定され、小電極40の表面積Aの表面積Bに対する面積比が1:10程度になる大きさに設定されるもの。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットプリンタ等を含むインクジェット装置において装備できる顔料インク用攪拌システムに関する。
インクジェットプリンタにおいては、記録ヘッドに供給される染料インクまたは顔料インクを収容するインク容器が装備されている。顔料インクが収容されるインク容器が利用される場合、例えば、印刷しない状態が長時間続くようなとき、その顔料インクがインク容器内で長時間放置されることとなる。斯かるとき、顔料インクの成分における色剤(色素)となる粒子(以下、顔料粒子ともいう)は、顔料インクの成分の他の一つの成分となる溶媒よりも比重が重いので重力によってインク容器内で重力方向に沈降し容器の底部に沈殿してしまう。これにより、インク容器内に貯留される顔料インクの濃度が均一とならないので記録ヘッドによる最適な画質での印刷ができなくなる虞がある。
このような場合、インクジェットプリンタにおいて、インク収納室内における顔料インクの顔料粒子の分布の均質化を図るべく、例えば、顔料インクを攪拌させる一対の攪拌部材が、インク収納室内に揺動可能に設けられるものが提案されている。その攪拌部材は、顔料インクの比重よりも大なる比重を有する金属材料で薄板状に作られている。攪拌部材は、インク容器が搭載されるキャリッジが往復移動される場合、それによって生じる慣性力により揺動されるように構成されている。即ち、キャリッジを左右に動かしながらインク容器を激しく振ることにより、インク収納室内の顔料インクを攪拌させ、従って、顔料粒子の濃度分布がインク容器内で均質となるように顔料粒子を分散させている。この結果、インク収納室内における顔料インクの顔料粒子の分布が均質化されるので記録ヘッドによって良好な画像が記録媒体上に記録されることとなる。
また、インクジェットプリンタにおいて、特許文献1にも示されるように、カートリッジの構造を複雑化することなく、カートリッジ内のインクを攪拌すべく、カートリッジの底部を加熱するヒータがキャリッジに設けられるものが、提案されている。斯かるヒータによりインク室内の底部近傍のインクが加熱される場合、インクの対流をインク室内に生じさせることとなる。従って、インク室内のインクが攪拌されることとなる。
さらに、特許文献1においては、カートリッジ内のインク室内の磁性インクを攪拌すべく、インク室内の磁性粒子が右端および左端に設けられた磁石により引き寄せられる構成が提案されている。即ち、カートリッジが搭載されたキャリッジが左端に移動したとき、インク室内の磁性粒子が左側に設けられる磁石に引き寄せられる。一方、そのキャリッジが右端に移動したとき、インク室内の磁性粒子が右端に設けられた磁石により引き寄せられることとなる。従って、斯かる構成により、インク室内の磁性インクが攪拌されることとなる。
インク吐出装置において、特許文献2にも示されるように、インク容器内に、棒状の吸着電極および平面状の大電極と、それらの電極に交流電圧を印加する交流電圧印加部とが設けられるものが提案されている。この構成により、記録媒体上に形成される画像の品質および記録ヘッドの記録動作の弊害となるインク容器内に浮遊する塵等が吸着除去される。
斯かる構成において、一対の異なる形状の電極相互間に交流電圧が印加される場合、棒状の吸着電極がインク内に浮遊する塵等を吸着する。これにより、インク吐出部の目詰まりが生じるような大きな塵等がインク中から除去されるのでインクフィルタに目詰まりが回避されることとなる。
特開2002−337360号公報 特開平08−258281号公報
顔料インクを使用するインクジェットプリンタにおいて、顔料インクの濃度をインク容器内で均質化させる手段として、攪拌部材が内部に設けられるインク容器が搭載されたキャリッジを往復させる手段は、有効である。なぜならば、この手段は、顔料粒子がインク容器内に沈殿してしまった顔料インクを効率よく攪拌できるからである。
しかしながら、単位時間あたりのインクの消費の増大に起因したインク容器の大容量化の要求、および、キャリッジ部分の軽量化の要求に対応しようとした場合、大容量のインク容器をキャリッジ上に搭載することが困難となる。即ち、インク容器はインクジェットプリンタ本体に静止された状態で固定される構成が求められる。
このような場合、特許文献1に示されるように、カートリッジ内のインクの対流を引き起こすヒータがキャリッジに設けられる構成を備える顔料インクの攪拌方法を採用することは不可能となる。また、インク容器(カートリッジ)を伴ったキャリッジを動かすことによる顔料インクの攪拌方法を採用することも不可能となる。即ち、インクジェットプリンタにおいて、インク容器がインクジェットプリンタ本体に固定された構成の場合でも顔料インクを攪拌できる攪拌手段が要望される。このような場合、例えば、各インク容器ごとに機械式の攪拌機を備えることも考えられるが、しかし、装置が大型化し保守が煩雑となり得策でない。
また、特許文献2に記載されているように、インク容器において、一対の棒状の吸着電極、および、平面状の電極相互間に交流電圧を印加する構成により、塵等のような顔料粒子を吸着電極に吸着させることは可能である。そこで、仮に顔料インクの攪拌のためにその構成を採用することを考慮した場合、顔料粒子が棒状の吸着電極に吸着されるだけであって攪拌されないのでインク容器内の顔料インクの濃度を均質化することは不可能である。
以上の問題点を考慮し、本発明は、顔料インク用攪拌システムであって、インク容器内の顔料インクに機械的振動等を外部から顔料インクに作用させることなく顔料インクを攪拌できる顔料インク用攪拌システムを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係る顔料インク用攪拌システムは、電場により誘電分極が引き起こされる攪拌粒子と、溶媒とを含んでなる顔料インクを収容するインク容器の一方の外周部に直接的、または、絶縁材料を介して間接的に当接するとともに攪拌粒子に重力が作用する方向に沿って延在する第1の電極部と、重力が作用する方向とは逆方向に延びる先細部を有し、第1の電極部に向かい合って直接的、または、絶縁材を介して間接的にインク容器の他方の外周部に当接する第2の電極部と、第1の電極部および第2の電極部の相互間に交流電圧を印加する交流電圧発生部と、を備え、第1の電極部の表面積が前記第2の電極部の表面積に比して大きく異なり、交流電圧発生部により第1の電極部および第2の電極部の相互間に交流電圧が印加される場合、第1の電極部および第2の電極部の相互間に形成され攪拌粒子に作用する電界強度は、攪拌粒子に対流を誘発させるように第2の電極部における先細部に向かって大きくなることを特徴とする。
また、本発明に係る顔料インク用攪拌システムは、溶媒と顔料粒子の誘電分極率が異なる顔料インクと、顔料インクを収容する隣接設置された複数の容器と、複数の容器それぞれの外側に顔料インクとは電気的に絶縁状態で当接するように設置され、それらの間に交流電圧が印加される少なくとも一対で表面積が大きく異なる電極を有し、電極に交流電圧を印加することにより容器内の顔料粒子に対流を発生させ、顔料インクを攪拌させる顔料インク用攪拌システムにおいて、複数の容器それぞれの外側に設置された電極に印加する交流電圧を、隣接する電極同士で同一の電圧とすることを特徴とする。
さらに、本発明に係る顔料インク用攪拌システムは、電場により誘電分極が引き起こされる攪拌粒子と、溶媒とを含んでなる顔料インクを収容するインク容器の一方の外周部に直接的、または、絶縁材料を介して間接的に当接するとともに攪拌粒子に重力が作用する方向に沿って延在する第1の電極部と、第1の電極部に向かい合って直接的または絶縁材を介して間接的に容器の他方の外周部に当接する第2の電極部と、第1の電極部および第2の電極部の相互間に交流電圧を印加する交流電圧発生部と、を備え、第1の電極部の表面積が第2の電極部の表面積に比して大きく異なり、交流電圧発生部により第1の電極部および第2の電極部の相互間に交流電圧が印加される場合、誘電分極が引き起こされた攪拌粒子が、対流を誘発させることにより、顔料インクが攪拌されることを特徴とする。
本発明に係る顔料インク用攪拌システムによれば、交流電圧が印加される場合、顔料インク内の攪拌粒子に作用する電界強度は、攪拌粒子に対流を誘発させるように第2の電極部における先細部に向かって大きくなるので顔料インクが攪拌される。従って、インク容器内の顔料インクに機械的振動等を顔料インクに作用させることなく顔料インクを攪拌できる。
本発明に係る顔料インク用攪拌システムの一例に用いられるメインインクタンクを、小電極および大電極とともに示す斜視図である。 本発明に係る顔料インク用攪拌システムの一例を備えるインクジェットプリンタの要部を概略的に示す構成図である。 本発明に係る顔料インク用攪拌システムの一例の構成を、記録ヘッドユニットとともに示す構成図である。 本発明に係る顔料インク用攪拌システムの一例の構成の要部を示す構成図である。 本発明に係る顔料インク用攪拌システムの一例に用いられたメインインクタンク内の顔料インクの攪拌動作の説明に供される断面図である。 本発明に係る顔料インク用攪拌システムの一例に備えられる制御ブロックを示すブロック図である。 本発明に係る顔料インク用攪拌システムの一例に用いられたメインインクタンク内の顔料インクの攪拌動作の説明に供される説明図である。 本発明に係る顔料インク用攪拌システムの一例に用いられたメインインクタンク内の顔料インクの攪拌動作の説明に供される説明図である。 図1に示される小電極および大電極をそれぞれ備える複数のメインインクタンクと、交流電圧発生部とが接続された回路の一例を示す回路図である。 図1に示される小電極および大電極をそれぞれ備える複数のメインインクタンクと、交流電圧発生部とが接続された回路の他の一例を示す回路図である。 図1に示される小電極および大電極をそれぞれ備える複数のメインインクタンクと、交流電圧発生部とが接続された回路のさらなる他の一例を示す回路図である。 本発明に係る顔料インク用攪拌システムの一例に用いられるメインインクタンクを、小電極の他の一例とともに示す斜視図である。 図12に示される小電極を備えるメインインクタンク内の顔料インクの攪拌動作の説明に供される断面図である。 制御ブロックの中央処理演算部が、例えば、マイクロコンピュータにより構成された場合、マイクロコンピュータが実行するプログラムの一例をあらわすフローチャートである。
図2は、本発明に係る顔料インク用攪拌システムの一例を備えるインクジェットプリンタの要部を概略的に示す。なお、本発明に係る顔料インク用攪拌システムの一例は、他の
インクジェット装置、例えば、プリンタ(プリンタ複合機を含む)、電子デバイス等の製造装置、捺染装置などの産業用プリント装置に備えられてもよい。
図2において、図示が省略される装置本体の外郭は、排出トレイを含む外装部材と、その外装部材内に収納されたシャーシ10とから構成される。
シャーシ10は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材によって構成され、インクジェットプリンタの骨格をなし、後述の各記録動作機構を保持するものとなっている。
その装置本体に収納、保持される記録動作機構としては、記録媒体としての記録シートPを装置本体内へと順次、矢印Fの示す方向に1枚ずつ自動的に給送する自動給送部(不図示)と、搬送部と、を含んで構成されている。
その搬送部は、自動給送部から1枚ずつ送出される記録シートPをプラテン上の所定の記録位置へと導くと共に、記録位置から排出部へと記録シートPを導く。
また、記録動作機構としては、加えて、記録位置に搬送された記録シートPに対し所望の記録を行なう記録部と、後述する記録部の記録ヘッド28に対する回復処理を行う回復部(不図示)とを含んで構成されている。
上述の搬送部は、搬送ローラ21と、搬送ローラ21により搬送され印刷された記録シートPを排紙部に向けて搬送する排紙ローラ(不図示)とを含んで構成されている。
搬送ローラ21は、自動給送部からの1枚ずつ送出される記録シートPを記録部の記録ヘッド28の記録動作に応じた所定の送り量をもって断続的に搬送する。
搬送ローラ21および排紙ローラは、それぞれ、歯車減速機構等を介して伝達される給紙モータ(P.Fモータ)64の回動力により駆動される。給紙モータ64は、シャーシ10における一方側の側部に支持されている。給紙モータ64は、後述する制御ブロックにより駆動制御される。なお、斯かる例において、記録媒体としての記録シートPは、紙、プラスチックシート等であってもよい。また、顔料インク用攪拌システムを備える製造装置または捺染装置の場合、それぞれ、記録シートPが、ガラス基板、布地であってもよい。
記録部
その記録部は、キャリッジ軸20によって移動可能に支持されたキャリッジ22と、このキャリッジ22に着脱可能に搭載されサブインクタンク部および記録ヘッド28を含む記録ヘッドユニット24(図3参照)とを主な要素として含んで構成される。
キャリッジ22の背面部には、タイミングベルトTBが連結されている。タイミングベルトTBは、所定の間隔をもって離隔してシャーシ10に回動可能に配される一対のプーリに巻き掛けられている。一方のプーリは、キャリッジモータ60の出力軸に連結されている。後述する制御ブロックにより駆動制御されるキャリッジモータ60が作動状態とされることによって、キャリッジ22が、図示が省略されるプラテン上に搬送された記録シートPの記録面の上方となる位置で図2において矢印Sの示す方向に沿って往復動せしめられる。
キャリッジ22における記録ヘッドユニット24とは別の部位には、フレキシブルプリントケーブルFPC(不図示)の一端が接続されている。また、フレキシブルプリントケーブルFPCの一端はキャリッジ22の背面に搭載されたキャリッジ基板に接続されている。そのキャリッジ基板は、キャリッジ22に搭載されたプリント基板ユニットであり、フレキシブルプリントケーブルFPCを通じて記録ヘッド28との信号の授受を行うインターフェースとして機能する。キャリッジ基板は、エンコーダスケールとエンコーダセンサとの相対位置を検出し、その検出出力信号をフレキシブルフラットケーブルFPCを通じて後述する制御ブロックに出力する。エンコーダスケールとエンコーダセンサとの相対位置の検出は、エンコーダスケール(不図示)に沿ったキャリッジ22の移動に伴ってエンコーダセンサから出力されるパルス信号に基づきなされる。エンコーダスケールの両端は、シャーシ10の両側部にそれぞれ支持されている。
フレキシブルプリントケーブルFPCの他端のコンタクト部と記録ヘッドユニット24に設けられた電気配線基板のコンタクト部とが電気的に接続される。これにより、記録のための各種情報の授受や記録ヘッドユニット24の記録ヘッド28への電力の供給などが可能とされる。
記録ヘッドユニット
記録部に用いられる記録ヘッドユニット24は、各インク色の顔料インクを個別に貯留するサブインクタンク部と、サブインクタンク部から供給される顔料インクを後述する制御部からの記録情報に応じてインク吐出口から吐出させる記録ヘッド28とを有している。
各サブインクタンク部には、図2に示されるように、インク供給路32A、32B,32C、32D、32E,および、32Fの一端が接続されている。インク供給路32A、32B,32C、32D、32E,および、32Fの他端には、後述するインク容器としてのメインインクタンク26A,26B,26C,26D,26E,および、26Fが接続されている。メインインクタンク26A〜26Fは、それぞれ、約40cc(40g)を超える内容積を有するインク収容室を有している。上述のサブインクタンク部の内容積は、メインインクタンクの内容積に比して小に設定されている。インク供給路32A、32B,32C、32D、32E,および、32Fには、メインインクタンクからのインクをサブタンクに所定のタイミングで供給するポンプ機構(不図示)が備えられている。なお、斯かる例に限られることなく、例えば、各メインインクタンクの外郭部が加圧されることにより、その内部の顔料インクがその押圧力に応じてインク供給路を通じてサブインクタンク部に供給されるように構成されてもよい。
記録ヘッドユニット24による写真調の高画質なカラー記録を可能とするためにメインインクタンク26A〜26Fには、それぞれ、例えば、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ及びイエローの各色の顔料インクが収容されている。即ち、誘電分極率の異なる顔料粒子を含む各色の顔料インクが収容されている。
記録シートPの記録面PSに対向して設けられる記録ヘッド28は、各インク用の記録素子基板と、図示が省略されるが、第1のプレート、電気配線基板、第2のプレート、流路形成部材、フィルター、シールゴム等を含んで構成されている。
記録素子基板は、例えば、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体を用いて記録を行うバブルジェット(登録商標)方式のサイドシュータタイプとされ、1枚の基板で構成されている。なお、斯かる例に限られることなく、例えば、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式など、さまざまな方式が用いられてもよい。
メインインクタンク
メインインクタンク26A〜26Fは、図2に示されるように、シャーシ10における所定位置に固定されている。隣接するメインインクタンク相互間は、図3および図9に示されるように、後述する絶縁部材30により遮蔽されている。図2において、最も左端および右端のメインインクタンク26Aおよび26Fは、それぞれ、その両側面に絶縁部材30が設けられている。
メインインクタンク26A〜26Fの内部の構造は、互いに同一の構造を有しているのでメインインクタンク26Aについて説明し、他のメインインクタンク26B〜26Fの構造についての説明を省略する。
メインインクタンク26Aは、例えば、図4に示されるように、ブラック色の顔料インク80が収容されたインク収容室を有するインク袋とされる。
顔料インク80は、溶媒と、顔料インクの成分における色剤(色素)となる直径約0.1μmのカーボンブラック粒子(以下、顔料粒子ともいう)とが主な成分として所定の比率で混合されたものである。その溶媒としては、脱イオン水またはメタノール、エタノール、プロパノールなどの水溶性有機溶剤がある。なお、他のメインインクタンク26B〜26Fの各色の顔料インクにおいても、脱イオン水またはメタノール、エタノール、プロパノールなどの水溶性有機溶剤と、各色の色剤となる有機顔料粒子とが主な成分として所定の比率で混合されたものである。
そのインク収容室は、比較的大容量とされ、約40ccを超える内容積を有している。そのインク収容室の上部の中央には、その収容室内に連通するインク供給口26INが設けられている。インク収容室におけるインク供給口26IN近傍には、図5に示されるように、充填された顔料インク80の液面FLが形成されている。その液面FLの上方には、空気層AIが形成されている。
なお、インク収容室は、ハードケース状のもので電気絶縁性のあるゴム、ビニール、プラスチック、モールド等で形成されてもよい。
図1および図3に示されるように、後述する第1の電極部としての小電極40が貼付された薄板状の支持部材44と、第2の電極部としての大電極42とが、そのインク袋を挟んで向かい合って配されている。小電極40および大電極42は、それぞれ、メインインクタンク26Aの両側の外周部と絶縁部材30との間に、平坦な形状とされる小電極40および大電極42は、それぞれ、メインインクタンク26Aの外周部に当接している。
なお、小電極40および大電極42は、顔料インク80とは電気的に絶縁状態とされる。メインインクタンク26Aは、該メインインクタンク26Aを挟んで最接近した状態で放電することがないように形成される。
図4に示されるように、小電極40と大電極42との相互間距離Dは、約1cm以内に設定されている。また、メインインクタンク26Aの壁の厚さの値は、小電極40および大電極42と顔料インク80とができる限り接近できるように、薄く形成されなければならない。その際、厚さは、上述したように、小電極40と大電極42とが最接近した状態で放電することがなく、しかも、小電極40および大電極42とメインインクタンク26A内の顔料インク80とができる限り接近できるような値に設定される。そこで、メインインクタンク26Aを形成するインク袋の肉厚は、顔料インク80が漏れることない強度を持つ厚さで最大2.0mm程度までの厚さに設定されている。
メインインクタンク26Aを挟んで向き合って配される小電極40および大電極42は、それぞれ、導体、例えば、銅などの銅箔で、厚さ0.05mm程度の薄さで形成されている。
支持部材44は、絶縁材料、例えば、プラスチックで作られている。小電極40は、例えば、図1に示されるように、顔料粒子に作用される重力の方向とは逆方向に延在する先細の略台形に形成されており、支持部材44の略中央部に貼付されている。小電極40の高さDaは、支持部材44の長辺の長さと同一に設定されている。また、上底の長さEは、下底の長さCに比して小に設定されている。即ち、小電極40における顔料粒子80PAに重力が作用する方向に対し略直交する方向の幅が、重力が作用する方向に沿って漸増することとなる。
なお、小電極40が支持部材44の中央部に設けられているが、斯かる例に限られることなく、小電極40が、例えば、支持部材44の中心軸線に対し所定量だけ一方に偏倚した位置に貼付されてもよい。
なお、上述の例においては、小電極40および大電極42は、一対としているが、これに限られるものではなく、電極は、複数対であってもよい。
上述の例においては、小電極40は、単一の構成とされるが、しかしながら、斯かる例に限られることはない。例えば、図12に示されるように、支持部材44に貼付される小電極が、小電極40の最大幅に比べて小なる幅を有する帯状電極46A、および、帯状電極46Bから構成されてもよい。
均一な幅を有する帯状電極46A、および、帯状電極46Bは、図12において、支持部材44の中心線CLを対称軸として対称な位置にあるように所定の間隔をもって形成されている。また、帯状電極46A、および、帯状電極46Bの高さDbは、支持部材44の長辺の長さよりも若干小に設定されている。帯状電極46Aの上端の幅E1と下端の幅C1とは、互いに同一に設定されている。帯状電極46Aの上端の幅E1と同一寸法に設定される帯状電極46Bの上端の幅E2および下端の幅C2も、互いに同一に設定されている。その際、隣接する帯状電極46Aの上端と帯状電極46Bの上端との最小相互間距離CLAは、帯状電極46Aの下端と帯状電極46Bの下端との最大相互間距離CLBに比して小に設定されている。これにより、帯状電極46A、および、帯状電極46Bによって形成される小電極においても、先細に形成されることとなるので小電極における顔料粒子80PAに重力が作用する方向に対し略直交する方向の幅が、重力が作用する方向に沿って漸増することとなる。
なお、小電極40の形状は、台形に限られることなく、例えば、直径の長さが互いに異なる複数個の円形の電極が、支持部材44の長辺に沿って共通の直線上に連なる形状であってもよい。その形状は、小電極40および大電極42相互間に発生する電界(電場)に電界強度の大きい個所と小さい個所とが分布する形状であって、その表面積A(=1/2(E+C)×Da)(図1参照)が太い部分と細い部分とがある形状にすればよい。
大電極42の大きさは、メインインクタンク26Aの外形寸法と同一、もしくは、それよりも大となる寸法に設定されている。
インク収容室が袋形状の場合、小電極40および大電極42がメインインクタンク26Aの他方の外周面に当接するように、メインインクタンク26Aの外周面に直接的に貼付されてもよい。または、インク袋のみの交換に対応できるように、大電極42を固定するための電極固定板となるプラスチックの板に大電極42を固定してからその外周面に間接的に当接するように、大電極42が設置されてもよい。
その際、インク収容室が袋形状の場合、外面に当接する小電極40および大電極42は、顔料インク80を効率良く攪拌させるために小電極40の長手方向の外面で最も面積の広い面に、対向する大電極42との相互間隔が最も小さくなるように設置される。
また、一対の小電極40の表面積Aと大電極42の表面積B(=a×b)(図1参照)とが大きく異なるようにするために大電極42の表面積Bは、例えば、メインインクタンク26Aの最も表面積の広い面の表面積と同一の面積に設定される。一方、小電極40の表面積Aは、表面積Aの表面積Bに対する面積比が1:10程度になる大きさに設定される。
さらに、図3および図4、図9に示されるように、小電極40と大電極42との間には、導線72および74を介して交流電圧発生部70が接続されている。これにより、交流電圧発生部70による所定の交流電圧が、所定のタイミングで小電極40と大電極42との間に印加される。交流電圧発生部70は、後述するスイッチング制御部68により制御される。
交流電圧発生部70により印加される交流電圧は、各メインインクタンク26A〜26Fの顔料インクの特性に応じて設定される。印加する電圧値は、1kV〜数kV程度の範囲内で設定され、その周波数は、60kHz程度とされる。
従って、顔料インク用攪拌システムは、メインインクタンク26A〜26Fにそれぞれ設けられた小電極40および大電極42と、交流電圧発生部70、スイッチング制御部68と、後述する中央処理演算部(CPU)50とを含んで構成されることとなる。
図9に示されるように、複数のインク容器としてのメインインクタンク26A〜26Cにおいて、交流電圧発生部70から交流電圧を印加するために一対の小電極40および大電極42が、それぞれの外側に配置されている。小電極40と大電極42との間には、導線72および74を介して交流電圧発生部70が接続されている。なお、図9乃至図11においては、メインインクタンク26A〜26Cに関連する回路のみが示されており、メインインクタンク26D〜26Fに関連する回路も、同様な構成とされるのでその図示が省略されている。
小電極40に対して図9に示されている極性で交流電圧を印加すると、隣接設置されるインク容器の電極間に高電圧が印加されるのでこれらの電極間の放電防止のために上述したような絶縁部材30が必要となる。また、図9において、電極40を表面積の小さい第2の電極とし、電極42を表面積の大きい第1の電極とする。この場合、表面積の大きい電極と表面積の小さい電極との距離が小さいため、お互いの電界の影響を受けてしまい、所望の電界強度分布を得ることができない。そのため、上述した絶縁部材30は、電界を遮断する特性をさらに備えている必要がある。
これに対して、図10に示される実施例においては、隣接する電極には同一の交流電圧を印加している。このため、隣接する電極間に発生する電位差は、ゼロとなり、絶縁部材30は不必要となる。また、隣接する電極の形状も同一の形状としている(表面積の小さい電極同士もしくは表面積の大きい電極同士が隣接するような配置としている)ため、隣接するインク容器内に発生する電界分布へ及ぼす影響もなくなる。その結果、絶縁部材30は、電界遮蔽特性も不要となり、最終的には絶縁部材(電界遮蔽部材)30は削除することが可能となる。
図11に示される実施例においては、インク容器に直接電極が設置されるのではなく、メインインクタンク26A〜26C(以下、インク容器ともいう)を保持する容器ホルダ117に小電極40および大電極42が設置されている例が示されている。この場合、複数のインク容器それぞれは、容器ホルダ117に形成される複数の凹部のうちの対応する凹部内に収容される。容器ホルダ117に設置される電極は、複数の凹部を仕切る仕切り壁内に設けられるとともに、表面積の小さな小電極40と表面積の大きな大電極42が各凹部内に収容されている各インク容器を挟むように交互に設置されている。したがって、隣接するインク容器間の電極は、一個であっても、該電極の両側に収容されるインク容器に対する共通する電極として機能することが分かる。
制御ブロック
インクジェットプリンタにおいては、上述の構成に加えて、図6に示されるように、記録ヘッド28の記録動作制御、記録シートPの搬送制御、キャリッジ22の移動制御、および、交流電圧発生部70の起動または停止制御を行う制御ブロックを備えている。
制御ブロックは、記録ヘッド28、キャリッジモータ60、フィードモータ64の動作制御を行う中央処理演算部(CPU)50と、リードオンリーメモリ(ROM)54、ランダムアクセスメモリ(RAM)56とを主な要素として含んで構成される。リードオンリーメモリ(ROM)54、ランダムアクセスメモリ(RAM)56は、それぞれ、プログラムデータ、または、供給された各制御データ、画像データ等をそれぞれ、格納する
中央処理演算部(CPU)50は、記録装置とは別個に設けられる例えば、パーソナルコンピュータ等のホスト装置52から図示が省略される双方向型通信部を介して供給される制御データ、印刷される画像をあらわす画像データ等に基づいて動作制御する。
中央処理演算部50には、ホスト装置52からの制御データ、印刷される画像をあらわす画像データ等を含むデータ群DG,上述のエンコーダセンサ、紙端検出センサ等から供給される検出データ群DS等が供給される。また、中央処理演算部50には、インクジェットプリンタにおける電源投入をあらわす作業開始指令および予備吐出および吸引回復の指令をあらわす他のデータDA等も供給される。
中央処理演算部50には、制御バスを介して各プログラムデータを格納するリードオンリーメモリ(ROM)54、およびランダムアクセスメモリ(RAM)56にそれぞれ接続されている。ランダムアクセスメモリ(RAM)56は、各メインインクタンクごとに印加される交流電圧の設定値、および、印加時間をあらわすデータとデータ群DGおよび検出データ群DSとに対応した記録用のデータバッファとしての記録領域を有している。また、ランダムアクセスメモリ(RAM)56は、各モータ制御用データバッファとしての記憶領域を有している。
中央処理演算部50は、RAM56から読み出されたデータ群に基づいて所定の画像処理を行い、記録動作制御データPDを形成し、それを、記録ヘッド28を制御するヘッドドライバ66に供給する。その際、RAM56に格納された各データは、中央処理演算部50から供給される読み出しタイミング信号に応じて1バンド幅分ごとに読み出され、画像処理のためにそれが各種の同期信号およびクロック信号とともに中央処理演算部50に順次、供給される。
その画像処理においては、例えば、マスキングデータ処理、各データに基づいて色変換データテーブルが参照されて色データを得るパレット変換、その得られた色データに対して二値化処理を行う多値/二値変換処理を含む。また、画像処理においては、加えて、ニ値化処理された信号を分配する信号分配処理、およびレジ調整等を含む。
ヘッドドライバ66は、記録動作制御データPDおよび検出データ群DSに基づく同期信号に基づいて記録駆動制御信号を形成し、それを記録ヘッド28に供給する。記録ヘッド28は、記録駆動制御信号に基づいて断続的に搬送される記録シートPの記録面PSに対しインク滴IDを吐出し記録動作を行う。
また、中央処理演算部50は、記録ヘッド28に記録動作を行わせるとともに、検出データ群DSに基づいて制御データCDをモータドライバ58に供給する。これにより、記録ヘッドユニット24が搭載されたキャリッジ22が記録シートPの記録面の上方に対し図2において矢印Sの示す方向に沿って往復動される。モータドライバ58は、制御データCDに基づいて駆動制御信号を形成し、それをキャリッジモータ60に供給する。これにより、キャリッジモータ60が作動されるとき、キャリッジ22が、後述するように、記録シートPの記録面が所定量、搬送されるごとに移動せしめられる。
中央処理演算部50は、所定の用紙送り量、例えば、1200dpi単位の送り量で記録シートPの記録面をキャリッジ22の搬送方向に対し直交する方向、即ち図2において矢印Fの示す方向に搬送すべく、制御データFDをモータドライバ62に供給する。モータドライバ62は、制御データFDに基づいて駆動制御信号を形成し、それをフィードモータ64に供給する。これにより、フィードモータ64が作動されるとき、記録シートPが、記録ヘッド28の記録動作終了ごとに所定の送り量で送られる。
さらに、中央処理演算部50は、データDAが供給される場合、例えば、記録ヘッドユニット24の記録動作以前において、インクジェットプリンタの電源投入をあらわすデータに基づいてスイッチング制御部68に攪拌指令信号群VDを所定期間、供給する。スイッチング制御部68は、攪拌指令信号群VDに基づいて交流電圧発生部70に印加開始信号を供給する。これにより、交流電圧発生部70は、各メインインクタンク26A〜26Fに個別に設定される所定の交流電圧を所定の攪拌期間、例えば、約5分間だけ小電極40および大電極42相互間に印加する。従って、各メインインクタンク26A〜26F内の顔料インクが攪拌される。
交流電圧が、小電極40および大電極42相互間に印加された場合、図7および図8に示されるように、小電極40および大電極42相互間における顔料インク80の横断面で、概ね、複数の等電位線EQLであらわされる電界が形成される。その際、小電極40に近づくほど電界強度が大きくなる。その際、顔料粒子80PAには、紙面に対し垂直方向に重力が作用することとなる。
この場合、図7に示されるように、顔料インク80中(電解強度Eの電界中)に存在する顔料粒子80PAは誘電分極を起こし、電位の高い方にマイナス電荷が集まり、電位の低い方にプラスの電荷が集まる。その際、プラス電荷およびマイナス電荷の絶対値は、等しい状態である。なお、図7および図8は、顔料インク80において、マイナス電荷あるいはプラス電荷を有していた顔料粒子80PAの外周部近傍で誘電分極が引き起こされた状態を概略的に示す。
ここで、F=QEで表せる静電引力Fが発生する。但し、Qは、顔料粒子80PAの電荷である。
図7に示される状態の場合、プラス電位の小電極40は、その表面積が大電極42の表面積に比して小さいことによって、マイナス電位の大電極42よりも電界強度が大きいので誘電分極した顔料粒子80PAは、矢印の示す方向、即ち、小電極40の方へ移動する。また、図8に示されるように、交流電圧が負方向となり、その電位が逆になっても、顔料粒子80PAの誘電分極は、小電極40側にプラス電荷、大電極42側にマイナス電荷が現れるので顔料粒子80PAが移動する方向は変わらない。即ち、顔料粒子80PAは、矢印の示す方向、即ち、電界強度Eのより大きい小電極40の方へ移動することとなる。
また、小電極40は、図5または図12に示されるように、下方が太くなっており、上方にいくにつれて徐々に細くなっていく形状をしている電極なので小電極40における表面積の小さい先細部分(上部)が電界強度は大きくなる。即ち、小電極40において、その幅が狭くなる上方部分ほど電界強度が大となる。
メインインクタンク26Aの下方に沈殿していた顔料粒子80PAは、図4および図5に示されるように、小電極40の細くなっている部分(上部)を目指して小電極40に沿うように矢印Rの示す方向に沿って上昇を始める。その際、上昇中に小電極40に対し離れた一部の顔料粒子80PAは、矢印Dで示す方向、即ち、重力の作用する方向に途中で下降する。
顔料インク中の大部分の顔料粒子80PAは、その上昇運動の勢い(慣性力)で空気層AIとの境界面まで達し、境界面(水平方向)に沿って広く分散して再び重力の作用する方向に下降する。このような顔料粒子の移動により、矢印Rおよび矢印Dで示すような顔料インクの対流を発生させることができる。その結果、短時間で沈殿していた顔料粒子80PAを攪拌させることが可能である。
また、上述した図12および図13に示される他の一例においても、同様に、メインインクタンク26Aの下方に沈殿していた顔料粒子80PAは、矢印Rの示す方向に沿って上昇を始める。即ち、顔料粒子80PAは、図13に示されるように、帯状電極46Aおよび46Bが互いに近接し細くなっている部分(上部)を目指して小電極に沿うように矢印Rの示す方向に沿って上昇を始める。その際、上昇中に帯状電極46Aおよび46Bに対し離れた一部の顔料粒子80PAは、矢印Dで示す方向、即ち、重力の作用する方向に途中で下降する。
顔料インク中の大部分の顔料粒子80PAは、その上昇の勢いで上述した空気層との境界面まで達し、広く分散して再び重力の作用する方向に下降する。これにより、矢印Rおよび矢印Dで示すような顔料インクの対流を発生させることができる。その結果、短時間で沈殿していた顔料粒子80PAを攪拌させ、顔料インクを均一な濃度とすることが可能である。
そして、中央処理演算部50は、所定期間経過後、攪拌指令信号群VDのスイッチング制御部68への供給を停止する。これにより、スイッチング制御部68は、交流電圧発生部70に印加停止信号を供給する。従って、交流電圧発生部70が、各メインインクタンク26A〜26Fへの交流電圧への印加を停止するので攪拌が終了する。
なお、上述の例においては、対流を誘発し顔料インクを攪拌する攪拌粒子として顔料インク中の顔料粒子80PAを利用するものとされている。しかし、必ずしもこのようになされる必要がない。例えば、顔料インク中の顔料粒子に加えて、交流電圧が印加されることにより、上述したような、誘電分極が外周部で引き起こされ、上述の対流を誘発させる可能性を有する攪拌粒子が利用されてもよい。即ち、その攪拌粒子が顔料インク中に予め所定量、添加したものに対して交流電圧が印加されてもよい。但し、そのように添加される攪拌粒子は、インク吐出時、記録ヘッドの目詰まりの原因とならないような粒子であることが要される。
さらに、上述の例においては、例えば、インクジェットプリンタの電源投入時、顔料インクに対する攪拌動作が行われている。しかし、斯かる例に限られることなく、例えば、サブインクタンク部に設けられるインク残量センサからの検出信号が用いられてもよい。即ち、記録ヘッドの記録動作以前の段階で、その検出信号に基づいてそのインク残量が所定値以下となる場合、顔料インクの攪拌動作が自動的に開始されるように構成されてもよい。
上述した制御ブロックの中央処理演算部50が、例えば、マイクロコンピュータにより構成された場合、実行するプログラムの一例を、図14に示されるフローチャートを参照して説明する。
図14において、スタート後、ステップS1において、中央処理演算部50は、タイマーカウンタの値を零に設定するとともに、各メインインクタンク26A〜26Fごとの印加電圧および攪拌時間TAを設定し、ステップS2に進む。ステップS2において、中央処理演算部50は、例えば、インクジェットプリンタの電源投入をあらわす信号(データ)を取り込み、続くステップS3において、攪拌指令信号群VDをスイッチング制御部68に供給し、ステップS4に進む。ステップS4において、中央処理演算部50は、タイマーカウンタ値Xに対応する攪拌時間Tが所定の攪拌時間TA以上である否かを判断する。ステップS4において、中央処理演算部50は、攪拌時間Tが所定の攪拌時間TA以上である場合、続くステップS5において、攪拌指令信号群VDの供給を停止し、プログラムを終了する。
一方、ステップS4において、中央処理演算部50は、攪拌時間Tが所定の攪拌時間TA未満である場合、そのタイマーカウンタ値Xに1を加算しインクリメントし、ステップS3に戻り、それ以降の各ステップを上述と同様に実行する。
26A,26B,26C、26D、26E,26F メインインクタンク
24 記録ヘッドユニット
28 記録ヘッド
30 絶縁部材
40 小電極
42 大電極
46A,46B 帯状電極
50 中央処理演算部
68 スイッチング制御部
70 交流電圧発生部
80 顔料インク
80PA 顔料粒子

Claims (9)

  1. 電場により誘電分極が引き起こされる攪拌粒子と、溶媒とを含んでなる顔料インクを収容するインク容器の一方の外周部に直接的、または、絶縁材料を介して間接的に当接するとともに該攪拌粒子に重力が作用する方向に沿って延在する第1の電極部と、
    前記重力が作用する方向とは逆方向に延びる先細部を有し、前記第1の電極部に向かい合って直接的、または、絶縁材を介して間接的に前記インク容器の他方の外周部に当接する第2の電極部と、
    前記第1の電極部および前記第2の電極部の相互間に交流電圧を印加する交流電圧発生部と、を備え、
    前記第1の電極部の表面積が前記第2の電極部の表面積に比して大きく異なり、前記交流電圧発生部により前記第1の電極部および前記第2の電極部の相互間に交流電圧が印加される場合、該第1の電極部および該第2の電極部の相互間に形成され前記攪拌粒子に作用する電界強度は、前記攪拌粒子に対流を誘発させるように第2の電極部における先細部に向かって大きくなることを特徴とする顔料インク用攪拌システム。
  2. 溶媒と顔料粒子の誘電分極率が異なる顔料インクと、前記顔料インクを収容する隣接設置された複数の容器と、前記複数の容器それぞれの外側に前記顔料インクとは電気的に絶縁状態で当接するように設置され、それらの間に交流電圧が印加される少なくとも一対で表面積が大きく異なる電極を有し、前記電極に交流電圧を印加することにより前記容器内の顔料粒子に対流を発生させ、前記顔料インクを攪拌させる顔料インク用攪拌システムにおいて、前記複数の容器それぞれの外側に設置された電極に印加する交流電圧を、隣接する電極同士で同一の電圧とすることを特徴とする顔料インク用攪拌システム。
  3. 溶媒と顔料粒子の誘電分極率が異なる顔料インクと、前記顔料インクを収容する隣接設置された複数の容器と、前記複数の容器それぞれの外側に前記顔料インクとは電気的に絶縁状態で当接するように設置され、それらの間に交流電圧が印加される少なくとも一対で表面積が大きく異なる電極を有し、前記電極に交流電圧を印加することにより前記容器内の顔料粒子に対流を発生させ、前記顔料インクを攪拌させる顔料インク用攪拌システムにおいて、前記複数の容器それぞれの外側に設置された電極は隣接する電極同士で同一の形状とすることを特徴とする顔料インク用攪拌システム。
  4. 溶媒と顔料粒子の誘電分極率が異なる顔料インクと、前記顔料インクを収容する隣接設置された複数の容器と、前記複数の容器の外側に前記顔料インクとは電気的に絶縁状態で設置され、それらの間に交流電圧が印加される少なくとも一対で表面積が大きく異なる電極を有し、前記電極に交流電圧を印加することにより前記容器内の顔料粒子に対流を発生させ、前記顔料インクを攪拌させる顔料インク用攪拌システムにおいて、前記複数の容器それぞれの外側に設置される電極のうち、隣接設置される容器間の電極については共通の電極であることを特徴とする顔料インク用攪拌システム。
  5. 前記一対で表面積が大きく異なる電極のうちの一方の電極である表面積が小さい電極は、インク容器に対して垂直方向に延在し、その水平方向の長さが下方から上方に向って徐々に小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の顔料インク用攪拌システム。
  6. 電場により誘電分極が引き起こされる攪拌粒子と、溶媒とを含んでなる顔料インクを収容するインク容器の一方の外周部に直接的、または、絶縁材料を介して間接的に当接するとともに該攪拌粒子に重力が作用する方向に沿って延在する第1の電極部と、
    前記第1の電極部に向かい合って直接的、または、絶縁材を介して間接的に前記インク容器の他方の外周部に当接する第2の電極部と、
    前記第1の電極部および前記第2の電極部の相互間に交流電圧を印加する交流電圧発生部と、を備え、
    前記第1の電極部の表面積が前記第2の電極部の表面積に比して大きく異なり、前記交流電圧発生部により前記第1の電極部および前記第2の電極部の相互間に交流電圧が印加される場合、誘電分極が引き起こされた前記攪拌粒子が、前記顔料インクにおいて対流を誘発させることにより、前記顔料インクが攪拌されることを特徴とする顔料インク用攪拌システム。
  7. 前記攪拌粒子は、前記顔料インクに含まれる顔料粒子であることを特徴とする請求項6記載の顔料インク用攪拌システム。
  8. 前記第1の電極部における前記攪拌粒子に重力が作用する方向に対し略直交する方向の幅が重力が作用する方向に向かって漸増し、前記交流電圧発生部により前記第1の電極部および前記第2の電極部の相互間に交流電圧が印加される場合、該第1の電極部および前記第2の電極部の相互間における前記顔料インク中において、電界強度が異なる領域が分布されることを特徴とする請求項6記載の顔料インク用攪拌システム。
  9. 前記第1の電極は、絶縁材料で作られる支持部材に貼付されることを特徴とする請求項6記載の顔料インク用攪拌システム。
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